JP2001098151A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびその成形体

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JP2001098151A
JP2001098151A JP34396199A JP34396199A JP2001098151A JP 2001098151 A JP2001098151 A JP 2001098151A JP 34396199 A JP34396199 A JP 34396199A JP 34396199 A JP34396199 A JP 34396199A JP 2001098151 A JP2001098151 A JP 2001098151A
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sulfide resin
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Shigemitsu Suzuki
茂光 鈴木
Michiyoshi Matsumoto
道吉 松本
Shunsuke Horiuchi
俊輔 堀内
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低ガス性、鏡面鮮明性、表面平滑性、熱剛性等
に優れ、ランプリフレクターに有用なポリフェニレンス
ルフィド樹脂組成物および成形体を得ることを課題とす
る。 【解決手段】(a1)ポリフェニレンスルフィド樹脂1
00重量部に対し、(B)平均粒径が1μm未満でかつ
表面処理剤でも分散剤でも処理されていない合成無機充
填材0.05〜400重量部を配合してなるポリフェニ
レンスルフィド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた表面外観を
有する成形品が得られるポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物及び成形体に関するものであり、さらに詳しく
は、低ガス性、鏡面鮮明性、表面平滑性、熱剛性に優れ
る光反射用成形品、なかでもランプリフレクター(照明
装置用反射鏡)に好適なポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物および成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下P
PS樹脂と略す。)は優れた耐熱性、剛性、寸法安定
性、および難燃性などエンジニアリングプラスチックと
しては好適な性質を有していることから、射出成形用を
中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動車
部品などに広く使用されている。特に近年、ランプリフ
レクターでは、生産性の良さ及び軽量化の観点から熱可
塑性樹脂化が進められており、優れた熱剛性を有するP
PS樹脂が検討されている。
【0003】しかしながら、ランプリフレクター等の鏡
面を有する成形品に使用する場合、鏡面部分における高
い鮮明性、平滑性、及び熱剛性が同時に要求され、PP
S樹脂組成物においてもそれら性能の両立は困難であ
る。特に、アルミニウム等の金属を表面に被覆させて鏡
面を形成する際、樹脂を成形後何も表面を処理せずに該
金属を蒸着等により被覆させると、成形時に発生したガ
スの表面固着、あるいは表面に形成された充填材に起因
する微細な凹凸等により充分な鏡面鮮明性、表面平滑性
が得られない問題があり、これらを満足できるPPS樹
脂組成物は未だ得られていないのが現状である。
【0004】この高い鏡面鮮明性、表面平滑性、熱剛性
の向上を目的にこれまでにいくつかの充填材の検討が成
されている。例えば、特開平4−227962号公報に
ウィスカーと鉱物系充填材を配合する組成物が開示され
ているが、鉱物系充填材の粒子径に関する記載がなく、
粒子径の大きいものでは充分な表面平滑性が得られな
い。特公平4−80842号公報には、ガラス繊維とそ
の他充填材を含む組成物が開示されているが、同公報に
記載された配合量で通常のガラス繊維を含有させると、
表面平滑性が劣るため好ましくない。
【0005】また、表面平滑性を向上させる目的で粒子
径が小さくかつ粒度分布の狭い充填材を使用することも
検討されている。特開昭64−81855公報には、繊
維状強化剤と沈降性炭酸カルシウムを配合する組成物が
比較例で開示されているが、何れも表面処理剤および/
または分散剤を用いたものであり、鏡面鮮明性に劣るも
のしか得られなかった。すなわち、炭酸カルシウムで
は、沈降炭酸カルシウムの方が重質炭酸カルシウムより
粒子径が小さくかつ粒度分布も狭い(日本ゴム協会編ゴ
ム工業技術委員会編、フィラーハンドブック、p13
1、株式会社大成社)。しかしながら、一般にゴム、プ
ラスチック等に使用される、1μm未満の炭酸カルシウ
ムには、1次粒子の凝集を防ぎ、分散を良くする目的で
表面処理剤および/または分散剤が含まれた形態で販売
されており、それらを充填材として用いた場合、それら
は成形時にガスとなって発生した後、前述したように成
形品表面に固着し、鏡面鮮明性を阻害するため好ましく
ないことがわかった。また上記公報実施例においては、
重質炭酸カルシウムを用いた系において表面光沢が合格
となっているが、表面鮮明性、表面平滑性を表す具体的
数値がなく、直径13μmのガラス繊維を用いた場合に
おいても合格となっていることから判断すると、本用途
に充分な鏡面鮮明性、表面平滑性は得られていないと考
えられる。
【0006】鏡面鮮明性、表面平滑性と熱剛性のバラン
ス検討に関しては、特開平2−8247号公報、特許第
2723330号公報に平均粒径が1μ以上の合成充填
材を用いた組成物が開示されているが、表面平滑性が低
いものしか得られなかった。また、特許第286301
9号公報に鉱物繊維又はセラミック繊維を用いた組成物
が開示されているが、写像性に劣り、かつ、曲げ弾性率
が高いと写像性が低くなっており、鏡面鮮明性、表面平
滑性と熱剛性が全て良好な組成物は得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点に鑑み、低ガス性、鏡面鮮明性、表面平滑性、熱剛性
に優れる光反射用成形品、なかでもランプリフレクター
(照明装置用反射鏡)に好適なポリフェニレンスルフィ
ド樹脂組成物および成形体を提供することを目的とした
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、表面処理剤および/また
は分散剤を含まない特定の大きさ未満の無機充填材のみ
を使用したPPS樹脂組成物とすることにより、あるい
は、加熱減量、及び中心線平均粗さRaが一定以下とな
り、かつ写像性(スリット幅1mm)、及び曲げ弾性率
が一定以上となる、充填材含有PPS樹脂組成物とする
ことにより上記問題点が解決されることを見出し、本発
明に想到した。すなわち、本発明は、 (1)(a1)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重
量部に対し、(B)平均粒径が1μm未満でかつ表面処
理剤でも分散剤でも処理されていない合成無機充填材
0.05〜400重量部を配合してなるポリフェニレン
スルフィド樹脂組成物。 (2)(a1)ポリフェニレンスルフィド樹脂、および
(a2)ポリフェニレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性
樹脂からなる樹脂組成物100重量部に対し、(B)平
均粒径が1μm未満でかつ表面処理剤でも分散剤でも処
理されていない合成無機充填材0.05〜400重量部
を配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 (3)(B)合成無機充填材の少なくとも一種が、炭酸
塩、硫酸塩、珪酸塩、珪酸から選ばれた合成無機充填材
である上記(1)または(2)記載のポリフェニレンス
ルフィド樹脂組成物。 (4)(B)合成無機充填材が沈降炭酸カルシウムであ
る上記(3)記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物。 (5)(A)(a1)ポリフェニレンスルフィド樹脂、
または(a1)ポリフェニレンスルフィド樹脂と(a
2)ポリフェニレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性樹脂
とからなる樹脂組成物である樹脂成分100重量部に対
し、(B′)無機充填材0.05〜400重量部を配合
してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物であっ
て、320℃、2時間での加熱減量が0.3重量%以
下、少なくとも成形体全表面積の1/100以上が中心
線平均粗さRa70nm以下及び写像性(スリット幅1
mm)80%以上であり、かつ曲げ弾性率が7GPa以
上であるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 (6)上記(1)〜(4)いずれか記載のポリフェニレ
ンスルフィド樹脂組成物において、320℃、2時間で
の加熱減量が0.3重量%以下、少なくとも成形体全表
面積の1/100以上が中心線平均粗さRa70nm以
下及び写像性(スリット幅1mm)80%以上であり、
かつ曲げ弾性率が7GPa以上であるポリフェニレンス
ルフィド樹脂組成物。 (7)さらに(C)アスペクト比:L(平均繊維長)/
D(平均繊維径)が1.5/1以上、かつD(平均繊維
径)が7μm以下の繊維状充填材を(A)(a1)ポリ
フェニレンスルフィド樹脂、または(a1)ポリフェニ
レンスルフィド樹脂と(a2)ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂以外の熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物である
樹脂成分100重量部に対し、0〜400重量部を配合
してなる上記(1)〜(6)いずれか記載のポリフェニ
レンスルフィド樹脂組成物。 (8)(C)繊維状充填材が、表面処理剤でも分散剤で
も処理されてなく、L(平均繊維長)100μm以下か
つD(平均繊維径)5μm以下である繊維状充填材であ
る上記(7)記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物。 (9)(C)繊維状充填材が炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩
から選ばれた一種以上の充填材である上記(7)または
(8)記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 (10)(C)繊維状充填材が炭酸カルシウム繊維およ
び/またはケイ酸カルシウム繊維である上記(7)〜
(9)いずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物。 (11)ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物がランプ
リフレクター用である上記(1)〜(10)いずれか記
載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 (12)上記(1)〜(11)いずれか記載のポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物を用いて製造された成形
体。 (13)成形体の表面の上に金属皮膜を有する上記(1
2)記載の成形体。 (14)成形体の全表面積の1/100以上が中心線平
均粗さRa70nm以下の表面を有する上記(12)〜
(13)いずれか記載の成形体。 (15)成形体がランプリフレクターである上記(1
2)〜(14)いずれか記載の成形体である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いるポリフェニレンス
ルフィド樹脂(以下PPS樹脂と略す。)とは、下記構
造式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体であ
り、
【0010】
【化1】
【0011】耐熱性の点から、好ましくは上記構造式で
示される繰り返し単位含む重合体を70モル%以上、よ
り好ましくは90モル%以上含む重合体である。またP
PSはその繰り返し単位の30モル%未満程度が、下記
の構造を有する繰り返し単位等で構成されていてもよ
い。
【0012】
【化2】
【0013】本発明で用いられるPPSの溶融粘度は、
溶融混練が可能であれば特に制限はないが、320℃、
せん断速度1000sec-1の条件下の測定値として5
〜2,000Pa・s、さらに好ましくは10〜200Pa
・sであるのがよい。
【0014】かかる特性を満たすPPS樹脂は、特公昭
45−3368号公報で代表される製造方法により得ら
れる比較的分子量の小さな重合体を得る方法、或いは特
公昭52−12240号公報や特開昭61−7332号
公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を得る方
法などの公知の方法によって製造できる。
【0015】上記により得られたPPS樹脂は、そのま
ま使用してもよく、また空気中加熱による架橋/高分子
量化、窒素などの不活性ガス雰囲気下或は減圧下での熱
処理、また、有機溶媒、熱水、酸水溶液などによる洗浄
を施した上で使用することも可能である。
【0016】有機溶媒で洗浄する場合、用いる有機溶媒
としてはPPSを分解する作用を有しないものであれば
特に制限はない。例えば、N−メチルピロリドン、ジメ
チルホルムアルデヒド、ジメチルアセトアミド、1,3
−ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホラス
アミド、ピペラジノン類などの含窒素極性溶媒、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホランなどの
スルホキシド・スルホン系溶媒、アセトン、メチルエチ
ルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノンなどのケト
ン系溶媒、ジメチルエ−テル、ジプロピルエ−テル、ジ
オキサン、テトラヒドロフランなどのエ−テル系溶媒、
クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2
塩化エチレン、パ−クロルエチレン、モノクロルエタ
ン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、パ−クロル
エタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノ
−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、ペンタ
ノ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、
フェノ−ル、クレゾ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポ
リプロピレングリコ−ルなどのアルコ−ル・フェノ−ル
系溶媒、及びベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素系溶媒などが挙げられる。
【0017】洗浄温度についても特に制限はなく、通
常、常温〜300℃程度が選択される。酸水溶液で洗浄
する場合、用いる酸としてはPPSを分解する作用を有
しないものであれば特に制限はなく、例えば、酢酸、塩
酸、硫酸、リン酸、珪酸、炭酸及びプロピル酸などが挙
げられる。また、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネ
−ト基などの官能基含有化合物による活性化などの種々
の処理を施した上で使用することも可能である。
【0018】本発明で用いる(a2)PPS樹脂以外の
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアセ
タール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサ
ルフォン樹脂、ポリアリルサルフォン樹脂、ポリケトン
樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、
液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエー
テルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエ
ーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミ
ドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂、ポリアミドエラストマ、ポリエステル
エラストマ等が挙げられ、本発明の効果を損なわない範
囲において配合することができる。
【0019】本発明で用いる(B)平均粒径が1μm未
満でかつ表面処理剤でも分散剤でも処理されていない合
成無機充填材の平均粒径は鏡面鮮明性、表面平滑性の点
から1μm未満であり、好ましくは0.7μm、より好
ましくは0.5μmである。
【0020】平均粒径は((6×104)/真比重)×
比表面積で算出した値である。真比重はJIS K−5
101に準じ、比表面積は島津式粉体比表面積測定器
(空気透過法)で測定する。また、PPS樹脂組成物お
よび成形体中の上記(B)の平均粒径は700℃で2時
間焼成した後、得られる残存粉体を電子顕微鏡にて観察
し、任意の1000個について測定した平均値である。
【0021】上記(B)の形状は、立方形、紡錘形、柱
状形、針状形、不定形であってよいが、長径が1μm未
満であるものが使用される。
【0022】上記(B)表面処理剤および分散剤とは、
通常の有機酸系、すなわち脂肪酸、樹脂酸、及びこれら
の誘導体、有機酸塩等である。これらが存在すると、射
出成形などにより成形体を得る際、それらがガスとなっ
て発生し、成形体表面に固着し、良好な外観が得られな
い上、表面に直接金属、例えばアルミニウムなどを蒸着
し、鏡面を得る際にはその部分が曇りとなり、著しく鏡
面鮮明性を損なうため好ましくない。但し、鏡面鮮明性
に影響しない程度の極めて微量、例えば0.1%以下で
あれば使用することも可能である。
【0023】上記(B)合成無機充填材における合成と
は、鉱石や原石を湿式または乾式で粉砕後、分級等の処
理を経て得られるものではなく、天然鉱物を出発物質と
しても、少なくとも1カ所以上及び/または1種以上の
化学反応を利用した工程を伴って得られた化合物である
ことを表す。
【0024】具体例としては、珪酸カルシウム、珪酸マ
グネシウム、珪酸アルミニウム、シリカ、湿式法ホワイ
トカーボン、ワラステナイト、ゼオライト、アルミナシ
リケート無水珪酸、含水珪酸などの珪酸塩と珪酸、アル
ミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、などの炭酸塩、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化
物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭
化珪素、グラファイト、カーボンブラック、などが挙げ
られる。また、一般に天然物粉砕品であるセリサイト、
マイカ、タルク、カオリン、クレー、パイロフィライ
ト、ベントナイト、アスベスト、ドロマイト等について
も合成品で同様な組成が得られれば用いても良い。
【0025】好ましいものとしては、珪酸カルシウム、
珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、シリカ、湿式法
ホワイトカーボン、ワラステナイト、ゼオライト、アル
ミナシリケート無水珪酸、含水珪酸などの珪酸塩と珪
酸、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、
硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩などが挙げ
られる。とりわけ好ましいものとしては、沈降炭酸カル
シウムが挙げられる。
【0026】上記(B)充填材は本発明の効果を損なわ
ない範囲においては、これらは2種以上を併用すること
ができる。
【0027】上記(B)充填材の配合量は、鏡面鮮明
性、表面平滑性と熱剛性のバランスの点から、樹脂成分
として(a1)PPS樹脂のみを用いる場合には、(a
1)PPS樹脂100重量部に対し、0.05〜400
重量部の範囲が選択され、好ましくは50〜300重量
部、より好ましくは80〜250重量部である。樹脂成
分として(a1)PPS樹脂および(a2)PPS樹脂
以外の熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物を用いる場合
には、当該樹脂組成物(すなわち(a1)および(a
2)の合計)100重量部に対し、0.05〜400重
量部の範囲が選択され、好ましくは50〜300重量
部、より好ましくは80〜250重量部である。配合量
が少な過ぎると熱剛性が不十分となる傾向にあり、配合
量が多過ぎると鏡面鮮明性、表面平滑性が不十分となる
傾向にある。
【0028】本発明における別の好ましい態様であるポ
リフェニレンスルフィド樹脂組成物は、(A)(a1)
ポリフェニレンスルフィド樹脂、または(a1)ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂と(a2)ポリフェニレンスル
フィド樹脂以外の熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物に
対し、(B′)無機充填材を配合してなる樹脂組成物
は、320℃、2時間での加熱減量が0.3重量%以
下、成形した際、少なくとも成形体全表面積の1/10
0以上の成形品鏡面部の中心線平均粗さRaが70nm
以下、及び写像性(スリット幅1mm)80%以上、か
つ曲げ弾性率が7GPa以上となるように調製される。
【0029】320℃、2時間での加熱減量は、成形時
に発生するガス量の指標となる。この量が多すぎると、
成形品表面に曇りが発生し、例えばアルミニウム等の金
属を直接樹脂表面に被覆した場合、充分な鏡面鮮明性が
得られず好ましくない。より好ましくは、0.25重量
%以下である。測定法は、まず樹脂組成物のペレット1
0gをアルミカップに入れ、150℃の雰囲気で1時間
予備乾燥する。ペレット重量を測定し、320℃の雰囲
気で2時間処理後、再度ペレット重量を測定し、320
℃の処理による重量の減量を処理前のペレットの重量で
徐してパーセント表示したものである。
【0030】中心線平均粗さRaは成形品鏡面部の表面
平滑性を表す指標であり、数値が低いほど表面平滑性に
優れた成形体が得られる。この値が大きすぎると充分な
表面平滑性が得られず好ましくない。好ましくは60n
m以下、より好ましくは50nm以下、更により好まし
くは40nm以下である。測定法は、シリンダー温度3
20℃、金型温度150℃、鏡面部分の面粗度0.03
sの条件で成形した鏡面角板の鏡面部分の任意の10部
分をミツトヨ(株)製の表面粗さ測定器にて、JISB
0601に規定されている中心線平均粗さRaを測定し
平均したものである。
【0031】写像性(スリット幅1mm)は、成形品鏡
面部の鏡面鮮明性及び表面平滑性を表す指標であり、数
値が大きいほど鏡面性に優れた成形体が得られる。この
値は80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上
である。測定法は、シリンダー温度320℃、金型温度
150℃、鏡面部分の面粗度0.03sの条件で成形し
た鏡面角板の鏡面部分の任意の10部分をスガ試験機
(株)製の写像性測定器にて反射光45°、スリット幅
1mmで測定し平均したものである。
【0032】またこの鏡面部分の面積は、金型の鏡面部
分と同等であることが望ましいが、金型端部においては
充分な鏡面が得られない場合がある。また裏面は鏡面で
ない場合がある。従って、少なくとも成形体全表面積の
1/100以上が鏡面となることが好ましい。より好ま
しくは、1/50以上、更に好ましくは、1/30以上
である。
【0033】曲げ弾性率は熱剛性の指標となる。この値
が小さすぎると、充分な熱剛性が得られず好ましくな
い。より好ましくは、8GPa以上である。この曲げ弾
性率は、ASTMD790に準じて測定した23℃にお
ける値である。
【0034】また、ここで用いられる(B′)無機充填
材は、前述の(B)合成無機充填材と同様のものを同様
の量配合することが望ましいが、上記の加熱減量0.3
重量%以下、少なくとも成形体全表面積の1/100以
上の成形品鏡面部の中心線平均粗さRaが50nm以
下、及び写像性(スリット幅1mm)80%以上、かつ
曲げ弾性率7GPa以上を満たす限りにおいては、平均
粒径1μm以上、あるいは表面処理剤及び/または分散
剤で処理された無機充填材、あるいは天然鉱石粉砕の無
機充填材を用いても良い。但し、平均粒径は、大きすぎ
ると鏡面鮮明性及び表面平滑性を損なうため好ましくな
く、少なくとも3μm未満であることが必要である。ま
た、無機充填材の表面処理剤および/または分散剤の処
理は、鏡面鮮明性に影響しない程度の極めて微量、例え
ば無機充填材100重量部に対し、0.1重量部以下で
あれば可能である。(B′)無機充填材の名称の具体例
としては、上記(B)と同様である。また、このように
(B′)無機充填材として(B)以外のものを使用する
場合は、(B)と併用することが好ましい。
【0035】上記(B′)充填材の配合量は、鏡面鮮明
性、表面平滑性と熱剛性のバランスの点から、樹脂成分
として(a1)PPS樹脂のみを用いる場合には、(a
1)PPS樹脂100重量部に対し、0.05〜400
重量部の範囲が選択され、好ましくは50〜300重量
部、より好ましくは80〜250重量部である。樹脂成
分として(a1)PPS樹脂および(a2)PPS樹脂
以外の熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物を用いる場合
には、当該樹脂組成物(すなわち(a1)および(a
2)の合計)100重量部に対し、0.05〜400重
量部の範囲が選択され、好ましくは50〜300重量
部、より好ましくは80〜250重量部である。配合量
が少な過ぎると熱剛性が不十分となる傾向にあり、配合
量が多過ぎると鏡面鮮明性、表面平滑性が不十分となる
傾向にある。
【0036】更にこれら(B′)および(B)充填材
は、2種以上を併用して用いても良い。(B′)および
(B)充填材を2種以上併用する場合の配合量は、鏡面
鮮明性、表面平滑性と熱剛性のバランスの点から、樹脂
成分として(a1)PPS樹脂のみを用いる場合には、
(a1)PPS樹脂100重量部に対し、((B)およ
び(B′)の合計)0.05〜400重量部の範囲が選
択され、好ましくは((B)および(B′)の合計)5
0〜300重量部、より好ましくは((B)および
(B′)の合計)80〜250重量部である。樹脂成分
として(a1)PPS樹脂および(a2)PPS樹脂以
外の熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物を用いる場合に
は、当該樹脂組成物(すなわち(a1)および(a2)
の合計)100重量部に対し、((B)および(B′)
の合計)0.05〜400重量部の範囲が選択され、好
ましくは((B)および(B′)の合計)50〜300
重量部、より好ましくは((B)および(B′)の合
計)80〜250重量部である。配合量が少な過ぎると
熱剛性が不十分となる傾向にあり、配合量が多過ぎると
鏡面鮮明性、表面平滑性が不十分となる傾向にある。
【0037】本発明で用いる(C)アスペクト比:L
(平均繊維長)/D(平均繊維径)が1.5/1以上、
かつD(平均繊維径)が7μm以下の繊維状充填材は機
械的強度、特に熱剛性を向上する目的で使用するのが好
ましい。
【0038】上記(C)繊維状充填材の具体例として
は、ガラス繊維、炭酸カルシウム繊維、ケイ酸カルシウ
ム繊維(ワラステナイト繊維)、硫酸カルシウム繊維、
炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、酸化亜鉛ウィスカ、
硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊
維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維な
どが挙げられる。好ましいものとしては、炭酸カルシウ
ム繊維、ケイ酸カルシウム繊維(ワラステナイト繊
維)、硫酸カルシウム繊維が挙げられる。とりわけ好ま
しいものとしては、炭酸カルシウム繊維、ケイ酸カルシ
ウム繊維(ワラステナイト繊維)が挙げられる。特に、
表面処理剤および/または分散剤で処理されていない充
填材を用いることは鏡面鮮明性を得る上でより好まし
い。さらにこれらは2種以上を併用して使用することも
できる。
【0039】この(C)繊維状充填材はアスペクト比:
L(平均繊維長)/D(平均繊維径)が1.5/1以
上、かつD(平均繊維径)が7μm以下であることが好
ましく、より好ましくはアスペクト比が2/1〜100
/1の範囲で、かつD(平均繊維径)が6μm以下であ
り、より好ましくはアスペクト比が2.5/1〜30/
1の範囲で、かつD(平均繊維径)が5μm以下であ
る。アスペクト比が上記範囲内である場合には、優れた
熱剛性の向上効果、優れた鏡面鮮明性、表面平滑性が得
られる。
【0040】上記(C)繊維状充填材の配合量は、鏡面
鮮明性、表面平滑性と熱剛性のバランスの点から、樹脂
成分として(a1)PPS樹脂のみを用いる場合には、
(a1)PPS樹脂100重量部に対し、0.05〜4
00重量部の範囲が選択され、好ましくは5〜300重
量部、より好ましくは10〜200重量部である。ま
た、樹脂成分として(a1)PPS樹脂および(a2)
PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物を用
いる場合には当該樹脂組成物((a1)と(a2)の合
計)100重量部に対し、0.05〜400重量部の範
囲が選択され、好ましくは5〜300重量部、より好ま
しくは10〜200重量部である。かかる範囲内である
場合には、より優れた熱剛性と、鏡面鮮明性及び表面平
滑性のバランスが得られる。
【0041】さらに、本発明の樹脂組成物には本発明の
効果を損なわない範囲において、イソシアネート系化合
物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エ
ポキシ化合物などのカップリング剤、ポリアルキレンオ
キサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エ
ステル系化合物、有機リン系化合物などの可塑剤、タル
ク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテルエーテル
ケトンなどの結晶核剤、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン、モンタン酸ワックス類、ステアリ
ン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム等の金属石
鹸、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重宿
合物、シリコーン系化合物などの離型剤、次亜リン酸塩
などの着色防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外
線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤などの通常の添加剤
を添加することができるが、これらも多いとガス成分と
なり、鏡面鮮明性を損なうため、樹脂成分として(a
1)PPS樹脂のみを用いる場合には、(a1)PPS
樹脂100重量部に対し、1重量部以下の添加が好まし
い。または、樹脂成分として(a1)PPS樹脂および
(a2)PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂からなる樹脂組
成物を用いる場合には、当該樹脂組成物((a1)と
(a2)の合計)100重量部に対し、1重量部以下の
添加が好ましい。
【0042】本発明で用いられる樹脂組成物の調製方法
は特に制限はないが、原料の混合物を単軸あるいは2軸
の押出機、バンバリ−ミキサ−、ニ−ダ−、ミキシング
ロ−ルなど通常公知の溶融混合機に供給して280〜4
50℃の温度で混練する方法などを例として挙げること
ができる。また、原料の混合順序にも特に制限はなく、
全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方
法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し
さらに残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるい
は一部の原材料を配合後単軸あるいは二軸の押出機によ
り溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料
を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。ま
た、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法
などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形
に供することももちろん可能である。
【0043】本発明の樹脂組成物は、射出成形、押出成
形、圧縮成形、吹込成形、射出圧縮成形など各種公知の
成形法により成形することが可能であり、なかでも射出
成形により成形することが好ましい。
【0044】上記成形体は全表面積の1/100以上が
中心線平均粗さRa70nm以下の表面を有する成形体
である。全表面積の1/100以上が中心線平均粗さR
a70nm以下の表面を有する成形体であれば、成形体
の表面上には直接金属被膜が施されていてもよく、ま
た、表面をUV処理、コロナ放電処理、プラズマ処理
し、金属被膜が施されていてもよい。さらに、成形体の
表面上にアンダーコートまたは耐熱性が良好な透明保護
膜(例えば、塗装タイプのトップコート、プラズマ重合
膜、蒸着膜等)を施し、金属被膜が施されていてもよ
く、また、表面をUV処理、コロナ放電処理、プラズマ
処理し、アンダーコートまたは耐熱性が良好な透明保護
膜(例えば、塗装タイプのトップコート、プラズマ重合
膜、蒸着膜等)を施し、金属被膜が施されていてもよ
い。さらに、金属被膜の上に耐熱性が良好な透明保護膜
(例えば、塗装タイプのトップコート、プラズマ重合
膜、蒸着膜等)を施されていてもよい。
【0045】本発明の成形体は全表面積の1/100以
上が中心線平均粗さRa70nm以下の表面を有する成
形体であり、より好ましくは、中心線平均粗さRa50
nm以下、更に好ましくは中心線平均粗さRa40nm
以下である。
【0046】本発明の樹脂組成物および成形体は、低ガ
ス性、鏡面鮮明性、表面平滑性、熱剛性に優れているこ
とから外観を要求される部品、特に光反射用成形品、な
かでもランプリフレクター(照明装置用反射鏡)に極め
て適している。
【0047】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0048】実施例および比較例の中で述べられる加熱
減量、中心線平均粗さ、写像性、曲げ弾性率、表面曇
り、荷重たわみ温度(DTUL)は各々次の方法に従っ
て測定した。
【0049】[加熱減量の測定]樹脂組成物のペレット
10gをアルミカップに入れ、150℃の雰囲気で1時
間予備乾燥する。ペレット重量を測定し、320℃の雰
囲気で2時間処理後、再度ペレット重量を測定する。3
20℃の処理による重量の減量を処理前のペレットの重
量で徐してパーセント表示したのが加熱減量である。こ
の加熱減量が少ない樹脂組成物ほど、低ガス性に優れる
と言え、表面曇りが少なくなる。
【0050】[表面粗さ(中心線平均粗さRa)の測
定]シリンダー温度320℃、金型温度150℃、鏡面
部分の面粗度0.03sの条件で成形した鏡面角板の鏡
面部分の任意の10部分をミツトヨ(株)製の表面粗さ
測定器にて、JISB0601に規定されている中心線
平均粗さRaを測定し、平均したものである。数値が低
いほど表面平滑性が優れていることになる。
【0051】[写像性(スリット幅1mm)の測定]シ
リンダー温度320℃、金型温度150℃、鏡面部分の
面粗度0.03sの条件で成形した鏡面角板の鏡面部分
の任意の10部分をスガ試験機(株)製の写像性測定器
にて反射光45°、スリット幅1mmで測定し、平均し
たものである。数値が高い程鏡面性が優れていることに
なる。
【0052】[表面曇り]シリンダー温度320℃、金
型温度150℃、鏡面部分の面粗度0.03sの条件で
成形した鏡面角板を日立(株)製真空蒸着装置にて、ア
ルミを蒸着し、目視で確認して、表面に曇りがないもの
を○、曇りがあるものを×とした。
【0053】[曲げ弾性率の測定]シリンダー温度32
0℃、金型温度150℃にて、ASTMD790に準じ
た曲げ試験片を成形し、23℃の温度条件下で測定した
ものである。この値が高いほど熱剛性が優れていること
になる。
【0054】[荷重たわみ温度(DTUL)の測定]A
STM−D648(荷重:0.45MPa)。数値が高
いほど熱剛性が優れていることになる。
【0055】[参考例] (PPSの製造)攪拌機付きオートクレーブに硫化ナト
リウム9水塩6.005kg(25モル)、酢酸ナトリ
ウム0.205kg(2.5モル)およびNMP5kg
を仕込み、窒素を通じながら徐々に205℃まで昇温
し、水3.6リットルを留出した。次に反応容器を18
0℃に冷却後、1,4−ジクロロベンゼン3.719k
g(25.3モル)ならびにNMP3.7kgを加え
て、窒素下に密閉し、270℃まで昇温後、270℃で
2.5時間反応した。冷却後、反応生成物を温水で5回
洗浄し、次に100℃に加熱されNMP10kg中に投
入して、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、さらに熱
湯で数回洗浄した。これを90℃に加熱されたpH4の
酢酸水溶液25リットル中に投入し、約1時間攪拌し続
けたのち、濾過し、濾過のpHが7になるまで約90℃
のイオン交換水で洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥し
て、MFR600(g/10min)のPPSを得た。
【0056】[実施例および比較例で用いた配合材] 合成無機充填材(B)、充填材(B′) 沈降炭酸カルシウム(1):平均粒径0.2μm、(白石
工業製:ブリリアント−1500(表面処理剤でも分散
剤でも処理されていない充填材である))。
【0057】硫酸バリウム:平均粒径0.7μm、(堺
化学工業製:B55(表面処理剤でも分散剤でも処理さ
れていない充填材である))。
【0058】繊維状充填材(C) ワラステナイト繊維:平均繊維長30μm、平均繊維径
3μm、(大塚化学製:バイスタルW(表面処理剤でも
分散剤でも処理されていない充填材である))。
【0059】炭酸カルシウム繊維:平均繊維長30μ
m、平均繊維径0.8μm、(丸尾カルシウム製:ウィ
スカルA(表面処理剤でも分散剤でも処理されていない
充填材である))。
【0060】硫酸カルシウム繊維:平均繊維長55μ
m、平均繊維径2μm、(U.S.GYPSUM製:フ
ランクリンファイバーH30(表面処理剤でも分散剤で
も処理されていない充填材である))。
【0061】重質炭酸カルシウム:平均粒径1μm、天
然鉱石粉砕、(同和カルファイン製:エース25)。
【0062】沈降炭酸カルシウム(2):平均粒径0.1
2μm、(白石工業製:白艶華CCR(表面処理剤およ
び/または分散剤で処理されている充填材である))。
【0063】ガラスビーズ:平均粒径5μm、(東芝バ
ロティーニ製:MB−10(表面処理剤および/または
分散剤で処理されている充填材である))。
【0064】ガラス繊維:平均繊維長3000μm、平
均繊維径13μm、(日本電気ガラス製:TN717
(表面処理剤および/または分散剤で処理されている充
填材である))。
【0065】実施例1〜6 前述のようにして用意したPPS、合成無機充填材
(B)、充填材(B′)、および繊維状充填材(C)を
表1に示す割合でドライブレンドした後、350℃の押
出条件に設定したスクリュ−式押出機により溶融混練後
ペレタイズした。得られたペレットを乾燥後、射出成形
機を用いて、シリンダ−温度320℃、金型温度150
℃の条件で射出成形することにより、所定の特性評価用
試験片を得た。得られた試験片およびペレットについ
て、前述した方法で加熱減量、表面曇り、中心線表面粗
さ、曲げ弾性率、荷重たわみ温度を測定した。その結果
を表1に示す。
【0066】ここで得られた樹脂組成物および成形体
は、低ガスで高い鏡面鮮明性、表面平滑性、熱剛性を有
しており、ランプリフレクター部品として好適なもので
あった。
【0067】実施例7〜8 充填材として重質炭酸カルシウム(天然鉱石粉砕)を併
用したこと以外は、実施例1と同様にして、表1に示す
割合でドライブレンドした後、溶融混練、ペレタイズ、
成形、評価を行った。その結果を表1に示す。
【0068】充填材として平均粒径1μmの重質炭酸カ
ルシウムを併用した場合においても、樹脂組成物および
成形体は低ガスで高い鏡面鮮明性、表面平滑性、熱剛性
を有しており、ランプリフレクター部品として好適なも
のであった。
【0069】比較例1〜2 充填材として全て平均粒径1μmの重質炭酸カルシウム
(天然鉱石粉砕)を用いたこと以外は、実施例1と同様
にして、表1に示す割合でドライブレンドした後、溶融
混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その結果を表
1に示す。
【0070】充填材として全て平均粒径1μmの重質炭
酸カルシウムを用いた場合、写像性が低く、また加熱減
量は低いが微量のガスが発生し表面曇りが生じた。結果
として、鏡面鮮明性の低いものであり実用レベルではな
かった。
【0071】比較例3 充填材として平均粒径5μmのガラスビーズを用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして、表1に示す割合でド
ライブレンドした後、溶融混練、ペレタイズ、成形、評
価を行った。その結果を表1に示す。
【0072】充填材として平均粒径5μmのガラスビー
ズを用いた場合、表面平滑性が低いものとなった。また
写像性が低く、加熱減量は低いが微量のガスが発生し表
面曇りが生じた。結果として、表面平滑性及び鏡面鮮明
性の低いものであり実用レベルではなかった。
【0073】比較例4、6 繊維状充填材として平均繊維長3000μm、平均繊維
径13μmのガラス繊維を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして、表1に示す割合でドライブレンドした
後、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その
結果を表1に示す。
【0074】充填材として平均繊維長3000μm、平
均繊維径13μmのガラス繊維を用いた場合、表面平滑
性が低く、また射出成形の際、ガスの発生が多く、写像
性、鏡面鮮明性が低いものであり、実用レベルではなか
った。
【0075】比較例5 充填材として平均粒径0.12μmの有機脂肪酸処理、
沈降炭酸カルシウムを用いたこと以外は、実施例1と同
様にして、表1に示す割合でドライブレンドした後、溶
融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その結果を
表1に示す。
【0076】充填材として有機脂肪酸処理の沈降炭酸カ
ルシウムを用いた場合、表面平滑性は良好であったが、
射出成形の際、ガスの発生が多く写像性、鏡面鮮明性が
低いものであり、実用レベルではなかった。
【0077】比較例7 充填材を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にし
て、表1に示す割合でドライブレンドした後、溶融混
練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その結果を表1
に示す。
【0078】充填材を用いなかった場合、ガスの発生が
多く、写像性が低い値となり、充分な鏡面鮮明性が得ら
れなかった、また曲げ弾性率が低く、充分な熱剛性が得
られず実用レベルではなかった。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物および成形体は、低
ガス性、鏡面鮮明性、表面平滑性、熱剛性に優れている
ことから外観を要求される部品、特に光反射用成形品、
なかでもランプリフレクター(照明装置用反射鏡)に極
めて適している。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA01X BB03X BB12X BC03X BD15X BN15X CB00X CF06X CF07X CF10X CF16X CF17X CG00X CH07X CH09X CJ00X CK02X CL00X CL00Y CM04X CN01W CN01X CN03W CN03X DA017 DA026 DA036 DE076 DE086 DE096 DE107 DE116 DE136 DE146 DE147 DE186 DE187 DE236 DE237 DG046 DG056 DG057 DJ006 DJ007 DJ016 DJ027 DK006 DK007 DL006 DL007 FA04Y FA047 FA067 FA086 FD01Y FD016 FD017 GQ00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a1)ポリフェニレンスルフィド樹脂1
    00重量部に対し、(B)平均粒径が1μm未満でかつ
    表面処理剤でも分散剤でも処理されていない合成無機充
    填材0.05〜400重量部を配合してなるポリフェニ
    レンスルフィド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(a1)ポリフェニレンスルフィド樹脂、
    および(a2)ポリフェニレンスルフィド樹脂以外の熱
    可塑性樹脂からなる樹脂組成物100重量部に対し、
    (B)平均粒径が1μm未満でかつ表面処理剤でも分散
    剤でも処理されていない合成無機充填材0.05〜40
    0重量部を配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】(B)合成無機充填材の少なくとも一種
    が、炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩、珪酸から選ばれた合成無
    機充填材である請求項1または2記載のポリフェニレン
    スルフィド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(B)合成無機充填材が沈降炭酸カルシウ
    ムである請求項3記載のポリフェニレンスルフィド樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】(A)(a1)ポリフェニレンスルフィド
    樹脂、または(a1)ポリフェニレンスルフィド樹脂と
    (a2)ポリフェニレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性
    樹脂とからなる樹脂組成物である樹脂成分100重量部
    に対し、(B′)無機充填材0.05〜400重量部を
    配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物であ
    って、320℃、2時間での加熱減量が0.3重量%以
    下、少なくとも成形体全表面積の1/100以上が中心
    線平均粗さRa70nm以下及び写像性(スリット幅1
    mm)80%以上であり、かつ曲げ弾性率が7GPa以
    上であるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれか記載のポリフェニ
    レンスルフィド樹脂組成物において320℃、2時間で
    の加熱減量が0.3重量%以下、少なくとも成形体全表
    面積の1/100以上が中心線平均粗さRa70nm以
    下及び写像性(スリット幅1mm)80%以上であり、
    かつ曲げ弾性率が7GPa以上であるポリフェニレン
    スルフィド樹脂組成物。
  7. 【請求項7】さらに(C)アスペクト比:L(平均繊維
    長)/D(平均繊維径)が1.5/1以上、かつD(平
    均繊維径)が7μm以下の繊維状充填材を(A)(a
    1)ポリフェニレンスルフィド樹脂、または(a1)ポ
    リフェニレンスルフィド樹脂と(a2)ポリフェニレン
    スルフィド樹脂以外の熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成
    物である樹脂成分100重量部に対し、0〜400重量
    部を配合してなる請求項1〜6いずれか記載のポリフェ
    ニレンスルフィド樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(C)繊維状充填材が、表面処理剤でも分
    散剤でも処理されてなく、L(平均繊維長)100μm
    以下かつD(平均繊維径)5μm以下である繊維状充填
    材である請求項7記載のポリフェニレンスルフィド樹脂
    組成物。
  9. 【請求項9】(C)繊維状充填材が炭酸塩、硫酸塩、ケ
    イ酸塩から選ばれた一種以上の充填材である請求項7ま
    たは8記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  10. 【請求項10】(C)繊維状充填材が炭酸カルシウム繊
    維および/またはケイ酸カルシウム繊維である請求項7
    〜9いずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成
    物。
  11. 【請求項11】ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が
    ランプリフレクター用である請求項1〜10いずれか記
    載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  12. 【請求項12】請求項1〜11いずれか記載のポリフェ
    ニレンスルフィド樹脂組成物を用いて製造された成形
    体。
  13. 【請求項13】成形体の表面の上に金属皮膜を有する請
    求項12記載の成形体。
  14. 【請求項14】成形体の全表面積の1/100以上が中
    心線平均粗さRa70nm以下の表面を有する請求項1
    2〜13いずれか記載の成形体。
  15. 【請求項15】成形体がランプリフレクターである請求
    項12〜14いずれか記載の成形体。
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