JP4597179B2 - ボルト - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、ボルトの頭部を円筒形とし、この頭部を2段ねじとし、一方のねじを締め付け用雄ねじ、他方のねじを緩め用雄ねじとして、それぞれ回転方向を逆に、例えば、締め付け用雄ねじは右ねじ、緩め用雄ねじは左ねじに形成したボルトが開示されている。このボルトにおいては、ボルトを締め付けるときには、締め付け用雄ねじの部分に締め付け専用のナットを螺合して該締め付け専用ナットを締め付けることにより行い、ボルトを緩めるときには、緩め用雄ねじの部分に緩め専用のナットを螺合し該緩め専用ナットを締め付けることにより行う。このボルトによれば、緩め専用ナットを用意していない限りボルトを緩めることができないので、いたずら等によってボルトが取り外されるのを防止することができる。
請求項1に係る発明は、被固定部材(例えば、後述する実施例におけるヒューズボックス50)を固定部(例えば、後述する実施例におけるブラケット60)に固定するボルトであって、軸部(例えば、後述する実施例における軸部3)の略中央部に円板状の鍔部(例えば、後述する実施例における鍔部5)が設けられ、該鍔部よりも一方側の前記軸部に第1の雄ねじ(例えば、後述する実施例における第1の雄ねじ7)が、他方側の前記軸部に第2の雄ねじ(例えば、後述する実施例における第2の雄ねじ9)が、共に同一回転方向に形成され、前記第1の雄ねじは前記被固定部材を前記固定部に締め付けるための雄ねじであり、前記第1の雄ねじには、該第1の雄ねじが螺合する雌ねじ(例えば、後述する実施例におけるナット62)に対する噛み込み部(例えば、後述する実施例における平坦部11)が設けられており、前記鍔部の前記第2の雄ねじ側には、前記第1の雄ねじを締め込む際に前記第2の雄ねじに螺合するナットが前記第2の雄ねじの不完全ねじ部(例えば、後述する実施例における不完全ねじ部15)をかじらないようにするための円筒状のカラーが、前記鍔部とは別部品とされて前記不完全ねじ部を覆うように固定されていることを特徴とするボルト(例えば、後述する実施例におけるボルト1)である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記鍔部の第2の雄ねじ側の面には、座ぐり部(例えば、後述する実施例における座ぐり部19)が形成されるとともに該座ぐり部に連なって前記カラーが嵌合する嵌合部(例えば、後述する実施例における嵌合部17)が形成されており、前記カラーの挿通孔(例えば、後述する実施例における挿通孔13a)の内径が前記第2の雄ねじの外径より大きく、前記嵌合部の外径より小さく設定されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記カラーは外周部にアーム部(例えば、後述する実施例におけるアーム部21)を備え、前記アーム部の内側に前記鍔部の外周が包み込まれるように該アーム部の先端部(例えば、後述する実施例における先端部21a)を内側にかしめることにより、前記カラーが前記鍔部に固定されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記鍔部には周方向所定間隔に嵌合孔(例えば、後述する実施例における嵌合孔23)が設けられ、前記カラーの前記鍔部側の面には前記嵌合孔に対応させて複数の突起25が設けられ、前記カラーの前記突起を前記鍔部の前記嵌合孔に嵌合することにより、前記カラーが前記鍔部に固定されていることを特徴とする。
このように構成することにより、第1の雄ねじにより被固定部材を固定部に締め付けるときには、前記第2の雄ねじにナットを螺合し、該ナットをカラーに接触するまでねじ込む。さらに、その状態から該ナットを締め付け方向に回転させることにより、このボルトを締め付け方向に回転することができる。ナットをカラーに接触するまでねじ込んでも、カラーが第2の雄ねじの不完全ねじ部を覆っており、ナットが不完全ねじ部をかじらないので、被固定部材の固定部への締め付け完了後に前記ナットを緩め方向に回転すると、ナットは簡単に緩むが、ボルトは緩み方向に回転しない。これにより、いたずら等により簡単にボルトを緩ませることができないようにすることができる。しかも、第1の雄ねじに噛み込み部が設けられているので、第1の雄ねじと該第1の雄ねじが螺合する雌ねじとの締結力を増大させることができる。
このように構成することにより、第1の雄ねじよりも第2の雄ねじを緩み易くすることができる。
このように構成することにより、第1の雄ねじよりも第2の雄ねじを緩み易くすることができる。
このように構成することにより、正規に必要がある場合に第1の雄ねじを確実に緩めることができる。
請求項5または請求項6に係る発明によれば、第1の雄ねじよりも第2の雄ねじを緩み易くすることができ、換言すると、第1の雄ねじを緩み難くすることができるので、ボルトを緩ませ難くすることができる。
このような防犯システムを搭載した車両では、不正にイグニッションキーを複製しても、エンジンECUとヒューズボックスを交換しないと、エンジンをかけることができない。
また、第1の雄ねじ7はねじ山の一部が平坦に潰されており、第1の雄ねじ7を螺合相手となる雌ねじにねじ込んだときに、この平坦部(噛み込み部)11が前記雌ねじに噛み込むようにされている。この目的が達成されるように、ボルト1の使用箇所の寸法等を考慮して、平坦部11の設置位置を決定する。
図2を参照してカラー13の固定方法および取り付け状態を詳細に説明する。第2の雄ねじ9の鍔部5側には不完全ねじ部15が形成されている。周知のように、不完全ねじ部はねじ切りの終端に形成され、完全なねじの形態をしていない部分であり、この不完全ねじ部に例えばナットを螺合すると、ナットが不完全ねじ部をかじってしまい、ナットを緩めるのが困難になる部分である。
一方、カラー13の挿通孔13aの内径は第2の雄ねじ9の外径よりも大きく、嵌合部17の外径よりも若干小さく設定されている。
また、カラー13から突出する第2の雄ねじ9の軸方向長さを、後述するように2つのナットが螺合可能な長さに予め設定しておく。
車体の所定部位に設けられた固定部としてのヒューズボックス取付用ブラケット(以下、ブラケットと略す)60には、第1の雄ねじ7が挿通可能なボルト挿通孔61が形成され、裏面側に第1の雄ねじ7が螺合可能なナット62が予め溶接固定されている。
フューズボックス50は取付フランジ51を備え、取付フランジ51には第1の雄ねじ7が挿通可能なボルト挿通孔52が形成されている。
第1の雄ねじ7の平坦部11がナット62に達する前までは、軽い力でボルト1を回転させ前進させることができるが、平坦部11がナット62に進入し始めると、平坦部11がナット62を噛み込み始めるので、ボルト1を直接手で握って手回しすることが困難になる。そこで、これ以降は、第1のナット71にスパナ等の工具を掛けて回転することにより、ボルト1を回転し前進させていく。
第2の雄ねじ9から第1のナット71を外す場合には、図4に示すように単に第1のナット71を緩める方向に回転するだけで、簡単に外すことができる。
特に、この実施例では、第1の雄ねじ7の平坦部11がナット62に噛み込んでいるので第1の雄ねじ7は極めて緩み難い。
以上のように、ボルト1によってヒューズボックス50をブラケット60に固定した後は、ボルト1を緩ませ難くすることができるので、盗難やいたずら等の被害を受け難くすることができる。
図5に示すように、第2の雄ねじ9に第1のナット71を螺合した後、第2のナット72を螺合させ、第1のナット71と第2のナット72とを互いに逆締めして密接させる。その後、第1のナット71のみを緩める方向へ回転させる。すると、第1のナット71は第2の雄ねじ9に対して回転しながら図5において右方へ移動しようとするが、第2のナット72の存在により右方への移動を阻止される。その結果、第1のナット71は第2の雄ねじ9に対して相対回転することができず、第1のナット71と第2の雄ねじ9は一体となって回転せざるを得なくなる。したがって、第1のナット71を回転するとボルト1が一体となって回転し、よって、ボルト1の第1の雄ねじ7をナット62に対して緩めることができる。
図7に示す実施例では、軸部3に取り付け前のカラー13を断面コ字形に形成し、その外周部に鍔部5側へ突出するアーム部21を設ける。ここで、アーム部21はその内側に鍔部5が収容可能な大きさに形成する。鍔部5の第1の雄ねじ7側の面5bには円板状の凸部5cを設ける。
また、いたずらなどによりボルト1を外そうとしたときには、外れるまでに長時間を要するため、外すのをあきらめ易くすることができる。
しかも、正規にヒューズボックス50をブラケット60から取り外す必要がある場合には、ボルト1を緩めて取り外すことができるので、メンテナンス性も良好である。
そして、取り付け作業も取り外し作業も特殊な工具を必要としないので、作業性がよい。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、この発明に係るボルトの使用形態はヒューズボックスの固定に限るものではなく、種々の部材を固定する場合や取り付ける場合に使用可能である。
3 軸部
5 鍔部
7 第1の雄ねじ
9 第2の雄ねじ
11 平坦部(噛み込み部)
13 カラー
15 不完全ねじ部
50 ヒューズボックス(被固定部材)
60 ブラケット(固定部)
71 第1のナット
72 第2のナット
Claims (7)
- 被固定部材を固定部に固定するボルトであって、
軸部の略中央部に円板状の鍔部が設けられ、該鍔部よりも一方側の前記軸部に第1の雄ねじが、他方側の前記軸部に第2の雄ねじが、共に同一回転方向に形成され、前記第1の雄ねじは前記被固定部材を前記固定部に締め付けるための雄ねじであり、前記第1の雄ねじには、該第1の雄ねじが螺合する雌ねじに対する噛み込み部が設けられており、前記鍔部の前記第2の雄ねじ側には、前記第1の雄ねじを締め込む際に前記第2の雄ねじに螺合するナットが前記第2の雄ねじの不完全ねじ部をかじらないようにするための円筒状のカラーが、前記鍔部とは別部品とされて前記不完全ねじ部を覆うように固定されていることを特徴とするボルト。 - 前記鍔部の第2の雄ねじ側の面には、座ぐり部が形成されるとともに該座ぐり部に連なって前記カラーが嵌合する嵌合部が形成されており、前記カラーの挿通孔の内径が前記第2の雄ねじの外径より大きく、前記嵌合部の外径より小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のボルト。
- 前記カラーは外周部にアーム部を備え、前記アーム部の内側に前記鍔部の外周が包み込まれるように該アーム部の先端部を内側にかしめることにより、前記カラーが前記鍔部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のボルト。
- 前記鍔部には周方向所定間隔に嵌合孔が設けられ、前記カラーの前記鍔部側の面には前記嵌合孔に対応させて複数の突起が設けられ、前記カラーの前記突起を前記鍔部の前記嵌合孔に嵌合することにより、前記カラーが前記鍔部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のボルト。
- 前記第2の雄ねじの外径は前記第1の雄ねじの外径よりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のボルト。
- 前記第2の雄ねじのねじ山の高さは前記第1の雄ねじのねじ山の高さよりも低いことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のボルト。
- 前記固定部に締め付けられた前記被固定部材を取り外す際には、前記第2の雄ねじに第1のナットを螺合した後に第2のナットを螺合させ、前記第1のナットと第2のナットとを互いに逆締めした後、前記第1のナットのみを緩める方向へ回転させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のボルト。
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