JP4597604B2 - 移動装置 - Google Patents
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Description
特許文献1の移動装置における予圧方法によれば、支持レールと移動体との間のクリアランスをボールが埋めるため、ガタを好適に抑えることができ、例えば数百キログラム以上といった高重量の被送物を移送する用途にも好適に用いることができる。
この特許文献2の予圧方法によれば、特許文献1の移動装置に比較して、動作抵抗を小さくでき、また、より軽量な材料で構成して製造コスト等を抑えたり、メンテナンスの手間やコストを抑えることができるといった利点がある。
しかし、それでは、接触体と支持レールとの間に生じる摩擦抵抗が大きくなって移動動作抵抗が大きくなると共に、付勢部材が大型化して装置が高コスト化、高重量化したり、高重量化に伴って駆動エネルギーの強化が必要となったりしてしまう。
これによれば、予圧装置は、第一付勢部材の付勢力によって回動体を回動させることで接触体を支持レールに押圧して予圧を与える。また、摩耗等により支持レールと接触体との間にクリアランスが発生した場合には、第一付勢部材の付勢力により回動体が回動されて接触体が移動してそのクリアランスを埋める。その一方、支持レールから接触体を介して回動体に、第一付勢部材の付勢力に抗して逆回動する力が掛かった際には、回動体とベース部材との間が前記回動方向に逆行するにしたがって狭く形成されていることから、回動体とベース部材との間に球状部材が挟まって、球状部材との摩擦力によって回動体の逆回動が抑止される。
そのため、摩耗等により発生するクリアランスは好適に埋められるとともに、回動体が逆回動しないために、接触体および回動体に大きな力が掛かっても接触体と支持レールとの間にクリアランスが生じることがなく、したがってガタが生じることがない。また、第一付勢部材によって与える予圧力は、摩耗等により発生する支持レールと接触体との間のクリアランスを埋めるべく回動体を回動させる力だけで十分であるため、第一付勢部材の付勢力(予圧力)を大きくする必要がない。
これによれば、予圧装置は、第一付勢部材の付勢力によって回動体を回動させることで接触体を移動体に押圧して予圧を与える。また、摩耗等により移動体と接触体との間にクリアランスが発生した場合には、第一付勢部材の付勢力により回動体が回動されて接触体が移動してそのクリアランスを埋める。その一方、移動体から接触体を介して回動体に、第一付勢部材の付勢力に抗して逆回動する力が掛かった際には、回動体とベース部材との間が前記回動方向に逆行するにしたがって狭く形成されていることから、回動体とベース部材との間に球状部材が挟まって、球状部材との摩擦力によって回動体の逆回動が抑止される。
そのため、摩耗等により発生するクリアランスは好適に埋められるとともに、回動体が逆回動しないために、接触体および回動体に大きな力が掛かっても接触体と移動体との間にクリアランスが生じることがなく、したがってガタが生じることがない。また、第一付勢部材によって与える予圧力は、摩耗等により発生する移動体と接触体との間のクリアランスを埋めるべく回動体を回動させる力だけで十分であるため、第一付勢部材の付勢力(予圧力)を大きくする必要がない。
これによれば、予圧装置を簡単かつコンパクトな構成とすることができる。
これによれば、第二付勢部材により球状部材が常時回動体およびベース部材と当接するように押圧されるため、回動体に、第一付勢部材の付勢力に逆行する力が掛かった際に、回動体の逆回動を遊びなく即座に規制することができる。
これによれば、球状部材が暴れることなく、その位置を安定させることができる。
これによれば、回動体に第一付勢部材の付勢力に逆行する力が掛かった際に、球状部材と回動体およびベース部材との間に掛かる力が、複数の球状部材に分散されるため、回動体、ベース部材および球状部材の損傷や過度の食い付きを抑えて、安定した駆動を行うことができる。
これによれば、対向部を前記回動方向に回す操作を行うことで、渦巻ばね(第一付勢部材)を巻くことができ、回動体に渦巻ばねの付勢力を作用させることができる。
これによれば、解除手段により球状部材を前記回動方向へ移動させることで、回動体の回動の規制を解除することができる。
これによれば、解除部材により球状部材を前記回動方向へ移動させることで、回動体の回動の規制を解除することができる。さらに、解除部材を前記回動方向に回す操作を行うことで、渦巻ばね(第一付勢部材)を巻くことができ、回動体に渦巻ばねの付勢力を作用させることができる。また、渦巻ばねの付勢力は、解除部材に対しては、前記回動方向の逆方向に作用するため、解除部材が操作されていないときには解除部材の押接部が球状部材を押圧しない位置に待機させることができる。
移動装置としての直動装置Aは、図示しない基体に固定された支持レール2と、支持レール2に案内されて、直線軌道上を往復移動可能に設けられた移動体4と、支持レール2に接触する接触体してのローラー装置6,7(ローラー装置7は図1には図示せず)と、移動体4に設けられ、ローラー装置7を支持レール2に所要力で常時押圧して、支持レール2に予圧を与える予圧装置8とを備える。
なお、支持レール2は、アルミ合金等の軽量な金属で、押し出し成形によって成形すると好適である。
移動体4の下面(支持レール2との対向面)には、ローラー装置6が取り付けられる。ローラー装置6は、移動体4の下面に固定された基部6aと、基部6aに対して回転可能に設けられ、支持レール2の突条部2bの両側面(傾斜面)のそれぞれに当接するローラー6bとから成る。ローラー6bは、突条部2bの両側面に対してそれぞれ進行方向前後に二つずつ当接するよう設けられる。ローラー6bは、内部にボールベアリング軸受等を有し、スムーズに回転することができる。
これにより、モータ5を回転駆動させることで、移動体4は、ローラー装置6,7を介して支持レール2に案内されながら、モータ5の回転軸に取り付けられたローターとU字溝2cとの間の摩擦力により、支持レール2に沿った直線軌道上を往復移動(直動)することができる。
なお、移動体4を自走させるための構成はこれに限定されない。例えば、接触体としてのローラー6bまたはローラー7bを駆動装置により回転駆動させるよう構成してもよい。
図2(a),(b)は予圧装置8および予圧装置8に取り付けられたローラー装置7の斜視図であり、図3はその側断面図であり、図4はそのX−X断面図である。
ロッド10は、初期状態においてはローラー装置7が上方へ移動可能な状態(ローラー装置7が最も上側に位置しない状態)となる回転角度に設定され、予圧装置8は、この状態で、ローラー7bが支持レール2の接触面に当接するよう、脚部4a上に配置されて固定されている。そして、ロッド10が所定方向に回動することで、ローラー装置7が上昇して、支持レール2の接触面に圧接される。
本体12とロッド10との間には、ベアリング11が設けられ、ロッド10は本体12の中でスムーズに回動可能となっている。
フランジ部材13は、一端側が、ロッド10に沿って延びる小径部13aに形成され、他端側は、その外周壁が本体12の内周に接し、その内側はロッド10との間に所定の間隙を形成する中空状となる大径部13bに形成される。本体12には、フランジ部材13の小径部13aと大径部13bとを結ぶ段差部13cに沿って、内側に突出する段差部10aが形成される。段差部10aの、フランジ部材13との対向壁には、ラチェット爪16が固定される。フランジ部材13のラチェット爪16の当接面(球状部材20が配される中空部の反対面)には、ラチェット爪16が引っ掛かる複数の凹凸部13dが設けられ、ラチェット爪16と凹凸部13dから成るラチェット機構(逆止手段)により、フランジ部材13は所定回転方向(図4における右回転方向)にのみ回転可能となっている。
解除部材14の、フランジ部材13の反対側には、解除部材14の中空部14cを塞ぐキャップ22が設けられる。また、キャップ22の外面側には、フランジ部材13、解除部材14、およびキャップ22がロッド10から抜け落ちるのを防ぐ留金24が設けられる。キャップ22および留金24は、それぞれロッド10および/または解除部材14に対して相対回転可能に設けられており、解除部材14のロッド10に対する相対回転を妨げない。
解除部材14には、ロッド10に沿って、フランジ部材13側に向かって延びる押接部14aが形成されている。図4に示すように、押接部14aは、各球状部材20の間にそれぞれ進入するよう設けられる。解除部材14が、ユーザーにより、ロッド10の外周面とフランジ部材13の対向面13eとの距離が広くなる方向と同方向、すなわち図4中では右回転方向に回動されることにより、押接部14aが球状部材20をスプリング36の付勢力に抗して移動させることができる(解除手段)。互いに係合されたフランジ部材13と解除部材14との間の周方向の前記遊びは、押接部14aが球状部材20を押圧できる程度に設定される。そして、押接部14aが球状部材20を押圧して、なおも前記遊びの範囲を超えてユーザーにより解除部材14が同回転方向に回転された場合には、前記突部13gと凹部14bとの係合により、解除部材14とフランジ部材13は一体回転する。
まず、ユーザーは、解除部材14を、ロッド10の外周面とフランジ部材13の対向面13eとの距離が広くなる方向と同方向、すなわち図4中での右回転方向に回転させる。この操作によれば、まず解除部材14の押接部14aが、前記凹部14bと突部13gとの遊びの範囲で、フランジ部材13に対して右回転方向に回動されて、球状部材20を押圧する。そして、球状部材20が移動されて、ロッド10のフランジ部材13に対する前記逆方向の回動の抑止が解除される。
そして、ロッド10の回動に伴って、ロッド10の回動軸に対して偏心して取り付けられたローラー装置7が上昇され、ローラー7bが支持レール2の前記接触面に当接する。
ローラー装置7が支持レール2に当接してロッド10がこれ以上は同方向に回動できないこの状態で、さらに解除部材14を回転させれば、渦巻ばね18が巻かれて、ロッド10に対し、同方向への付勢力が印加される。
したがって、渦巻ばね18の付勢力は、ロッド10を前記回転方向へ回動させる力として働き、ローラー装置7を介して、支持レール2に対して予圧が与えられることになる。
また、解除部材14の押接部14aにより球状部材20を前記回動方向へ移動させることで、回動体の回動の規制を解除することができる。
さらには、フランジ部材13は、解除部材14が回動された際、所定の遊びを介して解除部材14と一体回転されるよう解除部材と係合されている。
このため、解除部材14を前記回動方向に回す操作を行うことで、ロッド10の逆止抑制を解除でき、さらに解除部材14を回すことで渦巻ばね18を巻くことができる。また、渦巻ばね18の付勢力は、解除部材14に対しては、前記回動方向の逆方向に作用するため、解除部材14が操作されていないときには解除部材14の押接部14aが球状部材20を押圧しない位置に待機させることができる。
この構成により、本実施の形態に係る直動装置Aの予圧装置8は、操作性およびメンテナンス性に優れている。
例えば、回動体と接触体との間に、他の伝達部材を設けて、伝達部材を介して間接的に接触体を押圧するよう構成しても良い。
2 支持レール
4 移動体
5 モータ(駆動装置)
6 ローラー装置(接触体)
7 ローラー装置(接触体)
8 予圧装置
10 ロッド(回動体)
12 予圧装置の本体
13 フランジ部材(対向部)
13e 対向面
13d 凹凸部
14 解除部材(解除手段)
14a 押接部
18 渦巻ばね(第一付勢部材)
20 球状部材
30 溝部
36 スプリング(第二付勢部材)
a ローラー装置の回転軸線
b ロッド(回動体)の回動軸線
Claims (9)
- 基体に固定された支持レールと、
該支持レールに案内されて移動可能に設けられた移動体と、
前記支持レールに接触する接触体と、
前記移動体に設けられ、前記接触体を前記支持レールに向けて所要力で常時押圧する予圧装置とを備える移動装置において、
前記予圧装置は、
前記移動体に対して回動可能に設けられ、該回動の回動軸から偏心した位置に直接または伝達部材を介して前記接触体が連繋され、回動されることで接触体が前記支持レールに対し接離動するよう配置された回動体と、
該回動体を、前記接触体を前記支持レールに当接させる方向へ回動させるよう付勢する第一付勢部材と、
前記移動体に固定または係止され、前記回動体の外周面の少なくとも一部を覆い、前記第一付勢部材の付勢力による回動体の回動方向に沿って、回動体の前記外周面との距離が次第に離間するよう形成された対向面を有する対向部と、
前記回動体の前記外周面と前記対向部の前記対向面との間に、両者に接するよう配設された球状部材と、
前記対向部の、前記回動方向と同方向への回転は許すが、該回動方向の逆方向への回動は許さない逆止手段とを有し、
前記対向部は、前記回動体と同軸に、回動体とは独立に相対回転可能に設けられ、
前記第一付勢部材は、一端が前記回動体に連繋され、他端が前記対向部に連繋された渦巻ばねであることを特徴とする移動装置。 - 基体に設けられた案内部と、
該案内部に案内されて移動可能に設けられた移動体と、
該移動体に接触する接触体と、
前記基体に設けられ、前記接触体を前記移動体に向けて所要力で常時押圧する予圧装置とを備える移動装置において、
前記予圧装置は、
前記基体に対して回動可能に設けられ、該回動の回動軸から偏心した位置に直接または伝達部材を介して前記接触体が連繋され、回動されることで接触体が前記移動体に対し接離動するよう配置された回動体と、
該回動体を、前記接触体を前記移動体に当接させる方向へ回動させるよう付勢する第一付勢部材と、
前記基体に固定または係止され、前記回動体の外周面の少なくとも一部を覆い、前記第一付勢部材の付勢力による回動体の回動方向に沿って、回動体の前記外周面との距離が次第に離間するよう形成された対向面を有する対向部と、
前記回動体の前記外周面と前記対向部の前記対向面との間に、両者に接するよう配設された球状部材と、
前記対向部の、前記回動方向と同方向への回転は許すが、該回動方向の逆方向への回動は許さない逆止手段とを有し、
前記対向部は、前記回動体と同軸に、回動体とは独立に相対回転可能に設けられ、
前記第一付勢部材は、一端が前記回動体に連繋され、他端が前記対向部に連繋された渦巻ばねであることを特徴とする移動装置。 - 前記回動体は、軸線が前記回動軸と一致するロッドから成り、
前記対向部は、前記ロッドが挿入されるフランジ部材から成り、
前記対向面は、前記フランジ部材の内周面に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の移動装置。 - 前記予圧装置は、前記球状部材を前記回動体の前記回動方向の逆方向に付勢する第二付勢部材を有することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項記載の移動装置。
- 前記回動体には、前記球状部材との当接部に、該回動体の周方向に沿って、溝部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項記載の移動装置。
- 前記球状部材は、前記回動体の回動周方向に複数並べられて配設されていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項記載の移動装置。
- 前記予圧装置は、前記球状部材を前記回動方向後方から押圧して該回動方向へ移動させる解除手段を有することを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項記載の移動装置。
- 前記予圧装置は、前記球状部材の前記回動方向後方に位置する押接部が形成され、前記回動体と同軸に、回動体とは独立に相対回転可能に設けられ、該回動方向へ回動されることで押接部により球状部材を該回動方向へ移動させる解除部材を有し、
前記対向部は、前記解除部材が回動された際、所定の遊びを介して解除部材と一体回転されるよう解除部材と係合され、
前記第一付勢部材は、前記他端が前記解除部材に連繋されて、解除部材を介して前記対向部に連繋されていることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項記載の移動装置。 - 前記接触体は、前記回動体の前記回動軸から偏心した回転軸を中心に回転自在に設けられたローラーを有するローラー装置であることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか一項記載の移動装置。
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