JP5424089B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関するものである。
潜像担持体と、潜像担持体を帯電する帯電手段と、静電潜像形成手段により、画像情報に基づいて潜像担持体の画像に対応する表面部分の帯電電位を落として形成された静電潜像にトナーを付着させて現像する現像手段たる現像装置とを備えた画像形成ユニットを複数備え、各潜像担持体上に形成される静電潜像をそれぞれ現像して得た各色トナー像を転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を得る所謂タンデム型の画像形成装置が知られている。
また、潜像担持体上の転写残トナーをトナー一時捕捉手段によって一時捕捉し、プリントジョブ終了後などの所定のタイミングでトナー一時捕捉手段から潜像担持体の表面に戻し、現像装置で回収する所謂クリーナレス方式の画像形成装置も知られている(特許文献1乃至3)。
また、転写電界を安定させ安定した転写性能を得るために、転写手段たる転写ローラに印加する転写バイアスを定電流制御する画像形成装置が知られている。ところが、定電流制御を行った場合、画像の印字率が低いとき、トナー転写率(被転写材に転写したトナーの質量/感光体上に現像されたトナーの質量)が低下するという問題があった。これは、像担持体表面の画像部と転写ローラとの間の電位差よりも、像担持体表面の非画像部と転写ローラとの間の電位差の方が非常に大きい。従って、印字率の低い画像のときは、優先的に非画像部で放電が起きてしまい、画像部に流れる転写電流が少なくなり、印字率の高い画像に比べて、トナー転写率が低下してしまうのである。
そこで、特許文献4には、印字率が低い画像の場合は、転写電流値を高くする画像形成装置が記載されている。これにより、印字率が低い画像のときも良好な画像を得ることができる。
ところが、タンデム型の画像形成装置では、印字率の低い画像において、転写体の表面移動方向上流側で転写された転写体上のトナーが、その下流側に位置する他色の潜像担持体上のトナーを転写体上に転写するとき、この他色の潜像担持体上に逆転写してしまう。その結果、転写体上のトナーが減少してしまい、ボソついた画像となるなど、画像が劣化してしまう。また、クリーナレス方式を採用したタンデム型画像形成装置においては、この潜像担持体に逆転写した他色のトナーが、現像装置に回収されてしまい、混色が生じてしまう。その結果、形成する画像に色変化が起こり、色再現性の高い画像が長期にわたり形成できないという問題が生じてしまう。
本発明者らは、印字率の低い画像を形成した後、転写後の最下流の潜像担持体を確認したところ、潜像担持体の非画像部に対応するところに逆転写した他色のトナーが多く付着していることを確認した。そして、潜像担持体の非画像部に対応する箇所に多くの逆転写トナーが付着する理由について鋭意研究した結果、次のことがわかった。すなわち、上述したように、潜像担持体表面の画像部と転写ローラとの間の電位差よりも、潜像担持体表面の非画像部と転写ローラとの間の電位差の方が非常に大きいため、非画像部で優先的に放電が発生する。このように、非画像部で放電が頻発するため、潜像担持体の非画像部と対向する転写体上の部分に付着したトナーが、放電により正規の帯電極性とは逆極性に帯電しやすく、逆帯電トナーとなりやすい。そして、この逆帯電トナーが、潜像担持体へ逆転写することがわかったのである。
なお、従来から転写ローラによる転写に先立って、潜像担持体表面を徐電する転写前徐電手段を備えた画像形成装置が存在する。しかしながら、従来の転写前徐電手段で徐電後の潜像担持体表面は、非画像部と画像部との電位差が、小さくなっているものの、非画像部の電位の絶対値が画像部の電位の絶対値よりも大きかった。このため、従来の転写前徐電手段を備えた画像形成装置においても、転写ローラと非画像部との電位差の方が、転写ローラと画像部の電位差よりも大きくなる。従って、従来の転写前徐電手段を備えた画像形成装置においても、非画像部で優先的に放電が発生し、逆転写が発生してしまう。
本発明は以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、タンデム型画像装置における逆転写による画像の劣化を抑制することができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像を担持する潜像像担持体と、前記潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、静電潜像形成手段により、画像情報に基づいて潜像担持体の画像に対応する表面部分の帯電電位を落として形成された静電潜像にトナーを付着させて現像する現像手段と、電源から定電流制御されたバイアスが印加され、現像によって得られたトナー像を前記潜像担持体から転写体に転写する転写手段とを有する画像形成手段を複数備え、且つ、該複数の画像形成手段の各潜像担持体の表面に順次接触するように前記転写体を搬送する転写体搬送手段を備えた画像形成装置において、少なくとも、前記転写体表面移動方向最下流に配置された画像形成手段は、前記転写手段による転写に先立って、前記潜像担持体表面における非画像部と前記転写手段との間の電位差が、前記潜像担持体表面における画像部と前記転写手段との電位差より低くなるように、前記潜像担持体表面を除電する転写前除電手段と、前記転写前除電手段を備えた画像形成手段の転写手段に対して、画像の印字率が低いほど流す電流値を小さくするよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、潜像を担持する潜像像担持体と、前記潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、静電潜像形成手段により、画像情報に基づいて潜像担持体の画像に対応する表面部分の帯電電位を落として形成された静電潜像にトナーを付着させて現像する現像手段と、電源から定電流制御されたバイアスが印加され、現像によって得られたトナー像を前記潜像担持体から転写体に転写する転写手段とを有する画像形成手段を複数備え、且つ、該複数の画像形成手段の各潜像担持体の表面に順次接触するように前記転写体を搬送する転写体搬送手段を備えた画像形成装置において、少なくとも、前記転写体表面移動方向最下流に配置された画像形成手段は、前記転写手段による転写に先立って、前記潜像担持体表面における非画像部と前記転写手段との間の電位差が、前記潜像担持体表面における画像部と前記転写手段との電位差より低くなるように、前記潜像担持体表面を除電する転写前除電手段を備え、前記転写前除電手段が、前記潜像担持体表面に対して露光することにより帯電電位を落とすように除電処理を施すものであって、前記トナーの光透過率が高いほど、前記静電潜像の電位の絶対値が大きくなるよう、前記転写前除電手段を備えた画像形成手段の帯電手段および/または前記潜像形成手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、前記制御手段は、前記トナーの帯電量が所定の値よりも高くなったときは、前記転写手段に流す電流値を大きくするよう制御することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至いずれかの画像形成装置において、前記転写体が、透過性を有する材料からなる中間転写ベルトであり、前記転写前除電手段を、前記潜像担持体と前記中間転写ベルトとが接触する領域に対向配置したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、前記転写前除電手段を備えた画像形成手段の転写手段よりも中間転写ベルト移動方向上流側に、中間転写ベルトを介して前記転写前除電手段を備えた画像形成手段の潜像担持体と当接するプレニップ部材を設け、前記転写前徐電手段は、前記プレニップ部材と前記一次転写手段との間に配置し、前記プレニップ部材に、前記非画像部と前記中間転写ベルトとの間で放電が生じないプレ転写電流を流したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至いずれかの画像形成装置において、各潜像像担持体上の転写後トナーを、それぞれ対応する現像手段で回収することを特徴とするものである。
本発明によれば、少なくとも、転写体表面移動方向最下流に配置された画像形成手段の潜像画像担持体の非画像部と転写手段との電位差が、画像部と転写手段との電位差よりも低くなるよう転写前除電手段で除電される。これにより、非画像部よりも電位差が大きい画像部に転写電流が生じやすくなる。その結果、転写手段に印加する転写電流値が低くても、画像部上のトナーが、被転写体へ転写するのに十分な転写電流が画像部に流れる。これにより、転写電流値を高く設定しなくても、良好な転写率を得ることができる。また、画像部と転写手段との電位差の方が、非画像部と転写手段との電位差よりも大きいので、画像部に優先的に転写電流が流れ、非画像部での放電を抑えることができる。よって、非画像部に対向する転写体の部分に付着したトナーが放電により、逆帯電するのを抑制することができる。その結果、転写体の表面移動方向上流側で転写された転写体上のトナーが下流側に位置する他色の像担持体上に逆転写するのを抑制することができる。よって、転写体上のトナーの減少を抑制することができ、良好な画像を得ることができる。また、クリーナレス方式を採用したタンデム型画像形成装置においては、逆転写した他色のトナーが、現像手段に回収されてしまうのを抑制することができる。よって、現像手段内のトナーの混色を抑制でき、形成する画像に色変化が生じるのを長期にわたり抑制することができ、色再現性の高い画像を長期にわたり維持することができる。
また、印字率に応じて転写電流の制御を行った場合、印字率が低いほど、転写電流値を低くすることができ、省電力化を図ることができる。
実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 ベタパターンの一例を示す模式図。 C色の一次転写ニップ周辺の概略構成図。 プリンタの電気回路の一部を示すブロック図。
以下、本発明を画像形成装置としてのタンデム型の画像形成部によってカラー画像を形成するカラープリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。
図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、図示しない潜像形成手段たる光書込ユニット、タンデム画像形成部10、転写ユニット20、定着装置40、再送装置50などを備えている。タンデム画像形成部10は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色トナー像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y,M,C,Kを有している。
転写ユニット20は、転写体たる無端状の中間転写ベルト21、駆動ローラ22、従動ローラ23、二次転写対向ローラ24、4つの一次転写ローラ25Y,M,C,K、二次転写ローラ26などを有している。無端状の中間転写ベルト21は、側方からの眺めが逆三角形状の形状になる姿勢で、駆動ローラ22、従動ローラ23及び二次転写対向ローラ24に掛け回されている。中間転写ベルト21は、透過性を有する材料(ポリフッ化ビニリデン(大倉工業(株)))からなっており、厚さ100[μm]、体積抵抗率は、約1E10[Ω・cm](三菱化学製ハイレスターUP(MCP−HT450を用い印加電圧500[V]での測定値)である。そして、不図示の転写体搬送手段たる駆動装置により駆動ローラ22を回転駆動せしめ、中間転写ベルト21が、図中時計回り方向に無端移動せしめられる。中間転写ベルト21のループ内側には、駆動ローラ22、従動ローラ23、及び二次転写対向ローラ24の他に、4つの一次転写ローラ25Y,M,C,Kも配設されている。なお、一次転写ローラ25Y,M,C,Kや二次転写ローラ26の役割については後述する。
タンデム画像形成部10は、4つの画像形成ユニット1Y,M,C,Kを中間転写ベルト21の上張架面に沿って水平方向に並べる姿勢で、転写ユニット20の上方に配設されている。画像形成ユニット1Y,M,C,Kは、図中反時計回り方向に回転駆動されるドラム状の感光体2Y,M,C,Kと、現像ユニット3Y,M,C,Kと、帯電手段4Y,M,C,Kとを有している。感光体2Y,M,C,Kは、それぞれ中間転写ベルト21の上張架面に当接してY,M,C,K用の一次転写ニップを形成しながら、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる。各感光体2Y,M,C,Kは、有機感光体であり、感光層静電容量が、約9.5E−7[F/m]のものを用いた。帯電手段4Y,M,C,Kは、帯電電源80Y,M,C,Kにより帯電バイアスが印加され、感光体2Y,M,C,Kの表面をトナーの帯電極性と同じ極性に一様帯電せしめるものである。
現像手段たる現像ユニット3Y,M,C,Kは、磁性キャリアとポリエステル系の材料からなる粉砕トナーとを収容しており、それぞれ現像剤担持体たる現像ローラ3aY,M,C,Kを有している。現像ローラ3aY,M,C,Kは不図示の駆動モータにより図中時計回りの方向に回転して、必要量の現像剤を表面に保持して感光体との対向位置へ搬送する。現像ローラ内部には、複数の磁石が設けられており、現像ローラ表面に保持されている現像剤は、現像領域で現像領域と対向する磁石による磁力で穂立ちし、現像ローラ表面上の磁気穂が感光体と接触する。現像ローラ3aY,M,C,Kには、不図示の電源から現像バイアスが印加されており、印加された現像バイアスと感光体上の静電潜像によって形成される潜像電界に応じて、現像ローラ3aY,M,C,Kに穂立ちした現像剤からトナーが感光体表面に移動し現像される。
Y,M,C,K用の一次転写ニップの下方では、中間転写ベルト21のループ内で、転写手段たる一次転写ローラ25Y,M,C,Kが中間転写ベルト21を感光体2Y,M,C,Kに向けて押圧している。4つの一次転写ローラ25Y,M,C,Kは、金属製の芯金にスポンジ等の弾性体が被覆されたローラであり、芯金を除く体積抵抗値は、1E9[Ω・cm]である。これら一次転写ローラ25Y,M,C,Kには、一次転写電源81Y,M,C,Kによって定電流制御されるトナー帯電極性と逆極性の一次転写電流が印加される。
タンデム画像形成部10の上方には、図示しない潜像形成手段たる光書込ユニットが配設されている。この光書込ユニットは、帯電手段4Y,M,C,Kによって−650[V]に一様帯電せしめられた感光体2Y,M,C,Kの表面に対し、走査光Lによる光書込処理を施して静電潜像を形成するものである。なお、ベタ画像時における静電潜像の電位Vlは、約−100[V]である。感光体2Y,M,C,Kに形成された静電潜像は、現像ユニット3Y,M,C,Kによって負極性(帯電量約−20[μc/g]トナーで反転現像されてY,M,C,Kトナー像(ベタ画像時におけるトナー付着量約0.6[mg/cm])になる。なお、このとき、現像ローラ3aY,M,C,Kに−500[V]の現像バイアスVbが一定に印加されるよう制御されている。これらY,M,C,Kトナー像は、上述したY,M,C,K用の一次転写ニップにて、中間転写ベルト21のおもて面に重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト21のおもて面には、4色重ね合わせトナー像が形成される。
なお、本プリンタにおいては、帯電手段4Y,M,C,Kとして、帯電電源80Y,M,C,Kによって帯電バイアスが印加される帯電部材を感光体2Y,M,C,Kに当接又は近接せしめた状態で、帯電部材と感光体2Y,M,C,Kとの間に放電を生じせしめて感光体2Y,M,C,Kを一様帯電させるものを採用している。このような帯電手段4Y,M,C,Kに代えて、スコロトロン帯電器などを採用してもよい。
転写ユニット20は、中間転写ベルト21の下方に二次転写ローラ26を有している。ニップ形成部材としての二次転写ローラ26は、接地された状態で、中間転写ベルト21における二次転写対向ローラ24に対する掛け回し箇所にベルトおもて面側から当接して二次転写ニップを形成している。二次転写ローラ26は、金属製の芯金にウレタン等の弾性体が被覆されたローラであり、芯金を除く体積抵抗値は、1E9[Ω・cm]である。二次転写対向ローラ24も、二次転写ローラ同様、金属製の芯金にウレタン等の弾性体が被覆されたローラであり、芯金を除く体積抵抗値は、1E9[Ω・cm]である。二次転写ニップの上方にて、中間転写ベルト21を掛け回している二次転写対向ローラ24には、二次転写バイアス電源82により、トナーの帯電極性と同極性の二次転写バイアスが印加される。これにより、二次転写対向ローラ24と二次転写ローラ26との間の二次転写ニップには、トナーを二次転写対向ローラ24側から二次転写ローラ26側に静電移動させる二次転写電界が形成される。
二次転写ニップには、記録シートが所定のタイミングで送り込まれる。そして、中間転写ベルト21上の4色重ね合わせトナー像が、ニップ圧や二次転写電界の作用によって記録シートに一括二次転写される。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト21表面に付着している二次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置27によってベルト表面から除去される。
二次転写ニップで4色重ね合わせトナー像が二次転写された記録シートは、二次転写ニップを出た後、図中反時計回り方向に無端移動せしめられる用紙搬送ベルト39の上張架面に吸着されて定着装置40内に送り込まれる。そして、定着装置40内において、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱定着ローラ41(設定温度:165[℃])と、これに向けて押圧される加圧ローラ42との当接による定着ニップに挟み込まれ、加圧や加熱処理によるトナー像の定着処理が施される。このようにしてトナー像が定着せしめられた記録シートは、図示しない排出ローラ対を経由して機外へと排出される。
定着装置40から排出された記録シートについては、そのまま排紙ローラ対に送る場合と、排紙ローラ対に送らずに、再送装置50に送る場合とがある。具体的には、記録シートの第1面だけに画像を形成する片面モードのプリントジョブを実施する際には、定着装置40から排出された記録シートを例外なく排紙ローラ対に送る。これに対し、記録シートの両面に画像を形成する両面モードのプリントジョブを実施する際において、定着装置40から排出された記録シートが第1面だけにトナー像を担持するものである場合には、それを排紙ローラ対に送らずに、再送装置50に送る。但し、両面モードであっても、定着装置40から排出された記録シートが両面にトナー像を担持するものである場合には、それを排紙ローラ対に送る。定着装置40を通過した後の記録シートを排紙ローラ対に送るのか、再送装置50に送るのかの切り換えは、図示しない切り換え爪によるシート搬送先の切り換えによって行われる。
再送装置50は、定着装置40から送られてくる記録シートをスイッチバック路51でスイッチバック搬送することで、その上下を反転させる。その後、記録シートをスイッチバック路52に送る。スイッチバック路52を通過した記録シートは、記録シートを図示しない給紙カセットから二次転写ニップに搬送するための給紙路の途中に送り込まれる。これにより、上下を反転させた状態で、二次転写ニップに再送される。
なお、給紙路の後半領域では、記録シートは、ローラ対31とレジストローラ対(ステンレス製)32とを順次通過する。再送装置50は、記録シートを給紙路におけるローラ対31よりも上流側の位置に送り込む。よって、記録シートは、給紙カセットから送り出された直後のものであるか、再送装置50によって再送されたものであるかにかかわらず、給紙路内において、ローラ対31とレジストローラ対32とを必ず経由することになる。
レジストローラ対32は、2つのローラの回転を停止させた状態で、記録シートの先端が突き当てられることで、記録シートのスキューを矯正する。その後、2つのローラを回転させて記録シートの先端部をレジストニップ内にくわえ込むが、その後すぐにローラの回転を停止させる。そして、記録シートを二次転写ニップでベルト上のトナー像に同期させ得るタイミングで、ローラの回転を再開する。
本実施形態においては、画像形成ユニットと一次転写ローラとが画像形成手段として機能している。また、本実施形態のプリンタのプロセス線速は、約280[mm/s]である。
本プリンタにおける各画像形成ユニット1Y,M,C,Kでは、いわゆるクリーナレス方式を採用している。このクレーナレス方式とは、感光体2Y,M,C,K上に付着している転写残トナーをクリーニング回収するための専用の手段を用いることなく感光体上での画像形成プロセスを実行する方式のことである。また、クリーニング回収するための専用の手段とは、具体的には、転写残トナーを感光体2Y,M,C,Kから分離した後、再び感光体2Y,M,C,Kに付着させることなく、廃トナー容器まで搬送して回収したり、現像ユニット3Y,M,C,K内に搬送してリサイクル回収したりする手段である。
具体的には、各感光体上の転写残トナーは、帯電部材との対向領域を通過する際にマイナスに帯電され、その後、現像ローラ3aY,M,C,Kと感光体2Y,M,C,Kとが対向する現像領域において、感光体上の転写残トナーを現像ローラ3aY,M,C,Kに静電転移させることで、現像ユニット内に回収する。また、転写位置から現像領域の間にブラシ等の散らし部材を設けて、感光体2Y,M,C,K上の転写残トナーを引っ掻くことで、転写残トナーと感光体2Y,M,C,Kとの付着力を弱めてもよい。また、表面を感光体2Y,M,C,Kに接触させながら無端移動させる回転ブラシ部材などの捕捉部材を設け、補足部材で感光体2Y,M,C,K上の転写残トナーを一時的に捕捉し、プリントジョブ終了後やプリントジョブ間の紙間タイミングなどにおいて、捕捉部材上の転写残トナーを感光体2Y,M,C,Kに再転移させた後、現像ローラ3aY,M,C,Kに静電転移させて、現像ユニット内に回収するようにしてもよい。
中間転写ベルト移動方向下流側へいくほど、中間転写ベルト上のトナーが、感光体に逆転写する逆転写率(感光体に逆転写したトナーの質量/予めベルト上に存在したトナーの質量)が高くなる。そして、逆転写率は、感光体の非画像部電位Vniと、一次転写ローラに印加される一次転写電圧との電位差が高いほど高くなることが知られている。そこで、C色の感光体2C、K色の感光体2Kにおいては、中間転写ベルトへの一次転写前に、感光体表面を転写前除電手段で除電している。具体的には、C色の一次転写ローラ25C、K色の一次転写ローラ25Kの中間転写ベルト移動方向上流側に、プレニップブレード28C、28Kを設け、プレニップブレードと一次転写ローラとの間にそれぞれ転写前除電手段たる転写前除電ランプ29C、29Kを設けている。各プレニップブレード28C,28Kは、厚さ2.5[mm]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなり、体積抵抗率は、1E10[Ω・cm](三菱化学製ハイレスターUP(MCP−HT450を用い印加電圧500[V]での測定値)である。また、プレニップブレード28C,28Kには、プレ電源83c、83kからプレ転写バイアスが印加される。転写前除電ランプ29Cは、ピーク波長が600±20[nm]LEDからなり、このピーク波長は、感光体の電荷発生材(CGM:Charge Generation Material)の吸収波長域に存在している。
図2は、C色の一次転写ニップ周辺の概略構成図である。プレニップブレード28Cは、図2に示すように中間転写ベルト21を上方へ押し上げており、中間転写ベルト21のプレニップブレード28Cと、一次転写ローラ25Cとの間を感光体2Cに巻付かせている。転写前除電ランプ29Cは、透明部材からなる中間転写ベルト21を介して感光体表面を露光し、感光体表面を除電する。なお、K色においても同様である。このように、本実施形態においては、感光体上のトナー像が中間転写ベルト21に当接した状態で、感光体表面を除電している。この理由は、感光体表面を除電することで、非画像部と画像部との間の電界が弱まり、画像部にトナー粒子を静電的に吸着させる力よりもトナー粒子間に働くクーロン反発力が大きくなる。その結果、感光体上でトナーが飛散して、最終画像にニジミという形で画質劣化が発生する。このようなトナー飛散を防止するため、感光体上のトナー像が中間転写ベルトに当接した状態で、感光体表面を除電するのである。
また、本実施形態においては、プレニップブレード28C,28Kにプレ電源83c、83Kよりプレ転写電流を流して、中間転写ベルトのプレニップブレード28C,28Kから一次転写ローラ25C,25Kの間の領域を正極性に帯電させる。これにより、感光体上の中間転写ベルト21と当接しているトナーが中間転写ベルト21に静電的に吸着する。その結果、徐電により、非画像部と画像部との間の電界が弱まっても、トナー粒子間に働くクーロン反発力よりも中間転写ベルト21との吸着力の方が勝り、転写前徐電ランプ29C,29Kによって感光体表面を徐電した後におけるトナー飛散をより一層抑制することができる。なお、プレニップブレード28C,28Kに流すプレ転写電流は、一次転写ローラ25C,25Kに流す一次転写電流よりも低くし、非画像部で放電が生じないようにする。本実施形態においては、プレニップブレード25C,25Kに流すプレ転写電流を、5[μA]以下に設定した。
しかしながら、ただ単に感光体表面を除電するだけでは、不十分であり、除電後も感光体の画像部電位よりも非画像部電位の方が高い(負極性側に大きい)と、非画像部と転写電圧との電位差の方が、画像部と転写電圧との電位差よりも大きくなる。その結果、画像部よりも非画像部に電流が流れやすく、非画像部で優先的放電が発生し、画像部に流れる転写電流が低下する。このため、良好な転写率を確保するためには、一次転写電流値を高く設定しなければならない。しかし、一次転写電流を高くすると、中間転写ベルト上の非画像部での放電量(流れる電流)が多くなり、中間転写ベルト上の非画像部と対向するトナーが逆帯電するものが多くなり、逆転写率が高くなる。よって、逆転写を良好に抑制し、良好な転写率を実現するためには、除電後の感光体上の画像部電位Viを非画像部電位Vniよりも高く(負極性側に大きく)する必要がある。そこで、本実施形態では、転写前除電ランプ29C,29Kで除電後の画像部電位Viと非画像部電位Vniとの関係が、上記を満たすように、帯電バイアスVd、光書込ユニットの露光量、現像バイアスVb、転写前除電ランプの露光量などを調整している。
M、C、K色のトナーにおける転写前除電ランプの光に対する透過率の実測値は、表1のとおりである。また、各画像形成ユニットにおける感光体初期帯電電位Vd、現像バイアスVb、潜像形成直後の露光後電位(画像部電位)Vl、転写前除電ランプによる除電後の画像部電位Vi、非画像部電位Vniは、表2に示すとおりである。なお,図中の電位はベタ画像時の値である。
Figure 0005424089
Figure 0005424089
表2に示される各電位の関係は、感光体の光減衰特性が直線性を示す(帯電電位と露光エネルギの関係が一次式で示される)領域においては、以下の式により求められる。
Vni=A×X+Vd
Vi=A×T×X+Vl
Vd−Vl=C1
Vd−Vb=C2
A:光減衰特性の傾き
X:転写前除電ランプの露光エネルギ
T:トナー透過率(0〜1の値)
C1:設定値(本実施形態では、−550[V])
C2:設定値(本実施形態では、−150[V])
このように、画像部電位Viが非画像部電位Vniよりも高く(負極性側に大きく)なるように、除電することで、画像部と転写電圧との電位差が、非画像部と転写電圧との電位差よりも大きくなり、転写電流が積極的に画像部へ流れる。その結果、一次転写ニップにおいて、感光体上のトナーの転写が優先的起きる。よって、単位時間辺りに転写されるトナーの電荷量に基づいて一次転写電流の値を制御してやれば、逆転写を抑制し、高い転写率を実現することができる。
次に、各色の一次転写電流について、説明する。
まず、Y色の一次転写電流Iyについて説明する。
Y色の一次転写電流Iyは、一次転写ニップ出口部における、Yトナー画像の主走査方向(搬送方向と直交する方向)の印字率ηyに基づき、副走査方向(搬送方向)の画素毎に制御される。すなわち、中間転写ベルト21が、副走査方向に1画素分移動して、一次転写ニップ出口における印字率が変化すると、一次転写ローラに流れる一次転写電流が、その印字率に対応する一次転写電流値に変化するのである。
ここで、印字率ηについて図3を用いて説明する。印字率ηは、主走査方向における中間転写ベルト21の画像形成領域の幅Wに対する各色画像サイズの総和の割合を示す数値である。例えば、図3に示したベタパターンは、帯状パターンを1つだけ具備するものであり、その主走査方向の幅が、画像形成領域の幅W×0.2[mm]になっている。これは、中間転写ベルト21の画像形成領域幅Wの20[%]に相当するので、図示のベタパターンは20[%]の印字率で形成されていることになる。なお、印字率は、パソコンやスキャナから得られた画像入力信号か、感光体へ潜像を形成する際のレーザの書き込み信号を用いて算出される。
Y色の一次転写電流値は、トナー帯電量−20[μC/g]のとき、次の式で表すことができる。なお、ηyは、0〜1の値である。
画像があるとき(ηy>0)
Iy=−13.16×ηy+41.66[μA]
画像がないとき(ηy=0)
Iy=5[μA]
式からわかるように、Y色の一次転写電流は、主走査方向の印字率ηyが低いほど、一次転写ローラ25Yに流れる一次転写電流が多くなるように定電流制御される。
次に、M色の一次転写電流Imについて説明する。
M色トナー像の一次転写のとき、M色の一次転写ローラ25Mに流れる一次転写電流値が大きいと、中間転写ベルト21上のY色トナーが、M色の感光体2Mに逆転写する。このため、M色の一転写電流Imを、Y色の一次転写電流Iyと同じように制御(印字率が低いほど、一次転写電流が多くなるように制御)すると、印字率が低いときに、Y色トナーの逆転写率が高くなってしまう。このため、M色の一次転写電流Imについては、印字率が低いときの転写率を犠牲にし、Y色の逆転写が発生しないような転写電流(20[μA])に設定している。
次に、C色の一次転写電流Icについて説明する。
C色の一次転写電流Icは、一次転写ニップ出口部における、C色トナー画像の主走査方向(搬送方向と直交する方向)の印字率ηcに基づき、副走査方向(搬送方向)の画素毎に制御され、トナー帯電量−20[μC/g]のとき、次の式で表すことができる。印字率ηcは、0〜1の値である。なお、Ipcは、プレ転写電流であり、Ic>Ipcの関係を有し、Ipcは、5[μA]以下に設定される。なお、Ipcは、0[μA]でもよい。
画像があるとき(ηc>0)
Ic+Ipc=8.4×ηc+6.6[μA]
画像がないとき(ηc=0)
Ic+Ipc=3[μA]
式からわかるように、C色の一次転写電流は、主走査方向の印字率ηcが低いほど一次転写ローラ25Yに流れる一次転写電流が小さくなるように定電流制御される。これは、上述したように、転写前除電ランプにより、感光体2Cの画像部電位が、非画像部よりも高く(マイナス側に大きく)なるように、除電されているので、印字率が低くなればなるほど、画像部に転写電流が流れやすくなる。その結果、印字率が低くなればなるほど、一次転写電流Icは低くても、良好な転写率を得ることができるのである。このように、印字率が低いときほど、一次転写電流Ic値が抑えられるので、中間転写ベルト上のC色感光体2Cの非画像部と対向する部分のトナーが、C色感光体に逆転写するのを良好に抑制することができる。また、印字率ηcが100[%]のときでも、一次転写ローラ25cに流れる一次転写電流Icは、15[μA]程度でよく、M色の一次転写電流Imよりも低く抑えることができる。
次に、K色の一次転写電流Ikについて説明する。
K色の一次転写電流Ikも、C色と同様、主走査方向の印字率ηkが低いほど一次転写ローラ25Yに流れる一次転写電流が小さくなるように定電流制御され、トナー帯電量−20[μC/g]のとき、次の式で表すことができる。ηkは、0〜1の値である。Ipkは、プレ転写電流であり、Ik>Ipkの関係を有し、また、Ipkは、5[μA]以下に設定される。なお、Ipkは、0[μA]でもよい。
画像があるとき(ηk>0)
Ik+Ipk=8.4×ηk+6.6[μA]
画像がないとき(ηk=0)
Ik+Ipk=3[μA]
このように、K色においても、印字率が低いときほど、一次転写電流Ik値が抑えられるので、中間転写ベルト上のK色感光体2Kの非画像部と対向する部分のトナーが、K色感光体に逆転写するのを良好に抑制することができる。
従来の画像形成装置(転写前徐電ランプのない系)で、例えば一次転写電流を印字率に依らず一定とするような定電流制御の画像形成装置の場合、一次転写率が90(印字率5%時)〜93%(印字率100%時)となる一次転写電流で約5%の逆転写が発生する。そのため、従来の画像形成装置においては、Y色の感光体に現像された印字率が5%のイエロートナー像が、最下流の黒の一次転写ニップを通過するY色トナーの割合(質量%)は、90%×(1−0.05)×(1−0.05)×(1−0.05)≒77%となる。
一方、本実施形態のプリンタでは、上流側から2番目のM色トナーの転写率に関しては、従来の画像形成装置よりやや下がる(印字率5%で88%,印字率100%で92%)。しかし、その他の色(Y,C,K)に関しては、確実に95%の転写率が確保できた。また、本プリンタにおいては、M色、C色、K色における逆転写率を2%以下に抑えることができた。このため、Y色の感光体に現像された印字率が5%のイエロートナー像が、最下流の黒の一次転写ニップを通過するY色トナーの割合(質量%)は、95%×(1−0.02)×(1−0.02)×(1−0.02)≒89%にすることができ、従来の画像形成装置に比べて、多くのY色トナーを残すことができた。また、転写率が従来の画像形成装置よりも劣るM色トナーで、転写率が低くなる条件(印字率5%)でも、88%×(1−0.02)×(1−0.02)≒85%のトナーを残すことができる。一方、従来の画像形成装置の場合は、90%×(1−0.05)×(1−0.05)≒81%となり、従来に比べて、M色の転写率は、劣っているが、最終画像においては、本プリンタの方が高品質な画像が得られることがわかる。
また、特許文献4に記載された画像形成装置では、低い印字率のカラー画像で、且つ、各色のトナー像の重なりが大きい場合に高い転写電流が付与されるので、このような条件画像の場合、逆転写率が大きくなり、高品質な画像が得られないばかりか、下流側の画像形成ユニットにおいては、混色が進んで、経時にわたり、良好な色合いを出すことができないという問題が生じる。一方、本プリンタでは、逆転写を良好に抑えることができるので、高品位な画像を得ることができるるとともに、下流側の画像形成ユニットの混色を抑えることができ、経時にわたり、良好な色合いを維持することができるという格別な効果を奏することができる。
ところで、本プリンタでは、Y色の一次転写電流Iy、C色一次転写電流Ic、K色の一次転写電流Ikは、印字率に基づいて算出しているが、トナーの電荷量も考慮にいれて、算出してもよい。これは、転写率が最大となる転写電流値と印字率との関係や、逆転写率が増加し始める一次転写電流の閾値は、トナー電荷量によって変化するからである。トナー電荷量は、一般に温湿度環境で変化するため、図1に示すように装置内に温湿度センサ85を設け、温湿度センサ85の情報に基づいて、トナー電荷量を予測し、一次転写電流の算出式を補正する。具体的には、温湿度センサ85の情報に基づいて、トナー電荷量が高くなったと予測される場合は、通常時よりも、一次転写電流が高くなるよう補正される。また、作像プロセスの線速によっても単位時間当たりに転写されるトナーの量や放電電流量が変わるため、作像プロセスを考慮に入れて、Y色の一次転写電流Iy、C色一次転写電流Ic、K色の一次転写電流Ikを演算してもよい。
また、上記では、印字率に基づいて、一次転写電流を演算しているが、例えば、印字率と一次転写電流とが関連づけられたルックアップテーブルをメモリに格納しておき、印字率とルックアップテーブルとに基づいて、一次転写電流を設定してもよい。
また、本プリンタにおいては、M色トナーやY色トナーは、一般的なCGMの吸収波長である赤色光の透過率が高く、転写前除電ランプで除電後の感光体上の画像部電位Viを非画像部電位Vniよりも高く(負極性側に大きく)するには、感光体の初期の帯電電位や現像バイアスを非常に高く設定する必要がある。このため、本プリンタではこれらの画像形成ユニットには転写前除電ランプを配設しなかった。しかし、原理的にはこれらの画像形成ユニットにも転写前徐電ランプを配設し、転写前除電ランプで除電後の感光体上の画像部電位Viを非画像部電位Vniよりも高く(負極性側に大きく)して、印字率が高い程一次転写電流を多くする制御を行ってもよい。
また、本プリンタでは、中間転写ベルトとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を使用しているが、中間転写ベルト21の材料はこれに限られるものではない。例えば、導電性と光の透過性とを有する材料であれば良い。ただし、光の散乱の観点から、導電性フィラーを分散した材料より、イオン導電性を分散した材料の方が好ましい。
また、本プリンタにおいては、一次転写電流の制御の基準を、一次転写ニップ出口の印字率にしているが、一次転写ニップの中央の画像印字率に基づいて、一次転写電流を制御してもよい。また、一次転写ニップ内に存在する主走査方向の印字率の平均値に基づいて、一次転写電流の制御を行ってもよい。
また、クリーナレス方式ではなく、転写残トナーをクリーニングするタイプの画像形成装置にも、本発明を適用することができる。この場合は、もっと粗い範囲で一次転写電流を制御しても良い。例えば副走査方向の100画素の印字率を算出し、100画素中間転写ベルトが移動する毎に、一次転写電流を変更するよう制御してもよい。また、画像一枚当たりの平均印字率を用いて、一次転写電流を制御してもよい。このように、粗い範囲で一次転写電流を制御しても、転写前徐電ランプで、上述のように感光体表面電位を徐電することで、逆転写を抑えることができるので、廃トナー量の削減に対して一定の効果が得られる。
図4は、本プリンタの制御ブロック図である。本プリンタの電気回路の要部を示すブロック図である。同図において制御手段たる制御部200は、演算手段たるCPU200a(Central Processing Unit)、不揮発性メモリたるRAM200c(Random Access Memory)、一時記憶手段たるROM200b(Read Only Memory)等を有している。制御部200は、装置全体の制御を司るものであり、様々な機器やセンサが接続されているが、同図では、本プリンタの特徴点に関連する機器やセンサだけを示している。制御部200は、RAM200cやROM200b内に記憶している制御プログラムに基づいて、各手段の機能を実現している。具体的には、画像データに基づいて、各色の画像の印字率を演算する機能を有している。また、演算した印字率に基づいて、Y、C、K色の一次転写電流値を演算し、演算した一次転写電流値となるように、Y、C、K色の一次転写電源81Y,C,Kを制御している。
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、少なくとも、転写体たる中間転写ベルト表面移動方向最下流に配置されたK色の画像形成ユニット1Kには、転写手段たる一次転写ローラ25Kによる転写に先立って、感光体表面における非画像部と一次転写ローラ25Kとの間の電位差が、感光体表面における画像部と一次転写ローラ25Kとの電位差より低くなるように、感光体表面を除電する転写前除電手段たる転写前徐電ランプ29Kを備えている。これにより、一次転写電流は、非画像部よりも電位差が大きい画像部に流れやすくなる。その結果、一次転写ローラに印加する一次転写電流値が低くても、画像部上のトナーが、中間転写ベルト21へ転写するのに十分な転写電流が画像部に流れる。これにより、印字率の低い画像のときにおいて、一次転写電流値を高く設定しなくても、良好な転写率を得ることができる。また、印字率の低い画像のときにおける一次転写電流値を低く抑えることができ、且つ、非画像部に電流が流れにくくなっているので、非画像部での放電を抑制することができる。その結果、中間転写ベルト上の非画像部に対向する部分に付着したトナーの放電による逆帯電を抑制することができる。よって、印字率の低い画像のときでも、中間転写ベルト21の表面移動方向上流側で転写された中間転写ベルト上のトナーがK色の感光体に逆転写するのを抑制することができる。
また、本実施形態においては、転写前徐電ランプで、画像部の電位を非画像部電位よりも高く(負極性側に大きく)するように徐電するので、印字率が低いほど、画像部に転写電流が流れやすくなり、低い転写電流値で感光体上のトナー像を中間転写ベルトに転写することができる。よって、制御手段たる制御部200は、転写前徐電ランプを備えたK色とC色の画像形成ユニット1K、1Cの一次転写ローラ25K、25Cに対して、画像の印字率が低いほど流す一次電流値を小さくするよう制御することで、必要最低限の一次転写電流で中間転写ベルトへの転写を行うことができる。その結果、より一層、感光体の非画像部に対向する中間転写ベルト上のトナーへの電荷注入を抑制することができ、より一層、逆転写を抑制することができる。また、装置の省電力化に繋がる。
また、制御部200は、トナーの光透過率が高いほど、静電潜像の電位の絶対値が大きくなるよう、帯電手段4C,4Kおよび/または潜像形成手段たる不図示の光書込ユニットを制御する。これにより、転写前徐電ランプによって、非画像部電位が画像の電位よりも低く(負極性側に小さく)なる前に、画像部の電位が、露光によりそれ以上低下させることができない電位まで低下してしまうことを抑制することができる。これにより、確実に画像部の電位を非画像部電位よりも高く(負極性側に大きく)することができる。
また、制御部200は、トナーの帯電量が所定の値よりも高くなったときは、一次転写電流に流す電流値を大きくするよう制御することで、良好な転写性を得ることができる。
転写前除電ランプ29c、29kを、感光体と中間転写ベルトとが接触する領域に対向配置することによって、感光体上のトナー像が中間転写ベルトに当接した状態で、感光体表面を除電することができる。これにより、感光体表面を除電することで、非画像部と画像部との間の電界が弱まり、画像部にトナー粒子を静電的に吸着させる力よりもトナー粒子間に働くクーロン反発力が大きくなっても、トナーが感光体と中間転写ベルトとによって挟持固定された状態となっているので、感光体上のトナーが飛散するのを抑制することができる。
また、中間転写ベルト移動方向上流側に、中間転写ベルトを介してと当接する感光体と当接するプレニップ部材たるプレニップブレードを設け、転写前徐電ランプは、プレニップブレードと一次転写ローラとの間に配置し、プレニップブレードに、非画像部と中間転写ベルトとの間で放電が生じないプレ転写電流を流した。プレニップブレードにプレ転写電流を流すことにより、中間転写ベルトのプレニップブレードから一次転写ローラの間の領域を正極性に帯電する。これにより、感光体上の中間転写ベルト21と当接しているトナーが中間転写ベルト21に静電的に吸着する。その結果、徐電により、非画像部と画像部との間の電界が弱まっても、トナー粒子間に働くクーロン反発力よりも中間転写ベルト21との吸着力の方が勝り、転写前徐電ランプ29C,29Kによって感光体表面を徐電した後におけるトナー飛散をより一層抑制することができる。
また、各感光体上の転写後トナーを、それぞれ対応する現像手段たる現像ユニットで回収するので、転写残トナーを収容する廃トナータンクや、回収した転写残トナーを再利用するためにその転写残トナーを搬送するリサイクルトナー搬送通路などを設ける必要がなくなり、装置の小型化、部品点数の削減によるコストダウンを図ることができる。また、このような構成を採用しても逆転写トナーを良好に抑制できるので、混色による色合い低下を経時にわたり抑制することができる。
2Y,M,C,K:感光体
3Y,M,C,K:現像ユニット
4Y,M,C,K:帯電手段
21:中間転写ベルト
25Y,M,C,K:一次転写ローラ
26:二次転写ローラ
28C,28K:プレニップブレード
29C,29K:転写前徐電ランプ
80Y,M,C,K:帯電電源
81Y,M,C,K:一次転写電源
85:温湿度センサ
特開平5−313431号公報 特開平8−54771号公報 特開2005−338636号公報 特開2003−186284号公報

Claims (6)

  1. 潜像を担持する潜像像担持体と、
    前記潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、
    静電潜像形成手段により、画像情報に基づいて潜像担持体の画像に対応する表面部分の帯電電位を落として形成された静電潜像にトナーを付着させて現像する現像手段と、
    電源から定電流制御されたバイアスが印加され、現像によって得られたトナー像を前記潜像担持体から転写体に転写する転写手段とを有する画像形成手段を複数備え、
    且つ、該複数の画像形成手段の各潜像担持体の表面に順次接触するように前記転写体を搬送する転写体搬送手段を備えた画像形成装置において、
    少なくとも、前記転写体表面移動方向最下流に配置された画像形成手段は、前記転写手段による転写に先立って、前記潜像担持体表面における非画像部と前記転写手段との間の電位差が、前記潜像担持体表面における画像部と前記転写手段との電位差より低くなるように、前記潜像担持体表面を除電する転写前除電手段と、
    前記転写前除電手段を備えた画像形成手段の転写手段に対して、画像の印字率が低いほど流す電流値を小さくするよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 潜像を担持する潜像像担持体と、
    前記潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、
    静電潜像形成手段により、画像情報に基づいて潜像担持体の画像に対応する表面部分の帯電電位を落として形成された静電潜像にトナーを付着させて現像する現像手段と、
    電源から定電流制御されたバイアスが印加され、現像によって得られたトナー像を前記潜像担持体から転写体に転写する転写手段とを有する画像形成手段を複数備え、
    且つ、該複数の画像形成手段の各潜像担持体の表面に順次接触するように前記転写体を搬送する転写体搬送手段を備えた画像形成装置において、
    少なくとも、前記転写体表面移動方向最下流に配置された画像形成手段は、前記転写手段による転写に先立って、前記潜像担持体表面における非画像部と前記転写手段との間の電位差が、前記潜像担持体表面における画像部と前記転写手段との電位差より低くなるように、前記潜像担持体表面を除電する転写前除電手段を備え、
    前記転写前除電手段が、前記潜像担持体表面に対して露光することにより帯電電位を落とすように除電処理を施すものであって、
    前記トナーの光透過率が高いほど、前記静電潜像の電位の絶対値が大きくなるよう、前記転写前除電手段を備えた画像形成手段の帯電手段および/または前記潜像形成手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2の画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記トナーの帯電量が所定の値よりも高くなったときは、前記転写手段に流す電流値を大きくするよう制御することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至いずれかの画像形成装置において、
    前記転写体が、透過性を有する材料からなる中間転写ベルトであり、
    前記転写前除電手段を、前記潜像担持体と前記中間転写ベルトとが接触する領域に対向配置したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項の画像形成装置において、
    前記転写前除電手段を備えた画像形成手段の転写手段よりも中間転写ベルト移動方向上流側に、中間転写ベルトを介して前記転写前除電手段を備えた画像形成手段の潜像担持体と当接するプレニップ部材を設け、
    前記転写前徐電手段は、前記プレニップ部材と前記一次転写手段との間に配置し、
    前記プレニップ部材に、前記非画像部と前記中間転写ベルトとの間で放電が生じないプレ転写電流を流したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至いずれかの画像形成装置において、
    各潜像像担持体上の転写後トナーを、それぞれ対応する現像手段で回収することを特徴とする画像形成装置。
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