JPH08303453A - 耐食性転がり軸受 - Google Patents

耐食性転がり軸受

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JPH08303453A
JPH08303453A JP12910295A JP12910295A JPH08303453A JP H08303453 A JPH08303453 A JP H08303453A JP 12910295 A JP12910295 A JP 12910295A JP 12910295 A JP12910295 A JP 12910295A JP H08303453 A JPH08303453 A JP H08303453A
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JP
Japan
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rolling bearing
solid lubricant
rolling
bearing
inner ring
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JP12910295A
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English (en)
Inventor
Shuji Yamazumi
修司 山住
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Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受の発錆を無くし、塵の発生を少なくし、
腐食性ガスの雰囲気中で安定した長期間の使用ができる
転がり軸受を提供する。 【構成】 軸受鋼で形成した外輪1、内輪2、転動体3
の全表面に、Niストライクメッキ層5を施し、その上
に無電解Ni−Pメッキ層6を重ねる。さらに、その外
面に固体潤滑剤の皮膜7を被覆してメッキ層に生じるピ
ンホール9を埋めた3層皮膜を形成している。また、保
持器4は自己潤滑性を有する耐熱性の複合材料で形成し
てある。転動体4はセラミックスで形成し、表面に固体
潤滑剤を被覆したものでもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腐食性ガス雰囲気の環
境で使用される転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】エッチング装置やプラズマCVD装置な
どの半導体製造装置では、真空中に塩素ガスや臭素ガス
などのハロゲンガスが存在する。このような腐食性ガス
の雰囲気中で、たとえばウエハの搬送装置などに使用さ
れている転がり軸受には、従来からステンレス鋼SUS
440CあるいはSUS630で作られたものが使用さ
れており、必要によって、これらのステンレス鋼からな
る軸受部品の全表面に、Niストライクメッキの上に無
電解Ni−Pメッキを施した2層の耐食性皮膜を設けて
いる。また、軸受材料としてハロゲン系ガスに対して耐
食性を有する窒化ケイ素などのセラミックを用いたもの
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、SUS44
0Cのステンレス鋼を用いたものでは、半導体製造装置
において存在する塩素ガスや臭素ガスなどのハロゲン系
ガスにより、容易に腐食して錆を発生し、軸受寿命が短
く、塵の発生が多いなどの欠点がある。また、SUS6
30のステンレス鋼を使用した軸受では、ハロゲン系ガ
スに対してステンレスSUS440Cよりは耐食性が向
上するが、長期間使用している間にはやはり錆の発生を
免れず、また、材料硬度が低いため、軸受の負荷容量が
小さく、用途が限定される欠点があるだけでなく、材料
中に約4%のCuが含まれているため、使用中にCuが
析出してウエハを汚染する。なお、このようなステンレ
ス鋼の軸受部品の表面を、Niストライクメッキと無電
解Ni−Pメッキの2層に形成された耐食性皮膜で処理
したものでは、耐食性を増大させることができるが、皮
膜にピンホールが発生しており、このピンホールから侵
入するガスによって腐食され、ピンホール部に錆を生じ
て寿命が短くなり、塵の発生が増大する。さらに、軸受
材料にセラミックを使用した場合、腐食性ガスに対して
の耐食性は得られるが、水分の表面吸着が潤滑に寄与す
るので、水分の吸着が少ない真空中では、潤滑性が著し
く低下する。このため、本発明は軸受の発錆を無くし、
塵の発生を少なくして軸受寿命の低下を防ぎ、さらにウ
エハを材料から析出する成分からの汚染の無い軸受を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため本発明は、軸受鋼で形成した外輪および内輪の全
表面に、Niストライクメッキをした上から無電解Ni
−Pメッキを行うとともに、このメッキ層の外面に、さ
らに固体潤滑剤を被覆して3層皮膜をそなえるように
し、転動体を前記内外輪と同様の3層処理をした軸受
鋼、または固体潤滑剤の皮膜処理をしたセラミックスで
構成し、保持器を自己潤滑性を有する耐熱性の複合材料
で構成するようにしてある。なお、前記固体潤滑剤とし
て二硫化モリブデン、二硫化タングステンまたはポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)が用いられ、セラミ
ックスとしては窒化ケイ素またはサイアロンを用いるこ
とができる。また、複合材料としてPTFE粉末と、二
硫化モリブデンまたは二硫化タングステンの一方または
両方と、有機系繊維状強化材とを含有したポリエーテル
エーテルケトン系樹脂、もしくは二硫化モリブデン粉末
または二硫化タングステン粉末の一方または両方と、ス
テンレスSUS310Sの粉末を焼結した合金が用いら
れる。
【0005】
【作用】したがって、錆やすい外輪および内輪の軸受鋼
の全表面は、耐食性に優れたNiストライクメッキと無
電解Ni−Pメッキの2層のメッキ層の外面を固体潤滑
剤の皮膜で覆い、メッキ層のピンホールを固体潤滑剤で
埋めることにより、軸受鋼から発生する錆を防止する。
また、メッキの表面硬度が高く、Cuを含まない材料の
みを使用するので、負荷容量の低下やCuによる汚染が
無くなる。さらに、転動体は前記の3層処理被覆された
軸受鋼、または耐食性に優れたセラミックスを使用して
おり、保持器を構成する複合材料は、腐食性ガスに対し
て耐食性があり、錆による発塵を防ぎ、長期間良好な潤
滑性を維持させる。
【0006】
【実施例】以下、これを図に示す実施例について説明す
る。図1は本発明による深溝形玉軸受の一部を示す断面
図で、各層の皮膜の厚さは過大に示してある。1は外
輪、2は内輪、3は転動体(ボール)、4は保持器、5
はNiストライクメッキ層、6は無電解Ni−Pメッキ
層、7はPTFE皮膜である。
【0007】外輪1、内輪2および転動体3は、ステン
レス鋼SUS440Cで作られており、その全表面にN
iストライクメッキ層5を0.2μmの厚さで電気メッ
キによって形成し、その上に2μmの厚さで無電解Ni
−Pメッキ層6を設け、このメッキ層の外面に、さらに
PTFE皮膜7を1μmの厚さで焼き付けている。保持
器4は、重量割合で20%のPTFEと、10%の二硫
化モリブデン粉末と、10%のケプラー繊維と、残部を
ポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる複合材料で形
成してある。
【0008】図2は図1の実施例における転動体3の表
面処理部分を拡大して示すもので、外輪および内輪の表
面も同様である。無電解Ni−Pメッキ層6は、ステン
レスSUS440Cには付着力が弱いため、下地材表面
にNiストライクメッキ層5を処理しており、この上に
無電解Ni−Pメッキ層6を形成する。しかし2層に処
理したメッキ層には、微小なピンホール8、9を生じる
ので、さらにその外面にPTFE皮膜7を設けて3層皮
膜を形成させ、PTFEをピンホール9に埋め込ませて
いる。前記メッキ層5および6は硬度が約HRC60と
非常に高く、軸受の負荷容量を高くすることができる。
また、PTFE皮膜7はピンホール9を埋めるとともに
潤滑作用を増大させる。
【0009】このように外輪1、内輪2および転動体3
の軸受鋼は、耐食性のあるNiメッキ層およびPTFE
皮膜で完全に覆われており、無電解Ni−Pメッキ層6
のピンホール9をPTFEが塞いで、下地材から外表面
に貫通するピンホールが存在しなくなり、軸受材料への
腐食ガスの侵入をなくし、錆の発生を完全に防止でき
る。また、保持器4を構成する複合材料は、耐食性を有
するとともに、保持器4の内壁に転動体3が接触したと
きに転動体に潤滑剤を移着させ、転動体3から外輪1お
よび内輪2の転動面に潤滑剤を補給する作用があり、軸
受は安定した潤滑作用により長期にわたって良好に回転
する。
【0010】また、転動体3は窒化ケイ素またはサイア
ロンのようなセラミックスで作り、その表面に0.3μ
m程度の厚さで潤滑性に優れた二硫化モリブデン等の皮
膜をスパッタリングなどにより形成させるようにしても
よい。
【0011】この実施例では、軸受材料としてステンレ
スSUS440Cを示したが、高炭素クロム軸受鋼、高
速度鋼またはSUS630であってもよい。また、本発
明はクロスローラー軸受、コロ軸受にも適用できる。
【0012】
【発明の効果】このように本発明は、外輪、内輪および
転動体が、耐食性に優れ、しかも高硬度の2層のNiメ
ッキ層で覆われ、このメッキ層に発生するピンホールを
固体潤滑剤の皮膜を設けることによって完全に埋めるこ
とができ、錆や塵の発生を生じることがない。また自己
潤滑性複合材料からなる保持器は、耐食性とともに転動
体への移着性があるので、塩素ガスや臭素ガスなどの腐
食性のガス雰囲気中で使用しても、錆や塵の発生を生じ
ることがなく、転動体の潤滑膜を保持させて安定した潤
滑作用を維持し、長期間の使用ができる効果がある。ま
た、セラミックスで形成し、表面に前記固体潤滑剤を被
覆した転動体を用いたものでは、外輪や内輪と異種材料
であるため、相互の焼き付きを生じない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の一部側断面図で、皮膜を過大
に示してある。
【図2】転動体の一部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 外輪 2 内輪 3 転動体 4 保持器 5 Niストライクメッキ層 6 無電解Ni−Pメッキ層 7 PTFE皮膜 8、9 ピンホール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪、内輪、転動体および保持器により
    構成される転がり軸受において、軸受鋼で形成し、全表
    面にNiストライクメッキを施した上に無電解Ni−P
    メッキを行い、その外面に固体潤滑剤を被覆した3層皮
    膜を設けた外輪と内輪および転動体と、自己潤滑性を有
    する耐熱性の複合材料で形成した保持器とをそなえたこ
    とを特徴とする耐食性転がり軸受。
  2. 【請求項2】 外輪、内輪、転動体および保持器により
    構成される転がり軸受において、軸受鋼で形成し、全表
    面にNiストライクメッキを施した上に無電解Ni−P
    メッキを行い、その外面に固体潤滑剤を被覆した3層皮
    膜を設けた外輪および内輪と、セラミックスで形成し、
    表面に前記固体潤滑剤を被覆した転動体と、自己潤滑性
    を有する耐熱性の複合材料で形成した保持器とをそなえ
    たことを特徴とする耐食性転がり軸受。
  3. 【請求項3】 前記固体潤滑剤が、二硫化モリブデンま
    たは二硫化タングステンまたはポリテトラフルオロエチ
    レン樹脂のいずれかである請求項1または2の耐食性転
    がり軸受。
  4. 【請求項4】 前記複合材料が、ポリテトラフルオロエ
    チレン樹脂粉末と、二硫化モリブデン粉末または二硫化
    タングステン粉末の一方または両方と、有機系繊維強化
    材とを含有したポリエーテルエーテルケトン系樹脂であ
    る請求項1または2の耐食性転がり軸受。
  5. 【請求項5】 前記複合材料が、二硫化モリブデン粉末
    または二硫化タングステン粉末の一方または両方と、ス
    テンレスSUS310Sの粉末とを焼結した合金である
    請求項1または2の耐食性転がり軸受。
  6. 【請求項6】 前記セラミックスが、窒化ケイ素または
    サイアロンのいずれかである請求項2の耐食性転がり軸
    受。
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