JP4579508B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子複写機等の電子写真方式により画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式の画像形成装置での転写部の技術として、感光体に対向したコロナチャージャによる転写技術が最もよく知られている。しかし、この方式では有害なオゾンの発生がある。
【0003】
そこで、オゾンレスの転写技術として、接触方式の転写技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
半導電性の転写ベルトと転写ベルトの背面に設けた転写ローラとを用いて、転写を行う技術が開示されている。転写ローラに転写バイアスを印加することにより転写が行われる。
【0005】
Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の複数のトナーを用いて画像を形成するカラー画像形成装置として、以下の4つの方式が知られている
(1)1つの感光体上に4色のトナーを重ねて像を形成して一括転写する方式。
【0006】
(2)転写ドラム上に転写材を保持し、転写ドラム4回転で4色の画像を形成する転写ドラム方式。
【0007】
(3)中間転写体に4色の画像を形成して転写材に一括転写する中間転写体方式。
【0008】
(4)4つの感光体が平行に配置されており、転写材が1パス(通過)する間に4色の画像が形成される4連ドラム方式。
【0009】
4連ドラム方式のカラー画像形成装置は、4つの平行して配置された像担持体上で形成された各色の画像(Y,M,C,Bk)が、転写材の1パス(通過)で多重転写されてカラー画像が形成できる。そのため、他の方式が4色の画像形成プロセスを経る時間に対して、1/4の時間で画像を形成することができるメリットがあり、高速化に向いている。
【0010】
これらの画像形成装置には、画像を形成する一連のプロセスの中で、感光体上に形成したトナー像を転写材に転写した後、感光体上に残存するトナーをクリーニングするクリーニング装置が設置されている。この感光体上に残存したトナーを再利用してトナー消費量を低減するため、クリーニング装置を全く取り除いた、いわゆるクリーナレスプロセスというものがある(例えば、特許文献2,3参照)。
【0011】
現像バイアスを高くすることにより、感光体上の残留トナーを現像器に回収するクリーナレス画像形成装置が開示されている(特許文献2)。
【0012】
また、残留トナーを回収し、所定のタイミングで排出するクリーナレスプロセスが開示されている(特許文献3)。
【0013】
しかしながら、4連タンデム型(4連ドラム方式)カラー画像形成装置のクリーナレスプロセスにおいては、上流で印字されたトナーが下流の感光体に逆転写し、それが現像器の中に入り混色の問題を発生させていた。
【0014】
【特許文献1】
特開平6−110343号公報(第1頁)
【0015】
【特許文献2】
特開平5−341643号公報(第1頁)
【0016】
【特許文献3】
特開平11−249452号公報(第1頁)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、4連タンデム型カラー画像形成装置のクリーナレスプロセスにおいては、上流で印字されたトナーが下流の感光体に逆転写し、それが現像器の中に入り混色を発生させるという問題があった。
【0018】
そこで、この発明は、4連タンデム型カラー画像形成装置のクリーナレスプロセスにおいて、逆転写を低減して混色を防ぐことのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明は、クリーナレスプロセスを用い、複数の感光体に静電潜像を形成し、感光体毎に対応するトナーで現像して用紙に画像を形成する画像形成装置において、前記感光体に対して前記トナーで現像される静電潜像を形成するための第1の露光強度、または、前記感光体に対して前記トナーで現像されない前記第1の露光強度より弱い第2の露光強度で前記感光体を露光する露光手段と、前記複数の感光体のうち第1の感光体を前記第1の露光強度で露光し、第1のトナー画像を用紙に形成する制御を行う第1の制御手段と、前記第1の感光体の後段に設けられた第2の感光体を前記第1の露光強度で露光し、前記第1のトナー画像が形成された用紙に第2のトナー画像を重ねて形成する制御を行うと共に、前記第2の感光体の前記第2のトナー画像が形成されない領域でかつ、前記第1のトナー画像と接触する領域を予め検出し、当該所定領域を前記第2の露光強度で露光する制御を行う第2の制御手段と、を具備することを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、この発明の画像形成装置に係るクリーナレスの4連タンデム型カラー画像形成装置を示す断面図である。
【0022】
図1において、画像形成手段であるプロセスユニット1a、1b、1c、1dが設けられている。
【0023】
各プロセスユニットは、像担持体である感光体ドラム3a、3b、3c、及び3dを有し、これらの感光体に現像剤像が形成される。
【0024】
まず、プロセスユニット1aについて説明する。
【0025】
プロセスユニット1aは、感光体ドラム3a、帯電チャージャ5a、露光装置7a、現像器9a、除電ランプ19aによって構成されている。
【0026】
図1において感光体ドラム3aは、直径30mmの円筒状であり、図示矢印方向に回転可能に設けられている。
【0027】
感光体ドラム3aの周囲には、回転方向に沿って以下のものが配置されている。まず、帯電チャージャ5aが感光体ドラム3aの表面に対向して設けられている。この帯電チャージャ5aは、感光体ドラム3aを一様に負(−)帯電させる。なお、帯電チャージャの代わりに、導電性ローラやブラシあるいはブレード等による接触帯電も可能である。
【0028】
帯電チャージャ5aの下流(図中、右方)には、帯電した感光体ドラム3aを露光して静電潜像を形成する露光装置7aが設けられている。また、露光装置7aの下流には、イエロー(黄色)の現像剤を収容し、この現像剤で露光装置7aにより形成された静電潜像を反転現像する現像器9aが設けられている。
【0029】
さらに現像器9aの下流には、感光体ドラム3aに対し、被画像形成媒体である用紙Pを搬送する搬送手段としての搬送ベルト11が設置されている。この搬送ベルト11は、感光体ドラム3a上に形成された現像剤像と用紙Pとが当接されるよう用紙Pを感光体ドラム3aに搬送する。
【0030】
感光体ドラム3aと用紙Pとの当接位置より下流側に、除電ランプ19aが設けられている。除電ランプ19aは、転写後の感光体ドラム3aの表面電荷を一様な光照射によって除電する。この除電ランプ19aによる除電により画像形成の1サイクルが完了する。そして、次の画像形成プロセスにおいて、再び、帯電チャージャ5aが、未帯電の感光体ドラム3aを一様に帯電する。
【0031】
一方、搬送ベルト11は、用紙Pの搬送方向(図示矢印eの方向)と直交する方向(図面奥行き方向)において、感光体ドラム3aの長さ寸法とほぼ等しい長さ(幅)を有している。この搬送ベルト11は、無端状(シームレス)ベルトの形状で、搬送ベルト11を所定の速度で回動させる駆動ローラ15及び従動ローラ13上に担持されている。駆動ローラ15から従動ローラ13までの距離は、約300mm程である。駆動ローラ15及び従動ローラ13は、それぞれ図示矢印j及びi方向にそれぞれ回転可能に設けられている。駆動ローラ15の回転に伴って、搬送ベルト11が回転し、従動ローラ13が従動回転する。搬送ベルト11は、従動ローラ13の外側方向への加重によりスリップしないよう十分張力が加えられている。
【0032】
搬送ベルト11は、カーボンが均一に分散された厚さ100μmのポリイミドにより形成されている。この搬送ベルト11は、10^10Ωcmの電気抵抗を有し、半導電性を示す。搬送ベルト11の材料としては、体積抵抗値が10^8〜10^13Ωcmの半導電性を示す材料であれば良い。例えば、カーボンを分散したポリイミドの他に、ポリエチレンテフタレート、ポリカーボネイト、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等にカーボン等の導電粒子を分散させたものでも良い。導電粒子を用いず、組成調整によって電気抵抗を調整した高分子フィルムを用いても良い。さらには、この様な高分子フィルムにイオン導電性物質を混入したもの、あるいは比較的電気抵抗が低いシリコンゴム、ウレタンゴム等のゴム材でも良い。
【0033】
搬送ベルト11上には、駆動ローラ15と従動ローラ13との間に用紙Pの搬送方向に沿ってプロセスユニット1aの他、プロセスユニット1b、1c及び1dが配置されている。
【0034】
プロセスユニット1b、1c及び1dは、いずれもプロセスユニット1aと同様の構成をしている。即ち、感光体ドラム1b、1c、及び1dが各々のプロセスユニットのほぼ中心に設けられている。各感光体ドラムの周囲には、それぞれ帯電チャージャ5b、5c及び5dが設けられている。各帯電チャージャの下流には、露光装置7b、7c及び7dが設けられている。各露光装置の下流には、現像器9b、9c及び9d、除電ランプ19b、19c及び19dが設けられている。異なるのは、現像器に収容された現像剤である。現像器19bはマゼンタの現像剤、現像器19cはシアンの現像剤、現像器19dはブラックの現像剤を収容している。
【0035】
搬送ベルト11によって搬送される用紙Pは、それぞれの感光体ドラム(3a,3b,3c,3d)と順次当接する。この用紙Pとそれぞれの感光体ドラム(3a,3b,3c,3d)との当接位置近傍には、転写手段としての転写装置23a、23b、23c及び23dが、それぞれの感光体ドラムに対応して設けられている。即ち、各転写装置(23a,23b,23c,23d)は、それぞれ対応する感光体ドラム(3a,3b,3c,3d)下方で搬送ベルト11に背面接触して設けられ、搬送ベルト11を介して各プロセスユニット(1a,1b,1c,1d)と対向している。
【0036】
転写装置23aは、電圧印加手段である正(+)の定電圧直流電源25aに接続されている。同様に転写装置23b、23c及び23dは、定電圧直流電源25b、25c、および25dにそれぞれ接続されている。
【0037】
他方、図1において、搬送ベルト11の正面右手には、用紙Pを収容する給紙カセット26が設けられている。画像形成装置本体には、給紙カセット26から用紙Pを1枚ずつピックアップするピックアップローラ27が図示矢印f方向に回転可能に設けられている。ピックアップローラ27と搬送ベルト11との間には、レジストローラ対29が回転可能に設けられている。レジストローラ対29は、所定のタイミングで、用紙Pを搬送ベルト11上へ供給する。
【0038】
また、搬送ベルト11上には、用紙Pを搬送ベルト11表面に静電吸着させるための金属ローラ30が配置されている。金属ローラ30は、接地(アース)されている。また、用紙吸着のためのべルト帯電のために、搬送ベルト11の従動ローラ13を対向電極として、従動ローラ13下部に搬送ベルト11を介してコロナ帯電器31が設置されている。
【0039】
また、図1中、搬送ベルト11の正面左手には、現像剤を用紙P上に定着する定着器33と、この定着器33にて定着された用紙Pが排出される排紙トレイ34が設けられている。
【0040】
図2は、4連タンデム型カラー画像形成装置の制御系の概略構成を示すものである。
【0041】
この画像形成装置は、全体の制御を司る主制御部40、原稿の画像を読み取るスキャナ部41、画像データに基づいて画像を形成する画像形成部としてのプリンタ部42、及び各種の操作が行われる操作パネル43とから構成されている。
【0042】
主制御部40のメインCPU45には、スキャナ部41のスキャナCPU46、プリンタ部42のプリンタCPU50、及び操作パネル43のパネルCPU47とが接続されている。
【0043】
プリンタ部42は、プリンタCPU50、ROM51、RAM52、感光体制御部53、定着制御部54、現像制御部55、露光制御部56、紙搬送装置58、及びオプション制御部59とから構成されている。
【0044】
プリンタCPU50は、プリンタ部42の全体を制御する。
【0045】
ROM51は、制御プログラム等が記憶されている。
【0046】
RAM52は、データ記憶用のメモリである。
【0047】
感光体制御部53は、感光体ドラム3a,3b,3c,3dの回転等を制御する。
【0048】
定着制御部54は、定着装置33を制御する。
【0049】
現像制御部55は、現像器9a、9b、9c及び9dを制御する。
【0050】
露光制御部56は、露光装置7a,7b,7c,7dの露光を制御する。
【0051】
紙搬送装置58は、搬送ベルト11を含む搬送路による用紙の搬送を制御する。
【0052】
オプション制御部59は、図示しないフィニッシャ等のオプションを制御する。
【0053】
次に、上述したように構成された4連タンデム型カラー画像形成装置におけるカラー画像形成プロセスについて説明する。このカラー画像形成プロセスは、プリンタCPU50の制御によって実行される。
【0054】
操作パネル(Control panel)43を介して画像形成開始が指示された際、プリンタCPU50は、カラー画像形成プロセスの制御を開始する。
【0055】
感光体ドラム3aは、図示しない駆動機構から駆動力を受けて回転を始める。帯電チャージャ5aは、この感光体ドラム3aを一様に約−600Vに帯電する。
【0056】
帯電チャージャ5aによって一様に帯電された感光体ドラム3aに、露光装置7aは、記録すべき画像に応じた光を照射して静電潜像を形成する。現像器9aは、現像剤により静電潜像を現像してイエローの現像剤像を形成する。
【0057】
感光体ドラム3a上に現像剤像を形成するのと同様の手順で、感光体ドラム3b、感光体ドラム3c、感光体ドラム3d上にも各色の現像剤像が形成される。
【0058】
一方、ピックアップローラ27は、給紙カセット26から用紙Pを取り出し、レジストローラ対29は、この用紙Pを搬送ベルト11上へ供給する。
【0059】
搬送ベルト11は、用紙Pを感光体ドラム3a、感光体ドラム3b、感光体ドラム3c及び感光体ドラム3dに向けて順次搬送する。
【0060】
感光体ドラム3a、搬送ベルト11、及び転写装置23aとにより形成される転写領域Taに用紙Pが達した際、転写装置23aに定電圧直流電源25aから約+1000Vのバイアス電圧が印加される。転写装置23aと感光体ドラム3aとの間には転写電界が形成され、感光体ドラム3a上の現像剤像が、この転写電界に従って用紙P上に転写される。
【0061】
転写領域Taにおいて、現像剤像が転写された用紙Pは、転写領域Tbに向けて搬送ベルト11によって搬送される。
【0062】
転写領域Tbでは、転写装置23bに定電圧直流電源25bから約+1200Vのバイアス電圧が印加される。それにより、イエローの現像剤像上に重ねてマゼンタの現像剤像が転写される。マゼンタの現像剤が転写された用紙Pは、転写領域Tcに向けてさらに搬送ベルト11によって搬送される。
【0063】
転写領域Tcにおいて、転写装置23cに定電圧直流電源25cから約+1400Vのバイアス電圧が印加される。それにより、イエロー,マゼンタの現像剤上に重ねてシアンの現像剤が転写される。シアンの現像剤が転写された用紙Pは、転写領域Tdに向けてさらに搬送ベルト11によって搬送される。
【0064】
転写領域Tdにおいて、転写装置23dに定電圧直流電源25dから約+1600Vのバイアス電圧が印加される。それにより、イエロー,マゼンタ,シアンの現像剤上に重ねてブラックの現像剤が転写される。
【0065】
このように用紙P上に多重転写された各色の現像剤像は、定着器33により用紙P上に定着されてカラー画像が形成される。定着済みの用紙Pは、排紙トレイ34上に排出される。
【0066】
ここで、転写装置23a,23b,23c,23dに関する部分についてさらに詳細に説明する。
【0067】
転写装置23aは、カーボンを分散して導電性とした導電性発泡ウレタンローラである。φ10mmの芯金に、外径φ18mmのローラを成形している。芯金とローラとの表面間の電気抵抗は約10e6Ωである。芯金には定電圧直流電源25aが接続されている。
【0068】
なお、転写装置における給電装置は、ローラに限らず、導電性ブラシ、導電性ゴムブレード、導電性シート等でも良い。導電性シートは、カーボン分散したゴム材や樹脂フィルムで、シリコーンゴムやウレタンゴムやEPDM等のゴム材や、ポリカーボネート等の樹脂材でも良い。体積抵抗値が、10e5〜10e7Ωcmのものが望ましい。
【0069】
また、転写装置23aは、図示しないローラシャフトで保持されている。
【0070】
このローラシャフトの両端には、付勢手段としてのバネが設けられている。このバネにより転写装置23aは、搬送ベルト11に対して鉛直方向に弾性的に当接する様に付勢されている。各転写ローラに設けられたバネによる付勢力の大きさは、600gftとした。
【0071】
転写装置23aの構成は、転写装置23b、23c及び23dと同様であり、また、搬送ベルト11へ弾性的に当接する構成も各転写部材についても同様であるので、転写装置23b、23c及び23dの構成については説明を省略する。
【0072】
次に、第1実施例について説明する。
【0073】
上述した画像形成プロセスにおいて、各プロセスユニット1a,1b,1c,1dでは、露光装置7a,7b,7c,7dにより露光が行われる。本第1実施例では、通常の画像形成のための第1の露光強度を400μWとし、画像が形成されない第2の露光強度を150μWとする。この第1の露光強度及び第2の露光強度は、プリンタCPU50が露光制御部56を制御することによって実行される。
【0074】
次に、このような構成において、第1実施例の制御動作を図3のフローチャートを参照して説明する。
【0075】
まず、Y(イエロー)画像を形成するプロセスユニット1aにおいて、プリンタCPUは、Y(イエロー)画像を形成する領域を通常の第1の露光強度(400μW)で露光する(ST1)。
【0076】
続いて、M(マゼンタ)画像を形成するプロセスユニット1bにおいて、プリンタCPUは、M(マゼンタ)画像を形成する領域を通常の第1の露光強度(400μW)で露光する。同時に、プリンタCPUは、上流側でY画像を印字し、且つM画像を印字しない領域を予め検出し、該Mの非印字領域を第2の露光強度(150μW)で露光する(ST2)。
【0077】
Y画像もM画像も印字しない領域については、露光をオフとするか、あるいは第2の露光強度で露光する。この場合、上述したように第2の露光強度は画像形成されない強度であり、第2の露光強度で露光されても感光体ドラム3bの電位は−450V程度である。このように感光体ドラム3bの帯電電位を低くすることにより、逆転写を低減することができる。
【0078】
また、第1と第2の露光強度による露光の切り替えは、その都度レーザを切り替えても良く、レーザ光源を2つ有するマルチレーザを使用しても良い。
【0079】
続いて、C(シアン)画像を形成するプロセスユニット1cにおいて、プリンタCPUは、C(シアン)画像を形成する領域を通常の第1の露光強度(400μW)で露光する。同時に、プリンタCPUは、Y画像を印字してM画像もC画像も印字しない領域、及びM画像を印字してC画像を印字しない領域を予め検出し、該領域を第2の露光強度(150μW)で露光する(ST3)。
【0080】
続いて、Bk(ブラック)画像を形成するプロセスユニット1dにおいて、プリンタCPUは、Bk(ブラック)画像を形成する領域を通常の第1の露光強度(400μW)で露光する。同時に、プリンタCPUは、Y画像を印字してM画像もC画像もBk画像も印字しない領域、及びM画像を印字してC画像もBk画像も印字しない領域、及びC画像を印字してBk画像を印字しない領域を予め検出し、該領域を第2の露光強度(150μW)で露光する(ST4)。
【0081】
上述した第2の露光強度について、さらに説明を加える。
【0082】
図4は、露光エネルギの概念を示すもので、第1の露光強度のプロフィールと、第2の露光強度のプロフィールを示している。
【0083】
通常の第1の露光強度で露光をされると感光体(ドラム)の表面電位は、いわゆる残留電位(Ver)まで低下する。すなわち、1ドット潜像電位となる。
【0084】
一方、本第1の実施例のポイントである第2の露光強度で露光された感光体(ドラム)の表面電位は、現像バイアス程度に低下するような適度な強度に選択されている。すなわち、強度を弱めた第2の露光潜像電位となる。従って、このように感光体(ドラム)の帯電電位を低くすることにより、逆転写を低減することができる。
【0085】
図5は、感光体の光減衰特性を示すものである。感光体(ドラム)の表面電位は、露光前がV0とした場合、第2の露光強度(露光エネルギ)で電位V1となり、通常の第1の露光強度(露光エネルギ)で残留電位Verとなる。
【0086】
次に、第2実施例について説明する。
【0087】
第2実施例においては、上流側で画像を形成し、且つ下流側で画像を印字しない領域を予め検出し、該下流側の非印字領域を通常の露光時間に対して、間引いて画像が形成されない露光を行う。
【0088】
ここで、通常の露光より間引いた露光とは、例えば、通常、1画素相当の露光を強度500μWで露光するところを、1画素の2/3の時間を強度500μWの強度で露光する。
【0089】
以下、通常の露光を第1の露光方法、間引いた露光を第2の露光方法とする。なお、第1の露光方法及び第2の露光方法は、プリンタCPU50が露光制御部56を制御することによって実行される。
【0090】
図6は、露光エネルギのプロフィール概念を示すものである。通常の第1の露光方法では、ある一定時間(例えば、1画素分の時間)露光し、図に示すようなプロフィールとなり、1ドット潜像電位を形成する。
【0091】
第2の露光方法は、上述したように一定時間より短い時間の露光である。そのため、総エネルギのプロフィールの概念は、図に示すように通常のものより小さくなり、感光体の潜像電位を現像しないレベルに低減する。
【0092】
次に、このような構成において、第2実施例の制御動作を図7のフローチャートを参照して説明する。
【0093】
Y(イエロー)画像を形成するプロセスユニット1aにおいて、プリンタCPUは、Y(イエロー)画像を形成する領域を通常の第1の露光方法で露光する(ST11)。
【0094】
続いて、M(マゼンタ)画像を形成するプロセスユニット1bにおいて、プリンタCPUは、M(マゼンタ)画像を形成する領域を通常の第1の露光方法で露光する。同時に、プリンタCPUは、Y画像を印字してM画像を印字しない領域を予め検出し、該Mの非印字領域を第2の露光方法で露光する(ST12)。
【0095】
第2の露光方法によれば、露光エネルギは、画像形成されない露光エネルギであるから、露光された領域の感光体の電位は−450V程度にしか落ちない。
【0096】
続いて、C(シアン)画像を形成するプロセスユニット1cにおいて、プリンタCPUは、C(シアン)画像を形成する領域を通常の第1の露光方法で露光する。同時に、プリンタCPUは、Y画像を印字してM画像もC画像も印字しない領域、及びM画像を印字してC画像を印字しない領域を予め検出し、該領域を第2の露光方法で露光する(ST13)。
【0097】
続いて、Bk(ブラック)画像を形成するプロセスユニット1dにおいて、プリンタCPUは、Bk(ブラック)画像を形成する領域を通常の第1の露光方法で露光する。同時に、プリンタCPUは、Y画像を印字してM画像もC画像もBk画像も印字しない領域、及びM画像を印字してC画像もBk画像も印字しない領域、及びC画像を印字してBk画像を印字しない領域を予め検出し、該領域を第2の露光方法で露光する(ST14)。
【0098】
本第2実施例では、上述したように露光タイミングと露光時間を制御することにより、感光体(ドラム)を局所的に除電して帯電電位を低くして逆転写を低減することができる。
【0099】
図8は、他の構成の画像形成装置を示すものである。この画像形成装置は、転写ベルトが中間転写ベルトとして構成されたものである。この場合、感光体ドラム60a,60B,60c,60d上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト61上に転写され、2次転写部で搬送される用紙P上にトナー像が一括転写される。その後、用紙Pは、定着器へ搬送され、トナー画像が定着されて排出される。このような構成の画像形成装置であっても、上述した第1実施例における第2の露光強度、第2実施例における第2の露光方法を適用することが可能である。そして、同様の効果を得ることができる。
【0100】
以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、4連タンデム型カラー画像形成装置のクリーナレスプロセスにおける混色の問題を改善し、良好な画像を維持することが可能となる。
【0101】
なお、本願発明は、上記(各)実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも1つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0102】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、4連タンデム型カラー画像形成装置のクリーナレスプロセスにおいて、逆転写を低減して混色を防ぐことのできる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像形成装置に係るクリーナレスの4連タンデム型カラー画像形成装置を示す断面図。
【図2】4連タンデム型カラー画像形成装置の制御系の概略構成を示すブロック図。
【図3】第1実施例の制御動作を説明するためのフローチャート。
【図4】露光エネルギの概念を示す図。
【図5】感光体の光減衰特性を示す図。
【図6】露光エネルギのプロフィール概念を示す図。
【図7】第2実施例の制御動作を説明するためのフローチャート。
【図8】他の構成の画像形成装置を示す図。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d…プロセスユニット、3a,3b,3c,3d…感光体ドラム、7a,7b,7c,7d…露光装置、9a,9b,9c,9d…現像器、40…主制御部、41…スキャナ部、42…プリンタ部、43…操作パネル、45…メインCPU、46…スキャナCPU、47…パネルCPU、50…プリンタCPU、56…露光制御部。
Claims (2)
- クリーナレスプロセスを用い、複数の感光体に静電潜像を形成し、感光体毎に対応するトナーで現像して用紙に画像を形成する画像形成装置において、
前記感光体に対して前記トナーで現像される静電潜像を形成するための第1の露光強度、または、前記感光体に対して前記トナーで現像されない前記第1の露光強度より弱い第2の露光強度で前記感光体を露光する露光手段と、
前記複数の感光体のうち第1の感光体を前記第1の露光強度で露光し、第1のトナー画像を用紙に形成する制御を行う第1の制御手段と、
前記第1の感光体の後段に設けられた第2の感光体を前記第1の露光強度で露光し、前記第1のトナー画像が形成された用紙に第2のトナー画像を重ねて形成する制御を行うと共に、前記第2の感光体の前記第2のトナー画像が形成されない領域でかつ、前記第1のトナー画像と接触する領域を予め検出し、当該所定領域を前記第2の露光強度で露光する制御を行う第2の制御手段と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。 - クリーナレスプロセスを用い、複数の感光体に静電潜像を形成し、感光体毎に対応するトナーで現像して用紙に画像を形成する画像形成装置において、
前記感光体に対して前記トナーで現像される静電潜像を形成するため所定時間で露光する第1の露光方法、または、前記感光体に対して前記トナーで現像されない前記所定時間より短い時間で露光する第2の露光方法で前記感光体を露光する露光手段と、
前記複数の感光体のうち第1の感光体を前記第1の露光方法で露光し、第1のトナー画像を用紙に形成する制御を行う第1の制御手段と、
前記第1の感光体の後段に設けられた第2の感光体を前記第1の露光方法で露光し、前記第1のトナー画像が形成された用紙に第2のトナー画像を重ねて形成する制御を行うと共に、前記第2の感光体の前記第2のトナー画像が形成されない領域でかつ、前記第1のトナー画像と接触する領域を予め検出し、当該所定領域を前記第2の露光方法で露光する制御を行う第2の制御手段と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。
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