JP2006016335A - テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェノール類と、ジアルデヒド類とから、腐食性の小さい酸触媒を使用しながら、テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンを高い純度および高い収率で効率よく製造し、また、構造異性体の生成を抑制してテトラキス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンを高い選択率で製造し、かつ、廃棄物を低減する方法を提供する
【解決手段】リン酸類の存在下、フェノール類と、ジアルデヒド類とを不均一系反応させる反応工程を有するテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンをフェノール類と、ジアルデヒド類とから製造する方法に関するものである。
近年、テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンは耐熱性エポキシ樹脂の原料として注目されており、また、エポキシ樹脂用硬化剤、フォトレジスト感光剤用バラスト剤、フェノール樹脂改質剤、および酸化防止剤などとしても有用なことが知られている。
このテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンはフェノール類と、ジアルデヒド類の縮合反応により得られるが、この場合、一般に多くの低分子化合物や高次縮合物などの不純物を含むために、例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂原料、エポキシ樹脂用硬化剤、フェノール樹脂改質剤などとして用いた場合、得られる硬化物の耐熱性や機械的強度が著しくそこなわれるのを免れないという欠点を有している。
テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの純度を低下させる不純物としては、未反応フェノール類、主としてジアルデヒド類の片側のホルミル基のみがフェノール類と反応した様な低分子化合物及び7核体を代表とする高次縮合物等が挙げられる。テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカン及び不純物の割合は、例えばGPCなどの測定により、そのピーク面積比から確認することができる。また、不純物は好適な精製法により除去可能であるが、不純物の量が多いとテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの収率が低下する。
また、テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンは、多分子系包接化合物におけるホスト化合物として利用できる。たとえば、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、特に1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンは、種々の有機ゲスト化合物と選択的に包接化合物を形成するので、選択分離、化学的安定化、不揮発化、粉末化などの技術分野における応用が期待されている。また、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンは結晶性が高く、融点も300℃を超えるため、耐熱性にも優れている。包接及び耐熱特性は、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの純度が高いほど好ましい。
テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンには、フェノールの反応点の違いによる構造異性体が存在し、製造方法によってはテトラキス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの選択率低下をもたらす。テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン及び構造異性体の割合は、より分解能が高い分析機器、例えば、HPLCなどの測定により、そのピークの面積比から確認することができるが、構造異性体は精製工程でも除去しがたく、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの純度低下の要因となる。
また、触媒として強酸である塩酸、硫酸等を用いた場合、高い触媒能を有しているため、低温での反応が可能となり、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの選択率が高く、構造異性体の生成を抑制した製造が可能となる。しかしながら、その高い触媒性能が故に高次縮合化が進み精製後の収量が低下してしまう。また、更に深刻な問題点として、強酸は、高い腐食性を有するため、反応釜及び設備配管への腐食性の対策が必須となる。反応釜や設備配管の腐食はグラスライニングを施すか、ハステロイ等の耐腐食性金属を用いること等で解決できるが、これらは非常に高価であり、製造設備が限られる。
これまでテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンを製造する方法としては、グリオキザールとグリオキザールに対して大過剰のフェノールとを塩酸存在下、100〜180℃の温度範囲内で縮合させる方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、この方法においては低分子化合物、高次縮合物及び構造異性体が生成しやすく、高い純度および収率は見込めない。
また、特許文献2では、反応系の水分を2質量%以下に保持して低分子化合物の生成を抑える方法が提案されている。しかしながら、この方法においては、低分子化合物の生成はある程度抑制しうるものの、必ずしも十分ではない上、高次縮合物については全く除かれていない。
また、特許文献3では、硫酸とリン酸の混合酸を触媒として低温で縮合させる方法を提案している。しかしながら、この方法においては、硫酸の高い腐食性のために、グラスライニングやテフロン(登録商標)コーティング、ハステロイなど、反応容器に特殊な装備が必要となる。また、強酸性の触媒であるため、反応が激しくなり、スケールアップする際には危険を伴う。反応が激しくなるのを抑えるために過剰な冷却設備が必要となり、さらには触媒添加時に長時間を要する。
さらなる問題として、特許文献3に挙げた反応例では反応が終了した後に、大量に仕込んだ酸触媒を全て中和、若しくは水洗によって除かなければならない。これは製造コスト上昇の原因であると共に、産業廃棄物が増加することを示唆し、普及への障害となっている。
特開昭57−65716号公報 特開昭63−223020号公報 特許第3461014号公報
本発明はこのような事情のもとで、フェノール類と、ジアルデヒド類とから、腐食性の小さい酸触媒を使用しながら、テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンを高い純度および高い収率で効率よく製造し、また、構造異性体の生成を抑制してテトラキス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンを高い選択率で製造し、かつ、廃棄物を低減する方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、前記課題を克服するために鋭意研究した結果、フェノール類と、ジアルデヒド類とを過剰のリン酸類触媒中、不均一下に縮合させることにより、その目的を達成しうることを見出し、この知見をもとにさらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの製造方法は、リン酸類の存在下、フェノール類と、ジアルデヒド類とを不均一系反応させる反応工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、低分子化合物および高次縮合物の生成を抑制し、高い収率及び高い純度で、下記一般式(1)で示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカン(n=0〜3)を製造することができる。また、本発明によれば、構造異性体の生成を抑制し、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの選択率が高く製造することができる。
Figure 2006016335
また、これまでに報告されてきた強酸性の触媒とは異なり、腐食性が少ないため、特殊な設備を設けることなく製造することができ、反応が穏やかな環境で進行するために製造時の安全性も向上する。
さらには、反応終了後の触媒を容易に回収および再利用することが可能になったことから、産業廃棄物を低減し、製造コスト削減に寄与することができる。
本発明で得られたテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンは、例えばフォトレジスト分野における感光剤用バラスト剤やフェノール樹脂改質剤として、包接体形成用として、あるいは耐熱性エポキシ樹脂製造用原料、エポキシ樹脂用硬化剤、酸化防止剤などとして幅広く用いることができる。
本発明の反応工程において用いられるフェノール類としては、例えば、フェノールの他、クレゾール、キシレノール等のフェノールのオルソ、メタ置換体等が挙げられる。
ジアルデヒド類としては、ジアルデヒドおよびその誘導体が挙げられ、例えばグリオキザール、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン、グリオキザールナトリウムビスルファイト水付加物、グルタルアルデヒドなどが挙げられる。グリオキザールとしては、一般的に市販されている40質量%水溶液を用いることもできる。
フェノール類と、ジアルデヒド類との使用割合については、ジアルデヒド類に対するフェノール類のモル比(フェノール類/ジアルデヒド類)を4〜50、好ましくは4.5〜30、より好ましくは5〜15とすることが好ましい。このモル比が4未満では、高次縮合物が多く生成してテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの純度が低下する可能性があり、50を超えると、未反応フェノール類の残存量が多くなり、その回収に多くの時間と多大のエネルギーを要する可能性がある。
リン酸類としては、リン酸およびその誘導体が挙げられる。リン酸類は、フェノール類との間で不均一系反応(相分離反応)の場を形成する重要な役割を果たすものであるため、好ましくは水溶液タイプ、例えば89質量%リン酸、75質量%リン酸などが用いられるが、必要に応じて例えばポリリン酸、無水リン酸などを用いてもよい。
また、リン酸誘導体としては、有機ホスホン酸が挙げられる。具体的には、アミノポリホスホン酸類であるエチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンビスメチレンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、β−アミノエチルホスホン酸N,N−ジ酢酸、アミノメチルホスホン酸N,N−ジ酢酸や、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等がある。これらのうちでも、工業的に大量生産され安価であるアミノトリメチレンホスホン酸や、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸が好ましい。
尚、反応促進を図るために、ステンレス等の反応容器材質への腐食に影響が無く、かつ不均一系反応を維持する範囲で、例えば塩酸、硫酸、硝酸等のリン酸類以外の酸触媒を添加してもよい。
リン酸類の使用量は、フェノール類に対して30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは100質量%以上が好ましい。30質量%未満では反応が著しく遅く反応の完結に長時間を要する可能性がある。リン酸類の使用量は多いほど良いが、バッチ式反応では容積効率が低下してしまう可能性がある。一方、連続的に反応させることができる設備であれば、大過剰のリン酸類存在下で反応させても良いため、上限は設けない。
反応工程中にさらに界面活性剤を用いることによって、不均一系反応を促進し、反応時間を短縮することが可能となり、収率向上にも寄与できる。
界面活性剤としては、石鹸、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、フェニルエーテルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、エーテルスルホン酸塩、エーテルカルボン酸塩等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル、ポリエチレングリコール脂肪族エステル、脂肪族モノグリセライド、ソルビタン脂肪族エステル、ペンタエリストール脂肪族エステル、ポリオキシエチレンポリプロピレングリコール、脂肪族アルキロールアマイド等のノニオン系界面活性剤、モノアルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、アミン酸塩類等のカチオン系界面活性剤等が挙げられる。特にノニオン系界面活性剤は、非イオン性であることから、特に好ましい。
界面活性剤の配合量は、特に限定はされないが、フェノール類100質量部に対して0.5質量部以上、好ましくは1〜10質量部である。
また、反応工程中に反応補助溶媒として非反応性含酸素有機溶媒を存在させることが好ましい。非反応性含酸素有機溶媒は、不均一系反応の促進に極めて重要な役割を果たす。非反応性含酸素有機溶媒としては、アルコール類、多価アルコール系エーテル、環状エーテル類、多価アルコール系エステル、ケトン類、スルホキシド類、カルボン酸類からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の一価アルコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリン等の三価アルコールが挙げられる。
多価アルコール系エーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル類が挙げられる。
環状エーテル類としては、例えば、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等が挙げられ、多価アルコール系エステルとしては、例えば、エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル類等が挙げられ、ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、スルホキシド類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等が挙げられ、カルボン酸類としては、例えば、酢酸、無水酢酸等が挙げられる。
これらの中でも、メタノール、1,4−ジオキサン、酢酸、無水酢酸などが特に好ましい。
反応補助溶媒は、上記の例示に限定されず、上記の特質を有しかつ反応時に液体を呈するものであれば固体でも使用することができるし、またそれぞれを単独で又は2種以上を併用してもよい。反応補助溶媒の配合量としては、フェノール類100質量部に対して200質量部以下であり、好ましくは1〜50質量部である。配合量が200質量部を超えると反応速度及び容積効率の点から生産性が低下する可能性がある。
反応工程における縮合反応の温度は、通常0〜100℃、より好ましくは30〜80℃の範囲で行われる。反応温度が低すぎると、反応時間が長くなる可能性がある。さらには低分子化合物の生成量が多くなり、収率が低下する可能性がある。一方、反応温度が高すぎると、高次縮合物および構造異性体が生成の生成が助長されテトラキス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの純度が低下してしまう可能性がある。反応時間は、フェノール類の種類、ジアルデヒド類の種類、フェノール類とジアルデヒド類との割合、酸触媒の量、反応温度等に左右され、一概に定めることはできないが、一般的には2〜50時間の範囲内である。
縮合反応終了後、静置させることにより有機層とリン酸類および縮合水を含む水層の2層に分離する。テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンを含む有機層については、好適な精製法、例えば特許第2897850号公報に記載のアセトンを包接させて結晶を得る方法等で精製することによりHPLCで測定したテトラキス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン純度85%以上のテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンを得ることができる。
一方、リン酸類を含む水層からは、仕込み時のリン酸類量に対して60質量%以上のリン酸類を回収することができ、回収されたリン酸類は、例えば減圧脱水や常圧脱水等により、製造時に使用した濃度と同等に濃度調整することで、再度製造に使用することが可能である。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定される物ではない。
なお、実施例における評価方法は以下の通りである。
(1)GPC純度
東ソー(株)製SC−8020型ゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:TSK−Gel G2000HXL+G1000HXL、カラム槽温度:40℃、キャリア:テトラヒドロフラン1cc/分、検出器:RI)を用いて、テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンのピークの面積比により求めた。
(2)HPLC純度
日本分光(株)製HSS−1500型高速液体クロマトグラフィー(カラム:(株)資生堂製SUPERIOREX ODS 5μ 4.6φ×250mm、カラム槽温度:40℃、キャリア:アセトニトリル/水=60/40(体積比)1cc/分、検出波長UV246nm)を用いて、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンのピークの面積比により求めた。
(3)収率
収率は以下の式により計算した。
収率(%)=テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの収量(g)×100/〔ジアルデヒド類のモル数×テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの分子量〕
(4)腐食性
反応終了後のSUS304製攪拌棒を観察し、以下の基準で評価した。
○:腐食と見られる変色などが見られない。
×:腐食と見られる緑色への変色が見られた。
(5)回収性
反応終了後に撹拌を停止し、以下の基準で評価した。
○:有機相と水相に分離し、水相のリン酸類の濃度調整を行った後、再度製造に使用した ところ、特に問題なくテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンが製造できた。
×:分離が見られない、または分離して同様の操作を行っても再現性がなかった。
<実施例1,2>
温度計、攪拌モーター、コンデンサー及びSUS304製攪拌棒を備えた反応容器内に、フェノール(Ph)を94.1g、89質量%リン酸を141.2g(150質量%/Ph)仕込んだ後、攪拌混合により形成される白濁状態(2相混合物)のもとで、徐々に50℃まで昇温した。次いで40質量%グリオキザール(Gx)12.0g(Ph/Gx=12)を滴下ロートを用いて滴下した。そのまま同温度で12時間縮合反応を行なった。次いで、攪拌を停止して静置したところ、1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタンを含有する有機層とリン酸水溶液層に分離した。
有機層のみ取り出して、48質量%水酸化ナトリウム水溶液を若干量加えpH=4〜6に中和した。次いで純水及びアセトンを投入し室温で晶析した。析出した結晶をろ取、加熱乾燥して、1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン15.0gを得た(実施例1)。結果を表1に示す。
一方、リン酸水溶液層152.0g(JIS K1449に基づく試験法による濃度測定結果:79.3質量%)については、濃縮調整することにより89質量%リン酸135.4gを回収した(回収率95.9%)。
この回収リン酸に不足分の89質量%リン酸5.8gを追加して、同一条件で再度反応を行い、1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン15.0gを得た(実施例2)。結果を表1に示す。
<実施例3〜9>
反応条件を表1に示す様に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
尚、有機ホスホン酸としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸60%水溶液(フェリオックス115、(株)ライオン製)を、界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンエーテル(製品名「ナロアクティーHN−95」、三洋化成工業(株)製)を、反応補助溶媒としてはメタノールを用いた。
<比較例1>
温度計、攪拌モーター、滴下ロート及びSUS304製攪拌棒を備えた反応容器内に、フェノール(Ph)を94.1g、40質量%グリオキザール(Gx)を18.0g(Ph/Gx=8)仕込み、攪拌しながら濃硫酸/89質量%リン酸(=15.7g/7.8g)混合液23.5gを滴下温度0〜2℃で発熱に注意しながらゆっくり滴下した。次いで40℃に昇温し8時間攪拌し、反応を終了させた。
反応終了後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液42.3gを加えpH=4〜6に中和した後、60℃に昇温した。析出した中和塩を濾過により除去した。減圧蒸留によりフェノールを除去した後、アセトン61.1gを加えて晶析し、加熱乾燥して、1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン20.8gを得た。結果を表1に示す。
<比較例2>
温度計、攪拌モーター、滴下ロート及びSUS304製攪拌棒を備えた反応容器内に、フェノール(Ph)を94.1g、40質量%グリオキザール(Gx)21.8g(Ph/Gx=6.7)、及びアセトン11.8gを仕込み、攪拌しながら濃硫酸17.6gを発熱に注意しながらゆっくり滴下した。次いで40℃に昇温し12時間攪拌し反応を終了させた。
反応終了後、15℃に冷却した。次いで、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH=4〜6に中和した後、アセトン59.4gを加えて混合物スラリーを得た。これを濾別し、得られた粗結晶を反応容器に戻してアセトン/水(=62.7g/31.4g)混合液94.1gで洗浄した。再度濾過を行い、加熱乾燥して1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン17.7gを得た。結果を表1に示す。
<比較例3>
温度計、攪拌モーター、滴下ロート及びSUS304製攪拌棒を備えた反応容器内に、フェノール(Ph)を94.1g、40質量%グリオキザール(Gx)12.0g(Ph/Gx=12)を仕込み、攪拌しながらパラトルエンスルホン酸9.4gを加えた。次いで50℃に昇温し24時間攪拌し反応を終了させた。
反応終了後、30℃に冷却して水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH=4〜6に中和した。次いで純水及びアセトンを投入し室温で晶析した。析出した結晶をろ取、加熱乾燥して、1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン4.9gを得た。結果を表1に示す。
<比較例4>
温度計、攪拌モーター、滴下ロート及びSUS304製攪拌棒を備えた反応容器内に、フェノール(Ph)を94.1g、40質量%グリオキザール(Gx)12.0g(Ph/Gx=12)を仕込み、攪拌しながら蓚酸9.4gを加えた。次いで50℃に昇温し24時間攪拌した。
ゲル濾過クロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィーにより、反応進行を確認したところ、1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタンの生成は認められなかった。結果を表1に示す。
Figure 2006016335

Claims (5)

  1. リン酸類の存在下、フェノール類と、ジアルデヒド類とを不均一系反応させる反応工程を有することを特徴とするテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの製造方法。
  2. 前記反応工程後に、前記リン酸類を回収する触媒回収工程を有することを特徴とする請求項1に記載のテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの製造方法。
  3. 前記反応工程において、界面活性剤を存在させることを特徴とする請求項1または2に記載のテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの製造方法。
  4. 前記反応工程において、反応補助溶媒として非反応性含酸素有機溶媒を存在させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの製造方法。
  5. 前記テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンが、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のテトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカンの製造方法。
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