JP2006342938A - 転がり軸受用保持器および転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】
多孔質樹脂成形体からなる転がり軸受用保持器において、該保持器への潤滑油の含浸が容易であり、かつ摺接面から安定的に該潤滑油を供給できる転がり軸受用保持器および該保持器を用いた転がり軸受を提供する。
【解決手段】
射出成形後に気孔形成材を抽出して得られる多孔質樹脂成形体からなる転がり軸受用樹脂保持器であって、該保持器は、上記射出成形時において金型から無理抜きされ、上記保持器の摺接面を構成するスキン層の一部が、該摺接面に対応する金型表面に形成された最大高さ(Ry)5〜500μm の凹凸により切削除去される。
【選択図】 図2
多孔質樹脂成形体からなる転がり軸受用保持器において、該保持器への潤滑油の含浸が容易であり、かつ摺接面から安定的に該潤滑油を供給できる転がり軸受用保持器および該保持器を用いた転がり軸受を提供する。
【解決手段】
射出成形後に気孔形成材を抽出して得られる多孔質樹脂成形体からなる転がり軸受用樹脂保持器であって、該保持器は、上記射出成形時において金型から無理抜きされ、上記保持器の摺接面を構成するスキン層の一部が、該摺接面に対応する金型表面に形成された最大高さ(Ry)5〜500μm の凹凸により切削除去される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、多孔質樹脂成形体からなる転がり軸受用保持器、およびこの保持器を用いた転がり軸受に関する。
従来の転がり軸受用保持器は、金属、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などからなり、特に合成樹脂を採用する場合には、射出成形可能な合成樹脂の単体か、または合成樹脂の成形材料にガラス繊維、カーボン繊維、有機繊維などを添加し強化された合成樹脂組成物が使用されてきた。また保持器材料に潤滑剤を含浸させ潤滑機能を付与した転がり軸受用保持器として、例えば、合成樹脂に繊維状油導通材と潤滑油とを混合し、その樹脂組成物を保持器形状に成形したもの(特許文献1参照)等が知られている。
特許文献1では、合成樹脂に繊維状油導通材と潤滑油とを混合し、その樹脂組成物を保持器形状に成形することで、成形前に樹脂と潤滑油とを混合している。この場合、潤滑油は樹脂の成形温度に耐える必要があり、使用できる樹脂の種類、および潤滑油の種類、粘度、蒸気圧、分解温度が制限される。また、射出成形時にスクリューがすべるため、安定して原料を成形機内に供給するためには配合できる潤滑油量は少なく抑える必要がある。このため、転がり軸受の使用条件によっては潤滑油量が不足する場合がある。
上記問題に対し、摺接面への潤滑油の供給性能を向上させる目的で、脱塩法により得られた多孔質樹脂を用いた転がり軸受用保持器などが開発されている。該多孔質樹脂を用いた保持器では、転動体と摺接するポケット面や軌道輪と摺接する面から潤滑油を供給し、長時間にわたって安定的に供給することができるので軸受としての寿命が長い。また、必要最小限の潤滑油を転動部に供給できるので、潤滑油の攪拌抵抗が少なく、油潤滑方式およびグリース潤滑方式に比べて極めて低い回転トルクを示すなどの特徴を有する。
上記多孔質樹脂は射出成形も可能であり、高精度を有する保持器として適応できるが、射出成形時に保持器表面にスキン層と呼ばれる樹脂分比率が高く気孔の少ない層が形成される。このような場合にも、気孔形成材の溶出は可能で有り潤滑油も十分含浸できるが、スキン層がない場合に比べ溶出および含浸に時間がかかり生産効率は悪い。また使用条件が厳しくなると潤滑油の供給が追いつかず、十分な軸受特性を発揮しないことが懸念される。
上記多孔質樹脂は射出成形も可能であり、高精度を有する保持器として適応できるが、射出成形時に保持器表面にスキン層と呼ばれる樹脂分比率が高く気孔の少ない層が形成される。このような場合にも、気孔形成材の溶出は可能で有り潤滑油も十分含浸できるが、スキン層がない場合に比べ溶出および含浸に時間がかかり生産効率は悪い。また使用条件が厳しくなると潤滑油の供給が追いつかず、十分な軸受特性を発揮しないことが懸念される。
一方、摺接面に所定の表面粗さの凹凸を設けた軸受用保持器なども開示されている(特許文献2および特許文献3参照)。しかしながら、これらの凹凸は潤滑油溜り等として作用し、摺接面における潤滑油を効率よく保持する目的で設けられているものである。
特開平11−166541号公報
特開平9−317774号公報
特開2002−339978号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、多孔質樹脂成形体からなる転がり軸受用保持器において、該保持器への潤滑油の含浸が容易であり、かつ摺接面から安定的に該潤滑油を供給できる転がり軸受用保持器および該保持器を用いた転がり軸受の提供を目的とする。
本発明の転がり軸受用保持器は、射出成形後に気孔形成材を抽出して得られる多孔質樹脂成形体からなる転がり軸受用保持器であって、該保持器は、上記射出成形時において金型から無理抜きされ、上記保持器の摺接面を構成するスキン層の一部が、該摺接面に対応する金型表面に形成された最大高さ(Ry)5〜500μm の凹凸により切削除去されることを特徴とする。
ここで、摺接面とは、転がり軸受を構成する保持器以外の部品と、保持器とが摺接する面をいう。また、スキン層とは、上記摺接面を含む保持器の表面層であり、射出成形時に形成され樹脂分比率が高く気孔の少ない層である。また、最大高さ(Ry)は、JIS−B0601に従い測定される値(μm)である。
ここで、摺接面とは、転がり軸受を構成する保持器以外の部品と、保持器とが摺接する面をいう。また、スキン層とは、上記摺接面を含む保持器の表面層であり、射出成形時に形成され樹脂分比率が高く気孔の少ない層である。また、最大高さ(Ry)は、JIS−B0601に従い測定される値(μm)である。
上記多孔質樹脂成形体は、気孔形成材抽出後に潤滑油を含浸して得られることを特徴とする。
上記多孔質樹脂成形体は、気孔形成材が配合された樹脂を成形して成形体とした後、該気孔形成材を溶解し、かつ上記樹脂を溶解しない溶媒を用いて上記成形体から上記気孔形成材を抽出して得られる連通孔を有することを特徴とする。
上記多孔質樹脂成形体は、気孔形成材が配合された樹脂を成形して成形体とした後、該気孔形成材を溶解し、かつ上記樹脂を溶解しない溶媒を用いて上記成形体から上記気孔形成材を抽出して得られる連通孔を有することを特徴とする。
本発明の転がり軸受は、外周面に転走面を有する内輪と、内周面に転走面を有する外輪とが同心に配置され、上記両転走面間に介在する複数の転動体と、該複数の転動体を保持する保持器とを備えた転がり軸受であって、上記転がり軸受用保持器を使用することを特徴とする。
本発明の転がり軸受用保持器は、射出成形後に気孔形成材を抽出して得られる多孔質樹脂成形体からなる転がり軸受用樹脂保持器であって、射出成形時において金型から無理抜きされ、保持器摺接面を構成するスキン層の一部が、該摺接面に対応する金型表面に形成された最大高さ(Ry)5〜500μm の凹凸により切削除去されるので、潤滑油を含浸させた場合に摺接面から安定的に潤滑油を供給することができる。潤滑油の含浸時間もスキン層ありの場合よりも短縮でき生産効率に優れる。また、射出成形後に保持器表面への凹凸形状付与のための切削工程などが不要となるので、切削工程などを設ける場合に比べて安価に製造することができる。
本発明の転がり軸受は、上記の転がり軸受用保持器を用いるので、転動体の転走面などに安定的に潤滑油が供給され、長寿命であり、回転に要するトルクが小さく、かつトルクの変動が少ない。
本発明の転がり軸受用保持器は、射出成形後に気孔形成材を抽出して得られる多孔質樹脂成形体からなり、上記射出成形時において、保持器を金型から無理抜きすることで、保持器摺接面を構成するスキン層の一部が、該摺接面に対応する金型表面に形成された最大高さ(Ry)5〜500μm の凹凸により切削除去される。
上記摺接面は、転がり軸受を構成する保持器以外の部品と、保持器とが摺接する面であれば特に限定されるものではない。摺接面としては、例えば転動体案内型保持器では転動体との摺接面、軌道輪案内型保持器では軌道輪との摺接面と転動体との摺接面が挙げられる。
上記摺接面は、転がり軸受を構成する保持器以外の部品と、保持器とが摺接する面であれば特に限定されるものではない。摺接面としては、例えば転動体案内型保持器では転動体との摺接面、軌道輪案内型保持器では軌道輪との摺接面と転動体との摺接面が挙げられる。
本発明の転がり軸受用保持器は、以下に述べる射出成形後に気孔形成材を抽出して得られる多孔質樹脂成形体として得られる。すなわち、金型表面の最大高さ(Ry)5〜500μm の凹凸を有する金型を用いて、気孔形成材が配合された樹脂を射出成形し、保持器を金型より無理抜きして取り出した後、該気孔形成材を溶解し、かつ上記樹脂を溶解しない溶媒を用いて成形体から気孔形成材を抽出して得られる。例えば、射出成形温度X℃の樹脂Aに、このX℃より高い融点Y℃を有する水溶性粉末Bを配合して、X℃で射出成形して成形体とした後、該成形体より水溶性粉末Bを水で抽出して多孔質樹脂成形体である転がり軸受用保持器が得られる。
射出成形時に保持器の摺接面に生成したスキン層は、保持器の摺接面が金型表面の最大高さ(Ry)5〜500μm の凹凸を有する金型により、一部侵食され、除去される。
射出成形時に保持器の摺接面に生成したスキン層は、保持器の摺接面が金型表面の最大高さ(Ry)5〜500μm の凹凸を有する金型により、一部侵食され、除去される。
金型表面に設ける凹凸は、最大高さ(Ry)5〜500μmであればどのような表面形状でもよく、ブラスト加工で加工した球状の窪みが散在する表面形状や、旋盤で加工したネジ溝形状、研磨の加工面、レジスト加工やレーザー加工などで加工した規則正しい直角の凹凸形状などが採用できる。
金型表面の最大高さ(Ry)が 5 μm未満であると離型時に弾性変形するので保持器表面のスキン層を除去する効果がなく、500μm をこえると物理的な結合が強く摺接面以外の箇所で保持器が破損する可能性が高くなる。また、最大高さ(Ry)を 10〜200μmの範囲とすることで、保持器が破損することなくスキン層の一部を効率よく除去できる可能性が高くなる。
金型表面の最大高さ(Ry)が 5 μm未満であると離型時に弾性変形するので保持器表面のスキン層を除去する効果がなく、500μm をこえると物理的な結合が強く摺接面以外の箇所で保持器が破損する可能性が高くなる。また、最大高さ(Ry)を 10〜200μmの範囲とすることで、保持器が破損することなくスキン層の一部を効率よく除去できる可能性が高くなる。
本発明の転がり軸受用保持器の一構造例を図1に示す。図1は多孔質樹脂を射出成形した冠型の保持器の部分拡大斜視図である。転がり軸受用保持器1は、環状の保持器1本体上面に周方向に一定ピッチをおいて対向一対の保持器爪1bを形成し、その対向する各保持器爪1bを相互に接近する方向に湾曲させるとともに、その保持器爪1b間に転動体としてのボールを保持する転動体保持用ポケット1cを形成したものである。
射出成形時の無理抜きは、離型動作時に保持器の摺接面に対し金型表面が押付けられる形態や、保持器の摺接面を金型表面が摩擦して離型する形態であれば特に限定されるものではなく、図2に示すような冠型保持器の一般的な無理抜き方式や、図3に示すような各ポケットの金型をスライドさせる無理抜き方式など自由に選択できる。
図2は冠型保持器の無理抜き方式を示す模式図であり、図3は他の樹脂成形保持器の無理抜き方式を示す模式図である。図2に、冠型保持器1の摺接面1aを形成する金型3から矢印方向に冠型保持器1が離型された状態を示す。冠型保持器1の摺接面1aは、凹凸のついた金型3の対応表面3aに接触し射出成形時に凹凸形状を転写される。保持器1は、金型からの離型時において無理抜きされ、金型表面3aの凹凸形状により保持器摺接面1aを含むスキン層の一部が切削され除去される。ポケット開口部口径Cはポケット内径Aよりも小さいため、金型3は、ポケット開口部口径Cをポケット内径Aまで弾性的に押し広げて離型する。このため摺接面であるポケット開口側上半分は、開口部口径Cより大きい金型が通過する際、スキン層を効率よく削り取ることができる。
また、図3(a)は、樹脂成形保持器2の全体図を、図3(b)は、図3(a)をD−D線で切断した断面図を、図3(c)は、この保持器2の摺接面2aを形成するスライドコア型の金型の一片4が矢印方向に離型した状態をそれぞれ示す図である。樹脂成形保持器2の摺接面2aは、凹凸のついたスライドコア型金型の一片4の対応表面4aおよび4bにより、射出成形時に凹凸形状を転写される。そして、金型から矢印方向に離型時において、表面4aおよび4bの凹凸形状により、保持器摺接面2aのスキン層の一部が切削され除去される。
図2は冠型保持器の無理抜き方式を示す模式図であり、図3は他の樹脂成形保持器の無理抜き方式を示す模式図である。図2に、冠型保持器1の摺接面1aを形成する金型3から矢印方向に冠型保持器1が離型された状態を示す。冠型保持器1の摺接面1aは、凹凸のついた金型3の対応表面3aに接触し射出成形時に凹凸形状を転写される。保持器1は、金型からの離型時において無理抜きされ、金型表面3aの凹凸形状により保持器摺接面1aを含むスキン層の一部が切削され除去される。ポケット開口部口径Cはポケット内径Aよりも小さいため、金型3は、ポケット開口部口径Cをポケット内径Aまで弾性的に押し広げて離型する。このため摺接面であるポケット開口側上半分は、開口部口径Cより大きい金型が通過する際、スキン層を効率よく削り取ることができる。
また、図3(a)は、樹脂成形保持器2の全体図を、図3(b)は、図3(a)をD−D線で切断した断面図を、図3(c)は、この保持器2の摺接面2aを形成するスライドコア型の金型の一片4が矢印方向に離型した状態をそれぞれ示す図である。樹脂成形保持器2の摺接面2aは、凹凸のついたスライドコア型金型の一片4の対応表面4aおよび4bにより、射出成形時に凹凸形状を転写される。そして、金型から矢印方向に離型時において、表面4aおよび4bの凹凸形状により、保持器摺接面2aのスキン層の一部が切削され除去される。
本発明の保持器に用いる樹脂材料は、射出成形可能であり、保持器および軸受材料として十分な耐熱性、耐油性および機械的強度などを有するものであればよい。
例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂、変性ポリエチレン樹脂、水架橋ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを例示できる。また、上記合成樹脂から選ばれた2種以上の材料の混合物、すなわちポリマーアロイなどを例示できる。
例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂、変性ポリエチレン樹脂、水架橋ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを例示できる。また、上記合成樹脂から選ばれた2種以上の材料の混合物、すなわちポリマーアロイなどを例示できる。
気孔形成材としては、樹脂の成形温度よりも高い融点を有し、該樹脂に配合されて成形体とされた後、その樹脂を溶解しない溶媒を用いて成形体から溶解されて抽出できる物質であれば使用できる。
気孔形成材は洗浄抽出工程が容易となる水溶性物質であることが好ましい。また、アルカリ性物質、好ましくは防錆剤として使用できる弱アルカリ性物質が好ましい。弱アルカリ塩としては、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩、無機アルカリ金属塩、無機アルカリ土類金属塩などが挙げられる。未抽出分が脱落したときも、比較的軟らかく、転動面やすべり面を損傷し難いことから、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩を用いることが好ましい。なお、これらの金属塩は1種または2種以上混合して用いてもよい。また、洗浄用溶媒として安価な水を使用することができ、気孔形成時における廃液処理などが容易となることから水溶性の弱アルカリ塩を使用することが好ましい。
また、成形時における気孔形成材の溶解を防止するため、気孔形成材は使用する樹脂の成形温度よりも高い融点の物質を使用する。
気孔形成材は洗浄抽出工程が容易となる水溶性物質であることが好ましい。また、アルカリ性物質、好ましくは防錆剤として使用できる弱アルカリ性物質が好ましい。弱アルカリ塩としては、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩、無機アルカリ金属塩、無機アルカリ土類金属塩などが挙げられる。未抽出分が脱落したときも、比較的軟らかく、転動面やすべり面を損傷し難いことから、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩を用いることが好ましい。なお、これらの金属塩は1種または2種以上混合して用いてもよい。また、洗浄用溶媒として安価な水を使用することができ、気孔形成時における廃液処理などが容易となることから水溶性の弱アルカリ塩を使用することが好ましい。
また、成形時における気孔形成材の溶解を防止するため、気孔形成材は使用する樹脂の成形温度よりも高い融点の物質を使用する。
本発明に好適に用いることができる水溶性の有機アルカリ金属塩としては、安息香酸ナトリウム(融点 430℃)、酢酸ナトリウム(融点 320℃)またはセバシン酸ナトリウム(融点 340℃)、コハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムなどが挙げられる。融点が高く、多種の樹脂に対応でき、かつ水溶性が高いという理由から、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムまたはセバシン酸ナトリウムが特に好ましい。
無機アルカリ金属塩としては、例えば、炭酸カリウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、タングステン酸ナトリウムなどが挙げられる。
無機アルカリ金属塩としては、例えば、炭酸カリウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、タングステン酸ナトリウムなどが挙げられる。
気孔形成材は平均粒径 1〜500 μmに管理することが好ましい。気孔形成材の配合割合は、樹脂粉末、気孔形成材および充填材などの他の材料を含めた全量に対して、30 体積%〜90 体積%、好ましくは 40体積%〜90 体積%とする。30 体積%以下では多孔体の気孔が連通孔になり難く、90 体積%以上では所望の機械的強度が得られない。
また配合時において、気孔形成材の抽出に使用する溶媒に不溶な充填材を配合してもよい。例えば、該溶媒が水である場合には、多孔体の機械的強度を向上させるなどの目的で、ガラス繊維、炭素繊維などを配合できる。
また配合時において、気孔形成材の抽出に使用する溶媒に不溶な充填材を配合してもよい。例えば、該溶媒が水である場合には、多孔体の機械的強度を向上させるなどの目的で、ガラス繊維、炭素繊維などを配合できる。
樹脂材料と気孔形成材の混合法は特に限定されるものではなくドライブレンド、溶融混練など樹脂の混合に一般に使用する混練法が適用できる。
また、気孔形成材を液体溶媒中に溶解させて透明溶液とした後、この溶液に樹脂粉末を分散混合させて、その後、この溶媒を除去する方法を用いることができる。分散混合させる方法としては、液中混合できる方法であれば特に限定されるものではなく、ボールミル、超音波分散機、ホモジナイザー、ジューサーミキサー、ヘンシェルミキサーなどが例示できる。また、分散液の分離を抑えるために少量の界面活性剤を添加することも有効である。なお、混合時においては、混合により気孔形成材が完全に溶解するよう溶媒量を確保する。溶媒を除去する方法としては、加熱蒸発、真空蒸発、窒素ガスによるバブリング、透析、凍結乾燥などの方法を用いることができる。手法が容易で、設備が安価であることから加熱蒸発により液体溶媒の除去を行なうことが好ましい。
樹脂に気孔成形材を配合した混合物を、射出成形により保持器形状に成形する。射出成形方法および射出成形機等は任意の公知のものを利用できる。
また、気孔形成材を液体溶媒中に溶解させて透明溶液とした後、この溶液に樹脂粉末を分散混合させて、その後、この溶媒を除去する方法を用いることができる。分散混合させる方法としては、液中混合できる方法であれば特に限定されるものではなく、ボールミル、超音波分散機、ホモジナイザー、ジューサーミキサー、ヘンシェルミキサーなどが例示できる。また、分散液の分離を抑えるために少量の界面活性剤を添加することも有効である。なお、混合時においては、混合により気孔形成材が完全に溶解するよう溶媒量を確保する。溶媒を除去する方法としては、加熱蒸発、真空蒸発、窒素ガスによるバブリング、透析、凍結乾燥などの方法を用いることができる。手法が容易で、設備が安価であることから加熱蒸発により液体溶媒の除去を行なうことが好ましい。
樹脂に気孔成形材を配合した混合物を、射出成形により保持器形状に成形する。射出成形方法および射出成形機等は任意の公知のものを利用できる。
得られた成形体からの気孔形成材の抽出は、上記気孔形成材を溶解し、かつ上記樹脂を溶解しない溶媒で成形体を洗浄することにより行なう。
該溶媒としては、例えば、水、および水と相溶しうる溶媒としてアルコール系、エステル系、ケトン系溶媒などを用いることができる。これらの中で、樹脂および気孔形成材の種類によって上記条件に従い適宜選択される。また、これらの溶媒は1種または2種以上を混合し使用してもよい。廃液処理などが容易、安価などの利点から水を用いることが好ましい。
該抽出処理を行なうことにより、気孔形成材が充填されていた部分が溶解され、該溶解部分に気孔が形成された多孔質樹脂成形体が得られる。
該溶媒としては、例えば、水、および水と相溶しうる溶媒としてアルコール系、エステル系、ケトン系溶媒などを用いることができる。これらの中で、樹脂および気孔形成材の種類によって上記条件に従い適宜選択される。また、これらの溶媒は1種または2種以上を混合し使用してもよい。廃液処理などが容易、安価などの利点から水を用いることが好ましい。
該抽出処理を行なうことにより、気孔形成材が充填されていた部分が溶解され、該溶解部分に気孔が形成された多孔質樹脂成形体が得られる。
本発明の転がり軸受用保持器は、上記多孔質樹脂成形体に潤滑剤を含浸して使用する。
潤滑剤としては、潤滑油が好ましく、例えば、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等の鉱油、ポリブデン、ポリαオレフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、リン酸エステル、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等、一般に使用されている潤滑油であれば特に限定することなく使用できる。
上記潤滑油には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、極圧剤、酸化防止剤、防錆剤、流動点降下剤、無灰系分散剤、金属系清浄剤、界面活性剤、摩耗調整剤などを配合できる。酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、イオウ系などを単独または、混合して使用できる。
潤滑剤としては、潤滑油が好ましく、例えば、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等の鉱油、ポリブデン、ポリαオレフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、リン酸エステル、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等、一般に使用されている潤滑油であれば特に限定することなく使用できる。
上記潤滑油には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、極圧剤、酸化防止剤、防錆剤、流動点降下剤、無灰系分散剤、金属系清浄剤、界面活性剤、摩耗調整剤などを配合できる。酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、イオウ系などを単独または、混合して使用できる。
本発明の保持器を用いた転がり軸受の一例を図4に示す。図4はグリース封入深溝玉軸受の断面図である。
グリース封入深溝玉軸受5は、外周面に転走面6aを有する内輪6と内周面に転走面7aを有する外輪7とが同心に配置され、内輪の転走面6aと外輪の転走面7aとの間に複数個の転動体8が介在して配置される。この複数個の転動体8を保持する保持器2および外輪7等に固定されるシール部材9とにより構成される。転動体8の周囲に潤滑グリース10が封入される。
グリース封入深溝玉軸受5は、外周面に転走面6aを有する内輪6と内周面に転走面7aを有する外輪7とが同心に配置され、内輪の転走面6aと外輪の転走面7aとの間に複数個の転動体8が介在して配置される。この複数個の転動体8を保持する保持器2および外輪7等に固定されるシール部材9とにより構成される。転動体8の周囲に潤滑グリース10が封入される。
この軸受は、保持器として本発明の転がり軸受用保持器を用い、潤滑油を含浸させた保持器を組み込むことによって、潤滑グリースを封入しなくても使用することができる。低トルク、トルクの安定性が優先される用途では潤滑グリースを封入しないで、保持器に含まれる潤滑油のみで運転することができる。
また、潤滑グリースを封入する場合においても、通常封入される潤滑グリース封入量よりも少量で運転できる。
潤滑グリースを封入する場合、その潤滑グリースの基油は保持器の多孔質樹脂成形体に含浸されている潤滑油と、転がり軸受作動環境条件において、相互溶解する油を用いる。相互溶解する油としては、同種の化学構造を有する油であることが好ましく、より好ましくは該潤滑油と該基油とは同一種類の油で、かつ略同一の粘度を有する油を用いることが好ましい。この潤滑グリースと併用することにより、潤滑グリースで消費される基油が保持器に含浸された潤滑油から供給されるので、潤滑グリース封入量を減らすことができる。潤滑グリース封入量は軸受の全空間容積の 20%以下、好ましくは 5〜20%である。グリース封入量が 20%をこえるとグリース漏れやトルク変動が生じやすくなる場合がある。
また、潤滑グリースを封入する場合においても、通常封入される潤滑グリース封入量よりも少量で運転できる。
潤滑グリースを封入する場合、その潤滑グリースの基油は保持器の多孔質樹脂成形体に含浸されている潤滑油と、転がり軸受作動環境条件において、相互溶解する油を用いる。相互溶解する油としては、同種の化学構造を有する油であることが好ましく、より好ましくは該潤滑油と該基油とは同一種類の油で、かつ略同一の粘度を有する油を用いることが好ましい。この潤滑グリースと併用することにより、潤滑グリースで消費される基油が保持器に含浸された潤滑油から供給されるので、潤滑グリース封入量を減らすことができる。潤滑グリース封入量は軸受の全空間容積の 20%以下、好ましくは 5〜20%である。グリース封入量が 20%をこえるとグリース漏れやトルク変動が生じやすくなる場合がある。
潤滑グリースを構成する基油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などの鉱油、ポリブデン、ポリαオレフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、リン酸エステル、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等、一般に潤滑グリースの基油として使用されている油であれば特に限定することなく使用できる。
また、増ちょう剤としては、アルミニウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん、複合リチウム石けん、複合カルシウム石けん、複合アルミニウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア系化合物、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末等のフッ素樹脂粉末が挙げられる。これらの増ちょう剤は、単独または2種類以上組み合せて用いてもよい。
また、潤滑グリースに添加される公知の添加剤、例えば極圧剤、アミン系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール、亜硝酸ソーダなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合せて添加できる。
また、増ちょう剤としては、アルミニウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん、複合リチウム石けん、複合カルシウム石けん、複合アルミニウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア系化合物、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末等のフッ素樹脂粉末が挙げられる。これらの増ちょう剤は、単独または2種類以上組み合せて用いてもよい。
また、潤滑グリースに添加される公知の添加剤、例えば極圧剤、アミン系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール、亜硝酸ソーダなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合せて添加できる。
本発明の保持器を組み込んだ上記構成の転がり軸受は、回転に要するトルクが小さく、かつトルクの変動が少ない。このため、長期間にわたって良好な潤滑が行なわれるため、優れた耐久性を示す。また、潤滑グリースを封入する場合でも、その潤滑グリース封入量を通常よりも少なくできるため、潤滑グリース漏れの少ない転がり軸受が得られる。
本発明の転がり軸受としては、玉軸受に限らず、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受等に用いることができる。
本発明の転がり軸受としては、玉軸受に限らず、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受等に用いることができる。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、これらの例によって何ら限定されるものではない。
以下に示す組成の多孔質樹脂材料および射出成形用金型を、以下に示す各実施例および各比較例に供した。
[多孔質樹脂材料の組成]
PEEK(50 容量%):ビクトレックス社製150P
炭素繊維(10 容量%):東邦ナテックス社製HTAC
三リン酸ナトリウム(40 容量%):太平化学産業社製トリポリリン酸ソーダ
[射出成形用金型]
射出成形対象:608軸受用冠型樹脂製保持器(図1、図2)
図2におけるAの直径:φ 4.2 mm 、Bの直径:φ 5.6 mm 、Cの直径:φ 3.8 mm 、
以下に示す組成の多孔質樹脂材料および射出成形用金型を、以下に示す各実施例および各比較例に供した。
[多孔質樹脂材料の組成]
PEEK(50 容量%):ビクトレックス社製150P
炭素繊維(10 容量%):東邦ナテックス社製HTAC
三リン酸ナトリウム(40 容量%):太平化学産業社製トリポリリン酸ソーダ
[射出成形用金型]
射出成形対象:608軸受用冠型樹脂製保持器(図1、図2)
図2におけるAの直径:φ 4.2 mm 、Bの直径:φ 5.6 mm 、Cの直径:φ 3.8 mm 、
実施例1
上記射出成形用金型の表面に表面粗さ(図2の対応表面3a):Ry 20 μm になるように放電加工仕上げを施し、上記多孔質樹脂材料を射出成形し、保持器を取り出した。この保持器を80℃のイオン交換水に浸漬し、気孔形成材が完全に抽出されるまでの時間を測定した。
気孔形成材を完全に抽出した後の保持器の摺接面をSEMで観察し、スキン層の切削除去状況および開口している気孔の量を調べた。
次にこれらの保持器を真空(0.1気圧)雰囲気で、150℃に加熱したシクロペンタン油(NYE LUBRICANTS社製 NYE SYNTHETIC OIL 2001A)に浸漬し、すべての気孔に油が含浸されるまでの時間を測定した。結果を表1に記す。
上記射出成形用金型の表面に表面粗さ(図2の対応表面3a):Ry 20 μm になるように放電加工仕上げを施し、上記多孔質樹脂材料を射出成形し、保持器を取り出した。この保持器を80℃のイオン交換水に浸漬し、気孔形成材が完全に抽出されるまでの時間を測定した。
気孔形成材を完全に抽出した後の保持器の摺接面をSEMで観察し、スキン層の切削除去状況および開口している気孔の量を調べた。
次にこれらの保持器を真空(0.1気圧)雰囲気で、150℃に加熱したシクロペンタン油(NYE LUBRICANTS社製 NYE SYNTHETIC OIL 2001A)に浸漬し、すべての気孔に油が含浸されるまでの時間を測定した。結果を表1に記す。
実施例2
上記射出成形用金型の表面に表面粗さ(図2の対応表面3a):Ry 50 μm になるようにブラスト加工仕上げを施し、上記多孔質樹脂材料を射出成形し、保持器を取り出した。この保持器を80℃のイオン交換水に浸漬し、気孔形成材が完全に抽出されるまでの時間を測定した。
気孔形成材を完全に抽出した後の保持器の摺接面をSEMで観察し、スキン層の切削除去状況および開口している気孔の量を調べた。
次にこれらの保持器を真空(0.1気圧)雰囲気で、150℃に加熱したシクロペンタン油(NYE LUBRICANTS社製 NYE SYNTHETIC OIL 2001A)に浸漬し、すべての気孔に油が含浸されるまでの時間を測定した。結果を表1に記す。
上記射出成形用金型の表面に表面粗さ(図2の対応表面3a):Ry 50 μm になるようにブラスト加工仕上げを施し、上記多孔質樹脂材料を射出成形し、保持器を取り出した。この保持器を80℃のイオン交換水に浸漬し、気孔形成材が完全に抽出されるまでの時間を測定した。
気孔形成材を完全に抽出した後の保持器の摺接面をSEMで観察し、スキン層の切削除去状況および開口している気孔の量を調べた。
次にこれらの保持器を真空(0.1気圧)雰囲気で、150℃に加熱したシクロペンタン油(NYE LUBRICANTS社製 NYE SYNTHETIC OIL 2001A)に浸漬し、すべての気孔に油が含浸されるまでの時間を測定した。結果を表1に記す。
比較例1
上記射出成形用金型の表面に表面粗さ(図2の対応表面3a):Ry 1 μm になるようにラッピング加工仕上げを施し、上記多孔質樹脂材料を射出成形し、保持器を取り出した。この保持器を80℃のイオン交換水に浸漬し、気孔形成材が完全に抽出されるまでの時間を測定した。
気孔形成材を完全に抽出した後の保持器の摺接面をSEMで観察し、スキン層の切削除去状況および開口している気孔の量を調べた。
次にこれらの保持器を真空(0.1気圧)雰囲気で、150℃に加熱したシクロペンタン油(NYE LUBRICANTS社製 NYE SYNTHETIC OIL 2001A)に浸漬し、すべての気孔に油が含浸されるまでの時間を測定した。結果を表1に記す。
上記射出成形用金型の表面に表面粗さ(図2の対応表面3a):Ry 1 μm になるようにラッピング加工仕上げを施し、上記多孔質樹脂材料を射出成形し、保持器を取り出した。この保持器を80℃のイオン交換水に浸漬し、気孔形成材が完全に抽出されるまでの時間を測定した。
気孔形成材を完全に抽出した後の保持器の摺接面をSEMで観察し、スキン層の切削除去状況および開口している気孔の量を調べた。
次にこれらの保持器を真空(0.1気圧)雰囲気で、150℃に加熱したシクロペンタン油(NYE LUBRICANTS社製 NYE SYNTHETIC OIL 2001A)に浸漬し、すべての気孔に油が含浸されるまでの時間を測定した。結果を表1に記す。
比較例2
上記射出成形用金型の表面に表面粗さ(図2の対応表面3a):Ry 800 μm になるように放電加工仕上げを施し、上記多孔質樹脂材料を射出成形した。結果を表1に記す。
上記射出成形用金型の表面に表面粗さ(図2の対応表面3a):Ry 800 μm になるように放電加工仕上げを施し、上記多孔質樹脂材料を射出成形した。結果を表1に記す。
表1に示すように、各実施例の保持器ではスキン層の一部を除去でき、気孔形成材の抽出時間および潤滑油の含浸時間を短縮できた。
本発明の転がり軸受用保持器は、長期間にわたって潤滑油を供給することができるので、この保持器を用いた転がり軸受は、低トルクでその変動幅も小さい優れた耐久性を示し、潤滑グリース漏れが少ない。このため、多用途の基幹部品として使用できる。
1 冠型保持器
1a 摺接面
1b 保持器爪
1c 転動体保持用ポケット
2 樹脂成形保持器
2a 摺接面
3 金型
3a 対応表面
4 スライドコア型金型の一片
4a 対応表面、
4b 対応表面
5 グリース封入深溝玉軸受
6 内輪
7 外輪
8 転動体
9 シール部材
10 潤滑グリース
1a 摺接面
1b 保持器爪
1c 転動体保持用ポケット
2 樹脂成形保持器
2a 摺接面
3 金型
3a 対応表面
4 スライドコア型金型の一片
4a 対応表面、
4b 対応表面
5 グリース封入深溝玉軸受
6 内輪
7 外輪
8 転動体
9 シール部材
10 潤滑グリース
Claims (4)
- 射出成形後に気孔形成材を抽出して得られる多孔質樹脂成形体からなる転がり軸受用保持器であって、
該保持器は、前記射出成形時において金型から無理抜きされ、前記保持器の摺接面を構成するスキン層の一部が、該摺接面に対応する金型表面に形成された最大高さ(Ry)5〜500μm の凹凸により切削除去されることを特徴とする転がり軸受用保持器。 - 前記多孔質樹脂成形体は、気孔形成材抽出後に潤滑油を含浸して得られることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受用保持器。
- 前記多孔質樹脂成形体は、気孔形成材が配合された樹脂を成形して成形体とした後、該気孔形成材を溶解し、かつ前記樹脂を溶解しない溶媒を用いて前記成形体から前記気孔形成材を抽出して得られる連通孔を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の転がり軸受用保持器。
- 外周面に転走面を有する内輪と、内周面に転走面を有する外輪とが同心に配置され、前記両転走面間に介在する複数の転動体と、該複数の転動体を保持する保持器とを備えた転がり軸受であって、
前記保持器が請求項1、請求項2または請求項3記載の転がり軸受用保持器であることを特徴とする転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005171296A JP2006342938A (ja) | 2005-06-10 | 2005-06-10 | 転がり軸受用保持器および転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006342938A true JP2006342938A (ja) | 2006-12-21 |
Family
ID=37640044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005171296A Pending JP2006342938A (ja) | 2005-06-10 | 2005-06-10 | 転がり軸受用保持器および転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006342938A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008093499A1 (ja) * | 2007-01-30 | 2008-08-07 | Ntn Corporation | 玉軸受用保持器およびその製造方法 |
US11904466B2 (en) | 2020-02-28 | 2024-02-20 | Seiko Epson Corporation | Bearing, gear device, and robot |
-
2005
- 2005-06-10 JP JP2005171296A patent/JP2006342938A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008093499A1 (ja) * | 2007-01-30 | 2008-08-07 | Ntn Corporation | 玉軸受用保持器およびその製造方法 |
US8317404B2 (en) | 2007-01-30 | 2012-11-27 | Ntn Corporation | Bearing ball cage and method of making the same |
DE112008000271B4 (de) * | 2007-01-30 | 2021-06-17 | Ntn Corp. | Kugellagerkäfig |
US11904466B2 (en) | 2020-02-28 | 2024-02-20 | Seiko Epson Corporation | Bearing, gear device, and robot |
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