JPH07233818A - 転がり軸受 - Google Patents
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- JPH07233818A JPH07233818A JP6270925A JP27092594A JPH07233818A JP H07233818 A JPH07233818 A JP H07233818A JP 6270925 A JP6270925 A JP 6270925A JP 27092594 A JP27092594 A JP 27092594A JP H07233818 A JPH07233818 A JP H07233818A
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/38—Ball cages
- F16C33/44—Selection of substances
- F16C33/445—Coatings
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- Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract
と。 【構成】保持器4を用いる転がり軸受において、少なく
とも保持器4の摺動面を含む表面のみに、ふっ素系樹脂
とそれに熱硬化性合成樹脂からなるバインダーとからな
る潤滑膜5が被覆されている。つまり、ボール3の軌道
となる内・外輪1、2の軌道面に潤滑膜5を設けていな
いから、潤滑膜5からの摩耗などによる発塵が比較的少
なくなる。
Description
に通常のグリースやオイルの使用ができない真空環境や
清浄環境および腐食環境等で用いるのに有利な転がり軸
受に関する。
置内部に配設される搬送系などが挙げられるが、このよ
うな環境では、転がり軸受の潤滑剤としてグリースを用
いていると、グリースの油分が蒸発することにより、潤
滑機能の劣化や使用環境の汚染といった不具合が発生す
る。
道輪の軌道面や転動体の表面に、金、銀、鉛、銅などの
軟質金属、カーボンや二硫化モリブデンなどの固体潤滑
剤を膜状に被覆することが行われている。
潤滑剤からなる潤滑膜では、この潤滑膜が転動体との接
触により僅かずつ剥がれるなど、発塵状況がグリース使
用時に比べると低レベルになるものの、特に清浄環境で
は不適合となるレベルである。
む潤滑膜を軌道輪や保持器に形成して、従来よりも発塵
を桁違いに減らせるようにしたものを考えている(特開
平4−46219号公報参照)。この公報では、主とし
て潤滑膜を内・外輪の軌道部分に設けるようにしている
ために、回転初期などにおいての潤滑膜の剥離や欠落に
よる発塵が多いことが判明した。ちなみに、この公報の
ものは図3に示す比較例3、4に相当するので、参照さ
れたい。
からの摩耗などによる発塵を抑制することを課題として
いる。
金属またはセラミックス材料からなる軌道輪、転動体お
よび金属または合成樹脂材料からなる保持器を有し、少
なくとも保持器の摺動面を含む表面のみに、熱硬化性合
成樹脂からなるバインダー中にふっ素系合成樹脂を分散
混合した潤滑膜が被覆されている。
としては、特に耐食性が要求される環境においては、例
えばJIS規格SUS440Cなどのマルテンサイト系
ステンレス鋼、例えばJIS規格SUS630などの析
出硬化型ステンレス鋼に適当な硬化熱処理を施して使用
できる。また、軽荷重用途では、例えばJIS規格SU
S304などのオーステナイト系ステンレス鋼の使用も
可能である。さらに、ニッケル系合金として、Ni−C
r−Mo系の合金、例えば三菱マテリアル社製、商品名
ハステロイC−22、ハステロイC−276、ハステロ
イC−4などの使用も可能である。
て、イットリア(Y2O3)およびアルミナ(Al
2O3)、その他、適宜、窒化アルミ(AlN)、酸化チ
タン(TiO2)、スピネル(MgAl2O4)を用いた
窒化けい素(Si3N4)を主体とするものの他、アルミ
ナ(Al2O3)や炭化けい素(SiC)、ジルコニア
(ZrO2)、窒化アルミ(AlN)などを用いること
ができる。
IS規格SUS304や黄銅、チタン材などが好適に用
いられる。合成樹脂材料としては、ポリテトラフルオロ
エチレン(以下、PTFEと略称する)、エチレンテト
ラフルオロエチレン(ETFE)などのふっ素系樹脂や
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニ
レンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルフォン
(PES)、ナイロン46などのエンジニアリングプラ
スチックスなどの使用も可能である。これらの樹脂には
ガラス繊維などの強化繊維が添加されていてもよい。保
持器の形式としては、波型、冠型、もみ抜き型などが好
適に用いられる。
程度の摺動性を有していることが望ましく、例えば、イ
ミド結合またはアミドイミド結合を有する樹脂が望まし
い。イミド結合またはアミドイミド結合を有する樹脂バ
インダーとしては、例えば、熱硬化性の縮合重合型ポリ
イミド、ポリアミドイミドなどが挙げられる。これらの
樹脂は、一般に、耐熱性がよく、接着性が優れかつ高温
においても接着強度の低下がきわめて少ないこと、寸法
安定性に優れること、摩擦摩耗特性がよいことなどの特
徴を有する。また、これらの樹脂は、硬化(付加重合)
が進む過程で、水分やその他の揮発分の生成を伴わず、
しかもこのもの自体吸湿性がきわめて小さいから、被着
形成される潤滑膜層に気泡や亀裂を生ぜしめるおそれも
ない。ふっ素系合成樹脂としては、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)の他、エチレンテトラフルオロエ
チレン(ETFE)が好ましい。これらふっ素系合成樹
脂が実質的な潤滑主体とされる。上述の熱硬化性合成樹
脂バインダーのみを使用した場合には、これらが非常に
硬く、耐熱性に優れているが、摩耗が激しく簡単にはが
れてしまうため、潤滑層の摩擦力を軽減させることを目
的として添加される。PTFEを用いる際には、平均分
子量1×104〜5×104のポリマーが選ばれる。中で
も、3×104〜5×104の平均分子量のものが好適に
用いられる。平均分子量が1×104を下回ると付着強
度が低下するとともに摺動抵抗も大きくなる。平均分子
量が5×104を超えると、剪断抵抗が大きく、また硬
くなりすぎるため、密着性に劣るとともに剥離した際、
摩耗粉となりやすい。
のが好適に使用される。3μmを超えると、流動性、分
散性が低下するとともに、潤滑膜から突出し、潤滑膜の
平滑性が損なわれ、円滑な駆動が妨げられるとともに、
異音も発生する。2μmを下回ると、潤滑効果が飽和す
る反面、経済的にもマイナスとなる。
の凹凸をならす程度は必要とされ、例えば5〜20μm
に、また、硬度はJIS規格K5400に基づく鉛筆引
っかき値の3H〜6Hにそれぞれ設定するのが好まし
い。この硬度は、潤滑膜6の樹脂バインダーとふっ素系
合成樹脂との混合比や、焼成条件により適宜に管理する
ことができる。
アミドイミド結合を有する樹脂バインダーを10〜50
重量%として、この中にふっ素系合成樹脂1〜20重量
%を、例えばN−メチル−2−ピロリドンなどの溶媒を
用いて分散混合させた溶液を被覆面にボンデッドフィル
ム法などで塗布して形成される。
を含む表面のみに形成してある潤滑膜から転動体との摺
接に伴い摩耗などが発生して、これらが転動体や軌道輪
の軌道面に転移供給されて転動体と軌道輪軌道面との間
の潤滑を行うようになる。
道面に潤滑膜を設けないから、回転初期などでの潤滑膜
の摩耗などに伴う転移量としては転動体や軌道輪軌道面
に潤滑膜を形成する場合に比べて遥かに少なくなる。
のみ転移させて潤滑に利用するようにしている。
実施例に基づいて説明する。図1は本発明の転がり軸受
の一実施例を示している。ここでは深溝型玉軸受を例に
挙げており、図中、1は内輪、2は外輪、3は転動体と
してのボール、4はプレス製の波形の保持器である。保
持器4の表面全面には、イミド結合またはアミドイミド
結合を有する樹脂バインダー中にふっ素系合成樹脂を分
散混合した潤滑膜5が被覆されている。具体的に、内・
外輪1,2およびボール3はJIS規格SUS440
C、保持器4はJIS規格SUS304からなる。潤滑
膜5は、潤滑主体となるPTFEと、熱硬化性を有する
有機系樹脂バインダーとしてのポリアミドイミドとから
なる。
る。
の保持器4は、プレス後にバリ取り用のバレル研磨処理
を施していて表面粗度Rzが0.3μm〜1.0μmに
なっている。なお、保持器4に対してサンドブラストを
施して表面粗度をRz6〜10μmにすることにより、
保持器4の表面に対する潤滑膜5の付着力をさらに高め
るようにしてもよい。
粉末とポリアミドイミド粉末とをN−メチル−2−ピロ
リドンで溶かした溶液を複数回繰り返してスプレーす
る。これはいわゆるボンデッドフィルム法と呼ばれる塗
布方法であり、前記各粉末がスプレー面にほぼ均等に拡
散した状態になる。なお、前述の溶液の成分比は、例え
ばPTFE粉末5%、ポリアミドイミド粉末25%、N
−メチル−2−ピロリドン70%である。
±10℃の温度で所定時間(約30分〜120分)加熱
焼成することにより保持器4に対して定着させる。
回繰り返し、最終的に潤滑膜5の膜厚を例えば5〜20
μmとする。最終的に、潤滑膜5の表面粗度はRz1〜
2μmとなっており、ボール3の粗度(Rz0.1μm
以下)よりも粗く、ボール3との摺接によって効率的に
潤滑膜がボール3の表面に転移してゆく。
発塵寿命について試験を行っているので、説明する。こ
の試験では図2に示す装置を用いている。図中、50は
転がり軸受、51は回転軸、52はケーシング、53は
磁性流体シール、54は発塵個数計測装置(パーティク
ルカウンター)、55は計測結果記録機(レコーダ)、
56は軸受ハウジングである。
12×3)、呼び番号ML6012 ・回転速度:200rpm ・荷重 :ラジアル荷重(2.9N) ・雰囲気 :大気中クラス10のクリーンベンチ内、室
温 ・計測条件:粒子径0.3μm以上の発塵量 試験は次の〜の6種類について行っている。実施
例1として、内・外輪およびボールをJIS規格SUS
440C、保持器をJIS規格SUS304とし、保持
器全面に潤滑膜を被覆する。実施例2として、内・外
輪をJIS規格SUS440C、ボールを窒化けい素
(Si3N4)を主体とするセラミックス材料、保持器を
JIS規格SUS304とし、保持器全面に潤滑膜を被
覆する。比較例1として、内・外輪およびボールをJ
IS規格SUS440C、保持器をJIS規格SUS3
04とし、潤滑膜なしの無潤滑とする。比較例2で
は、内・外輪をJIS規格SUS440C、ボールを窒
化けい素(Si3N4)を主体とするセラミックス材料、
保持器をJIS規格SUS304とし、潤滑膜なしの無
潤滑とする。比較例3として、内・外輪およびボール
をJIS規格SUS440C、保持器をJIS規格SU
S304とし、内・外輪の軌道と保持器全面に潤滑膜を
被覆する。比較例4として、内・外輪をJIS規格S
US440C、ボールを窒化けい素(Si3N4)を主体
とするセラミックス材料、保持器をJIS規格SUS3
04とし、内・外輪の軌道と保持器全面に潤滑膜を被覆
する。
開始から20時間までの発塵量を測定している。結果と
しては、図3に示すように、発塵量の少ない順に、実施
例1、実施例2、比較例3、比較例4、比較例2、比較
例1となった。この結果は、前述の潤滑膜を、内・外輪
の軌道に被覆するよりも、保持器に被覆することの優位
性を証明している。
3μm以上の塵埃が1000個/0.1cf以上となる
までの時間を測定している。なお、測定は6分間隔とす
る。結果としては、比較例1が約25時間、比較例2が
約50時間、実施例1、2および比較例3、4が100
0時間以上となった。この結果は、無潤滑とするよりも
前述した潤滑膜5を用いることの優位性を証明してい
る。
図4のグラフに示している。すなわち、静定格荷重が小
さいと発塵寿命が延びることが判る。軸受の静定格荷重
Coの特に2.9〔%〕以下の軽荷重条件だと発塵寿命
が1000時間以上と著しく延びる。この結果は、本実
施例構造の軸受を軽荷重条件下で用いる場合に特に有効
であることを示している。
なPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)のみからな
る潤滑膜とを対比する。ここでは、前述と同じ実施例1
と比較例5、6とを用いる。比較例5は、実施例1と同
仕様すなわち内・外輪およびボールをJIS規格SUS
440C、保持器をJIS規格SUS304とし、保持
器に平均分子量10,000未満のPTFEのみからな
る潤滑膜を被覆している。比較例6は、比較例5におい
て潤滑膜だけを平均分子量10,000以上のPTFE
としている。なお、比較例5、6の潤滑膜では、硬度が
JIS規格K5400に基づく鉛筆引っかき値の「B」
となるのに対して、実施例1の潤滑膜では、硬度が前記
鉛筆引っかき値の「3H〜6H」となる。そして、前述
と同様の回転初期の発塵量の試験では、図5に示すよう
に、比較例5、6が実施例1に比べてはるかに多くなっ
ている。この結果が示すように、従来の一般的なPTF
Eのみからなる潤滑膜は軟質であって摺接時に過剰な摩
耗が発生しやすいと言えるのに対して、本発明の潤滑膜
は硬質であって摺接時の摩耗が必要最小限に抑制される
ようになると言える。つまり、本発明の潤滑膜5は、従
来の一般的なPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
のみからなる潤滑膜よりも、発塵量を低減する上で優れ
ている。
ない。例えば、実施例では、保持器全体を上記のような
構成の樹脂で形成してもよい。また、軸受形式も深溝型
玉軸受を引用しているが、その他の種類の転がり軸受に
本発明を適用できる。また、軸受端部に密封板をつけて
もよい。この他、保持器4のポケット内面のみに潤滑膜
5を形成してもよく、その場合においても上記試験デー
タとほぼ同一または近似したものになる。この場合、潤
滑膜5を形成する前に、保持器4のポケット内面を除く
部分にマスク(図示省略)を被覆する必要がある。
のように転動体と軌道輪との間に潤滑膜を被覆せずに、
回転に伴って転動体と軌道輪との間へ少なくとも保持器
の摺動面を含む表面のみに被覆してある潤滑膜から必要
量だけ転移供給させるようにしているから、従来のよう
に潤滑膜の摩耗などが必要以上に発生せずに済むように
なり、軸受全体の発塵量を抑制できるようになる。
に高精度な加工が要求されるところに本発明の転がり軸
受を用いると、清浄雰囲気を阻害しにくくなるので、半
導体製造品の歩留まり向上に貢献できる。
分の縦断面図。
図。
を示すグラフ。
Claims (1)
- 【請求項1】 金属またはセラミックス材料からなる軌
道輪、転動体および金属または合成樹脂材料からなる保
持器を有し、少なくとも保持器の摺動面を含む表面のみ
に、熱硬化性合成樹脂からなるバインダー中にふっ素系
合成樹脂を分散混合した潤滑膜が被覆されている、こと
を特徴とする転がり軸受。
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