JP4598982B2 - 非接触型データ送受信体を備えた封書用シートと封書 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自己のRF−ID管理ができ、あるいは、非接触型データ送受信体を有するカードの送付に適した封書用シート及びこの封書用シートを用いてなる封書に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
非接触型ICタグなどのように、非接触状態でデータの送受信を行ってデータの記録、消去などが行なえる情報記録メディア(RF−ID(Radio Frequency IDentification))の用途に多く用いられる非接触型データ送受信体は、通常、基材の上に導電材であるアンテナを配置し、そのアンテナにICチップを実装した構成を有していて、リーダーライターから所要の空間内に位置する非接触型データ送受信体と前記リーダーライターとの間で、非接触状態にして情報のやり取りが行なえるものであり、予め非接触型データ送受信体に記憶されている情報をリーダーライターで読み取ったり、リーダーライターにより非接触型データ送受信体の情報を書き換え更新したりできるように設けられている。このように非接触型データ送受信体では離れたリーダーライターとの間で情報のやり取りが行なえることから、例えば、予め顧客データを記録した非接触型データ送受信体を顧客側に送付しておき、商品展示会場などに顧客が前記非接触型データ送受信体を携帯すれば、入出管理などが行なえるなど、RF−IDによるデータ管理は、今後、益々拡大する傾向にある。
【0003】
さらに、上記非接触型データ送受信体では基材をプラスチック製の板材としていて、送受信体全体の形状がカード状となっている。そのため、非接触型データ送受信体の送付に際しては封筒にこの送受信体を入れて郵送するという方法が採られている。
しかしながら、非接触型データ送受信体と封筒とが別々に用意されるとともに、送付先が大多数に渡るような送付作業に際しては、封筒の宛名と送受信体上に記載されている情報との対応を目視にて確認する必要も生じており、送付作業が煩雑なものとなっている。
そこで本発明は上記事情に鑑み、封書素材と非接触型データ送受信体とを一体化し、自己のRF−ID管理ができ、あるいは、非接触型データ送受信体を有するカードの送付に適した封書を得ることを課題とし、非接触型データ送受信体の送付作業を簡単なものとすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、折り部を介して連接されて折り合わせにより封書上紙となる二紙片と前記二紙片の内の一方の紙片に折り部を介して連接されている封書下紙とを有して、前記封書上紙になる前記二紙片と前記封書下紙との連接された三紙片のZ状の折り合わせにより封書が形成される封書用シートであって、
封書下紙は、Z折りしたときの封書内方側となる片面にアンテナを設けるとともに、このアンテナにICチップを実装してなる非接触型データ送受信体を備えて、前記非接触型データ送受信体を囲む切り取り部を有し、
Z折りしたときに前記封書上紙となる二紙片の内の一紙片であり、前記非接触型データ送受信体がある前記封書下紙の片面側に相対する紙片は、前記非接触型データ送受信体のICチップが実装された部分に対応する位置に孔からなる緩衝部が設けられていて、
Z折りしたときの前記封書上紙となる二紙片の内のもう一方の紙片は、前記Z折りしたときに前記緩衝部が設けられている紙片に折り重ねられて前記緩衝部を覆う紙片であることを特徴とする封書用シートを提供して、上記課題を解消するものである。
【0005】
また、もう一つの発明は、封書用シートをZ状に折り合わせて、この折り合わせにより相対する紙片の三周辺を貼り合わせしてなる封書であり、この封書を提供して上記課題を解消するものである。
【0006】
つぎに本発明に至るに際して検討した検討技術を図1〜3に基づいて説明する。
図1は検討技術の例を示し、図中1はそれぞれ一枚の紙片からなる封書上紙2と封書下紙3とが折り部4を介して連接されている封書用シートであり、該封書用シート1において折り部4から封書上紙2と封書下紙3とを折り合わせて後述するように所要の三周辺を貼り合わせることで封書となるものである。図2に示すように、重ね合わせ時に封書の外面となる面の内、封書上紙2側にあっては宛名住所を記載する宛名記載面5となる。
【0007】
また、図示されているように、封書上紙2と封書下紙3との内、封書下紙3は非接触型データ送受信体6を一体的に備えている。この非接触型データ送受信体6は、封書上紙2と封書下紙3とを重ね合わせたときに封書内方側となる面、即ち、封書下紙3の対向面3aにこの封書下紙3の紙片自体を基材として配置されたアンテナ7とこのアンテナ7に実装したICチップ8とからなるものであり、前記対向面3aに導電性ペーストを所要のアンテナパターンで印刷して前記アンテナ7が形成され、そのアンテナ7の接続端子部分として設定された箇所にICチップ8を実装することによって構成されている。
なお、本実施例では示さないが、レジスト部やジャンパー部からなるブリッジ回路あるいはランド部など、非接触型データ送受信体を構成するための、その他の部材が必要な場合には、これらが設けられるものである。
そして、上記封書上紙2と封書下紙3の対向面2a、3aそれぞれにおいて、折り部4から折り合わせるようにして重ね合わせしたときの折り部4側を除く三周辺に、通常時には接着せず、接着条件である所要の圧力で加圧することにより接着力を生ずる接着部9が設けられていて、重ね合わせで相対した三周辺をこの接着部9にて封着することで、上記非接触型データ送受信体6の上記アンテナ7やICチップ8を外部に表出させることなく封書内方側に面しさせて隠蔽している封書が得られるようにしている。
【0008】
上記アンテナ7としては所定のパターンとした金属線を貼り付けたり、所定のパターンで蒸着させたりして形成することも可能ではあるが、紙材である封書下紙3に対しては印刷手法を用いてアンテナ7を形成するのが効率的である。なお、本発明においては、アンテナを印刷形成するために使用する導電性インキあるいは導電性ペーストは特に限定されるものではなく、各種のものが使用できる。
【0009】
封書上紙2と封書下紙3の三周辺の封着は上述したように接着部9で行われるものであり、図3に示すように折り合わせた状態の封書用シート1をプレスローラ10に通して圧着することで封書が得られる。この封書用シート1では、前記圧着に際してICチップ8に圧着力が加わらないように図られているものであって、封書上紙2の対向面2aのICチップ8に対応する箇所には、予め打ち抜き孔、レーザー加工により形成された凹部などからなる緩衝部11が設けられており、封筒上紙2と封書下紙3を重ね合わせたときICチップ8が前記緩衝部11に対応し、圧着力にて破壊されないようにしている。
また、ICチップ自体の位置は、宛名記載面5での筆記対象領域以外の位置、例えば郵便番号記入欄の横などに設定すれば、宛名情報を手書き記載する場合でも筆圧がICチップ8に作用しないようになり、ICチップ8の破壊を未然に防止できる。
【0010】
図中12は封書下紙3の非接触型データ送受信体6を囲むようにして設けられた、ミシン目からなるカード外郭線様態の切り取り部である。これによって、上述したようにして封書が得られた後、前記切り取り部12からカード状とした非接触型データ送受信体6を分離できるようになり、切り取り部12で囲まれた領域の紙片を基材した単独のカード物として取り扱えるようにしている。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を図4に基づいて説明する。
上記検討技術の例における封書用シートは、封書上紙2と封書下紙3の二枚の紙片の重ね合わせで封書が得られるようにしたものとして示した。そして、本発明は図4に示すように、封書上紙2が分離困難に上記接着部9と同一の接着部13にて対向面全面が貼り合わせできるようにした二枚の紙片からなるとともに、封書下紙3が一枚の紙片から上述の実施形態のように非接触型データ送受信体6を備えたものとしており、これらの紙片が折り部4を連接した封書用シート1を折り合わせて、図示されているように前記封書上紙2と封書下紙3との相対する三周辺を接着部9で封着することで、封書が得られるようにしている。
この場合、前記封書上紙2を構成している二枚の紙片相互は対向面全面に設けられた接着部13により、封書を得るためのプレス時点で貼り合わされる。そして、封書上紙2において、非接触型データ送受信体6側に位置する紙片に、ICチップ実装位置に対応して緩衝部11が設けられている。なお、図示の例では緩衝部11が孔であるが、封書上紙2中のもう一方の紙片に設けられている接着部13のこの緩衝部11に対応する箇所では、加圧力が加わらないため、接着力が生じない。
【0012】
上記実施の例における封書用シートにおいて封書上紙2の宛名記載面5に対して予め宛名情報を記載することが可能であって、非接触型データ送受信体6を有する封書用シート1の製造過程の所要の時点でその非接触型データ送受信体6に宛名情報を入力するようにし、封書が形成される前や形成された後に、その非接触型データ送受信体6から宛名情報を読み込み、その情報に基づいて宛名情報を宛名記載面5に出力すればよい。このように封書自体が所持するRF−IDが有する情報に基づいて宛名情報を記載するため、マッチングミスを防止することが簡単に行なえるものとなる。また、管理されたデータベース上で宛名情報と上記非接触型データ送受信体に記録する情報とを対応付けしておき、未記録の非接触型データ送受信体を備えた封書用シートに前記宛名情報を印字するとともに、封書作成の段階で前記非接触型データ送受信体に非接触状態にして情報を記録させるようにすることも可能である。
【0013】
(削除)
【0014】
【発明の効果】
以上説明した本発明により、自己のRF−ID管理ができ、あるいは、この封書用シートから非接触型データ送受信体を有するカードを送付することが可能となり、非接触型データ送受信体の送付コストを大幅に低減させることができるようになる。そして、封書の構成部材である紙片に対してアンテナを設けているため、アンテナの設計自由度が高く、大きなアンテナを安価に形成できるようになる。さらに、封書の形成に際して非接触型データ送受信体から予め記憶させていた宛名情報を読み取り、その情報に基づいて葉書の表面に宛名情報を印字、印刷でき、封書送付の手間を大幅に軽減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】検討技術の封書用シートの一例における一方の片面を示す説明図である。
【図2】同じく一例における他方の片面を示す説明図である。
【図3】封書用シートを折り返して圧着する状態を示す説明図である。
【図4】本発明に係る封書用シートの一例を折り重ねして断面で示す説明図である。
【符号の説明】
1…封書用シート
2…封書上紙
3…封書下紙
6…非接触型データ送受信体
9…接着部
11…緩衝部
12…切り取り部
13…接着部
Claims (2)
- 折り部を介して連接されて折り合わせにより封書上紙となる二紙片と前記二紙片の内の一方の紙片に折り部を介して連接されている封書下紙とを有して、前記封書上紙になる前記二紙片と前記封書下紙との連接された三紙片のZ状の折り合わせにより封書が形成される封書用シートであって、
封書下紙は、Z折りしたときの封書内方側となる片面にアンテナを設けるとともに、このアンテナにICチップを実装してなる非接触型データ送受信体を備えて、前記非接触型データ送受信体を囲む切り取り部を有し、
Z折りしたときに前記封書上紙となる二紙片の内の一紙片であり、前記非接触型データ送受信体がある前記封書下紙の片面側に相対する紙片は、前記非接触型データ送受信体のICチップが実装された部分に対応する位置に孔からなる緩衝部が設けられていて、
Z折りしたときの前記封書上紙となる二紙片の内のもう一方の紙片は、前記Z折りしたときに前記緩衝部が設けられている紙片に折り重ねられて前記緩衝部を覆う紙片であることを特徴とする封書用シート。 - 請求項1に記載の封書用シートをZ状に折り合わせて、この折り合わせにより相対する紙片の三周辺を貼り合わせしてなる封書。
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