JP7286217B2 - リフレクター形成用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、リフレクター形成用樹脂組成物に関し、特に、ポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分とするリフレクター形成用樹脂組成物に関する。
近年、各種の屋内または屋外表示板、画像読み取り用光源、交通信号、大型ディスプレイ用ユニット、自動車及び車両等の輸送機器等の照明等においては、光半導体素子(LED素子)を光源とする発光素子(光半導体装置)の採用が進んでいる。このような光半導体装置としては、一般に、基板(光半導体素子搭載用基板)上に光半導体素子が搭載され、さらにこの光半導体素子が透明な封止材により封止された光半導体装置が採用されている。このような光半導体装置における基板には、光半導体素子から発せられる光の取り出し効率を高めるために、光を反射させるための部材(リフレクター、光反射部材)が形成されている。
従来、リフレクター形成用材料には、金属材料が用いられてきたが、軽量化等の目的で金属材料の代替として有機材料、特に樹脂組成物が用いられるようになってきている。こうしたリフレクターを形成するための樹脂組成物には、リフレクターの微細構造等に応じた良好な成形性や、光半導体素子の発光時に発生する熱に対する耐熱性、難燃性等の特性が一般的に求められる。
ポリフェニレンサルフィド樹脂(以下「PPS樹脂」ともいう。)は優れた耐熱性、剛性、寸法安定性、難燃性等を有するエンジニアプラスチックであり、射出成形用を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品などに広く使用されている。
例えば、特許文献1には、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、(B)ガラス繊維10~350重量部、(C)エポキシ基、酸無水物基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオレフィン系重合体0.5~100重量部、(D)エポキシ樹脂0.5~100重量部、(E)(E1)ガラスフレークおよび/または(E2)炭酸カルシウム1~300重量部を配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献2には、アリーレンスルフィド単位あたり0.05~3モル%に相当するアミノ基を有し、溶融粘度が200~800ポイズであって、結晶化温度が220℃未満であるアミノ基含有ポリアリーレンスルフィド(A)29~68.9重量%、繊維状充填材(B)15~30重量%、粉粒状充填材(C)15~30重量%、エチレン系共重合体(D)1~8重量%、及び、離型材(E)0.1~3重量%、からなることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献3には、(A)MI5~60のシンジオタクチックポリスチレン(SPS)または(A’)(イ)上記SPS40~90重量%と(ロ)ポリフェニレンスルフィド60~10重量%との樹脂混合物と、この(A)または(A’)100重量部当たり、(B)平均粒径100μm以下の板状フィラー5~100重量部及び場合により用いられる(D)平均粒径2.5μm以下の炭酸カルシウム5~100重量部、あるいは、(C)長径5~100μm、短径0.1~4μmの繊維状フィラー5~50重量部及び(D)平均粒径2.5μm以下の炭酸カルシウム5~100重量部を含むスチレン系樹脂組成物、並びにそれを射出成形してなる照明器具の反射板が記載されている。
通常、射出加工用の熱可塑性樹脂組成物には、金型からの離型性を高める等の目的で、添加剤としてワックスが用いられる。例えば、特許文献4には、炭素数12~22の飽和脂肪族モノカルボン酸類をモル比で2モル及び炭素数2~12の多塩基酸類をモル比でaモル(aは0≦a≦5)からなる酸類と、炭素数2~14のジアミン類をモル比でbモル(bは1≦b≦6)とが脱水縮合したアミドワックス成分の99.98~95重量%、及び前記アミドワックス成分に相溶している酸化防止剤の0.02~5重量%が、含有されていることを特徴とするワックスが記載されている。
特開2005-306926号 特開2011-16942号 特開2003-20373号公報 国際公開第2011/136354号
しかしながら、従来の樹脂組成物では、高い機械強度を有するとともに、外観が良好であり、さらにアウトガスの発生量が少ないリフレクターを形成できないという問題点があった。
本発明の目的は、高い機械強度を有するとともに、外観が良好であり、さらに高温時にアウトガスの発生量が少ないリフレクターを形成できるリフレクター形成用樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討し、ポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分とする樹脂組成物中に、所定の量の充填材とアミドワックスとを組み合わせることにより、高い機械強度を有するとともに、外観が良好であり、さらに高温時にアウトガスの発生量が少ないリフレクターを形成できることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、本発明のリフレクター形成用樹脂組成物は、
(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分とする樹脂組成物100質量部に対して、
(B)10~200質量部の繊維材料、
(C)5~100質量部の粉状充填材、及び、
(D)0.01~5質量部のアミドワックス
を含むことを特徴にする。
本発明の一実施形態において、前記した樹脂組成物の60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、有利には90質量%以上、特に95質量%以上がポリフェニレンサルファイド樹脂である。
本発明の一実施形態において、前記したポリフェニレンサルファイド樹脂がアミノ基を含まない。
本発明の一実施形態において、前記した繊維材料の含有量が、前記した樹脂組成物100質量部当たり20質量部以上、好ましくは30質量部以上、さらに好ましくは40質量部以上、優先的には50質量部以上、より優先的には60質量部以上、特に70質量部以上であり、好ましくは160質量部以下、より好ましくは120質量部、さらに好ましくは100質量部以下、特に85質量部以下である。
本発明の一実施形態において、前記した粉状充填材の含有量が、前記した樹脂組成物100質量部当たり15質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは25質量部以上、優先的には30質量部以上、より優先的には35質量部以上、特に40質量部以上であり、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは60質量部以下、特に50質量部以下である。
本発明の一実施形態において、前記したアミドワックスが、飽和脂肪族モノカルボン酸と2個の末端一級アミン基を有する直鎖状の飽和脂肪族アミンの縮合反応により得られるものである。
本発明の一実施形態において、前記した飽和脂肪族モノカルボン酸が、2種以上の飽和脂肪族モノカルボン酸を含む。
本発明の一実施形態において、前記したアミドワックスの含有量が、前記した樹脂組成物100質量部当たり0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上、特に0.4質量部以上であり、好ましくは4質量部以下、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下、特に1質量部以下である。
本発明はまた、リフレクターの製造方法にも関し、具体的には、本発明のリフレクター形成用樹脂組成物を射出成形することによる、リフレクターの製造方法にも関する。
本発明のフレクター形成用樹脂組成物は、高い機械強度を有するとともに、外観が良好であり、さらに高温時にアウトガスの発生量が少ないリフレクターを形成できるという特徴がある。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[リフレクター形成用樹脂組成物]
本発明のリフレクター形成用樹脂組成物は、
(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分とする樹脂組成物100質量部に対して、
(B)10~200質量部の繊維材料、
(C)5~100質量部の粉状充填材、及び、
(D)0.01~5質量部のアミドワックス
を含むことに特徴がある。
こうした本発明によれば、高い機械強度を有するとともに、外観が良好であり、さらに高温時にアウトガスの発生量が少ないリフレクターを形成できる。特に、本発明のリフレクター形成用樹脂組成物は、充填材を多く含むにもかかわらず、流動性を良好に維持でき、そのため、薄肉で微細構造を有するリフレクターの成形体であっても、ガスフローマーク等の外観不良のないリフレクターを形成できる。その結果、本発明のリフレクター形成用樹脂組成物から製造されるリフレクターは、良好な光反射率を達成できる。また、本発明のリフレクター形成用樹脂組成物は、高温時であってもアウトガスの発生が少ないので、光半導体装置等のレンズ曇りを抑制できる。以下、各成分について詳細に説明する。
(樹脂組成物)
本発明のリフレクター形成用樹脂組成物は、ポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分として含む樹脂組成物を含む。
ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下PPS樹脂と略す。)は、下記一般式(I)
Figure 0007286217000001
(式中R1は炭素数1~6のアルキル基または炭素数1~6のアルコキシル基であり、mは0~4の整数である。また、nは平均重合度を示し、10~300の範囲である。)で示される繰り返し単位を有する重合体であり得る。耐熱性の点から、好ましくは上記構造式で示される繰り返し単位含む重合体を70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む重合体である。前記一般式(I)において、R1のうちの炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基及び各種のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられ、炭素数1~6のアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基及び各種のプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基が挙げられる。
好ましくは、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、末端以外にアミノ基を含まない。すなわち、好ましくは、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、末端を除く主鎖部分にアミノ基の置換基を含まない。
また、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、p-フェニレンスルフィド単位を基本的な繰り返し単位とするものが好ましいが、さらにm-フェニレンスルフィド単位、o-フェニレンスルフィド単位、p,p′-ジフェニレンケトンスルフィド単位、p,p′-ジフェニレンスルホンスルフィド単位、p,p′-ビフェニレンスルフィド単位、p,p′-ジフェニレンエーテルスルフィド単位、p,p′-ジフェニレンメチレンスルフィド単位、p,p′-ジフェニレンクメニルスルフィド単位、各種ナフチレンスルフィド単位などの繰り返し単位を含有するものであってもよい。
ポリフェニレンサルファイド樹脂の溶融粘度は、溶融混練が可能であれば特に制限はないが、好ましくは、320℃、せん断速度1000sec-1の条件下の測定値として5~2000Pa・sec、さらに好ましくは10~1000Pa・secである。
ポリフェニレンサルファイド樹脂は、直鎖型ポリフェニレンサルファイド樹脂であっても、酸化架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂であってもよいが、直鎖型ポリフェニレンサルファイド樹脂を用いるのがより好ましい。
ポリフェニレンサルファイド樹脂は、通常のジハロゲノ芳香族化合物と硫黄源とを、有機極性溶媒中で縮重合反応させる方法によって製造されたものを用いることができる。
本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物は、ポリフェニレンサルファイド樹脂を樹脂組成物の主成分として含む。「主成分」とは、リフレクター形成用樹脂組成物に用いられる樹脂組成物の50質量%以上がポリフェニレンサルファイド樹脂であることを意味する。本発明のリフレクター形成用樹脂組成物は、樹脂組成物の好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、有利には90質量%以上、特に95質量%以上がポリフェニレンサルファイド樹脂である。本発明の好適な実施形態において、本発明のリフレクター形成用樹脂組成物は、樹脂組成物の97質量%以上、好ましくは98質量%以上、より好ましくは99質量以上、特に99.5質量%以上がポリフェニレンサルファイド樹脂である。本発明の特定の実施形態において、本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物は、ポリフェニレンサルファイド樹脂以外の樹脂を含まない。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリフェニレンサルファイド樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。こうした他の樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリシクロヘキシレン-ジメチレン-テレフタレート樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、スチレン系樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂、ポリケトン樹脂、ABS樹脂、ナイロン系樹脂、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂が挙げられる。こうしたポリフェニレンサルファイド樹脂以外の樹脂は、一種を単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。
(繊維材料)
本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分とする樹脂組成物100質量部に対して、(B)10~200質量部の繊維材料を含む。
本発明に用いられる繊維材料は、特に限定されないが、平均繊維径が1~50μmで、平均繊維長が0.5mm~25mmである繊維形状の材料が挙げられる。繊維材料の形状は、平均繊維径が好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは8μm以上であり、平均繊維径が好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm、特に15μm以下である。繊維材料の平均繊維長は、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上、さらに好ましくは2mm以上、特に2.5mm以上であり、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下、特に5mm以下である。こうした繊維材料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。
繊維材料は、無機繊維材料でも有機繊維材料でもよい。無機繊維材料としては、例えば、チョップドストランド、ミルドファイバー、ロービング等のガラス繊維、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、グラファイト化繊維、窒化珪素ウイスカー、塩基性硫酸マグネシウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、チタン酸カリウムウイスカー、炭化珪素ウイスカー、ボロンウイスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー材料、ステンレス繊維等の金属繊維、ウォラストナイト、アスベスト、セピオライト、スラグセンイ、ジルコニア、ロックウール、セラミック、ゾノトライト、エレストダイト、石膏等の鉱物系繊維等が挙げられる。有機繊維材料としては、例えば、全芳香族ポリアミド繊維、フェノール樹脂繊維、全芳香族ポリエステル繊維等が挙げられる。好ましくは、繊維材料は、無機繊維材料であり、特にガラス繊維が好ましい。
繊維材料としてガラス繊維が用いられる場合、ガラス繊維としては、SiOを45~75重量%含有している無アルカリガラス(Eガラス)、含アルカリガラス(Cガラス)であることが好ましい。
繊維材料は、表面処理されていてもされていなくてもよいが、好ましくは表面処理されたものを用いることが好ましい。繊維材料の表面処理に用いる表面処理剤としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物等のカップリング剤が挙げられる。繊維材料に対する表面処理剤の使用量としては、例えば、繊維材料の質量に対して0.1~5質量%であることが好ましく、好ましくは0.2~4質量%であり、さらに好ましくは0.3~3質量%であり、より好ましくは0.4~2質量%であり、特に0.5~1質量%である。なお、繊維材料の表面処理剤の付着量は、例えば、十分に乾燥させた繊維材料の重量を測定し、625℃で熱処理した後、再度繊維材料の重量を測定し、熱処理による繊維材料の重量の減量を、熱処理前の繊維材料の重量で徐すことにより求めることができる。
本発明に用いられる繊維材料は、カップリング剤で表面処理されたガラス繊維を含むことが好ましく、カップリング剤としては、アミノシランカップリング剤が特に好ましい。
本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物は、樹脂組成物100質量部に対して、繊維材料を10~200質量部で含む。繊維材料の含有量は、好ましくは、樹脂組成物100質量部当たり20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、さらに好ましくは40質量部以上、優先的には50質量部以上、より優先的には60質量部以上、特に好ましくは70質量部以上である。。繊維材料の含有量は、好ましくは160質量部以下、より好ましくは120質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下、特に85質量部以下である。
(粉状充填材)
本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分とする樹脂組成物100質量部に対して、(C)5~100質量部の粉状充填材を含む。
本発明に用いられる粉状充填材としては、無機充填材でも有機充填材でよいが、好ましくは粉状無機充填材が用いられる。こうした粉状無機充填剤としては、例えば、タルク、雲母、マイカ、カオリン、クレイ、ハロイサイト、ウォラストナイト、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム等のケイ酸塩、アルミナ、シリカ、ガラスパウダー、溶融シリカ、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等のリン酸塩、黒鉛、カーボンブラック、金属箔等が挙げられる。また、粉状有機充填剤としては、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリスルホン、ポリスチレン、フッ素樹脂等の各種熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の粉末、またはこれらの樹脂で構成される共重合体等が挙げられる。こうした粉状充填材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。
また、粉状充填材は、リフレクターとしての高い光反射性を達成するために、白色顔料を含んでいてもよい。こうした白色顔料としては、特に限定されず、公知の白色顔料を用いることができる。例えば、白色顔料は、ガラス、クレイ、雲母、タルク、カオリン、ハロイサイト、ゼオライト、酸性白土、活性白土、ベーマイト、擬ベーマイト、無機酸化物、アルカリ土類金属塩等の金属塩等の無機白色顔料;スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、尿素-ホルマリン系樹脂、メラミン-ホルマリン系樹脂、アミド系樹脂等の樹脂顔料等の有機白色顔料(プラスチックピグメント等)が挙げられる。無機酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン(ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン)、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素(シリカ)等が挙げられる。また、上記アルカリ土類金属塩としては、例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。また、アルカリ土類金属塩以外の金属塩としては、例えば、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
粉状充填材の形状としては、特に限定されないが、例えば、球状、長球状、板状、円柱状、扁平球状、紡錘形状、棒状、立方状、及び鱗片状等が挙げられる。
粉状充填剤の平均粒子径は、限定されないが、通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは2μm以上、特に3μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下、特に10μm以下である。粉状充填剤の平均粒子径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定法で体積累積平均粒子径(D50)を測定することにより測定できる。
粉状充填材は、表面処理されていてもされていなくてもよいが、好ましくは表面処理されたものを用いることが好ましい。粉状充填材の表面処理に用いる表面処理剤としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物等のカップリング剤が挙げられる。粉状充填材に対する表面処理剤の使用量としては、例えば、粉状充填材の質量に対して0.1~5質量%であることが好ましく、好ましくは0.2~4質量%であり、さらに好ましくは0.3~3質量%であり、より好ましくは0.4~2質量%であり、特に0.5~1質量%である。なお、粉状充填材の表面処理剤の付着量は、例えば、十分に乾燥させた粉状充填材の重量を測定し、625℃で熱処理した後、再度粉状充填材の重量を測定し、熱処理による粉状充填材の重量の減量を、熱処理前の粉状充填材の重量で徐すことにより求めることができる。
本発明に用いる粉状充填材は、炭酸カルシウムまたは白色顔料、特に酸化チタンを含むことが特に好ましい。
本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物は、樹脂組成物100質量部に対して、粉状充填材を5~100質量部で含む。粉状充填材の含有量は、好ましくは、樹脂組成物100質量部当たり15質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは25質量部以上、優先的には30質量部以上、より優先的には35質量部以上、特に40質量部以上である。粉状充填材の含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは60質量部以下、特に50質量部以下である。
(アミドワックス)
本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分とする樹脂組成物100質量部に対して、(D)0.01~5質量部のアミドワックスを含む。
アミドワックスは、長鎖カルボン酸とアミン化合物との縮合反応、特に脱水縮合により得られる化合物である。こうしたアミドワックス、長鎖カルボン酸、及びアミン化合物は単一のものを使用してもよく、また2種以上使用してもよい。
アミドワックスの製造に用いられる長鎖カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば長鎖モノカルボン酸または長鎖ジカルボン酸が挙げられる。モノカルボン酸は、好ましくは脂肪族モノカルボン酸であり、飽和脂肪族モノカルボン酸および不飽和脂肪族モノカルボン酸のいずれも使用することができ、また、直鎖脂肪族モノカルボン酸および分岐鎖を有する脂肪族モノカルボン酸のいずれも使用することができる。また、脂肪族カルボン酸は、無置換であっても、または置換基を有していてもよい。置換基の例としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシ基が挙げられる。好ましくは、長鎖モノカルボン酸として、炭素数12~22の脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。
アミドワックスの製造に用いられる無置換の飽和脂肪族モノカルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、及びベヘン酸等が挙げられる。アミドワックスの製造に用いられる置換飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、12-ヒドロキシステアリン酸及びジヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。アミドワックスの製造に用いられる無置換の不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。
アミドワックスの製造に用いられる長鎖ジカルボン酸は、好ましくは炭素数2~12の長鎖ジカルボン酸が挙げられる。こうした長鎖ジカルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10-デカンジカルボン酸、及び1,12-ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、及びシクロヘキシルコハク酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸は、飽和でも不飽和でも、また、直鎖でも分岐鎖を有してもよく、また、無置換でも置換基を有していてもよい。
アミドワックスの製造に用いられるアミン化合物としては、特に限定されないが、モノアミン化合物、ジアミン化合物、またはテトラアミン化合物が挙げられる。
モノアミン化合物としては、例えば、炭素数8~30の脂肪族モノアミン化合物が好ましい。炭素数8~30の脂肪族モノアミン化合物は、飽和脂肪族モノアミン化合物および不飽和脂肪族モノアミン化合物のいずれも使用することができ、また、直鎖脂肪族モノアミン化合物および分岐鎖を有する脂肪族モノアミン化合物のいずれも使用することができる。具体的には、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、アラキルアミン、ベヘニルアミン、2-エチルヘキシルアミン、オレイルアミン、エルシルアミン等が挙げられる。
ジアミン化合物は、炭素数2~14のものであることが好ましい。具体的には、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,10-デカンジアミン、及び1,12-ドデカンジアミン等の脂肪族ジアミン化合物、メタキシレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシレンジアミン、フェニレンジアミン、及び4,4-ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン化合物、並びにイソホロンジアミン及び4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環式ジアミン化合物が挙げられる。特に、2個の末端一級アミン基を有する直鎖状の飽和脂肪族アミンが好ましく、具体的には、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,10-デカンジアミン、及び1,12-ドデカンジアミンが好ましい。
テトラアミン化合物は、炭素数2~14のものであることが好ましい。具体的に、ブタン-1,1,4,4-テトラアミン、ピリミジン-2,4,5,6-テトラアミンが挙げられる。
アミドワックスとしては、長鎖カルボン酸とアミン化合物との縮合反応により得られるものであれば特に限定されないが、例えば、N,N-エチレン-ビス-オレイルアミド、N,N-エチレン-ビス-リシノレイルアミド、N,N-エチレン―ビス―ラウリン酸アミド、N,N-エチレン-ビス-ステアリン酸アミド、N,N-エチレン-ビス-12-ビドロキシステアリン酸アミド、N,N-エチレン-ビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、N,N-ヘキサメチレン-ビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、N,N-エチレン-ビス-ステアリルアミド、エチレン-ビス-セバシン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等が挙げられる。
好ましい実施形態において、アミドワックスは、2種以上の長鎖カルボン酸の組み合わせと、アミン化合物とを用いて得られるアミドワックスが特に好ましい。こうした長鎖カルボン酸、上記で説明したものを用いることができるが、好ましくは、飽和脂肪族モノカルボン酸、特に炭素数12~22の飽和脂肪族モノカルボン酸である。また、アミン化合物も上記で説明したものを用いることができるが、好ましくは2個の末端一級アミン基を有する直鎖状の飽和脂肪族アミンである。
好ましいアミドワックスの具体例としては、共栄社化学社製:ライトアマイドWH215(エチレンジアミンとセバシン酸、ステアリン酸との重縮合物)またはライトアマイドWH255(エチレンジアミンとセバシン酸、ステアリン酸との重縮合物)が挙げられる。
本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物は、樹脂組成物100質量部に対して、アミドワックスを0.01~5質量部で含む。アミドワックスの含有量は、好ましくは、樹脂組成物100質量部当たり0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上、特に0.4質量部以上である。アミドワックスの含有量は、好ましくは4質量部以下、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下、特に1質量部以下である。
(他の成分)
本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン系化合物などの可塑剤、シリコーン系化合物などの離型剤、アミドワックス以外のワックス、次亜リン酸塩などの着色防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、硬化剤、硬化助剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、結晶化促進剤、発泡剤、染料、顔料などの通常の添加剤を含むことができる。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダートアミン系酸化防止剤、硫黄含有酸化防止剤、及びリン含有酸化防止が挙げられ、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
こうした添加剤の含有量は、特に限定されないが、通常、樹脂組成物100質量部に対して0.01~10質量部の範囲内で用いられる。
本願発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物は、特定の成分の特定量の組み合わせにより、優れた成形性及び少ないアウトガスを達成でき、優れた機械強度を有するリフレクターを製造できる。特性の詳細を以下に説明する。
本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物で形成されるリフレクターは、優れた機体強度を有する。例として、本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物で形成されるリフレクターは、ASTM D638に準じた引張試験において、試験速度5mm/分で測定して、100MPa以上の引張強度を示すことができ、好ましくは140MPa以上、より好ましくは150MPa以上の引張強度を有し得る。また、同じ測定条件で、18,000MPa以上の引張弾性率、好ましくは20,000MPa以上の引張弾性率、より好ましくは21,000MPa以上の引張弾性率を有し得る。
また、発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物で形成されるリフレクターは、例えば、ASTM D790に準じた曲げ試験(試験片の幅3.2mm、試験速度1.3mm/分)でにおいて、200MPa以上の曲げ強度を示すことができ、好ましくは210MPa以上、より好ましくは220MPa以上の曲げ強度を有し得る。また、同じ測定条件で、18,500MPa以上の曲げ弾性率、好ましくは18,800MPa以上の曲げ弾性率を有し得る。
また、本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物で形成されるリフレクターは、例えば、ASTM D256に準拠して測定したアイゾット衝撃強度(試験片の幅3.2mm)において、50J/m以上のアイゾット衝撃強度を示すことができ、好ましくは51J/m以上、より好ましくは52J/m以上のアイゾット衝撃強度を有し得る。
また、本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物は、充填材を多く含むにもかかわらず良好な流動性を示し、そのため、薄肉で微細構造を有するリフレクターの成形体であっても、ガスフローマーク等の外観不良のないリフレクターを形成できる。その結果、本発明のリフレクター形成用樹脂組成物から製造されるリフレクターは、良好な光反射率を達成できる。例えば、ASTM D1238標準試験法に従って、5Kgの荷重下で315℃において測定した本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物のメルトフローインデックス(MFI)は、35g/10分以上であることができ、好ましくは37g/10分以上であり、より好ましくは39g/10分以上であり、さらに好ましくは40g/10分以上であり得る。
本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物は、高温時であってもアウトガスの発生が少ないので、光半導体装置等のレンズ曇りを抑制できる。例えば、リフレクター形成用樹脂組成物のペレット試料を23℃で24時間真空乾燥した後に、ガラス製の円筒形の容器(外径50mm、高さ60mm)にこの試料10gを入れてガラス製の蓋をし、130℃で5時間保持することにより発生するガラス製の蓋の曇り(ヘイズ、%)は、10%以下であることができ、好ましくは8%以下であり、より好ましくは7%以下である。上記ヘイズ値は、例えば、日本電飾工業社製ヘーズメーターで測定できる。
本発明で用いられる樹脂組成物の調製方法は特に制限はないが、原料の混合物を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリ-ミキサ-、ニ-ダ-、ミキシングロ-ルなどの通常公知の溶融混合機に供給して、任意に280~380℃の温度まで加熱して混練する方法、または、ディゾルバー、ホモジナイザー等の各種ミキサー、で混合する方法などにより調製できる。また、原料の混合順序にも特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し、さらに残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは二軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形に供することも可能である。
本発明により得られたリフレクター形成用樹脂組成物は、リフレクターを形成する用途に用いられる。リフレクターとしては、特に限定されないが、屋内または屋外表示板、画像読み取り用光源、交通信号、大型ディスプレイ用ユニット、車両等の輸送機器の照明、例えば車両用ヘッドライト等における光半導体素子(LED素子)を光源とする発光素子等のリフレクターが挙げられる。
[リフレクターの製造方法]
本発明はまた、上記で説明したリフレクター形成用樹脂組成物を用いてリフレクターを製造する方法にも関する。
本発明のリフレクター形成用樹脂組成物を用いてリフレクターを形成する方法は特に限定されず、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、吹込成形、射出圧縮成形、トランスファー成形など各種公知の成形法によりリフレクターを成形することが可能であり、なかでも射出成形によりリフレクターを成形することが好ましい。
本発明の製造方法により製造されたリフレクターは、上記した本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物により製造されているので、機械強度に優れ、外観が良好で、高温時であってもアウトガスが少ないという特徴を有する。
本発明に係るリフレクター形成用樹脂組成物を以下の実施例および比較例により詳細に説明する。但し本発明は以下の実施例の記載に限定されない。
[リフレクター形成用樹脂組成物]
(実施例)
100質量部のポリフェニレンサルファイド樹脂(NHU社製、商品名:1150C、直鎖型)に対して、ガラス繊維(日東紡社製、商品名:CS3J-256、繊維平均径10μm、繊維平均長3mm)を78質量部、炭酸カルシウム(平均粒径5μm)を45質量部、及びアミドワックス(共栄社化学社製、商品名:WH255、エチレンジアミンとセバシン酸、ステアリン酸との重縮合物)0.56質量部を二軸押出機により310℃で溶融混錬し、本発明のリフレクター形成用樹脂組成物を得た。得られたストランドをペレタイザーにより切断してペレットを得た。
(比較例)
上記実施例のアミドワックスの代わりにポリエチレンワックスを用いたこと以外は実施例と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。
[評価]
得られた実施例及び比較例のペレットを用いて、以下の特性を評価した。
(メルトフローインデックス)
得られた実施例及び比較例のペレットをASTM D1238標準試験法に従って、5Kgの荷重下で315℃においてメルトフローインデックス(MFI、g/10分)を測定した。
(引張強度および引張弾性率)
得られた実施例及び比較例のペレットを、射出成形機を用いて射出成形して、ASTM D638に準じた引張試験片を作製した。こうして得られた引張試験片を用い、ASTM D638に準拠して、試験速度5mm/分で引張強度(MPa)および引張弾性率(MPa)を測定した。
(曲げ強度および曲げ弾性率)
得られた実施例及び比較例のペレットを、射出成形機を用いて射出成形して、ASTM D790に準じた曲げ試験片(幅3.2mm)を作製した。こうして得られた曲げ試験の試験片を用い、ASTM D790に準拠して、試験速度1.3mm/分で曲げ強度(MPa)および曲げ弾性率(MPa)を測定した。
(アイゾット衝撃強度)
上記で作製した曲げ試験片を用い、ASTM D256に準拠して、アイゾット衝撃強度(J/m)の測定を行った。
(曇り性)
実施例及び比較例のリフレクター形成用樹脂組成物の上記ペレットを23℃で24時間真空乾燥した。次いで、各試料10gをガラス製の円筒形の容器(外径50mm、高さ60mm)に入れた後、ガラス製の蓋をした。その後、各試料を130℃で5時間保持した後、ガラス製の蓋に生じた曇りを日本電色工業社製ヘーズメーターで測定した。ヘイズ値が小さいほど、高温での試料からのアウトガスの量が少ないことを意味する。
(成形性)
得られた実施例及び比較例のペレットを、射出成形機を用いて、成形温度315℃、金型温度140℃射出成形を行い、ランプリフレクター射出成形品を製造した。こうして得られた成形品の外観を目視により観察し、ガスフローマークの有無を評価した。ガスフローマークが発生せず、外観が良好なものを「OK」とし、ガスフローマークが発生し、外観が不良なものを「NG」と判断した。
結果を以下の表1に示す。
Figure 0007286217000002
表1から、実施例のリフレクター形成用樹脂組成物は、比較例と比べて、得られた硬化物が優れた機械強度を有するとともに、流動性が高く成形性が良好であり、さらに、アウトガスの量が少ないため、リフレクター形成用途に特に有用であることが示された。
本発明リフレクター形成用樹脂組成物は、屋内または屋外表示板、画像読み取り用光源、交通信号、大型ディスプレイ用ユニット、車両等の輸送機器の照明、例えば車両用ヘッドライト等における光半導体素子(LED素子)を光源とする発光素子等のリフレクターとして有用である。

Claims (8)

  1. (A)ポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分とする樹脂組成物100質量部に対して、
    (B)10~200質量部の繊維材料、
    (C)5~100質量部の粉状充填材、及び、
    (D)0.01~5質量部のアミドワックス
    を含み、
    前記アミドワックスが、飽和脂肪族モノカルボン酸と、脂肪族ジカルボン酸と、アミン化合物との重縮合物であり、
    樹脂組成物の98質量%以上がポリフェニレンサルファイド樹脂である、リフレクター形成用樹脂組成物。
  2. 前記(A)樹脂組成物の99質量%以上がポリフェニレンサルファイド樹脂である、請求項1に記載のリフレクター形成用樹脂組成物。
  3. 前記ポリフェニレンサルファイド樹脂が末端以外にアミノ基を含まない、請求項1または2に記載のリフレクター形成用樹脂組成物。
  4. 前記繊維材料の含有量が、前記樹脂組成物100質量部当たり20質量部以上であり、160質量部以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のリフレクター形成用樹脂組成物。
  5. 前記粉状充填材の含有量が、前記樹脂組成物100質量部当たり15質量部以上であり、80質量部以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のリフレクター形成用樹脂組成物。
  6. 前記アミドワックスが、飽和脂肪族モノカルボン酸と、脂肪族ジカルボン酸と、2個の末端一級アミン基を有する直鎖状の飽和脂肪族アミンの縮合反応により得られるものである、請求項1~5のいずれか一項に記載のリフレクター形成用樹脂組成物。
  7. 前記アミドワックスの含有量が、前記樹脂組成物100質量部当たり0.1質量部以上であり、4質量部以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載のリフレクター形成用樹脂組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載のリフレクター形成用樹脂組成物を射出成形することによる、リフレクターの製造方法。
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