JP4536650B2 - 転がり軸受 - Google Patents

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Description

本発明は少なくとも転動体との接触面に樹脂多孔質被膜を形成した保持器を用いる転がり軸受に関する。
従来の転がり軸受に用いられる保持器は、金属、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などからなり、特に合成樹脂を採用する場合には、射出成形可能な合成樹脂の単体か、または合成樹脂の成形材料にガラス繊維、カーボン繊維、有機繊維などを添加し強化された合成樹脂組成物が使用されてきた。さらに近年では、保持器材料に潤滑剤を含浸させ潤滑機能をもたせた転がり軸受用保持器等が提案されている。
例えば、圧縮成形により多孔質に成形されたポリアミドイミド樹脂にフッ素化油を含浸させた軸受用保持器(特許文献1参照)、油を含有するバインダと母材からなる含油プラスチックで成形した保持器に、さらに潤滑油を含浸させたもの(特許文献2参照)、ポリオレフィン樹脂と潤滑油を混合し、その樹脂組成物を保持器形状に成形したもの(特許文献3参照)、合成樹脂に繊維状油導通材と潤滑油とを混合し、その樹脂組成物を保持器形状に成形したもの(特許文献4参照)、多孔質シリカに潤滑油を含浸させて合成樹脂に配合し、その樹脂組成物を保持器形状に成形したもの(特許文献5参照)等が知られている。
しかしながら、上記各特許文献等における含油樹脂や多孔質樹脂はいずれも強度が低いため、軸受の保持器材として用いた場合、運転中に潤滑不良状態になると振動や発熱が大きくなり破損や変形を起こし、転動体の運動を阻害するので、本来の寿命に比べ短寿命となる場合がある。あるいは、高速条件や振動が多い条件、変動荷重があるような保持器に負荷のかかる条件などでも同様の現象が起こる危険性がある。
また、高強度の金属保持器を用いることで、上記の樹脂材料に起因する短寿命の問題は解決できるが、潤滑グリース等の半固体潤滑剤を封入して使用する場合では、この潤滑剤の撹拌抵抗のため、軸受で支持された回転軸を回転させるためのトルクが大きくなり、また回転時のトルク変動も大きくなるという問題がある。
特開昭61−6429号公報 特開平1−93623号公報 特開平8−21450号公報 特開平11−166541号公報 特開2002−98152号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、保持器に強度が要求される過酷な軸受使用条件においても、保持器破損による短寿命となることはなく、またグリース封入軸受よりも低トルクの転がり軸受の提供を目的とする。
本発明の転がり軸受は、同心に配置される内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する複数の転動体と、該転動体を分割保持する保持器とを備えてなる転がり軸受であって、上記保持器の表面の少なくとも転動体との接触面に樹脂多孔質被膜を形成したことを特徴とする。
また、上記樹脂多孔質被膜は潤滑油を含浸してなることを特徴とする。
また、上記樹脂多孔質被膜の厚みは、5μm〜500μm であることを特徴とする。
上記樹脂多孔質被膜は、樹脂と、気孔形成材とを含む被覆層とした後、上記気孔形成材を溶解し、かつ上記樹脂を溶解しない抽出溶媒を用いて上記被覆層から上記気孔形成材を抽出して得られる連通孔を有し、その連通孔率が10%以上であることを特徴とする。
また、上記複数の転動体周囲に潤滑グリースを封入してなることを特徴とする。
また、上記気孔形成材がアルカリ性物質であり、上記樹脂多孔質被膜に該気孔形成材の未抽出分が残存していることを特徴とする。
また、上記被覆層は焼成工程を経て形成され、上記気孔形成材は該焼成温度よりも高い融点を有することを特徴とする。
また、上記気孔形成材は、三リン酸ナトリウムであることを特徴とする。
本発明の転がり軸受は、高強度の金属保持器や繊維強化樹脂保持器の表面の少なくとも転動体との接触面に潤滑性を有する樹脂多孔質被膜を形成してなるので、保持器に強度が要求される用途であっても好適に採用することができる。また、被膜が樹脂多孔質被膜であるので、摩耗で脱落し転動面に介在した場合でも、硬い無機物質とは異なり転動面を損傷させることがない。
上記樹脂多孔質被膜に潤滑油を含浸させることで、含浸された潤滑油を転動面に円滑に供給する優れた軸受特性を得ることができる。
また、上記樹脂多孔質被膜の厚みは、5μm〜500μm であるので、被膜中に十分な潤滑油を含有することができる。
さらに、潤滑グリースと併用する場合には、潤滑グリースで消費される基油が保持器に含浸された潤滑油から供給されるので、潤滑グリース封入量を減らすことができる。
本発明の転がり軸受は、少なくとも転動体との接触面に樹脂多孔質被膜を形成した保持器を有する。この被膜は樹脂と、気孔形成材とを配合した塗料組成物を保持器表面に塗布・乾燥して得られる塗膜を焼成することによって、樹脂と、気孔形成材とを含む被覆層を形成した後、気孔形成材を溶解し、かつ樹脂を溶解しない抽出溶媒を用いて被覆層から気孔形成材を抽出して得られる連通孔を有する樹脂多孔質被膜である。樹脂多孔質被膜は 5μm〜500μm の厚みを有し潤滑油を含浸することができる。
以下、樹脂多孔質被膜の有する連通孔率、樹脂多孔質被膜を形成するための樹脂塗料組成物の作成方法、保持器表面の被覆層の形成方法、樹脂多孔質被膜の形成方法、被膜への潤滑油含浸方法および樹脂多孔質被膜を有する保持器を用いた転がり軸受の順で説明する。
内部に気孔を有する多孔質体材料の気孔率について考える場合、多孔質体材料が 1 個の球体が複数個集まった球体の集合体と、個々の球体間の間隙に存在する空間である気孔とからなると考えると、球体の点接触により最も密に充填する形態として面心立方格子、六方最密充填があり、それらの充填率は、(球の体積÷外接立方体の体積)÷(正三角形の高さ÷底辺)÷(正四面体の高さ÷一辺)で計算され、共に 74%である。(100−充填率)として定義される気孔率としては 26%になる。
以上の計算は、同一サイズの球体を考えた場合であるが、複数のサイズの球体を充填した場合は、六方最密充填よりも充填率は大きくなり、気孔率は小さくなる。
また、粉末状の球体樹脂粒子を圧縮成形した後に焼結する場合、点接触はあり得ず、球体樹脂粒子は変形して面接触する。このため、六方最密充填よりも充填率はより大きくなり、気孔率はより小さくなる。このため従来の焼結樹脂成形体の気孔率は 20%程度が限界となっている。
本発明において連通孔率は、上記の気孔率と略同一定義で、かつ気孔が連続している状態の気孔率をいう。すなわち、相互に連続している気孔の総体積が樹脂成形体に占める割合をいう。
具体的には、連通孔率は数1内の式(1)に示す方法で算出した。
Figure 0004536650
上記、数1において、各符号の意味を以下に示す。
V;保持器表面に形成された樹脂多孔質被膜の洗浄前の体積
ρ;保持器表面に形成された樹脂多孔質被膜の洗浄前の密度
W;保持器表面に形成された樹脂多孔質被膜の洗浄前の重量
1;樹脂粉末の体積
ρ1;樹脂粉末の密度
1;樹脂粉末の重量
2;気孔形成材の体積
ρ2;気孔形成材の密度
2;気孔形成材の重量
3;洗浄後の樹脂多孔質被膜の体積
3;洗浄後の樹脂多孔質被膜の重量
V’2;洗浄後に樹脂多孔質被膜に残存する気孔形成材の体積
本発明においては、以下に述べる被膜形成方法により、10%以上、好ましくは 20%以上、より好ましくは 30%〜70%の連通孔率を有する樹脂多孔質被膜が得られる。10%未満では油潤滑による優れた摺動特性を示すことができない。本発明の転がり軸受に用いられる保持器表面に形成される樹脂多孔質被膜は、膜厚が 5μm から数 100μm であり、気孔の大きさと同水準の厚みであることから、10%程度の少ない連通孔率でも表面から連通させることができる。なお、潤滑剤が希薄な使用条件で優れた摺動特性を発揮するためには、30%以上の連通孔率を有することが好ましい。
本発明の樹脂多孔質皮膜は、その作製方法や材質に特に限定されるものではなく、一般的に知られている塗装方法等を採用することができ、例としてディッピング法、スプレー法、タンブリング法、静電塗装法などが挙げられる。
塗料となる樹脂材料も塗装方法に応じた材料を選択すれば良い。例えば、ポリイミド(以下、PIと記す)系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す)樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、および、ウレタンゴム等の熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
保持器が高温に曝される環境や、摺動発熱が大きい条件で使用される場合には、樹脂材料は熱硬化性樹脂が好ましく、特に耐摩耗性と長期耐熱性の利点からPI系樹脂がより好ましい。
また、更に耐摩耗性を向上させるためにシリカ粉末やガラスビーズなどのセラミック粉末を配合しても好ましい結果が得られ、初期なじみ性を改善させるためにPTFE樹脂や二硫化モリブデンなどの固体潤滑材を配合しても好ましい。
本発明に使用することのできるPI系樹脂とは、分子内に少なくともイミド結合を有する樹脂であって、転がり軸受の高温下での使用時に熱劣化することなく、保持器基材との結着性に優れた樹脂であれば使用することができる。例えばPI樹脂、PAI樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステルアミドイミド樹脂等を挙げることができる。これらPI系樹脂の中で、PI樹脂およびPAI樹脂が好適である。また、イミド結合またはアミド結合が芳香族基を介して結合している芳香族系PI樹脂または芳香族系PAI樹脂が特に好ましい。芳香族系樹脂であると、保持器基材との結着性に優れ、かつ得られる被膜層の耐熱性が優れる。PI樹脂は、酸二無水物とジアミンとをN-メチル-2- ピロリドン(NMP)やジメチルアセトアミド(DMAC)等の非プロトン系極性溶媒中で開環重付加反応により得られるPI樹脂前駆体のポリアミドカルボン酸を加熱脱水閉環することなどにより得られる。耐摩耗性・非粘着性コーティング剤における樹脂成分としては、ポリアミドカルボン酸の状態であっても、またPI樹脂の状態であっても、さらにはこれらが混在している状態であっても使用することができる。
PAI樹脂は、分子内にイミド結合とアミド結合とを有する樹脂である。また、芳香族系PAI樹脂のイミド結合は、ポリアミド酸などの前駆体であっても、また閉環したイミド環であってもよく、さらにはそれらが混在している状態であってもよい。このような芳香族系PAI樹脂は、芳香族第一級ジアミン、例えばジフェニルメタンジアミンと芳香族三塩基酸無水物、例えばトリメリット酸無水物のモノまたはジアシルハライド誘導体から製造されるPAI樹脂、芳香族三塩基酸無水物と芳香族ジイソシアネート化合物、例えばジフェニルメタンジイソシアネートとから製造されるPAI樹脂などがあり、さらに、アミド結合に比べてイミド結合の比率を大きくしたPAI樹脂として、芳香族、脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物と芳香族四塩基酸二無水物および芳香族三塩基酸無水物とから製造されるPAI樹脂等があり、いずれのPAI樹脂であっても使用することができる。また、PI樹脂と、PAI樹脂とを併用することもできる。
本発明に使用できるPI樹脂およびPAI樹脂は、後述の気孔形成材を配合しやすい樹脂溶液が好ましい。また、PAI樹脂を粉末として使用することもできる。
本発明に使用できる樹脂溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、メチルイソピロリドン(MIP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)等の非プロトン系極性の樹脂溶媒などを使用することができる。これらの樹脂溶媒は、非プロトン系極性成分を必須成分として含むことが好ましい。また、非プロトン系極性溶媒と他の樹脂溶媒とを併用することができる。
本発明に使用できる気孔形成材としては、焼成時における気孔形成材の融解を防止するため樹脂の焼成温度よりも高い融点を有し、該樹脂とともに配合されて被覆層とされた後、その樹脂を溶解しないで気孔形成材を溶解する抽出溶媒を用いて被覆層から溶解されて抽出できる物質であれば使用できる。
気孔形成材は、無機塩化合物、有機塩化合物、またはこれらの混合物であることが好ましく、特に洗浄抽出工程が容易となる水溶性物質であることが好ましい。また、アルカリ性物質、好ましくは防錆剤として使用できる弱アルカリ性物質が好ましい。弱アルカリ塩としては、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩、無機アルカリ金属塩、無機アルカリ土類金属塩などが挙げられる。未抽出分が脱落したときも、比較的軟らかく、軸受転動面を損傷し難いことから、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩を用いることが好ましい。なお、これらの金属塩は1種または2種以上混合して用いてもよい。また、抽出溶媒として安価な水を使用することができ、気孔形成時における廃液処理などが容易となることから水溶性の弱アルカリ塩を使用することが好ましい。
本発明に好適に用いることができる水溶性の有機アルカリ金属塩としては、安息香酸ナトリウム(融点 430℃)、酢酸ナトリウム(融点 320℃)またはセバシン酸ナトリウム(融点 340℃)、コハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムなどが挙げられる。融点が高く、多種の樹脂に対応でき、かつ水溶性が高いという理由から、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムまたはセバシン酸ナトリウムが特に好ましい。
また、無機アルカリ金属塩としては、例えば、炭酸カリウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、タングステン酸ナトリウム、三リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明に使用できる気孔形成材の平均粒子径は 1μm〜500μm に管理することが好ましい。より好ましくは 1μm〜200μm、さらにより好ましくは 1μm〜40μm の範囲である。
本発明における気孔形成材の配合割合は、樹脂粉末、気孔形成材を含めた全量に対して、10 体積%以上、好ましくは 20 体積%以上、より好ましくは 30 体積%〜70 体積%とする。
後述の抽出溶媒による被覆層からの気孔形成材の抽出後、被覆層に残存する気孔形成材は微量であるので、気孔形成材の体積が略連通孔の体積になると考えると、気孔形成材の配合割合が、10 体積%未満では油潤滑による特徴的な優れた摺動特性を示すことができない。また、潤滑剤が希薄な使用条件で優れた摺動特性を発揮するためには、30 体積%〜70 体積%の気孔形成材を配合することが好ましい。
本発明に使用できる抽出溶媒は、上記気孔形成材を溶解し、かつ上記樹脂を溶解しない抽出溶媒であり、例えば、水、および水と相溶できるアルコール系、エステル系、ケトン系溶媒などを用いることができる。これらの中で、樹脂および気孔形成材の種類によって上記条件に従い適宜選択される。抽出溶媒は、樹脂塗料組成物中に気孔形成材を分散させる目的と、後述の被覆層から気孔形成材を抽出する目的とに使用することができる。
また、これらの抽出溶媒は1種または2種以上を混合し使用してもよい。廃液処理などが容易、安価などの利点から水を用いることが好ましい。
本発明において樹脂多孔質被膜を形成するための樹脂塗料組成物を得る方法として以下の方法が挙げられる。
(1)PI系樹脂を樹脂溶媒に溶解してなる樹脂ワニスに、気孔形成材を配合して、均一に撹拌する方法。
(2)PI系樹脂粉末および気孔形成材を抽出溶媒に配合し、撹拌して気孔形成材を溶解させると共にPI系樹脂粉末を分散させた後、抽出溶媒を除去して気孔形成材配合物を得る。次いで、この気孔形成材配合物を樹脂溶媒に配合して、均一に撹拌する方法。
(3)PI系樹脂粉末および気孔形成材を樹脂溶媒に配合して、均一に撹拌する方法。
(4)PI系樹脂粉末および気孔形成材を樹脂溶媒に配合して、均一に撹拌した後、樹脂溶媒を除去して粉砕し、粉体の樹脂塗料組成物とする方法。
上記樹脂塗料組成物において、耐摩擦摩耗特性を向上させる目的でPTFE樹脂粉末を上記樹脂塗料組成物に配合することもできる。
上記方法において、気孔形成材を抽出溶媒に溶解させると共に他の成分を溶解または分散させる方法としては、液中混合できる方法であれば特に限定されるものではなく、ボールミル、超音波分散機、ホモジナイザー、ジューサーミキサー、ヘンシェルミキサーなどが例示できる。また、分散液の分離を抑えるために少量の界面活性剤を添加することも有効である。なお、混合時においては、混合により気孔形成材が完全に溶解するよう抽出溶媒量を確保する。
また、抽出溶媒を除去する方法としては、加熱蒸発、真空蒸発、窒素ガスによるバブリング、透析、凍結乾燥などの方法を用いることができる。手法が容易で、設備が安価であることから加熱蒸発により抽出溶媒の除去を行なうことが好ましい。
本発明において樹脂塗料組成物における固形分濃度は、5 重量%〜50 重量%、好ましくは 5 重量%〜40 重量%、より好ましくは 5 重量%〜30 重量%である。固形分濃度が 5 重量%未満であると、過剰な樹脂溶媒分の処理工程が増えるため工程上不利となる。固形分濃度が 50 重量%をこえると、固形分量が多すぎることとなり、スプレーガン等の霧化手段においてノズルの液づまりの原因となりやすくなる。
本発明において樹脂塗料組成物が上述の塗装方法等により塗布された保持器から樹脂溶媒を除去する方法としては、加熱蒸発、真空蒸発、窒素ガスによるバブリング、透析、凍結乾燥などの方法を用いることができる。手法が容易で、設備が安価であることから加熱蒸発を行なう乾燥による樹脂溶媒の除去を行なうことが好ましい。乾燥温度は、5℃〜100℃の範囲で 10 分〜2 時間保持させることが好ましい。これにより、焼成後被覆層となる塗膜の発泡などを抑えることができる。
乾燥された塗膜は次に、焼成される。焼成温度は、使用する気孔形成材の融点未満の温度であって、150℃〜450℃の温度範囲が適当である。気孔形成材として安息香酸ナトリウム(融点 430℃)を使用する場合の焼成温度は 150℃〜430℃未満である。 150℃未満であると結着性樹脂などの硬化反応が進行しない場合が多い。また、焼成は、例えば 80℃〜130℃〜180℃というように数段階に分け、30 分〜240 分の範囲内で 30 分〜120 分ごとに徐々に焼成温度まで昇温させることが好ましい。これにより、結着性樹脂などの硬化反応が徐々に確実に進行し、均一な密着強度を有する被覆層を形成することができる。また、被覆層にちぢみ、しわ、わき、われ等の発生を防ぐこともできる。焼成時の最高温度の保持時間は、15 分〜60 分、好ましくは 30 分〜45 分の範囲であればよい。最高温度の保持時間が 15 分未満では結着性樹脂などの硬化反応が不十分で、60 分をこえると保持器基材への熱的影響が心配され、また焼成設備の消費電力量も多くなる。さらに製造工程の時間も長くなり、コストが高くなり好ましくない。
焼成工程後の冷却は、焼成工程時と逆の段階を経て冷却してもよく、また 60 分〜180 分程度の時間をかけて連続的に徐冷してもよい。このように徐冷することにより被覆層と保持器基材とが互いに均一に精度よく収縮し、精度の高い保持器を得ることができる。合計の焼成時間としては約 2 時間〜10 時間に調整すればよい。
次に樹脂多孔質被膜の形成方法について説明する。この方法は保持器表面の被覆層から気孔形成材を抽出し、樹脂多孔質被膜を得るものである。
本発明において保持器表面に形成される樹脂多孔質被膜は、上記被覆層中に含まれる気孔形成材を溶解し、かつ樹脂を溶解しない抽出溶媒を用いて被覆層を洗浄することにより気孔形成材を抽出して得られる。この抽出処理を行なうことにより、気孔形成材が溶解され、抽出溶媒の除去および乾燥後、気孔形成材が充填されていた部分に気孔が形成されて樹脂多孔質被膜が得られる。
抽出溶媒の種類については上述のとおりであり、抽出方法は抽出溶媒中に 1 時間〜100 時間浸漬する方法や、抽出溶媒で洗浄する方法を採用できる。
このようにして得られた樹脂多孔質被膜の厚さは、5μm〜500μm が好ましい。さらに好ましくは 10μm〜200μm である。被膜層の層厚が 5μm 未満の場合、相手材との間隙が広がることによる摺動時の異音や振動を十分に抑えることができず、500μm をこえる場合では、被膜層の密着性が劣るおそれがある。また、被膜層の層厚が薄すぎると、十分な量の潤滑油を保持できないという問題がある。
次に被膜への潤滑油含浸方法について説明する。保持器表面に形成される樹脂多孔質被膜は、あらかじめ潤滑油を含浸させた状態で使用することができる。
含浸させることができる潤滑油としては、例えば、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等の鉱油、ポリブデン、ポリ-α-オレフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、リン酸エステル、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等、一般に使用されている潤滑油であれば特に限定することなく使用できる。
上記潤滑油には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、極圧剤、酸化防止剤、防錆剤、流動点降下剤、無灰系分散剤、金属系清浄剤、界面活性剤、摩耗調整剤などを配合できる。酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、イオウ系などを単独または、混合して使用できる。特に潤滑油が含浸された樹脂多孔質被膜から供給される潤滑油は長期にわたり酸化劣化しないことが望まれるので、上記のような酸化防止剤を配合することが好ましい。
含浸方法としては、樹脂多孔質被膜の内部まで含浸できる方法であればよい。潤滑油が満たされた含浸槽に樹脂多孔質被膜を浸漬した後、減圧して含浸する減圧含浸が好ましい。また、高粘度のシリコーン油などを用いる場合、加圧含浸することができる。これらを組み合わせた加圧減圧含浸としてもよい。
本発明において保持器表面に形成される被膜は、10%以上の表面連通孔を有する樹脂多孔質被膜であるので、表面の気孔の窪みによるディンプル効果で油膜が形成されやすく、また摺動部材の潤滑油が使用中に材料内に侵入しているので、起動時の無潤滑状態となる場合でも、良好な油膜を形成することができる。また、初期の摺動特性が重要となる場合にはあらかじめ潤滑油を含浸しておくとより好ましい結果が得られる。
上記樹脂多孔質被膜を少なくとも転動体との接触面に形成した転がり軸受用保持器の一構造例を図1に示す。図1は樹脂多孔質被膜を形成した冠型の保持器の部分拡大斜視図である。転がり軸受用保持器1は、環状の保持器本体2上面に周方向に一定ピッチをおいて対向一対の保持器爪3を形成し、その対向する各保持器爪3を相互に接近する方向にわん曲させるとともに、その保持爪3間に転動体としてのボールを保持する転動体保持用ポケット4を形成したものである。また、隣接するポケット4における相互に隣接する保持爪3の背面相互間に、保持爪3の立ち上がり基準面となる平坦部5が形成される。
図1に示す転がり軸受用保持器1は、上述した気孔形成材が配合された樹脂塗料組成物を保持器表面に塗布し、乾燥して得られる塗膜を焼成して被覆層とした後、被覆層に含まれている気孔形成材を溶解し、かつ樹脂を溶解しない溶媒を用いて気孔形成材を抽出して得られる。得られた被膜は連通孔を有する樹脂多孔質被膜である。本発明の転がり軸受はこの被膜を有する保持器を組み込んで得られる。保持器に形成された被膜中には予め潤滑剤を含浸して転がり軸受に組み込むことができる。潤滑剤を含浸せずに転がり軸受に組み込む場合には、転がり軸受に封入するグリース中の基油の一部を被膜の連通孔に貯蔵することができる。潤滑油剤は転動面で消費されると被膜の連通孔から補給される。
なお、保持器の材質としては、銅合金、ステンレス(SUS)、アルミニウ合金、チタン合金等の金属材料、PI樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等の耐熱性樹脂材料などを採用できる。
本発明の転がり軸受の一例を図2に示す。図2はグリース封入深溝玉軸受の断面図である。
グリース封入深溝玉軸受6は、外周面に転走面7aを有する内輪7と内周面に転走面8aを有する外輪8とが同心に配置され、内輪の転走面7aと外輪の転走面8aとの間に複数個の転動体9が介在して配置される。この複数個の転動体9を保持する保持器1および外輪8等に固定されるシール部材10とにより構成される。転動体9の周囲に潤滑グリース11が封入される。
この軸受6は、保持器1として表面被膜に予め潤滑油を含浸する場合には、潤滑グリース11を封入しなくても使用することができる。低トルク、トルクの安定性が優先される用途では潤滑グリースを封入しないで、保持器に含まれる潤滑油のみで運転することができる。
また、潤滑グリースを封入する場合においても、通常封入される潤滑グリース封入量よりも少量で運転できる。
潤滑グリースを封入する場合、その潤滑グリースの基油は保持器表面の樹脂多孔質被膜に含浸されている潤滑油と、転がり軸受作動環境条件において、相互溶解する油を用いる。相互溶解する油としては、同種の化学構造を有する油であることが好ましく、より好ましくは該潤滑油と該基油とは同一種類の油で、かつ略同一の粘度を有する油を用いることが好ましい。この潤滑グリースと併用することにより、潤滑グリースで消費される基油が保持器に含浸された潤滑油から供給されるので、潤滑グリース封入量を減らすことができる。潤滑グリース封入量は軸受の全空間容積の 20%以下、好ましくは 5%〜20%である。グリース封入量が 20%をこえるとグリース漏れやトルク変動が生じやすくなる場合がある。
潤滑グリースを構成する基油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などの鉱油、ポリブデン、ポリ-α-オレフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、リン酸エステル、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等、一般に潤滑グリースの基油として使用されている油であれば特に限定することなく使用できる。
また、増ちょう剤としては、アルミニウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん、複合リチウム石けん、複合カルシウム石けん、複合アルミニウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア系化合物が挙げられる。これらの増ちょう剤は、単独または 2 種類以上組み合せて用いてもよい。
潤滑グリース用の公知の添加剤としては、例えば極圧剤、アミン系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤等が挙げられる。これらを単独または 2 種類以上組み合せて添加できる。
本発明の上記構成の転がり軸受は、回転に要するトルクが小さく、かつトルクの変動が少ない。このため、長期間にわたって良好な潤滑が行なわれるため、優れた耐久性を示す。また、潤滑グリースを封入する場合でも、その潤滑グリース封入量を通常よりも少なくできるため、潤滑グリース漏れの少ない転がり軸受が得られる。
本発明の転がり軸受としては、玉軸受に限らず、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受等に用いることができる。
実施例1
潤滑油を含浸させた樹脂多孔質被膜を金属器表面に形成した転がり軸受を試験用軸受とした。樹脂多孔質被膜は、PAI樹脂塗料(日立化成工業社製、PAI−4250)と三燐酸ナトリウム粉末(太平化学産業社製、トリポリ燐酸ソーダ)とを固形分体積比で1:1の割合でミキサーに投入し、混合後、金属保持器にディッピング法にて塗装し乾燥後、200℃×3 時間で焼成し、80℃の水に 20 時間浸漬させて三燐酸ナトリウム粉末を抽出し、120℃×3 時間で乾燥させて作製した。樹脂多孔質被膜の厚みは、保持器ポケット面が約 50μm となるように調整した。潤滑油にはフッ素油(ダイキン工業社製、S200)を用い、真空含浸法にて樹脂多孔質被膜に含浸させた。得られた試験用軸受を用いて以下に示す真空軸受試験を行なった。結果を表1に示す。
<真空軸受試験>
試験用軸受を用いて以下に示す試験条件にて真空軸受試験を行ない、軸受寿命と初期トルクを測定した。軸受寿命は安定時に比べ十分に高いトルクとなるまでの時間とした。初期トルクは試験開始 1 時間後の値とした。
試験条件
試験軸受:608相当(シールドあり)
真空度:1〜10 ×10-5Pa
荷重:スラスト荷重 390 N (最大接触面圧 2.0 GPa )
回転数:1000 rpm
比較例1
超高分子量ポリエチレン粉末(三井化学社製、ミペロンXM220)と安息香酸ナトリウム粉末(和光純薬社製、試薬)とを体積比1:1の割合でミキサーに投入し、混合して混合粉末を得た。この混合粉末を加熱圧縮成形法(200℃×30分)にて成形し、切削加工にて所定の保持器形状とした。この切削加工体を 80℃の温水に 100 時間浸漬させて安息香酸ナトリウム粉末を抽出し、120℃×3 時間で乾燥させて多孔質体を得た。多孔質体の気孔率は 49%であった。潤滑油にはフッ素油(ダイキン工業社製、S−200)を用い、真空含浸法にて保持器に含浸させ、得られた試験用軸受を用いて上記真空軸受試験を行なった。結果を表1に示す。
比較例2
フッ素グリース(ダイキン工業社製、L200)を封入して得られた試験用軸受を用いて上記真空軸受試験を行なった。結果を表1に示す。
Figure 0004536650
表1に示すように実施例1の軸受は、比較例2のフッ素グリース封入軸受に比べ同等の寿命であり、また初期トルクは低かった。比較例1は、初期トルクは低いが、摺動発熱により保持器が融解し転動体の運動を阻害したため短寿命となった。
本発明の転がり軸受は、保持器に強度が要求される過酷な軸受使用条件においても、保持器破損による短寿命となることはなく、またグリース封入軸受よりも低トルクが得られる。このため低トルクでその変動幅も小さい優れた耐久性を示し、潤滑グリース漏れが少ない。このため、多用途の基幹部品として使用できる。
樹脂多孔質被膜を形成した冠型の保持器の部分拡大斜視図である。 グリース封入深溝玉軸受の断面図である。
符号の説明
1 転がり軸受用保持器
2 保持器本体
3 保持器爪
4 転動体保持用ポケット
5 平坦部
6 グリース封入深溝玉軸受
7 内輪
8 外輪
9 転動体
10 シール部材
11 潤滑グリース

Claims (7)

  1. 同心に配置される内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する複数の転動体と、該転動体を分割保持する保持器とを備えてなる転がり軸受であって、
    前記保持器の表面の少なくとも転動体との接触面に樹脂多孔質被膜を形成してなり、
    該樹脂多孔質被膜は、樹脂と、気孔形成材とを含む被覆層とした後、前記気孔形成材を溶解し、かつ前記樹脂を溶解しない抽出溶媒を用いて前記被覆層から前記気孔形成材を抽出して得られる連通孔を有し、その連通孔率が10%以上であることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記樹脂多孔質被膜は、潤滑油を含浸してなることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
  3. 前記樹脂多孔質被膜の厚みは、5μm〜500μm であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の転がり軸受。
  4. 前記複数の転動体周囲に潤滑グリースを封入してなることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項記載の転がり軸受。
  5. 前記気孔形成材がアルカリ性物質であり、前記樹脂多孔質被膜に該気孔形成材の未抽出分が残存していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の転がり軸受。
  6. 前記被覆層は焼成工程を経て形成され、前記気孔形成材は該焼成温度よりも高い融点を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項記載の転がり軸受。
  7. 前記気孔形成材は、三リン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項記載の転がり軸受。
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