JPH05209619A - 方向転換部材をベアリング本体に内蔵させた一軸テーブル送り装置 - Google Patents

方向転換部材をベアリング本体に内蔵させた一軸テーブル送り装置

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JPH05209619A
JPH05209619A JP35805791A JP35805791A JPH05209619A JP H05209619 A JPH05209619 A JP H05209619A JP 35805791 A JP35805791 A JP 35805791A JP 35805791 A JP35805791 A JP 35805791A JP H05209619 A JPH05209619 A JP H05209619A
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利則 津老
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英己 堀本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転駆動される送りねじ軸との間で転動体を
介して螺合するナットを具えたベアリング本体の側面に
ボール転動溝を形成し、送りねじ軸と平行に延びる軌道
台に形成されたボール転動溝との間でボールを介して直
線運動するようにした一軸テーブル送り装置において、
ベアリング本体が所定の行程以上に作動を行って送りね
じ軸を支持するブロック等に衝突してもボールの循環を
正常に維持することができる構造を提供すること。 【構成】 ベアリング本体にボールの戻り通路を設け、
ボール転動溝と戻り通路とをつなぐボール方向転換部材
をベアリング本体の端面より内側に配置することによ
り、ベアリングがブロックに衝突したときでも、ボール
方向転換部材が衝撃から保護されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボールねじと直線運動
用ボールベアリングとを一体的に組合せて成る一軸テー
ブル送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールねじと直線運動用ボールベアリン
グとを一体的に組合せて成る一軸テーブル送り装置に
は、実開平2−116056号に開示されるものがあ
る。以下、図23及び図24を参照して、この種の一軸
テーブル送り装置を説明する。
【0003】一軸テーブル送り装置101は、回転駆動
される送りねじ軸111との間で転動体(図示せず)を
介して螺合するボールナット112と、両側面にボール
転動溝134を具えたベアリング103と、ベアリング
103のボール転動溝134に対向するボール転動溝1
23を具えて送りねじ軸111と平行に延びる軌道台1
02とを有してなる。ボールナット112はベアリング
103に固定されている。ベアリング103は、さら
に、ボールの戻り通路132を有する。そして、ボール
106が循環できるように、ベアリング103の端面に
は、エンドキャップ105が取付けられている。ボール
転動溝123,134、戻り通路132及びエンドキャ
ップ105により、ボール無限循環路が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンド
キャップ105を利用した一軸テーブル送り装置101
には、次のような欠点があった。 (1) 通常エンドキャップ105はプラスチックからなっ
ており、ベアリング103の軸方向両端面にボルトによ
り固定されているため、ベアリング103がオーバーラ
ンして、送りねじ軸111を支持する支持ブロック11
3,114や、ベアリング103の往復動の限界を定め
るストッパに衝突した場合には、エンドキャップ105
の位置がずれて、ボール106の循環が悪くなる。 (2) ベアリング103に、より大きい負荷荷重が要求さ
れる場合、それに応じてベアリング103のサイズが大
きくなる。しかし、大きくなるに伴い、ボール無限循環
路が長くなり、ボール106の循環が重くなり、従っ
て、ベアリング103の作動性を損ねることになる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転駆動され
る送りねじ軸との間で転動体を介して螺合するナットを
具えたベアリング本体の側面にボール転動溝を形成し、
前記送りねじ軸と平行に延びる軌道台に形成されたボー
ル転動溝との間でボールを介して前記ベアリング本体が
直線運動するようにした一軸テーブル送り装置におい
て、前記ベアリング本体にボールの戻り通路を設けると
ともに、前記ボール転動溝と前記戻り通路とをつないで
ボール無限循環路を形成するボール方向転換部材を前記
ベアリング本体の端面より内側に配置した一軸テーブル
送り装置により、前記課題を解決した。
【0006】
【作用】ベアリングは回転駆動される送りねじ軸から直
線運動力が伝達される。ベアリングは軌道台に対して直
線運動を行う。ボールは、ボール転動溝、ボール戻り通
路及びボール方向転換部材からなるボール無限循環路を
循環する。
【0007】ベアリングが往復動したとき、例えば送り
ねじ軸の支持ブロックやストッパに衝突することになる
が、本発明の一軸テーブル送り装置では、ボール方向転
換部材をベアリング本体の端面より内側に配置すること
によってこれを保護しているので、支持ブロック等から
ベアリング本体に加わる衝撃によってボールの循環に悪
影響を及ぼすことがない。
【0008】また、ボール方向転換部材をベアリング本
体の内部に設けることにしたので、複数のボール無限循
環路を軸方向直列に分割形成することができ、その結
果、1つのボール無限循環路の長さを短くして、ボール
の循環を円滑に行わせることができる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1乃至図20は本発明による一軸テーブル送り
装置の第1実施例を示している。一軸テーブル送り装置
1は、図1乃至図5に示されるように、軌道台2と、こ
の軌道台2に沿って案内されるベアリング本体3と、ベ
アリング本体3を直線運動させるための送りねじ軸11
及びボールナット12からなるボールねじ機構10とを
有してなる。送りねじ軸11は、軌道台2の両端に設け
られた支持ブロック13,14により支持されている。
【0010】軌道台2は、上面に開口を有し、底部20
及び一対の起立部21,21からなっており、断面が略
々コ字形状又はC字形状である。底部20には、軌道台
2をベース等に固定するための貫通穴22が設けられて
いる。軌道台2の各々の起立部21,21の内周面に
は、各1条ずつ合計2条のボール転動溝23,23が互
いに対向して形成されている。
【0011】ベアリング本体3は、図5、図7及び図8
に示されるように、軌道台2の起立部21,21の間に
嵌挿されている。ベアリング本体3の両側面には、軌道
台2のボール転動溝23,23に対向するボール転動溝
34,34が形成されている。ボール転動溝23,2
3,34,34の間には、多数のボール6が転動可能に
介在しており、このボール6により、ベアリング本体3
は軌道台2に対して支持されている。
【0012】軌道台2及びベアリング本体3に形成され
た各々のボール転動溝23,23,34,34は、図6
に示されるように、ゴチックアーク形状であり、ボール
6との接触角は水平線Hに対して45°となっている。
そして、ボール転動溝23,23,34,34の対向間
隔より大きめの直径のボールを使用することにより(オ
ーバーサイズボール方式)、ボール6は、各々のボール
転動溝23,23,34,34から予圧を付与されてい
る。これにより、ベアリング本体3に作用する上下左右
方向荷重を均等に支持できるとともに、モーメント荷重
に対しても安定した構造となっている。
【0013】図1、図5及び図8に示されるように、ベ
アリング本体3の中央には、ボールナット12を挿入固
定するための穴37と、送りねじ軸11を挿通させるた
めの貫通穴38が形成されている。穴37及び貫通穴3
8は、ベアリング本体3の両側面に形成されたボール転
動溝34,34間の略々中心に設けられている。
【0014】穴37及び貫通穴38とベアリング本体3
の両側面との間には、各々のボール転動溝34,34に
対応して一対のボール戻り通路32,32が形成されて
いる。ボール戻り通路32,32の中心は、ボール転動
溝34,34の中心を通る水平線上にある。
【0015】ボールねじ機構10は、図1、図2及び図
5に示されるように、チューブ12aをチューブ押え1
2bで固定した周知のチューブタイプのものが使用され
ている。ボールナット12の円筒部12dはベアリング
本体3の穴37に嵌合されるサイズである。ボールナッ
ト12のフランジ部12cをベアリング本体3の端面に
当接させ、フランジ部12cのねじ取付け穴12eを通
じて固定ボルト27をベアリング本体3の端面に形成さ
れたねじ穴39に螺合させることにより、ボールナット
12はベアリング本体3に固定される。また、要求され
るベアリング本体3の位置決め精度に応じて、送りねじ
軸11とボールナット12間に介在する転動体(図示せ
ず)に予圧を付与するか若干の軸方向隙間をもたせるか
が決められる。予圧付与の方法は、前述のオーバーサイ
ズボール方式が採用される。
【0016】この種の装置では、各ボール転動溝23、
34と各ボール戻り通路32をつないでボール6のボー
ル無限循環路を形成しなければならない。次に、ボール
無限循環路を形成するためのボール方向転換部材につい
て説明する。
【0017】ボール方向転換部材7は、図5、図11及
び図12に示されるように円形であり、上部プレート8
及び下部プレート9とを有してなる。上部プレート8及
び下部プレート9は、各々、方向転換路を形成するため
の互いに対向する断面半円状の方向転換溝8a,9a
と、ボール転動溝23,23,34,34との間でボー
ル6を円滑に供受するためのボール掬い部8b,9bを
有する。ボール方向転換部材7、すなわち、上部プレー
ト8及び下部プレート9は、金属製又はプラスチック製
である。
【0018】ベアリング本体3には、図7乃至図10に
示されるように、4隅近傍において、ボール方向転換部
材7を受け入れるための円形凹所33が形成されてい
る。凹所33は、ベアリング本体3の端面から没入した
位置に形成されている。
【0019】上部プレート8及び下部プレート9には、
図11及び図12に示されるように、各々、ピン穴8
c,9c及び貫通穴8d,9dが形成されている。ま
た、ベアリング本体3には、各凹所33において、ピン
穴33c及びねじ穴33dが形成されている。上部プレ
ート8並びに下部プレート9、及び、ベアリング本体3
の凹所33の各ピン穴8c,9c,33cには、図13
に示される位置決めピン42が嵌合される。また、上部
プレート8並びに下部プレート9の貫通穴8d,9d、
及び、ベアリング本体3の凹所33のねじ穴33dに
は、図5に示されるように、固定ボルト28が挿通さ
れ、上部プレート8及び下部プレート9がベアリング本
体3に正確に位置決め締結されるようになっている。
【0020】ベアリング本体3の一方の端面側に位置す
る上部プレート8には、さらに、その上面と方向転換溝
8aを連通する貫通穴8eが形成されている。ベアリン
グ本体3は、一方の端面において、図7及び図9に示さ
れるように、グリースニップル50が固着される穴51
を有する。穴51はベアリング本体3内部に形成された
供給路52に連通している。供給路52は、さらに、図
10に示されるように、ベアリング本体3の一方の端面
における凹所33に形成された穴33eと連通してい
る。グリースニップル50から供給されるグリース又は
オイルは、穴51、供給路52、穴33e及び貫通孔8
eを通じて方向転換溝8aに供給される。そして、グリ
ース又はオイルは、ボール6を介してボール無限循環路
に供給される。
【0021】上部プレート8及び下部プレート9を各々
対にしてベアリング本体3の凹所33に嵌着固定した
後、軌道台2のボール転動溝23,23及びベアリング
本体3のボール転動溝34,34間に所定の予圧を付与
できる寸法のボール6が順次挟み込まれる。
【0022】その後に、防塵シールが取付けられる。防
塵シールは、ベアリング4の軸方向両端面に取付けら
れ、軌道台2の起立部21,21とベアリング本体3の
側面の間をシールする端面シールと16、ベアリング本
体3の上面に取付けられ、各起立部21の上端から起立
部21,21とベアリング本体3の側面の間に塵埃等が
侵入することを防止する図16のような上面シール17
からなる。
【0023】端面シール16は、図14及び図15に示
されるように、軌道台2のボール転動溝23,23に摺
接できるように略々半円状突起24aを有するフェルト
製シール24を一対の金属板25,25でサンドイッチ
状に挟み込んで形成されている。金属板25は、軌道台
2の起立部21,21に摺接しないように、フェルト製
シール24より若干小さく形成されている。端面シール
16は、ボルト29をベアリング本体3の各々の端面に
形成されたねじ穴40に螺合させることによって固定さ
れる。
【0024】上面シール17は、図16に示される形状
のテフロン製(テトラフルオロエチレン製)である。上
面シール17に設けられた穴17aとベアリング本体3
の上面に形成されたねじ穴41にはカシメピン30が圧
入される。
【0025】図1及び図2に戻り、ボールねじ機構10
の送りねじ軸11は、各々軸受18,19を介して両端
を支持ブロック13,14に支持されている。一方の支
持ブロック13側では、モータブラケット15に取付け
られたモータ(図示せず)に送りねじ軸11が連結部材
(図示せず)を介して連結される。
【0026】テーブル送り装置1全体をカバーする場合
は、図17乃至図20に示されるように、取付板60を
ベアリング本体3の上面にボルト66で取付け、取付板
60の凹部61内をカバー70が嵌まるようにする。取
付板60は、その貫通穴63を通じ、ベアリング本体3
の上面に形成されたねじ穴31に螺合するボルト66に
より固定される。取付板60の両凸部62に形成された
ねじ穴64は、カバー70を取付けた場合、テーブル
(図示せず)を固着するためのものである。取付板60
及びカバー70が不要な場合は、ベアリング本体3の上
面のねじ穴31にテーブルを直接固着することができ
る。カバー70は、貫通穴71を通じ、支持ブロック1
3,14上に形成されたねじ穴13a,14aにボルト
73を螺合させることにより固定支持される。
【0027】上記構成の一軸テーブル送り装置1にあっ
ては、モータを回転駆動させると、送りねじ軸11が回
転し、その回転運動がボールナット12を介してベアリ
ング本体3に伝達され、ベアリング本体3が軌道台2に
沿って直線往復運動を行う。本発明の一軸テーブル送り
装置1では、ボール6の無限循環運動を行うために不可
欠のボール方向転換部材7が、ベアリング本体3に内
蔵、すなわち、ベアリング本体3の端面から内部に没入
した部位に設けられているので、ベアリング本体3が支
持ブロック13,14等に衝突しても、ボール6の循環
に悪影響を及ぼすことはない。
【0028】図21は、本発明の第2実施例を示してい
る。本実施例は、ベアリング本体3’内に軸方向直列に
2つのボール無限循環路を形成したものである。すなわ
ち、ベアリング本体3’の一方の側面には2つのボール
無限循環路が、ベアリング本体3’の他方の側面にも2
つのボール無限循環路が形成されている。本実施例のよ
うな構成にできるのは、ボール方向転換部材7をベアリ
ング本体3’のどのような部位にも取付けられるように
したことに基づく。なお、グリース又はオイルを全ての
ボール無限循環路に供給するために、グリースニップル
や供給路はベアリング本体3’の両端面に設けられる。
他の構成については第1実施例と同じであるので、詳細
な説明は省略する。なお、図21に示された符号は、第
1実施例で説明した同じ部材に対応している。
【0029】本実施例の一軸テーブル送り装置1’で
は、ベアリング本体3’の一方の側面のボール無限循環
路が分割形成されているので、ベアリング本体3’のサ
イズが大きくなっても、ボール無限循環路の全長が長く
ならず、ボール6の循環が重くなったり、その作動性が
悪くなったりすることがない。
【0030】図22は、ボール方向転換部材の他の実施
例を示している。このボール方向転換部材7’は、固体
潤滑剤を含有した自己潤滑複合材料で成形されている。
自己潤滑複合材料と例としては、二硫化タングステンや
二硫化モリブデン等の固体潤滑剤を金属等の母材に含浸
させたもの、或いは、固体潤滑剤と銅、錫、タンタル等
の金属を焼結したものがある。従って、この部分への潤
滑は不要になるので、ベアリングにはグリースニップル
や供給路等を設ける必要がなく、また、上部プレート
8’にもグリース又はオイル供給用の貫通穴を設ける必
要がない。このように、材料を変更することにより、コ
ストダウンを図ることができる。
【0031】自己潤滑複合材料からなるボール方向転換
部材7’を利用することにより、ボール無限循環路のボ
ール方向転換部材中を通過するボールは、ボール方向転
換部材と摺接することにより、固体潤滑剤を少しずつ受
け取って表面に被膜を形成するとともに、ボール無限循
環路を循環する間に、ボール転動溝23,23,34,
34及び戻り通路32,32に固体循環剤を供給する。
ボール転動溝23,23,34,34,及び戻り通路3
2,32,において、ボール6を媒体として形成された
固体潤滑剤の被膜は、その量がきわめて微量で、ごく薄
いものである。しかし、ボール6が循環することによ
り、固体潤滑剤が供給されるので、長期間に亘ってベア
リングの耐久性及び作動性等を良好に維持することがで
きる。
【0032】以上の実施例では、ベアリング本体3とボ
ールねじ機構10を別体として、相互に固着したものを
例示したが、ベアリング本体3に直接転動体の螺旋溝を
形成して、ベアリング本体3とボールねじ機構10とを
一体にしたものについても本発明を適用することができ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明はボール方向転換部材をベアリン
グ端面から没入配置することにより、ベアリングが送り
ねじ軸の支持ブロックやストッパに衝突しても、ボール
方向転換部材にその衝撃が加わることがなく、ボールの
循環機能の適切な保護及び維持が可能となった。
【0034】一軸テーブル送り装置を高荷重用に改良す
る場合、一般的には、ボール無限循環路を長くしなけれ
ばならないが、本発明では、ボール方向転換部材をベア
リング内部に設けることができるので、複数のボール無
限循環路を軸方向直列に分割形成して、1つのボール無
限循環路の長さを短くすることができ、各々のボール無
限循環路内のボールの循環を円滑に行わせることができ
る。
【0035】請求項2の一軸テーブル送り装置では、ピ
ンがその位置決め機能を有し、ボール転動溝及びボール
戻り通路とボール方向転換部材との間でボールの循環を
極めて円滑に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一軸テーブル送り装置の第1実施
例の一部断面を含む平面図である。
【図2】図1の一軸テーブル送り装置の一部断面を含む
側面図である。
【図3】図1の一軸テーブル送り装置の正面図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】図1の一軸テーブル送り装置の要部分解斜視図
である。
【図6】ベアリングのボール転動溝及び軌道台のボール
転動溝と、ボールとの接触状態を説明する断面図であ
る。
【図7】ベアリングの側面図である。
【図8】ベアリングの正面図である。
【図9】ベアリングの平面図である。
【図10】ベアリングの底面図である。
【図11】ボール方向転換部材の上部プレートの斜視図
である。
【図12】ボール方向転換部材の下部プレートの斜視図
である。
【図13】位置決めピンの斜視図である。
【図14】端面シールを構成するフェルト製シールの斜
視図である。
【図15】端面シールを構成する金属板の斜視図であ
る。
【図16】上面シールの斜視図である。
【図17】ベアリングに取付板を固着し、一軸テーブル
送り装置にカバーを取付けた状態の断面図である。
【図18】図17の一軸テーブル送り装置の長手方向断
面図である。
【図19】取付板の斜視図である。
【図20】カバーの斜視図である。
【図21】本発明による一軸テーブル送り装置の第2実
施例を説明する要部断面図である。
【図22】ボール方向転換部材の変更例を説明する斜視
図である。
【図23】従来の一軸テーブル送り装置の一部断面を含
む正面図である。
【図24】図23の一軸テーブル送り装置の要部拡大断
面図である。
【符号の説明】
1,1’ 一軸テーブル送り装置 2 軌道台 3,3’ ベアリング本体 6 ボール 7,7’ ボール方向転換部材 8,8’ 上部プレート 9 下部プレート 10 ボールねじ機構 11 送りねじ軸 12 ボールナット 13,14 支持ブロック 16 端面シール 17 上面シール 23 ボール転動溝 32 ボール戻り通路 33 凹所 34 ボール転動溝 70 カバー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 方向転換部材をベアリング本体に内
蔵させた一軸テーブル送り装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボールねじと直線運動
用ボールベアリングとを一体的に組み合わせて成る一軸
テーブル送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールねじと直線運動用ボールベアリン
グとを一体的に組み合わせて成る一軸テーブル送り装置
には、実開平2−116056号に開示されるものがあ
る。以下、図23及び図24を参照して、この種の一軸
テーブル送り装置を説明する。
【0003】一軸テーブル送り装置101は、回転駆動
される送りねじ軸111と、このねじ軸111の間で転
動体(図示せず)を介して螺合し且つ両側面にボール転
動溝134を具えたベアリング103と、ベアリング1
03のボール転動溝134に対向するボール転動溝12
3を具えて送りねじ軸111と平行に延びる軌道台10
2とを有してなる。ベアリング103は、さらに、ボー
ルの戻り通路132を有する。そして、ボール106が
循環できるように、ベアリング103の端面には、エン
ドキャップ105が取付けられている。エンドキャップ
105には湾曲ボール溝107が形成されている。ボー
ル転動溝123,134、戻り通路132及び湾曲ボー
ル溝107により、ボール無限循環路が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンド
キャップ105を利用した一軸テーブル送り装置101
には、次のような欠点があった。 (1)通常エンドキャップ105はプラスチックからな
っており、ベアリング103の軸方向両端面にボルトに
より固定されているため、ベアリング103がオーバー
ランして、送りねじ軸111を支持する支持ブロック1
13,114や、ベアリング103の往復動の限界を定
めるストッパに衝突した場合には、エンドキャップ10
5の位置がずれて、ボール106の循環が悪くなる。 (2)ベアリング103に、より大きい負荷荷重が要求
される場合、それに応じてベアリング103のサイズが
大きくなる。しかし、大きくなるに伴い、ボール無限循
環路が長くなり、ボール106の循環が重くなり、従っ
て、ベアリング103の作動性を損ねることになる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転駆動され
る送りねじ軸との間で転動体を介して螺合するナットを
具えたベアリング本体の側面にボール転動溝を形成し、
前記送りねじ軸と平行に延びる軌道台に形成されたボー
ル転動溝との間でボールを介して前記ベアリング本体が
直線運動するようにした一軸テーブル送り装置におい
て、前記ベアリング本体にボールの戻り通路を設けると
ともに、前記ボール転動溝と前記戻り通路とをつないで
ボール無限循環路を形成するボール方向転換部材を前記
ベアリング本体の端面より内側に配置した一軸テーブル
送り装置により、前記課題を解決した。
【0006】
【作用】ベアリングは回転駆動される送りねじ軸から直
線運動力が伝達される。ベアリングは軌道台に対して直
線運動を行う。ボールは、ボール転動溝、ボール戻り通
路及びボール方向転換部材からなるボール無限循環路を
循環する。
【0007】ベアリングが所定の行程以上に作動したと
き、例えば送りねじ軸の支持ブロックやストッパに衝突
することになるが、本発明の一軸テーブル送り装置で
は、ボール方向転換部材をベアリング本体の端面より内
側に配置することによってこれを保護しているので、支
持ブロック等からベアリング本体に加わる衝撃によって
ボールの循環に悪影響を及ぼすことがない。
【0008】また、ボール方向転換部材をベアリング本
体の内部に設けることにしたので、複数のボール無限循
環路を軸方向直列に分割形成することができ、その結
果、1つのボール無限循環路の長さを短くして、ボール
の循環を円滑に行わせることができる。そして、自己潤
滑剤を含有した材料からボール方向転換部材を構成する
ことにより、ボール転動溝全体に亘って適度の固体潤滑
剤が供給される。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1乃至図20は本発明による一軸テーブル送り
装置の第1実施例を示している。一軸テーブル送り装置
1は、図1乃至図5に示されるように、軌道台2と、こ
の軌道台2に沿つて案内されるベアリング本体3と、ベ
アリング本体3を直線運動させるための送りねじ軸11
及びボールナット12からなるボールねじ機構10とを
有してなる。送りねじ軸11は、軌道台2の両端に設け
られた支持ブロック13,14により支持されている。
【0010】軌道台2は、上面に開口を有し、底部20
及び一対の起立部21,21からなっており、断面が略
々コ字形状又はC字形状である。底部20には、軌道台
2をベース等に固定するための貫通穴22が設けられて
いる。軌道台2の各々の起立部21,21の内周面に
は、各1条ずつ合計2条のボール転動溝23,23が互
いに対向して形成されている。
【0011】ベアリング本体3は、図5、図7及び図8
に示されるように、軌道台2の起立部21,21の間に
嵌挿されている。ベアリング本体3の両側面には、軌道
台2のボール転動溝23,23に対向するボール転動溝
34,34が形成されている。ボール転動溝23,2
3,34,34の間には、多数のボール6が転動可能に
介在しており、このボール6により、ベアリング本体3
は軌道台2に対して支持されている。
【0012】軌道台2及びベアリング本体3に形成され
た各々のボール転動溝23,23,34,34は、図6
に示されるように、ゴチックアーク形状であり、ボール
6との接触角は水平線Hに対して略45°付近となって
いる。そして、ボール転動溝23,23,34,34の
対向間隔より大きめの直径のボールを使用することによ
り(オーバーサイズボール方式)、ボール6は、各々の
ボール転動溝23,23,34,34から予圧を付与さ
れている。これにより、ベアリング本体3に作用する上
下左右方向荷重を均等に支持できるとともに、モーメン
ト荷重に対しても安定した構造となっている。
【0013】図1、図5及び図8に示されるように、ベ
アリング本体3の中央には、ボールナット12を挿入固
定するための穴37と、送りねじ軸11を挿通させるた
めの貫通穴38が形成されている。穴37及び貫通穴3
8は、ベアリング本体3の両側面に形成されたボール転
動溝34,34間の略々中心に設けられている。
【0014】穴37及び貫通穴38とベアリング本体3
の両側面との間には、各々のボール転動溝34,34に
対応して一対のボール戻り通路32,32が形成されて
いる。ボール戻り通路32,32の中心は、ボール転動
溝34,34の中心を通る水平線上にある。
【0015】ボールねじ機構10は、図1、図2及び図
5に示されるように、チューブ12aをチューブ押え1
2bで固定した周知のチューブタイプのものが使用され
ている。ボールナット12の円筒部12dはベアリング
本体3の穴37に嵌合されるサイズである。ボールナッ
ト12のフランジ部12cをベアリング本体3の端面に
当接させ、フランジ部12cのねじ取付け穴12eを通
じて固定ボルト27をベアリング本体3の端面に形成さ
れたねじ穴39に螺合させることにより、ボールナット
12はベアリング本体3に固定される。また、要求され
るベアリング本体3の位置決めに応じて、送りねじ軸1
1とボールナット12間に介在する転動体(図示せず)
に予圧を付与するか若干の軸方向隙間をもたせるかが決
められる。予圧付与の方法は、前述のオーバーサイズボ
ール方式が採用される。
【0016】この種の装置では、各ボール転動溝23、
34と各ボール戻り通路32をつないでボール6のボー
ル無限循環路を形成しなければならない。次に、ボール
無限循環路を形成するためのボール方向転換部材につい
て説明する。
【0017】ボール方向転換部材7は、図5、図11及
び図12に示されるように円形であり、上部プレート
1,82,83,84及び下部プレート91,92,9
3,94とを有してなる。以下、上部プレート81及び
下部プレート91を例にして、これらの構成を説明する
(サフィックスa,b,c,d,eは対応する部分を示
す)。上部プレート81及び下部プレート91は、各
々、方向転換路を形成するための互いに対向する断面半
円状の方向転換溝81a91aと、ボール転動溝2
3,23,34,34との間でボール6を円滑に移動さ
せるためのボール掬い部81b91bを有する。ボー
ル方向転換部材7、すなわち、上部プレート81及び下
部プレート91は、金属製又はプラスチック製である。
【0018】ベアリング本体3には、図7乃至図10に
示されるように、4隅近傍において、ボール方向転換部
材7を受け入れるための円形凹所33が形成されてい
る。凹所33は、ベアリング本体3の端面から没入した
位置に形成されている。
【0019】上部プレート81及び下部プレート91
は、図11及び図12に示されるように、各々、ピン穴
81c91c及び貫通穴81d91dが形成されて
いる。また、ベアリング本体3には、各凹所33におい
て、ピン穴33c及びねじ穴33dが形成されている。
上部プレート81並びに下部プレート91、及び、ベア
リング本体3の凹所33の各ピン穴81c91c,3
3cには、図13に示される位置決めピン42が嵌合さ
れる。また、上部プレート81並びに下部プレート91
の貫通穴81d91d、及び、ベアリング本体3の凹
所33のねじ穴33dには、図5に示されるように、固
定ボルト28が挿通され、上部プレート81及び下部プ
レート91がベアリング本体3に正確に位置決め締結さ
れるようになっている。
【0020】ベアリング本体3の一方の端面側に位置す
る上部プレート81には、さらに、その上面と方向転換
81aを連通する貫通穴81eが形成されている。ベ
アリング本体3は、一方の端面において、図7及び図9
に示されるように、グリースニップル50が固着される
穴51を有する。穴51はベアリング本体3内部に形成
された供給路52に連通している。供給路52は、さら
に、図10に示されるように、ベアリング本体3の一方
の端面における凹所33に形成された穴33eと連通し
ている。グリースニップル50から供給されるグリース
又はオイルは、穴51、供給路52、穴33e及び貫通
81eを通じて方向転換溝81aに供給される。そし
て、グリース又はオイルは、ボール6を介してボール無
限循環路に供給される。
【0021】上部プレート81,82,83,84及び
下部プレート91,92,93,94を各々対にしてベ
アリング本体3の凹所33に嵌着固定した後、軌道台2
のボール転動溝23,23及びベアリング本体3のボー
ル転動溝34,34間に所定の予圧を付与できる寸法の
ボール6が順次挟み込まれる。
【0022】その後に、防塵シールが取付けられる。防
塵シールは、ベアリング本体3の軸方向両端面に取付け
られ、軌道台2の起立部21,21とベアリング本体3
の側面の間をシールする端面シール16と、ベアリング
本体3の上面に取付けられ、各起立部21の上端から起
立部21,21とベアリング本体3の側面の間に塵埃等
が侵入することを防止する図16のような上面シール1
7からなる。
【0023】端面シール16は、図14及び図15に示
されるように、軌道台2のボール転動溝23,23に摺
接できるように略々半円状突起24aを有するフェルト
製シール24を一対の金属板25,25でサンドイッチ
状に挟み込んで形成されている。金属板25は、軌道台
2の起立部21,21に摺接しないように、フェルト製
シール24より若干小さく形成されている。端面シール
16は、ボルト29をベアリング本体3の各々の端面に
形成されたねじ穴40に螺合させることによって固定さ
れる。
【0024】上面シール17は、図16に示される形状
のテフロン製(テトラフルオロエチレン製)である。上
面シール17に設けられた穴17aとベアリング本体3
の上面に形成されたねじ穴41にはカシメピン30が圧
入される。
【0025】図1及び図2に戻り、ボールねじ機構10
の送りねじ軸11は、各々軸受18,19を介して両端
を支持ブロック13,14に支持されている。一方の支
持ブロック13側では、モータブラケット15に取付け
られたモータ(図示せず)に送りねじ軸11が連結部材
(図示せず)を介して連結される。
【0026】テーブル送り装置1全体をカバーする場合
は、図17乃至図20に示されるように、取付板60を
ベアリング本体3の上面にボルト66で取付け、取付板
60の凹部61内をカバー70が嵌まるようにする。取
付板60は、その貫通穴63を通じ、ベアリング本体3
の上面に形成されたねじ穴31に螺合するボルト66に
より固定される。取付板60の両凸部62に形成された
ねじ穴64は、カバー70を取付けた場合、テーブル
(図示せず)を固着するためのものである。取付板60
及びカバー70が不要な場合は、ベアリング本体3の上
面のねじ穴31にテーブルを直接固着することができ
る。カバー70は、貫通穴71を通じ、支持ブロック1
3,14上に形成されたねじ穴13a,14aにボルト
73を螺合させることにより固定支持される。
【0027】上記構成の一軸テーブル送り装置1にあっ
ては、モータを回転駆動させると、送りねじ軸11が回
転し、その回転運動がボールナット12を介してベアリ
ング本体3に伝達され、ベアリング本体3が軌道台2に
沿って直線往復運動を行う。本発明の一軸テーブル送り
装置1では、ボール6の無限循環運動を行うために不可
欠のボール方向転換部材7が、ベアリング本体3に内
蔵、すなわち、ベアリング本体3の端面から内部に没入
した部位に設けられているので、ベアリング本体3が支
持ブロック13,14等に衝突しても、ボール6の循環
に悪影響を及ぼすことはない。
【0028】図21は、本発明の第2実施例を示してい
る。本実施例は、ベアリング本体3’内に軸方向直列に
2つのボール無限循環路を形成したものである。すなわ
ち、ベアリング本体3’の一方の側面には2つのボール
無限循環路が、ベアリング本体3’の他方の側面にも2
つのボール無限循環路が形成されている。本実施例のよ
うな構成にできるのは、ボール方向転換部材7をベアリ
ング本体3’のどのような部位にも取付けられるように
したことに基づく。なお、グリース又はオイルを全ての
ボール無限循環路に供給するために、グリースニップル
や供給路はベアリング本体3’の両端面に設けられる。
他の構成については第1実施例と同じであるので、詳細
な説明は省略する。なお、図21に示された符号は、第
1実施例で説明した同じ部材に対応している。
【0029】本実施例の一軸テーブル送り装置1’で
は、ベアリング本体3’の一方の側面のボール無限循環
路が分割形成されているので、ベアリング本体3’のサ
イズが大きくなっても、ボール無限循環路の全長が長く
ならず、ボール6の循環が重くなったり、その作動性が
悪くなったりすることがない。
【0030】図22は、ボール方向転換部材の他の実施
例を示している。このボール方向転換部材7’は、固体
潤滑剤を含有した自己潤滑複合材料で成形されてい
る。自己潤滑複合材料と例としては、二硫化タングス
テンや二硫化モリブデン等の固体潤滑剤を金属等の母材
に含浸させたもの、或いは、固体潤滑剤と銅、錫、タン
タル等の金属を焼結したものがある。従って、この部分
への潤滑は不要になるので、ベアリングにはグリースニ
ップルや供給路等を設ける必要がなく、また、上部プレ
ート8’にもグリース又はオイル供給用の貫通穴を設け
る必要がない。8’aは方向転換溝を、8’bはボール
掬い部を、8’cはピン穴を、8’dは貫通穴をそれぞ
れ示す。このように、材料を変更することにより、コス
トダウンを図ることができる。
【0031】自己潤滑複合材料からなるボール方向転
換部材7’を利用することにより、ボール無限循環路の
ボール方向転換部材中を通過するボールは、ボール方向
転換部材と摺接することにより、固体潤滑剤を少しずつ
受け取って表面に被膜を形成するとともに、ボール無限
循環路を循環する間に、ボール転動溝23,23,3
4,34及び戻り通路32,32に固体潤滑剤を供給す
る。ボール転動溝23,23,34,34,及び戻り通
路32,32,において、ボール6を媒体として形成さ
れた固体潤滑剤の被膜は、その量がきわめて微量で、ご
く薄いものである。しかし、ボール6が循環することに
より、固体潤滑剤が供給されるので、長期間に亘ってベ
アリングの耐久性及び作動性等を良好に維持することが
できる。
【0032】以上の実施例では、ベアリング本体3とボ
ールねじ機構10を別体として、相互に固着したものを
例示したが、ベアリング本体3に直接転動体の螺旋溝を
形成して、ベアリング本体3とボールねじ機構10とを
一体にしたものについても本発明を適用することができ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明はボール方向転換部材をベアリン
グ端面から没入配置することにより、ベアリングが送り
ねじ軸の支持ブロックやストッパに衝突しても、ボール
方向転換部材にその衝撃が加わることがなく、ボールの
循環機能の適切な保護及び維持が可能となった。
【0034】一軸テーブル送り装置を高荷重用に改良す
る場合、一般的には、ボール無限循環路を長くしなけれ
ばならないが、本発明では、ボール方向転換部材をベア
リング内部に設けることができるので、複数のボール無
限循環路を軸方向直列に分割形成して、1つのボール無
限循環路の長さを短くすることができ、各々のボール無
限循環路内のボールの循環を円滑に行わせることができ
る。
【0035】請求項2の一軸テーブル送り装置では、ピ
ンがその位置決め機能を有し、ボール転動溝及びボール
戻り通路とボール方向転換部材との間でボールの循環を
極めて円滑に行わせることができる。請求項4の一軸テ
ーブル送り装置では、自己潤滑剤を含有した材料からボ
ール方向転換部材を構成することにより、ボール転動溝
全体に亘って適度の固体潤滑剤が供給されるから、潤滑
油供給手段が不要になり、コストダウンを図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一軸テーブル送り装置の第1実施
例の一部断面を含む平面図である。
【図2】図1の一軸テーブル送り装置の一部断面を含む
側面図である。
【図3】図1の一軸テーブル送り装置の正面図である。
【図4】図の4−4線断面図である。
【図5】図1の一軸テーブル送り装置の要部分解斜視図
である。
【図6】ベアリングのボール転動溝及び軌道台のボール
転動溝と、ボールとの接触状態を説明する断面図であ
る。
【図7】ベアリングの側面図である。
【図8】ベアリングの正面図である。
【図9】ベアリングの平面図である。
【図10】ベアリングの底面図である。
【図11】ボール方向転換部材の上部プレートの斜視図
である。
【図12】ボール方向転換部材の下部プレートの斜視図
である。
【図13】位置決めピンの斜視図である。
【図14】端面シールを構成するフェルト製シールの斜
視図である。
【図15】端面シールを構成する金属板の斜視図であ
る。
【図16】上面シールの斜視図である。
【図17】ベアリングに取付板を固着し、一軸テーブル
送り装置にカバーを取付けた状態の断面図である。
【図18】図17の一軸テーブル送り装置の長手方向断
面図である。
【図19】取付板の斜視図である。
【図20】カバーの斜視図である。
【図21】本発明による一軸テーブル送り装置の第2実
施例を説明する要部断面図である。
【図22】ボール方向転換部材の変更例を説明する斜視
図である。
【図23】従来の一軸テーブル送り装置の一部断面を含
む側面図である。
【図24】図23の一軸テーブル送り装置の要部拡大断
面図である。
【符号の説明】 1,1’ 一軸テーブル送り装置 2 軌道台 3,3’ ベアリング本体 6 ボール 7,7’ ボール方向転換部材 10 ボールねじ機構 11 送りねじ軸 12 ボールナット 13,14 支持ブロック 16 端面シール 17 上面シール 23 ボール転動溝 32 ボール戻り通路 33 凹所 34 ボール転動溝 70 カバー81.82,83,84,8’ 上部プレート 91,92,93,94 下部プレート
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図22
【補正方法】変更
【補正内容】
【図22】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図23
【補正方法】変更
【補正内容】
【図23】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24
【補正方法】変更
【補正内容】
【図24】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動される送りねじ軸との間で転動
    体を介して螺合するナットを具えたベアリング本体の側
    面にボール転動溝を形成し、前記送りねじ軸と平行に延
    びる軌道台に形成されたボール転動溝との間でボールを
    介して前記ベアリング本体が直線運動するようにした一
    軸テーブル送り装置において、 前記ベアリング本体にボールの戻り通路を設けるととも
    に、前記ボール転動溝と前記戻り通路とをつないでボー
    ル無限循環路を形成するボール方向転換部材を前記ベア
    リング本体の端面より内側に配置したことを特徴とす
    る、 一軸テーブル送り装置。
  2. 【請求項2】 前記ボール方向転換部材は前記ベアリン
    グ本体に形成された凹所に嵌着されており、前記ボール
    方向転換部材は、それに形成された穴と前記ベアリング
    に形成された孔に圧入されたピンにより、前記ベアリン
    グ本体に位置決めされている、請求項1記載の一軸テー
    ブル送り装置。
  3. 【請求項3】 前記ボール方向転換部材は、断面半円状
    の方向転換路が形成された上部プレート及び下部プレー
    トからなる、請求項1又は2記載の一軸テーブル送り装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ボール方向転換部材は自己潤滑剤を
    含有した材料からなる、請求項1乃至3のいずれか1つ
    に記載の一軸テーブル送り装置。
  5. 【請求項5】 前記ボール無限循環路が軸方向直列に2
    対以上設けられている、請求項1乃至4のいずれか1つ
    に記載の一軸テーブル送り装置。
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