JP3183927B2 - 方向転換部材をベアリング本体に内蔵させた一軸テーブル送り装置 - Google Patents

方向転換部材をベアリング本体に内蔵させた一軸テーブル送り装置

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JP3183927B2 JP35805791A JP35805791A JP3183927B2 JP 3183927 B2 JP3183927 B2 JP 3183927B2 JP 35805791 A JP35805791 A JP 35805791A JP 35805791 A JP35805791 A JP 35805791A JP 3183927 B2 JP3183927 B2 JP 3183927B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボールねじと直線運動
用ボールベアリングとを一体的に組み合せて成る一軸テ
ーブル送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールねじと直線運動用ボールベアリン
グとを一体的に組み合せて成る一軸テーブル送り装置
して例えば、実開平2−116056号公報に開示さ
ているものがある。以下、図23及び図24を参照し
て、この公報に開示されている一軸テーブル送り装置
基本構成を概説する。
【0003】一軸テーブル送り装置101は、両内側面
に互いに対向する軸方向のボール転動溝123,123
を有して上方が開口した横断面略コ字状の軌道台102
と、この軌道台102のボール転動溝123,123に
対向するボール転動溝134,134を両外側面に有す
ると共にその肉厚内にボール転動溝134,134にそ
れぞれ対応する軸方向の貫通孔であるボール戻り通路1
32,132が形成されたベアリング本体103と、こ
のベアリング本体103の軸方向両端部に固着されると
共に該ベアリング本体103のボール転動溝134,1
34とボール戻り通路132,132とを連通させてボ
ール無限循環路を形成する湾曲ボール溝107,107
を有するエンドキャップ105と、軌道台102のボー
ル転動溝123,123とベアリング本体103のボー
ル転動溝134,134との間に転動自在に介挿されボ
ール無限循環路に沿って移動する多数のボール106,
106と、軌道台102の両端に設けられベアリング本
体103に転動体(図示せ ず。)を介して螺合する送り
ねじ軸111を回転自在かつ軸方向移動不能に支持する
支持ブロック113,113を具えている。 なお、図2
3及び図24では、ベアリング本体103の一方の軸方
向端部に固着されたエンドキャップ105を示してい
る。また、支持ブロック113側であって送りねじ軸1
11の一方の端部に、環状のストッパ(符号を付さ
ず。)が嵌着固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ベアリング本
体103の軸方向両端部にエンドキャップ105を固着
した一軸テーブル送り装置101には、下記のような
があった。 (1) 通常エンドキャップ105はプラスチックからな
り、ボルト(図示せず。)でベアリング本体103の軸
方向両端面に固定されている。このため、ベアリング
103がオーバーランして、ストッパ(及び支持ブロ
ック113)または支持ブロック114に衝突した場合
には、エンドキャップ105の位置がずれて、ボール1
06,106の循環が阻害されるまた、エンドキャッ
プ105が破損することもある。 (2) ベアリング本体103に、より大きい負荷容量が要
求される場合、それに応じてベアリング本体103を
ングタイプにする必要がある。しかし、ロングタイプに
した場合、ボール無限循環路の全長が長くなるから、ボ
ール106,106の循環が重くなる。すなわち、ベア
リング本体103の摺動トルクが大きくなる。また、ベ
アリング本体103の作動性を損なうこともある
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、本発明の方向転換部材をベアリング本体に内蔵させ
た一軸テーブル送り装置は、両内側面に互いに対向する
軸方向のボール転動溝を有して上方が開口した横断面略
コ字状の軌道台と、該軌道台のボール転動溝に対向する
ボール転動溝を両外側面に有するとともにその肉厚内に
該ボール転動溝にそれぞれ対応する軸方向の貫通孔であ
るボール戻り通路が形成されたベアリング本体と、該ベ
アリング本体に装着されるとともに該ベアリング本体の
ボール転 動溝とボール戻り通路とを連通させてボール無
限循環路を形成するボール方向転換部材と、前記軌道台
のボール転動溝と前記ベアリング本体のボール転動溝と
の間に転動自在に介挿され前記ボール無限循環路に沿っ
て移動する多数のボールと、前記軌道台の両端に設けら
れ前記ベアリング本体に転動体を介して螺合する送りね
じ軸を回転自在かつ軸方向移動不能に支持する支持ブロ
ックとを具えた一軸テーブル送り装置において、前記ボ
ール方向転換部材は円盤状をなし、前記ベアリング本体
の端面より内側の肉厚内に形成された円形凹所に嵌着固
定されていることを特徴とする。
【0006】また、前記ボール方向転換部材は、該ボー
ル方向転換部材と前記ベアリング本体の円形凹所とに形
成されたピン孔に嵌合するピンによって前記ベアリング
本体に位置決めされているものが好ましい。
【0007】また、前記ボール方向転換部材は、互いに
対向する断面半円状の方向転換溝とボール掬い部が形成
された上部プレート及び下部プレートからなるものがよ
り好ましい。
【0008】さらに、前記ベアリング本体のボール転動
溝とボール戻り通路をその中間部で切り欠く円形凹所を
形成し、該円形凹所に前記ボール方向転換部材を嵌着固
定して前記ボール無限循環路を複数に分割形成すること
もできる。
【0009】そして、前記ボール方向転換部材は、固体
潤滑剤を含有した自己潤滑性複合材料からなるものでも
よい。
【0010】
【作用】回転駆動される送りねじ軸からベアリング本体
に直線運動力が伝達され、ベアリング本体は軌道台に対
して直線運動を行う。その際、ボールは、ベアリング本
体及び軌道台のボール転動溝、ボール戻り通路並びに
ボール方向転換部材からなるボール無限循環路を循環
する。
【0011】ベアリング本体が所定の行程以上に作動
すなわちオーバーランしたとき、ストッパ(及び支持ブ
ロック)に衝突する。しかし、本発明の方向転換部材を
ベアリング本体に内蔵させた一軸テーブル送り装置で
は、円盤状のボール方向転換部材をベアリング本体の端
面より内側の肉厚内に形成された円形凹所に嵌着固定し
て、ボール方向転換部材を保護している。このため、ス
トッパ(及び支持ブロック)からベアリング本体に作用
する衝撃によってボール方向転換部材の位置がずれ
、ボールの循環が阻害されることはない。なお、後述
するように、本発明の方向転換部材をベアリング本体に
内蔵させた一軸テーブル送り装置では、支持ブロックの
端面にストッパをボルトで固着している。
【0012】また、ボール方向転換部材が、このボール
方向転換部材とベアリング本体の円形凹所とに形成され
たピン孔に嵌合するピンによってベアリング本体に位置
決めされているので、ボールはボール無限循環路内を極
めて円滑に循環する。 また、ボール方向転換部材は、互
いに対向する断面半円状の方向転換溝とボール掬い部が
形成された上部プレート及び下部プレートからなるの
で、加工及び組立てが極めて容易になる。
【0013】さらに、ベアリング本体のボール転動溝と
ボール戻り通路をその中間部で切り欠く円形凹所を形成
し、この円形凹所に円盤状のボール方向転換部材を嵌着
固定してボール無限循環路を複数に分割形成することに
よって、1つのボール無限循環路の全長が短くなり、ボ
ールが円滑に循環する。
【0014】そして、自己潤滑剤を含有した自己潤滑性
複合材料からボール方向転換部材を成形すれば、ボール
の転動循環を介してボール転動溝全体に亘って適度の固
体潤滑剤が供給される。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の方向転換部材
をベアリング本体に内蔵させた一軸テーブル送り装置
(以下、「一軸テーブル送り装置」という。)の実施例
を説明する。図1乃至図20は第1実施例を示してい
る。一軸テーブル送り装置1は、図1乃至図5に示され
るように、軌道台2と、この軌道台2に沿って案内され
るベアリング本体3と、ベアリング本体3を直線運動さ
せるための送りねじ軸11及びボールナット12からな
るボールねじ機構10とを有してなる。送りねじ軸11
は、軌道台2の両端に設けられた支持ブロック13,1
4によって、回転可能かつ軸方向移動不能に支持されて
いる。また、支持ブロック13,14の端面には、スト
ッパ(符号を付さず。)がボルトで固着されている。
【0016】軌道台2は、上面に開口を有し、底部20
及び一対の起立部21,21からなっており、断面が略
々コ字形状又はC字形状である。底部20には、軌道台
2をベース等に固定するための貫通穴22が設けられて
いる。また、起立部21,21の内面には、各1条ず
つ合計2条のボール転動溝23,23が互いに対向して
形成されている。
【0017】ベアリング本体3は、図5、図7及び図8
に示されるように、軌道台2の起立部21,21の間に
嵌挿されている。ベアリング本体3の両側面には、軌
道台2のボール転動溝23,23に対向するボール転動
溝34,34が形成されている。ボール転動溝23,
4,23,34間には、多数のボール6,6が転動自在
に介挿されており、このボール6,6により、ベアリン
グ本体3軌道台2に対して支持されている。
【0018】軌道台2及びベアリング本体3に形成され
た各々のボール転動溝23,23,34,34は、図6
に示されるように、ゴチックアーク形状であり、ボール
6との接触角は水平線Hに対して略45°付近となって
いる。そして、ボール転動溝23,23,34,34の
対向間隔より大きめの直径のボールを使用することによ
り(オーバーサイズボール方式)、ボール6は、各々の
ボール転動溝23,23,34,34から予圧を付与さ
れている。これにより、ベアリング本体3に作用する上
下左右方向荷重を均等に支持できるとともに、モーメン
ト荷重に対しても安定した構造となっている。
【0019】図1、図5及び図8に示されるように、ベ
アリング本体3の中央には、ボールナット12を挿入固
定するための穴37と、送りねじ軸11を挿通させるた
めの貫通穴38が形成されている。穴37及び貫通穴3
8は、ベアリング本体3の両側面に形成されたボール転
動溝34,34間の略々中心に設けられている。
【0020】穴37及び貫通穴38とベアリング本体3
の両側面との間には、各々のボール転動溝34,34に
対応して軸方向の貫通孔である一対のボール戻り通路3
2,32が形成されている。ボール戻り通路32,32
の中心は、ボール転動溝34,34の中心を通る水平線
上にある。
【0021】ボールねじ機構10は、図1、図2及び図
5に示されるように、チューブ12aをチューブ押え1
2bで固定した周知のチューブタイプのものが使用され
ている。ボールナット12の円筒部12dはベアリング
本体3の穴37に嵌合されるサイズである。ボールナッ
ト12のフランジ部12cをベアリング本体3の端面に
当接させ、フランジ部12cのねじ取付け穴12eを通
じて固定ボルト27をベアリング本体3の端面に形成さ
れたねじ穴39に螺合させることにより、ボールナット
12はベアリング本体3に固定される。また、要求され
るベアリング本体3の位置決めに応じて、送りねじ軸1
1とボールナット12間に介在する転動体(図示せず)
に予圧を付与するか若干の軸方向隙間をもたせるかが決
められる。予圧付与の方法は、前述のオーバーサイズボ
ール方式が採用される。
【0022】この種の装置では、ベアリング本体3のボ
ール転動溝34,34と、これに対応するボール戻り通
路32,32とを連通させるボール無限循環路を形成し
なければならない。次に、ボール無限循環路を形成する
ためのボール方向転換部材について説明する。
【0023】ボール方向転換部材7,7,7,7は、図
5、図11及び図12に示されるように円盤状の上部プ
レート81,82,83,84及び下部プレート91,
92,93,94を対にしてなる。以下、上部プレート
81及び下部プレート91を例にして、これらの構成を
説明する(サフィックスa,b,c,d,eは対応する
部分を示す)。上部プレート81及び下部プレート91
は、各々、方向転換路を形成するための互いに対向する
断面半円状の方向転換溝81a,91aと、ボール転動
溝23,23,34,34との間でボール6を円滑に移
動させるためのボール掬い部81b,91bを有する。
ボール方向転換部材7、すなわち、上部プレート81及
び下部プレート91は、金属製又はプラスチック製であ
る。
【0024】ベアリング本体3の端面より内側の肉厚内
に、図7乃至図10に示されるように、4隅近傍におい
て、ボール方向転換部材7,7,7,7嵌着固定する
ための円形凹所33,33,33,33が形成されてい
る。
【0025】上部プレート81及び下部プレート91に
は、図11及び図12に示されるように、各々、ピン
81c,91c及び貫通81d,91dが形成されて
いる。また、ベアリング本体3の肉厚内の各円形凹所3
3に、ピン33c及びねじ33dが形成されてい
る。そして、上部プレート81及び下部プレート91、
並びに、ベアリング本体3の凹所33の各ピン81
c,91c,33cに、図13に示される位置決めピン
42が嵌合される。また、図5に示されるように、上部
プレート81及び下部プレート91の貫通81d,9
1dに固定ボルト28が挿通され、この固定ボルト28
がベアリング本体3の凹所33のねじ孔33dに螺合さ
れる。すなわち、上部プレート81及び下部プレート9
1からなる円盤状のボール方向転換部材7は、ベアリン
グ本体3の円形凹所33に嵌着後、正確に位置決め締結
されるようになっている。
【0026】ベアリング本体3の一方の端面側に位置す
る上部プレート81には、さらに、その上面と方向転換
溝81aを連通する貫通穴81eが形成されている。ベ
アリング本体3は、一方の端面において、図7及び図9
に示されるように、グリースニップル50が固着される
穴51を有する。この穴51はベアリング本体3
部に形成された潤滑剤供給路52に連通している。潤滑
供給路52は、さらに、図10に示されるように、ベ
アリング本体3の一方の端面における円形凹所33に形
成された穴33eと連通している。グリースニップル5
0から供給された潤滑剤(グリース又はオイル)は、穴
51、供給路52、穴33e及び貫通孔81eを通じて
方向転換溝81aに供給される。そして、潤滑剤は、ボ
ール6の転動を介してボール無限循環路に供給される。
【0027】上部プレート81,82,83,84及び
下部プレート91,92,93,94を各々対にしてベ
アリング本体3の凹所33,33,33,33に嵌着固
定した後、軌道台2のボール転動溝23,23及びベア
リング本体3のボール転動溝34,34間に所定の予圧
を付与できる寸法のボール6,6ボール無限循環路内
順次介挿される。
【0028】その後に、防塵シールが取付けられる。防
塵シールは、ベアリング本体3の軸方向両端面に取付け
られ、軌道台2の起立部21,21とベアリング本体3
の側面の間をシールする端面シール16と、ベアリング
本体3の上面に取付けられ、各起立部21の上端から起
立部21,21とベアリング本体3の側面の間に塵埃等
が侵入することを防止する図16のような上面シール1
7からなる。
【0029】端面シール16は、図14及び図15に示
されるように、軌道台2のボール転動溝23,23に摺
接できるように略々半円状突起24aを有するフェルト
製シール24を一対の金属板25,25でサンドイッチ
状に挟み込んで形成されている。金属板25は、軌道台
2の起立部21,21に摺接しないように、フェルト製
シール24より若干小さく形成されている。端面シール
16は、ボルト29をベアリング本体3の各々の端面に
形成されたねじ穴40に螺合させることによって固定さ
れる。
【0030】上面シール17は、図16に示される形状
のテフロン製(テトラフルオロエチレン製)である。上
面シール17に設けられた穴17aとベアリング本体3
の上面に形成されたねじ穴41にはかしめピン30が圧
入される。
【0031】図1及び図2に戻り、ボールねじ機構10
の送りねじ軸11は、各々軸受18,19を介して両端
を支持ブロック13,14に支持されている。一方の支
持ブロック13側では、モータブラケット15に取付け
られたモータ(図示せず)に送りねじ軸11が連結部材
(図示せず)を介して連結される。
【0032】テーブル送り装置1全体をカバーする場合
は、図17乃至図20に示されるように、取付板60を
ベアリング本体3の上面にボルト66で取付け、取付板
60の凹部61内をカバー70が嵌まるようにする。取
付板60は、その貫通穴63を通じ、ベアリング本体3
の上面に形成されたねじ穴31に螺合するボルト66に
より固定される。取付板60の両凸部62に形成された
ねじ穴64は、カバー70を取付けた場合、テーブル
(図示せず)を固着するためのものである。取付板60
及びカバー70が不要な場合は、ベアリング本体3の上
面のねじ穴31にテーブルを直接固着することができ
る。カバー70は、貫通穴71を通じ、支持ブロック1
3,14上に形成されたねじ穴13a,14aにボルト
73を螺合させることにより固定支持される。
【0033】上記構成の一軸テーブル送り装置1にあっ
ては、モータを回転駆動させると、送りねじ軸11が回
転し、その回転運動がボールナット12を介してベアリ
ング本体3に伝達され、ベアリング本体3が軌道台2に
沿って直線往復運動を行う。本発明の一軸テーブル送り
装置1では、ボール6の無限循環運動を行うために不可
欠のボール方向転換部材7が、ベアリング本体3に内
蔵、すなわち、ベアリング本体3の端面から内部に没入
した部位に設けられているので、ベアリング本体3が
ーバーランして、支持ブロック13,14に固着したス
トッパ等に衝突しても、ボール6,6の循環に悪影響を
及ぼすことはない。
【0034】図21は、本発明の第2実施例を示してい
る。本実施例の一軸テーブル送り装置1’は、ベアリン
グ本体3’の両側面に2対のボール無限循環路を軸方向
直列に形成したものである。すなわち、ベアリング本体
3’のボール転動溝34とボール戻り通路32をその中
間部で切り欠く2つの円形凹所(符号を付さず。)を形
成し、この2つの円形凹所に円盤状のボール方向転換部
材7,7を嵌着固定して、ボール無限循環路を2つに分
割形成している。本実施例のような構成にできるのは、
ボール方向転換部材7をベアリング本体3’のどのよう
な部位にも取付けられるようにしたことに基づく。な
お、グリース又はオイルを全てのボール無限循環路に供
給するために、グリースニップルや供給路はベアリング
本体3’の両端面に設けられる。他の構成については第
1実施例と同じであるので、詳細な説明は省略する。な
お、図21に示された符号は、第1実施例で説明した同
じ部材に対応している。
【0035】本実施例の一軸テーブル送り装置1’で
は、ベアリング本体3’のボール無限循環路が2つに
割形成されているので、ベアリング本体3’がロングタ
イプになっても、1つのボール無限循環路の全長が短く
なる。このため、ボール6の循環が重くなったり(すな
わち、摺動トルクが大きくなったり)、ベアリング本体
3’の作動性が損なわれることはない。
【0036】図22は、ボール方向転換部材の他の実施
例を示している。このボール方向転換部材7’は、固体
潤滑剤を含有した自己潤滑性複合材料で成形されてい
る。自己潤滑性複合材料の例としては、二硫化タングス
テンや二硫化モリブデン等の固体潤滑剤を金属等の母材
に含浸させたもの、或いは、固体潤滑剤と銅、錫、タン
タル等の金属を焼結したものがある。従って、この部分
への潤滑は不要になるので、ベアリング本体にグリース
ニップル及び潤滑剤(グリース又はオイル)供給路等を
設ける必要がなく、また、上部プレート8’にも潤滑剤
供給用の貫通穴を設ける必要がない。このように、材質
を変更することによって潤滑剤供給手段が不要となり、
コストダウンを図ることができる。 なお、図22では上
部プレート8’のみを示したが、下部プレート(図示せ
ず。)も同様の構成である。また、同図の符号8’a,
8’b,8’c,8’dは、それぞれ、方向転換溝、ボ
ール掬い部、ピン孔及び貫通孔を示す。
【0037】自己潤滑性複合材料からなるボール方向転
換部材7’を利用することにより、ボール無限循環路の
ボール方向転換部材中を通過するボールは、ボール方向
転換部材と摺接することにより、固体潤滑剤を少しずつ
受け取って表面に被膜を形成するとともに、ボール無限
循環路を循環する間に、ボール転動溝23,23,3
4,34及び戻り通路32,32に固体循環剤を供給す
る。ボール転動溝23,23,34,34,及び戻り通
路32,32,において、ボール6を媒体として形成さ
れた固体潤滑剤の被膜は、その量がきわめて微量で、ご
く薄いものである。しかし、ボール6が循環することに
より、固体潤滑剤が供給されるので、長期間に亘ってベ
アリングの耐久性及び作動性等を良好に維持することが
できる。
【0038】以上の実施例では、ベアリング本体3とボ
ールねじ機構10を別体として、相互に固着したものを
例示したが、ベアリング本体3に直接転動体の螺旋溝を
形成して、ベアリング本体3とボールねじ機構10とを
一体にしたものについても本発明を適用することができ
る。
【0039】
【発明の効果】本発明はボール方向転換部材をベアリン
グ端面から没入配置することにより、ベアリングが送り
ねじ軸の支持ブロックやストッパに衝突しても、ボール
方向転換部材にその衝撃が加わることがなく、ボールの
循環機能の適切な保護及び維持が可能となった。
【0040】請求項1の発明では、円盤状のボール方向
転換部材をベアリング本体の端面より内側の肉厚内に形
成された円形凹所に嵌着固定して、ボール方向転換部材
を保護している。このため、ベアリング本体がオーバー
ランしてストッパ(及び支持ブロック)に衝突しても、
ストッパ(及び支持ブロック)からベアリング本体に
用する衝撃力によってボール方向転換部材の位置がずれ
て、ボールの循環が阻害されることはない。したがっ
て、ボールの循環機能の適切な保護および維持が可能と
なる。
【0041】請求項2の発明では、ボール方向転換部材
が、このボール方向転換部材とベアリング本体の円形凹
所とに形成されたピン孔に嵌合するピンによってベアリ
ング本体に位置決めされている。このため、ボールは、
ボール無限循環路内を極めて円滑に循環する。
【0042】請求項3の発明では、ボール方向転換部材
が、互いに対向する断面半円状の方向転換溝とボール掬
い部が形成された上部プレート及び下部プレートからな
る。このため、加工及び組立てが極めて容易になる。
【0043】請求項4の発明では、ベアリング本体のボ
ール転動溝とボール戻り通路をその中間部で切り欠く円
形凹所を形成し、この円形凹所に円盤状のボール方向転
換部材を嵌着固定して、ボール無限循環路を複数に分割
形成している。このため、1つのボール無限循環路の全
長が短くなり、ボールが円滑に循環する。したがって、
ベアリング本体がロングタイプの場合にも対応すること
ができる。
【0044】請求項5の発明では、ボール方向転換部材
が、固体潤滑剤を含有した自己潤滑性複合材料からな
る。このため、ボールの転動循環を介してボール転動溝
全体に亘って適度の固体潤滑剤が供給される。したがっ
て、潤滑油供給手段が不要となり、コストダウンを図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による一軸テーブル送り装置の第1実
施例の一部断面を含む平面図である。
【図2】 図1の一軸テーブル送り装置の一部断面を含
む側面図である。
【図3】 図1の一軸テーブル送り装置の正面図であ
る。
【図4】 図2の4−4線断面図である。
【図5】 図1の一軸テーブル送り装置の要部分解斜視
図である。
【図6】 ベアリングのボール転動溝及び軌道台のボー
ル転動溝と、ボールとの接触状態を説明する断面図であ
る。
【図7】 ベアリングの側面図である。
【図8】 ベアリングの正面図である。
【図9】 ベアリングの平面図である。
【図10】 ベアリングの底面図である。
【図11】 ボール方向転換部材の上部プレートの斜視
図である。
【図12】 ボール方向転換部材の下部プレートの斜視
図である。
【図13】 位置決めピンの斜視図である。
【図14】 端面シールを構成するフェルト製シールの
斜視図である。
【図15】 端面シールを構成する金属板の斜視図であ
る。
【図16】 上面シールの斜視図である。
【図17】 ベアリングに取付板を固着し、一軸テーブ
ル送り装置にカバーを取付けた状態の断面図である。
【図18】 図17の一軸テーブル送り装置の長手方向
断面図である。
【図19】 取付板の斜視図である。
【図20】 カバーの斜視図である。
【図21】 本発明による一軸テーブル送り装置の第2
実施例を説明する要部断面図である。
【図22】 ボール方向転換部材の変更例を説明する斜
視図である。
【図23】 従来の一軸テーブル送り装置の一部断面を
含む正面図である。
【図24】 図23の一軸テーブル送り装置の要部拡大
断面図である。
【符号の説明】
1,1’ 一軸テーブル送り装置 2 軌道台 3,3’ ベアリング本体 6 ボール 7,7’ ボール方向転換部材 10 ボールねじ機構 11 送りねじ軸 12 ボールナット 13,14 支持ブロック 16 端面シール 17 上面シール 23 ボール転動溝 32 ボール戻り通路 33 円形凹所33c ピン孔 34 ボール転動溝42 位置決めピン 70 カバー 81,82,83,84,8’ 上部プレート 91,92,93,94 下部プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−102822(JP,A) 特開 平1−176811(JP,A) 特開 平3−229015(JP,A) 実開 昭63−193637(JP,U) 実開 昭59−137417(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 29/06 F16H 25/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両内側面に互いに対向する軸方向のボー
    ル転動溝を有して上方が開口した横断面略コ字状の軌道
    台と、該軌道台のボール転動溝に対向するボール転動溝
    を両外側面に有するとともにその肉厚内に該ボール転動
    溝にそれぞれ対応する軸方向の貫通孔であるボール戻り
    通路が形成されたベアリング本体と、該ベアリング本体
    に装着されるとともに該ベアリング本体のボール転動溝
    とボール戻り通路とを連通させてボール無限循環路を形
    成するボール方向転換部材と、前記軌道台のボール転動
    溝と前記ベアリング本体のボール転動溝との間に転動自
    在に介挿され前記ボール無限循環路に沿って移動する多
    数のボールと、前記軌道台の両端に設けられ前記ベアリ
    ング本体に転動体を介して螺合する送りねじ軸を回転自
    在かつ軸方向移動不能に支持する支持ブロックとを具え
    一軸テーブル送り装置において、前記ボール方向転換部材は円盤状をなし、前記ベアリン
    グ本体の端面より内側の肉厚内に形成された円形凹所に
    嵌着固定されている ことを特徴とする、方向転換部材をベアリング本体に内蔵させた 一軸テーブ
    ル送り装置。
  2. 【請求項2】 前記ボール方向転換部材が、該ボール方
    向転換部材と前記ベアリング本体の円形凹所とに形成さ
    れたピン孔に嵌合するピンによって前記ベアリング本体
    に位置決めされている、請求項1記載の方向転換部材を
    ベアリング本体に内蔵させた一軸テーブル送り装置。
  3. 【請求項3】 前記ボール方向転換部材が、互いに対向
    する断面半円状の方向転換溝とボール掬い部が形成され
    た上部プレート及び下部プレートからなる、請求項1又
    は2記載の方向転換部材をベアリング本体に内蔵させた
    一軸テーブル送り装置。
  4. 【請求項4】 前記ベアリング本体のボール転動溝とボ
    ール戻り通路をその中間部で切り欠く円形凹所を形成
    し、該円形凹所に前記ボール方向転換部材を嵌着固定し
    て前記ボール無限循環路を複数に分割形成した、請求項
    1乃至3のいずれか1に記載の方向転換部材をベアリ
    ング本体に内蔵させた一軸テーブル送り装置。
  5. 【請求項5】 前記ボール方向転換部材が固体潤滑剤を
    含有した自己潤滑性複合材料からなる、請求項1乃至4
    のいずれか1項に記載の方向転換部材をベアリング本体
    に内蔵させた一軸テーブル送り装置。
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