JPH0611436Y2 - 固体潤滑ボールねじ - Google Patents

固体潤滑ボールねじ

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JPH0611436Y2
JPH0611436Y2 JP1988049105U JP4910588U JPH0611436Y2 JP H0611436 Y2 JPH0611436 Y2 JP H0611436Y2 JP 1988049105 U JP1988049105 U JP 1988049105U JP 4910588 U JP4910588 U JP 4910588U JP H0611436 Y2 JPH0611436 Y2 JP H0611436Y2
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ball
screw shaft
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solid
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、固体潤滑部材を内蔵したボールねじに関し、
特に通常の潤滑が被潤滑部分に形成される潤滑剤被膜に
よって行われるのに対して、固体潤滑部材の摩耗粉を逐
次供給して潤滑するものであり、これにより重荷重下で
長期の潤滑が可能となる。
〔従来の技術〕
近時、電子機器,精密機器,原子力,航空,宇宙等の先
端技術分野において、ロボットや測定装置などに組み込
んだボールねじを、極低温、極高温,高真空などの過酷
な条件下で使用する機会が多くなっている。
そのような場合には、グリース,油などの一般的な潤滑
剤を使用することは不可能であり、WS、MoS
どの固体潤滑剤が適している。こうした固体潤滑剤を転
がり要素に使用するのに、従来はスプレー,焼付けある
いはスパッタリングなどの方法で、ボールねじの軌道面
やボール面に潤滑被膜を形成するのが一般的である。
しかし、スプレー,焼付けによる固体潤滑剤被膜の形成
は、被膜の厚さが不均一になり易く、また潤滑剤の密着
性が低いため剥離し易い。スパッタリング法を採用すれ
ばその点は改善されるが、ボールねじの形状及び寸法の
点やスパッタリング装置の価格等の点で適用は極めて困
難である。
そこで現在では、WS、MoS等の固体潤滑剤とC
u,Sn,Ta等の金属とを焼結した自己潤滑性複合材
料が着目されている。これは、摺動によって複合材表面
及び相手材表面に潤滑性被膜を形成し、潤滑性,耐摩擦
性,耐焼付性を付与するものである。
このような無機質の固体潤滑性材料を利用した従来のボ
ールねじとしては、ボール転動溝をそれぞれ有する二つ
の部材の相互間にボールを介在させ、当該ボールを介し
て前記二つの部材を相対的に螺旋運動させるようにした
装置において、前記ボール転動溝のボールとの接触面部
に、耐圧硬度が高く且つ固形潤滑性を有するとともに摩
擦係数の小さな材料を配設固定しているものがある(例
えば特開昭50−40267号公報)。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来のボールねじにあっては、耐圧
硬度が高く且つ固形潤滑性を有するとともに摩擦係数の
小さな材料(以下、単に“潤滑材料”という)を配設固
定するための保持溝を、ボール転動溝をそれぞれ有する
二つの部材のうち少なくとも一方の部材のボール転動溝
内に沿って形成し、その保持溝内に潤滑材料を挿入す
る。そのため、次のような問題点があった。
ボールに与えられる負荷を潤滑材料で直接に受ける。
よって特に重荷重負荷の場合、耐圧硬度の高いことが要
求され、潤滑性の良いものを使用することができないう
えに、潤滑材料が摩耗したときに、これとボール転動溝
との間に段差が生じてボールに偏摩耗を生じるから、長
期の使用に耐え得ない。
潤滑材料の保持溝の加工が面倒であるだけでなく、そ
の保持溝内に潤滑材料を確実に挿入することが困難であ
り、潤滑材料が保持溝からはみ出し易く、ボールの円滑
な転動が阻害され安定し難い。
摺動によって形成される潤滑性被膜は、ボールとボー
ル転動溝との接触面圧と滑りに抗しきれずに短期間に剥
離してしまうから、極く小さい荷重で且つ低速でしか適
用できない。
本考案は、このような従来の問題点に着目してなされた
もので、固体潤滑部材がボールの負荷を直接に受けるこ
とがないようにすると共に、ねじ軸との接触で漸次に生
じる潤滑剤摩耗粉を被潤滑部に供給する固体潤滑ボール
ねじを提供することにより、上記問題点を解決すること
を目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ
軸と、該ねじ軸のボール転動溝に対向する螺旋状のボー
ル転動溝を内周面に有するボールナットと、前記ねじ軸
のボール転動溝と前記ボールナットとの間に転動自在に
嵌合し前記ねじ軸と前記ボールナットの相対螺旋運動時
に転動移動する多数のボールとを備えたボールねじにお
いて、前記ボールナットの内周面には座ぐり部が形成さ
れ、かつ該座ぐり部に連続してばね収納凹部が形成さ
れ、前記座ぐり部には円筒状に形成された内周面部分を
有し、ねじ軸との摩擦により摩耗粉を生ずる固体潤滑部
材が嵌装され、該固体潤滑部材は前記ボールナットに設
けられたばね収納凹部に装着された弾性部材により前記
ねじ軸の円筒状の外周面に押圧されていることを特徴と
するものである。
〔作用〕
ボールナットの内周面に取付けられた固体潤滑部材は、
ボール転動溝の溝面ではなく、ねじ軸の円筒状の外周面
に押しつけられる。そして、漸次に摩耗して摩耗粉を生
じ、この固体潤滑粉がボール転動溝に入り、潤滑を行
う。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図に基づき説明する。
第1図ないし第2図は、本考案の一実施例を示すもので
ある。
図中、1はねじ軸で、外周面に螺旋状のボール転動溝1
aを有する。2はボールナットで、ねじ軸1のボール転
動溝1aと対応する螺旋状のボール転動溝2aを内周面
に有する。3はボールであり、上記両方のボール転動溝
1a,2aで形成さるボール通路に転動自在に嵌合さ
れ、ねじ軸1とボールナット2の相対螺旋運動時に転動
移動する。
ボールナット2の胴部は一部を切欠いて合成樹脂製のボ
ール循環路部材4が嵌めこまれている。このボール循環
路部材4の内部にはボール循環路4aが形成されてお
り、このボール循環路4aの両端は、所定ピッチ例えば
図示の例では3ピッチ離れたボール転動溝2aに連通さ
れ、その一端でボール転動溝2aによって案内されるボ
ール3を回収し、これを他端側に案内することにより、
ボール3を循環させる。
ボールナット2の一端(図で左端)には、ボール転動溝
2aより大きな径を有する円筒状の座ぐり部5が形成さ
れている。座ぐり部5の奥行きは前記ボール循環路4a
付近に及ぶ。更に、その座ぐり部5の内周面に、環状の
ばね収納凹部6が形成されている。
ばね収納凹部6には、第2図に示されるように、薄板鋼
板からなる波状ばね7が収納されている。座ぐり部5に
は例えば半円筒状など、円筒を縦割りに複数に分割した
形状の固体潤滑部材8が、ねじ軸1を取り巻くように収
納され、止め輪9で抜け止めされている。
固体潤滑部材8は、グラファイトのような固体潤滑剤、
又はWS、MoS等の固体潤滑剤を母材に含浸させ
たもの、あるいはWS、MoS等の固体潤滑剤とC
u,Sn,Ta等の金属とを焼結した自己潤滑性複合材
等で形成されたものである。
上記の固体潤滑部材8は、ボールナット2をボール3を
介してねじ軸1にねじ込んだ状態で、波状ばね7に弾圧
されて、その内面がねじ軸1の円筒状の外周面(隣り合
うボール転動溝1a同士を区画するねじ山部分)1bに
圧着されている。
次に、以上のような構成を有する固体潤滑ボールねじの
作用を説明する。
ねじ軸1またはボールナット2は、その一方を非回転状
態に支持し、他方をねじ軸1の軸線を回転中心として正
逆に回転させることができる。例えば今、ボールナット
2が非回転状態に支持されている場合、ねじ軸1を回転
させると、ボール3はボール循環路4aによって閉ルー
プとなるボール循環路内を転動しつつ循環移動する。ボ
ールナット2は、通常移動テーブル等に回転しないよう
に支持されるから、その状態ではねじ軸1の回転方向に
応じて、前進または後退方向に直進運動する。
ねじ軸1の外周面1bに押しつけられている固体潤滑部
材8は、上記ねじ軸1の回転運動に伴って、外周面1b
にこすりつけられつつ少しづつ摩耗していく。この場
合、固体潤滑部材8は、ねじ軸1のボール転動溝1aの
面には直接接触しておらず、したがってボール転動溝1
aの溝面には固体潤滑被膜は形成されない。一方、ねじ
軸1の外周面1bにこすりつけられて形成される固体潤
滑部材8の被膜は、漸次剥離して微細な摩耗粉を生じ、
その摩耗粉がねじ軸1のボール転動溝1aの溝面に落ち
て付着する。ついでねじ軸1が反転すると、ボールナッ
ト2の直進方向は逆になるから、摩耗粉が付着したボー
ル循環路部分を転動するボール3に転写され、更にボー
ル3を介してボールナット2のボール転動溝2aの溝面
にも転写される。かくして、ねじ軸1の左右方向への往
復移動により、適度の固体潤滑部材8の微粉末がボール
転動溝1a,2aの全域にまんべんなく供給されること
により、ボールねじは潤滑される。
この潤滑は、潤滑被膜ではなくて、固体潤滑部材8の微
細な粉末で行われるから、潤滑が安定している。因に、
固体潤滑材を直接にねじ軸1のボール転動溝1aに押し
当てて溝面に潤滑被膜を形成する方式では、第3図に示
されるように、初めにボール転動1aの溝面に形成され
た固体潤滑被膜8Aが、ボール3の転動により剥離され
ると共に、ボール転動面の外側で盛り上がる。するとこ
の盛り上がり部8Bに邪魔されて、ボール転動溝面1a
の溝面に新たな固体潤滑被膜ができにくくなり、潤滑が
不安定になる。
本実施例による固体潤滑部材8の微粉末は、固体潤滑部
材8が残っている限り、長期にわたり、連続的に、且つ
むらなく供給される。
又、固体潤滑部材8はボール循環路から離れた個所、す
なわちボールナット2の端部に配置されており、ボール
3に与えられる負荷を潤滑材料で直接に受けることもな
い。
又、固体潤滑部材8を取付けるには、ボールナット2の
端部に座ぐりを形成すればよく、製作が極めて容易であ
る。
なお、上記実施例では、固体潤滑部材8をボールナット
2の一端側にのみ設けた場合に付いて説明したが、これ
に限らず、ボールナット2の両端に設けるようにしても
よい。
また、固体潤滑部材8をねじ軸1の外周面1bに弾圧す
るのに波状ばね7を用いたものを示したが、その他例え
ば、ゴムブッシュ,スポンジ,コイルばね等、固体潤滑
部材8をねじ軸1の外周面に対して押圧し得る弾性体で
あればよい。
更に、上記実施例では、ボール循環路4aを合成樹脂製
のはめこみ型ボール循環部材4の内部に形成した場合に
ついて説明したが、これに限定されず、ボール循環路を
ボールチューブで外部に形成した外部循環形式のボール
ナットにも適用することができる。
〔考案の効果〕
以上説明したように、本考案によれば、ボールねじにお
けるボールナットの内周面に、ねじ軸の円筒状の外周面
に当接され漸次に生じる潤滑剤摩耗粉を被潤滑部に供給
する固体潤滑部材と、該固体潤滑部材をねじ軸の円筒状
の外周面に押圧する弾性部材とを設けた。そのため、ボ
ールに与えられる負荷を固体潤滑部材で直接に受けるこ
とはなく、又ボールねじの作動で漸次に生じる摩耗粉に
より潤滑されるので、固体潤滑部材が存在する限り、長
期に且つ重負荷荷重でも良好な潤滑が得られるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示すボールねじの縦断側面
図、第2図は第1図の矢視IIで示す固体潤滑部材と波状
ばねの模式正面図、第3図はボールねじのボール転動溝
面に潤滑被膜を形成する従来方式の潤滑における問題を
説明する拡大模式図である。 図中、1はねじ軸、2はボールナット、3はボール、5
は座ぐり部、6はばね収納凹部、7は波状ばね(弾性部
材)、8は固体潤滑部材である。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に螺旋状のボール転動溝を有するね
    じ軸と、該ねじ軸のボール転動溝に対向する螺旋状のボ
    ール転動溝を内周面に有するボールナットと、前記ねじ
    軸のボール転動溝と前記ボールナットとの間に転動自在
    に嵌合し前記ねじ軸と前記ボールナットの相対螺旋運動
    時に転動移動する多数のボールとを備えたボールねじに
    おいて、前記ボールナットの内周面には座ぐり部が形成
    され、かつ該座ぐり部に連続してばね収納凹部が形成さ
    れ、前記座ぐり部には円筒状に形成された内周面部分を
    有し、ねじ軸との摩擦により摩耗粉を生ずる固体潤滑部
    材が嵌装され、該固体潤滑部材は前記ボールナットに設
    けられたばね収納凹部に装着された弾性部材により前記
    ねじ軸の円筒状の外周面に押圧されていることを特徴と
    する固体潤滑ボールねじ。
JP1988049105U 1988-04-12 1988-04-12 固体潤滑ボールねじ Expired - Lifetime JPH0611436Y2 (ja)

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JPH01152144U JPH01152144U (ja) 1989-10-20
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7278333B2 (en) 2004-04-21 2007-10-09 Nsk Ltd. Ball screw device
WO2023026376A1 (ja) * 2021-08-24 2023-03-02 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ 波動歯車装置の粉体潤滑方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH062074Y2 (ja) * 1987-10-30 1994-01-19 科学技術庁航空宇宙技術研究所長 ボールねじ

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