JP4585251B2 - ビスフェノール類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビスフェノール類の製造方法に関する。
ビスフェノール類は、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂などの原料、エポキシ樹脂の硬化剤として、更には天然ゴム、合成ゴム及び潤滑油などの酸化防止剤、感熱記録体の顕色剤等のほか、殺菌剤、防菌防カビ剤等として広く使用されている。
また、例えば半導体封止材分野等の電気・電子部品分野等においては、結晶性の高い樹脂が求められており、これに伴い、結晶性に優れる4,4’体の純度が高いビスフェノール類が求められている。
従来、こうしたビスフェノール類は、フェノール類とアルデヒド類との縮合反応により製造されている。例えば、特許文献1には、リン酸存在下におけるフェノールとホルムアルデヒドとの反応によるメチレンビス(フェノール)類(ビスフェノールF)の製造方法が記載されている。
しかし、特許文献1の反応により得られる反応生成物は、4,4’−メチレンビス(フェノール)、2,4’−メチレンビス(フェノール)、2,2’−メチレンビス(フェノール)の3種の異性体の混合物である。それ故に、4,4’−メチレンビス(フェノール)を得るには、精製工程での目減りが大きくなり、収率が低下してしまうという問題がある。
また、特許文献2には、酸触媒に塩酸、硫酸を用いてアルキルフェノール類とアルデヒド類を反応させる方法が開示されている。
触媒として塩酸を用いた場合、高い触媒性能を有し、比較的反応選択率も高い為、フェノール類に対するアルデヒド類の反応モル比を0.3〜0.5程度まで高く設定することができる。故に未反応原料等廃液が少なく、比較的収率及び容積効率良く製造できる。しかし、原料として用いるフェノール類、アルデヒド類の種類によっては、その高い触媒性能が故に高次縮合化が進み反応選択率を低下させてしまう場合もあり、万能な触媒であるとは言い難い。また、更に深刻な問題として、高い腐蝕性を有する為、反応釜及び設備配管への腐蝕性の対策が必須となる。反応釜や設備配管へグラスライニングを施すか、ハステロイ等の耐蝕製金属を用いる事で解決出来るが、これらは非常に高価であり、普及率の意味でもステンレス製の反応釜には及ばない為、製造設備が限られている。また、高い揮発性を有する為、仕込みの際拡散した塩酸ガスにより周辺設備への腐蝕がある上、作業者の健康を損なう恐れもある。
一方、触媒として硫酸を用いた場合は、反応生成物に甚だしい変色をもたらす問題があり、更にはステンレスの反応釜を腐蝕させるには充分な腐蝕性を有する為、やはり製造設備は限られている。
特公平3−72049号公報 特開平2000−239204号公報
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであって、ビスフェノール類、特に4,4’体の純度が高いビスフェノール類を、高収率で製造でき、しかも、特別な製造設備を必要とせず、安全に製造できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を克服するために鋭意研究した結果、特定量のリン酸類を含む相分離状態下、即ち不均一系でのフェノール類と特定のアルデヒド類との縮合反応が、4,4’体の反応選択率が高いこと、しかもこの反応により4,4’体の純度が高いビスフェノール類を高収率で製造できること、更には、設備や環境、作業者に負荷を与えることがないこと、を見出し、この知見をもとにして更に研究を重ね本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のビスフェノールの製造方法は、フェノール類と、フェノール類1モルに対して0.1モル以上0.6モル未満のR−CHO(Rは、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基を表す)で表される脂肪族アルデヒドまたはその三量体とを、フェノール類100質量部に対し5質量部以上のリン酸類の存在下で不均一系反応させる工程を有するビスフェノール類の製造方法であって、
前記ビスフェノール類が、下記一般式(1)で示される4,4’体であることを特徴とする。
Figure 0004585251
(Rは、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基を表す。また、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。)
本発明によれば、4,4’体の純度が高いビスフェノール類を高収率で製造できる。また、4,4’体の反応選択率が高いため、用途によっては精製する必要がない。
また、従来の製造方法の課題であった発生するガスによる環境安全上の問題や設備の腐食の問題、作業者の健康上の問題などを解決し、しかも、未反応原料の発生が少なく安価に製造できる。
本発明のビスフェノール類の製造方法は、原料としてフェノール類及びR−CHO(Rは、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基を表す)で表される脂肪族アルデヒドまたはその三量体(以下、「脂肪族アルデヒド類」という。)、酸触媒としてリン酸類を必須とし、これらから形成される二層分離状態を、例えば機械的攪拌、超音波等によりかき混ぜ混合した二層が交じり合った白濁状の不均一反応系において、フェノール類と脂肪族アルデヒド類との反応を進めて縮合物を合成する工程を有する。
上記工程後、例えば、以下に示す様な精製工程を経るのが好ましい。
1)トルエンやキシレン等のビスフェノール類に対して貧溶媒として作用する有機溶媒を添加して晶析し、濾別してリン酸類及び未反応モノマーを除去し、例えばメチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等の非水溶性有機溶剤に溶解した後、純水で洗浄することにより、残留するリン酸類触媒を除去し、トルエンやキシレン等の貧溶媒に置換して晶析し、再度濾別する。
2)例えばメチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等の非水溶性有機溶剤を添加混合して縮合物を溶解した後、静置して有機相と水相の二層に分離させ、その後、水相を除去してリン酸類と反応補助溶媒の回収を図る一方、有機相については、湯水洗によりリン酸類を除去した後、トルエンやキシレン等の貧溶媒に置換して晶析し、濾別する。
3)上記2)と同様にして分離した有機相を、湯水洗によりリン酸類を除去した後、減圧蒸留により非水溶性有機溶剤と残留するフェノール類を除去する。
原料として用いられるフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール類、キシレノール類、アルキルフェノール類等が挙げられる。具体的には、クレゾール類としては、o−クレゾール、m−クレゾール、キシレノール類としては、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,5−キシレノール、アルキルフェノール類としては、2−エチルフェノール、2−i−プロピルフェノール、2−t−ブチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、チモール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等が挙げられる。
一方、脂肪族アルデヒド類としては、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド、パラプロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ビバルアルデヒド、n−カプロンアルデヒド、n−ヘプトアルデヒドなどが挙げられる。
これらの反応原料はいずれも例示に限定はされず、またそれぞれ、単独で又は2種以上を併用しても良い。
上記フェノール類と脂肪族アルデヒド類とは、フェノール類1モルに対して、脂肪族アルデヒド類を0.1モル以上0.6モル未満の範囲で配合して用いられ、好ましくは0.2モル以上0.6モル未満、より好ましくは、0.25モル以上0.5モル以下である。フェノール類1モルに対して、脂肪族アルデヒド類が0.1モル未満では、未反応フェノール類が増加し収率が低下すると共に未反応フェノール類の除去に手間がかかるため好ましくない。また、0.6モル以上では、不純物が生成しやすくなり、反応生成物の純度が低下するため好ましくない。
また、反応触媒として用いられるリン酸類の例としては、例えばメタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、三リン酸、四リン酸等のポリリン酸、無水リン酸及びこれらの混合物などが挙げられるが、低コストで入手しやすいオルトリン酸水溶液、例えば75質量%リン酸、89質量%リン酸等が挙げられる。これらのリン酸類は、フェノール類と脂肪族アルデヒド類との相分離反応(不均一系反応)の場を形成する重要な役割を果たすものであり、また一般的に普及率の高いステンレス製の反応設備を腐蝕させない。
かかるリン酸類の配合量は、フェノール類100質量部に対して5質量部以上を必要とし、また、その上限量は特に限定されるものではないが、反応容積効率、安全性などを勘案すると、好ましくは20〜100質量部であり、より好ましくは40〜80質量部である。5質量部未満では、相分離反応(不均一系反応)の場を形成しにくくなり、反応効率が低下するおそれがあるため好ましくない。なお、70質量部以上のリン酸類を使用する場合には、反応系への分割投入により、反応初期の発熱を抑えることが望ましい。
また、反応系中には、相分離効果を消失させない程度に、反応補助溶媒として有機溶媒を加えても良い。有機溶媒の例としては、アルコール類、多価アルコール系エーテル、環状エーテル類、多価アルコール系エステル、ケトン類、スルホキシド類、芳香族炭化水素類が挙げられる。これらの有機溶媒を一種又は二種以上を添加する事により、原料のフェノール類や脂肪族アルデヒド類を溶解する効果、反応系内のスラリー粘度を低減させる効果、反応選択率を向上する効果、生成したビスフェノール類を析出させる効果などが現れ、その添加量はフェノール類100重量部に対して0〜300重量部程度が適当である。
アルコール類としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等の一価アルコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの二価アルコール、グリセリン等の三価アルコールが挙げられる。
多価アルコール系エーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル類が挙げられる。
環状エーテル類としては、例えば、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等が挙げられ、多価アルコール系エステルとしては、例えば、エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル類等が挙げられ、ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、スルホキシド類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等が挙げられ、芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
また、フェノール類と脂肪族アルデヒド類との反応温度は、相分離効果を高める上で重要であり、一般的には20℃〜還流温度、好ましくは30℃〜70℃である。また、反応時間は、例えば反応温度、原料配合比、リン酸類配合量等により異なるが、一般的には1〜60時間程度である。また、反応環境としては常圧が好適であるが、本発明の特徴である不均一系反応を維持するならば、加圧下または減圧下で反応を行ってもよい。
本発明の製造方法によれば、下記一般式(1)で示される4,4’体を高純度、かつ高収率で得ることができる。
Figure 0004585251
(Rは、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基を表す。また、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。)
具体的には、例えば、4,4’−(エチリデン)ビス〔フェノール〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔3−メチルフェノール〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔2,5−ジメチルフェノール〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔2,6−ジメチルフェノール〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔2−エチルフェノール〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔2−iso−プロピルフェノール〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔2−tert−ブチルフェノール〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔2−シクロヘキシルフェノール〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔2−iso−プロピル−5−メチルフェノール〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔2−tert−ブチル−5−メチルフェノール〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔2,3,5−トリメチルフェノール〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔レゾルシン〕、4,4’−(エチリデン)ビス〔ピロガロール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔フェノール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔3−メチルフェノール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔2,5−ジメチルフェノール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔2,6−ジメチルフェノール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔2−エチルフェノール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔2−iso−プロピルフェノール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔2−tert−ブチルフェノール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔2−シクロヘキシルフェノール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔2−iso−プロピル−5−メチルフェノール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔2−tert−ブチル−5−メチルフェノール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔2,3,5−トリメチルフェノール〕、4,4’−(プロピリデン)ビス〔レゾルシン〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔フェノール〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔3−メチルフェノール〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔2,5−ジメチルフェノール〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔2,6−ジメチルフェノール〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔2−エチルフェノール〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔2−iso−プロピルフェノール〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔2−tert−ブチルフェノール〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔2−シクロヘキシルフェノール〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔2−iso−プロピル−5−メチルフェノール〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔2−tert−ブチル−5−メチルフェノール〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔2,3,5−トリメチルフェノール〕、4,4’−(ブチリデン)ビス〔レゾルシン〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔フェノール〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔3−メチルフェノール〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2,5−ジメチルフェノール〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2,6−ジメチルフェノール〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−エチルフェノール〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−iso−プロピルフェノール〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−tert−ブチルフェノール〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−シクロヘキシルフェノール〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−iso−プロピル−5−メチルフェノール〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール〕、4,4’−(2−メチルプロピリデンビス〔2,3,5−トリメチルフェノール〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔レゾルシン〕、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔ピロガロール〕、4,4’−(ペンチリデン)ビス〔フェノール〕、4,4’−(ペンチリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕、4,4’−(ペンチリデン)ビス〔3−メチルフェノール〕、4,4’−(ペンチリデン)ビス〔2,5−ジメチルフェノール〕、4,4’−(ペンチリデン)ビス〔2,6−ジメチルフェノール〕、4,4’−(ペンチリデン)ビス〔2−エチルフェノール〕、4,4’−(ペンチリデン)ビス〔2−iso−プロピルフェノール〕、4,4’−(ペンチリデン)ビス〔2−tert−ブチルフェノール〕、4,4’−(3−メチルブチリデン)ビス〔フェノール〕、4,4’−(3−メチルブチリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕、4,4’−(3−メチルブチリデン)ビス〔2,5−ジメチルフェノール〕、4,4’−(3−メチルブチリデン)ビス〔2,6−ジメチルフェノール〕、4,4’−(3−メチルブチリデン)ビス〔2−エチルフェノール〕、4,4’−(3−メチルブチリデン)ビス〔2−iso−プロピルフェノール〕、4,4’−(3−メチルブチリデン)ビス〔2−tert−ブチルフェノール〕、4,4’−(2,2’ージメチルプロピリデン)ビス〔フェノール〕、4,4’−(2,2’ージメチルプロピリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕、4,4’−(2,2’ージメチルプロピリデン)ビス〔2,6−ジメチルフェノール〕等を挙げることができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、実施例に記載の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量部及び質量%を示す。また、収率は、脂肪族アルデヒド類に対する生成量をモル比換算して表した値である。
得られたビスフェノール類の特性については下記の試験法により測定した。
(1)未反応モノマー量、純度、反応選択率
日本分光株式会社製GULLIVERシリーズ高速液体クロマトグラフに、GLサイエンス社製のカラムInertsilODS−3(直径4.6mm、長さ250mm)を装着し、溶離液はアセトニトリル/純水=50/50(体積比)を流速0.8ml/minで送液し、カラム温度40℃、UV検出器波長280nmの条件で測定した。
未反応モノマー量、純度については、得られた全ピーク面積に対する、未反応モノマー、4,4’体のピーク面積を百分率で表示する面積法により求めた。また、反応選択率については、未反応モノマー以外の全ピーク面積に対する、4,4’体のピーク面積を百分率で表示する面積法により求めた。
(2)腐蝕性
反応終了後に、SUS316製の撹拌棒の変色を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:変色がない。
△:変色が若干見られた。
×:著しい変色が見られた。
<実施例1[4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕の合成]>
温度計、攪拌装置(SUS316製の撹拌棒及びモーター)、コンデンサーを備えた反応容器(ガラス製のフラスコ)内に、o−クレゾールを108部、イソブチルアルデヒドを28.8部(モル比0.4)、89%リン酸を54部仕込み、40℃で48時間縮合反応させた。反応終了時の高速液体クロマトグラフィーにおける未反応モノマーは24.0%であり、4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕の反応選択率は88.2%であった。
冷却後、撹拌混合しながらメチルエチルケトン150部を添加して縮合物を溶解した後、内容物を分液フラスコ内に移して静置し、メチルエチルケトン溶液層(上層)とリン酸水溶液層(下層)に分離させた。次いで、リン酸水溶液層を除去し、メチルエチルケトン溶液層が中性になるまで水洗した。その後、再び内容物を反応容器内に戻した後、トルエン200部を投入し、減圧蒸留によりメチルエチルケトンを留去した後、晶析し、濾過、乾燥を行うことで、純度98.4%の4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕55部を得た(収率51%)。
<実施例2〜13[4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕の合成]>
反応条件を表1に示す様に変更した以外は実施例1と同様にして、表2に示すビスフェノール類を得た。
但し、実施例7においては、反応終了後に、トルエン75部を投入して晶析した後、濾過を行い、得られた粗結晶をメチルエチルケトン150部に溶解し、メチルエチルケトン溶液層が中性になるまで水洗し、その後、トルエン200部を投入し、減圧蒸留によりメチルエチルケトンを留去した後、晶析し、濾過、乾燥を行うことにより精製を行った。
評価結果を表1に示す。
<比較例1[4,4’−メチレンビス〔フェノール〕の合成]>
反応条件を表1に示す様に変更した以外は実施例1と同様にして反応を行った。
次いで、トルエン75部を投入して晶析した後、濾過を行い、得られた粗結晶をメチルエチルケトン150部に溶解し、メチルエチルケトン溶液層が中性になるまで水洗した。その後、トルエン200部を投入し、減圧蒸留によりメチルエチルケトンを留去した後、晶析し、濾過、乾燥を行った。
評価結果を表1に示す。
<比較例2[4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕の合成]>
反応条件を表1に示す様に変更した以外は実施例1と同様にして反応を行った。
冷却後、メチルエチルケトン150部、純水50部を添加して縮合物を溶解した後、内容物を分液フラスコ内に移して静置し、メチルエチルケトン溶液層(上層)と塩酸水溶液層(下層)に分離させた。次いで、塩酸水溶液層を除去し、メチルエチルケトン溶液層が中性になるまで水洗した。その後、トルエン300部を投入し、減圧蒸留によりメチルエチルケトンを留去した後、晶析し、濾過、乾燥を行った。
評価結果を表1に示す。
<比較例3[4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕の合成]>
反応条件を表1に示す様に変更した以外は実施例1と同様にして反応を行った。
冷却後、メチルエチルケトン150部を添加して溶解し、メチルエチルケトン溶液層が中性になるまで水洗した。その後、トルエン300部を投入し、減圧蒸留によりメチルエチルケトンを留去した後、晶析し、濾過、乾燥を行った。
評価結果を表1に示す。
<比較例4[4,4’−(2−メチルプロピリデン)ビス〔2−メチルフェノール〕の合成]>
反応条件を表1に示す様に変更した以外は実施例1と同様にして反応を行った。
冷却後、メチルエチルケトン250部を投入して溶解し、定性濾紙No.2(東洋濾紙株式会社製)で濾過して陽イオン交換樹脂を除去した。更に、濾液をガラス繊維濾紙GF75(東洋濾紙株式会社製)で濾過して陽イオン交換樹脂の微粉を除去した。次いで、メチルエチルケトン溶液層が中性になるまで水洗した。その後、トルエン300部を投入し、減圧蒸留によりメチルエチルケトンを留去した後、晶析し、濾過、乾燥を行った。
評価結果を表1に示す。
Figure 0004585251
Figure 0004585251

Claims (2)

  1. フェノール類と、フェノール類1モルに対して0.1モル以上0.6モル未満のR−CHO(Rは、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基を表す)で表される脂肪族アルデヒドまたはその三量体とを、フェノール類100質量部に対し5質量部以上のリン酸類の存在下で不均一系反応させる工程を有するビスフェノール類の製造方法であって、
    前記ビスフェノール類が、下記一般式(1)で示される4,4’体であることを特徴とするビスフェノール類の製造方法。
    Figure 0004585251
    (Rは、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基を表す。また、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。)
  2. 前記工程において、反応補助溶媒として、アルコール類、多価アルコール系エーテル、環状エーテル類、多価アルコール系エステル、ケトン類、スルホキシド類、芳香族炭化水素類からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機溶媒を存在させることを特徴とする請求項1に記載のビスフェノール類の製造方法。
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