JP4593017B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタ装置、ファクシミリ装置、複写機等に使用される電子写真プロセスの画像形成装置に関し、特に、転写の直前に除電光を照射し、露光以後に感光体上に残存する非露光部の電荷の除去を行う画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は、従来の電子写真プリンタの構成図である。
図12に示される反転露光を行う電子写真プリンタでは、次のような工程により印刷が行われる。まず、帯電用電源2により帯電ローラ3に負の電荷が印加され、帯電ローラ3により感光ドラム1が−800Vに帯電する(図における負電荷e)。次に、光源、例えばLEDヘッド4により感光ドラム1が露光され、静電潜像が形成される。静電潜像の露光部は明電位となり、非露光部は、暗電位となる。
【0003】
次に、現像装置5により負に帯電したトナーTが感光ドラム1に供給され、静電潜像が顕像化(可視像化)される。現像装置5内のトナーTは、導電性スポンジローラ5aから現像ローラ5bに送り出され、規制ブレード5cにより薄層化されて感光ドラム1上に送り出される。トナーTは、現像ローラ5bとの摩擦により負に帯電する。
【0004】
次に、印刷用紙Pが感光ドラム1と転写ローラ7との間に搬送され、転写用電源6により転写ローラ7に正電圧が印加される。転写ローラ7と感光ドラム1との間に転写電界が発生し、感光ドラム1上のトナーTが印刷用紙P上に転写される。印刷用紙P上に転写されたトナーは図示しない定着装置により定着される。印刷用紙は所定位置に排出され、印刷が完了する。一方、転写後、感光ドラム1の表面に残留したトナーTは、クリーニング装置8により回収され、感光ドラム1上からトナーTが除去される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の反転露光を行う電子写真プリンタにおいては、次のような解決すべき課題があった。感光ドラム1上に形成された静電潜像の非露光部には、帯電ローラ3により負帯電した電荷が残存する。このため、転写の際には、露光部のトナーを印刷させるために必要な電流に加え、非露光部に残存した負電荷を除去するための電流が必要になる。
【0006】
印刷デューティ(duty)が高い(非露光部が少ない)トナー像を印刷用紙に転写する場合と、印刷デューティが低い(非露光部が多い)トナー像を印刷用紙に転写する場合とでは、感光体上に残存する非露光部の負電荷の量が異なるため、最適な転写電流が異なることになる。また、印刷速度が速くなればなるほど、単位時間当たりに転写ローラ7を通過する感光ドラム1の面積が大きくなるため、印刷デューティの違いによる最適な転写電流のばらつきが一層大きくなる。したがって、印刷デューティの異なる全ての印刷パターンに対し、定電圧制御により同じ転写電圧で転写を行い、良好な転写結果を得ることが困難となる。同様に、定電流制御により同じ転写電流で転写を行い、良好な転写結果を得ることが困難となる。
【0007】
このような問題を解決するため、転写の直前に感光体に除電光を照射し、露光、現像以後に感光体上に残存する非露光部の負電荷を除去する方法が提案されている。しかしながら、この方法を実現する従来の電子写真プリンタでは、除電光の照射により感光体上に残存する非露光部の負電荷を除去し、印刷パターンの違いによる最適な転写電流のばらつきを小さくすることができるものの、転写電界の影響等により感光体上のトナーが空気中に飛散し、感光体から印刷用紙に転写されるトナー像が崩れてしまうため、画像の鮮明さが失われ、高解像度の印刷物を得ることが困難になるといった問題があった。
【0008】
そこで、この発明は、転写の直前に除電光を照射し、露光、現像以後に感光体上に残存する非露光部の負電荷を除去しつつ、感光体から印刷用紙に転写されるトナー像の崩れを防止し、鮮明で高解像度の印刷物を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る画像形成装置は、感光体に形成されたトナー像を印刷用紙に転写させる転写装置と、印刷用紙の搬送路における転写位置の上流側に転写位置に離間して設けられ、感光体表面における転写位置から上流側の所定領域に印刷用紙が密着しつつ通過する密着領域を形成するように、転写装置に搬送される印刷用紙を案内する用紙ガイドと、前記転写位置と前記用紙ガイドとの間に設けられ、前記密着領域を通過する印刷用紙に均一な光を照射する第1の除電光源と、前記印刷用紙の特性に基づいて、前記第1の除電光源から照射される光量を制御する光量制御部とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に係る画像形成装置において、密着領域は、転写電界が感光体上に形成されたトナー像を空気中に飛散させる影響が及ばない範囲を含むように設定されることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に係る画像形成装置は、請求項1に係る画像形成装置において、さらに、印刷用紙の種類を設定する設定部を備え、前記光量制御部は、設定部により設定された印刷用紙の種類に応じて、第1の除電光源から照射される当該光量を制御することを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に係る画像形成装置は、請求項1に係る画像形成装置において、さらに、印刷用紙の搬送路における用紙ガイドの上流側に設けられ、転写位置に搬送される印刷用紙の光の透過率を検出する透過率検出部を備え、前記光量制御部は、透過率検出部に検出された光の透過率に基づいて第1の除電光源から照射される当該光量を制御することを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に係る画像形成装置は、請求項1に係る画像形成装置において、さらに、両面印刷時における最初の第1面の印刷のときに第1の除電光源から照射される光量よりも、次の第2面の印刷のときに第1の除電光源から照射される光量を大きくすることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に係る画像形成装置は、請求項1に係る画像形成装置において、さらに、転写位置を通過した印刷用紙が感光体から離れる剥離位置に均一な光を照射する第2の除電光源を有することを特徴とするものである。
【0016】
請求項7に係る画像形成装置は、請求項1に係る画像形成装置において、さらに、第1の除電光源から照射された光の一部を、転写位置を通過した印刷用紙が感光体から離れる剥離位置に導く光学系を有することを特徴とするものである。
【0017】
請求項8に係る画像形成装置は、請求項1に係る画像形成装置において、転写装置は、感光体に圧接する転写ローラ、感光体に圧接する転写ブラシおよび感光体に圧接する転写ブレードのいずれか1つを有することを特徴とするものである。
【0018】
本発明に係る第2の画像形成装置は、光を透過する部材からなり、印刷用紙を吸着し、吸着した印刷用紙を搬送するエンドレスベルトと、その表面がエンドレスベルトに接触する接触部を有する感光体と、感光体表面における接触部から下流側の所定領域にエンドレスベルトにより搬送される印刷用紙が密着しつつ通過する密着領域を形成するように、接触部より下流側の感光体表面にエンドレスベルトを介して押し当てられる転写部材を有し、感光体に形成されたトナー像をエンドレスベルトにより搬送された印刷用紙に転写する転写装置と、転写部材の上流側の近傍に設けられ、感光体の密着領域を通過する印刷用紙にエンドレスベルトを通して均一な光を照射する除電光源とを備えたことを特徴とするものである。
【0019】
前記第2の画像形成装置において、転写部材は、転写ローラ、転写ブラシおよび転写ブレードのいずれか1つからなることを特徴としてもよい。
【0020】
本発明に係る第3の画像形成装置は、光を透過する部材からなり、印刷用紙を吸着し、吸着した印刷用紙を搬送するエンドレスベルトと、その表面がエンドレスベルトに接触する接触部を有し、カラー画像を構成する各色の印刷順にエンドレスベルトの走行方向に沿って配列された複数の感光体と、複数の感光体のそれぞれに対応して設けられ、それぞれの感光体表面における接触部から下流側の所定領域にエンドレスベルトにより搬送される印刷用紙が密着しつつ通過する密着領域を形成するように、それぞれの感光体の接触部より下流側の感光体表面にエンドレスベルトを介して押し当てられる転写部材を有し、それぞれの感光体に形成されたトナー像をエンドレスベルトにより搬送された印刷用紙に重ねて転写する複数の転写装置と、複数の感光体のそれぞれの転写装置の転写部材の上流側の近傍に設けられ、それぞれの感光体の密着領域を通過する印刷用紙にエンドレスベルトを通して均一な光を照射する複数の除電光源とを備えたことを特徴とするものである。
【0021】
前記第3の画像形成装置は、さらに、複数の除電光源のそれぞれに対応して設けられ、それぞれの除電光源から照射される光量を制御する複数の光量制御部を有することを特徴としてもよい。
【0022】
前記第3の画像形成装置において、複数の光量制御部は、上流側の除電光源により照射される光量よりも下流側の除電光源により照射される光量が大きくなるようにそれぞれの除電光源の光量を制御することを特徴としてもよい。
【0023】
前記第3の画像形成装置において、複数の光量制御部は、それぞれ上流側の感光体により印刷用紙に転写されるトナーの種類に基づいて設定されることを特徴としてもよい。
【0024】
前記第3の画像形成装置は、各色の印刷データに基づいてそれぞれの感光体上の所定領域毎に形成されるトナーの量を算出するトナー量算出部を有し、複数の光量制御部は、トナー量算出部により算出された各色のそれぞれの感光体上の所定領域毎に形成されるトナーの量に基づいてそれぞれの除電光源から照射される光量を制御することを特徴としてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明に係る実施の形態1の構成図である。
実施の形態1の画像形成装置は、反転露光を行う電子写真プリンタであり、感光ドラムを負に帯電させた後、露光により感光ドラム上に静電潜像を形成し、現像により静電潜像から負帯電したトナー像を形成し、形成されたトナー像を印刷用紙に転写するものである。
【0026】
図1に示されるように、この電子写真プリンタは、感光ドラム11を備える。感光ドラム11の下方には、感光ドラム11に圧接し、感光ドラム11との間にニップを形成する転写ローラ12が設けられている。転写ローラ12には、図示しない転写電源により正電圧が印加される。図示しないフィーダから給紙される印刷用紙Pは、図中、矢印Aで示される搬送方向に沿って感光ドラム11および転写ローラ12間のニップ(転写位置)に搬送される。なお、図1に示される印刷用紙Pの上方の感光ドラム11の周りには、図示しない帯電装置、露光装置、現像装置およびクリーニング装置が工程順に配置されている。
【0027】
感光ドラム11および転写ローラ12間のニップ(転写位置)の上流側には、これらに離間して用紙ガイド14が設けられている。用紙ガイド14は、転写位置より高位置に設けられ、転写位置に搬送される印刷用紙Pを感光ドラム11側に押しつけるように案内し、感光ドラム11の表面における転写位置から上流側の所定領域に印刷用紙Pが密着しつつ通過する密着領域Rを形成する。密着領域Rは、感光ドラム11と転写ローラ12との間に発生する転写電界が感光ドラム11上に形成されたトナー像を空気中に飛散させる影響が及ばない範囲を含むように設定される。
【0028】
転写ローラ12(転写位置)と用紙ガイド14との間には、感光ドラム11上の密着領域Rを通過する印刷用紙Pに均一な光を照射する除電光源13が設けられている。除電光源13は、感光ドラム11の密着領域Rに均一な光を照射し、露光後に感光ドラム11上に残存する非露光部の負帯電した電荷を転写前に除電する。除電光源13の光の照射幅は、印刷用紙の最大幅よりも大きい。
【0029】
なお、除電光源13から照射された光が感光ドラム11の密着領域Rに確実に当たるように、言い換えれば、除電光源13から照射された光が感光ドラム11の密着領域R以外に確実に当たらないように、除電光源13の照射側にスリット等を設けるとよい。プリンタ制御部15は、給紙された印刷用紙Pが感光ドラム11の密着領域Rを通過するのに合わせて除電光源13の点灯および消灯を制御する。
【0030】
実施の形態1の電子写真プリンタでは、用紙ガイド14により案内された印刷用紙が感光ドラム11の転写位置から上流側の密着領域Rに密着しながら搬送される。また、印刷用紙Pが感光ドラム11の密着領域Rを通過するとき、プリンタ制御部15により除電光源13が点灯される。除電光源13により密着領域Rに照射された光は、印刷用紙Pを透過し、露光後に感光ドラム11上に残存する非露光部の負帯電した電荷が転写前に除電される。
【0031】
以上のように、実施の形態1によれば、用紙ガイド14により感光ドラム11に密着領域Rが形成されるので、除電光源13による除電の影響により感光ドラム11に形成されたトナーが空気中に飛散するのを防止することができる。したがって、感光ドラム11から印刷用紙に転写されるトナー像の崩れを防止し、鮮明な高画質の印刷物を得ることができる。
【0032】
また、密着領域Rは、転写電界が感光ドラム11上に形成されたトナー像を空気中に飛散させる影響が及ばない範囲を含むように設定される。このため、転写電界の影響により感光ドラム11に形成されたトナーが空気中に飛散するのを確実に防止することができる。
【0033】
さらに、感光ドラム11の密着領域Rを通過する印刷用紙Pに除電光源13により均一な光を照射し、印刷用紙Pを透過する光により、露光後に感光ドラム11上に残存する非露光部の負帯電した電荷を転写前に除去することができる。このため、転写電圧もしくは転写電流を小さくし、印刷パターン(印刷デューティ)の違いによる最適な転写電圧もしくは転写電流のばらつきを小さくすることができる。したがって、転写電圧もしくは転写電流の制御が容易になる。
【0034】
このように、実施の形態1によれば、露光以後に感光体上に残存する非露光部の負電荷を除去しつつ、感光体から印刷用紙Pに転写されるトナー像の崩れを防止し、鮮明で高解像度の印刷物を得ることができる。
【0035】
実施の形態2.
図2は、この発明に係る実施の形態2の構成図である。
図2に示されるように、実施の形態2の電子写真プリンタは、図1に示される実施の形態1の電子写真プリンタに光量制御部16を加えたものである。なお、実施の形態1の電子写真プリンタと同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0036】
プリンタ制御部15には、印刷用紙の種類を示す用紙情報が入力される。用紙情報は、例えば、使用者による印刷設定や、印刷用紙のサイズ、厚さ等を検出するセンサから得られる。プリンタ制御部15は、入力される用紙情報に基づいて除電光源13により照射すべき光量を決定する。なお、用紙情報は、転写電圧、定着温度の制御にも利用される。除電光源13により照射すべき光量はあらかじめ実験により求められる。プリンタ制御部15には、印刷用紙の種類と照射すべき光量とが対応付けて記憶されている。光量制御部16は、プリンタ制御部15により決定された光量に従って除電光源13から照射される光量を制御する。
【0037】
実施の形態2によれば、光の透過率が低い印刷用紙が使用されるときには、除電光源13により照射すべき光量を大きくし、光の透過率が高い印刷用紙が使用されるときには、除電光源13により照射すべき光量を小さくする。このため、種類が異なる印刷用紙を透過する光量を略一定にし、感光ドラム11に残存する非露光部の電荷を同程度に除電することができる。したがって、最適な転写電圧もしくは転写電流のばらつきを一層小さくすることができるので、これらの制御が容易になる。
【0038】
また、除電光源13により感光ドラム11に過剰に光が照射されるのを防止することができる。したがって、感光ドラム11の光疲労を抑制し、感光ドラム11の寿命を長く保つことができる。
【0039】
実施の形態3.
図3は、この発明に係る実施の形態3の構成図である。
図3に示されるように、実施の形態3の電子写真プリンタは、図2に示される実施の形態2の電子写真プリンタに光源21および光センサ22からなる透過率検出部を加えたものである。なお、実施の形態2の電子写真プリンタと同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0040】
光源21および光センサ22は、印刷用紙Pの搬送路における用紙ガイド14の上流側に、印刷用紙Pの搬送路をまたいで対向するように設けられる。光源21は、光源21および光センサ22間を通過する印刷用紙に光を照射する。光センサ22は、光源21により照射され、印刷用紙Pを透過する光の量を検出する。光源21および光センサ22の動作は、プリンタ制御部15により制御される。
【0041】
プリンタ制御部15は、光センサ22により検出される光量に基づいて印刷用紙Pの透過率を算出し、算出された透過率に基づいて除電光源13の光量を決定する。除電光源13により照射すべき光量はあらかじめ実験により求められる。
【0042】
プリンタ制御部15には、光源21および光センサ22間に印刷用紙Pがないとき、光源21を点灯し、光センサ22により検出された光量が基準値として記憶されている。また、プリンタ制御部15には、光センサ22により検出される光量、印刷用紙Pの透過率および除電光源13の光量の間の関係式が記憶されている。光量制御部16は、プリンタ制御部15により決定された光量に従って除電光源13から照射される光量を制御する。
【0043】
実施の形態2の電子写真プリンタは、印刷用紙の種類に応じて除電光源13により照射すべき光量を決定するのに対し、実施の形態3の電子写真プリンタは、印刷用紙Pの透過率を実測し、その透過率に従って除電光源13により照射すべき光量を決定する。
【0044】
実施の形態3の電子写真プリンタでは、印刷動作が開始され、用紙フィーダから給紙された印刷用紙Pは、光源21および光センサ22間を通り、転写位置に搬送される。印刷用紙Pが光源21および光センサ22間を通過するとき、光源21が点灯され、同時に光センサ22により印刷用紙Pを透過する光源21の光の量が検出される。
【0045】
プリンタ制御部15により、あらかじめ検出された光センサ22の基準値と光センサ22により実測された光量との差が求められ、この差から印刷用紙Pの透過率が求められる。求められた透過率から除電光源13の光量が決定される。
【0046】
以上のように、実施の形態3によれば、印刷用紙Pの透過率を実測し、その透過率に従って除電光源13の光量を決定する。したがって、実施の形態2のように、印刷用紙の種類に応じて除電光源13の光量を決定する場合と比較して、より細かなレベルで除電光源13の光量を決定することが可能となる。したがって、いっそう最適な除電光源13の光量を選択することができる。
【0047】
また、実施の形態2と同様に、除電光源13により感光ドラム11に過剰に光が照射されるのを防止することができる。したがって、感光ドラム11の光疲労を抑制し、感光ドラム11の寿命を長く保つことができる。
【0048】
実施の形態4.
実施の形態4の電子写真プリンタは、両面印刷機能を有する。両面印刷時における最初に印刷する面を第1面と呼び、次に印刷するもう一方の面を第2面と呼ぶものとする。第1面を印刷するときには、印刷用紙はいわゆる白紙状態なので、印刷用紙の光の透過率はどの部分も同じである。しかし、第2面を印刷するときには、第1面の印刷が行われているので、印刷用紙の透過率は、第1面の印刷されている所と印刷されていない所等、その場所により透過率が異なる。このため、第2面の印刷のときには、第1面の印刷パターンの影響により除電光源13により照射すべき除電光源13の光量を変える必要が生ずる。
【0049】
実施の形態4の電子写真プリンタは、第2面の印刷時の除電光源13の光量を、第1面の印刷時の除電光源13の光量より大きくする。これにより、除電光源13により照射され、印刷用紙を通過する光の量が、第1面の印刷パターンにより変わる影響を相対的に小さくする。したがって、第2面の印刷のときにも、いろいろな第1面の印刷パターンが印刷された印刷用紙を透過する光量のばらつきを相対的に小さくし、感光ドラム11に残存する非露光部の電荷を同程度に除電することができる。最適な転写電圧もしくは転写電流の制御も容易になる。
【0050】
実施の形態5.
図4は、この発明に係る実施の形態5の構成図である。
図4に示されるように、実施の形態5の電子写真プリンタは、図1に示される実施の形態1の電子写真プリンタに除電光源31を加えたものである。なお、実施の形態1の電子写真プリンタと同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0051】
除電光源31は、印刷用紙Pの搬送路における転写位置の下流側に設けられ、転写位置を通過した印刷用紙Pが感光ドラム11から離れる剥離位置に均一な光を照射し、転写後に感光ドラム11上に残存する電荷を除電する。除電光源31の光の照射幅は、除電光源13の光の照射幅と同等であり、印刷用紙の最大幅よりも大きい。プリンタ制御部15は、印刷用紙Pが剥離位置を通過するのに合わせて除電光源31の点灯および消灯を制御する。
【0052】
実施の形態5によれば、除電光源31により感光ドラム11の剥離位置に光りが照射され、印刷用紙Pと感光ドラム11との間の電荷の差が小さくなるので、印刷用紙Pの剥離が容易になされる。このため、剥離の際に発生しやすいトナーの飛散、トナーの崩れを有効に抑制することができる。したがって、鮮明で高解像度の印刷物を得ることができる。
【0053】
なお、実施の形態1と同様に、実施の形態2〜4の電子写真プリンタに除電光源31を設ければ、同様の効果が得られるのはいうまでもない。
【0054】
実施の形態6.
図5は、この発明に係る実施の形態6の構成図である。
図5に示されるように、実施の形態2の電子写真プリンタは、図4に示される実施の形態5の電子写真プリンタの除電光源31の代わりに、ハーフミラー32、ミラー33およびミラー34からなる光学系を設けたものである。
【0055】
ハーフミラー32は、除電光源13の照射側に設けられ、除電光源31により照射される光の一部を反射する。ミラー33および34は、ハーフミラー32により反射された除電光源13の光を印刷用紙Pが感光ドラム11から離れる剥離位置に導く。ハーフミラー32の反射率は、転写前の除電に必要な光量および転写後の除電(剥離)に必要な光量に基づいて決定される。
【0056】
実施の形態6によれば、除電光源を1つにすることができるので、実施の形態5の電子写真プリンタと比べ、装置コストを低減することができる。
【0057】
実施の形態7.
図6は、この発明に係る実施の形態7の構成図である。
図6に示されるように、実施の形態7の電子写真プリンタは、図1に示される実施の形態1の電子写真プリンタの転写ローラ12の代わりに転写ブラシ41を設けたものである。転写ブラシ41は、感光ドラム11に押しつけられる。実施の形態1と同様に、用紙ガイド14により感光ドラム11の表面における転写ブラシ41の上流側には、印刷用紙Pが密着しつつ通過する密着領域Rが形成される。このように、転写ブラシ41を用いた場合にも、実施の形態1と同様な効果が得られる。実施の形態2〜6の電子写真プリンタにも転写ローラ12の代わりに転写ブラシ41を用いることができる。
【0058】
実施の形態8.
図7は、この発明に係る実施の形態8の構成図である。
図7に示されるように、実施の形態8の電子写真プリンタは、図1に示される実施の形態1の電子写真プリンタの転写ローラ12の代わりに転写ブレード42を設けたものである。転写ブレード42は、感光ドラム11に押しつけられる。実施の形態1と同様に、用紙ガイド14により感光ドラム11の表面における転写ブレード42の上流側には、印刷用紙Pが密着しつつ通過する密着領域Rが形成される。このように、転写ブレード42を用いた場合にも、実施の形態1と同様な効果が得られる。実施の形態2〜6の電子写真プリンタにも転写ローラ12の代わりに転写ブレード42を用いることができる。
【0059】
実施の形態9.
図8は、この発明に係る実施の形態1の構成図である。図9は、図8に示される電子写真プリンタの部分拡大図である。
実施の形態9の電子写真プリンタは、Y(yellow)、M(magenta )、C(cyan)およびK(black)の4色のトナー像を順次に印刷用紙に重ねて印刷する、いわゆるタンデム型のカラープリンタである。
【0060】
図8および図9に示されるように、この電子写真プリンタは、駆動ローラ55および従動ローラ56に巻き掛けられたエンドレスベルト50を備える。エンドレスベルト50は、光を透過する部材からなる。エンドレスベルト50は、図示しない給紙部から従動ローラ56側のエンドレスベルト50上に給紙された印刷用紙Pを図中、矢印Aで示される方向に搬送する。エンドレスベルト50は、印刷用紙Pが搬送中にずれないように、印刷用紙Pとの間に十分な摩擦力が与えられる表面加工を施したり、帯電させて静電気力により印刷用紙Pを吸着するようにするとよい。
【0061】
エンドレスベルト50の上方には、YMCKの4色のトナー像のそれぞれを形成する感光ドラム51〜54が印刷用紙Pの搬送方向に等間隔に配置されている。感光ドラム51〜54のそれぞれの最下部は、エンドレスベルト50に接触する接触部となる。なお、エンドレスベルト50の上方の感光ドラム51〜54の周囲には、それぞれのトナー像を形成する図示しない帯電装置、露光装置、現像装置およびクリーニング装置が工程順に配置されている。
【0062】
感光ドラム51〜54の下方には、エンドレスベルト50を介してそれぞれの感光ドラム51〜54に押し当てられる転写ローラ61〜64が設けられている。転写ローラ61〜64のそれぞれの中心位置は、それぞれの感光ドラム51〜54の中心位置より印刷方向Aに対し下流側に設けられている。転写ローラ61〜64のそれぞれの最上部は、感光ドラム51〜54のそれぞれの最下部より印刷方向Aに対し下流側に設けられている。
【0063】
感光ドラム51〜54と転写ローラ61〜64とをこのような位置関係に配置することで、例えば、感光ドラム51がエンドレスベルト50に接触する接触部から、転写ローラ61がエンドレスベルト50に接触する接触部までの間に、この間を通過する印刷用紙Pが感光ドラム51の表面に密着する密着領域Rが形成される。感光ドラム52〜53の表面にも、同様に密着領域Rが形成される。
【0064】
転写ローラ61〜64のそれぞれの上流側には、それぞれの感光ドラム51〜54の密着領域Rにエンドレスベルト50を通して均一な光を照射する除電光源71〜74が設けられている。除電光源71〜74は、それぞれの感光ドラム51〜54の密着領域Rに均一な光を照射し、それぞれの感光ドラム51〜54に残存する非露光部の負帯電した電荷を転写前に除電する。除電光源71〜74の光の照射幅は、印刷用紙の最大幅よりも大きい。
【0065】
なお、除電光源71〜74から照射された光がそれぞれの感光ドラム71〜74の密着領域Rに確実に当たるように、言い換えれば、除電光源71〜74から照射された光がそれぞれの感光ドラム71〜74の密着領域R以外に確実に当たらないように、除電光源71〜74の照射側にスリット等をそれぞれ設けるとよい。プリンタ制御部60は、給紙された印刷用紙Pが感光ドラム71〜74の密着領域Rを通過するのに合わせて除電光源71〜74の点灯および消灯を制御する。
【0066】
実施の形態9の電子写真プリンタでは、図示しない給紙部から従動ローラ56側のエンドレスベルト50上に給紙された印刷用紙Pが、エンドレスベルト50に吸着され、搬送方向Aに搬送される。感光ドラム51〜54に形成されたそれぞれの色のトナー像が順次に印刷用紙Pに重ねられる。印刷用紙Pが感光ドラム51〜54のそれぞれの密着領域Rを通過するときには、除電光源71〜74によりそれぞれの感光ドラム51〜54の密着領域Rにエンドレスベルト50を通して均一な光が照射される。これにより、感光ドラム51〜54のそれぞれの非露光部に残存する電荷が除電される。
【0067】
以上のように、実施の形態9によれば、感光ドラム51〜54に密着領域Rが形成されるので、除電光源71〜74による除電の影響により感光ドラム51〜54に形成されたトナーが空気中に飛散するのを防止することができる。したがって、感光ドラム51〜54から印刷用紙Pに転写されるトナー像の崩れを防止し、鮮明な高画質の印刷物を得ることができる。
【0068】
また、感光ドラム71〜74の密着領域Rを通過する印刷用紙Pに除電光源71〜74により均一な光を照射し、印刷用紙Pを透過する光により、感光ドラム71〜74上に残存する非露光部の電荷を転写前に除去することができる。このため、転写電圧もしくは転写電流を小さくし、印刷パターン(印刷デューティ)の違いによる最適な転写電圧もしくは転写電流のばらつきを小さくすることができる。したがって、転写電圧もしくは転写電流の制御が容易になる。
【0069】
このように、実施の形態9によれば、感光ドラム51〜54上に残存する非露光部の負電荷を除去しつつ、感光体から印刷用紙Pに転写されるトナー像の崩れを防止し、鮮明で高解像度の印刷物を得ることができる。
【0070】
実施の形態10.
図10は、この発明に係る実施の形態10の構成図である。
図10に示されるように、実施の形態10の電子写真印プリンタは、図8に示される実施の形態9の電子写真プリンタに光量設定部81〜84を加えたものである。なお、実施の形態9の電子写真プリンタと同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0071】
光量設定部81〜84は、それぞれの除電光源71〜74により照射すべき光量を設定するものである。下流側の感光ドラム52〜54によりそれぞれの色を転写するとき、印刷用紙Pには、それぞれの上流側の感光ドラム51、感光ドラム51および52、並びに、感光ドラム51〜53のトナーがすでに転写されている。このため、除電光源71〜74により照射された光がそれぞれの感光ドラム51〜54に密着する印刷用紙Pを透過する光量は、下流側になればなるほど減少する。
【0072】
光量設定部81〜84は、それぞれの除電光源71〜74から照射すべき光量1〜4を、
光量1<光量2<光量3<光量4
の関係を満たすように設定する。光量1〜4は、それぞれの感光ドラム51〜54の残存電荷を除電できる光量をあらかじめ測定することにより決定される。
【0073】
実施の形態10によれば、下流側の除電光源の光量を上流側の除電光源の光量より大きくすることにより、既に印刷用紙Pに転写されたトナーによる光の透過量の減少分を補い、除電光源71〜74によりそれぞれの感光ドラム51〜54に残存する非露光部の電荷が同程度に除電されるようにする。したがって、転写ローラ61〜64の転写電圧もしくは転写電流も同程度にすることができる。最適な転写電圧もしくは転写電流の制御も容易になる。
【0074】
実施の形態11.
実施の形態11の電子写真プリンタは、実施の形態10の電子写真プリンタと同様の構成であるが、光量設定部81〜84により設定される光量1〜4の決定方法が異なる。実施の形態11の電子写真プリンタは、印刷用紙Pに転写されるトナーの色(光の透過率)に基づいて除電光源71〜74により照射すべき光量1〜4を決定する。
【0075】
光量1〜4は、
光量1<光量2<光量3<光量4
の関係を満たすが、さらに、
光量2=光量1+A
光量3=光量2+B
光量4=光量3+C
を満たすように設定される。Aは、感光ドラム51により転写されるトナーの色により決定される。Bは、感光ドラム52により転写されるトナーの色により決定される。Cは、感光ドラム53により転写されるトナーの色により決定される。
【0076】
例えば、Yトナーのように光を透過しやすいトナーのときには、増加分の光量は小さくする。反対に、Kトナーのように光を透過しにくいトナーのときには、増加分の光量は小さくする。
【0077】
以上のように、実施の形態11によれば、前段に転写されるトナーの色(光の透過率)に基づいて除電光源71〜74により照射される光量1〜4を決定する。したがって、簡便な方法により、実施の形態10と同様の効果を得ることができる。
【0078】
実施の形態12.
図11は、実施の形態12の電子写真プリンタの構成図である。
図11に示されるように、実施の形態12の電子写真プリンタは、図10に示される実施の形態11の電子写真プリンタと同様に光量設定部81〜84を備えるが、これら光量設定部81〜84により設定される光量1〜4の決定方法が異なる。光量1〜4は、YMCKの4色の印刷データに基づく所定の印刷領域のデューティ比(非露光部と露光部との比)を求めることにより決定される。
【0079】
プリンタ制御部60には、YMCKの4色の印刷データのそれぞれに基づいて所定の印刷領域毎のデューティ比を検出するデューティ検出部91〜94、25個のレジスタreg1〜reg25からなるシフトレジスタ100、光量変換部101〜104、並びに、加算器112〜113が設けられている。
【0080】
デューティ検出部91〜94はそれぞれの色の印刷データに基づいて所定の印刷領域毎のデューティ比を検出する。デューティ検出部91は、1色目のデューティ比を検出する。デューティ検出部92は、2色目のデューティ比を検出する。デューティ検出部93は、3色目のデューティ比を検出する。デューティ検出部94は、4色目のデューティ比を検出する。デューティ比を検出するための印刷領域は、例えば、印刷速度、露光装置のライン周期、除電光源71〜74の照射範囲(副走査方向の長さ)等を考慮して決定される。
【0081】
各色の露光装置は、所定のライン周期でそれぞれの感光ドラム51〜54に静電潜像を形成する。除電光源71〜74は、これらの露光装置によりそれぞれの感光ドラム51〜54に形成される複数ライン分の印刷領域に相当する範囲に光を照射する。デューティ検出部91〜94は、この複数ラインの副走査方向の長さをA(mm)とすると、A(mm)の印刷領域毎にデューティ比を検出する。
【0082】
デューティ検出部91は、検出された1色目のデューティ比をシフトレジスタ100のreg1に書き込む。デューティ検出部92は、検出された2色目のデューティ比を加算器112に出力する。デューティ検出部93は、検出された3色目のデューティ比を加算器113に出力する。デューティ検出部94は、検出された4色目のデューティ比を加算器114に出力する。
【0083】
シフトレジスタ100は、この例では、初段のレジスタreg1から最終段のレジスタreg25までの25個のレジスタからなる。シフトレジスタ100は、各色の露光装置によりそれぞれの感光ドラム51〜54に複数ライン分の印刷領域が形成される周期に従ってレジスタreg1〜reg24に記憶されたデータ(デューティ比)を次段のレジスタに転送する。
【0084】
例えば、印刷速度をS(mm/sec)とすると、シフトレジスタ100は、A/S(sec)の周期でデータを転送する。また、1色目の転写位置と2色目の転写位置との間の距離をL(mm)とすると、1色目のデータ(レジスタreg4)と2色目(レジスタreg11)との間のレジスタ数は、L/A個必要になる。シフトレジスタ100のレジスタ数は、印刷速度、除電光源71〜74の照射範囲、各色の転写位置の間の距離等により変わる。
【0085】
加算器112は、レジスタreg7からレジスタreg8に転送されたデータ(1色目のデューティ比)とデューティ検出部92により検出された2色目のデューティ比とを加算し、再びレジスタreg8に書き込む。加算器113は、レジスタreg14からレジスタreg15に転送されたデータ(1色目および2色目のデューティ比の合計値)とデューティ検出部93により検出された3色目のデューティ比とを加算し、再びレジスタreg15に書き込む。加算器114は、レジスタreg21からレジスタreg22に転送されたデータ(1色目〜3色目のデューティ比の合計値)とデューティ検出部94により検出された4色目のデューティ比とを加算し、再びレジスタreg22に書き込む。
【0086】
光量変換部101は、シフトレジスタ100のレジスタreg4に転送されたデータ(1色目のデューティ比)を読み出し、光量1に変換する。光量変換部102は、レジスタreg11に転送されたデータ(1色目および2色目のデューティ比の合計値)を読み出し、光量2に変換する。光量変換部103は、レジスタreg18に転送されたデータ(1色目〜3色目のデューティ比の合計値)を読み出し、光量3に変換する。光量変換部104は、レジスタreg25に転送されたデータ(1色目〜4色目のデューティ比の合計値)を読み出し、光量4に変換する。
【0087】
光量変換部101〜104により変換される光量1〜4は、印刷領域のデューティ比はもちろんのこと、印刷用紙の種類(光の透過率)、エンドレスベルト50の光の透過率、各色のトナーの光の透過率等も考慮されて決定されている。
【0088】
光量設定部81は、光量変換部101により変換された光量1を除電光源71の光量1として設定する。光量設定部82は、光量変換部102により変換された光量2を除電光源72の光量2として設定する。光量設定部83は、光量変換部103により変換された光量3を除電光源73の光量3として設定する。光量設定部84は、光量変換部104により変換された光量4を除電光源74の光量4として設定する。
【0089】
実施の形態12の電子写真プリンタでは、YMCKの4色の印刷データに基づいてそれぞれの色の印刷領域(複数ライン)毎のデューティ比がデューティ検出部91〜94により検出される。
【0090】
デューティ検出部91により検出された1色目のデューティ比は、シフトレジスタ100のレジスタreg1に書き込まれる。レジスタreg1に書き込まれた1色目のデューティ比は、A/S(sec)の周期で後段のレジスタに順次に転送されていく。
【0091】
レジスタreg1に書き込まれた1色目のデューティ比がレジスタreg8に転送されるタイミングに合わせ、デューティ検出部92により同位置の2色目の印刷領域のデューティ比が検出される。2色目の印刷領域のデューティ比は、加算器112によりレジスタreg8に転送されたデータに加算され、1色目および2色目のデューティ比の合計値が得られる。
【0092】
レジスタreg1に書き込まれた1色目のデューティ比がレジスタreg15に転送されるタイミングに合わせ、デューティ検出部93により同位置の3色目の印刷領域のデューティ比が検出される。3色目の印刷領域のデューティ比は、加算器113によりレジスタreg15に転送されたデータに加算され、1色目〜3色目のデューティ比の合計値が得られる。
【0093】
レジスタg1に書き込まれた1色目のデューティ比がレジスタreg22に転送されるタイミングに合わせ、デューティ検出部94により同位置の4色目の印刷領域のデューティ比が検出される。4色目の印刷領域のデューティ比は、加算器114によりレジスタreg22に転送されたデータに加算され、1色目〜4色目のデューティ比の合計値が得られる。
【0094】
レジスタreg4に転送されたデータ(1色目のデューティ比)は、光量変換部101により光量1に変換され、光量設定部81により除電光源71の光量1として設定される。レジスタreg11に転送されたデータ(1色目および2色目のデューティ比の合計値)は、光量変換部102により光量2に変換され、光量設定部82により除電光源72の光量2として設定される。レジスタreg18に転送されたデータ(1色目〜3色目のデューティ比の合計値)は、光量変換部103により光量3に変換され、光量設定部83により除電光源73の光量3として設定される。レジスタreg22に転送されたデータ(1色目〜4色目のデューティ比の合計値)は、光量変換部104により光量4に変換され、光量設定部84により除電光源74の光量4として設定される。
【0095】
以上のように、実施の形態12によれば、所定の印刷領域毎にYMCKのそれぞれの色のディーティ比を検出し、除電光源71〜74の光量1〜4を設定する。したがって、印刷領域毎に最適な光量1〜4を選択することができるので、一層、感光ドラム51〜54に残存する非露光部の電荷を有効に除去し、それぞれの色の転写電圧もしくは転写電流の制御を容易にすることができる。
【0096】
除電光源71〜74による除電後の残存電荷のばらつきをより小さくしたいときには、印刷領域(複数ライン)を小さくすればよく、除電光源71〜74による除電後の残存電荷のばらつきがより大きくても許容されるときには、印刷領域を大きくすればよい。
【0097】
また、1色目〜4色目のデューティ比をデューティ検出部91〜94により検出し、シフトレジスタ100により1色目のデューティ比、1色目および2色目のデューティ比の合計値、1色目〜3色目のデューティ比の合計値、並びに、1色目〜4色目のデューティ比の合計値を累積加算により順次に求めるようにする。したがって、デューティ検出部91〜94により検出された各色のデューティ比を効率良く利用し、除電光源71〜74の光量1〜4を決定することができる。
【0098】
なお、デューティ検出部91〜94、シフトレジスタ100、光量変換部101〜104、並びに、加算器112〜114は、ソフトウェアにより実現することができる。
【0099】
デューティ比は、露光後に感光ドラムに残存する非露光部の電荷の量を検出するためのものであるから、デューティ比に限らず、例えば、より単純に、非露光部または露光部の面積(画素数)から光量を求めてもよい。非露光部または露光部の面積を求めることは、消費されるトナー量を求めることと同等である。
【0100】
また、印刷用紙の種類により、デューティ比から得られる光量を変えることにより、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。両面印刷機構を有するプリンタにおいては、第1面の印刷時に使用したデューティ比を保持しておき、第2面の印刷時にも利用し、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
【0101】
【発明の効果】
この発明によれば、感光体表面における転写位置から上流側の所定領域に印刷用紙が密着しつつ通過する密着領域を形成するように、転写装置に搬送される印刷用紙を案内する用紙ガイドを転写位置の上流側に転写位置に離間して設ける。
このため、感光ドラム11に形成されたトナーが空気中に飛散するのを防止することができる。したがって、感光ドラム11から印刷用紙に転写されるトナー像の崩れを防止し、鮮明な高画質の印刷物を得ることができる。
【0102】
また、この発明によれば、感光ドラムの密着領域を通過する印刷用紙に均一な光を照射する第1の除電光源を転写位置と用紙ガイドとの間に設ける。このため、印刷用紙を透過する光により、露光後に感光ドラム上に残存する非露光部の電荷を転写前に除去することができる。このため、転写電圧もしくは転写電流を小さくし、印刷パターン(印刷デューティ)の違いによる最適な転写電圧もしくは転写電流のばらつきを小さくすることができる。したがって、転写電圧もしくは転写電流の制御を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る実施の形態1の構成図である。
【図2】この発明に係る実施の形態2の構成図である。
【図3】この発明に係る実施の形態3の構成図である。
【図4】この発明に係る実施の形態5の構成図である。
【図5】この発明に係る実施の形態6の構成図である。
【図6】この発明に係る実施の形態7の構成図である。
【図7】この発明に係る実施の形態8の構成図である。
【図8】この発明に係る実施の形態9の構成図である。
【図9】図9に示される電子写真プリンタの部分拡大図である。
【図10】この発明に係る実施の形態10の構成図である。
【図11】この発明に係る実施の形態12の構成図である。
【図12】従来の電子写真プリンタを示す図である。
【符号の説明】
11 感光ドラム
12 転写ローラ
13 除電光源
14 用紙ガイド
15 プリンタ制御部
16 光量制御部
Claims (8)
- 感光体に形成されたトナー像を印刷用紙に転写させる転写装置と、
印刷用紙の搬送路における転写位置の上流側に前記転写位置に離間して設けられ、感光体表面における前記転写位置から上流側の所定領域に印刷用紙が密着しつつ通過する密着領域を形成するように、前記転写装置に搬送される印刷用紙を案内する用紙ガイドと、
前記転写位置と前記用紙ガイドとの間に設けられ、前記密着領域を通過する印刷用紙に均一な光を照射する第1の除電光源と、
前記印刷用紙の特性に基づいて、前記第1の除電光源から照射される光量を制御する光量制御部と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記密着領域は、転写電界が前記感光体上に形成されたトナー像を空気中に飛散させる影響が及ばない範囲を含むように設定されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、さらに、
印刷用紙の種類を設定する設定部を備え、
前記光量制御部は、前記設定部により設定された印刷用紙の種類に応じて、前記第1の除電光源から照射される当該光量を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、さらに、
前記印刷用紙の搬送路における前記用紙ガイドの上流側に設けられ、前記転写位置に搬送される印刷用紙の光の透過率を検出する透過率検出部を備え、
前記光量制御部は、前記透過率検出部に検出された光の透過率に基づいて前記第1の除電光源から照射される当該光量を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、さらに、
前記光量制御部は、両面印刷時における最初の第1面の印刷のときに前記第1の除電光源から照射される光量よりも、次の第2面の印刷のときに第1の除電光源から照射される光量を大きくすることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、さらに、
前記転写位置を通過した印刷用紙が前記感光体から離れる剥離位置に均一な光を照射する第2の除電光源を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、さらに、
前記第1の除電光源から照射された光の一部を、前記転写位置を通過した印刷用紙が前記感光体から離れる剥離位置に導く光学系を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記転写装置は、前記感光体に圧接する転写ローラ、前記感光体に圧接する転写ブラシおよび前記感光体に圧接する転写ブレードのいずれか1つを有することを特徴とする画像形成装置。
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