JP2001041216A - 座金並びにこれを取付けた自己穿孔式ねじ - Google Patents
座金並びにこれを取付けた自己穿孔式ねじInfo
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Abstract
締結するにおいて、締結強度を向上させる。 【手段】座金2を、ねじ1の首下に形成されている不完
全ねじ部9の約2倍程度の厚さに設定する。座金2の内
径D1をねじ1の外径D2の1.1倍程度の寸法に設定
することにより、座金2の内周に、雄ねじ7のねじ込み
によって板材12,13の内周縁が引き込まれるバーリ
ング許容部14を形成する。ねじ1のねじ込みにより、
裏側の板材13に、座金2の内部に向けて突出勝手のバ
ーリング部13aが形成され、このバーリング部13a
に雄ねじ7の完全ねじ部がねじ込まれるため、板材13
に形成された雌ねじの破壊を防止して、締結強度を向上
できる。
Description
ピンねじのような自己穿孔式ねじで薄金属板同士を締結
するに際して好適な座金(或いはスペーサ)、並びに、
この座金を取り付けた自己穿孔式ねじに関するものであ
る。
の一端にドリル部や錐部等の穿孔部を、他端には頭部を
それぞれ一体に設け、頭部とドリル部との間に雄ねじを
形成した構成になっている。
成するものであるため、座面まで完全ねじ部とすること
は現実には不可能であり、首下部分に不完全ねじ部が残
ることは避け難い。このためJISでは、タッピンねじ
の場合、不完全ねじ部が最大1ピッチの範囲に留まるよ
うに規定している。
やタッピンねじによる板材同士の締結は、重ね合わせた
板材にドリル部で下穴を空けてから雄ねじをねじ込むこ
とによって行われるが、表面側の板材への雄ねじのねじ
込みは締結には寄与しておらず、裏側の板材に雄ねじが
ねじ込まれることによって締結が行われる。
裏側の板材を破壊することなく、裏側の板材に対して雄
ねじをできるだけ広い範囲にわたって食い込ませること
が必要である。そのためには、板材の厚さに応じたピッ
チのねじを使用すれば良いと考えられるが、建築用など
に使用する一般のドリルねじやタッピンねじの場合、取
り扱いの容易性や強度、転造加工の容易性等の点から外
径を小さくすることには限界があり、一般には、外径が
4mm程度よりも大きいものが使用されている。
同士を締結する場合、雄ねじのピッチが板材の厚さ寸法
の何倍もの寸法になっており、そのため、裏側の板材に
雄ねじの首下の不完全ねじ部が食い込むことになり、そ
の結果、板材の雌ねじが潰れて締結不能になったり、締
結はできても十分な強度を得ることができなかったり、
或いは、緩みやすくなったりする問題があった。
結する必要がある場合は、2枚の板にドリルで予め下穴
を空けておいてリベットで締結するようにしているが、
これでは工数が増えるため作業能率が著しく悪い欠点が
ある。
されているドリルねじやタッピンねじであっても、薄板
同士を強固に締結できるようにすることを目的とする。
ることにより、前記目的を達成するに至った。
部が形成されている自己穿孔式ねじで薄い板材同士を締
結するに際して使用するのに好適な座金であって、この
座金は、前記ねじにおける不完全ねじ部の全部と完全ね
じ部の一部とを覆う厚さ寸法に設定されており、内周面
のうち少なくともねじの完全ねじ部に対応した部位を、
前記ねじの穿孔部によって下穴を空けられた前記板材の
内周縁が入り込み得る寸法に設定している。
に、自己穿孔式ねじの雄ねじに係合する内向き突条を形
成すると好適であり、更に、請求項3に記載しているよ
うに、上記した座金を自己穿孔式ねじに取付けておくと
作業能率を向上できる。
づいて説明する。
あり、図2は座金2の平面図、図3は座金2をドリルね
じ1に取付けた状態での図、図4及び図5は作用を示す
図である。なお、図3では座金2の断面表示(ハッチン
グ)は省略している。
シャンク3と、シャンク3の一端に設けたドリル部4
と、シャンク3の他端に設けた十字穴5付きの頭部6
と、ドリル部4と頭部6との間に形成された雄ねじ7と
を備えている。雄ねじ7のうち座面8からある程度の寸
法L1の範囲は不完全ねじ部9になっており、座面8と
の連設部はテーパ状に形成されている(テーパ面を符号
10で示す)。
板等のばね性をもつ金属板を素材として平面視六角形に
形成されており(円形等の他の平面形状でも良い)、そ
の厚さ寸法Tは、ドリルねじ1における不完全ねじ部9
の軸方向寸法L1の約2倍程度の寸法に設定されてい
る。換言すると、座金2は、不完全ねじ部9の全部と完
全ねじ部の一部とを覆うような厚さ寸法に設定されてい
る。また、座金2の厚さ寸法Tは、雄ねじ7のピッチよ
りも大きい寸法に設定されている。
た部位には、ドリルねじ1の雄ねじ7に係合する断面台
形状の内向き突条11が形成されている。内向き突条1
1の上面は、ドリルねじ1のテーパ面10と密着又は密
接するように設定されており、このようにすると、座金
2をドリルねじ1と同心状に位置決めできる利点があ
る。
1の下方の部位の内径D1を、雄ねじ7の外径D2の約
1.1倍程度の内径に設定することにより、締結する板
材(薄金属板)12,13の内周縁が入り込み得るバー
リング許容部14と成している。バーリング許容部14
は、ドリルねじ1の不完全ねじ部9まで掛かる程度の奥
行き寸法L2に設定されている。
のドリルねじ1に使用する場合であると、厚さ寸法Tを
2.3mm程度、内向き突条11の内径を4.3mm程
度、バーリング許容部14の内径D1を5.5mm程度
に設定すれば良い。
1にねじ込むか、又は、内向き突条11の弾性に抗して
押し込むかすることにより、座金2を予めドリルねじ1
に取付けておく。そして、図4に示すように、通常の作
業と同様にして、動力工具を使用してドリルねじ1を回
転させながら板材12,13に押し当てて、板材同士1
2,13の締結作業を行う。
3に下穴が空けられてから、板材12,13の内周縁に
雄ねじ7が食い込んでいく。このねじ込み工程におい
て、両板材12,13は下向きに押されるため、両部材
12,13には下向きに突出したバーリング部が形成さ
れる傾向を呈する。
すると共に頭部6が座金2に密着した状態で更にドリル
ねじ1がねじ込まれると、図5に示すように、両板材1
2,13の内周縁が座金2のバーリング許容部14に引
き込まれ勝手となる。換言すると、板材12,13に
は、座金2の内部に向けて突出した筒状のバーリング部
12a,13aが形成される。
リング部12aはその全体が座金2の内部に引き込ま
れ、裏側の板材13のバーリング部13aは部分的に座
金2の内部に引き込まれている。
13aがどのような状態になるかは、板材12,13の
厚さ寸法や、座金2の厚さ、座金2におけるバーリング
許容部14の内径、雄ねじ7のピッチなどの諸条件によ
って異なり、場合によっては、両板材12,13のバー
リング部12a,13aが完全に座金2の内部に入り込
むこともあり得る。
るように、裏側の板材13のバーリング部13aが座金
2の内部に引き込まれ勝手になっているため、ドリルね
じ1の雄ねじ7を広い範囲にわたって裏側の板材13に
食い込ませることができ、しかも、バーリング部13a
に対して雄ねじ7の完全ねじ部が食い込んでいるため、
バーリング部13aに形成された雌ねじの破壊や潰れを
防止又は著しく抑制することができる。
の板材12のバーリング部12aがドリルねじ1の首下
部分に詰まった状態になるため、裏側の板材13のバー
リング部13aは広がり勝手になって破れやすくなる
が、本発明によると、表面側の板材12のバーリング部
12aは座金2のバーリング許容部14に入り込んでい
るため、裏側の板材13のバーリング部13aが破れる
ことも抑制することができる。
高い締結強度を得ることができる。
と、その弾性を利用して緩み止め効果を発揮させること
ができるため、より好適である。この場合、図に示すよ
うに、座金2の外径をドリルねじ1の頭部6の直径の
1.5〜2倍程度の大きさに設定しておくと、座金2の
ばね性をより有効に利用できて好適である。
製として、下面が凹んだ皿座金の形態にすると、緩み止
め効果をより向上できる。
は、座金2の内周面のうち軸方向に沿った中間部に内向
き突条11を形成して、内向き突条11を挟んだ両側に
バーリング許容部14を対称状に形成している。このよ
うに形成すると、座金2の方向性がなくなるため、ねじ
への取付け作業が容易になる利点がある。
14の内周をストレート状に形成しているが、外側に向
かって直径が拡大するテーパ状に形成しても良い。ま
た、座金は合成樹脂など、金属以外の素材で製造するこ
とも可能である。言うまでもないが、座金を使用するド
リルねじやタッピンねじにおける穿孔部や頭部の形状、
雄ねじのピッチなどには全く制限はない。
締結する場合にも適用でき、その場合は、座金の内径を
大きくすれば良い。
ッピンねじで薄い板材同士を締結するにおいて、ねじの
ねじ込みに伴って、板材の内周縁が座金の内部方向に引
き込まれるため、裏側の板材の内周縁に、座金の内部に
向けて突出し勝手のバーリング部を形成することがで
き、このバーリング部に雄ねじの完全ねじ部をねじ込む
ことができる。
の方向に向けて突出し勝手になっていることと、そのバ
ーリング部に対して雄ねじの完全ねじ部が食い込むこと
とにより、裏側の板材に形成された雌ねじが潰れてしま
う現象(いわゆるねじがバカになる現象)を防止又は著
しく抑制することができ、その結果、薄い板材同士であ
っても、ドリルねじやタッピンねじのような自己穿孔式
ねじを使用して強い強度で締結することができる。
行うにおいて、従来は板材の雌ねじが潰れやすいため、
ねじのねじ込みトルクの加減(すなわちどの時点で回転
を停止させるかの判断)が難しかったが、本願発明の座
金を使用すると、強いトルクでねじ込んでも雌ねじが潰
れることはないため、締結不良の発生率を著しく低減で
きる。
項3に記載したように座金をドリルねじ等のねじに予め
取付けておくことが簡単になるため、締結作業を能率良
く行うことができる。
態の断面図である。
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】首下部分に不完全ねじ部が形成されている
自己穿孔式ねじで薄い板材同士を締結するに際して使用
するのに好適な座金であって、 前記ねじにおける不完全ねじ部の全部と完全ねじ部の一
部とを覆う厚さ寸法に設定されており、内周面のうち少
なくともねじの完全ねじ部に対応した部位を、前記ねじ
の穿孔部によって下穴を空けられた前記板材の内周縁が
入り込み得る寸法に設定していることを特徴とする座
金。 - 【請求項2】内周面に、前記自己穿孔式ねじの雄ねじに
係合する内向き突条を形成していることを特徴とする請
求項1に記載した座金。 - 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載した座金を取
付けていることを特徴とする自己穿孔式ねじ。
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-
1999
- 1999-07-30 JP JP21648699A patent/JP4294802B2/ja not_active Expired - Fee Related
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