JP3811596B2 - 転がり運動部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば転がり軸受、ボールねじ、リニア玉軸受、リニアウエイなどの転がり運動部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、転がり軸受においては、その内・外輪の軌道面を、内・外輪の素材の表層(基体)に固体潤滑膜を施した軌道面として、ボールの転がりや滑り接触に伴う摩耗を抑制しているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記転がり軸受の場合、使用に伴い固体潤滑膜が前記基体から剥離しその周囲に対する塵埃として作用するから、固体潤滑膜の膜厚を必要最小限に薄くしてその発塵量を極力少なくすることが考えられる。
【0004】
しかし、このように固体潤滑膜の膜厚を薄くした場合、内・外輪の軌道面を構成する基体表面の平滑度が低くて凹凸が多いと、固体潤滑膜で覆うことのできない凹凸箇所が生じ、この凹凸箇所を起点にして固体潤滑膜の剥離や腐食が進行し、固体潤滑膜の膜厚を薄くしたのに発塵を抑制できない傾向となる。
【0005】
したがって、本発明は、転がり運動部品において、上記固体潤滑膜の剥離や腐食の進行を抑制して発塵量を少なく抑制可能とすることを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の転がり運動部品は、相手部材との間で相対的に転がり接触または滑り接触する面を有した転がり運動部品であって、その基体は素材を鉄系材料とし、少なくとも前記接触面上にその表面粗さを緩和し、かつ素材を樹脂材料とした表面粗さ緩和層が形成され、この表面粗さ緩和層上にフッ素系高分子を含み、その膜厚を0.05〜0.3μmの範囲内に規定した固体潤滑膜が形成されているとともに、前記基体の表面粗さ(Ry)は前記固体潤滑膜の膜厚より大きく、前記表面粗さ緩和層の表面粗さ(Ry)を前記固体潤滑膜の膜厚より小さくしている。
【0007】
ここで、表面粗さの緩和とは、表面粗さを緩くすることであり、そのために、表面粗さ緩和層において接触面と対向する裏面側の一部が該接触面の凹凸内における凹所に入り込んでこれを埋設するような形態となって接触面の表面粗さを緩和することである。そして、表面粗さ緩和層の表面粗さは小さくなっていてその表面の最大高さが低くなっている。この結果、接触表面の凹凸の固体潤滑膜に対する影響は小さくなり、また、固体潤滑膜の膜厚が薄くてもその表面粗さ緩和層の表面粗さが小さいので、固体潤滑膜は平均した膜厚でかつその表面もほぼ平滑となっている。
【0008】
したがって、本発明によると、固体潤滑膜が、相手部材との間での転がり接触や滑り接触により摩耗しても固体潤滑膜より下層側の凹凸の影響を抑制でき、その凹凸を起点とした固体潤滑膜の剥離や腐食の進行を抑制可能となるから、固体潤滑膜の膜厚を薄くして発塵量を少なく抑制できる結果、転がり運動部品の長寿命化の達成が可能となる。
【0009】
本発明において、前記基体の表面粗さを前記固体潤滑膜の膜厚より大きく、前記表面粗さ緩和層の表面粗さを前記固定潤滑膜の膜厚より小さくしていることにより、基体の表面粗さが大きくても表面粗さ緩和層の表面粗さを小さくすることで、固体潤滑膜の膜厚を小さくでき、より固体潤滑膜の剥離や腐食の進行を抑制して発塵量を少なくして、転がり運動部品の長寿命化の達成が可能となる。
【0010】
本発明において、前記接触面を構成する基体を鉄系材料でその表面粗さRyを0.2〜0.5μmの範囲内とし、また、前記表面粗さ緩和層の素材を、ニッケル系合金でその表面粗さRyを0.1〜0.3μmの範囲内とした場合、基体の研磨工程の作業効率を損なうことなく表面の平滑性が得られる。
【0011】
なお、基体の表面粗さが0.2μm以下であると、基体の研磨工程の作業効率が損なわれるとともに、緩和層の密着が弱くなり、0.5μm以上であると緩和層の表面粗さが大きくなり緩和効果がない。
【0012】
同様に、表面粗さ緩和層の表面粗さが0.1μm以下であると、固体潤滑膜の密着力が弱く0.3μm以上であると固体潤滑膜上に緩和層の凸部が露出する。
【0013】
本発明において、前記固体潤滑膜がフッ素高分子を含み、その膜厚が0.05〜0.3μmの範囲内としていることにより、低発塵で寿命延長の作用効果が得られる。
【0014】
なお、固体潤滑膜の膜厚が0.05μm以下であると、短寿命であり、0.3μm以上であると発塵が増大する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る相対運動部品としての転がり軸受の上半分の縦断面図、図2は、図1の内輪の要部拡大断面図である。
【0017】
図例の転がり軸受A1は、内輪2、外輪4、ボール6、波形保持器8およびシール10を備える。
【0018】
そして、転がり軸受A1においては、内・外輪2,4の基体表面に表面粗さ緩和層12が形成され、そして、表面粗さ緩和層12上に固体潤滑膜14が形成されている。ここで、2aは、内・外輪2,4の基体の表面凹凸、12aは表面粗さ緩和層12の表面凹凸である。
【0019】
これによって、この転がり軸受A1においては、例えば、内・外輪2,4においてボール6が転動する接触面の表面粗さRyを大きくする凹凸2aがあっても、その凹凸2aは、表面粗さの小さい表面粗さ緩和層12で覆われているから、表面粗さ緩和層12に凹凸12aがあってもその表面粗さは小さくその平滑度は前記基体表面のそれより高くなってある。そのため、表面粗さ緩和層12上に形成した固体潤滑膜14も凹凸高さを小さくつまり平滑度を高く形成することが可能となり、結果として、ボール6が転動しても固体潤滑膜14が前記基体の凹凸2aにより剥離されたり腐食されたりすることが抑制されて発塵量が少なくなる結果、転がり軸受A1の長寿命化の達成が可能となる。
【0020】
以下、さらに詳しく説明する。
【0021】
内・外輪2,4およびボール6は、鉄系材料で構成されている。この場合、例えばJIS規格SUJ2、SUS440C等のマルテンサイト系などの鉄系材料では耐食性低いが、耐荷重性が高く高荷重用途に適する。このような鉄系材料ではその全面に表面粗さ緩和層12と固体潤滑膜14を形成するのが好ましい。
【0022】
内・外輪2,4はまた、例えばJIS規格SUS304,SUS630などのオーステナイト系の鉄系材料では耐食性高いが、耐荷重性が低く軽荷重用途に適する。このような鉄系材料では少なくとも軌道面に表面粗さ緩和層12と固体潤滑膜14を形成するとよい。
【0023】
なお、ボール6にはステンレスやセラミックスを用いるとよい。
【0024】
表面粗さ緩和層12は、内・外輪2,4の全面に形成されており、表面粗さ緩和層12の素材は、ポリイミドやポリアミドイミドなどの樹脂である。表面粗さ緩和層12の素材として参考例として金属とすることがあげられる。
【0025】
その素材を金属とした場合の例として、ニッケル系、クロム系の合金がある。これら合金による表面粗さ緩和層12の形成は、メッキによる膜形成でもよい。このメッキには電解メッキ、無電解ニッケルメッキ、その他のメッキがある。
【0026】
表面粗さ緩和層12の素材がニッケル系合金の場合、鉄系材料である内・外輪2,4の軌道面となじみやすいので好ましい。また、ニッケル系合金の中でもニッケル−リン(Ni−P)やニッケル−タングステン(Ni−W)が好ましい。
【0027】
内・外輪2,4の基体を鉄系材料とし、表面粗さ緩和層12の素材をニッケル−リン合金とした場合、日本工業規格JISによる表面粗さ(最大高さ)(Ry)、中心線平均粗さ(Ra)、十点平均粗さ(Rz)は、例えば次の通りである。
【0028】
すなわち、内・外輪2,4の基体において、
・表面粗さ(Ry): 0.25μm
・中心線平均粗さ(Ra):0.02μm
・十点平均粗さ(Rz): 0.2μm
表面粗さ緩和層12において、
・表面粗さ(Ry): 0.11μm
・中心線平均粗さ(Ra):0.01μm
・十点平均粗さ(Rz): 0.1μm
ここで、内・外輪2,4の基体を鉄系材料とし、表面粗さ緩和層12の素材をニッケル系合金とした場合、また、基体の表面粗さRyは、固体潤滑膜14の膜厚より大きく、0.2〜0.5μmの範囲内とし、表面粗さ緩和層12の表面粗さRyは、固体潤滑膜14の膜厚より小さく0.1〜0.3μmの範囲内が好ましい。
【0029】
表面粗さ緩和層12の形成方法は何でもよいが、電気メッキで形成してもよい。この電気メッキのうち、内・外輪2,4の軌道面に電解メッキを施して表面粗さ緩和層12を形成してもよいが、電解メッキによる表面粗さ緩和層12の下地の場合、軌道面の粗さの緩和が少ない。これに対して、無電解メッキで表面粗さ緩和層12を形成した場合、軌道面の下地としてはその面粗さが緩和され、したがって、表面粗さ緩和層12上の固体潤滑膜14表面の粗さも緩和される結果、軸受の長寿命化が達成可能となって好ましい。
【0030】
表面粗さ緩和層12は、金属単独の膜、樹脂単独の膜としてもよいが、参考例として複合膜があげられる
【0031】
この複合膜としては、ニッケル複合メッキ膜と呼ばれるものがある。このニッケル複合メッキ膜は、NiPあるいはNiBをマトリックスとし、これに硬質または潤滑性を有する不溶性微粒子を複合共析させた構造である。共析させる微粒子としては、SiCが好ましく、これが均一に分散される。このニッケル複合メッキ膜は、組成が緻密になっているから、このニッケル複合メッキ膜による表面粗さ緩和層12とした場合、腐食性成分がより浸透しにくくなって好ましい。
【0032】
ニッケル合金を用いた無電解メッキにより形成した場合の表面粗さ緩和層12の膜厚は、例えば1〜20μmの範囲が、潤滑性少なく、SUS304に近い耐食性をもつことができて好ましいが、より好ましくは1〜10μmの範囲、もっとも好ましくは1〜5μmの範囲に設定できる。
【0033】
ここで、表面粗さ緩和層12を無電解ニッケルメッキで被膜形成した場合について説明する。
【0034】
無電解ニッケルメッキには、無電解ニッケル(Ni−)メッキ、無電解ニッケル−リン(Ni−P)メッキ、無電解ニッケル−ボロン(Ni−B)メッキであり、これのメッキ膜は、公知の成膜技術を利用して成膜することができる。
【0035】
例えば無電解ニッケルメッキの場合、ヒドラジン等を還元剤として成膜し、無電解ニッケル−リンヒドラジンメッキの場合、次亜リン酸塩等を還元剤として成膜し、無電解ニッケル−ボロンメッキの場合、水素化ナトリウムやアルミボランとしを還元剤として成膜する。
【0036】
無電解ニッケルメッキの場合、内・外輪を有機溶剤洗浄、酸処理、電解洗浄を施した後、電解ニッケルメッキによりサブミクロン程度のニッケル膜を形成し、次いでニッケルメッキ浴に浸漬して無電解メッキすることにより成膜される。メッキ条件は、通常の無電解ニッケルメッキと同様の条件でかまわず、例えばpH4.5〜5.5に調整され、液温90℃程度の酸性硫酸ニッケル浴で還元剤として次亜リン酸ナトリウムを用いて行われる。
【0037】
固体潤滑膜14は、潤滑性能を呈する素材であればなんでもよいが、高潤滑性を有するものが好ましいが、その例として、フッ素系高分子や、金、銀、プラチナなどの軟質金属、二硫化モリブデン、あるいは炭化化合物などが挙げられる。
【0038】
固体潤滑膜14をフッ素系高分子で形成した場合、そのフッ素系高分子の限定はなく、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフロロエチレン、ポリトリフロロクロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、ポリビニルフメライド、ポリビリニデンフロライドの単独重合体または共重合体等の周知のフッ素樹脂が使用可能であるが、中でもポリテトラフルオロエチレンの単独樹脂が好ましく、例えばテフロン(米国デュポン社)やポリフロン(ダイキン工業(株))の登録商標名で販売されているフッ素樹脂を好適に使用できる。そして、これらフッ素樹脂からなる粒子と適当なバインダおよび界面活性剤とを適当な溶剤に分散した溶液中(水溶液、アルコール等)に浸漬することにより固体潤滑膜14が成膜される。また、 固体潤滑膜14の膜厚は特に限定されないが、それをフッ素系高分子で構成した場合、好ましい膜厚は、0.01〜5μmの範囲、より好ましい膜厚は、0.05〜0.3μmの範囲である。
【0039】
なお、図1で示される転がり軸受A1の場合、内・外輪2,4に表面粗さ緩和層12と固体潤滑膜14とが形成されているが、ボール6の外周面に表面粗さ緩和層12と固体潤滑膜14とを形成してもよい。
【0040】
いずれにしても、図1で示される転がり軸受A1は、内輪2とボール6との接触面、外輪4とボール6との接触面は、互いに相対運動する一対の接触面を構成し、少なくともいずれか一方の接触面に固体潤滑膜が形成された相対運動部品となっている。
【0041】
上記のように表面粗さ緩和層12と固体潤滑膜14との2層構造とした転がり軸受A1における発塵性能と寿命を従来の固体潤滑膜14だけの転がり軸受と比較して以下のようになった。
【0042】
(従来の転がり軸受)
内・外輪2,4の材料:日本工業規格SUS440C
ボール6の材料: 日本工業規格SUS440C
固体潤滑膜14の素材:フッ素系高分子、膜厚0.2μm
発塵性能:クラス10
寿命:50時間
(本実施の形態の転がり軸受)
内・外輪2,4の材料:日本工業規格SUS440C
ボール6の材料:日本工業規格SUS440C
表面粗さ緩和層12の素材:無電解ニッケル−リンメッキ,膜厚5〜10μm
固体潤滑膜14の素材:フッ素系高分子,膜厚0.2μm
発塵性能:クラス10
寿命:300時間
以上の比較の結果、本実施の形態の場合、発塵性能および寿命において従来よりも格段に向上した。
【0043】
なお、本発明の転がり運動部品は、上述した転がり軸受A1に限定されるものではなく、以下、図3〜図5を参照して述べる他の転がり運動部品A2〜A4などについても同様に適用実施することができる。
【0044】
なお、図3以降の図面において、19は、図1と同様の表面粗さ緩和層12と固体潤滑膜14との2層構造を略示している。
【0045】
(1)図3は、他の転がり運動部品としてのボールネジA2が示されている。図2について説明すると、20はネジ軸、22はナット、24はボール、26はサーキュレータチューブである。
【0046】
ネジ軸20は、その外周面に螺旋溝28が形成されている。ナット22は、ネジ軸20に外嵌されており、その内周面にネジ軸20の螺旋溝28に対応する螺旋溝30が形成されている。複数のボール24は、ねじ軸20の螺旋溝28と、ナット22の螺旋溝30との間に介装されている。サーキュレータチューブ26は、ネジ軸20またはナット22のいずれか一方の回転により両螺旋溝28,30間に介装されるボール24を転動循環させるためのもので、ナット22に取り付けられている。
【0047】
このようなボールネジA2においては、ネジ軸20の外周面とナット22の内周面とに対して、表面粗さ緩和層12と固体潤滑膜14(符号19は両膜12,14を略示)とが被覆形成されている。
【0048】
この表面粗さ緩和層12と固体潤滑膜14の素材や形成は図1の実施形態と同様であるから、その詳細は省略する。
【0049】
(2)図4は、リニア玉軸受A3の要部の上半断面図である。32は、円筒形の軸からなるレール、34は円筒部材からなる移動体、36は保持器、38は転動体としてのボール、40は環体である。
【0050】
レール32は、その外周面の円周六箇所に軸方向に沿う直線状の溝40が全長に及んで設けられている。
【0051】
移動体34は、その内周面の軸方向中間領域の円周六箇所にレール32の溝40に径方向で対向するようにそれぞれ負荷循環ボール列および無負荷循環ボール列用の不図示の溝が設けられている。
【0052】
保持器36は、移動体34の内周面の一部に沿うように湾曲加工された円筒形状をなす。その両端部分は、環体42により支持されている。保持器36の軸方向中間領域には、平面的に見ると横長の輪状溝44が周方向に複数設けられている。輪状溝44の軸方向に沿う片方の直線部44aは、底が貫通されて底無しとされ、残り片方の直線部44bは底有りとされている。
【0053】
このようなリニア玉軸受A3において、レール32と移動体34の各全面に対して、表面粗さ緩和層12と固体潤滑膜14(符号19は両膜12,14を略示)とが被覆形成されている。
【0054】
(3)図5は、転がり運動部品としてのリニアウエイA4を示している。
【0055】
リニアウエイA4は、側面に係合凹部46aを有するレール46と、側面に係合凹部48aを有するハウジング48とを有し、両係合凹部46a,48a間にボール50が複数介装されている。レール46とハウジング48の係合凹部46a,48aとボール50に対して、表面粗さ緩和層12と固体潤滑膜14(符号19は両膜12,14を略示)が被覆形成されている。
【0056】
前記(1)(2)(3)それぞれにおける表面粗さ緩和層12と固体潤滑膜14との2層構造による作用効果は、図1の転がり軸受A1におけると同様であるからその詳細は省略する。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、相手部材との間で相対的に転がり接触または滑り接触する面の基体上に表面粗さ緩和層が形成されているとともに、この表面粗さ緩和層上に固体潤滑膜が形成されているから、固体潤滑膜の膜厚を薄くしても、固体潤滑膜は、基体表面の表面粗さの影響を軽減される結果、その剥離や腐食の進行が抑制され、発塵量が少なくなって転がり運動部品の長寿命化の達成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る転がり運動部品である転がり軸受の上半分の側面断面図
【図2】図1で示される転がり軸受の軌道面の拡大図
【図3】本発明の他の実施形態に係る転がり運動部品であるボールネジの側面断面図
【図4】本発明のさらに他の実施形態に係る転がり運動部品であるリニア玉軸受の側面断面図
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係る転がり運動部品であるリニアウエイの正面断面図
【符号の説明】
A1 転がり軸受(相対運動部品)
2 内輪
4 外輪
6 ボール
8 保持器
10 シール
12 表面粗さ緩和層
14 固体潤滑膜
A2 ボールネジ
A3 リニア玉軸受
A4 リニアウエイ

Claims (1)

  1. 相手部材との間で相対的に転がり接触または滑り接触する面を有した転がり運動部品であって、その基体は素材を鉄系材料とし、少なくとも前記接触面上にその表面粗さを緩和し、かつ素材を樹脂材料とした表面粗さ緩和層が形成され、この表面粗さ緩和層上にフッ素系高分子を含み、その膜厚を0.05〜0.3μmの範囲内に規定した固体潤滑膜が形成されているとともに、前記基体の表面粗さ(Ry)は前記固体潤滑膜の膜厚より大きく、前記表面粗さ緩和層の表面粗さ(Ry)を前記固体潤滑膜の膜厚より小さくしている、ことを特徴とする転がり運動部品。
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