JP2001318539A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2001318539A
JP2001318539A JP2000138585A JP2000138585A JP2001318539A JP 2001318539 A JP2001318539 A JP 2001318539A JP 2000138585 A JP2000138585 A JP 2000138585A JP 2000138585 A JP2000138585 A JP 2000138585A JP 2001318539 A JP2001318539 A JP 2001318539A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電搬送ベルト上のトナーが吸着ローラに付
着するのを防止し、トナーの付着に伴う転写材汚れの発
生を防止する。 【解決手段】 画像濃度制御、レジスト制御などの直接
転写モード、ジャムリカバリーおよび静電搬送ベルトク
リーニングモード実行時に、吸着ローラ19に、トナー
と同極性の負極性で、かつ絶対値が放電開始電圧以下の
吸着バイアスを印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタや複写機
などとされる電子写真方式あるいは静電記録方式の画像
形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、従来の電子写真技術を用いたタン
デム方式のカラー画像形成装置の一例について概略説明
する。
【0003】画像形成装置中央部に4つの像担持体を等
間隔で配置し、これら4つの像担持体をすべて同一方向
に同一速度で回転させる。そして、それぞれの像担持体
に対応させて、帯電手段、露光装置、現像装置、クリー
ニング手段を配置する。それぞれの現像装置内には、イ
エロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラッ
クトナー(現像剤)を充填しておく。
【0004】以下、画像形成工程について説明する。一
般に、静電潜像上にトナーを保持する像担持体は、アル
ミニウムなどの金属の基体上に光導電体を塗布して感光
層を形成したドラムあるいはベルトからなっている。
【0005】プリント開始の信号により、像担持体は一
定方向に駆動される。ローラあるいはコロナなどの帯電
手段により、像担持体表面を一定の電位までチャージア
ップ(帯電)する。このときの像担持体の電位をVd電
位とよぶ。さらに、露光装置により、コントローラから
の信号に基づいてON/OFF制御されたレーザ光を像
担持体の長手方向に走査しながら、像担持体表面に照射
(露光)する。このときの像担持体の電位をVL電位と
よぶ。光照射位置は露光量に応じた分だけ、チャージダ
ウンするため、像担持体表面に静電潜像が形成される。
【0006】続いて、現像装置により、像担持体表面の
静電潜像にトナーを付着させて現像し、可視化する。例
えば、現像装置は、像担持体に当接配置させ、像担持体
の移動方向に対して順方向に一定の周速差で回転してい
る弾性ローラ、および弾性ローラにトナーを薄層コート
させ、かつ、トナーに一定の電荷を与えるトナー規制部
材などで構成されている。弾性ローラの表面電位をVd
電位とVL電位の間の適当な値となるように制御するこ
とにより、像担持体上のVL部のみに、帯電されたトナ
ーが付着し、トナー像が形成される。
【0007】続いて、像担持体上に形成されたトナー像
の転写材への転写方法について述べる。
【0008】4つの像担持体すべてに当接し、かつ像担
持体の移動方向に対して順方向に略同速度で移動する転
写材搬送手段である静電搬送ベルトを配置する。
【0009】また、静電搬送ベルトの裏面の像担持体と
の対向部にそれぞれ4つの転写手段を配置する。転写手
段としては、弾性ローラ、コロナ、ブレード、ブラシな
どが挙げられる。トナー像の転写材への転写は、それぞ
れの転写手段に独立で適当な正のDCバイアスを印加す
ることにより行う。
【0010】給紙された転写材は静電搬送ベルトへと搬
送され、静電搬送ベルトに当接配置された吸着手段であ
る吸着ローラに正負いずれかのDCバイアスを印加する
ことにより、静電搬送ベルトに対し静電吸着される。吸
着されたままの転写材は各像担持体対向部に搬送され
る。ここで、転写部材に印加した正のDCバイアスの作
用により、像担持体と転写材の間に電界が形成され、ト
ナー像が順に転写材に転写されることになる。4色の転
写がすべて完了した後、転写材は静電搬送ベルトから分
離される。
【0011】ところで、現在の技術では、転写材にトナ
ーを100%移し替えることはできない。像担持体上に
残ったトナーは、ブレード、ブラシなどのクリーニング
手段により像担持体から機械的に除去している。
【0012】転写工程の終了した転写材は定着ユニット
へと搬送され、一対のローラからなる加熱加圧する手段
を用いてトナー像を転写材に永久固定する。
【0013】また、装置本体内には光学式画像濃度検知
器が設けられている。一般に、電子写真方式のカラー画
像形成装置は、使用する環境の変化、プリント枚数など
の諸条件によって画像濃度が変動すると、本来の正しい
色調が得られなくなってしまう。そこで、各色のトナー
で静電搬送ベルト上に濃度検知用トナー像(パッチ)を
試験的にそれぞれ形成し、それらの濃度を光学式画像濃
度検知器で検知し、その検知結果を露光量、現像バイア
スなどにフィードバックする画像濃度制御を行うことに
より安定した画像を得ている。光学式画像濃度検知器と
しては、例えば、パッチに対して赤外光を発光し、それ
からの乱反射光を受光するという構成がある。なお、こ
のように静電搬送ベルト上にトナー像を直接転写させる
モードを直接転写モードと呼ぶ。
【0014】このような画像濃度制御実行による意図的
な直接トナー像の転写、あるいは、ジャムやかぶりなど
の不可避的なトナー付着などの原因で静電搬送ベルト自
体が汚れることがある。従って、これらの付着物を除去
するためのなんらかの手段を講じる必要がある。
【0015】その一例として、上述の転写部材に負極性
のバイアスを印加して、静電搬送ベルト上のトナーを像
担持体上に再転写させる方式が知られている。この方式
によれば、クリーニング部材としてよく知られているブ
レードやブラシなどの部材が不必要になるため、コスト
ダウンにつながる。
【0016】しかしながら、この方式の欠点としては、
静電搬送ベルト上に付着したトナーが、必ず静電搬送ベ
ルトに対して当接配置された吸着ローラと静電搬送ベル
トのニップ部を通過することである。すなわち、吸着ロ
ーラがトナーで汚れる可能性を秘めているわけである。
吸着ローラの汚れは当然ながら、転写材汚れへとつなが
るため、汚れ防止対策が必要となる。
【0017】この汚れを防止する手段の一つとして、直
接転写モードや上記クリーニング方式実行時に、吸着バ
イアスの極性を前述のトナー規制部材などにより帯電さ
れたトナーの極性と同極性とし、吸着ローラと静電搬送
ベルトの間に電界を形成し、トナーの吸着ローラへの付
着への反発力を設けることがある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、印加す
るバイアスによっては、静電搬送ベルトと吸着ローラ間
で放電が発生する。一般には、静電搬送ベルトと吸着ロ
ーラのニップ部を通過する転写材表面は、吸着ローラか
らの放電により実電荷が与えられ、それに対応して発生
する静電搬送ベルト上の鏡映電荷との相互作用により、
転写材の静電搬送ベルトへの吸着力が発生している。よ
って、吸着ローラに通常のバイアスを印加している状態
では、吸着ローラと静電搬送ベルトの間では、常に放電
が起きていると考えてよい。
【0019】図8に静電吸着ローラと静電搬送ベルト間
で発生する放電現象の模式図を示す。トナーは負極性と
し、吸着ローラ19にはトナーと同極性である負極性の
バイアスを印加した。
【0020】図8(a)に示すように、放電現象により
静電搬送ベルト4上の付着トナーは、電荷を受けるた
め、全体としてみれば吸着ローラ19との反発力は増
す。しかしながら、放電により電荷を受けるトナーは上
層部に偏るため、下層部のトナーと上層部のトナーでそ
の帯電量にかなりの違いを有することとなる。
【0021】このような状況になると、吸着バイアスに
よる電界の影響で図8(b)に示すようなニップ内での
トナー間で放電現象が発生することがある。これによ
り、上層部のトナーの一部は電荷を失ったり、さらに
は、極性が反転することが発生する。その結果、今度は
吸着電界の影響で図8(c)に示すように、これらのト
ナーが吸着ローラ19に付着することになる。
【0022】従って、本発明の目的は、吸着手段に現像
剤が付着するのを防止し、現像剤の付着に伴う転写材汚
れの発生を防止できる画像形成装置を提供することであ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、
トナー像が形成される複数の像担持体と、前記複数の像
担持体に転写材を搬送するための転写材搬送手段と、前
記転写材搬送手段に転写材を静電吸着するための吸着手
段と、前記転写材搬送手段を挟んで前記複数の像担持体
にそれぞれ対向配置され、トナー像を転写材に転写する
ための複数の転写手段と、を有する画像形成装置におい
て、前記吸着手段に印加される吸着バイアスは、画像形
成装置の動作状態に応じた、直流電圧またはこの直流電
圧と極性を異なるように制御可能な直流電圧であり、か
つ前記直流電圧値として、少なくとも絶対値が前記転写
材搬送手段に対する放電開始電圧以下であり、かつ前記
像担持体上に形成されたトナー像の極性と同極性である
値を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0024】本発明による一実施態様によれば、少なく
とも転写材が前記転写材搬送手段上の前記吸着手段対向
部を通過している間は、前記吸着手段に、前記像担持体
上に形成されたトナー像の極性と同極性のバイアスを印
加する。
【0025】本発明による他の実施態様によれば、少な
くとも転写材が前記転写材搬送手段上の前記吸着手段対
向部を通過している間は、前記吸着手段に、前記像担持
体上に形成されたトナー像の極性と逆極性のバイアスを
印加する。
【0026】本発明による他の態様によれば、トナー像
が形成される複数の像担持体と、前記複数の像担持体に
転写材を搬送するための転写材搬送手段と、前記転写材
搬送手段に転写材を静電吸着するための吸着手段と、前
記転写材搬送手段を挟んで前記複数の像担持体にそれぞ
れ対向配置され、トナー像を転写材に転写するための複
数の転写手段と、を有する画像形成装置において、前記
吸着手段に印加される吸着バイアスは、画像形成装置の
動作状態に応じた、極性を異なるように制御可能な直流
電圧であり、転写材の非通紙時における任意のタイミン
グにおいて、絶対値が前記転写材搬送手段に対する放電
開始電圧以下の正極性または負極性の吸着バイアスを一
定の周期で交互に切り替えながら印加することを特徴と
する画像形成装置である。
【0027】上記各発明における一実施態様によれば、
画像形成条件の制御を目的として、前記転写材搬送手段
上に直接トナー像を転写する直接転写モードを具備し、
所定のタイミングで実行する。
【0028】他の実施態様によれば、前記画像形成条件
の制御とは、前記転写材搬送手段上のトナー像の濃度を
濃度検知手段により検知し、その検知結果を基に前記画
像形成条件を補正する画像濃度制御である。あるいは、
前記画像形成条件の制御とは、前記転写材搬送手段上に
おける複数のトナー像の転写位置のずれを位置ずれ検出
手段により検知し、その検知結果を基に、画像形成タイ
ミングを補正するレジスト制御である。
【0029】本発明による他の実施態様によれば、前記
転写材搬送手段の移動方向において、最下流の転写位置
と、前記吸着手段の上流側との領域に、前記転写材搬送
手段上のトナーを除去する手段を有さない。
【0030】本発明による他の実施態様によれば、前記
転写材搬送手段上の付着トナーを前記複数の像担持体の
いずれかに転移させることにより前記転写材搬送手段か
ら除去する転写材搬送手段クリーニングモードを具備す
る。
【0031】本発明による他の実施態様によれば、前記
転写材搬送手段クリーニングモードは所定のタイミング
で実行される。
【0032】本発明による他の実施態様によれば、前記
転写材搬送手段クリーニングモードは、少なくとも前記
複数の転写手段に対し、異なる極性が混在するように直
流電圧を印加する制御を含む。
【0033】本発明による他の実施態様によれば、前記
所定のタイミングとは、ジャム処理後の本体リセット時
である。あるいは、前記所定のタイミングとは、前記直
接転写モードの実施中または実施直後である。
【0034】本発明による他の実施態様によれば、少な
くとも前記直接転写モードの実行時には、前記吸着手段
に、絶対値が放電開始電圧以下であり、かつ、前記像担
持体上に形成されたトナー像の極性と同極性の直流バイ
アスを印加する。
【0035】本発明による他の実施態様によれば、少な
くとも前記転写材搬送クリーニングモードの実行時に
は、前記吸着手段に、絶対値が放電開始電圧以下であ
り、かつ前記像担持体上に形成されたトナー像の極性と
同極性の直流バイアスを印加する。
【0036】本発明による他の実施態様によれば、転写
材の通過を検知する転写材検知手段を有し、前記転写材
検知手段の検知結果に応じて、直流電圧、または該直流
電圧と極性が異なるように制御された直流電圧を前記吸
着手段に印加し、かつ前記転写材検知手段により、前記
転写材搬送手段と前記吸着手段とで形成されるニップ部
を転写材が通過していないと判断される全期間、または
その一部では、前記吸着手段に絶対値が放電開始電圧以
下であり、かつ前記像担持体上に形成されたトナー像の
極性と同極性の直流バイアスを印加する。
【0037】本発明による他の実施態様によれば、少な
くとも前記転写材搬送手段クリーニングモード実行中の
特定時間では、前記吸着手段に絶対値が前記転写材搬送
手段に対する放電開始電圧以下の正極性または負極性の
バイアスを一定の周期で交互に切り替えながら印加する
制御を行う。
【0038】本発明による他の実施態様によれば、転写
材の通過を検知する転写材検知手段を有し、前記転写材
検知手段の検知結果に応じて、直流電圧、または該直流
電圧と極性が異なるように制御された直流電圧を前記吸
着手段に印加し、かつ前記転写材検知手段により、前記
転写材搬送手段と前記吸着手段とで形成されるニップ部
を転写材が通過していないと判断される全期間、または
その一部では、画像形成動作状態により、前記吸着手段
に絶対値が放電開始電圧以下である正極性または負極性
のバイアスを一定の周期で交互に切り替えながら印加す
る制御を行う。
【0039】本発明による他の実施態様によれば、前記
画像形成動作状態が前回転状態、または後回転状態の場
合に、前記吸着手段に絶対値が前記転写材搬送手段に対
する放電開始電圧以下の正極性、または負極性のバイア
スを一定の周期で交互に切り替えながら印加する制御を
行う。
【0040】本発明による他の実施態様によれば、前記
画像形成動作状態が紙間状態である場合に、前記吸着手
段に絶対値が前記転写材搬送手段に対する放電開始電圧
以下の正極性、または負極性のバイアスを一定の周期で
交互に切り替えながら印加する制御を行う。
【0041】本発明による他の実施態様によれば、前記
画像形成動作状態が特定枚数通紙後の紙間状態である場
合に、前記吸着手段に絶対値が前記転写材搬送手段に対
する放電開始電圧以下の正極性、または負極性のバイア
スを一定の周期で交互に切り替えながら印加する制御を
行う。
【0042】本発明による他の実施態様によれば、前記
吸着手段は弾性ゴムローラであり、転写材は前記弾性ゴ
ムローラと前記転写材搬送手段のニップ部を通過する。
【0043】本発明による他の実施態様によれば、前記
転写材搬送手段が無端状ベルト部材である。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像形成装置
を図面に則して更に詳しく説明する。
【0045】実施例1 本発明の第1実施例について図1〜図7により説明す
る。
【0046】まず、図1を参照して、本実施例のタンデ
ム方式カラー画像形成装置について説明する。
【0047】画像形成装置中央部に直径30mmの像担
持体である感光ドラム1を4つ、転写材搬送手段である
静電転写ベルト4の転写材搬送方向に沿って、等間隔で
配置している。これら4つの感光ドラム1は、すべて同
方向に外周面が94mm/secの速度で回転してい
る。そして、それぞれの感光ドラム1に対応させて、帯
電ローラ5、露光装置7、現像装置8、およびクリーニ
ングブレード11を配置する。現像装置8内には、静電
転写ベルト4の転写材搬送方向上流側からマゼンタトナ
ー、シアントナー、イエロートナー、ブラックトナーが
それぞれ充填されている。以下、本実施例の画像形成工
程について説明する。
【0048】感光ドラム1はアルミシリンダ1a上に感
光層を塗布した構造をなしている。感光層は通常絶縁体
であり、特定の波長の光を照射することにより導電体と
なるという特徴を有する光導電体であれば特に物質を規
定するものではない。主に、OPC(有機光半導体)、
A−Si(アモルファスシリコン)、CdS(硫化カド
ミウム)、Se(セレン)などがよく用いられる。
【0049】図2は、本実施例のOPCにおける層構成
図である。アルミシリンダ1a上に電荷発生層1b、お
よび誘電層である電荷輸送層1cを塗布した構成となっ
ており、光照射により電荷発生層1b内に正孔−電子対
が生成し、それらが電荷の流れの担い手となる。電荷発
生層1bは膜厚0.2μm程度のフタロシニアン化合物
で、電荷輸送層1cは膜厚17μm程度のヒドラゾン化
合物を分散したポリカーボネートで構成されている。
【0050】本実施例では、感光ドラム1表面を均一に
帯電する帯電部材として、直径12mmの帯電ローラ5
を用いる。帯電ローラ5は例えば金属の芯金を厚さ3m
m程度のEPDM、ウレタンゴム、CR、NBRなどか
らなる導電弾性ゴムで覆い、その上に厚さ200〜60
0μm、体積抵抗率106Ω・cm程度の中抵抗層を設
け、さらにその上に10μm程度の保護層を設けて構成
する。
【0051】帯電ローラ5はその両端芯金部をバネ加圧
し、表層を感光ドラム1に当接させ、感光ドラム1に対
して従動回転させる。帯電ローラ5の芯金部に放電開始
電圧(約550V)以上のバイアスを印加すると、帯電
ローラ5と感光ドラム1のニップ近傍で放電が発生す
る。それにより、感光ドラム1の電荷輸送層1c表面に
は電荷が蓄積される。このとき、感光ドラム1の表面電
位は、およそ印加バイアスから放電開始電圧を差し引い
た値になる。本実施例では、印加バイアスを−1250
Vとし、感光ドラム1の表面を−700Vにチャージア
ップすることにした。この帯電工程の感光ドラム1の表
面電位をVd電位と呼ぶ。
【0052】帯電ローラ5の放電によりVd電位に保た
れた感光ドラム1表面に、露光装置7を用い、図示しな
いコントローラからの信号に基づいて、光源をON/O
FF制御しながら、走査露光することにより、静電潜像
を形成する。すなわち、感光ドラム1上の光照射位置で
は、電荷発生層1bに正孔−電子対が形成され、正孔が
電荷輸送層1cを通って感光ドラム1表面に蓄積されて
いる電子と再結合することにより、その部位のチャージ
がダウンする。すなわち、感光ドラム1の表面電位の絶
対値が下がる。本実施例では、光源として半導体レーザ
ーを用いた。光照射位置の感光ドラム1上の電位を以後
VL電位と呼ぶ。VL電位は光照射における電荷発生量
に依存する。すなわち、電荷発生層1bの膜厚、レーザ
露光量などに依存することになる。本実施例において
は、VL電位が−150Vとなるようにこれらの値を制
御した。
【0053】その後、感光ドラム1と対向する位置に配
置した現像装置8により、感光ドラム1上の静電潜像を
可視化する処理を行う。それは、以下のようにして行っ
ている。現像装置8内にはトナーが蓄えられている。本
実施例では、トナーは非磁性一成分を用いる。これらの
トナーは、図示しない撹拌部材などにより、感光ドラム
1に対し当接配置され、感光ドラム1回転方向に対し
て、順方向に180%程度の周速差でもって回転してい
る現像ローラ3に供給される。
【0054】現像ローラ3は例えば金属の芯金を導電性
弾性ゴムで覆い、その上に誘電層をコートしたものなど
が用いられる。現像ローラ3上の感光ドラム1当接部の
上流側にトナー規制ブレード23を線圧20g/cm
(=1.96N/m)程度の力でカウンタ方向に当接さ
せ、現像ローラ3上にトナーを薄層コートする。
【0055】また、トナー規制ブレード23には、トナ
ーが通過する際に、トナーを負に一定量帯電させる役割
もある。トナー規制ブレード23としては、例えば、リ
ン青銅やSUSなどの弾性を有する金属の板バネ、ある
いは金属板バネにより支持されたウレタンゴム、シリコ
ンゴム、さらには、ゴム表面をナイロンコートしたもの
などが用いられる。そうして、現像ローラ3の芯金部
に、VdとVLの間の適当なバイアス(以下、「現像バ
イアス」という)を印加する。これにより、感光ドラム
1と現像ローラ3の間に形成される電界の作用により、
感光ドラム1上のVL部分に対応する現像ローラ3上の
トナーだけが、感光ドラム1上に転移し、トナー像が形
成され、現像工程が完了する。
【0056】続いて、感光ドラム1上に形成されたトナ
ー像の転写材への転写方法について述べる。静電搬送ベ
ルト4を4つの感光ドラム1すべてに対し当接するよう
に配置する。静電搬送ベルト4は駆動ローラ14および
テンションローラ13の2本のローラにより支持されて
おり、適当なテンションが維持されるようになってい
る。駆動ローラ14を駆動させることにより静電搬送ベ
ルト4は感光ドラム1に対して順方向に略同速度で移動
する。
【0057】静電搬送ベルト4としては、一例として、
厚さ50〜300μm、体積抵抗率109〜1016Ω・
cm程度のPVdF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリア
ミド、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、ポリカーボネートなどの樹脂材料や厚さ0.5〜
2mm、体積抵抗率109〜1016Ω・cm程度のCR
(クロロプレーンゴム)、EPDM(エチレン−プロピ
レン−ジエン三元共重合体)、NBR(ニトリルブタジ
エン)、ウレタンゴムなどのゴム材料が用いられる。ま
た、場合によっては、これらの材料にカーボン、Zn
O、SnO2、TiO2などの導電性充填剤を分散させ
て、体積抵抗率を107〜1011Ω・cm程度に調節す
ることもある。
【0058】また、静電搬送ベルト4の裏面の感光ドラ
ム1との対向部にそれぞれ転写部材12を当接配置す
る。転写部材12としては、ローラ、ブレード、ブラ
シ、コロナなどの多様な部材を用いることができる。本
実施例では、外径12mmの転写ローラ12を用いた。
転写ローラ12としては例えば金属の芯金を、体積抵抗
率を105〜108Ω・cmに調整したEPDM、ウレタ
ンゴム、CR、NBRなどの弾性体で覆った構成を用い
ることができる。転写ローラ12は、感光ドラム1に対
して、4〜50g/cm(=0.39〜4.9N/m)
程度の線圧で当接させ、静電搬送ベルト4の移動方向に
対して、順方向に略同速度で回転させる。トナー像の転
写材への転写に際しては、それぞれの転写部材12に独
立で適当な正のDCバイアスを印加するようにする。
【0059】カセット20やマルチフィーダー(不図
示)から給紙された転写材は、レジストローラ21で、
レーザ露光による静電潜像の作像と同期をとるように搬
送を制御されながら、静電搬送ベルト4に当接配置した
直径12mmの吸着ローラ19と静電搬送ベルト4のニ
ップ部を通過する。このとき、駆動ローラ14は接地さ
せる。
【0060】吸着ローラ19としては直径12mmの例
えば帯電ローラ5と同様の構成とすることができる。す
なわち、金属の芯金を厚さ3mm程度のEPDM、ウレ
タンゴム、CR、NBRなどからなる導電弾性ゴムで覆
い、その上に厚さ200〜600μm、体積抵抗率10
6Ω・cm程度の中抵抗層を設け、さらにその上に10
μm程度の保護層を設けて構成する。保護層はその役割
の一つとして、表面にトナーなどが付着するのを防止す
ることがある。そのため、フッ素系樹脂などを用いて構
成することがよくある。
【0061】吸着ローラ19はその両端芯金部を4〜5
0g/cm(=0.39〜4.9N/m)程度の線圧で
バネ加圧することにより、静電搬送ベルト4を介して、
駆動ローラ14に当接させ、静電搬送ベルト4の移動に
対して従動回転させる。この状態で、静電搬送ベルト4
と吸着ローラ19のニップ部を転写材が通過する際に、
吸着ローラ19の芯金部に放電開始電圧(その状況によ
り500V〜1.0kV)以上のバイアスを印加する
と、吸着ローラ19と静電搬送ベルト4のニップ部近傍
で放電が発生し、転写材表面が帯電される。それと同時
に、静電搬送ベルト4の表面には、いわゆる転写材表面
と反対の極性を有する鏡映電荷が発生し、それらの静電
気的相互作用により、転写材は静電搬送ベルト4に対し
て静電吸着し、静電搬送ベルト4により安定して転写ニ
ップへ搬送できるようになる。このとき、吸着ローラ1
9に印加するバイアスについては、後述する。
【0062】その後、転写部材12に印加した正のDC
バイアスの作用で、転写電界が発生し各色のトナー像が
順に転写材に転写される。4色の転写がすべて完了した
後、転写材はテンションローラ13の近傍で曲率分離さ
れる。
【0063】上述のように、現在の技術では、感光ドラ
ム1から、転写材にトナーを100%移し替えることは
できない。感光ドラム1上に残ったトナーは、このまま
放置すると、次回転目に転写材に転写され、画像の乱れ
が発生する。それを防止するため、本実施例では、感光
ドラム1の回転方向に対して、カウンタの向きで、クリ
ーニングブレード11を当接し、転写残トナーを感光ド
ラム1から機械的に除去する。クリーニングブレード1
1により除去されたトナーは廃トナー回収部10に回収
される。
【0064】さらに、転写材は定着手段9へ搬送され、
トナー像が定着ローラ9aおよび加圧ローラ9bにより
加熱および加圧されて、転写材に永久固定される。
【0065】なお、現像装置8は、それぞれ一体成形型
カートリッジつまり現像カートリッジであり、交換可能
な消耗部品とする。
【0066】場合によっては、現像装置8、電子写真感
光体である感光ドラム1、帯電ローラ5、廃トナー回収
部10、およびクリーニングブレード11を一体的にプ
ロセスカートリッジとして装置本体に対して着脱自在の
構成してもよい。
【0067】本実施例では、さらに、テンションローラ
13近傍で、かつ静電搬送ベルト4に対向するように濃
度検知センサ2を配置する。
【0068】一般に電子写真方式のカラー画像形成装置
は、使用する環境の変化、プリント枚数などの諸条件に
よって画像濃度が変動すると、本来の正しい色調が得ら
れなくなってしまう。そこで、本実施例では、各色のト
ナーで静電搬送ベルト4上に濃度検知用トナー像(パッ
チ)を試験的にそれぞれ形成し、それらの濃度を濃度検
知センサ2で検知し、その検知結果を現像バイアスにフ
ィードバックする画像濃度制御を行う。すなわち、パッ
チを濃度検知センサ2で検知し、その検知結果を現像バ
イアスにフィードバックする画像濃度制御を行う。
【0069】濃度検知センサ2は、図3(a)に示すよ
うにLEDなどの発光素子2a、フォトダイオードなど
の受光素子2b、およびホルダー2cからなっており、
発光素子2aからの赤外光を静電搬送ベルト4上のパッ
チPに照射させ、そこからの反射光を受光素子2bで測
定することによりパッチPの濃度を測定する。パッチP
からの反射光には正反射成分と乱反射成分とが含まれて
いる。正反射成分、乱反射成分のいずれを検出する方式
でも実施可能ではあるが、正反射成分はパッチの下地と
なる静電搬送ベルト4表面の状態や濃度検知センサ2と
パッチとの距離の変動により、光量が大きく変動するた
めに、検知精度を確保するのが難しい。よって、本実施
例では、乱反射光を検出する方式を採用した。
【0070】そこで、この濃度検知センサ2では、受光
素子2bにパッチPからの正反射光が入射しないよう
に、法線Iを基準にすると、パッチPへの照射角度をα
=45°、パッチPからの反射光の受光角度をβ=0°
として乱反射光のみを測定するようにしている。図4に
実際のパッチPの濃度検知方式について説明する。
【0071】パッチPのパターンとしてはw=14mm
×w=14mmの四角状のパターンを使用する。これは
特定のディザ処理を施したハーフトーンパターンであ
る。全面露光を施した場合の露光量を100%とする
と、本実施例で採用したパターンは、露光量が60%程
度のパターンである。
【0072】現像バイアスを一定間隔で変化させなが
ら、上記の複数個のパッチパターンを形成し、濃度検知
センサ2により、それらの濃度を検出する。その検出値
を基に、パッチパターンが予め定めておいた濃度となる
ような現像バイアス値を算出する。このようにして求ま
った現像バイアス値を画像形成時に用いる。これらを各
色について行う。これを現像バイアス制御という。
【0073】さらに、現像バイアス値を算出された値に
固定して、今度は、特定のディザ処理を施したハーフト
ーンパターンの階調(露光量)を一定間隔で変化させな
がら、複数個のパッチパターンを作成し、濃度検知セン
サ2により、それらの濃度を検出することを行ってもよ
い。これらの検出値をもとに、滑らかな階調性が得られ
るようにディザ処理を行う場合の露光量に補正を加える
という制御を施すこともある。これをハーフトーン制御
という。
【0074】なお、パッチパターンの濃度は濃度制御実
行に先立って行う静電搬送ベルト4の下地単独での反射
光の受光値とパッチパターンを介した反射光の受光値の
差分から計算される。
【0075】画像濃度制御を行うタイミングは、電源O
N時、カートリッジなどの消耗品交換時、さらに前回の
画像濃度制御実行後、所定枚数画像形成終了後などに行
うのがよい。
【0076】さらに、本体内の静電搬送ベルト4対向部
にレジスト検知センサ15を配置する。本実施例におけ
るタンデム方式のカラー画像形成装置は、転写材上に4
色のトナーを色ごとに個別に転写し、定着時に混色させ
ることにより、カラー画像を再現している。すなわち、
転写材上に転写する際、正確な色重ねが損なわれると、
本来の正しい色調が得られなくなってしまう。
【0077】そこで、本実施例では、各色のトナーで静
電搬送ベルト4上にレジスト検知用トナー像(ライン)
を試験的にそれぞれ作成し、それらの転写位置をレジス
ト検知センサ15で検知し、その検知結果を、露光装置
7による走査露光を用いた静電潜像形成開始タイミング
にフィードバックするレジスト制御を行う。レジスト検
知センサ15としては、濃度検知センサ2と同様の光学
式濃度検知センサ2を用いることが可能である。
【0078】レジスト制御とは、ラインがレジスト検知
センサ15を通過した時の受光量の強度変化から転写位
置を検出し、それを基に静電潜像形成開始タイミングに
対し、時間的な補正を加えるというものである。画像濃
度制御では、パッチ間の濃度差を検出するのが目的であ
るため、安定した反射光量の検出が期待できる乱反射検
出方式が好んで用いられたが、レジスト制御では、ライ
ンの通過時における光量の絶対値の変化を検出するのが
目的であるため、反射光量の絶対値の大きい図3(b)
に示した正反射光検出方式が好んで用いられる。すなわ
ち、同図に示すように、レジスト検知センサ15では、
法線Iを基準にすると、パッチPへの照射角度をα=4
5°、パッチPからの反射光の受光角度をβ=45°と
している。これは、乱反射光と正反射光を測定している
ことになるが、正反射光成分の方が圧倒的に大きくなっ
ている。
【0079】ただし、濃度検知、レジスト検知ともいず
れの反射光の検出方式でも、実用は可能である。従っ
て、場合によっては、コストダウンのため、正反射光検
出方式、乱反射光検出方式のいずれかを用いた光学式濃
度検知センサ2を一つだけ配置し、それを用いて、濃度
検知、レジスト検知の両方を行うこともある。
【0080】なお、レジスト制御を行うタイミングは、
電源ON時、カートリッジや静電搬送ベルト4などの消
耗品交換時、さらに前回のレジスト制御実行後、所定枚
数画像形成終了後などに行うのがよい。本実施例では、
画像濃度制御とレジスト制御は常に同じタイミングで行
うようにしている。なお、画像濃度制御、レジスト制御
はともに静電搬送ベルト4上にトナーを転移させる動作
を行うものであり、従来例の説明で述べた直接転写モー
ドに相当する。
【0081】続いて、静電搬送ベルト4上に付着したト
ナーの除去方法について説明する。
【0082】上述の画像濃度制御とレジスト制御が実行
された後など静電搬送ベルト4上にトナーを意図的に転
写させた後には、以下に示す静電搬送ベルトクリーニン
グモードを実行する。
【0083】まず、第1の転写部位t1、すなわちマゼ
ンタトナー像の転写部位において、転写実行時の電界と
は逆極性の電界が発生するように、転写バイアス、感光
ドラム1表面電位を調節する。以後、これを転写逆電界
と呼ぶ。例えば、感光ドラム1表面をVd電位とし、転
写バイアスとして、絶対値がVdより大きな負極性のバ
イアスを印加する。なお、以後、負極性の転写バイアス
を転写逆バイアスという。
【0084】なお、感光ドラム表面をVL電位とし、転
写逆バイアスとして、絶対値がVLより大きなバイアス
を印加してもよい。この場合には、転写逆バイアスの絶
対値を低くできるという利点があるが、同時に、感光ド
ラム1上にトナーが現像されるのを防止するために、正
極性の現像バイアスを印加するなどの処置が必要にな
る。また、感光ドラム1表面を正に帯電するなどの方式
も考えられるが、きれいに帯電させることが困難であっ
たり、感光層の破壊などのおそれもあるため、現在の技
術ではあまり現実的ではない。
【0085】画像濃度制御やレジスト制御時に、静電搬
送ベルト上に転移されたトナーは、トナー規制ブレード
23により負極性に帯電されたトナーであるため、第1
の転写部位に転写逆電界が形成されることにより、その
ほとんどのトナーは感光ドラム1に再転移し、クリーニ
ングブレード11により、廃トナー回収部10に回収さ
れる。
【0086】単純に考えると、転写逆電界の強度が強け
れば、それだけトナーは感光ドラム1に再転移しやすく
なるわけであるが、逆に転写逆電界の強度が強すぎる
と、感光ドラム1と静電搬送ベルト4の間に放電現象が
発生する。放電現象が発生すると、静電搬送ベルト4上
のトナーには、正電荷が付与されることになり、静電搬
送ベルト4上のトナーの帯電量の低下、さらには、極性
の反転が起こる。図5(a)に示すように、この状態で
は、転写逆電界を形成しても、放電の影響を受けたトナ
ーは感光ドラム1上に再転移されなくなる。よって、転
写逆電界の強度は最適値を選択する必要がある。機内雰
囲気温湿度などの影響で多少変動はするものの、本実施
例における構成では、感光ドラム1表面をVd電位(−
700V)としたときに、本実施例における構成では、
転写逆バイアスとして、−1.5kV程度印加した状態
が最も再転移性能が高いことが分かった。
【0087】さらに、第2の転写部位t2、すなわちシ
アントナー像の転写部位において、転写実行時の電界と
同極性の電界が発生するように、転写バイアス、感光ド
ラム1表面電位を調節する。以後、これを転写正電界と
いう。これを実現するには、感光ドラム1表面をVd電
位とし、転写バイアスとして、絶対値が正極性のバイア
スを印加するという方式が一般的である。ただし、転写
正電界が形成されるものであれば、この方法に固執する
必要はない。
【0088】第1の転写ローラ12に印加する転写逆バ
イアスを調整することにより、できるだけ感光ドラム1
と静電搬送ベルト4の間での放電を抑えるような構成と
した。しかしながら、完全に回避するのは難しく、一定
量のトナーは帯電量の低下や極性の反転が起こってい
る。図5(b)に示したように、第2の転写部位t2で
は、転写正電界を形成することにより、極性が反転した
(正電荷)トナーを感光ドラム1へ再転移させるととも
に、感光ドラム1と静電搬送ベルト4の間で放電を引き
起こすことにより、トナーを負極性に再帯電することを
行っている。すなわち、第1の転写部位t1とは異な
り、積極的に放電を発生させるような構成とするため、
第1の転写部位t1での転写逆電界の絶対値に比べて、
第2の転写部位t2での転写正電界は大きくなるという
特徴がある。例えば、本実施例では、感光ドラム1表面
をVd電位(−700V)とし、第2の転写バイアスと
して、+1.0kV印加した。
【0089】さらに、第3の転写部位t3、すなわち、
イエロートナー像の転写部位において、第1の転写部位
t1と同様の転写逆電界を形成した。その目的および効
果は第1の転写部位によるものと同じである。
【0090】さらに、第4の転写部位t4、すなわちブ
ラックトナー像の転写部位において、第2の転写部位t
2と同様の転写正電界を形成した。第4の転写部位t4
では、正極性に帯電したトナーを完全に感光ドラム1に
転移させることにより、静電搬送ベルト4上のすべての
トナーの除去を終了させる。
【0091】すなわち、本実施例では、静電搬送ベルト
クリーニングモード実行時に、下記の表1に示したよう
なバイアス制御を行った。
【0092】
【表1】
【0093】本実施例における静電搬送ベルトクリーニ
ングモードでは、第1〜第4の転写部位t1〜t4に、
転写逆電界→転写正電界→転写逆電界→転写正電界の順
で電界を形成する構成としたが、特にこれに限定される
ものではない。各転写部位t1〜t4において、トナー
の回収、帯電がなされるように、転写逆電界が混在する
方式であることが重要である。例えば、転写正電界→転
写逆電界→転写正電界→転写逆電界の順で電界を形成す
る構成としても、静電搬送ベルト4からのトナー除去は
可能である。この場合には、まず、第1の転写部位t1
で、トナー全体を均一に負極性に帯電した後、主に第2
の転写部位t2で回収する構成となる。また、転写逆電
界→転写正電界→転写正電界→転写逆電界という構成と
することもある。この場合には、第1の転写部位t1で
回収できなかったトナーを、第2、第3の転写部位t
2、t3で均一に負極性に帯電して、第4の転写部位t
4で回収する構成となる。
【0094】また、静電搬送ベルトクリーニングモード
実行時に、上述の静電回収方法に、下記の機械的回収方
法を加えると、さらに、静電搬送ベルト4からのトナー
除去能力は大きくなることが分かっている。機械的回収
方法とは、画像形成時とは異なり、感光ドラム1の回転
速度に対し、静電搬送ベルト4の移動速度に正負いずれ
かの大幅な周速差を設けることにより、機械的にトナー
を感光ドラム1に回収させる方式のことである。
【0095】静電搬送ベルトクリーニングモードは画像
濃度制御とレジスト制御が実行された後など静電搬送ベ
ルト4上にトナーを意図的に転写させた後のみでなく、
画像形成時における転写材の給送ジャムなどにより、不
可避的に静電搬送ベルト4上にトナーが転写された後の
本体リカバリー動作中に実行するのも効果的である。
【0096】続いて、本実施例における吸着ローラ19
に印加するバイアス制御について説明する。
【0097】先に述べたように、静電搬送ベルト4と吸
着ローラ19のニップ部を転写材が通過する際には、吸
着ローラ19の芯金部に放電開始電圧(その状況により
500V〜1.0kV)以上のバイアスを印加し、吸着
ローラ19と静電搬送ベルト4のニップ近傍で放電を引
き起こすことにより、転写材表面が帯電され、静電搬送
ベルト4表面の鏡映電荷との静電気的相互作用により、
転写材を静電搬送ベルト4に対して静電吸着させる。た
とえ、転写材が静電搬送ベルト4上を搬送されたとして
も静電吸着力が弱いと、感光ドラム1と転写ローラ12
とのニップ突入のショックなどの外的な衝撃により、静
電搬送ベルト4上で転写材がずれてしまうことが起こる
ことがある。これは、色重ねが正確になされなくなると
いうことにつながるため、正確な画像再現性が阻害され
ることになる。これでは、上述のレジスト制御の効果が
発揮されなくなるので、転写材は、十分な静電吸着力で
静電搬送ベルト4上に保持されている必要がある。
【0098】十分な静電吸着力確保のために必要なバイ
アス値は、転写材の材質、厚み、サイズなどによりさま
ざまである。転写材や静電搬送ベルト4の抵抗が低い場
合には、吸着ローラ19により与えられた電荷量は再結
合により、減衰しやすいため、予め転写材には多くの電
荷を与えておく必要がある。また、逆に転写材や静電搬
送ベルト4の抵抗が高い場合には、転写材上に付与され
た電荷の減衰は少なくなるため、転写材上に多くの電荷
を付与する必要はない。しかしながら、吸着ローラ19
から転写材に流れる電流(放電量)自体が小さくなるた
め、吸着バイアスとして、大きな電圧が必要となる。転
写材や静電搬送ベルト4の抵抗は雰囲気温湿度により決
まってくる。
【0099】図6(a)に本実施例で用いた静電搬送ベ
ルト4、吸着ローラ19などの構成を採用した場合にお
いて、転写材として秤量199g/m2の厚紙を用いた
ときに十分な静電吸着力を確保するために必要な吸着ロ
ーラ19から流れる電流値と雰囲気絶対水分量の関係を
示す。秤量199g/m2の厚紙は、感光ドラム1と転
写ローラ12とのニップ突入のショックなどの外的な衝
撃により、静電搬送ベルト4上で転写材がずれやすい傾
向があり、最も大きな静電吸着力が必要になると考えら
れる。下記の表2に絶対水分量が2g/m3、13g/
3、25g/m 3の場合において、吸着電流が図6
(a)に示した電流値になるために必要な吸着バイアス
の値を示した。
【0100】
【表2】
【0101】転写材や静電搬送ベルト4の抵抗は環境変
動の影響を受けるため、電流値とは逆に、雰囲気絶対水
分量が小さい時ほど、高い吸着バイアスを必要とする。
なお、吸着ローラ19から流れる電流値の絶対値が図6
(a)の状態になっていればよいため、吸着バイアスと
しては、その状況に応じて正負いずれのバイアスを用い
ることができる。静電搬送ベルト4の抵抗が低い場合に
は、1色目の転写ローラ12と吸着ローラ19の間で電
気的干渉が生じることがある。この場合に、負極性の吸
着バイアスを用いると、正極性のバイアスを印加してい
る転写ローラ12から吸着ローラ19に転写電流が逃げ
てしまい、転写性を損なうことがある。
【0102】従って、このような場合には、正極性の吸
着バイアスを用いるのがよい。また、逆に静電搬送ベル
ト4の抵抗が高い場合には、吸着バイアスの影響で転写
材はチャージアップしやすくなる。この場合に、正極性
の吸着バイアスを用いると、転写材は正極性にチャージ
アップされ、負極性に帯電されている感光ドラム1との
間に大きな電位差が生じることになる。
【0103】このような状況下で転写を行うと、感光ド
ラム1と転写材の間で異常放電が発生し、画像が乱れる
現象が発生することがある。よって、このような場合に
は、負極性の吸着バイアスを用いるのがよい。本実施例
では比較的抵抗の低い静電搬送ベルト4を使用してお
り、吸着バイアスとして正極性を採用した。吸着バイア
スは高ければ高いほど、静電吸着力は増すため、例え
ば、最も大きな吸着力を必要とする+2kVに吸着バイ
アスを固定する方式を採用することができる。ただし、
この場合には、雰囲気絶対水分量が高い状態下において
は、必要以上に大きな電流が流れることになる。これ
は、例えば、高圧リークなどの現象により、画像形成装
置本体の破損につながるおそればあるため、本体内にそ
れを防止するための新たな手段を構築する必要が生じて
くるため好ましい方式とはいえない。
【0104】例えば、機内に温湿度検知器を配置したよ
うな構成であれば、その出力値を基に、必要なバイアス
を印加する制御を施すことは可能であり、また実際、そ
のような制御を施している画像形成装置も存在する。し
かしながら、本実施例においては、コストダウンのた
め、機内に温湿度検知器を配置していない。
【0105】本実施例では、静電搬送ベルト4の抵抗が
機内の絶対水分量に応じて、均一に変化することを利用
して、吸着ローラ19と静電搬送ベルト4のニップ部に
転写材がない状態で、吸着ローラ19に所定のバイアス
(例えば、+1kV)を印加した時に流れる電流値を検
出し、その値から間接的に機内の絶対水分量を推測する
制御を施す。実際には、静電搬送ベルト4単品の抵抗ば
らつきなどの要因があり、精度を高めるのは困難なた
め、本実施例では、検出された電流値の絶対値がある値
より小さい時には、機内絶対水分量の低い状態として認
識し、逆に電流値の絶対値がある値より大きい時には、
機内絶対水分量の高い状態として認識するようにした。
そして、機内絶対水分量の高い状態には、吸着バイアス
として、+1kVを、また、機内絶対水分量の低い状態
には、吸着バイアスとして、+2kVを印加する制御を
施すこととする。図6(b)にその模式図を示す。
【0106】なお、本実施例では、間接的に機内の絶対
水分量を推測する手段として、空回転時における吸着電
流を用いたが、これに限定することはない。例えば、空
回転時における感光ドラム1(例えば、Vd電位)と転
写ローラ12(例えば、転写バイアス+1kV印加)間
を流れる電流量を検出する方式を用いてもよい。
【0107】また、本実施例では、吸着バイアスは定電
圧制御するものとして説明した。上述の間接的に機内の
絶対水分量を推測する手段を利用して、定電流値を変化
させる定電流制御を実施してもよい。ただし、この場合
には、転写材として小サイズ紙を採用すると、非通紙部
領域に電流が流れてしまい、転写材に対して必要な電流
値を確保することができなくなるおそれがある。よっ
て、転写材のサイズに応じて、定電流値を可変とする制
御も加える必要もある。しかしこの場合には、制御が複
雑になる上に、自動転写材サイズ検知機構が必要とな
り、コストアップにつながる。そこで本実施例では、定
電圧値2段階可変の吸着バイアス定電圧制御を採用し
た。
【0108】続いて、画像濃度制御、レジスト制御など
の直接転写モード、ジャムリカバーおよび静電搬送ベル
トクリーニングモード実行時の吸着バイアス制御につい
て説明する。
【0109】本実施例では、本体の小型化およびコスト
ダウンのため、吸着ローラ19と静電搬送ベルト4の間
に離接機構は設けていない。よって、画像濃度制御、レ
ジスト制御などの直接転写モード、ジャムリカバリーお
よび静電搬送ベルトクリーニングモード実行時は、静電
搬送ベルト4上にトナーが付着している状態であり、そ
のトナーは吸着ローラ19と静電搬送ベルト4間を通過
することになる。なお、吸着ローラ19と静電搬送ベル
ト4間を通過したトナーは、上述の静電搬送ベルトクリ
ーニングモードの実行により、感光ドラム1に再転移
し、静電搬送ベルト4上から除去される。
【0110】本実施例においては、画像濃度制御、レジ
スト制御などの直接転写モード、ジャムリカバーおよび
静電搬送ベルトクリーニングモード実行時には、吸着ロ
ーラ19には、絶対値が放電開始電圧以下の負極性のバ
イアスを印加する。図7(a)に絶対水分量が13g/
3の環境下における吸着バイアスとその際に静電搬送
ベルト4に流れる電流の関係を示した。−500V以下
のバイアスとすると、急激に電流値の絶対値が増大して
おり、本実施例では、−500V程度が放電開始電圧で
あることがわかる。そこで、本実施例では、−300V
を用いることにする。
【0111】画像濃度制御、レジスト制御、ジャムリカ
バー時に静電搬送ベルト4上の吸着ローラ19を通過す
るトナーは、トナー規制ブレード23により負極性に帯
電されたトナーであるため、吸着ローラ19に負極性の
バイアスを印加することにより、静電的な反発力が生
じ、吸着ローラ19にトナーが付着することはない。よ
って、本実施例では、負極性の吸着バイアスを印加し
た。
【0112】単純に考えると、吸着バイアスが大きけれ
ば、それだけ静電的な反発力が強くなり、トナーは吸着
ローラ19に付着しにくくなるわけであるが、逆に吸着
バイアスが大きくなり、放電開始電圧を超えると、吸着
ローラ19と静電搬送ベルト4の間で放電現象が発生す
る。放電現象が発生すると、静電搬送ベルト4上のトナ
ーには、「発明が解決しようとする課題」の項でも述べ
たが、図8(a)に示したように、負電荷が付与される
ことになる。これにより、全体として見れば吸着ローラ
19とトナーの反発力は増す。しかしながら、放電によ
り電荷を受けるトナーは上層部に偏るため、下層部のト
ナーと上層部のトナーでその帯電量にかなりの違いを有
してしまう。このような状況下になると、吸着バイアス
による電界の影響で、図8(b)に示したようなニップ
内でのトナー間で放電現象が発生することがある。これ
により、上層部のトナーの一部は電荷を失ったり、さら
には、極性が反転してしまうことが発生する。その結
果、今度は吸着バイアスの作用により、これらのトナー
が吸着ローラ19に付着してしまうことがありうる。従
って、印加する吸着バイアスは最適値を選択する必要が
ある。
【0113】吸着ローラ19と静電搬送ベルト4を通過
する前の静電搬送ベルト4上のトナー乗り量と吸着ロー
ラ19と静電搬送ベルト4を通過した後に吸着ローラ1
9に付着したトナー量の比、つまり吸着ローラ汚れ付着
量率と吸着バイアスの関係を図7(b)のグラフに示
す。
【0114】このグラフから、吸着バイアスとして、−
300V印加することにより、ほぼ吸着ローラ19への
トナー付着を防止することが可能となることがわかる。
【0115】従って、本実施例では、画像濃度制御、レ
ジスト制御などの直接転写モード、ジャムリカバーおよ
び静電搬送ベルトクリーニングモード実行時には、吸着
バイアスとして、−300V印加するという制御を施し
た。実際、この場合には、画像濃度制御、レジスト制
御、ジャムリカバー後に、画像形成を行っても、吸着ロ
ーラ19の汚れに起因する転写材汚れは発生しなかっ
た。
【0116】実施例2 つぎに、本発明の第2実施例について図9および図10
により説明する。なお、本実施例の画像形成装置の構成
は第1実施例と概略同様であり、従って、同一部分につ
いての説明は省略し、主に異なる部分について説明す
る。
【0117】本実施例の画像形成装置には、吸着ローラ
19とレジストローラ21との間に、転写材検知手段で
ある転写材検知センサ22が配置されている。
【0118】本実施例では、通常画像形成時における吸
着ローラ19のトナー汚れを防止する方法について図9
と図10により説明する。
【0119】第1実施例では、画像濃度制御、レジスト
制御などの直接転写モード、および制御後に実施される
静電搬送ベルトクリーニングモード、あるいはジャムリ
カバリーなど静電搬送ベルト4に直接トナーが現像され
た場合において、吸着ローラ19が汚れるのを防止する
ための構成について説明した。
【0120】しかしながら、これ以外の場合でも静電搬
送ベルト4にトナーが付着する場合がある。その一例と
して、感光ドラム1上に付着した「カブリトナー」が静
電搬送搬送ベルト4に転移することがある。「カブリト
ナー」とはトナー規制ブレード23を通過する際に、十
分帯電されなかったトナーが感光ドラム1のVd部に付
着したものである。
【0121】静電搬送ベルト4に付着した「カブリトナ
ー」は吸着ローラ19の汚れの一因となりうるが、「カ
ブリトナー」は少量であるため、通常は特に問題となら
ない。しかしながら、本実施例のように、静電搬送ベル
ト4上のトナーを除去する部材を設けていない系では、
静電搬送ベルトクリーニングモードが実行されるまでの
間は、静電搬送ベルト4上に「カブリトナー」は蓄積さ
れることとなる。例えば、連続プリントを実施した場合
には、スループットの低下を防ぐため、その間、頻繁に
静電搬送ベルトクリーニングモードを実行するのは好ま
しくない。よってこのような場合には、吸着ローラ19
の汚れが増大し、画像不良として顕在化してしまうこと
がある。
【0122】本実施例は、連続プリントを含む通常画像
形成状態における吸着バイアス制御に特徴を有する。
【0123】図10に本実施例の制御に係るフローチャ
ートを示す。
【0124】コントローラからの画像形成信号が入力さ
れると(S1)、静電搬送ベルト4が駆動回転されると
ともに、放電開始電圧以下の負極性の吸着バイアス(例
えば、−300V)が印加される(S2)。次いで、カ
セット20あるいはマルチフィーダー(不図示)から転
写材が給紙される(S3)。給紙された転写材が、転写
材検知センサ22を通過するときに、その出力のオンオ
フが判断され、オンの時に通紙信号が不図示のCPUに
伝達され、その時の時刻TIが記憶される(S4)。通
紙信号が検知されてから時間T1後に(S6)、吸着バ
イアスをあらかじめ定められている通紙時吸着バイアス
に切り替える(S7)。ここで、T1は、転写材の先端
が吸着ローラ19に突入する直前となるような値とす
る。通紙時吸着バイアスは、第1実施例で示したような
吸着電流検出制御などをあらかじめ実施し、その値を決
定しておき(S71)、CPUに格納しておいて、随時
読み出して利用する(S72)。
【0125】さらに、転写材が転写材検知センサ22を
抜け出ると、つまりそのオンオフが判断されて(S
8)、オフの時に非通紙信号がCPUに伝達され、その
時刻T0が記憶される(S9)。非通紙信号が検知され
てから、時間T2後に(S10)、放電開始電圧以下の
負極性の吸着バイアス(例えば、−300V)に切り替
える(S11)。ここで、T2は、転写材の後端が吸着
ローラ19を抜け出た直後となるような値とする。
【0126】次いで、つぎに画像形成を続けるかを判断
し(S12)、連続画像形成実行時は、ステップS3に
戻って、上記作業を繰り返す。そして、最終紙が機外に
排出されたところで、静電搬送ベルト4の回転を停止さ
せるとともに、吸着バイアスをOFFにする(S1
3)。
【0127】なお、転写材検知センサ22は転写材の有
無を検知できるものであれば、特に限定を受けるもので
はない。例えば、機械式センサ、光学式センサなどを用
いることもできる。
【0128】画像形成工程時の吸着バイアスをこのよう
に制御することにより、基本的には、吸着ローラ19の
全域と静電搬送ベルト4が直接接触する状態において吸
着ローラ19に印加するバイアスを放電開始以下の負極
性とすることができるため、静電搬送ベルト4上に付着
したトナーを吸着ローラ19に転移するのを抑制するこ
とができる。
【0129】また、場合によっては、画像形成1ジョブ
の前回転、後回転、一定枚数毎などに静電搬送ベルトク
リーニングモードを実行して、静電搬送ベルト4のクリ
ーニングを実行してもよい。
【0130】実施例3 つぎに、本実施例の第3実施例について図11により説
明する。なお、本実施例の説明においては、第1実施例
と同一部分についての説明は省略し、主に異なる部分に
ついて説明する。
【0131】第1実施例では、静電搬送ベルトクリーニ
ングモード実行時には、静電回収方式のみを採用した
が、本実施例では、静電搬送ベルト4からのトナー除去
能力を大きくするため、機械的回収方式を併用する構成
とした。
【0132】機械的回収方式とは、前述のように、画像
形成時とは異なり、感光ドラム1の回転速度に対し、静
電搬送ベルト4の移動速度に正負いずれかの大幅な周速
差を設けることによりトナーを感光ドラム1に回収させ
る方式のことである。
【0133】本実施例では、静電搬送ベルト4の移動速
度を感光ドラム1の回転速度に対し、50%早回しする
方式を採用した。なお、図11では、静電搬送ベルト4
を「ETB」と記した。
【0134】つぎに、本実施例における静電搬送ベルト
クリーニングモード実行時の吸着バイアス制御について
図11により説明する。
【0135】本実施例でも、本体の小型化およびコスト
ダウンのため、吸着ローラ19と静電搬送ベルト4の間
の離接機構は設けていない。画像濃度制御、レジスト制
御などの直接転写モード、ジャムリカバリーおよび静電
搬送ベルトクリーニングモード実行時は、静電搬送ベル
ト4上にトナーが付着している状態であり、そのトナー
は吸着ローラ19と静電搬送ベルト4間を通過すること
になる。
【0136】そこで、それらのトナーが吸着ローラ19
に付着するのを防止するため、静電搬送ベルトクリーニ
ングモード起動と同時に吸着ローラ19に、絶対値が放
電開始電圧以下の負極性(通常のトナーと同極性)のバ
イアスを印加する。この結果、吸着ローラ19に付着す
ることなく、吸着ローラ19と静電搬送ベルト4間を通
過したトナーは、感光ドラム1に再転移し、静電搬送ベ
ルト4上から除去される。
【0137】直接転写モード、ジャムなどにより静電搬
送ベルト4上に直接転写されたトナーの感光ドラム1へ
の回収が終了した後(静電搬送ベルト4の1周分以
上)、吸着ローラ19に絶対値が放電開始電圧以下の正
極性のバイアスを印加する。吸着ローラ19の1周分以
上(図11中、tにて表示)、吸着ローラ19に上記バ
イアスを印加した後、吸着バイアスを絶対値が放電開始
電圧以下の負極性のバイアスに切り替える。さらに、吸
着ローラ19の1周分以上の後に、再度、吸着バイアス
の切り替えを行う。
【0138】これらの動作を数回繰り返した後、吸着バ
イアスをオフし、静電搬送ベルト4を停止させて、静電
搬送ベルトクリーニングモードを終了する。
【0139】なお、静電搬送ベルトクリーニングモード
の実行中は、図11にも示したように、感光ドラム1の
電位、転写バイアス、感光ドラム−静電搬送ベルト間の
周速差は上述の値を保持するものとする。
【0140】静電搬送ベルト4上には少量であるが、正
極性のトナーが転移することがある。それらは、現像装
置8内でのトナー同士の摺擦などの影響により正極性に
帯電し、現像ローラ3と感光ドラム1のVd部分におけ
る電界の作用により、Vd部分に付着し、さらに静電搬
送ベルト4に転移するものである。
【0141】静電搬送ベルトクリーニングモードの実行
と同時に、吸着ローラ19には、絶対値が放電開始電圧
以下の負極性のバイアスを印加するが、その影響で正極
性のトナーと吸着ローラ19の間に電気的吸引力が発生
し、吸着ローラ19に付着してしまう。
【0142】そこで、吸着バイアスの極性を反転させる
ことにより、吸着ローラ19に付着した正極性のトナー
と吸着ローラ19の絶対値が放電開始電圧以下の正極性
のバイアスを印加する制御を施すことにより、吸着ロー
ラ19との間に電気的反発力が生じるため、吸着ローラ
19から静電搬送ベルト4にトナーが再転移し、吸着ロ
ーラ19の汚れを除去することができる。この状況でも
上述の静電搬送ベルトクリーニングモードは続行されて
いるため、これらのトナーは感光ドラム1に回収される
ことになる。
【0143】吸着ローラ19の極性の切り替えは、静電
搬送ベルト4の清掃完了後に行うため、通常の負極性の
トナーにより吸着ローラ19が汚れることはない。ただ
し、静電搬送ベルト4上に回収されずにわずかに残って
いたトナーなどにより吸着ローラ19が汚れる可能性が
あるので、再度、吸着ローラ19に印加する極性を切り
替えて、吸着ローラ19から静電搬送ベルト4への吐き
出しを行う。これらを繰り返すことにより、吸着ローラ
19の汚れをより少なくしていくことが可能となる。
【0144】前出の図7(a)に示したように、絶対水
分量が13g/m3の環境下における吸着バイアスとそ
の際に静電搬送ベルト4に流れる電流との関係におい
て、吸着バイアスを、−500V以下とすると、急激に
電流値の絶対値が増大しており、本実施例では、−50
0V程度が放電開始電圧であることがわかる。そこで、
本実施例では、静電搬送ベルトクリーニングモード実行
時の吸着バイアスとして、−300V、および+300
Vを用いることにした。
【0145】上記のように、本実施例では、静電搬送ベ
ルトクリーニングモード時における正極性トナーによる
吸着ローラ汚れをなくし、吸着ローラのトナー汚れに伴
う転写材のトナー汚れを防止できる。
【0146】実施例4 つぎに、本発明の第4実施例について図12により説明
する。本実施例のカラー画像形成装置は、第2実施例と
同様の構成を備えている。すなわち、第1実施例の構成
に、さらに転写材検知センサ22を加えた構成を有して
いる。
【0147】本実施例では、通常画像形成時における吸
着ローラ19のトナー汚れを防止する制御を行う。
【0148】第3実施例では、静電搬送ベルトクリーニ
ングモード時における正極性トナーによる吸着ローラ汚
れの除去方法について述べた。しかしながら、正極性ト
ナーの静電搬送ベルト4への転移は直接転写モード、静
電搬送ベルトクリーニングモードなどの特定のモードに
限ったものではない。その一例として、通常画像形成時
において、感光ドラム1と静電搬送ベルト4が直接接触
する状態、つまり、前回転時、後回転時、および紙間な
どがあげられる。
【0149】前述のように、正極性トナーはごく少量で
ある。よって、たとえ、それらが吸着ローラ19に蓄積
していったとしても、それらが画像汚れとして顕在化す
る前に、第3実施例で述べた静電搬送ベルトクリーニン
グモードが定期的に実行され、吸着ローラ19の汚れが
除去されることになる。
【0150】図12に、連続プリントを含む通常画像形
成状態における吸着バイアス制御を示す。
【0151】コントローラからの画像形成信号が入力さ
れると(S21)、CPU内の通紙枚数を0に設定する
(S22)。静電搬送ベルト4が駆動回転されるととも
に、放電開始電圧以下の負極性の吸着バイアス(例え
ば、−300V)が印加される(S23)。その後、カ
セット20あるいはマルチフィーダー(不図示)から転
写材が給紙される(S24)。給紙された転写材が、転
写材検知センサ22を通過すると(S25)、通紙信号
がCPUに伝達され、その時刻TIが記憶されるととも
に、通紙枚数を+1カウントアップする(S26)。通
紙信号が検知されてから、時間T1後に、吸着バイアス
を前出の図6(b)に示した通紙時吸着バイアスに切り
替える(S28)。なお、T1は、転写材の先端が吸着
ローラ19に突入する直前となるような値とする。
【0152】さらに、転写材が転写材検知センサ22を
抜け出ると(S29)、非通紙信号がCPUに伝達さ
れ、その時刻TOが記憶される(S30)。非通紙信号
が検知されてから、時間T2後に(S31)、放電開始
電圧以下の負極性の吸着バイアス(例えば、−300
V)に切り替える(S32)。なお、T2は、転写材の
後端が吸着ローラ19を抜け出た直後となるような値と
する。
【0153】次いで、CPUが連続した画像形成工程の
存在の有無を確認する(S33)。連続した画像形成工
程が存在する場合には、CPUで通紙枚数が5の倍数か
を確認する(S34)。通紙枚数が5の倍数の場合に
は、吸着バイアスを放電開始電圧以下の正極性(例え
ば、+300V)に切り替え、その時刻TCを記憶する
(S35)。時間T3後(S36)、吸着バイアスを放
電開始電圧以下の負極性(例えば、−300V)に戻す
(S37)。その後、ステップS24に戻る。なお、T
3は、吸着ローラ19の1周分相当時間とする。
【0154】ステップS34において、通紙枚数が5の
倍数でない場合には、直接ステップS24に戻る。ま
た、ステップS33でつぎの画像形成工程が存在しない
場合には、吸着バイアスを放電開始電圧以下の正極性
(例えば、+300V)に切り替え、その時刻TCを記
憶する(S38)。時間T3後(S39)、吸着バイア
スを放電開始電圧以下の負極性(例えば、−300V)
に戻す(S40)。次いで、最終紙が機外に排出された
ところで静電搬送ベルト4の回転を停止させるととも
に、吸着バイアスをオフする(S41)。
【0155】なお、転写材検知センサ22は転写材の有
り無しを検知できるものであれば、特に限定されるもの
ではなく、例えば、機械式センサ、あるいは光学式セン
サなどを用いることができる。
【0156】上記の制御をまとめると、画像形成工程時
における非画像形成状態(前回転、後回転、紙間)で
は、通常の負極性に帯電したトナーが吸着ローラ19に
付着するのを防止するため、基本的には、吸着バイアス
を放電開始電圧以下の負極性とする。ただし、連続使用
により吸着ローラ19に付着した正極性のトナーを除去
するために、一定のタイミングで吸着バイアスを、放電
開始電圧以下の正極性に切り替える制御となる。
【0157】なお、本実施例では、吸着バイアスの正極
性への切り替えを通紙5枚および後回転で実行したが、
これに限定されるものではなく、前回転時や紙間のすべ
て、あるいは通紙10枚ごとなど、いかなる非画像形成
状態においても実行可能である。
【0158】上記のように、本実施例では、吸着ローラ
の汚れ防止の効果が十分に発揮され、かつ、スループッ
トの低下を最低限に抑制することができる。
【0159】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の画像形成装置によれば、吸着手段に印加される吸着バ
イアスは、画像形成装置の動作状態に応じた、直流電圧
またはこの直流電圧と極性を異なるように制御可能な直
流電圧であり、前記直流電圧は、少なくとも絶対値が転
写材搬送手段に対する放電開始電圧以下であり、かつ像
担持体上に形成されたトナー像の極性と同極性であるこ
とにより、吸着手段に現像剤が付着するのを防止し、現
像剤の付着に伴う転写材汚れの発生を防止でき、したが
って、高品質画像形成物を得ることができる。
【0160】あるいは、吸着手段に印加される吸着バイ
アスが、画像形成装置の動作状態に応じた、直流電圧ま
たはこの直流電圧と極性を異なるように制御可能な直流
電圧であり、転写材の非通紙時における任意のタイミン
グにおいて、絶対値が転写材搬送手段に対する放電開始
電圧以下の正極性または負極性の吸着バイアスを一定の
周期で交互に切り替えながら印加することにより、上記
と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例を示す概
略構成図である。
【図2】感光ドラムの一実施例を示す層断面図である。
【図3】濃度検知センサの乱反射検出方式(a)と、正
反射検出方式(b)とを示す説明図である。
【図4】濃度検知方式の一実施例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る静電搬送ベルトクリーニングモー
ドの一実施例を示す説明図である。
【図6】(a)水分量と吸着に必要な吸着電流、(b)
水分量と吸着バイアスの関係を示すグラフである。
【図7】(a)吸着バイアスと吸着電流、(b)吸着バ
イアスと吸着ローラ汚れ付着率の関係を示すグラフであ
る。
【図8】吸着ローラ汚れ発生メカニズムを示す模式図で
ある。
【図9】本発明に係る画像形成装置の他の実施例を示す
図である。
【図10】通常画像形成時における吸着ローラ汚れ防止
制御の一実施例を示すフロー図である。
【図11】静電搬送ベルトクリーニングモード実行時の
吸着バイアス制御を示すシーケンス図である。
【図12】通常画像形成時における吸着ローラ汚れ防止
制御の他の実施例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体) 2 濃度検知センサ(濃度検知手段) 4 静電搬送ベルト(転写材搬送手段) 12 転写部材(転写手段) 15 レジスト検知センサ(位置ずれ検知手段) 19 吸着ローラ(吸着手段) 22 転写材検知センサ(転写材検知手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 保之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H027 DA03 DA09 DC02 DC04 DE02 DE09 EA02 EA03 EA05 EA18 EC03 EC06 EC10 ED09 ED24 EF09 2H030 AA01 AB02 AD16 BB13 BB34 BB36 BB44 BB54 BB56 2H032 AA05 AA15 BA09 BA23 BA28 BA30 CA02 CA13

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像が形成される複数の像担持体
    と、前記複数の像担持体に転写材を搬送するための転写
    材搬送手段と、前記転写材搬送手段に転写材を静電吸着
    するための吸着手段と、前記転写材搬送手段を挟んで前
    記複数の像担持体にそれぞれ対向配置され、トナー像を
    転写材に転写するための複数の転写手段と、を有する画
    像形成装置において、 前記吸着手段に印加される吸着バイアスは、画像形成装
    置の動作状態に応じた、直流電圧またはこの直流電圧と
    極性を異なるように制御可能な直流電圧であり、かつ前
    記直流電圧として、少なくとも絶対値が前記転写材搬送
    手段に対する放電開始電圧以下であり、かつ前記像担持
    体上に形成されたトナー像の極性と同極性である値を有
    することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも転写材が前記転写材搬送手段
    上の前記吸着手段対向部を通過している間は、前記吸着
    手段に、前記像担持体上に形成されたトナー像の極性と
    同極性のバイアスを印加することを特徴とする請求項1
    の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも転写材が前記転写材搬送手段
    上の前記吸着手段対向部を通過している間は、前記吸着
    手段に、前記像担持体上に形成されたトナー像の極性と
    逆極性のバイアスを印加することを特徴とする請求項1
    の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 トナー像が形成される複数の像担持体
    と、前記複数の像担持体に転写材を搬送するための転写
    材搬送手段と、前記転写材搬送手段に転写材を静電吸着
    するための吸着手段と、前記転写材搬送手段を挟んで前
    記複数の像担持体にそれぞれ対向配置され、トナー像を
    転写材に転写するための複数の転写手段と、を有する画
    像形成装置において、 前記吸着手段に印加される吸着バイアスは、画像形成装
    置の動作状態に応じた、極性を異なるように制御可能な
    直流電圧であり、転写材の非通紙時における任意のタイ
    ミングにおいて、絶対値が前記転写材搬送手段に対する
    放電開始電圧以下の正極性または負極性の吸着バイアス
    を一定の周期で交互に切り替えながら印加することを特
    徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 画像形成条件の制御を目的として、前記
    転写材搬送手段上に直接トナー像を転写する直接転写モ
    ードを具備し、所定のタイミングで実行することを特徴
    とする請求項1から4のいずれかの画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記画像形成条件の制御とは、前記転写
    材搬送手段上のトナー像の濃度を濃度検知手段により検
    知し、その検知結果を基に前記画像形成条件を補正する
    画像濃度制御であることを特徴とする請求項5の画像形
    成装置。
  7. 【請求項7】 前記画像形成条件の制御とは、前記転写
    材搬送手段上における複数のトナー像の転写位置のずれ
    を位置ずれ検出手段により検知し、その検知結果を基
    に、画像形成タイミングを補正するレジスト制御である
    ことを特徴とする請求項5の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記転写材搬送手段の移動方向におい
    て、最下流の転写位置と、前記吸着手段の上流側との領
    域に、前記転写材搬送手段上のトナーを除去する手段を
    有さないことを特徴とする請求項1から7のいずれかの
    画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記転写材搬送手段上の付着トナーを前
    記複数の像担持体のいずれかに転移させることにより前
    記転写材搬送手段から除去する転写材搬送手段クリーニ
    ングモードを具備することを特徴とする請求項1から8
    のいずれかの画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記転写材搬送手段クリーニングモー
    ドを所定のタイミングで実行することを特徴とする請求
    項9の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記転写材搬送手段クリーニングモー
    ドは、少なくとも前記複数の転写手段に対し、異なる極
    性が混在するように直流電圧を印加する制御を含むこと
    を特徴とする請求項9または10の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記所定のタイミングとは、ジャム処
    理後の本体リセット時であることを特徴とする請求項1
    0または11の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記所定のタイミングとは、前記直接
    転写モードの実施中または実施直後であることを特徴と
    する請求項10または11の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 少なくとも前記直接転写モードの実行
    時には、前記吸着手段に、絶対値が放電開始電圧以下で
    あり、かつ、前記像担持体上に形成されたトナー像の極
    性と同極性の直流バイアスを印加することを特徴とする
    請求項5から13のいずれかの画像形成装置。
  15. 【請求項15】 少なくとも前記転写材搬送クリーニン
    グモードの実行時には、前記吸着手段に、絶対値が放電
    開始電圧以下であり、かつ前記像担持体上に形成された
    トナー像の極性と同極性の直流バイアスを印加すること
    を特徴とする請求項9から14のいずれかの画像形成装
    置。
  16. 【請求項16】 転写材の通過を検知する転写材検知手
    段を有し、前記転写材検知手段の検知結果に応じて、直
    流電圧、または該直流電圧と極性が異なるように制御さ
    れた直流電圧を前記吸着手段に印加し、かつ前記転写材
    検知手段により、前記転写材搬送手段と前記吸着手段と
    で形成されるニップ部を転写材が通過していないと判断
    される全期間、またはその一部では、前記吸着手段に絶
    対値が放電開始電圧以下であり、かつ前記像担持体上に
    形成されたトナー像の極性と同極性の直流バイアスを印
    加することを特徴とする請求項5から15のいずれかの
    画像形成装置。
  17. 【請求項17】 少なくとも前記転写材搬送手段クリー
    ニングモード実行中の特定時間では、前記吸着手段に絶
    対値が前記転写材搬送手段に対する放電開始電圧以下の
    正極性または負極性のバイアスを一定の周期で交互に切
    り替えながら印加する制御を行うことを特徴とする請求
    項11から15のいずれかの画像形成装置。
  18. 【請求項18】 転写材の通過を検知する転写材検知手
    段を有し、前記転写材検知手段の検知結果に応じて、直
    流電圧、または該直流電圧と極性が異なるように制御さ
    れた直流電圧を前記吸着手段に印加し、かつ前記転写材
    検知手段により、前記転写材搬送手段と前記吸着手段と
    で形成されるニップ部を転写材が通過していないと判断
    される全期間、またはその一部では、画像形成動作状態
    により、前記吸着手段に絶対値が放電開始電圧以下であ
    る正極性または負極性のバイアスを一定の周期で交互に
    切り替えながら印加する制御を行うことを特徴とする請
    求項4から15のいずれかの画像形成装置。
  19. 【請求項19】 前記画像形成動作状態が前回転状態、
    または後回転状態の場合に、前記吸着手段に絶対値が前
    記転写材搬送手段に対する放電開始電圧以下の正極性、
    または負極性のバイアスを一定の周期で交互に切り替え
    ながら印加する制御を行うことを特徴とする請求項18
    の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記画像形成動作状態が紙間状態であ
    る場合に、前記吸着手段に絶対値が前記転写材搬送手段
    に対する放電開始電圧以下の正極性、または負極性のバ
    イアスを一定の周期で交互に切り替えながら印加する制
    御を行うことを特徴とする請求項18または19の画像
    形成装置。
  21. 【請求項21】 前記画像形成動作状態が特定枚数通紙
    後の紙間状態である場合に、前記吸着手段に絶対値が前
    記転写材搬送手段に対する放電開始電圧以下の正極性、
    または負極性のバイアスを一定の周期で交互に切り替え
    ながら印加する制御を行うことを特徴とする請求項18
    または19の画像形成装置。
  22. 【請求項22】 前記吸着手段は弾性ゴムローラであ
    り、転写材は前記弾性ゴムローラと前記転写材搬送手段
    のニップ部を通過することを特徴とする請求項1から2
    1のいずれかの画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記転写材搬送手段が無端状ベルト部
    材であることを特徴とする請求項1から22のいずれか
    の画像形成装置。
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