JP4591572B2 - コイルアセンブリおよびスイッチング型電源装置 - Google Patents

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Description

この発明は、コイルを冷却する技術に関する。
DC−DCコンバータなどのスイッチング型電源装置においては、電流平滑化や昇圧のためにチョークコイルが使用される。このようなチョークコイルとしては、通常、ドーナツ状のトロイダルコアに巻線を巻回したトロイダルコイルが用いられる。トロイダルコイルは、巻線が外周部に露出している。そのため、トロイダルコイルを基板上に直接取り付ける場合には、絶縁を確保するため、トロイダルコイル付近のトロイダルコイルの実装面に配線パターンを設けることができない。そこで、配線パターンの自由度を高くするため、トロイダルコイルを絶縁性の板材(台座)に取り付け、台座に取り付けられたコイル(コイルアセンブリ)を基板に実装することが行われている。
実開平6−44123号公報 特開2007−235054号公報 特開2007−234752号公報 特開2005−286066号公報 特開2001−326126号公報 特開2000−228320号公報
スイッチング型電源装置で使用されるチョークコイルは、電源電流の経路上に配置されるので、チョークコイルには比較的大きな電流が流される。そのため、チョークコイルの巻線では、巻線抵抗によるジュール熱が発生し、チョークコイルの温度が上昇する。一方、従来のコイルアセンブリではコイルが板状の台座に取り付けられているため、コイルの冷却効率を十分高くすることができない。この問題は、トロイダルコイルを用いたコイルアセンブリに限らず、スイッチング型電源装置等で使用される種々のコイルアセンブリに共通する。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、コイルの冷却効率を高めることを目的とする。
本発明は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
コイルと、前記コイルに固定的に取り付けられる台座とを有するコイルアセンブリであって、
前記台座は、前記コイルの前記台座への取付面において気流が通過しうる空隙を形成するように前記コイルを支持する支持部材を備える
コイルアセンブリ。
この適用例によれば、台座に設けられた支持部材により、コイルの台座の取付面に気流が通過しうる空隙が形成される。そのため、台座の取り付け面においてもコイルが冷却されるため、コイルの冷却効率をより高くすることができる。
[適用例2]
適用例1記載のコイルアセンブリであって、
前記コイルはトロイダルコイルであり、
前記台座は、前記コイルアセンブリが配設される基板に対して、前記コイルのトロイダル方向が略平行となるように前記コイルを支持する
コイルアセンブリ。
トロイダルコイルのトロイダル面を基板に対して略平行とすることにより、空隙に面するコイル表面の面積が大きくなる。そのため、空隙を通過する気流によりコイルの冷却がより促進される。
[適用例3]
適用例2記載のコイルアセンブリであって、
前記台座は前記基板に当接する板状部を備え、
前記支持部材を前記板状部から前記基板とは反対側に向かって延出した
コイルアセンブリ。
台座に板状部を設けることにより、コイルアセンブリの基板への取付がより容易となる。
[適用例4]
適用例3記載のコイルアセンブリであって、
前記板状部は、前記コイルの穴に対応する位置を含む領域において前記コイル側と前記基板側とを貫通する貫通穴を有する
コイルアセンブリ。
トロイダルコイルの穴に対応する位置を含む領域においてコイル側と基板側とを貫通する貫通穴を設けることにより、板状部の貫通穴とトロイダルコイルの穴とを通過する気流を発生させることが容易となる。そのため、コイルの冷却効率をより高くすることができる。
なお、この場合、基板に板状部と同様に貫通穴を設けるのがより好ましい。基板に貫通穴を設けることにより、基板の貫通穴からトロイダルコイルの穴を通過する気流を発生させることができるので、コイルの冷却効率をさらに高くすることができる。
[適用例5]
適用例1ないし4のいずれか記載のコイルアセンブリであって、
前記支持部材は熱伝導性樹脂により形成されている
コイルアセンブリ。
支持部材を熱伝導性が高い熱伝導性樹脂により形成することにより、コイルで発生した熱を支持部材において放熱することが可能となる。そのため、コイルの冷却効率をより高くすることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、コイルアセンブリとコイルの実装方法、そのコイルアセンブリあるいその実装方法を利用した電源装置、その電源装置を利用した放電灯の駆動装置や光源装置、その光源装置を利用した画像表示装置、等の態様で実現することができる。
A.第1実施例:
A1.プロジェクタの構成:
図1は、本発明の第1実施例が適用されるバラストユニットを有するプロジェクタ1000の概略構成図である。プロジェクタ1000は、電源ユニット100と、バラストユニット200と、制御部300と、光源ランプ400と、液晶パネル500と、投写レンズ600とを備えている。
電源ユニット100は、AC100V等の商用電源から、プロジェクタ1000の各部に供給する直流電力を生成する。電源ユニット100は、バラストユニット200に供給する高圧直流電力を生成するため、図示しない昇圧型コンバータ(ブースト・コンバータ)を有している。昇圧型コンバータには、スイッチング(チョッパ処理)により発生する高周波ノイズを商用電源に送出しないように、図示しない力率改善(PFC)回路が設けられている。但し、電源ユニット100の商用電源側に設けられるノイズフィルタ等の特性によっては、PFC回路を省略することも可能である。なお、昇圧型コンバータは、チョッパ処理により電圧を上昇させるので、昇圧型チョッパとも呼ばれる。
バラストユニット200は、制御部300から供給されるスイッチ制御信号に応じて、電源ユニット100から供給される高圧直流電力から光源ランプ400を駆動するための光源駆動電力を生成する。生成された光源駆動電力は、バラストユニット200から光源ランプ400に供給される。バラストユニット200による光源駆動電力の生成については、後述する。
制御部300は、CPU310と、画像処理部320と、メモリ330とを備えている。CPU310は、メモリ330に格納されたコンピュータプログラムに従って種々の処理や制御を行う。画像処理部320は、例えば、外部接続用コネクタ(図示しない)に接続されたPC、DVDプレイヤー、外部メモリ等、外部から与えられた画像データに対して画像処理を施して、処理済み画像データを、液晶パネル500に供給する。制御部300は、電源ユニット100によって生成された制御部駆動電力によって動作する。
光源ランプ400は、液晶パネル500に光を照射する放電灯である。液晶パネル500は、透過型の液晶パネルであって、画像処理部320から与えられる画像データに基づいて、光源ランプ400から射出された光を変調する。投写レンズ600は、液晶パネル500において変調された光をスクリーン(図示しない)上に投写する。このように、液晶パネル500で変調された光がスクリーン上に投写されることにより、スクリーン上には画像が表示される。
A2.バラストユニットの構成:
図2は、光源ランプ400に光源駆動電流を供給するバラストユニット200の一例を示す回路図である。第1実施例のバラストユニット200は、降圧型コンバータ(バック・コンバータ)210と、インバータ220とから構成されている。
降圧型コンバータ210は、スイッチング素子Q1と、チョークコイルL1と、ダイオードD1と、コンデンサC1とを有している。スイッチング素子Q1は、制御部300から供給されるスイッチ制御信号によりオン・オフ状態が制御される。スイッチング素子Q1のオン状態のデューティ比が制御されることにより、電源ユニット100(図1)から供給される高圧直流電力は、チョッパ処理により光源駆動電力として適当な電圧まで降圧される。このように降圧された電力は、インバータ220に供給される。なお、降圧型コンバータは、チョッパ処理により電圧を降下させるので、降圧型チョッパとも呼ばれる。
インバータ220は、フルブリッジ接続された4個のスイッチング素子Q21〜Q24から構成されたフルブリッジインバータである。これらのスイッチング素子Q21〜Q24も、制御部300から供給されるスイッチ制御信号によりオン・オフ状態が制御される。スイッチング素子Q21,Q24のペアと、スイッチング素子Q22,Q23のペアとが交互にオン状態になることにより、2つのブリッジ中間点MP1,MP2のそれぞれに接続された光源ランプ400には、光源駆動電力として矩形波の交流電力が供給される。
光源ランプ400は、例えば高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどの高圧放電灯を用いた反射型の光源ランプである。光源ランプ400は、発光管410が反射鏡420中央部に耐熱セメントを介して固着されている。上述のように、発光管410の電極412,414は、それぞれインバータ220が有する2つのブリッジ中間点MP1,MP2に接続されている。
A3.チョークコイルの実装:
図3は、バラストユニット200で使用されるチョークコイルL1の第1実施例における実装状態を示す説明図である。図3(a)および図3(b)は、チョークコイルL1が搭載される台座700を示し、図3(c)および図3(d)は、チョークコイルL1が基板900上に配設されている状態を示している。図3(c)および図3(d)に示すように、第1実施例においては、チョークコイルL1として、ドーナツ状のトロイダルコア810に巻線820を巻回したトロイダルコイルを用いている。図3(a)および図3(c)は、台座700およびチョークコイルL1をチョークコイルL1の実装面(上面)から見た様子を示している。図3(b)および図3(d)は、台座700およびチョークコイルL1を側面から見た様子を示している。
図3(a)および図3(b)に示すように、台座700は、トロイダルコア810の外径とほぼ同じ円盤部710と、円盤部710から上面側に延出された円柱状のピン720と、円盤部710から円盤部710の外周方向に延出されたリード保持部730とを有している。リード保持部730には、外周側から中心部に向かって切欠732が設けられている。台座700は、例えば、熱可塑性の樹脂を用いて、射出成形により一体に形成することが可能である。但し、台座700は、必ずしも一体に形成する必要はなく、円盤部710およびリード保持部730と、ピン720とを別個に形成し、円盤部710にピン720を埋め込むことにより形成しても良い。なお、個々のピン720の太さや長さ、形状、数、配置等を適宜変更しても良く、また、板状の円盤部710の形状を矩形等の任意の形状に変更しても良い。
図3(c)および図3(d)に示すように、第1実施例において、チョークコイルL1は、トロイダルコアのトロイダル方向(すなわち、磁束の方向)が基板900と平行となるように、台座700上に搭載される。チョークコイルL1がピン720に接触している状態で、巻線820の両端のリード822がリード保持部730に取り付けられる。これにより、チョークコイルL1は、台座700上に固定され、振動などによる位置ズレが抑制される。また、チョークコイルL1を台座700上に固定することにより、チョークコイルL1および台座700(併せて、「コイルアセンブリ」とも呼ぶ)の取り扱いがより容易となる。
リード保持部730から下面側に延びたリード822は、基板900に設けられたスルーホール(図示しない)を通して基板900の下面側に突出する。そして、下面側に突出したリード822は、ハンダ付けなどで基板900に設けられた配線パターン(図示しない)に接続される。第1実施例では、台座700にピン720を設けることにより、チョークコイルL1と基板900との距離をより大きくすることができる。そのため、チョークコイルL1の近くに配置された配線パターンへのノイズの伝播を抑制することができる。
図4は、チョークコイルL1と基板900との間に従来の台座700xと第1実施例の台座700とを配置した様子を示す説明図である。図4(a)および図4(b)は、比較例として、チョークコイルL1と基板900の上面の配線パターンとを絶縁するための従来の台座700xを用いた状態を示している。図4(c)および図4(d)は、第1実施例の台座700を用いた状態を示している。図4(a)および図4(c)は、台座700x,700およびチョークコイルL1をチョークコイルL1の実装面(上面)から見た様子を示している。図4(b)および図4(d)は、台座700x,700およびチョークコイルL1を側面から見た様子を示している。
図4(b)に示すように、従来の台座700xを用いた場合、台座700xの平坦な上面には、チョークコイルL1が接触した状態となる。そのため、チョークコイルL1の中心を通る気流が発生せず、自然対流によるチョークコイルL1の冷却はほとんど行われない。また、チョークコイルL1を冷却するために側面から気流を供給しても、冷却はチョークコイルL1の上面のみで行われ、冷却効率を高くすることは容易ではない。
これに対し、第1実施例では、台座700にピン720を設けることにより、チョークコイルL1と円盤部710との間に空隙が形成される。このように空隙が形成されることにより、図4(c)および図4(d)の矢印に示すように、チョークコイルL1の下面側を外周側から中心に向かい、中心部で上方に向かう気流が発生する。そのため、第1実施例のチョークコイルL1は、自然対流により十分に冷却することができる。また、チョークコイルL1を冷却するために側面から気流を供給した場合、気流はチョークコイルL1の上面と下面との双方に沿って通過する。これにより、チョークコイルL1は、その上面と下面の双方で冷却されるので、比較例よりも冷却効率をより高くすること可能となる。
このように、第1実施例では、チョークコイルL1を自然対流により十分に冷却することが可能となるので、チョークコイルL1の筐体内における配置の自由度がより高くなる。また、強制空冷を行う場合においても、チョークコイルL1の冷却効率が高くなるので、チョークコイルL1の筐体内における配置の自由度がより高くなるとともに、気流を供給するための冷却ファンの流量をより少なくすることができる。そのため、冷却ファンをより小型化してバラストユニット200全体を小型化することもでき、また、冷却ファンを駆動するための電力を少なくしてより消費電力を小さくすることもできる。
また、トロイダルコア810を使用したチョークコイルL1の発熱は、巻線820におけるジュール熱が主体となる。そのため、チョークコイルL1の定格電流は、巻線820の太さによって決定される。第1実施例によれば、チョークコイルL1の冷却が促進されるため、同一の定格電流であれば、チョークコイルL1の巻線820をより細くすることができる。巻線820を細くすることにより、巻数を多くしてチョークコイルL1のインダクタンスをより大きくすることや、トロイダルコア810を小さくしてチョークコイルL1をより小型化することが可能となる。
B.第2実施例:
図5は、チョークコイルL1の第2実施例における実装状態を示す説明図である。図5(a)および図5(b)は、チョークコイルL1が搭載される第2実施例の台座700aを示し、図5(c)および図5(d)は、チョークコイルL1が基板900a上に配設されている状態を示している。
図5(a)および図5(b)に示すように、第2実施例の台座700aは、中心部にチョークコイルL1の穴に対応する位置に貫通穴740が設けられている点で、図3(a)および図3(b)に示す第1実施例の台座700と異なっている。また、図5(c)および図5(d)に示すように、第2実施例においては、基板900aに台座700aに設けられた貫通穴740に対応する貫通穴940が設けられている。他の点は、第1実施例と同様である。
第2実施例では、台座700aおよび基板900aに貫通穴740,940を設けることにより、矢印に示すように、基板900aの下面側から上面側に向かう気流を発生させることが可能となる。そのため、自然対流によるチョークコイルL1の冷却効率がより向上する。また、基板900aの下方の貫通穴940に対応する位置に突起等を設けることにより、強制空冷を行う際の気流を貫通穴940を通して基板900aの下面側から上面側に導くことも可能である。このようにすれば、強制空冷によるチョークコイルL1の冷却効率をさらに高めることが可能となる。
なお、第2実施例では、チョークコイルL1の穴に対応する位置に略同径の貫通穴740,940を設けているが、貫通穴740,940の径をより大きいものとしてもよい。貫通穴740,940は、一般に、チョークコイルL1の穴に対応する位置を含む領域において上面側と下面側とを貫通していればよい。
C.台座の変形例:
チョークコイルL1が搭載される台座は、上記各実施例で示した形態に限られず、種々の形態をとることが可能である。例えば、台座700、あるいは、ピン720のようにチョークコイルL1を支持する支持部材を熱伝導性の樹脂で形成することにより、チョークコイルL1で発生した熱を台座700やピン720に伝導させ、より冷却効率を高めることも可能である。また、台座の形状も、チョークコイルL1の基板900,900a側の表面、すなわち台座側の表面に気流が通過しうる空隙を設けることが可能であれば、種々の形状とすることができる。台座の形状は、例えば、図6ないし図9に示す変形例のようにすることも可能である。
C1.台座の第1変形例:
図6は、台座の第1変形例を示す説明図である。図6(a)および(b)に示す第1変形例の台座700bは、円盤部710上に、円柱状のピン720に換えて板状のフィン720bを設けている点で第1実施例の台座700と異なっている。他の点は、図3(a)および(b)に示す第1実施例の台座700と同様である。図6(a)および(b)板状のフィン720bを用いることによっても、フィン720bに沿う方向の気流を発生させることができる。また、強制空冷を行う際には、フィンの向きを冷却のための気流の方向に合わせることにより、チョークコイルL1の下面側に気流を通すことができ、チョークコイルL1の冷却効率を十分高めることが可能となる。なお、図6に示す第1変形例では、台座700bに貫通穴を設けていないが、第2実施例と同様に、台座700bの中心部に貫通穴を設けてもよい。
C2.台座の第2変形例:
図7は、台座の第2変形例を示す説明図である。図7の例では、断面が略円形のチョークコイルL1cを用いている。なお、図7において、チョークコイルL1cのトロイダルコアと巻線との図示を省略している。図7(a)に示すように、第2変形例においては、チョークコイルL1cの形状に合わせて、ピン720cの形状がその位置に応じて変更されている。このように、ピン720cの形状をチョークコイルL1cの形状に合わせることにより、チョークコイルL1cをより的確な位置で台座700c上に固定することができるとともに、チョークコイルL1cの位置のズレをより確実に抑制することができる。なお、図7に示す第2変形例においても、第2実施例と同様に、台座700cの中心部に貫通穴を設けるものとしてもよい。
C3.台座の第3変形例:
図8は、台座の第3変形例を示す説明図である。図8(a)および図8(b)に示す第3変形例の台座700dは、リード保持部730dが上面側に延出されている点と、ピン720が省略されている点とで、図3(a)および図3(b)に示す第1実施例の台座700と異なっている。第3変形例において、チョークコイルL1は、図8(c)および図8(d)に示すように、上面側に延出されたリード保持部730dにより支持される。この第3変形例においても、第1実施例と同様に、チョークコイルL1の下面には気流が通過しうる空隙が形成される。そのため、第1実施例と同様にチョークコイルL1の冷却が促進される。なお、図8に示す第3変形例においても、第2実施例と同様に、台座700dの中心部に貫通穴を設けるものとしてもよい。
なお、第3変形例では、リード保持部730dを上面側に延出することにより、チョークコイルL1を支持しているが、第1実施例と同様のリード保持部730を用い、第3変形例のリード保持部730dと同様の部材を用いてチョークコイルL1を支持することも可能である。例えば、図8(a)の二点鎖線で示すリード保持部730dと同様の支持部材750によりチョークコイルL1を支持するものとしてもよい。このように、リード822の取り出し方向と異なる方向において支持するのが、リード822に曲げ応力が加わることが抑制される点でより好ましい。この場合、チョークコイルL1は、接着剤などを用いて支持部材750に固定される。また、第3変形例のリード保持部730dと支持部材750とを同時に用いることも可能である。
C4.台座の第4の変形例:
図9は、台座の第4変形例を示す説明図である。図9(a)に示すように、第4変形例の台座700eには、2つのリード保持部730のそれぞれに近い位置に高さの異なるピン722,724が設けられている。そのため、台座700e上に取り付けられるチョークコイルL1は、図9(b)に示すように、台座700eの円盤部710および基板900に対して斜めに固定される。なお、本明細書において、チョークコイルL1のトロイダル方向が基板に対して略並行とは、図9のようにチョークコイルL1が斜めに取り付けられている状態を含んでいる。
第4変形例では、チョークコイルL1が円盤部710に対して斜めに固定される。これにより、図9(b)の矢印で示すように、図の右方からの気流は、トロイダルコア810の中心部を通過して下面側から上面側に抜ける。そのため、強制空冷時の冷却効率を十分に高くすることができる。
なお、図9の例では、リード保持部730に近い位置にピン722,724を設け、リード822をピン722,724の配列方向から取り出している。但し、リード822の取り出し方向をピン722,724の配列方向と異なる方向にするのが、リード822に曲げ応力が加わることが抑制される点でより好ましい。
D.実装の変形例:
図10は、チョークコイルL1を基板900に取り付ける実装の変形例を示す説明図である。図10に示す実装の変形例では、チョークコイルL1および台座700(コイルアセンブリ)は、第1実施例と同じである。図10の例では、チョークコイルL1の上面側に、熱伝導シート980と、基板900に固定されたヒートシンク990とが取り付けられている。なお、ヒートシンク990は、例えば、ネジ(図示しない)により基板900に固定される。
図10の例においても、チョークコイルL1の下面側に空隙が形成されるため、チョークコイルL1は、熱伝導シート980およびヒートシンク990を介した熱伝導に加え、チョークコイルL1の下面を流れる気流により冷却される。そのため、チョークコイルL1の冷却をより促進することが可能となる。図10の例においても、より冷却効率を高めることができる点で、上述のように、台座700やピン720を熱伝導性の樹脂で形成するのがより好ましい。
さらに、図10に示すように、台座700のピン720の長さを適宜調整することにより、チョークコイルL1の基板900からの距離(実装高さ)を変更することがより容易となる。なお、実装高さを調整するために、台座700と基板900との間に適宜スペーサを追加するものとしてもよい。台座700と基板900との間にスペーサを追加しても、図10の例では、チョークコイルL1は、熱伝導シート980およびヒートシンク990を介した熱伝導と、チョークコイルL1の下面を流れる気流により十分に冷却することが可能である。
E.その他の変形例:
なお、この発明は上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E1.変形例1:
上記各実施例では、本発明をトロイダルコイルに適用しているが、本発明は、トロイダルコイルに限らず種々のコイルに適用することも可能である。たとえば、棒状やE字型のコアに巻線を巻いたコイルに適用することも可能である。一般に、コイルにおける発熱は、巻線におけるジュール熱が主体となる。そのため、台座上にコイルを搭載することにより、発熱が大きい巻線をより効率よく冷却することができ、コイルの冷却効率をより高くすることができる。
E2.変形例2:
上記各実施例では、本発明を降圧型コンバータ(図2)のチョークコイルL1に適用しているが、本発明は、種々のスイッチング型の電源装置において使用されるコイルに適用することができる。本発明は、昇圧型コンバータに使用されるチョークコイル、昇降圧型コンバータ(バックブーストコンバータ)に使用されるチョークコイル、フライバック式コンバータに使用されるフライバックトランス、絶縁型コンバータに使用される絶縁トランス等、種々のスイッチング型電源装置で使用されるコイルに適用可能である。このような、スイッチング型電源装置では、チョークコイルやトランスが電源電流の経路に配置され、これらのトランスには比較的大きな電流が流される。このようなコイルを台座上に搭載してコイルの冷却を促進することにより、コイルの小型化、インダクタンスの増大、配置の自由度の増大、あるいは、冷却のための電力の節減を図ることが可能となる。さらに、本発明は、ノイズフィルタ等に使用されるコモンモードトランスやチョークコイルなど、発熱が大きい種々のコイルに適用することも可能である。
E3.変形例3:
上記各実施例では、プロジェクタ1000(図1)における光変調手段として、液晶パネル500を用いているが、光変調手段としては、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス:Texas Instruments社の商標)など、他の任意の変調手段を用いることも可能である。
本発明の第1実施例が適用されるバラストユニットを有するプロジェクタの概略構成図。 バラストユニットの一例を示す回路図。 チョークコイルの第1実施例における実装状態を示す説明図。 チョークコイルと基板との間に従来の台座と第1実施例の台座とを配置した様子を示す説明図。 チョークコイルの第2実施例における実装状態を示す説明図。 台座の第1変形例を示す説明図。 台座の第2変形例を示す説明図。 台座の第3変形例を示す説明図。 台座の第4変形例を示す説明図。 チョークコイルを基板に取り付ける実装の変形例を示す説明図。
符号の説明
100…電源ユニット
1000…プロジェクタ
200…バラストユニット
210…降圧型コンバータ
220…インバータ
300…制御部
310…CPU
320…画像処理部
330…メモリ
400…光源ランプ
410…発光管
412,414…電極
420…反射鏡
500…液晶パネル
600…投写レンズ
700,700a,700b,700c,700d,700e…台座
700x…台座
710…円盤部
720,720c,722,724…ピン
720b…フィン
730,730d…リード保持部
732…切欠
740…貫通穴
750…支持部材
L1,L1c…チョークコイル
810…トロイダルコア
820…巻線
822…リード
900,900a…基板
940…貫通穴
980…熱伝導シート
990…ヒートシンク

Claims (9)

  1. コイルを用いるスイッチング型電源装置であって、
    前記コイルに固定的に取り付けられる台座を有しており、
    前記台座は気流が通過しうる空隙をあけて配された複数の円柱状のピンであって、前記コイルを支持する複数のピンである支持部材を備える
    スイッチング型電源装置。
  2. 請求項1記載のスイッチング型電源装置であって、
    前記コイルはトロイダルコイルであり、
    前記台座は、前記コイルが配設される基板に対して、前記コイルのトロイダル方向が略平行となるように前記コイルを支持する
    スイッチング型電源装置。
  3. 請求項2記載のスイッチング型電源装置であって、
    前記台座は前記基板に当接する板状部を備え、
    前記ピンを前記板状部から前記基板とは反対側に向かって延出した
    スイッチング型電源装置。
  4. 請求項3記載のスイッチング型電源装置であって、
    前記板状部と前記基板とには、それぞれ、前記コイルの穴に対応する位置を含む領域において前記コイル側と前記基板側とを貫通する貫通穴が設けられており、
    前記コイルの前記穴と、前記板状部と前記基板の前記貫通孔とは、前記スイッチング型電源装置において上下方向に配されている
    スイッチング型電源装置。
  5. コイルと、前記コイルに固定的に取り付けられる台座とを有するコイルアセンブリであって、
    前記台座は気流が通過しうる空隙をあけて配された複数の円柱状のピンであって、前記コイルを支持する複数のピンである支持部材を備える
    コイルアセンブリ。
  6. 請求項5記載のコイルアセンブリであって、
    前記コイルはトロイダルコイルであり、
    前記台座は、前記コイルアセンブリが配設される基板に対して、前記コイルのトロイダル方向が略平行となるように前記コイルを支持する
    コイルアセンブリ。
  7. 請求項6記載のコイルアセンブリであって、
    前記台座は前記基板に当接する板状部を備え、
    前記ピンを前記板状部から前記基板とは反対側に向かって延出した
    コイルアセンブリ。
  8. 請求項7記載のコイルアセンブリであって、
    前記板状部は、前記コイルの穴に対応する位置を含む領域において前記コイル側と前記基板側とを貫通する貫通穴を有し、
    前記コイルの前記穴と、前記板状部の前記貫通孔とは、前記コイルアセンブリにおいて上下方向に配されている、
    コイルアセンブリ。
  9. 請求項5ないし8のいずれか記載のコイルアセンブリであって、
    前記支持部材は熱伝導性樹脂により形成されている
    コイルアセンブリ。
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