JP4585145B2 - エアバッグドアの跳返り防止構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エアバッグドアの跳返り防止構造に関し、更に詳細には、車両内装部材に設けたエアバッグドアが、エアバッグの押圧力により開放してドア周辺部位に衝突した際に、この衝突による反動で跳返ることを防止して2次災害の誘発を回避するようにしたエアバッグドアの跳返り防止構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年に至り、殆どの乗用車では、衝突事故等による衝撃から乗員を保護するために、運転席エアバッグ装置および助手席エアバッグ装置が標準的に装備されている。前記運転席用のエアバッグ装置は、一般的にステアリング中央のホーンパッド部に装備されているが、前記助手席用のエアバッグ装置は、例えば図14および図15に示す如く、乗員室19内前方に組付けた車両内装部材としてのインストルメントパネル10における助手席前方の内部に格納した状態で装備されている。このため、前記インストルメントパネル10のパネル基材11では、前記助手席用のエアバッグ装置20に対応した部位に乗員室19側へ開放変位するエアバッグドア12が別体装着または一体形成され、このドア12がパネル基材11から分離して開放することで乗員室19へ開口したエアバッグ挿通口17を画成するようになっている。すなわち、衝突による衝撃を感知して前記エアバッグ装置20が作動すると、膨張したエアバッグ22は前記エアバッグドア12を内方から押圧し、該ドア12の開放により画成されたエアバッグ挿通口17を介して乗員室19内へ展開するようになる。
【0003】
近年に至り前記エアバッグドア12は、前記パネル基材11に一体的に形成されて常には該基材11の一部としてその意匠面を構成するものが主流となっており、エアバッグ装置20が作動して膨張するエアバッグ22の押圧力を受けた際には、パネル基材11に予め設けた中央開裂予定部15および外縁開裂予定部16に沿って破断が生ずることで、該基材11から分離して開放が許容されるようになっている。なおエアバッグドア12の形態としては、例えば1枚のドアパネル部からなる片開き式や、2枚のドアパネル部13,14からなる両開き式(図示)等がある。
【0004】
また、エアバッグドア12を一体的に形成する前記パネル基材11は、一般的にはポリプロピレン等を材質とする合成樹脂製の成形材であるから、殊に低温時にエアバッグの瞬間的な押圧力を受けた場合、その強大な衝撃でエアバッグドア12およびドア周辺部位18が大きく破損する畏れがある。このため、前記エアバッグドア12に対応したパネル基材11の裏側には、エアバッグドア12およびドア周辺部位18の破損防止および飛散防止等を図るために、例えば金属製のドア補強部材25をカシメ付けして強度アップを図る対策が施されている。このドア補強部材25は、前記エアバッグドア12が両開き式のドアパネル部13,14を有することを前提とすると、図14に示す如く、前記エアバッグ装置20のインフレータ21に係止連結されると共に前記ドア周辺部位18の裏側を支持する角筒体状の固定ブラケット26と、この固定ブラケット26の開口部内側に設けられて夫々のドアパネル部13,14の裏側を支持する可動ブラケット27,27とから構成されている。
【0005】
前記ドア補強部材25を介してエアバッグ装置20に係止支持されたパネル基材11では、前記エアバッグドア12の各ドアパネル部13,14が前記可動ブラケット27,27で補強・支持されると共に、ドア周辺部位18が固定ブラケット26で補強される。これにより、エアバッグ装置20の作動に基づいて膨張過程のエアバッグ22の押圧力が前記エアバッグドア12の裏面に作用した際には、ドア周辺部位18の浮上がりその他これに起因する破損等を好適に防止すると共に、パネル基材11から分離して開放変位した両ドアパネル部13,14が前記ドア周辺部位18に衝突した際には、エアバッグドア12および該ドア周辺部位18の破損を好適に防止し得るようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで前述したエアバッグドアの開放形態では、エアバッグ22の押圧力を受けてパネル基材11から分離した各ドアパネル部13,14は、図16に2点鎖線で図示するように、瞬時に膨張するエアバッグ22の強大な押圧力により前記ドア周辺部位18へ強烈に衝突する。しかしながら、両ドアパネル部13,14に衝突する前記ドア周辺部位18は、エアバッグ装置20に係止支持した前記固定ブラケット26により下方(パネル基材11の内方)への変形が不可能な構造となっているため、この部位18に各ドアパネル部13,14が衝突した際の衝突エネルギを殆ど吸収し得ない。従って、ドア周辺部位18に衝突した各ドアパネル部13,14は、該ドア周辺部位18に衝突した反動で大きく跳返ってしまい、場合によっては膨張するエアバッグ22に干渉して該エアバッグ22の乗員保護機能を損なう畏れがあった。また、乗員席側に位置する前記ドアパネル部13は、図16から明らかなように、ドア周辺部位18へ衝突して跳返った際にその開放端縁13aが乗員席側を指向した姿勢状態となるから、前方へ投げ出された乗員が該ドアパネル部13に衝突することによる2次災害を誘発し、寧ろ負傷程度を増大させてしまう問題を内在していた。殊に、前記開放端縁13aには破断に際して形成された鋭利な部分もあり、非常に危険な状態となっている。なお、寒冷状態(パネル基材11の表面温度が0℃以下となるような状態)では、パネル基材11を形成する合成樹脂の特性により該パネル基材11が硬くなるから、ドア周辺部位18に衝突したドアパネル部13,14の跳返り度合がより一層増加してしまう。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、エアバッグの押圧力が作用することでパネル基材から開放したエアバッグドアがドア周辺部位に衝突した際に、該ドア周辺部位が適度に変形することで衝突エネルギを吸収する構造とすることで、エアバッグドアの跳返りを好適に防止し得るよう構成したエアバッグドアの跳返り防止構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決して、所期の目的を達成するため本発明は、車両内装部材に設けたドアパネル部のドア周辺部位を、該車両内装部材の内方に配設したエアバッグ装置に連結したドア補強部材で裏側から支持したエアバッグドアにおいて、
前記ドア周辺部位の所要位置に設けられ、前記ドアパネル部が該ドア周辺部位に衝突した際にその衝撃で破断する破断予定部と、
前記ドア補強部材における筒体部の壁面に設けられ、前記ドアパネル部がドア周辺部位に衝突して衝撃力が加わった際に該筒体部の押縮的な変形を許容する変形許容部とからなり、
前記ドアパネル部が前記ドア周辺部位に衝突した際に、前記破断予定部の破断および前記筒体部の押縮により前記ドア周辺部位が前記車両内装部材の内方へ変形し、これにより衝突時の衝撃吸収がなされて前記ドアパネル部の跳返りを防止するよう構成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るエアバッグドアの跳返り防止構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお実施例では、車両内装部材として図14に示したインストルメントパネル10を例示し、また図14〜図16をもとに説明した従来技術の項における既出の部材や部位と同一部材・部位に関しては、同一の符号で指示することとする。
【0010】
図1は、図9のA部拡大図であって、本発明の好適実施例に係るエアバッグドアの跳返り防止構造を、開放したエアバッグドアの各ドアパネル部がドア周辺部位に衝突した状態で示す部分断面図である。実施例に係るエアバッグドアの跳返り防止構造は、前記ドア周辺部位18の所要位置に設けられ、前記エアバッグドア12の各ドアパネル部13,14が衝突した際にその衝撃で破断する破断予定部40と、前記ドア補強部材25における筒体部28の壁面に設けられ、前記エアバッグドア12がドア周辺部位18に衝突して衝撃力が加わった際に該筒体部28の押縮的な変形を許容する変形許容部41とから構成されている。
【0011】
前記破断予定部40は、図2に示すように、パネル基材11に形成された前記中央開裂予定部15と外縁開裂予定部16において、各ドアパネル部13,14の側縁に位置する該外縁開裂予定部16の短辺部を両端に直線状に延長するように形成されている。すなわち夫々の破断予定部40は、前記ドア周辺部位18において、各ドアパネル部13,14が直接的に衝突する当接領域42,42の左右両側縁に沿って形成されており、これによりドアパネル部13,14がこの当接領域42,42に衝突した際に破断して該当接領域42,42と非当接領域43,43とを分離させ、かつ両当接領域42,42の変形を許容するようになる。
【0012】
なお前記破断予定部40の端部には、図3に示すように、パネル基材11の裏面に突出した肉厚の破断止め44を設けてあり、ドアパネル部13,14がドア周辺部位18の当接領域42,42に衝突した際に起こる該破断予定部40の破断が、必要以上に延長しないようになっている。なお破断止め44は、図示のような肉厚のボス形態のものに限らず、例えばリブ形態等としてもよい。
【0013】
前記ドア補強部材25は、図4に示すように、図14に示した従来のドア補強部材25を基本としており、パネル基材11に設けたエアバッグドア12のドア周辺部位18の裏面と該パネル基材11の内方に設置した前記エアバッグ装置20との間に連結支持される筒状の固定ブラケット26と、前記エアバッグドア12の各ドアパネル部13,14の裏面と前記固定ブラケット26との間に連結支持される可動ブラケット27,27とから構成されている。
【0014】
前記固定ブラケット26は、前記エアバッグドア12の外縁を囲繞するように固定される角筒体状を呈し、前記エアバッグ装置20のインフレータ21に係止保持される角筒状の筒体部28と、この筒体部28に一体成形されてパネル基材11における前記ドア周辺部位18の裏面へ密着的にカシメ付けされる額縁状の係着板部29とから構成されている。そして、前記筒体部28における対向した壁部(前壁面28aおよび後壁面28b)には、前記エアバッグ装置20のインフレータ21に固定された係止部材23が係止可能な係止孔30が、合計4個ずつ設けられている。また前記係着板部29には、ドア周辺部位18の裏側に突出形成したリブ45の挿通を許容するスリット状の係着孔31が複数個開設されている。
【0015】
そして、前記固定ブラケット26における前記筒体部28の壁面に、前述した変形許容部41を構成する所要長のスリット46が、該筒体部28の周方向へ所要間隔毎の直列状に形成されている。ここで変形許容部41は、前記ドア周辺部位18における当接領域42,42に対応して隣接する筒体部28の前壁面28aおよび後壁面28bに形成され、各スリット46は、例えば全長が20〜40mm、幅が3〜10mm程度とされている。これにより、前記エアバッグドア12の各ドアパネル部13,14がドア周辺部位18の当接領域42,42に衝突して、前記係着板部29における前片29aおよび後片29bに上方からの押圧力が加わった際には、前記変形許容部41により筒体部28の前壁面28aおよび後壁面28bの剛性が低下していることにより両壁面28a,28bが筒体部28の軸方向へ押縮され、前記前片29aおよび後片29bが下方へ変位するようになっている。なお前記固定ブラケット26は、前記変形許容部41を構成するスリット46が断続的に形成されているので、エアバッグ22の押圧力を受けた際の軸方向への伸張は好適に規制される。
【0016】
そして係着板部29は、図4に示すように四隅の各隅角部が切除されており、前記ドア周辺部位18における当接領域42,42に対応する前記前片29aと後片29bは、該部位18における非当接領域43,43に対応する左側片29cおよび右側片29dと夫々分離している。従って、前記ドアパネル部13,14がドア周辺部位18の当接領域42,42に衝突して前片29aおよび後片29bに押圧力が加わった際には、前記前片29aおよび後片29bだけに押圧力が加わるようになり、前記筒体部28における前壁面28aおよび後壁面28bが効率的に押圧されて押縮し、これら前片29aおよび後片29bが適切に下方へ変位するようになる。
【0017】
すなわち実施例に係るエアバッグドアの跳返り防止構造では、エアバッグ22の押圧力を受けて開放した各ドアパネル部13,14がドア周辺部位18の当接領域42,42に衝突した際に、前記夫々の破断予定部40が破断すると共に前記固定ブラケット26の筒体部28における前壁面28aおよび後壁面28bが軸方向へ押縮することにより、該ドア周辺部位18の各当接領域42,42が下方へ傾斜状に変形する。従って、前記ドア周辺部位18が変形する際に各ドアパネル部13,14の衝突による衝撃が吸収され、両ドアパネル部13,14の跳返りを好適に防止するようになる。
【0018】
前記各可動ブラケット27,27は、前記固定ブラケット26の開口部内側に対向的に設けられて、前記エアバッグドア12を構成する各ドアパネル部13,14に対応するもので、固定ブラケット26の筒体部28の内側に固定される固定支持パネル32と、対応のドアパネル部13,14の裏面にカシメ付けされる可動補強パネル33と、直線状への伸張変形が可能な半円弧状を呈して前記固定支持パネル32および可動補強パネル33を連結する複数の可変連結部34とから構成されている。前記固定支持パネル32は、固定ブラケット26の筒体部28内面に溶接またはビス着され、前記エアバッグ装置20のインフレータ21に固定された係止部材23が係止可能な係止孔35が、合計4個設けられている。また前記可動補強パネル33には、対応のドアパネル部13,14の裏面に突出形成したリブ47の挿通を許容するスリット状の係着孔36が複数個開設されている。
【0019】
【実施例の作用】
次に、前述のように構成された実施例に係るエアバッグドアの跳返り防止構造の作用につき説明する。
【0020】
ドア補強部材25は、固定ブラケット26における筒体部28の開口内側に、各可動ブラケット27,27の固定支持パネル32を固定することで組立てられ、固定ブラケット26の係着板部29をパネル基材11におけるドア周辺部位18の裏面にカシメ付けする一方、各可動ブラケット27,27の可動補強パネル33を対応のドアパネル部13,14の裏側にカシメ付けする。そして、乗員室19前方のリィンフォースバー等に予めエアバッグ装置20を配設したもとで、パネル基材11にドア補強部材25を固定したインストルメントパネル10を乗員室19前方に組付けることで、該エアバッグ装置20のインフレータ21に固定した各係止部材23が固定ブラケット26および可動ブラケット27,27の各係止孔30,35に係止される。
【0021】
このように、パネル基材11に設けたエアバッグドア12の各ドアパネル部13,14および該ドア12のドア周辺部位18が、ドア補強部材25を介してエアバッグ装置20に係止支持されたもとで該エアバッグ装置20が作動すると、エアバッグ22は上面中央が突出した球面形状で膨張を開始するため、該エアバッグ22の上面は、夫々の可動補強パネル33,33の対向縁部の中間部位に先ず当接するようになる。ここで、中央開裂予定部15の中間部位は上方への変位が許容されているが、外縁開裂予定部16の形成部位は上方への変位が規制されているため、エアバッグ22の押圧力に基づく応力は外縁開裂予定部16に集中して作用するようになり、遂にはこの外縁開裂予定部16で破断が起こるようになる。そして、前記各可動ブラケット27,27の可変連結部34が直線状に伸張するまで、各ドアパネル部13,14は一体的に上昇する(図5)。但しこの時点では、ドア周辺部位18は固定ブラケット26で支持されているから、前記夫々の破断予定部40では破断は全く起こっていない。
【0022】
外縁開裂予定部16が完全に破断し、両可動ブラケット27,27の各可変連結部34が直線状に伸張すると、エアバッグ22の押圧力に基づく応力は前記中央開裂予定部15に作用するようになり、該中央開裂予定部15の中央部位で破断が惹起される。そして、中央開裂予定部15における中央付近で部分的な破断が形成されると、エアバッグ22の膨張による押圧力の増大に伴い、中央開裂予定部15の全体的な破断が一気に進行する。
【0023】
このように、先ず外縁開裂予定部16での破断が完了し、適宜後に中央開裂予定部15での破断が完了すると、パネル基材11に対するエアバッグドア12の各ドアパネル部13,14の開放変位が許容される。これにより両ドアパネル部13,14は、膨張するエアバッグ22に押圧されながら乗員室19の側へ一気に開放するようになる(図6および図8)。
【0024】
そして、エアバッグ22の強烈な押圧力を受けた両ドアパネル部13,14は、前記各可変連結部34を回動中心として一気に開放変位し、ドア周辺部位18における各当接領域42,42に衝突する(図7および図9)。この時、各当接領域42,42に対して各ドアパネル部13,14が衝突することで発生した衝撃力により、前記破断予定部40が破断する一方、前記固定ブラケット26の筒体部28における前壁面28aおよび後壁面28bが軸方向へ押縮するので、該ドア周辺部位18の各当接領域42,42が下方へ傾斜状に変形する。従って、前記破断予定部40での破断、固定ブラケット26の筒体部28の変形、およびこれに伴う当接領域42,42の下方への変形に基づき、ドアパネル部13,14の衝突による衝撃が好適に吸収され、ドア周辺部位18に衝突した両ドアパネル部13,14が跳返ることが好適に防止される。
【0025】
これにより、エアバッグ22の押圧力を受けて開放した各ドアパネル部13,14は、図1および図9に示した状態から殆ど跳返ることなく停止するので、例えば膨張しているエアバッグ22に干渉して該エアバッグ22の乗員保護機能を損なう畏れはない。また、乗員席側に位置する前記ドアパネル部13は、その開放端縁13aがパネル基材11から殆ど浮上していないから、前方へ投げ出された乗員が該ドアパネル部13に衝突することによる2次災害の発生も好適に回避し得る。
【0026】
なお前記実施例では、ドア周辺部位18に設けた破断予定部40を、外縁開裂予定部16における短辺部と同一軸線上に形成した場合を例示したが、この破断予定部40は、例えば図10に示すように、外縁開裂予定部16の夫々の隅角部から放射状に形成するようにしてもよい。
【0027】
また前記実施例では、前記ドア補強部材25の固定ブラケット26における係着板部29に関し、四隅の各隅角部を完全に切除することで、前片29aおよび後片29bと、左側片29cおよび右側片29dとを分離させた場合を例示したが、この係着板部29は例えば図11(a)または図11(b)に例示したような形態としてもよい。すなわち図11(a)では、前片29a(後片29b)と左側片29c(右側片29d)との間にスリット50を設けた形態であり、このようにしても変形許容部41での変形に基づき、左側片29cおよび右側片29dが変形することなく前片29aおよび後片29bだけを変位させ得る。また図11(b)では、係着板部29の隅角部に開口部51を形成して、前片29a(後片29b)と左側片29c(右側片29d)とを細い連設部52で部分的に連結した形態であり、このようにしても変形許容部41での変形に基づき、左側片29cおよび右側片29dが変形することなく前片29aおよび後片29bだけを変位させ得る。
【0028】
一方、前記ドア補強部材25に関しては、前記実施例に示した形態のものに限定されるものではない。例えば図12は、ドア補強部材25における固定ブラケット26の別形態例を示す概略斜視図であって、前記係着板部29における前片29aおよび後片29bを前記筒体部28とは別体部材として形成したもとで、これら前片29aおよび後片29bが前記筒体部28に対して下方へスライド移動するのを許容する移動許容部55を、該筒体部28の壁面(前壁面28aおよび後壁面28b)に設けたものである。すなわち移動許容部55は、前記前片29aおよび後片29bに連設されて前記筒体部28の外面に摺接する支持片56に形成され、該筒体部28の軸方向に沿って延在する長穴状のスリット57と、筒体部28の前壁面28aまたは後壁面28bに固定され、前記スリット57を貫通して前記支持片56の壁面に係止される棒軸状の支持部材58とから構成されている。すなわち、前片29aおよび後片29bが前記左側片29cおよび右側片29dと同一高さに位置している状態(図12の状態)では、各支持部材58の軸部が対応のスリット57における下端側に位置しており(図13(a))、前片29aおよび後片29bは上方へのスライド移動が規制されるものの、下方へのスライド移動は許容されるようになっている。なお前記支持部材58は、例えばリベットやボルト等が採用される。
【0029】
従って、前記ドアパネル部13,14がドア周辺部位18の当接領域42,42に衝突し、前記前片29aおよび後片29bに上方から押圧力が加わった際には、前記移動許容部55における各支持部材58が対応のスリット57内を相対的に移動することにより、これら前片29aおよび後片29bは筒体部28の外面に沿って下方へスライド移動し、該筒体部28の長さが短縮するようになる(図13(b))。これにより、前記破断予定部40での破断に伴い、前記ドア周辺部位18における各当接領域42,42が傾斜状に変形することを許容するようになり、ドア周辺部位18に衝突した両ドアパネル部13,14の跳返りが好適に防止される。
【0030】
なお前記実施例では、エアバッグドアを有する車両内装部材としてはインストルメントパネル10を例示したが、本願のエアバッグドアの跳返り防止構造が対象とするエアバッグドアはこのインストルメントパネル10に設けたものに限定されるものではなく、例えばドアトリムに設けたサイドエアバッグ用のエアバッグドアや、ピラーガーニッシュに設けたカーテンエアバッグ用のエアバッグドア等も対象とされる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るエアバッグドアの跳返り防止構造によれば、エアバッグの押圧力を受けて開放したドアパネル部がドア周辺部位に衝突した際に、該ドア周辺部位に設けた破断予定部が破断すると共にドア補強部材の筒体部が変形許容部により押縮することにより該ドア周辺部位の変形が許容され、このドア周辺部位が変形する際にドアパネル部の衝突による衝撃を吸収するから、該ドアパネル部の跳返りを好適に防止し得る。これにより、エアバッグの押圧力を受けて開放したドアパネル部は、ドア周辺部位から殆ど跳返ることなく停止するので、例えば膨張しているエアバッグに干渉して該エアバッグの乗員保護機能を損なうことを回避し得る利点がある。またドアパネル部は、その開放端縁がパネル基材から浮上して乗員席を指向した姿勢にならないから、前方へ投げ出された乗員が該ドアパネル部に衝突することによる2次災害の発生も好適に回避し得る有益な効果を奏する。
なお前記破断予定部は、ドア周辺部位におけるドアパネル部が衝突する当接部位の側縁に沿って形成されているから、ドアパネル部の衝突による衝撃力を受けた該当接部位が適切に変形する。更にドア補強部材に設けた前記変形許容部は、筒体部の周方向へ所要長に延在するスリットであるから、ドアパネル部の衝突による衝撃力を受けた該筒体部が適切に押縮変形する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図9のA部拡大図であって、本発明の好適実施例に係るエアバッグドアの跳返り防止構造を、開放したエアバッグドアがドア周辺部位に衝突した状態で示した部分断面図である。
【図2】エアバッグドアの各ドアパネル部の外縁に沿って形成した中央開裂予定部および外縁開裂予定部と、ドア周辺部位に形成した破断予定部とを示すパネル基材の部分斜視図である。
【図3】外縁開裂予定部、破断予定部および破断止めを形成したパネル基材の裏側を示す部分斜視図である。
【図4】固定ブラケットから可動ブラケットを分離したドア補強部材の一部破断斜視図である。
【図5】膨張するエアバッグの押圧力により外縁開裂予定部が破断し、パネル基材から分離したエアバッグドアが適宜浮上した開放前状態の斜視図である。
【図6】図5の状態から更に膨張したエアバッグの押圧力により中央開裂予定部が破断し、ドアパネル部が略垂直状態まで開放した状態の斜視図である。
【図7】開放したドアパネル部がドア周辺部位に衝突することで、破断予定部が破断して該ドア周辺部位の当接領域が下方へ変位し、これにより衝突時の衝撃吸収が行なわれた状態の斜視図である。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図である。
【図9】図7のIX−IX線断面図である。
【図10】ドア周辺部位に設けた破断予定部の変更例を示すパネル基材の部分斜視図である。
【図11】(a)は、固定ブラケットの係着板部における隅角部にスリットを設けることで、ドア周辺部位の当接領域に対応した前片のみを変位可能とした形態を示し、(b)は、固定ブラケットの係着板部における隅角部に開口部を設けることで、ドア周辺部位の当接領域に対応した前片のみを変位可能とした形態を示している。
【図12】ドア補強部材における別形態例の固定ブラケットの一部破断斜視図である。
【図13】図12に示した固定ブラケットから構成されるドア補強部材を実施したエアバッグドアの跳返り防止構造を示す部分断面図であって、(a)は、エアバッグドアの開放前状態を示し、(b)は、開放したエアバッグドアがドア周辺部位に衝突した状態を示している。
【図14】パネル基材に形成したエアバッグドアの裏側に装着したドア補強部材を、該パネル基材を一部破断して示す斜視図である。
【図15】図14のY−Y線断面図である。
【図16】エアバッグドアの跳返り防止対策を施していないことにより、エアバッグの強烈な押圧力を受けて開放した各ドアパネル部が、固定ブラケットで支持されたドア周辺部位に衝突した後にその反動で跳返り、エアバッグの乗員保護機能を損ねたり、乗員の衝突による2次災害を誘発する危険があることを示す説明断面図である。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル(車両内装部材)
12 エアバッグドア
13 ドアパネル部
14 ドアパネル部
18 ドア周辺部位
20 エアバッグ装
5 ドア補強部材
28 筒体部
40 破断予定部
41 変形許容部
42 当接領域
46 スリット

Claims (3)

  1. 車両内装部材(10)に設けたドアパネル部(13,14)のドア周辺部位(18)を、該車両内装部材(10)の内方に配設したエアバッグ装置(20)に連結したドア補強部材(25)で裏側から支持したエアバッグドア(12)において、
    前記ドア周辺部位(18)の所要位置に設けられ、前記ドアパネル部(13,14)が該ドア周辺部位(18)に衝突した際にその衝撃で破断する破断予定部(40)と、
    前記ドア補強部材(25)における筒体部(28)の壁面に設けられ、前記ドアパネル部(13,14)がドア周辺部位(18)に衝突して衝撃力が加わった際に該筒体部(28)の押縮的な変形を許容する変形許容部(41)とからなり、
    前記ドアパネル部(13,14)が前記ドア周辺部位(18)に衝突した際に、前記破断予定部(40)の破断および前記筒体部(28)の押縮により前記ドア周辺部位(18)が前記車両内装部材(10)の内方へ変形し、これにより衝突時の衝撃吸収がなされて前記ドアパネル部(13,14)の跳返りを防止するよう構成した
    ことを特徴とするエアバッグドアの跳返り防止構造。
  2. 前記破断予定部(40)は、前記ドア周辺部位(18)において、前記ドアパネル部(13,14)が衝突する当接領域(42,42)の側縁に沿って形成されている請求項1記載のエアバッグドアの跳返り防止構造。
  3. 前記変形許容部(41)は、前記筒体部(28)の周方向へ所要長に延在するスリット(46)から構成されている請求項1記載のエアバッグドアの跳返り防止構造。
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