JP6424288B1 - ドリルビス - Google Patents

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Abstract

【目的】金属薄板同士を接合するために、良質なバーリングを形成し、該バーリング内に良質な内ネジを形成して、耐久性に優れた金属薄板同士を接合するドリルビスを提供すること。
【構成】軸方向に沿って先端ドリル部1と、第1ネジ部2と、第2ネジ部4と、頭部6とをこの順番で備えること。第1ネジ部2はネジピッチを大とし、第2ネジ部4はネジピッチを小とし、第2ネジ部4の外径は第1ネジ部2の外径よりも大とし、第1ネジ部2には先端ドリル部1側寄りの部分に第1テーパー部3が形成され、第2ネジ部と第1ネジ部との連続する部分には第2テーパー部5が形成されること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属薄板同士を接合するために、良質なバーリングを形成し、該バーリング内に良質な内ネジを形成して、耐久性に優れた金属薄板同士を接合するドリルビスに関する。
従来、金属薄板同士を接合するための固着具としてネジが存在する。この種のネジは、通常、ドリルネジ(ビス),鉄板ネジ(ビス),タッピングネジ(ビス)等と様々の名称で呼ばれている。その何れの呼び方であっても、この種のネジは、略同様の構造をなしており、略同様の工程で金属薄板同士を接合することができるものである。代表的な、ドリルネジ(ビス)の構成としては、ネジの軸方向先端からドリル部,ネジ部,頭部の順番で形成されたものである。
金属薄板同士の接合工程は、まず、ドライバ等の締付用工具によってネジが回転し、ネジ先端のドリル部が接合されるために重合された金属薄板同士に穿孔を行う。この穿孔工程において、金属薄板がネジの進行方向に沿ってバリが膨出形成される。このバリが穿孔工程で次第に大きくなり、いわゆるバーリングが構成されることになる。そして、バーリングの内周側に、ドリルネジのネジ部が入り込み、バーリングの内周側に内ネジ(雌ネジ)を形成する。
バーリングは、接合されるために重合された金属薄板にそれぞれ形成されることになり、それぞれの金属薄板のバーリング同士も重合状態となる。この重合状態とされたバーリングの内周側にドリルネジによって内ネジが形成される。このようにして、2枚又はそれ以上の枚数の金属薄板同士がドリルネジによって接合される。
特開2001−41216号公報
特許文献1は、代表的なドリルネジつまりドリルネジの基本的な構成である、軸方向に沿ってドリル部、ネジ部、頭部が備わったものが開示されている。この特許文献1に開示されたドリルネジを含めて、一般的なものは、バーリングの形成及び該バーリングの内周側の内ネジ形成において、どうしても、十分に満足の行くものが出来難いものであった。
つまり、一般的なドリルネジが金属薄板に対して穿孔及びバーリング形成工程によって形成されるバーリングとは、結局、穿孔過程に生じるバリを元にして利用されたものである。したがって、一般的なドリルネジによって形成されるバーリングは形状が不均一であり、決してきれいな環状の膨出とはならない。
そのため、一般的なドリルネジによるバーリングの内周に形成された内ネジについても、しっかりとした良質なものが形成されにくい状況にある。そして、一般的なドリルネジによる金属薄板同士の接合では、ネジ締付完了後においては、振動等による外部の要因にて、時間の経過とともに、締付が緩み、金属薄板同士の接合強度が下がる傾向にあった。
このようなことから、金属薄板同士の接合において、良質なバーリングを形成し、且つバーリングの内周側に確実に内ネジを形成し、締付完了後の強度をより一層の長期に亘って維持することができるドリルネジの出現が期待されるようになった。そこで、本発明が解決しようとする技術的課題(目的)は、上記の内容を有するドリルビスを提供することにある。
そこで、発明者は前記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、軸方向に沿って先端ドリル部と、第1ネジ部と、第2ネジ部と、頭部とをこの順番で備え、前記第1ネジ部はネジピッチを大とし、前記第2ネジ部はネジピッチを小とし、前記第2ネジ部の外径は前記第1ネジ部の外径よりも大とし、前記第1ネジ部には前記先端ドリル部側寄りの部分に第1テーパー部が形成され、前記第2ネジ部と前記第1ネジ部との連続する部分には第2テーパー部が形成され、前記第1ネジ部の第1ネジ山の第1ネジ基軸からのネジ山高さ寸法は、前記第2ネジ部の第2ネジ山の第2ネジ基軸からのネジ山高さ寸法よりも大きく形成されてなるドリルビスとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、請求項1に記載のドリルビスにおいて、前記第2テーパー部の前記第2ネジ部の第2ネジ山の頂部を通過する直線のなすテーパー角度は、前記第1テーパー部の前記第1ネジ部の第1ネジ山の頂部を通過する直線のなすテーパー角度よりも大としてなるドリルビスとしたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項1に記載のドリルビスにおいて、前記第2テーパー部の前記第2ネジ部の第2ネジ山の頂部を通過する直線のなすテーパー角度と、前記第1テーパー部の前記第1ネジ部の第1ネジ山の頂部を通過する直線のなすテーパー角度とは同等としてなるドリルビスとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項4の発明を、請求項1に記載のドリルビスにおいて、前記第2テーパー部の前記第2ネジ部の第2ネジ山の頂部を通過する直線のなすテーパー角度は、前記第1テーパー部の前記第1ネジ部の第1ネジ山の頂部を通過する直線のなすテーパー角度よりも小としてなるドリルビスとしたことにより、上記課題を解決した。請求項5の発明を、請求項1,2,3又は4のいずれか1項に記載のドリルビスにおいて、前記第2ネジ部のネジ山には、該ネジ山の1周につき複数個の切欠きが形成されてなるドリルビスとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項6の発明を、請求項5に記載のドリルビスにおいて、前記切欠きはV形状としてなるリルビスとしたことにより、上記課題を解決した。請求項7の発明を、請求項5に記載のドリルビスにおいて、前記切欠きは円弧形状としてなるドリルビスとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項8の発明を、請求項1,2,3,4,5,6又は7のいずれか1項に記載のドリルビスにおいて、前記第1ネジ部の第1ネジ山の第1ネジ基軸からのネジ山高さ寸法は、前記第2ネジ部の第2ネジ山の第2ネジ基軸からのネジ山高さ寸法の1.5倍乃至2倍としてなるドリルビスとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項9の発明を、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8のいずれか1項に記載のドリルビスにおいて、前記第2ネジ部のネジピッチは前記第1ネジ部のネジピッチの半分以下としてなるドリルビスとしたことにより上記課題を解決した。
請求項1の発明では、第1ネジ部はネジピッチを大とし、第2ネジ部はネジピッチを小とし、第2ネジ部の外径は第1ネジ部の外径よりも大とし、第1ネジ部の下方には第1テーパー部が形成され、第2ネジ部と第1ネジ部との連続する部分は第2テーパー部としたことにより、接合しようとする金属薄板同士に先端ドリル部によって穿孔すると共に、第1テーパー部と第1ネジ部とにより前記バリを大きく膨出させつつ環状のバーリングに変形させてゆく。
さらに、バーリングに第2テーパー部が到達することで、バーリングの開口孔を直径方向に押し広げながら、均整のとれた環状とした良質なバーリングに形成してゆく。この均整のとれた良質なバーリングの内周側に第2ネジ部が到達し、第1ネジ部のネジ軸よりも小さなピッチとした第2ネジ軸により内ネジを形成することで、締付力の大きな金属薄板同士の接合を実現できる。
特に、先端ドリル部によって形成された開口孔は、第2テーパー部によって押し広げられた後に、第2ネジ部によりバーリングの内周側に内ネジが形成されるので、バーリングの形状を保護しつつ金属薄板同士を接合するものであるため、バーリングの形成過程で、金属薄板に余分な外力をかけることがなく、金属に対する疲労を与えることなく良好な接合を実現できる。
以上述べたように、本発明のドリルビスでは、先端ドリル部が金属薄板同士に開口孔を形成する役目を有し、第1ネジ部,第1テーパー部及び第2テーパー部がバーリングを形成且つ成長させる役目を有し、第2ネジ部がバーリングの開口孔の内周側に内ネジを形成する役目を有するもので、それぞれの役目が略独立して備わったものである。
このような構成によって、接合する金属薄板同士に良好なバーリングと、良好な内ネジを形成することができるものであり、その結果、本発明のドリルビスは、接合される金属薄板同士の接合力を極めて強固にでき、振動等の外部要因による締付に対する緩みが生じ難く、耐久性,耐疲労性の極めて優れたものにできる。
また、請求項1の発明では、第1ネジ部の第1ネジ山の第1ネジ基軸からのネジ山高さ寸法は、前記第2ネジ部の第2ネジ山の第2ネジ基軸からのネジ山高さ寸法よりも大きく形成されることにより、第1ネジ部によって、バーリングの形成が早くでき、作業効率を向上させることができる。また、第2ネジ部の第2ネジ山の高さが小さく、且つピッチは小さいことから、バーリングの開口孔に形成される内ネジは極めてきめ細かいものにでき、第2ネジ部と内ネジとは、より一層高い精度で螺合する状態にでき、したがって耐久性をより一層向上させることができる。
請求項2の発明では、第2テーパー部のテーパー角度は、第1テーパー部のテーパー角度よりも大としたことにより、本発明のドリルビスは、第1テーパー部から第2テーパー部になるにしたがって、テーパー角度が大きくなるので、接合される金属薄板同士に形成されるバーリング及びその開口孔には、拡開する力が徐々に増大することになる。そのために、バーリングが大きくなる(成長する)過程でバーリング全体に無理な荷重がかかることなく、バーリングの形状を良好に整えつつ大きくさることができる。さらに、開口孔には第2テーパー部が通過すると共に第2ネジ部が通過しによって、開口孔に極めて良質な内ネジを形成することができる。特に、第2ネジ部がバーリングを通過するときには、第21ネジ部とバーリングの開口孔周縁との密着性が高く、第2ネジ部によるネジ形成が良好に行われる。
請求項3の発明では、第2テーパー部のテーパー角度と、第1テーパー部のテーパー角度とは同等としたことにより、バーリングの成形過程において、第1テーパー部から第2テーパー部がバーリングの開口孔を通過して、開口孔を拡開するときにバーリングにかかる荷重は均一にでき、安定した金属薄板同士の接合作業ができる。
請求項4の発明では、第2テーパー部のテーパー角度は、第1テーパー部のテーパー角度よりも小としたことにより、工程の初期段階で第1テーパー部と第1ネジ部により、バーリングの形状が略完成され、第2テーパー部がバーリングの開口孔を通過するときには、第2ネジ部が開口孔に入り易くなり、バーリング内周側の内ネジ形成工程の抵抗を少なくして作業を最終段階を楽にすることができる。
請求項5の発明では、第2ネジ部のネジ山には切欠きが形成されることにより、金属薄板同士の接合における内ネジ形成過程で、切欠き部分に金属切粉が入り込んで、金属薄板同士の接合力をより一層強固なものにできる。請求項6の発明では、前記切欠きはV形状とし、請求項7の発明では、前記切欠きは円弧形状としたものである。切欠きがV字形状及び円弧形状であり、第2ネジ部が開口孔を通過して内ネジを形成するときには、前記切欠きはドリルビスの軸周方向回転に対する大きな抵抗とはならず、且つ適量の切粉が入り込み易くし、ドリルビスをより一層緩み難くすることができる。
請求項8の発明では、第1ネジ部の第1ネジ山の第1ネジ基軸からのネジ山高さ寸法は、前記第2ネジ部の第2ネジ山の第2ネジ基軸からのネジ山高さ寸法の1.5倍乃至2倍としてなるドリルビスとしたことにより、第2ネジ部と内ネジとは、さらにより一層高い精度で螺合する状態にでき、耐久性をより一層向上させることができる。
請求項9の発明では、第2ネジ部のネジピッチは前記第1ネジ部のネジピッチの半分以下としたことにより、バーリングの開口孔の内周側における内ネジをきめ細かい構成とし、第2ネジ部と内ネジとの螺合状態をより一層精度の高いものにでき、緩み難い耐久性のあるものにできる。
(A)は本発明の正面図、(B)は(A)のX1−X1矢視断面図、(C)は本発明の縦断正面図である。 (A)は第2ネジ部の要部拡大正面図、(B)は第1ネジ部の要部拡大正面図である。 (A)乃至(E)は2枚の金属薄板の接合における穿孔工程を示す図。 (F)乃至(H)及び(J)は第1ネジ部の第1テーパー部及び第2ネジ部の第2テーパー部にてバーリングを成形する工程の図である。 (K)及び(M)は開口孔に内ネジを形成する行程の図、(N)はドリルビスにより2枚の金属薄板同士の接合を完了した状態の要部縦断正面図である。 (A)は本発明の第2実施形態の縦断正面図、(B)は本発明の第3実施形態の縦断正面図である。 2枚の金属薄板の間にシール材を設けた状態でドリルビスにより接合を完了した要部縦断正面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明は、金属薄板同士を接合したり、又は金属薄板に他の部材を接合する役目をなすもので、その名称をドリルビスとしたが、この種のものとして一般的に使用されているドリルネジ,鉄板ネジ(ビス),タッピングネジ(ビス)等の呼称も本発明のドリルビスの概念に含まれるものである。
本発明は、図1に示すように、軸方向に沿って先端ドリル部1と、第1ネジ部2と、第1テーパー部3と、第2ネジ部4と、第2テーパー部5及び頭部6とを備えており、軸方向に沿ってこの順番で直列状に構成されている。先端ドリル部1は、金属薄板に穿孔を行う際に最初に金属薄板に接触する部位である。
先端ドリル部1は、円筒状部と、先端側の円錐状部とを有しており、接合される金属薄板8,8に孔を開け易くするための形状が設けられており、具体的には、鋭利な角部分や、切削溝等が形成され、穿孔初期段階の金属切削が良好に行われ易いものとなっている。先端ドリル部1の形状は、前述したもの以外に、金属薄板8,8に穿孔が行われ易いようにするものであれば、どのような形状のものでも構わない。
次に、第1ネジ部2は、前記先端ドリル部1に連続して形成されたものである(図1参
照)。第1ネジ部2は、第1ネジ基軸21の外周に第1ネジ山22が螺旋状をなして形成
されている。第1ネジ部2は、第1ネジ基軸21の外周に第1ネジ山22が1条形成された1条ネジであるが、第1ネジ山22を2以上とした2条ネジ又は多条ネジとしてもかまわない。第1ネジ部2は、第1ネジ山22のピッチ間に、ベースとなる第1ネジ基軸21が広い面積で露出するタイプである〔図1(C)参照〕。
第1ネジ部2には、軸方向で且つ前記先端ドリル部1側寄りの部分に第1テーパー部3が形成されている〔図1(A),(C)参照〕。第1テーパー部3とは、第1ネジ部2のテーパーが設けられた範囲のこという。具体的には、第1テーパー部3とは、第1ネジ部2と先端ドリル部1とが軸方向に隣接する部分から第1ネジ部2に先端ドリル部1とは軸方向反対側つまり、頭部6側に向かって次第に太くなるように形成されたテーパー部分のことである。
第1テーパー部3は、第1ネジ部2の軸方向全体においてその一部に設けられたものである〔図1(A),(C)参照〕。具体的には、第1ネジ部2の軸方向の略中間程度までの略半分の範囲に亘って第1テーパー部3が設けられている。第1テーパー部3における第1ネジ部2の第1ネジ基軸21は、円錐軸状である。
また、第1テーパー部3における第1ネジ部2の第1ネジ山22の頂部は、軸方向の先端ドリル部1側から頭部6側に向かって次第に高くなるように形成されると共に、第1ネジ部2の外径D1が次第に大きくなるように設定されている〔図1(A),(C)参照〕。
この第1テーパー部3のテーパー角度を、第1テーパー角度θ1と称する。
該第1テーパー角度θ1とは、第1テーパー部3の範囲において、第1ネジ山22の頂
部を通過する直径方向両側の2つの仮想の直線L1,L1のなす角度となる〔図1(A),(C)参照〕。第1ネジ部2の第1テーパー部3の範囲以外の部分では、第1ネジ基軸21は、均一な太さの軸であり、第1ネジ山22の外径も同一となる。
次に、第2ネジ部4は、前記第1ネジ部2に軸方向に沿って連続して形成されたものである〔図1(A),(C)参照〕。第2ネジ部4は、接合される金属薄板8,8のそれぞれのバーリング82,82のそれぞれの開口孔81の内周側にそれぞれ内ネジ83を形成する役目を有している。
つまり、第2ネジ部4は、タッピング機能を有するものである。第2ネジ部4は、第2ネジ基軸41の外周に第2ネジ山42が螺旋状をなして形成されている。第2ネジ部4は、第2ネジ山42が1条形成された1条ネジであるが、第2ネジ山42を2以上とした2条ネジ又は多条ネジとしてもかまわない。
第2ネジ部4には、前記第1ネジ部2との連続する部分に第2テーパー部5が形成されている〔図1(A),(B)参照〕。具体的には、第2テーパー部5は、第2ネジ部4と第1ネジ部2とが軸方向に隣接する部分からが第1ネジ部2側とは軸方向反対側(頭部6側)に向かって次第に外径が大きくなるように形成されたものである。第2テーパー部5とは、第2ネジ部4のテーパーが設けられた範囲のこという。
第2テーパー部5は、第2ネジ部4の軸方向全体のなかでその一部に設けられたものであり、具体的には、第2ネジ部4の軸方向の略中間まで設けられ、より具体的には略半分よりも僅かに少ない範囲に亘って第2テーパー部5が設けられている。第2テーパー部5における第2ネジ部4の第2ネジ基軸41は、円錐軸状である。
また、第2テーパー部5における第2ネジ部4の第2ネジ山42の頂部は、頭部6側に向かうに従い外形が大きくなるように設定されている。第2テーパー部5は、その一部が第1ネジ部2に重なる構成とすることもある。つまり、第1ネジ部2における第2ネジ部4と連続する箇所付近に第2テーパー部5の一部が設けられる構成となる。
この第2テーパー部5のテーパー角度を、第2テーパー角度θ2と称する。該第2テー
パー角度θ2とは、第2テーパー部5の範囲において、第2ネジ山42の頂部を通過する
直径方向両側の2つの仮想の直線L2,L2のなす角度となる。第2ネジ部4の第2テーパー部5の範囲以外の部分では、第2ネジ基軸41は、均一な太さの軸であり、第2ネジ山42の外径も同一となる。
第1ネジ部2と第2ネジ部4において、第2ネジ部4の第2ネジ山42の外径D2は、
第1ネジ部2の第1ネジ山22の外径D1よりも大きいものとする(図2参照)。
したがって、
Figure 0006424288
となる。また、第2ネジ部4の外径D2は、第1ネジ部2の外径D1に対して僅かに大きい程度でもかまわない。
第1ネジ部2と第2ネジ部4において、第1ネジ山22のネジピッチP1は大とし、第
2ネジ山42のネジピッチP2は小とする。つまり、第2ネジ部4の隣接する第2ネジ山
42,42の間隔は、第1ネジ部2の隣接する第1ネジ山22,22の間隔よりも小さい。したがって、第2ネジ山42のネジピッチP2は、第1ネジ山22のネジピッチP1よりも小さく、以下の大小関係となる(図2参照)。
すなわち、
Figure 0006424288
である。
また、第2ネジ山42ネジピッチP2は、第1ネジ山22のネジピッチP1の半分又は半分以下とすることが好適である。そして、第1ネジ山22の1ピッチと同間隔の範囲において、第2ネジ山42の個数は少なくとも1つ以上多くなるように設定されることが好ましい。
そして、第1ネジ部2の第1ネジ山22は、粗く、第2ネジ部4の第2ネジ山42は細かく形成されているといえる。第1ネジ山22と第2ネジ山42については、例えば、第1ネジ山22は並目ネジとし、第2ネジ山42は細目ネジとしてもよい。第2ネジ部4は、第2ネジ山42のピッチを特に小さくしたことで、所定範囲内における第2ネジ山42の数を多くすることができ、これによって、第2ネジ部4は、タッピングビスとしての役目が好適である。また、接合される金属薄板8,8のバーリング82,82における内ネジ83との螺合も強固にでき、しかも緩み難いものにできる。
また、第1ネジ部2の第1テーパー部3が設けられていない範囲における第1ネジ山22の第1ネジ基軸21からのネジ山高さ寸法H1は、第2ネジ部4の第2テーパー部5が設けられていない範囲における第2ネジ山42の第2ネジ基軸41からのネジ山高さ寸法H2よりも高く形成される。
すなわち、
Figure 0006424288
である。
これは、後述するように、第1ネジ部2は、主に接合する金属薄板8,8同士にバーリング82,82を形成する役目を有し、第2ネジ部4は、主に、バーリング82の開口孔81の内周に内ネジ83を形成する役目をなすためである。第1ネジ部2における第1ネジ山22のネジ山高さ寸法H1は、第2ネジ部4における第2ネジ山42のネジ山高さ寸法H2の約1.2倍乃至約2.5倍程度であり、好ましくは約1.5倍乃至約2倍程度とし、さらに好ましくは約1.7倍乃至約1.8倍程度とする。特に、約1.75倍前後が好適である。
次に、本発明の第1実施形態では、第2テーパー部5の第2テーパー角度θ2は、第1
テーパー部3の第1テーパー角度θ1よりも大としたものである〔図1(C)参照〕。
すなわち、
Figure 0006424288
である。
本発明の第2実施形態では、第2テーパー部5の第2テーパー角度θ2と、第1テーパー部3の第1テーパー角度θ1とを等しく設定したものである〔図6(A)参照〕。
すなわち、
Figure 0006424288
である。
次に、本発明の第1実施形態では、第2テーパー部5の第2テーパー角度θ2は、第1
テーパー部3の第1テーパー角度θ1よりも小としたものである〔図6(B)参照〕。
すなわち、
Figure 0006424288
である。
第1ネジ部2の第2ネジ山42には切欠き43が形成されている。該切欠き43は、第2ネジ山42の1周において複数個が等間隔に形成されている。具体的には4個乃至20個程度形成され、具体的には1周につき10個程度が好適である。切欠き43は、略V形状に形成されたり〔図1(B)参照〕、略円弧形状或いは略U形状に形成される〔図1(B)の点線部参照〕。切欠き43は、接合される金属薄板8,8の開口孔81の内周に内ネジ83を形成する際に、開口孔81側の金属と噛み合い相互に食い込むことにより、強力な緩み止めの役目をなす。
次に、本発明のドリルビスにて、2枚の金属薄板8,8を接合する工程について説明する。まず2枚の金属薄板8,8同士を重ね合せる。2枚の金属薄板8,8の間にシール材93を配置することもある(図7参照)。該シール材93は合成樹脂又はゴム材等で、帯状としたものである。
また、シール材93の両面は粘着性であり、2枚の金属薄板8,8の間に挟み込むようにすることで、2枚の金属薄板8,8は仮止めされることができる。シール材93が2枚の金属薄板8,8間に設けられることで、重合するバーリング82,82間にもシール材93が配置され、内ネジ83が形成されるときには、第2ネジ部4の第2ネジ山42が、シール材93に食い込むことになる。
そして、2枚の金属薄板8,8に対して本発明のドリルビスの装着箇所に、該ドリルビスの先端ドリル部1の先端を当接させ、ドライバ等の工具を頭部6のドライバ溝に挿入し、ドリルビスを回転させる〔図3(A)参照〕。先端ドリル部1は、その先端が当接している金属薄板8の表面を切削しつつ、穿孔を開始する〔図3(B),(C)参照〕。
そして、先端ドリル部1によって、2枚の金属薄板8,8にそれぞれの開口孔81が形成され、同時に該開口孔81の周辺が先端ドリル部1の押圧方向に膨出し、これがバーリング82となって形成され始める〔図2(D),(E)参照〕。先端ドリル部1にて、2枚の金属薄板8,8のそれぞれに開口孔81が形成される段階では、バーリング82は、略ばり状で膨出量も小さい〔図3(E)参照〕。
次に、2枚の金属薄板8,8のそれぞれの開口孔81に第1ネジ部2が入り込む。このとき、前記開口孔81には、第1ネジ部2の第1テーパー部3が最初に挿入し、第1テーパー部3の範囲内の第1ネジ山22によって、開口孔81が押し拡げられると共に、バーリング82が大きく膨出するように成長する〔図4(F),(G)参照〕。開口孔81に第1ネジ部2の第1テーパー部3の範囲が通過し終わるとすると、外径が一定の第1ネジ山22が開口孔81に挿入する。このとき、開口孔81は整然とした形状に整えられ、同時にバーリング82の形状も均一な膨出となるように整えられる。
次に、開口孔81への第1ネジ部2の通過が完了すると、第2ネジ部4が開口孔81に挿入動作を始める。このとき、第2ネジ部4の第2テーパー部5が、まず開口孔81に挿入し、該第2テーパー部5における第2ネジ山42が開口孔81をさらに押し拡げるように作用する〔図4(H)参照〕。また、同時に、第2テーパー部5の範囲における第2ネジ山42が開口孔81の内周に内ネジ83を形成し始める〔図4(J)参照〕。つまり、第1ネジ部2の第2ネジ山42によるタッピングが行われる。
開口孔81に対して、第2ネジ部4の第2テーパー部5の通過が完了するときには、バーリング82の形成が略完了されている〔図5(K)参照〕。そして、第2ネジ部4の第2テーパー部5の範囲以外の部分が開口孔81を通過するときには、第2ネジ山42による内ネジ83の形成が行われ〔図5(M),(N)参照〕、ドリルビスの締付を続けることで締付が完了する。また、図中において符号91は座金であり、符号92は座金用シール材である。
以上、述べたように、本発明のドリルビスは、接合される金属薄板8,8同士にバーリング82,82を成形しつつ、それぞれのバーリング82の開口孔81の内周に内ネジ83を形成するものである(図5参照)。そして、先端ドリル部1は、接合される金属薄板8,8に開口孔81を穿孔する役目をなす。次に、第1ネジ部2と、第1テーパー部3と、第2テーパー部5とによって、バーリング82を形成する役目をなす。さらに、第2ネジ部4の第2ネジ山42は、バーリング82の開口孔81の内周側に内ネジ83を形成する役目をなす。
このように、本発明のドリルビスは、接合される金属薄板8,8同士に穿孔して開口孔81を形成する役目と(図3参照)、バーリング82を形成しつつ、該バーリング82を成長させる役目と(図4参照)、バーリング82の開口孔81の内周側に内ネジ83を形成する役目つまりタッピングを行う役目(図5参照)とがそれぞれ略独立して備わったものである。
1…先端ドリル部、2…第1ネジ部、21…第1ネジ基軸、22…第1ネジ山、
3…第1テーパー部、4…第2ネジ部、41…第2ネジ基軸、42…第2ネジ山、
43…切欠き、5…第2テーパー部、6…頭部。

Claims (9)

  1. 軸方向に沿って先端ドリル部と、第1ネジ部と、第2ネジ部と、頭部とをこの順番で備え、前記第1ネジ部はネジピッチを大とし、前記第2ネジ部はネジピッチを小とし、前記第2ネジ部の外径は前記第1ネジ部の外径よりも大とし、前記第1ネジ部には前記先端ドリル部側寄りの部分に第1テーパー部が形成され、前記第2ネジ部と前記第1ネジ部との連続する部分には第2テーパー部が形成され、前記第1ネジ部の第1ネジ山の第1ネジ基軸からのネジ山高さ寸法は、前記第2ネジ部の第2ネジ山の第2ネジ基軸からのネジ山高さ寸法よりも大きく形成されてなることを特徴とするドリルビス。
  2. 請求項1に記載のドリルビスにおいて、前記第2テーパー部の前記第2ネジ部の第2ネジ山の頂部を通過する直線のなすテーパー角度は、前記第1テーパー部の前記第1ネジ部の第1ネジ山の頂部を通過する直線のなすテーパー角度よりも大としてなることを特徴とするドリルビス。
  3. 請求項1に記載のドリルビスにおいて、前記第2テーパー部の前記第2ネジ部の第2ネジ山の頂部を通過する直線のなすテーパー角度と、前記第1テーパー部の前記第1ネジ部の第1ネジ山の頂部を通過する直線のなすテーパー角度とは同等としてなることを特徴とするドリルビス。
  4. 請求項1に記載のドリルビスにおいて、前記第2テーパー部の前記第2ネジ部の第2ネジ山の頂部を通過する直線のなすテーパー角度は、前記第1テーパー部の前記第1ネジ部の第1ネジ山の頂部を通過する直線のなすテーパー角度よりも小としてなることを特徴とするドリルビス。
  5. 請求項1,2,3又は4のいずれか1項に記載のドリルビスにおいて、前記第2ネジ部のネジ山には、該ネジ山の1周につき複数個の切欠きが形成されてなることを特徴とするドリルビス。
  6. 請求項5に記載のドリルビスにおいて、前記切欠きはV形状としてなることを特徴とするドリルビス。
  7. 請求項5に記載のドリルビスにおいて、前記切欠きは円弧形状としてなることを特徴とするドリルビス。
  8. 請求項1,2,3,4,5,6又は7のいずれか1項に記載のドリルビスにおいて、前記第1ネジ部の第1ネジ山の第1ネジ基軸からのネジ山高さ寸法は、前記第2ネジ部の第2ネジ山の第2ネジ基軸からのネジ山高さ寸法の1.5倍乃至2倍としてなることを特徴とするドリルビス。
  9. 請求項1,2,3,4,5,6,7又は8のいずれか1項に記載のドリルビスにおいて、前記第2ネジ部のネジピッチは前記第1ネジ部のネジピッチの半分以下としてなることを特徴とするドリルビス。
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