JPH0619854Y2 - 固体潤滑直線案内軸受 - Google Patents
固体潤滑直線案内軸受Info
- Publication number
- JPH0619854Y2 JPH0619854Y2 JP5179488U JP5179488U JPH0619854Y2 JP H0619854 Y2 JPH0619854 Y2 JP H0619854Y2 JP 5179488 U JP5179488 U JP 5179488U JP 5179488 U JP5179488 U JP 5179488U JP H0619854 Y2 JPH0619854 Y2 JP H0619854Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ball rolling
- ball
- guide shaft
- slider
- rolling groove
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、固体潤滑部材を内蔵した直線案内軸受に関
し、特に通常の潤滑が被潤滑部分に形成される潤滑剤被
膜によって行われるのに対して、固体潤滑で潤滑するも
のに関する。
し、特に通常の潤滑が被潤滑部分に形成される潤滑剤被
膜によって行われるのに対して、固体潤滑で潤滑するも
のに関する。
近時、電子機器,精密機器,原子力,航空,宇宙等の先
端技術分野において、ロボットや測定装置などに組み込
んだ直線案内軸を、極低温,極高温,高真空などの過酷
な条件下で使用する機会が多くなっている。
端技術分野において、ロボットや測定装置などに組み込
んだ直線案内軸を、極低温,極高温,高真空などの過酷
な条件下で使用する機会が多くなっている。
そのような場合には、グリース,油などの一般的な潤滑
剤を使用することはできないので、WS2、MoS2な
どの固体潤滑剤が使用されている。こうした固体潤滑剤
を転がり要素に使用するのに、従来はスプレー,焼付け
あるいはスパッタリングなどの方法で、直線案内軸のボ
ール転動溝面やボール面に潤滑被膜を形成するのが一般
的である。
剤を使用することはできないので、WS2、MoS2な
どの固体潤滑剤が使用されている。こうした固体潤滑剤
を転がり要素に使用するのに、従来はスプレー,焼付け
あるいはスパッタリングなどの方法で、直線案内軸のボ
ール転動溝面やボール面に潤滑被膜を形成するのが一般
的である。
しかし、スプレー,焼付けによる固体潤滑剤被膜の形成
は、被膜の厚さが不均一になり易く、また潤滑剤の密着
性が低いため剥離し易い。スパッタリング法を採用すれ
ばその点は多少改善されるが、直線案内軸の形状及び寸
法の点やスパッタリング装置の価格等の点で適用は極め
て困難であるし、被膜が剥離した場合潤滑剤の供給がな
いので金属接触となりやすい。
は、被膜の厚さが不均一になり易く、また潤滑剤の密着
性が低いため剥離し易い。スパッタリング法を採用すれ
ばその点は多少改善されるが、直線案内軸の形状及び寸
法の点やスパッタリング装置の価格等の点で適用は極め
て困難であるし、被膜が剥離した場合潤滑剤の供給がな
いので金属接触となりやすい。
そこで現在では、WS2、MoS2等の固体潤滑剤とC
u,Sn,Ta等の金属とを焼結した自己潤滑性複合材
料が着目されている。これは、摺動によって複合材表面
及び相手材表面に潤滑性被膜を形成し、潤滑性,耐摩耗
性,耐焼付性を付与するものである。
u,Sn,Ta等の金属とを焼結した自己潤滑性複合材
料が着目されている。これは、摺動によって複合材表面
及び相手材表面に潤滑性被膜を形成し、潤滑性,耐摩耗
性,耐焼付性を付与するものである。
このような無機質の固体潤滑性材料を利用した従来の案
内軸としては、ボール転動溝をそれぞれ有する二つの部
材の相互間にボールを介在させ、当該ボールを介して前
記二つの部材を相対的に回転させるようにした送り装置
において、前記ボール転動溝のボールとの接触面部に、
耐圧硬度が高く且つ固形潤滑性を有するとともに摩擦係
数の小さな材料を配設固定したものがある(例えば特開
昭52−40267号公報)。
内軸としては、ボール転動溝をそれぞれ有する二つの部
材の相互間にボールを介在させ、当該ボールを介して前
記二つの部材を相対的に回転させるようにした送り装置
において、前記ボール転動溝のボールとの接触面部に、
耐圧硬度が高く且つ固形潤滑性を有するとともに摩擦係
数の小さな材料を配設固定したものがある(例えば特開
昭52−40267号公報)。
しかしながら、上記従来の送り装置にあっては、耐圧硬
度が高く且つ固形潤滑性を有するとともに摩擦係数の小
さな材料(以下、単に“潤滑材料”という)を配設固定
するための保持溝を、ボール転動溝をそれぞれ有する二
つの部材のうち少なくとも一方の部材のボール転動溝内
に沿って形成し、その保持溝内に潤滑材料を挿入する。
そのため、次のような問題点があった。
度が高く且つ固形潤滑性を有するとともに摩擦係数の小
さな材料(以下、単に“潤滑材料”という)を配設固定
するための保持溝を、ボール転動溝をそれぞれ有する二
つの部材のうち少なくとも一方の部材のボール転動溝内
に沿って形成し、その保持溝内に潤滑材料を挿入する。
そのため、次のような問題点があった。
ボールに与えられる負荷を潤滑材料で直接に受ける。
従って特に重荷重負荷の場合、耐圧硬度の高いことが要
求され、潤滑性の良いものを使用することができないう
えに、潤滑材料が摩耗したときに、これとボール転動溝
との間に段差が生じてボールに偏摩耗を生じるから、長
期の使用に耐え得ない。
従って特に重荷重負荷の場合、耐圧硬度の高いことが要
求され、潤滑性の良いものを使用することができないう
えに、潤滑材料が摩耗したときに、これとボール転動溝
との間に段差が生じてボールに偏摩耗を生じるから、長
期の使用に耐え得ない。
潤滑材料の保持溝の加工が面倒であるだけでなく、そ
の保持溝内に潤滑材料を確実に挿入することが困難であ
り、潤滑材料が保持溝からはみ出し易く、ボールの円滑
な転動が阻害され安定し難い。
の保持溝内に潤滑材料を確実に挿入することが困難であ
り、潤滑材料が保持溝からはみ出し易く、ボールの円滑
な転動が阻害され安定し難い。
摺動によって形成される潤滑性被膜は、ボールとボー
ル転動溝との接触面圧と滑りに抗しきれずに短期間に剥
離してしまうから、極く小さい荷重で且つ低速でしか適
用できない。
ル転動溝との接触面圧と滑りに抗しきれずに短期間に剥
離してしまうから、極く小さい荷重で且つ低速でしか適
用できない。
本考案は、このような従来の問題点に着目してなされた
もので、固体潤滑部材がボールの負荷を直接に受けるこ
とがないようにすると共に、案内軸との接触で漸次に生
じる潤滑剤摩耗粉を被潤滑部に供給する固体潤滑直線案
内軸を提供することにより、上記問題点を解決すること
を目的としている。
もので、固体潤滑部材がボールの負荷を直接に受けるこ
とがないようにすると共に、案内軸との接触で漸次に生
じる潤滑剤摩耗粉を被潤滑部に供給する固体潤滑直線案
内軸を提供することにより、上記問題点を解決すること
を目的としている。
〔課題を解決するための手段〕 本考案は、外面に軸方向のボール転動溝を有して延長さ
れた案内軸と、該案内軸に遊嵌されると共に案内軸のボ
ール転動溝に対向するボール転動溝を内面に有するスラ
イダと、前記両方のボール転動溝に転動自在に嵌合し前
記案内軸とスライダの相対直線運動時に転動移動する多
数のボールとを備えた直線案内軸において、 前記スライダの内面であって前記案内軸のボール転動溝
に接しない個所に取付けられて、前記案内軸の外面に当
接され漸次に生じる潤滑剤摩耗粉をボール転動溝に供給
する固体潤滑部材と、該固定潤滑部材を案内軸の外面に
押圧する弾性部材とを備えたものである。
れた案内軸と、該案内軸に遊嵌されると共に案内軸のボ
ール転動溝に対向するボール転動溝を内面に有するスラ
イダと、前記両方のボール転動溝に転動自在に嵌合し前
記案内軸とスライダの相対直線運動時に転動移動する多
数のボールとを備えた直線案内軸において、 前記スライダの内面であって前記案内軸のボール転動溝
に接しない個所に取付けられて、前記案内軸の外面に当
接され漸次に生じる潤滑剤摩耗粉をボール転動溝に供給
する固体潤滑部材と、該固定潤滑部材を案内軸の外面に
押圧する弾性部材とを備えたものである。
スライダの内面に取付けられた固体潤滑部材は、案内軸
のボール転動溝の無い面に、弾性部材で弾圧される。従
って、固体潤滑部材には、ボールの負荷が掛からず、重
荷重でも差支えない。案内軸に押しつけられた固体潤滑
部材は、スライダと案内軸との相対直線移動により、長
期間にわたって漸次に摩耗しつつ摩耗粉を生じる。この
固体潤滑粉がボール転動溝に入り、長期にわたって安定
した潤滑を行うことができる。
のボール転動溝の無い面に、弾性部材で弾圧される。従
って、固体潤滑部材には、ボールの負荷が掛からず、重
荷重でも差支えない。案内軸に押しつけられた固体潤滑
部材は、スライダと案内軸との相対直線移動により、長
期間にわたって漸次に摩耗しつつ摩耗粉を生じる。この
固体潤滑粉がボール転動溝に入り、長期にわたって安定
した潤滑を行うことができる。
以下、本考案の実施例を図に基づき説明する。
第1図ないし第3図は、本考案を直線案内軸受であるリ
ニアガイド装置に適用した場合の第1の実施例を示すも
のである。
ニアガイド装置に適用した場合の第1の実施例を示すも
のである。
案内軸としてのガイドレール1を跨いで、横断面形状が
ほぼコ字形をなすスライダ2が相対移動可能に遊嵌され
ている。
ほぼコ字形をなすスライダ2が相対移動可能に遊嵌され
ている。
ガイドレール1の両側面1b,1bには、軸方向に長い
横断面ほぼ半円形のボール転動溝3が設けられている。
また、ガイドレール1の上面1aには、レール全長に及
んで浅い凹条4が形成されており、その両側外縁は軸方
向に延びる平面部5になっている。6は図示しない基台
上に取り付ける取り付けボルトの挿通孔である。このボ
ルト挿通孔6は、案内レール1の軸方向に所定間隔で多
数設けてある。
横断面ほぼ半円形のボール転動溝3が設けられている。
また、ガイドレール1の上面1aには、レール全長に及
んで浅い凹条4が形成されており、その両側外縁は軸方
向に延びる平面部5になっている。6は図示しない基台
上に取り付ける取り付けボルトの挿通孔である。このボ
ルト挿通孔6は、案内レール1の軸方向に所定間隔で多
数設けてある。
スライダ2は、スライダ本体2Aと、その前後両端にね
じ7で接合されたエンドキャップ8とを備えている。ス
ライダ本体2Aには、その両袖部2bの内側面に、ガイ
ドレール1のボール転動溝3に対向する横断面ほぼ半円
形のボール転動溝9がそれぞれ形成されている。なお、
ガイドレールのボール転動溝3の溝底には、ワイヤー状
保持器W用の逃げ溝Waが軸方向に沿って併設されてい
る。10はスライダ2を工作機械のテーブル等に取り付
けるための、ボルトの挿通孔であり、スライダ2の天板
部2aの4隅に設けられている。
じ7で接合されたエンドキャップ8とを備えている。ス
ライダ本体2Aには、その両袖部2bの内側面に、ガイ
ドレール1のボール転動溝3に対向する横断面ほぼ半円
形のボール転動溝9がそれぞれ形成されている。なお、
ガイドレールのボール転動溝3の溝底には、ワイヤー状
保持器W用の逃げ溝Waが軸方向に沿って併設されてい
る。10はスライダ2を工作機械のテーブル等に取り付
けるための、ボルトの挿通孔であり、スライダ2の天板
部2aの4隅に設けられている。
ガイドレール1とスライダ2とに向き合わせて形成され
た両ボール転動溝3,9で形成されるボール転動路Aに
は、多数のボールBが転動自在に装填され、そのボール
Bの転動を介して、ガイドレール1とスライダ2が軸方
向に相対的に直線移動できるようになっている。この移
動につれて、ガイドレール1とスライダ2との間に介在
するボールBは転動して、スライダ本体2Aの端部に移
動する。スライダ2を軸方向に継続して移動させていく
ためには、これらのボールBを循環させる必要がある。
そこで、スライダ本体2Aの袖部2bの肉厚部向に、軸
方向に貫通するボール戻り通路11が形成されるととも
に、スライダ本体2Aの前後両端のエンドキャップ8
に、両ボール転動溝3,9(すなわちボール転動路A)
とボール戻り通路11とを連通させる略半ドーナツ形の
湾曲路12を形成することにより、ボール循環経路が構
成されている。
た両ボール転動溝3,9で形成されるボール転動路Aに
は、多数のボールBが転動自在に装填され、そのボール
Bの転動を介して、ガイドレール1とスライダ2が軸方
向に相対的に直線移動できるようになっている。この移
動につれて、ガイドレール1とスライダ2との間に介在
するボールBは転動して、スライダ本体2Aの端部に移
動する。スライダ2を軸方向に継続して移動させていく
ためには、これらのボールBを循環させる必要がある。
そこで、スライダ本体2Aの袖部2bの肉厚部向に、軸
方向に貫通するボール戻り通路11が形成されるととも
に、スライダ本体2Aの前後両端のエンドキャップ8
に、両ボール転動溝3,9(すなわちボール転動路A)
とボール戻り通路11とを連通させる略半ドーナツ形の
湾曲路12を形成することにより、ボール循環経路が構
成されている。
この湾曲路12は、エンドキャップ8の両袖部に半円状
の凹部を形成すると共に、エンドキャップ8の端面に、
半円柱凸状のリターンガイド13を嵌合することにより
形成される。
の凹部を形成すると共に、エンドキャップ8の端面に、
半円柱凸状のリターンガイド13を嵌合することにより
形成される。
なお、ガイドレール1において、スライダ2が摺動する
部分のボール転動溝3や凹条4にはゴミ,塵,埃等が
(以下、異物という)堆積してボールBの円滑な転動を
妨げることから、エンドキャップ8には防塵シール14
が取付けられている。
部分のボール転動溝3や凹条4にはゴミ,塵,埃等が
(以下、異物という)堆積してボールBの円滑な転動を
妨げることから、エンドキャップ8には防塵シール14
が取付けられている。
なお、図示されないが、ガイドレールの上面1aの凹条
4にテープ部材を貼りつけて防塵効果を高めるようにし
てもよい。
4にテープ部材を貼りつけて防塵効果を高めるようにし
てもよい。
更に、スライダ本体2Aの内面において、ガイドレール
1の上面1aに対向する面に、軸方向の全長にわたっ
て、ガイドレール1の幅に略等しい幅の凹溝20が形成
されている。又、スライダ本体2Aの天板部2aの中心
には、軸方向に間隔をおき、天板部2aを上下に貫くピ
ン孔21が、図では2個穿設され、そのピン孔21の上
端は面取りされて斜面21aになっている。
1の上面1aに対向する面に、軸方向の全長にわたっ
て、ガイドレール1の幅に略等しい幅の凹溝20が形成
されている。又、スライダ本体2Aの天板部2aの中心
には、軸方向に間隔をおき、天板部2aを上下に貫くピ
ン孔21が、図では2個穿設され、そのピン孔21の上
端は面取りされて斜面21aになっている。
上記の凹溝20内には、厚板状の固体潤滑部材22が、
略一杯に収納されている。固体潤滑部材22は円板状で
も角ブロック状でもよい。この固体潤滑部材22には、
グラファイトの固形物を利用できる。又WS2、MoS
2等の固体潤滑剤を母材に含浸させたり、粘着性のない
バインダで固化させたり、あるいはWS2、MoS2等
の固体潤滑剤とCu,Sn,Ta等の金属とを焼結した
自己潤滑性複合材等で形成されたものでよい。
略一杯に収納されている。固体潤滑部材22は円板状で
も角ブロック状でもよい。この固体潤滑部材22には、
グラファイトの固形物を利用できる。又WS2、MoS
2等の固体潤滑剤を母材に含浸させたり、粘着性のない
バインダで固化させたり、あるいはWS2、MoS2等
の固体潤滑剤とCu,Sn,Ta等の金属とを焼結した
自己潤滑性複合材等で形成されたものでよい。
この固定潤滑部材22には、スライダ本体2Aに設けた
ピン孔21に対応する位置に、ピン孔23が形成されて
いる。このピン孔23の下端は面取りされて斜面23a
が形成されており、上端側には座ぐり24が形成されて
いる。
ピン孔21に対応する位置に、ピン孔23が形成されて
いる。このピン孔23の下端は面取りされて斜面23a
が形成されており、上端側には座ぐり24が形成されて
いる。
そして、両ピン孔21,23にピン25が挿通されると
共に、座ぐり24内には、固体潤滑部材22をガイドレ
ール上面の平面部5に対して弾圧する弾性部材としての
皿ばね26が挿入され、ピン25の上下両端はかしめて
ある。このピン25は、ガイドレール1からスライダ2
を取り外したとき、固体潤滑部材22が落下してしまわ
ないように、落下防止ピンとして機能する。
共に、座ぐり24内には、固体潤滑部材22をガイドレ
ール上面の平面部5に対して弾圧する弾性部材としての
皿ばね26が挿入され、ピン25の上下両端はかしめて
ある。このピン25は、ガイドレール1からスライダ2
を取り外したとき、固体潤滑部材22が落下してしまわ
ないように、落下防止ピンとして機能する。
次に作用を説明する。
いま、ガイドレール1上のスライダ2を軸方向に移動さ
せると、ボール転動路Aに挿入されたボールBがスライ
ダ2の移動に伴って転動し、スライダ2に対してスライ
ダ2の移動方向とは逆方向に移動する。そして、スライ
ダ2の端部において、エンドキャップ8に設けられた湾
曲路12に導かれてUターンする。
せると、ボール転動路Aに挿入されたボールBがスライ
ダ2の移動に伴って転動し、スライダ2に対してスライ
ダ2の移動方向とは逆方向に移動する。そして、スライ
ダ2の端部において、エンドキャップ8に設けられた湾
曲路12に導かれてUターンする。
続いて、ボール戻り通路11を通って反対側のエンドキ
ャップ8に到り、湾曲路12により再度Uターンされて
ボール転動路Aに戻り、転動を続行しつつ移動する循環
を繰り返す。
ャップ8に到り、湾曲路12により再度Uターンされて
ボール転動路Aに戻り、転動を続行しつつ移動する循環
を繰り返す。
上記スライダ2の移動の際、スライダ2に取りけられた
固体潤滑部材22は、皿ばね26に押圧されてガイドレ
ール上面1aの平面部5にこすりつけられ、少しづつ摩
耗していく。この場合、固体潤滑部材22は、ガイドレ
ール1のボール転動溝3の溝面には直接接触しておら
ず、したがってボール転動溝3の溝面には固体潤滑被膜
は形成されない。一方、ガイドレール上面1aの平面部
5にこすりつけられて形成される固体潤滑部材22の被
膜は、漸次剥離して微細な摩耗粉を生じる。その摩耗粉
がガイドレールのボール転動溝3や、スライダのボール
転動溝9の溝面、及びボールBの表面に落ちて付着す
る。かくして、スライダ2の往復移動によって、固体潤
滑部材22の微粉末がボール転動溝3,9の全域に及び
まんべんなく供給されることにより潤滑される。
固体潤滑部材22は、皿ばね26に押圧されてガイドレ
ール上面1aの平面部5にこすりつけられ、少しづつ摩
耗していく。この場合、固体潤滑部材22は、ガイドレ
ール1のボール転動溝3の溝面には直接接触しておら
ず、したがってボール転動溝3の溝面には固体潤滑被膜
は形成されない。一方、ガイドレール上面1aの平面部
5にこすりつけられて形成される固体潤滑部材22の被
膜は、漸次剥離して微細な摩耗粉を生じる。その摩耗粉
がガイドレールのボール転動溝3や、スライダのボール
転動溝9の溝面、及びボールBの表面に落ちて付着す
る。かくして、スライダ2の往復移動によって、固体潤
滑部材22の微粉末がボール転動溝3,9の全域に及び
まんべんなく供給されることにより潤滑される。
この潤滑は、潤滑被膜ではなくて、固定潤滑部材22の
微細な粉末で行われるから、潤滑が安定している。因
に、固体潤滑材を直接にボール転動溝に押し当てて溝面
に潤滑被膜を形成する方式では、初めにボール転動の溝
面に形成された固体潤滑被膜が、ボールBの転動により
剥離されてボール転動面の外側で盛り上がる。そのた
め、この盛り上がり部に邪魔されて、ボール転動溝面の
溝面に新たな固体潤滑被膜ができにくくなり、潤滑が不
安定になる。
微細な粉末で行われるから、潤滑が安定している。因
に、固体潤滑材を直接にボール転動溝に押し当てて溝面
に潤滑被膜を形成する方式では、初めにボール転動の溝
面に形成された固体潤滑被膜が、ボールBの転動により
剥離されてボール転動面の外側で盛り上がる。そのた
め、この盛り上がり部に邪魔されて、ボール転動溝面の
溝面に新たな固体潤滑被膜ができにくくなり、潤滑が不
安定になる。
本実施例による固体潤滑部材22の微粉末は、固体潤滑
部材22が残っている限り、長期にわたり、連続的に、
且つむらなく供給される。
部材22が残っている限り、長期にわたり、連続的に、
且つむらなく供給される。
又、固体潤滑部材22は、ボール転動路Aから離れた個
所に配置されており、ボールBに与えられる負荷を潤滑
材料で直接に受けることがないから、リニアガイド装置
を重負荷で使用しても差支えない。又、スライダ2をガ
イドレール1から取り外したとき、ピン25に支持され
る固体潤滑部材22は、脱落しないから、取り扱いが極
めて容易である。
所に配置されており、ボールBに与えられる負荷を潤滑
材料で直接に受けることがないから、リニアガイド装置
を重負荷で使用しても差支えない。又、スライダ2をガ
イドレール1から取り外したとき、ピン25に支持され
る固体潤滑部材22は、脱落しないから、取り扱いが極
めて容易である。
この実施例ではスライダ本体2Aに凹溝20を設けた
が、スライダ本体2Aの曲げ強さを高くしたい場合は固
体潤滑部材を円板状とし、スライダ本体2Aに円形状の
凹所を設けるようにすることができる。
が、スライダ本体2Aの曲げ強さを高くしたい場合は固
体潤滑部材を円板状とし、スライダ本体2Aに円形状の
凹所を設けるようにすることができる。
第4図、第5図は、本考案を他の直線案内軸受であるボ
ールスプラインに適用した場合の第2の実施例を示すも
のである。
ールスプラインに適用した場合の第2の実施例を示すも
のである。
直線案内軸であるスプライン軸31に、筒形のスライダ
32が挿通されている。スプライン軸31は、その横断
面形状が変形六角形状を有し、短辺31aと長辺31b
とが交互に隣接している。各短辺31a部分の軸外面の
コーナ部には、軸方向のボール転動溝33が2条づつ形
成されているが、長辺31b部分は平滑面である。
32が挿通されている。スプライン軸31は、その横断
面形状が変形六角形状を有し、短辺31aと長辺31b
とが交互に隣接している。各短辺31a部分の軸外面の
コーナ部には、軸方向のボール転動溝33が2条づつ形
成されているが、長辺31b部分は平滑面である。
スライダ32は、円筒状の外筒32Aと、その内周面側
に止め輪34,34で軸方向動不能に取付けられた保持
器35を備えている。この保持器35の全長は外筒32
Aより短く形成されており、これにより外筒32Aの一
端側の内面には、固体潤滑部材36の取付け空間37が
設けられる。
に止め輪34,34で軸方向動不能に取付けられた保持
器35を備えている。この保持器35の全長は外筒32
Aより短く形成されており、これにより外筒32Aの一
端側の内面には、固体潤滑部材36の取付け空間37が
設けられる。
外筒32Aの内周面には、略全長に及び軸方向に、比較
的浅い凹所38と、深い凹所39が各3条と、両凹所を
仕切る6条の突部40とが交互に形成されて、横断面形
状が花模様をなしている。浅い凹所38には、スプライ
ン軸31の短辺31aに形成された2条のボール転動溝
33に対向するボール転動溝41が、2条づつ形成され
ている。深い凹所39は、前記ボール転動溝41に平行
するボール戻り通路になっている。
的浅い凹所38と、深い凹所39が各3条と、両凹所を
仕切る6条の突部40とが交互に形成されて、横断面形
状が花模様をなしている。浅い凹所38には、スプライ
ン軸31の短辺31aに形成された2条のボール転動溝
33に対向するボール転動溝41が、2条づつ形成され
ている。深い凹所39は、前記ボール転動溝41に平行
するボール戻り通路になっている。
保持器35は、外周面が円筒状、内周面がスプライン軸
31の変形六角断面形状に合わせて形成されており、そ
の外周面に、ボールBの転動する軸方向に長い長円形状
のボール循環溝42が6ヶ所形成され、その溝の一方の
直線部分には切欠き窓43が設けられ、他方の直線部分
は外筒の深い凹所39に面している。
31の変形六角断面形状に合わせて形成されており、そ
の外周面に、ボールBの転動する軸方向に長い長円形状
のボール循環溝42が6ヶ所形成され、その溝の一方の
直線部分には切欠き窓43が設けられ、他方の直線部分
は外筒の深い凹所39に面している。
ボールBは、スライダ32の移動に伴ってボール循環溝
42内を循環転動し、保持器35の切欠き窓43の位置
では、スライダ軸のボール転動溝33と外筒32Aの内
周面の浅い凹所38に設けられたボール転動溝41とに
同時接触をし、荷重を受けながら転動する。
42内を循環転動し、保持器35の切欠き窓43の位置
では、スライダ軸のボール転動溝33と外筒32Aの内
周面の浅い凹所38に設けられたボール転動溝41とに
同時接触をし、荷重を受けながら転動する。
外筒32Aの一端側に設けた固体潤滑部材収納空間37
において、外筒内周面の深い凹所39に、ばね座44が
形成されており、ここに取りつけた圧縮コイルばね45
の弾性力で、固体潤滑部材36がスライダ軸の長辺31
b部分の平滑面に押しつけられている。なお固体潤滑部
材36は外筒内周面の3ヶ所の凹所39に取付けられて
いるが、図では1個所のみ示し、他は図示を省略してい
る。
において、外筒内周面の深い凹所39に、ばね座44が
形成されており、ここに取りつけた圧縮コイルばね45
の弾性力で、固体潤滑部材36がスライダ軸の長辺31
b部分の平滑面に押しつけられている。なお固体潤滑部
材36は外筒内周面の3ヶ所の凹所39に取付けられて
いるが、図では1個所のみ示し、他は図示を省略してい
る。
以上のような構成を有するボールスプライン軸における
固体潤滑部材36の作用、効果は上記リニアガイド装置
の場合と同様であり、固体潤滑部材36から供給される
摩耗微粉により潤滑が行われる。
固体潤滑部材36の作用、効果は上記リニアガイド装置
の場合と同様であり、固体潤滑部材36から供給される
摩耗微粉により潤滑が行われる。
なお、上記第2の実施例では、固体潤滑部材36を外筒
32Aの一端側にのみ設けた場合に付いて説明したが、
これに限らず、スライダ32の両端に設けられるように
してもよい。
32Aの一端側にのみ設けた場合に付いて説明したが、
これに限らず、スライダ32の両端に設けられるように
してもよい。
また、上記第1,第2の各実施例における固体潤滑部材
22,36を、案内軸1,31の外周面に弾圧する弾圧
部材として、皿ばね26又はコイルばね45を用いたも
のを示したが、その他例えば、ゴムブッシュ,スポンジ
等でもよい。
22,36を、案内軸1,31の外周面に弾圧する弾圧
部材として、皿ばね26又はコイルばね45を用いたも
のを示したが、その他例えば、ゴムブッシュ,スポンジ
等でもよい。
以上説明したように、本考案によれば、直線案内軸受に
おけるスライダの内面の案内軸のボール転動溝に接しな
い個所に、案内軸の外面に当接され漸次に生じる潤滑剤
摩耗粉を被潤滑部に供給する固体潤滑部材と、該固体潤
滑部材を軸の外周に押圧する弾性部材とを設けた。その
ため、ボールに与えられる負荷を固体潤滑部材で直接に
受けることなく、又直線案内軸受の作動で漸次に生じる
摩耗粉により潤滑されるので、固体潤滑部材が存在する
限り、長期に且つ重負荷荷重でも良好な潤滑が得られる
とい効果が得られる。
おけるスライダの内面の案内軸のボール転動溝に接しな
い個所に、案内軸の外面に当接され漸次に生じる潤滑剤
摩耗粉を被潤滑部に供給する固体潤滑部材と、該固体潤
滑部材を軸の外周に押圧する弾性部材とを設けた。その
ため、ボールに与えられる負荷を固体潤滑部材で直接に
受けることなく、又直線案内軸受の作動で漸次に生じる
摩耗粉により潤滑されるので、固体潤滑部材が存在する
限り、長期に且つ重負荷荷重でも良好な潤滑が得られる
とい効果が得られる。
第1図は本考案の第1の実施例を示すリニアガイド装置
の正面図で、右半分のエンドキャップを取り除き、要部
を断面で表す。第2図は第1図に示すものの全体斜視
図、第3図は第1図のIII-III線断面図である。第4図
は本考案の第2の実施例を示すボールスプラインの縦断
面図、第5図は横断面図である。 図中、1,31は案内軸、2,32はスライダ、3,3
3は(案内軸の)ボール転動溝、9,41は(スライダ
の)ボール転動溝、Bはボール、22,36は固体潤滑
部材、26,45は弾性部材。
の正面図で、右半分のエンドキャップを取り除き、要部
を断面で表す。第2図は第1図に示すものの全体斜視
図、第3図は第1図のIII-III線断面図である。第4図
は本考案の第2の実施例を示すボールスプラインの縦断
面図、第5図は横断面図である。 図中、1,31は案内軸、2,32はスライダ、3,3
3は(案内軸の)ボール転動溝、9,41は(スライダ
の)ボール転動溝、Bはボール、22,36は固体潤滑
部材、26,45は弾性部材。
Claims (1)
- 【請求項1】外面に軸方向のボール転動溝を有して延長
された案内軸と、該案内軸に遊嵌されると共に案内軸の
ボール転動溝に対向するボール転動溝を内面に有するス
ライダと、前記両方のボール転動溝に転動自在に嵌合し
前記案内軸とスライダの相対直線運動時に転動移動する
多数のボールとを備えた直線案内軸受において、 前記スライダの内面であって前記案内軸のボール転動溝
に接しない個所に取付けられて、前記案内軸の外面に当
接され漸次に生じる潤滑剤摩耗粉をボール転動溝に供給
する固体潤滑部材と、該固体潤滑部材を案内軸の外面に
押圧する弾性部材とを備えたことを特徴とする固体潤滑
直線案内軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5179488U JPH0619854Y2 (ja) | 1988-04-18 | 1988-04-18 | 固体潤滑直線案内軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5179488U JPH0619854Y2 (ja) | 1988-04-18 | 1988-04-18 | 固体潤滑直線案内軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01154326U JPH01154326U (ja) | 1989-10-24 |
JPH0619854Y2 true JPH0619854Y2 (ja) | 1994-05-25 |
Family
ID=31277809
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5179488U Expired - Lifetime JPH0619854Y2 (ja) | 1988-04-18 | 1988-04-18 | 固体潤滑直線案内軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0619854Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140114842A (ko) * | 2011-12-23 | 2014-09-29 | 쉬니베르거 홀딩 아게 | 윤활제 장치를 가진 선형 가이드 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102612607B (zh) * | 2010-11-10 | 2015-07-22 | 日本精工株式会社 | 线性引导装置 |
-
1988
- 1988-04-18 JP JP5179488U patent/JPH0619854Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140114842A (ko) * | 2011-12-23 | 2014-09-29 | 쉬니베르거 홀딩 아게 | 윤활제 장치를 가진 선형 가이드 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01154326U (ja) | 1989-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2532426B2 (ja) | 固体潤滑軸受装置 | |
EP1005953B1 (en) | Dust preventing structure of guide unit | |
JP3980778B2 (ja) | 直動案内ユニット | |
JP4331820B2 (ja) | 直線運動装置用スペーサおよびそのスペーサを用いた直線運動装置 | |
JP3702012B2 (ja) | 直動転がり案内ユニット | |
WO1989003489A1 (en) | Improved clutch release bearing assembly including a double-acting sliding bore sleeve and method of use | |
JP5192074B2 (ja) | シール部材及びこれを用いた直線運動案内装置 | |
JP2000120825A (ja) | ボ―ルねじ機構、および直動装置 | |
JP4199850B2 (ja) | 潤滑プレートを備えた直動案内ユニット | |
US6135638A (en) | Linear motion guide unit with lubricating plate assembly | |
JPH11182545A (ja) | 転動体を備えた相対移動装置並びにその転動体を潤滑する潤滑リングの製造方法及び製造装置 | |
JPH11315835A (ja) | 直動装置 | |
US5622434A (en) | Linear bearing structure | |
JPH0619854Y2 (ja) | 固体潤滑直線案内軸受 | |
JPH0651549U (ja) | 直動案内軸受の防塵シール装置 | |
JPS6224646B2 (ja) | ||
US3253868A (en) | Ball bearing die set | |
JP2646537B2 (ja) | ボールねじ | |
JPH062074Y2 (ja) | ボールねじ | |
JP4280376B2 (ja) | 直動転がり案内ユニット | |
JP2000230549A (ja) | 直動装置 | |
JP3508503B2 (ja) | リニアガイド装置 | |
JPH0320575Y2 (ja) | ||
CN210769824U (zh) | 组合式深沟球轴承 | |
JPS63149466A (ja) | ボ−ルねじ |