JP2003314546A - 直動案内滑り軸受装置 - Google Patents

直動案内滑り軸受装置

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JP2003314546A
JP2003314546A JP2002113762A JP2002113762A JP2003314546A JP 2003314546 A JP2003314546 A JP 2003314546A JP 2002113762 A JP2002113762 A JP 2002113762A JP 2002113762 A JP2002113762 A JP 2002113762A JP 2003314546 A JP2003314546 A JP 2003314546A
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sliding
guide rail
linear guide
bearing device
slider
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JP2002113762A
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Yoshitaka Takahashi
義孝 高橋
Yasushi Toyoda
豊田  泰
Kazunori Hayashida
一徳 林田
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部環境を汚染することがなく、高温中、真
空中あるいは各種溶液中などの特殊環境下で、長期にわ
たって保守を必要とせず、摺動抵抗が小さくて作動性の
良い直動案内滑り軸受装置を提供する。 【解決手段】 案内レール2の摺動溝2aとスライダ1
の摺動部材11の少なくとも一方にDLC被膜を形成す
る。この構成により、潤滑剤等を用いることなく、良好
な作動性能を維持することができる。また、このDLC
被膜は、自身の剥離や摺動相手部材への攻撃による塵や
埃の発生を極めて少量に抑え、外部環境を汚染すること
がない。従って、この直動案内滑り軸受装置は、高温
中、真空中、各種溶液中などの特殊環境下への採用が可
能になる。また、摺動部材11がレール長手方向に連続
する棒状に形成されていることから、点接触の直動案転
がり軸受装置に比べ負荷容量が大きく、ボール等の転動
がないことから騒音の発生が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直動案内滑り軸受
装置に関し、更に詳しくは、塵やガス等の発生がなく、
高温中、真空中あるいは溶液中などの特殊な環境下で使
用できるメンテナンスフリーの直動案内滑り軸受装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンタ等の工作機械や各種成
形機、コンベア等の摺動部位には、多くの直動案内軸受
装置が使用されている。直動案内軸受装置には、案内レ
ールとスライダの間に介装された転動体の転動を利用し
た直動案内転がり軸受装置と、案内レールの摺動溝とス
ライダに備えた摺動部材との相対滑りを利用した直動案
内滑り軸受装置とがある。
【0003】図5と図6は、これら2種類の直動案内軸
受装置の構造を示す斜視図である。図5は、ボールを用
いた直動案内転がり軸受装置であり、図6は、摺動部材
を用いた直動案内滑り軸受装置を示す。
【0004】一方の直動案内転がり軸受装置は、図5に
示すように、対向する側面にそれぞれ案内溝(軌道面)
102a,102aが形成された案内レール102と、
これら案内溝102aに対して複数のボール103介し
て相対移動自在に組み付けられたスライダ101とから
なる。このスライダ101の内部には、レール102の
案内溝102aに対向して、ボール103を保持する軌
道溝101aと、この軌道溝101aに連通して、スラ
イダ101の一方の端部まで移動したボール103を、
他方の端部に戻すリターン孔101bが設けられてい
る。この構造により、これらのボール103は、スライ
ダ101と案内レール102の相対移動によって、案内
溝102aと軌道溝101aとの間に形成された空間
と、リターン孔101bとで形成された略楕円状の軌道
を転動しながら循環する構造となっている。
【0005】また、他方の直動案内滑り軸受装置は、図
6に示すように、対向する側面にそれぞれ摺動溝112
a,112aが形成された案内レール112と、これら
摺動溝112aに対して滑り接触する摺動部材113を
介して相対移動自在に組み付けられたスライダ111と
からなる。このような直動案内滑り軸受は、転動体を持
たないことから、作動時に騒音が小さく、点接触の直動
案転がり軸受に比べて負荷容量が大きいという特徴を持
つ。その反面、摺動部材が案内レールの摺動溝に面接触
あるいは線接触しているため、これらが相対移動する際
の摺動抵抗が大きく、一般に、作動性が直動案内転がり
軸受より劣ってしまうという欠点もある。
【0006】そのため、直動案内滑り軸受装置の摺動部
には、定期的にグリースや潤滑油を供給する必要があ
り、工作機械等においては、摺動面にフッ素樹脂系等の
コーティングを施した上で、更にグリース補給を実施し
ている場合もある。また、外部からのグリースや潤滑油
等の補給の手間を省くため、特開平9−296824号
や特開平11−201156号等のように、潤滑油含有
ポリマ部材を摺動部材として利用するか、あるいは潤滑
油の補給手段として利用した提案が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような直動案内滑り軸受装置において、下記のような特
殊な環境下では、摺動面の潤滑に用いられるグリースや
潤滑油等の潤滑剤が外部に漏出するか、あるいは樹脂系
コーティングが剥離して外部環境を汚染してしまうとい
う問題があった。この問題は、高温中や真空中、水中お
よび各種溶液中などの特殊な環境下において顕著であ
り、特に塵やガス等の発生が問題となるクリーンルーム
内部に設置された機器等においては、従来の潤滑手段を
採用することができないのが現状である。
【0008】また、この問題は、転動体を用いた直動案
内転がり軸受装置にも共通で、同様の環境下では、潤滑
剤等を使用することができない。
【0009】本発明は、上記する課題に対処するために
なされたものであり、外部環境を汚染することがなく、
高温中、真空中あるいは各種溶液中などの特殊環境下
で、長期にわたって保守を必要とせず、摺動抵抗が小さ
くて作動性の良い直動案内滑り軸受装置を提供すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、摺動溝を有する案内レ
ールと、この摺動溝に係合する摺動部材を備え前記案内
レールに対して摺動自在に組み付けられたスライダと、
を備える直動案内滑り軸受装置であって、前記スライダ
の摺動部材が、前記案内レール長手方向に連続する棒状
に形成されているとともに、この摺動部材と前記摺動溝
の少なくとも一方の表面には、ダイヤモンドライクカー
ボン被膜が形成されていることを特徴とする。
【0011】本発明は、直動案内滑り軸受装置におい
て、案内レールとスライダとの接触面の少なくとも一方
側にダイヤモンドライクカーボン(Diamond−L
ikeCarbon:以下、DLCと記述する)被膜を
形成し、相対移動時における摺動面の潤滑を維持するこ
とによって所期の目的を達成しようとするものである。
【0012】すなわち、請求項1に記載の発明によれ
ば、このDLC被膜が、案内レールとスライダの摺動面
の少なくとも一方の表面に形成されていることにより、
潤滑剤あるいは潤滑性の樹脂系コーティングを用いるこ
となく、良好な作動性能を維持することができる。更
に、このDLC被膜は自身が剥離し難いことに加え摺動
相手への攻撃性も小さいことから、摩耗による塵や埃の
発生を極めて少量に抑えることができ、ひいては外部環
境を汚染することがない。従って、本発明の直動案内滑
り軸受装置は、従来の直動案内軸受装置では適応が難し
かった高温中、真空中、各種溶液中などの特殊環境下、
あるいは潤滑剤の使用・補給が困難な部位等への採用が
可能になる。
【0013】これに加えて、本発明の直動案内滑り軸受
装置は、スライダに介装された摺動部材が、案内レール
長手方向に連続する棒状に形成されていることから、係
合する摺動溝と面接触あるいは線接触することとなる。
そのため、点接触の直動案転がり軸受装置に比べ負荷容
量が大きく、ボール等の転動がないことから騒音の発生
が少ない。しかも、接触面にかかる面圧が低いことによ
り、摺動に伴う摩耗を抑えることができる。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、複数の摺
動溝を有する案内レールと、これら摺動溝にそれぞれ係
合する複数の摺動部材を備え前記案内レールに対して摺
動自在に組み付けられたスライダと、を備える直動案内
滑り軸受装置であって、前記スライダの摺動部材が、前
記案内レール長手方向に連続する棒状に形成され、か
つ、それぞれ係合する摺動部材と前記摺動溝の少なくと
も一方の表面には、ダイヤモンドライクカーボン被膜が
形成されているとともに、これら摺動部材と摺動溝との
係合が、案内レール長手方向の2つの線接触で構成され
ていることを特徴とする。
【0015】すなわち、請求項2に係る発明によれば、
案内レールのそれぞれの摺動溝と、これら摺動溝に係合
するそれぞれの摺動部材との接触を、案内レール長手方
向の2つの線接触で構成することによって、接触面積を
最小限することができ、摺動抵抗が十分に小さく良好な
作動性を持つ直動案内滑り軸受装置を実現することがで
きる。摺動部材の横断面形状は、四角形あるいは多角形
の角部を丸めた形状等、特に限定されるものではない
が、既存のボールを用いた直動案内転がり軸受のボール
との置き換え等を考慮した場合、円柱状の摺動部材が好
適に採用される。
【0016】ここで、摺動溝の横断面の具体的形状とし
て、複数の異なる曲率中心をもつ複合曲面あるいは三角
形状を好適に採用することができる(請求項3)。
【0017】すなわち、案内レール側の摺動溝の横断面
形状として、複数の異なる曲率中心をもつ複合曲面(例
えばゴシックアーチ等)あるいは略三角形状を採用し、
摺動部材を対向する二方向より挟持することで、摺動部
材の横断面形状に関わらず、摺動溝と摺動部材との2つ
の線における線接触状態を確実に維持することが可能と
なる。この構成により、この軸受装置のがたつきを抑制
し、十分な剛性を備えつつ、潤滑剤や樹脂コーティング
等を用いなくても、直動案内滑り軸受装置の良好な作動
性を維持することができる。
【0018】一方、請求項4に記載の発明は、前記スラ
イダが、前記案内レールの摺動溝に対する摺動部材の押
圧を調節する予圧調節手段を備えていることを特徴とす
る。
【0019】請求項4に係る発明によれば、スライダに
摺動部材の予圧調節手段が設けられていることにより、
摺動溝に対する摺動部材の押圧を適正に維持することが
でき、作動時の振動や騒音等の発生を防止することがで
きる。また、この予圧調節手段は、ユーザーにおけるメ
ンテナンスを容易にするとともに、案内レールの膨張や
収縮等に起因する過剰予圧やがたつき等を防止し、摩耗
による発塵を抑えて、直動案内滑り軸受装置の寿命を延
ばす効果を発揮する。なお、この予圧調節手段として
は、要求される性能や環境等に応じて、ねじ等を利用し
て摺動部材を摺動溝方向にスライドさせて調節する機構
や、ばね等の弾性体を利用して摺動部材の摺動溝に対す
る押圧を自律的に調節する機構等が好適に採用される。
【0020】また、請求項5に記載の発明は、前記ダイ
ヤモンドライクカーボン被膜の構成として、この被膜が
金属あるいはシリコンを含有している構成を好適に採用
することができる。
【0021】この構成によって、DLC被膜と被覆対象
との結合がより強固になり、DLC被膜が剥離し難くな
り、被覆対象面の耐久性・耐食性を向上させることがで
きる。DLC被膜が金属を含有している場合は、DLC
被膜の導電性が向上し通電性が要求される条件下での使
用が可能となる。また、DLC被膜がシリコン(ケイ
素)を含有している場合は、水中等での使用に際し、潤
滑性をより向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しつつこの発明の
実施の形態について説明する。図1(a)は、本発明の
実施の形態における直動案内滑り軸受装置の側面図であ
り、図1(b)は、レール長手方向から見た正面図であ
る。また、図2は、図1(a)におけるX−X線矢視断
面図であり、図3は、図2におけるY−Y線矢視断面図
である。
【0023】本実施の形態における直動案内滑り軸受装
置は、図1に示すように、対向する側面2c,2cにそ
れぞれ一条の摺動溝2a,2aが形成された案内レール
2と、これら摺動溝2aに対して相対移動自在に組み付
けられたスライダ1とからなる。案内レール2の摺動溝
2a,2aは、略半円状の横断面を有し、それぞれの側
面2c,2cの対称となる位置に形成されている。スラ
イダ1のブロック1aは、正面から見た場合、断面が逆
U字形であり、このブロック1aのレール長手方向の両
端面(紙面手前と奥)には、ねじ15等を用いて固定部
材14が取り付けられている。この固定部材14は、摺
動溝2aと略同一の位置に形成された凸部14aで、後
述する摺動部材11をスライダ1内部の所定位置に固定
する役目を果たす。そして、このスライダ1は、内部に
装着された摺動部材11を介して摺動溝2aに係合し、
その内側端面1bが案内レール2の上面2bより浮き上
がるように非接触で取り付けられることとなる。
【0024】スライダ1の内部に取り付けられる摺動部
材11は、金属材料(好ましくはステンレス鋼)からな
る母材を用いて円柱状に加工されたあと、その表面にD
LC被膜が形成されている。摺動部材11のスライダ1
への取り付けは、図2に示すように、摺動溝2aに対向
する位置に略半円状の溝12aが形成された保持部材1
2,12を、ブロック1aの内部の所定の位置にねじ1
3等を用いて接合固定し、この溝12aと摺動溝2aと
の間に形成される略円柱状の空間に、摺動部材11を案
内レール長手方向から挿入する方法で行われる。なお、
保持部材12の溝12aと案内レール2の摺動溝2aの
溝深さは、お互いの接触を避けるため、摺動部材11の
半径より小さい溝深さに設定されている。
【0025】そして、保持部材12でレール上下方向の
位置決めをされた摺動部材11は、図3に示すように、
ブロック1aに両端(図示左右)方向から固定部材14
が嵌め合わされることで、レール長手方向の位置決めを
され、スライダ1を所定位置で浮上保持することとな
る。
【0026】本実施の形態における直動案内滑り軸受装
置の特徴は、摺動部材11の表面にDLC被膜が形成さ
れ、かつ、摺動部材11を所定位置に保持するの保持部
材12の一方に、摺動溝2aに対する押圧を調節する手
段として予圧調節ねじ21が設けられている点である。
【0027】ダイヤモンドライクカーボン(DLC)被
膜とは、主として炭素と水素とで構成される非晶質の硬
質カーボン膜のことであり、アモルファス(非晶質)構
造をとるためダイヤモンドに類似した性質を有する。他
の硬質膜および固体潤滑膜に比較して極めて硬く耐摩耗
性に優れ、摩擦における相手攻撃性も小さいなど優れた
耐凝着性を示す。また、DLC被膜は、極めて平滑な膜
表面を有し、耐久性および各種溶液に対する耐食性も高
い。
【0028】摺動部材11の表面に被覆されるDLC膜
は、例えば物理蒸着(PVD)法、化学蒸着(CVD)
法、プラズマCVD法、イオンビーム形成法、あるいは
イオン化学蒸着法等により、摺動部材11の母材表面に
形成される。この被覆の形成に当たって、好ましくは下
地膜として予めクロム膜を形成しておくことが望まし
い。また、DLC被膜が、例えばタングステン等の金属
を含有する構成やシリコンを含有する構成を好適に採用
することもできる。
【0029】そして、本実施の形態における直動案内滑
り軸受装置は、このDLC被膜が、摺動部材11の表面
に形成されていることにより、潤滑剤あるいは潤滑性の
樹脂系コーティングを用いることなく、案内レール2と
スライダ1の相対滑り運動に伴う摩擦を小さく維持する
ことができる。また、このDLC被膜は、その表面が非
常に平滑であることから、摩耗による塵や埃の発生を極
めて少量に抑えることができる。従って、この直動案内
滑り軸受装置は、塵やガス等の発生が抑制され、外部環
境を汚染することがない。
【0030】なお、DLC被膜をスライダ側の接触面
(摺動面)のみに形成した場合を示したが、案内レール
側の摺動面に形成しても、同様の効果が得られることは
勿論である。更に、このDLC被膜は、これら摺動面の
両側に形成しても良い。摺動面の耐摩耗性向上のために
は、一方の面に設けるのが好ましいが、例えば溶液中等
の特殊環境下での使用における耐食性・耐久性を考慮す
ると、両方の接触面にDLC被膜を形成するのが好まし
い場合もある。
【0031】また、本実施の形態における直動案内滑り
軸受装置は、スライダ1の一方の側面に、開孔1cを通
じて保持部材12と案内レール2との間隙を調節する予
圧調節ねじ21が設けられている。この予圧調節ねじ2
1は、このねじ21が嵌め入れられる開孔1c内にばね
等の弾性体を介在させて、押圧の自律調節式とすること
もできる。
【0032】この構成によって、摺動溝2aに対する摺
動部材11の押圧を適正に維持することが可能となる。
従って、本実施の形態における直動案内滑り軸受装置
は、軸受装置作動時の振動や騒音等の発生を防止するこ
とができる。また、この予圧調節ねじ21は、案内レー
ル2の熱等による膨張や収縮に起因する過剰予圧やがた
つき等を防止し、摩耗による発塵を抑えてこの軸受装置
の寿命を延ばす効果を発揮する。
【0033】一方、本実施の形態における直動案内滑り
軸受装置は、従来の直動案内転がり軸受装置におけるス
ライダの転動体の代わりに、DLC被膜を有する摺動部
材を置き換えて製作することも可能である。このような
構成を採用することにより、既存の製造設備を利用し
て、最小限の設備投資で容易に製作することができる。
また、この構成は、使用する部材を共通化(規格化)し
て量産効果でコストメリットを生むことを可能にすると
ともに、部材の交換を容易にするという効果も併せて奏
することができる。
【0034】なお、以上の実施の形態における直動案内
滑り軸受装置は、潤滑剤を使用しない例を示したが、そ
の使用が許される環境ではこれを用いても良い。この場
合、案内レール2とスライダ1との摺動抵抗がより低減
され、作動性を更に向上させることができる。
【0035】また、スライダ1に取り付けられる摺動部
材11は、略円柱状の摺動部材の例を示したが、本発明
の摺動部材の形状はこれに限らず種々の横断面形状の摺
動部材を採用することが可能である。同様に、摺動部材
の案内レール長手方向の長さも自由に設定可能で、案内
レール長手方向に複数の摺動部材を直列配置しても良
い。
【0036】一方、案内レール2の側面2cに形成され
る摺動溝2aの横断面形状も、略円状のサーキュラーア
ーチの例を示したが、図4に拡大模式図を示すような、
摺動部材11と2点で接触するゴシックアーチ形状
(a)、あるいは略三角形状(b)等の摺動部材11を
対向する二方向より挟持する形状を採用しても良い。
【0037】更にまた、案内レール2に対するスライダ
1の組み付け方法も、本実施の形態においては、案内レ
ール2の両側面2cに形成されたそれぞれ1条の摺動溝
2aに、それぞれ対応する2つの摺動部材11を組み付
ける例を示したが、本発明の直動案内滑り軸受装置の組
み付け方法はこの構成に限らず、案内レールの両側面に
それぞれ形成された二条以上の摺動溝とこれらに係合す
る同数の摺動部材を有する構成、あるいは、案内レール
2上下面に形成された複数の摺動溝とこれらに係合する
摺動部材を有する構成等の直動案内滑り軸受装置にも適
用できる。更には、複数の摺動部材を案内レール側に配
設し、これら摺動部材に係合する摺動溝をスライダ側に
形成する構成を採用しても、同様の効果を奏することが
できる。ただし、低摺動抵抗と安定動作、剛性確保をバ
ランス良く実現するためには、本実施の形態で示した構
成が最適である。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の直動案内
滑り軸受装置によれば、案内レールとスライダの摺動面
の少なくとも一方にDLC被膜が形成されていることに
より、潤滑剤等を用いることなく、良好な作動性能を維
持することができる。また、このDLC被膜は、自身の
剥離や摺動相手部材への攻撃による塵や埃の発生を極め
て少量に抑える。従って、本発明の直動案内滑り軸受装
置は、外部環境を汚染することがない。
【0039】また、メンテナンスフリーであることか
ら、従来の直動案内軸受装置では適応が難しかった高温
中、真空中、各種溶液中などの特殊環境下、あるいは潤
滑剤の使用・補給が困難な部位等への採用が可能にな
る。
【0040】また更に、摺動部材がレール長手方向に連
続する棒状に形成されていることから、点接触の直動案
転がり軸受装置に比べ負荷容量が大きい。
【0041】そして、従来の直動案内転がり軸受装置に
おける転動体の代わりに、DLC被膜を有する摺動部材
を使用する構成を採用すれば、既存の製造設備を利用し
て、容易に製作することができる。また、この構成は、
部品を共通化してコストメリットを生むとともに、部品
の交換を容易にするという効果も併せて奏することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における直動案内滑り軸受
装置を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図
である。
【図2】図1(a)のX−X線矢視断面図である。
【図3】図2のY−Y線矢視断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における摺動溝の横断面形
状例を示す模式図である。
【図5】従来の直動案内転がり軸受装置の模式的斜視図
である。
【図6】従来の直動案内滑り軸受装置の模式的斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 スライダ 1a ブロック 1b 端面 1c 開孔 2 案内レール 2a 摺動溝 2b 上面 2c 側面 11 摺動部材 12 保持部材 12a 溝 13 ねじ 14 固定部材 14a 凸部 15 ねじ 21 予圧調整ねじ 101 スライダ 101a 軌道溝 101b リターン孔 102 案内レール 102a 案内溝(軌道面) 103 ボール 111 スライダ 112 案内レール 112a 摺動溝 113 摺動部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林田 一徳 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 Fターム(参考) 3J011 AA08 AA20 BA08 CA05 DA01 KA07 MA02 PA10 QA04 SE10 3J104 AA03 AA23 AA34 AA65 AA69 AA74 BA03 BA05 BA65 CA03 CA20 DA01 DA14 DA17 EA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摺動溝を有する案内レールと、この摺動
    溝に係合する摺動部材を備え前記案内レールに対して摺
    動自在に組み付けられたスライダと、を備える直動案内
    滑り軸受装置であって、 前記スライダの摺動部材が、前記案内レール長手方向に
    連続する棒状に形成されているとともに、この摺動部材
    と前記摺動溝の少なくとも一方の表面には、ダイヤモン
    ドライクカーボン被膜が形成されていることを特徴とす
    る直動案内滑り軸受装置。
  2. 【請求項2】 複数の摺動溝を有する案内レールと、こ
    れら摺動溝にそれぞれ係合する複数の摺動部材を備え前
    記案内レールに対して摺動自在に組み付けられたスライ
    ダと、を備える直動案内滑り軸受装置であって、 前記スライダの摺動部材が、前記案内レール長手方向に
    連続する棒状に形成され、かつ、それぞれ係合する摺動
    部材と前記摺動溝の少なくとも一方の表面には、ダイヤ
    モンドライクカーボン被膜が形成されているとともに、
    これら摺動部材と摺動溝との係合が、案内レール長手方
    向の2つの線接触で構成されていることを特徴とする直
    動案内滑り軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記摺動溝の横断面形状が、複数の異な
    る曲率中心をもつ複合曲面あるいは三角形状であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の直動案内滑り軸
    受装置。
  4. 【請求項4】 前記スライダが、前記案内レールの摺動
    溝に対する摺動部材の押圧を調節する予圧調節手段を備
    えていることを特徴とする請求項1、2または3に記載
    の直動案内滑り軸受装置。
  5. 【請求項5】 前記ダイヤモンドライクカーボン被膜
    が、金属あるいはシリコンを含有していることを特徴と
    する請求項1、2、3または4に記載の直動案内滑り軸
    受装置。
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