JP6650173B1 - 走行クレーンのクランプ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、図13に示した走行クレーンのクランプ装置は、レールRの頭部側面71,71を挾持する制動部材72を下端に有する左右一対のクランプアーム73,73を、備え、このクランプアーム73,73は、前後方向に水平に配設された軸74にて枢支され、この軸74の軸心廻りにクランプアーム73は揺動する(特許文献1参照)。この左右一対のクランプアーム73,73の上端の対向面に付設のクサビ76,76を、大型コイルスプリング77の弾発付勢力を受ける昇降連動部材78によって、(図13の)左右外方向に押し拡げ、制動部材72,72をレールRの頭部側面71,71に押圧して、クランプ(制動)する構成である。
さらに、図13のクランプ装置では、作動油タンク、ポンプ、バルブ類、配管等を必要とし、台車上に大きなスペースを必要とし、また、保守管理に多くの手間と時間を要していた。また、電磁バルブやシール、作動油等の消耗品が多いという問題もあった。また、作動油を用いるので、油流出等の環境問題も発生することもある。
また、上記レール頭部側面に上記制動部材を押圧保持するための弾発付勢力を発生するコイルスプリング手段は、上記トグル機構を介して、上記クランプアームを揺動させるよう構成されている。
また、上記コイルスプリング手段は、相互に平行に鉛直状として配設される4本乃至25本の小径コイルスプリングと、複数本の該コイルスプリングを保持する共通受け用の下受け盤・上受け盤とを、備えている。
また、上記楔部材は;外周面が先端側から基端方向に縮径するテーパ面であって、上記プランジャーに外嵌状として固着されるテーパ筒体を有し、さらに、上記テーパ面には、アキシャル方向の凹溝が、横断面において180°反対の上下位置に形成され;上記ローラを上記凹溝の溝底面に転動自在に構成したものである。
また、上記テーパ筒体の外周面において、上記テーパ面の最先端領域に、同一外径のストレート面が、連設されている。
また、上記電動シリンダの基端は、固定部材に、左右方向の水平軸心廻りに上下揺動自在に枢着されている。
また、上記電動シリンダの外筒部に受けローラ取付用枠体を取着し、該枠体に上下一対の受けローラを設け;上記トグル機構の上記上連結部材及び上記下連結部材が、外筒部に近づく方向に逃げるのを、上記受けローラによって、阻止するように構成した。
また、上記楔部材を上記プランジャーの先端部に、プランジャー軸心廻りに回転可能として、外嵌状に取着した。
また、上記プランジャーの先端部に、円筒体を外嵌状に取付け、さらに、上下幅寸法が、先端側から基端方向にしだいに減少する棒状乃至帯板状の一対の楔部材を、上記円筒体の左右側面に突出状に設け;しかも、上記円筒体は、プランジャー軸心廻りに回転可能に取付けられている。
また、油圧機器、油圧配管が省略でき、装置全体が簡素化できる。さらに、保守管理が容易となると共に、消耗品を削減できる。
また、油流出等の環境問題が生じず、経年的な性能劣化も生じにくく、耐久性に優れる。
図1と図2に於て、走行クレーン40のクレーン本体41の下方部位に、平行な2本のレールR,Rに沿って走行する車輪43を有する台車ユニット(走行装置)42,42が、設けられている。
このクレーン本体41の下方フレーム41Aに、クランプ装置Cが付設されている場合を、図2に示す。本発明に係るクランプ装置Cは、走行クレーン40が、突風や地震等によって、逸走することを防止するためのものである。
レールRの上面を転動可能な走行ローラ1,1を、架台2が有している。この架台2は、(図4では)取付片3を有し、ボルト4等を介して、クレーン本体41の一部に固着する。又は、取付片3を、クレーン本体41に突設した連結部材44に固着する。
このように、架台2とクレーン本体41とは連結され、レールR上を一体状として、走行し、かつ、停止自在である。
左右のクランプアーム5,5は、枢支軸7,7廻りに揺動自在として架台2に枢着されている。(図13に示した従来例におけるクランプアーム73,73及び軸74,74と略同様の構造である。)
上記制動部材6を、レールRの頭部側面8に押圧し把持することで、制動(クランプ)状態となる。
10は、電動シリンダであって、レールRと平行に水平姿勢で配設されている。
電動シリンダ10は、固定円筒体部(外筒部)11と、この円筒体部11に挿入されて伸縮作動自在な(伸縮作動)プランジャー12とを、有している。
プランジャー12は軸心廻りに回転せずに、軸心方向へのみ移動(直線往復運動)する。このような電動シリンダ10は公知技術であるが、これを、本発明では走行クレーンのクランプ装置Cに適用する。
図4,図5,図6等に示したように、具体的には、プランジャー12の先端に、外周面が円錐面(テーパ面)9を有するテーパ筒体17を固着する。横断面における180°反対側に、一定深さの案内用凹溝18,18を軸心方向に凹設し、この凹溝18,18に、トグル機構Tに付設のローラ16,16を嵌込んで、凹溝18,18の一対の溝底面転動自在として、楔作用を行わしめる。つまり、楔部材15の楔作用は、一対の溝底面をもって行う。
一対のクランプアーム5,5の上端部5B,5Bは、トグル機構Tに連結されているから、トグル機構Tの開閉作動に伴って、クランプアーム5,5が(軸7廻りに)揺動して、クランプアーム5,5の下端部5A,5Aに設けた制動部材6,6をレール頭部側面8,8から分離させることができる。つまり、クランプ(制動)状態を解除できる。
しかも、図3,図4から明らかなように、コイルスプリング手段Sの弾発付勢力は、トグル機構Tを介して、クランプアーム5,5を揺動させるように構成されている。トグル機構Tを介することで、コイルスプリング手段Sの弾発付勢力は、大きく倍力される。
なお、上受け盤21・下受け盤22には、小径コイルスプリング19の上端・下端を嵌込んで位置決めする低凹窪部を設けることも望ましい(図示省略)。
図5に示すように、トグル機構Tは、外端が第1ピン31にて左クランプアーム5Lの上端部5Bに枢結される(左右方向の)内方上傾状第1リンク51と、外端が第2ピン32にて右クランプアーム5Rの上端部5Bに枢結される内方上傾状第2リンク52と、上記第1リンク51と第2リンク52の内端が、第3ピン33・第4ピン34にて枢結される(水平状の)上連結部材28とをもって、形成された上トグルリンク部27を、有する。さらに、(図5に於て、)トグル機構Tは、外端が上記第1ピン31にて左クランプアーム5Lの上端部5Bに枢結される内方上傾状第3リンク53と、外端が上記第2ピン32にて右クランプアーム5Rの上端部5Bに枢結される内方上傾状第4リンク54と、上記第3リンク53と第4リンク54の内端が、第5ピン35・第6ピン36にて枢結される(水平状の)下連結部材29とをもって、形成された下トグルリンク部26を、有する。
具体的には、外筒部11の先端部に外嵌状として固着されたベース部材24を介して、枠体20は小角度だけ揺動可能として、取着される。つまり、ベース部材24は、支持軸25,25を左右突出状として、有し、この支持軸25,25に枠体20が枢着されている。
上記トグル機構Tの上連結部材28及び下連結部材29(図5参照)が、外筒部(シリンダ本体)11に近づく方向───電動シリンダ10の基端側───に逃げるのを、上記枠体20に設けた受けローラ23によって、阻止する。
図7にあっては、テーパ筒体17の外周面において、テーパ面9の最先端領域H17に、(同一外径の)ストレート面が形成されている。凹溝18の深さ寸法を、軸心方向の位置にかかわらず一定とすれば、2つの領域H17,H18の軸心方向寸法は同一となる。
即ち、楔部材15は、上下幅寸法W15が、先端側15Aから基端側15Eへ(基端方向に)しだいに減少する棒状乃至帯板状であって、プランジャー12の左右側面位置に設けられている。
具体的には、プランジャー12に外嵌状に取付けた有底(又は内鍔付の)円筒体47に、上記棒状乃至帯板状の楔部材15が付設され、又は、一体に形成されている(図11,図12参照)。
図8では、トグル機構Tの上連結部材28と下連結部材29の左右方向長さが大であって、かつ、取付用突片28A,28Aを有し、第3ピン33・第4ピン34が(図5よりも)下方位置に在って、かつ、第5ピン35・第6ピン36が(図5よりも)上方位置に在って、各々がプランジャー12の軸心O12の高さ位置に近づいている。従って、第1リンク51・第2リンク52の各々と水平線との成すトグル角θ、及び、第3リンク53・第4リンク54の各々と水平線との成すトグル角θは、図5に示した(対応する)トグル角θよりも、十分に小さくなっている。
さらに、図5では、上下各々に1個ずつであったトグルローラ16が、プランジャー12の外径寸法よりも大きな左右間隔をもって分離して配設された2個のトグルローラ16,16となる。
図10に示したストレート部37は、前述した(図7に示した)凹溝18の溝底の領域H18と、同様の目的のために設けられている。
つまり、トグルローラ16,16が不意に基端方向に転動しない停止状態を保つ必要があった場合に、それを可能とするためである。
図11に示すように、矢印M12方向に、円筒体47及び楔部材15,15が(15°以下の)小角度回転すると、ローラ16,16、及び、上下連結部材28,29、さらに、トグル機構Tも、軸心L12廻りに揺動する。これに伴って、左右のクランプアーム5,5が枢支軸7廻りに揺動する各揺動角度に差が発生する。図11では、右側のクランプアーム5の揺動角度が、左側のクランプアーム5よりも、大きく揺動している。
円筒体47の円形底壁部47Bの中心には、すべり軸受48が嵌着され、その孔部48Aにボルト49が挿通されている。
プランジャー12の先端を閉じる円形底板50が螺着されている。この底板50にはネジ孔56が貫設されている。
ボルト49によって、底板50,摺動板57,底壁部47B,摺動板58,押え板59が、串挿状に連結されている。このようにして、楔部材15,15を有する円筒体47(図11参照)は、プランジャー軸心L12廻りに、低摩擦抵抗で軽く回動可能である。
そして、電動シリンダ10の電源OFFとなって推力が断たれれば、コイルスプリング手段Sによる弾発復元力によって、クランプ状態に戻る。
しかも、トグルローラ16,16には、転がり軸受を内蔵した転がり抵抗の極めて小さなものが望ましい。
楔部材15の製作が、容易かつ安価となる。しかも、トグル角θを小さくすることができ、電動シリンダ10の伸縮作動力が小さく済む。
5 クランプアーム
5A 下端部
5B 上端部
5L 左クランプアーム
5R 右クランプアーム
6 制動部材
8 レール頭部側面
9 テーパ面
10 電動シリンダ
10A 基端
11 外筒部
12 プランジャー
15 楔部材
15A 先端側
16 ローラ
17 テーパ筒体
18 凹溝
19 小径コイルスプリング
20 枠体
21 上受け盤
22 下受け盤
23 受けローラ
28 上連結部材
29 下連結部材
31 第1ピン
32 第2ピン
33 第3ピン
34 第4ピン
35 第5ピン
36 第6ピン
40 走行クレーン
47 円筒体
51 第1リンク
52 第2リンク
53 第3リンク
54 第4リンク
H17 最先端領域
L2 水平軸心
L12 プランジャー軸心
R レール
S コイルスプリング手段
T トグル機構
W15 上下幅寸法
Claims (11)
- レール(R)(R)に沿って移動する走行クレーン(40)に取付けられ、左右一対のクランプアーム(5)(5)の各下端部(5A)(5A)に設けられた制動部材(6)をレール頭部側面(8)に押圧し把持する走行クレーンのクランプ装置に於て、
左右一対の上記クランプアーム(5)(5)の上端部(5B)(5B)を、トグル機構(T)を介して連結し、
伸縮作動する電動シリンダ(10)を上記レール(R)と平行に水平姿勢で配設し、
上記電動シリンダ(10)の伸縮作動プランジャー(12)に楔部材(15)を取着すると共に、該楔部材(15)に転動自在なローラ(16)(16)を上記トグル機構(T)に付設して、
上記プランジャー(12)の伸縮作動に伴って、上記ローラ(16)(16)を介して上記トグル機構(T)を開閉作動させ、上記クランプアーム(5)(5)を揺動させて、該クランプアーム(5)(5)の下端部(5A)(5A)に設けられた上記制動部材(6)をレール頭部側面(8)から分離するよう構成したことを、
特徴とする走行クレーンのクランプ装置。 - 上記レール頭部側面(8)に上記制動部材(6)を押圧保持するための弾発付勢力を発生するコイルスプリング手段(S)は、上記トグル機構(T)を介して、上記クランプアーム(5)(5)を揺動させるよう構成されている請求項1記載の走行クレーンのクランプ装置。
- 上記コイルスプリング手段(S)は、相互に平行に鉛直状として配設される4本乃至25本の小径コイルスプリング(19)と、複数本の該コイルスプリング(19)を保持する共通受け用の下受け盤(22)・上受け盤(21)とを、備えている請求項1記載の走行クレーンのクランプ装置。
- 上記トグル機構(T)は、
外端が第1ピン(31)にて左クランプアーム(5L)の上端部(5B)に枢結される内方上傾状第1リンク(51)と、
外端が第2ピン(32)にて右クランプアーム(5R)の上端部(5B)に枢結される内方上傾状第2リンク(52)と、
上記第1リンク(51)と第2リンク(52)の内端が第3ピン(33)・第4ピン(34)にて枢結される上連結部材(28)と、
外端が上記第1ピン(31)にて左クランプアーム(5L)の上端部(5B)に枢結される内方下傾状第3リンク(53)と、
外端が上記第2ピン(32)にて右クランプアーム(5R)の上端部(5B)に枢結される内方下傾状第4リンク(54)と、
上記第3リンク(53)と第4リンク(54)の内端が第5ピン(35)・第6ピン(36)にて枢結される下連結部材(29)と、
から構成されている請求項1,2又は3記載の走行クレーンのクランプ装置。 - 上記楔部材(15)は、
外周面が先端側から基端方向に縮径するテーパ面(9)であって、上記プランジャー(12)に外嵌状として固着されるテーパ筒体(17)を有し、さらに、上記テーパ面(9)には、アキシャル方向の凹溝(18)(18)が、横断面において180°反対の上下位置に形成され、
上記ローラ(16)を上記凹溝(18)の溝底面に転動自在に構成した請求項1,2,3又は4記載の走行クレーンのクランプ装置。 - 上記テーパ筒体(17)の外周面において、上記テーパ面(9)の最先端領域(H17)に、同一外径のストレート面が、連設されている請求項5記載の走行クレーンのクランプ装置。
- 上記楔部材(15)は、上下幅寸法(W15)が、先端側(15A)から基端方向にしだいに減少する棒状乃至帯板状であって、上記プランジャー(12)の左右側面位置に設けられている請求項1,2,3又は4記載の走行クレーンのクランプ装置。
- 上記電動シリンダ(10)の基端(10A)は、固定部材(2A)に、左右方向の水平軸心(L2 )廻りに上下揺動自在に枢着されている請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の走行クレーンのクランプ装置。
- 上記電動シリンダ(10)の外筒部(11)に受けローラ取付用枠体(20)を取着し、該枠体(20)に上下一対の受けローラ(23)(23)を設け、
上記トグル機構(T)の上記上連結部材(28)及び上記下連結部材(29)が、外筒部(11)に近づく方向に逃げるのを、上記受けローラ(23)(23)によって、阻止するように構成した請求項4記載の走行クレーンのクランプ装置。 - 上記楔部材(15)を上記プランジャー(12)の先端部に、プランジャー軸心(L12)廻りに回転可能として、外嵌状に取着した請求項1,2,3,4,5,6又は9記載の走行クレーンのクランプ装置。
- 上記プランジャー(12)の先端部に、円筒体(47)を外嵌状に取付け、さらに、上下幅寸法(W15)が、先端側(15A)から基端方向にしだいに減少する棒状乃至帯板状の一対の楔部材(15)(15)を、上記円筒体(47)の左右側面に突出状に設け、
しかも、上記円筒体(47)は、プランジャー軸心(L12)廻りに回転可能に取付けられている請求項7,8又は9記載の走行クレーンのクランプ装置。
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