JP4584411B2 - 貼付剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は貼付剤に関するものであり、より詳しくは、剥離シートを有する貼付剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高齢化社会が進む一方で事務の合理化による各種コンピュータの使用頻度が増加し、その結果、腰、肩、膝、肘等に痛みを訴える人が増加する傾向にある。そして、これらの対症療法としてパップ剤や硬膏剤等の貼付剤が広く利用されている。
【0003】
従来より、貼付剤としては、支持体上に薬物を含有する粘着剤層が積層され、さらに粘着剤層を保護するための剥離シートが粘着剤層の全面に貼着されているものが一般的である。このような構成を有する貼付剤は隅部を爪等で探って剥離シートを剥がした後患部に貼着されるが、剥離シートが剥がれにくく、剥離作業に多くの時間を浪費したり剥離作業中に貼付剤がよじれて絡み付いて使用できなくなる等の問題点を有している。
【0004】
そこで、剥離シートの剥離性を改善して貼付剤の利便性を向上させるために様々な試みがなされており、その一つとして、剥離シートの所定の部分に設けられた切断部または切れ目部から剥離シートがめくれるようにし、露出した粘着剤層を患部にあてながら剥離シートを剥がすことによって剥離シートの剥離作業と貼付剤の貼着作業とを同時に行うことが可能な貼付剤が提案されている。
【0005】
特開平10−265372号公報には、剥離シートに連続切込み線を設け、剥離シートの剛軟度を70〜150mm、剥離シートと粘着剤層との180度剥離力を1〜10g/15mmとすることによって剥離シートの剥離性が向上した貼付剤が開示されている。しかしながら、上記の貼付剤のように剥離シートに連続切込み線を設けると確かに剥離シートの剥離性は向上するが、貼付剤の非使用時にも剥離シートが切断部からめくれて粘着剤層が露出しやすくなり、粘着剤層の露出部から薬効成分が揮発して使用時に十分な薬効効果が得られないという欠点がある。
【0006】
また、特開平8−112305号公報には、剥離シートに所定の間隔をもって形成された切れ目部と、該切れ目部の両端に形成されたエンボス加工部と、を備えた貼付剤が開示されている。しかしながら、上記の貼付剤であっても、貼付剤の絡み付きやシワが生じることなく短時間でよりきれいに且つ確実に患部に貼着するための剥離シートの剥離性と、非使用時に角部等がめくれたりすることなく粘着剤層を保護するための剥離シートの剥離防止性と、を十分にバランスよく満足するには未だ十分なものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、剥離シートの剥離作業と貼付剤の患部への貼着作業とを同時に行う場合に剥離シートの剥離が容易であり短時間できれいに且つ確実に患部に貼着することができ、一方、非使用時には剥離シートがめくれることなく確実に粘着剤層が保護されている貼付剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、剥離シートの剛軟度、引張り強度、伸び率、及び剥離シートと粘着剤層との間の剥離力が一定条件を満足し、且つ剥離シートに所定の間隔をもって切れ目部を有する貼付剤が、使用時における剥離シートの剥離性と非使用時における剥離シートの剥離防止性という相反する特性を十分にバランスよく満足することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の貼付剤は、支持体と、該支持体上に積層された粘着剤層と、該粘着剤層の全面に貼着された剥離シートと、を備えた貼付剤であって、前記剥離シートの剛軟度が20〜100mm、引張り強度が5〜30N/cm、伸び率が250〜750%であり、前記剥離シートと前記粘着剤層と間の180度剥離力が0.03〜0.4N/40mmであり、且つ前記剥離シートに所定の間隔をもって形成された切れ目部と互いに隣接する切れ目部の間に形成された連結部とを有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、剥離シートの剛軟度を20〜100mm、引張り強度を5〜30N/cm、伸び率を250〜750%、前記剥離シートと粘着剤層と間の180度剥離力を0.03〜0.4N/40mmとし、且つ前記剥離シートに所定の間隔をもって切れ目部を設けることによって、貼付剤の使用時における剥離シートの剥離性と非使用時における剥離シートの剥離防止性という相反する特性が十分にバランスよく達成される。したがって、剥離シートの剥離作業と貼付剤の患部への貼着作業とを同時に行う場合に剥離シートを容易に剥がして短時間できれいに且つ確実に患部に貼着することができ、一方、非使用時には剥離シートがめくれることなく粘着剤層を保護することができる。
【0011】
なお、ここでいう剛軟度とは、JIS L 1085に規定されるカンチレバー法により測定される値[mm]をいう。
【0012】
また、本発明にかかる引張り強度及び伸び率とは、それぞれJIS Z 1702に準ずる方法により、幅10mmの短冊状の試験片を用い、つかみ幅50mm、引張り速度300mm/minで試験片を引っ張り、破断したときの荷重[N/cm]及び伸び率[%]をいう。
【0013】
さらに、本発明にかかる180度剥離力とは、JIS C 2107に準ずる方法により、レオメーターを用いて、剥離後の剥離シートと貼付剤とのなす角が180度となるように、つかみ幅40mm、引っ張り速度300mm/minの条件で貼付剤から剥離シートを剥離させたときの荷重[N/40mm]をいう。
【0014】
本発明の貼付剤においては、互いに隣接する切れ目部の間に形成された連結部の長さ(a)と切れ目部の長さ(b)との比がa:b=1:8〜1:25であることが好ましい。連結部の長さと切れ目部の長さとの比が前記の範囲内であると、非使用時における剥離シートの分断及びその結果生じる粘着剤層の露出を十分に抑制しながら、使用時における剥離シートの分断及び剥離の容易性がより高められる傾向にある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の貼付剤の好適な一実施形態を示す斜視図であり、図2はその要部断面図である。貼付剤1は支持体2と、支持体2上に積層された粘着剤層3と、粘着剤層3の全面に貼着された剥離シート4と、からなるものである。そして、本発明の貼付剤1においては、剥離シート4の剛軟度が20〜100mm、引張り強度が5〜30N/cm、伸び率が250〜750%、剥離シート4と粘着剤層3との間の180度剥離力が0.03〜0.4N/40mmであり、且つ剥離シート4には所定の間隔をもって、すなわち連結部6を介して切れ目部5が設けられている。
【0017】
本発明にかかる剥離シートの剛軟度は、前述の通り20〜100mmであり、好ましくは30〜70mmである。剥離シートの剛軟度が20mm未満であると貼付剤を貼着する際に剥離シートが支持体をしっかりと保持することができなくなり、貼付剤がよじれて絡み付いたり貼着後の貼付剤にシワが寄ったりするようになる。他方、剥離シートの剛軟度が100mmを超えると剥離シートが硬くなり、その結果、貼付剤を短時間できれい且つ容易に貼着しにくくなる。
【0018】
また、本発明にかかる剥離シートの引張り強度は、前述の通り5〜30N/cmであり、好ましくは10〜25N/cmである。剥離シートの引張り強度が小さくなるにしたがって剥離シートの分断が容易となる傾向にあるが、前記下限値未満であると貼付剤の製造時や貼付剤を取り出す場合等に加えられる微小の外力によっても剥離シートが分断してしまい、貼付剤の絡み付きや分断部分からの薬効成分の揮発の原因となる。他方、剥離シートの引張り強度が前記上限値を超えると剥離シートの分断に強い力を要し、貼付剤を貼着する際の使用感や作業効率が悪くなる。
【0019】
さらに、本発明にかかる剥離シートの伸び率は、前述の通り250〜750%であり、好ましくは300〜600%である。剥離シートの伸び率が小さくなるにしたがって剥離シートの分断が容易となる傾向にあるが、250%未満であると貼付剤の製造時や貼付剤を包装袋から取り出す場合等に加えられる微小の外力によっても剥離シートが分断してしまい、貼付剤の絡み付きや分断部分からの薬効成分の揮発の原因となる。他方、剥離シートの伸び率が750%を超えると剥離シートが十分に伸びているにもかかわらず剥離シートが分断されにくくなり、貼付剤を貼着する際の使用感や作業効率が悪くなる。
【0020】
さらにまた、本発明にかかる剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力は、前述の通り0.03〜0.4N/40mmであり、好ましくは0.05〜0.3N/40mmである。剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力が前記下限値未満であると貼付剤の製造時や保管時に剥離シートが剥がれやすくなり、貼付剤の絡み付きや剥離部分からの薬効成分の揮発の原因となる。他方、180度剥離力が前記上限値を超えると剥離シートが貼付剤から剥がれにくくなり、貼付剤を貼着する際の使用感や作業効率が低下し、また貼付剤が絡み付いたりシワが寄りやすくなったりしてきれいに貼着しにくくなる。
【0021】
本発明に使用される剥離シートとしては、剛軟度、引張り強度及び伸び率が上記の条件を全て満足し、粘着剤層を確実に保護することが可能なものである限り特に制限はないが、具体的には、無延伸ポリプロプレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテルフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のプラスチックフィルム、合成樹脂、合成紙、合成繊維等をシリコン加工したシリコン加工紙;アルミ箔、クラフト紙にポリエチレン等をラミネート加工したラミネート加工紙、等の加工紙を無色のままあるいは所望の色に着色して用いることができる。ここで、かかる剥離シートの厚みは好ましくは10μm〜75μm、より好ましくは12μm〜40μm、更に好ましくは15μm〜35μmである。剥離シートの厚みが10μm未満であると、剥離の際には剥離シートが滑って摘みにくく、また剥離シートが粘着剤層に絡み付いたりして使用感が低下する傾向にあり、加えて、製造時には、剥離シートが容易に分断されたり剥離シートに皺が寄ったりして作業性が低下する傾向にある。他方、剥離シートの厚みが75μmを超えると、剥離シート剥離シートを摘まみやすくなるものの、分断が困難になる傾向にあり、加えて、製造時に原反シートを切断することが困難になり、作業性が低下する傾向にある。
【0022】
本発明に使用される剥離シートは、図1及び図2に示すように所定の間隔をもって形成された切れ目部5と、隣接する2つの切れ目部5と5の間に形成された連結部6と、を有するものである。ここで、切れ目部5の長さ(a)と連結部の長さ6(b)との比は好ましくはa:b=1:5〜1:25、より好ましくは1:8〜1:25、さらに好ましくはa:b=1:8〜1:20、最も好ましくは1:8〜1:15である。切れ目部5の長さ(b)が連結部6の長さ(a)の5倍未満であると、貼付剤を貼着する際には剥離シートが分断しにくく使用感が悪くなり、また、貼付剤の製造時には原反シートの切断が困難となって作業効率が低下する傾向にある。他方、切れ目部5の長さ(b)が連結部6の長さ(a)の25倍を超えると、貼付剤の製造時あるいは保管時において剥離シートが分断されやすくなり、剥離シートが分断部分からめくれて貼付剤の絡み付きが発生したり分断部分から薬効成分が揮発して貼付剤の薬効効果が低下したりする傾向にある。
【0023】
また、本発明にかかる切れ目部5の設けられる位置に特に制限はないが、例えば剥離シート4の略中央部あるいはその周辺部において剥離シート4を横切るように設けることができる。切れ目部5の形状としては図1及び図2に示す直線状の他、S字状、波形状、鋸刃状等が挙げられ、特に切れ目部がS字状、波形状又は鋸刃状であると、所定の間隔をもって形成された突出片を摘んで剥離シートを貼付剤からスムーズに剥がすことができ、貼着時の利便性が向上するので好ましい。
【0024】
さらに、図1及び図2には示していないが、本発明においては剥離シート4の全面又は表面の一部にエンボス加工部を設けることが好ましい。エンボス加工の施された剥離シートを用いると、剥離シートの分断、剥離作業において手が滑りにくくなるので、作業効率がより高くなる傾向にある。なお、エンボス加工部の形状は、滑りにくく手で摘みやすいものである限り特に制限はないが、具体的には格子状、丸形状、角形状、星形状等が挙げられる。また、剥離シート表面の一部にエンボス加工を施す場合、その位置に特に制限はないが、例えば切れ目部の両端部から幅10〜20mmの部分のように剥離シートを分断する際に手で摘みやすい箇所にエンボス加工部を設けることによって、手を滑らせることなくより確実に剥離シートを分断することができる。また、後述するように、剥離シートを分断すると剥離シートが切れ目部からめくれ上がるので、切れ目部近傍にエンボス加工部を設けることによって分断後にめくれ上がった剥離シートをより確実にはがすことが可能となる。なお、剥離シートの分断方法を明確にするために、剥離シート表面の切れ目部を挟む両側に矢印等の図形や文字、記号等を印刷した表示部を設けることも可能である。
【0025】
本発明に使用される支持体としては織布、編布、不織布、不織紙、又はこれらの積層体等の伸縮性又は非伸縮性のものが挙げられ、その材料としては、紙、綿、大麻、黄麻等の靭皮繊維、マニラ麻等の葉脈繊維等のセルロース繊維;羊毛等の獣毛繊維、絹繊維、羽毛繊維等の天然繊維;レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、再生タンパク繊維等の再生繊維;酢酸セルロース繊維、プロミックス等の半合成繊維;ナイロンアラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維;ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリオキシメチレン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズビスチアゾール(PBT)繊維、ポリイミド繊維、等を使用することができる。これらの支持体は、厚さ、伸び、引張り強度、作業性等の物理的性質や貼着時の感触、患部の密閉性、薬物の支持体への移行性等を考慮して適宜選択されるが、所定の伸縮性を有する支持体、より具体的にはJIS L 1096の方法に準拠して測定された伸縮率が縦及び/又は横方向に10〜300%である支持体を用いることが好ましい。このような支持体を用いると、支持体と剥離シートとの伸び率の差によって、支持体とともに剥離シートを引張るだけで剥離シートの分断及び粘着剤層からの剥離を容易に行うことができる。他方、非伸縮性の支持体を用いる場合にも、剥離シートと粘着剤層の滑りを利用して剥離シートを分断・剥離することができ、貼着時の利便性が向上するので好ましい。
【0026】
上記の支持体の中でも、ポリエステル繊維の不繊布は薬効成分への影響が少ないという点で特に好ましく用いられ、目付が好ましくは30〜150g/m2、更に好ましくは35〜120g/cm2、特に好ましくは40〜100g/m2のものが用いられる。また、支持体を構成する糸の太さは0.1〜2デニールのものが好ましく用いられる。糸の太さが前記の範囲内であれば、肘、膝、顔面等の動きが大きく皮膚の伸縮が激しい場所に貼着する場合であっても貼付剤が剥がれにくく使用感が向上する傾向にある。
【0027】
また、本発明に使用される支持体の厚みは、支持体が繊布、編布、ポリエステル以外の不繊布、又は不繊紙である場合は0.3〜3mmであることが好ましく、ポリエステル不繊布を用いる場合は1±0.5mmであることが好ましい。
【0028】
本発明において上記の支持体上に積層される粘着剤層としては、薬物を常温で長時間皮膚表面に固定し得る粘着力を有し、且つ軟化して膏体が皮膚に付着、残存しない程度に凝集性を有するものが好ましく、水、増粘剤、湿潤剤、充填剤やその他必要に応じて架橋剤、重合剤、溶解補助剤、吸収促進剤、薬効補助剤、安定化剤、抗酸化剤、乳化剤、薬剤等が添加される。
【0029】
本発明にかかる膏体に使用する増粘剤としては、水分30〜80質量%を安定に保持でき、かつ保水性を有することが好ましい。具体例としては、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、寒天、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、ペクチン、澱粉等の植物系、ザンサンガム、アカシアガム等の微生物系、ゼラチン、コラーゲン等の動物系等の天然高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム系のセルロース系、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等のデンプン系等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタクリレート等のビニル系、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル系、その他ポリエチレンオキサイド、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体等の合成高分子等の水溶性高分子等が好適に用いられる。特に、このような増粘剤としては、ゲル強度が強く且つ保水性が優れるポリアクリル酸ナトリウムが好ましく用いられ、さらに平均重合度が20000〜70000のポリアクリル酸ナトリウムが好ましく用いられる。平均重合度が20000より小さくなるにつれ乏しくなり十分なゲル強度が得られなくなる傾向があり、また平均重合度が70000より大きくなるにつれ増粘効果が強すぎ作業性が低下する傾向にあり、何れも好ましくない。また、前記水溶性高分子のうちの2種類以上を併用することにより、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムの強イオン高分子との間に高分子コンプレックスを形成し、より一層ゲル強度の大きい弾性ゲルを得ることができる。
【0030】
本発明にかかる膏体に使用する湿潤剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール等の多価アルコールが挙げられ、充填剤としては、カオリン、酸化亜鉛、タルク、チタン、ベンナイト、珪酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、メタ珪酸アルミニウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。
【0031】
また、溶解補助剤又は吸収促進剤として、炭酸プロピレン、クロタミトン、l−メントール、ハッカ油、リモネン、ジイソプロピルアジペート等や、薬効補助剤として、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、l−メントール、チモール、ハッカ油、リモネン、ノニル酸ワニリルアミド、トウガラシエキス等を本発明にかかる膏体に添加してもよい。更に必要に応じて、本発明にかかる膏体に安定化剤や抗酸化剤、乳化剤等を添加してもよい。
【0032】
その他必要に応じて、本発明にかかる膏体に架橋剤や重合剤等を添加し、膏体(粘着剤)を強固にするとともに保水性を持たせることができる。このような架橋剤や重合剤は、増粘剤等の種類に応じて適宜選択できる。例えば、増粘剤にポリアクリル酸又はポリアクリル酸塩を適用した場合は、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物、Ca、Mg、Al等の塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩等の無機酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、ステアリン酸塩等の有機酸塩、酸化亜鉛、無水珪酸等の酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物等の多価金属化合物が好適に用いられる。また、増粘剤にポリビニルアルコールを適用した場合は、アジピン酸、チオグリコール酸、エポキシ化合物(エピクロルヒドリン)、アルデヒド類、N−メチロール化合物、Al、Ti、Zr、Sn、V、Cu、B、Cr等の化合物等の錯化物等が好適に用いられる。また、増粘剤にポリピロリドンを適用した場合は、メチルビニルエステル/無水マレイン酸共重合体、ポリアシッド化合物又はアルカリ金属塩(ポリアクリル酸やタンニン酸及びその誘導体)等が好適に用いられる。また、増粘剤にポリエチレンオキサイドを適用した場合は、パーオキサイド、ポリスルホンアザイド等が好適に用いられる。また、増粘剤にメチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体を適用した場合は、多官能ヒドロキシ化合物、ポリアミン、ヨウ素、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、鉄、水銀、鉛塩等が好適に用いられる。また、増粘剤にゼラチンを適用した場合は、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ジアルデヒドデンプン等のアルデヒド類、グリオキサール、ブタジエンオキシド等のジエポキシド類、ジビニルケトン等のジケトン類、ジイソシアネート類が好適に用いられる。
【0033】
本発明の貼付剤に薬剤を保持させる場合には、前記の粘着剤層に薬剤を配合すればよい。このような薬剤としては、例えば、全身麻酔剤、睡眠、鎮痛剤、解熱消炎鎮痛剤、ステロイドホルモン剤、興奮・覚醒剤、精神神経用剤、局所麻酔剤、骨格筋弛緩剤、自立神経用剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、カルシウム拮抗剤、抗殺菌剤、寄生性皮膚疾患用剤、皮膚軟化剤、抗生物質、解毒剤、鎮咳剤、鎮痒剤、催眠剤、精神活力剤、ぜんそく剤、ホルモン分泌促進剤、抗潰瘍剤、制癌剤、ビタミン剤等が挙げられ、これらの薬剤にはサリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、l−メントール、トウガラシエキス、ノニル酸ワニリルアミド、ハッカ油、ジクロフェナック、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、スリンダク、トルメチン、ロベンザリット、ペニシラミン、フェンプフェン、フルルビプロフェン、スプロフェン、フェルビナク、ケトロラク、オキサプロジン、エトドラク、ザルトプロフェン、テニダップ、ピロキシカム、ペンタゾシン、塩酸ブプレノルフィン、酒石酸ブトルファノール等の非ステロイド系抗炎症薬;プレドニゾロン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、フルオシニド、フルオシノロンアセトニド、吉草酸酢酸プレドニゾロン、ジプロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸ジフルコルトロン、ジフルプレドナート、吉草酸ベタメタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸クロベタゾン、酪酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾン、コハク酸デキサメタゾン、プレドニゾロン21−(2E、6E)ファルネシート、吉草酸ヒドロコルチゾン、酢酸ジフロラゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、アムシノド、吉草酸デキサメタゾン、ハルシノニド、ブテソニド、プロピオン酸アルクロメタゾン等のステロイド系抗炎症薬、等の薬物が有効成分として含有される。
ここで、上記の薬物は必要に応じて2種類以上を併用してもよく、また、エステル体、アセタール体、アミド体等の誘導体、あるいは医学的に許容される無機塩、有機塩の形態で使用してもよい。さらに、本発明の貼付剤に使用される薬物の量はあらかじめ設定された有効量を患部に適用できるように適宜選択される。また、貼付剤には、上記の薬物の他に美白成分、美肌成分等を配合させることも可能である。
【0034】
本発明の貼付剤をパップ剤に適用する場合の粘着剤層の好適な一例として、以下の組成:
増粘剤:20〜50質量%(より好ましくは10〜15質量%)
湿潤剤:5〜40質量%
充填剤:0〜20質量%
水:10〜80質量%
溶解補助剤:0〜8質量%
薬剤:0〜5質量%(好ましくは0.5〜5質量%)
を有するものが挙げられる。粘着剤層の組成が前記の範囲内であると、皮膚密着性が良い;有効成分の皮膚吸収性が高い;水分が可及的に多く含有される;常温又はその付近の温度においてだれない;貼付剤を剥がすときに痛みを感じない;貼付剤を剥がした後の患部に汚れが残ったりべとついたりしない、といった特性が非常に高水準をもって達成される傾向にある。
【0035】
また、本発明の貼付剤を硬膏剤等に適用する場合、この基材としては、アクリル系共重合体、A−B−A型ブロック共重合体、脂環族系石油樹脂、軟化剤を有するものが好適に用いられる。さらに、A−B型ブロック共重合体やその他ポリブテンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、天然ゴム、スチレンーブタジエンコポリマー、NBRポリイソブチレン、ポリアルキアクリレート、合成イソプレン等の熱可塑性弾性剤等や、テルペン系樹脂、石油系樹脂、ロジン、水添ロジン、ロジン・水添ロジンエステル等の粘着付与剤、流動パラフィン、オリーブ油、大豆油、牛脂、トン脂等の動植物油、ポリブデン、液状ポリイソブチレン、低級イソプレン、ワックス等の接着力・保持力調整剤、酸化チタン、酸化亜鉛、メタケイ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム等の充填剤が配合される。A−B−A型ブロック共重合体やA−B型ブロック共重合体としては、モノビニル置換芳香属化合物Aと共役ジオレフィン共重合体Bとのブロック共重合体が好適に用いられ、その配合量は粘着剤組成物中10〜40質量%であり、好ましくは15〜30質量%である。前記ブロック共重合体の配合比が前記の範囲内であれば、薬効成分の相溶性や投錨力、粘着力が向上するとともに油状成分による凝集力を改善することができるが、かかる範囲から外れるにしたがって、これらの効果が低下する傾向がある。
【0036】
なお、本発明の貼付剤において支持体上に積層する粘着剤層の厚み(塗工厚)は、0.1mm〜3mmが好ましい。粘着剤層の厚みが3mmを超えると膏体に含まれる薬剤の放出性が悪くなる傾向にあり、他方、0.1mm未満では皮膚への接着性が劣り、剥がれの原因となる傾向にある。
【0037】
また、本発明の貼付剤における支持体と粘着剤層とを含む厚さは、0.5mm〜5mmが好ましい。支持体と粘着剤層とを含む厚さが5mmを超えると貼着時に衣類等に貼付剤の端が引っかかり、剥がれやすくなる傾向にあり、他方、0.5mm未満では貼付剤に支持性がなくなり、貼付剤が絡み付いたりシワが寄ったりして短時間できれい且つ容易に貼着することが困難となる傾向にある。
【0038】
さらに、本発明の貼付剤においては、その角が円弧状に切断されていることが好ましい。剥離シートを剥がした後の貼付剤は、一旦一部がめくれ、剥がれてしまうと、その部分に皮膚の角層やほこりが付着し、再度貼着することは難しい。特に、パップ剤の形状が長方形である場合は、角が衣類等に引っかかり真っ先にめくれ、剥がれやすい傾向にある。そこで、パップ剤の角を円弧状にし、衣類等に引っかかりにくくすることが好ましく、それによって剥離の発生がより十分に防止される傾向にある。
【0039】
さらにまた、本発明の貼付剤においてその角を円弧状にする場合、円弧は曲率半径(R)が5mm〜20mmであることが好ましい。この半径(R)が5mm未満の場合は、貼着時の剥がれの低減が十分に達成されない傾向にあり、他方、20mmを超えている場合は、角から剥がれ落ちる現象の発生は防止されるものの製造時のムダが多く製造コストが高くなり、実益に乏しい傾向にある。
【0040】
なお、従来の貼付剤においては、その角を円弧状にすることによって剥離防止効果が得られる一方で剥離シートの剥がれにくさも増大するという欠点があったが、本発明の貼付剤においては、前述の通り使用時における剥離シートの剥離性と非使用時における剥離シートの剥離防止性という相反する特性が十分にバランスよく満足されることから、剥離シートを切れ目部分において分断、剥離することが容易であり、しかも本発明の貼付剤が本来的に有する剥離防止性と角が円弧状となっていることによる剥がれにくさとが相俟って、剥離防止効果を相乗的に向上せしめることが可能となる。
【0041】
以上のような構成を有する本発明の貼付剤について、以下にその使用方法の一例を説明する。図3は図1に示す貼付剤の剥離シートを分断する作業を示す説明図であり、図4は図1に示す貼付剤を患部に貼着する作業を示す説明図である。先ず、図3に示すように、貼付剤1の両端を摘み、支持体2と共に剥離シート4を引っ張り切れ目部5を少し折り曲げることによって、剥離シート4を切れ目部5に沿って左右に分断することができる。分断された剥離シート4は、切れ目部5の部分を少し折り曲げるだけで剥離シートの弾性によって分断された部分からめくれ上がり、粘着剤層3が露出する。次に、図4に示すように、この露出された粘着剤層3を患部にあてながら、めくれた剥離シート4の各片を左右に引っ張り剥がすことによって、剥離シート4の剥離作業と患部への貼付剤1の貼着作業とが同時に行われる。このように、本発明の貼付剤を用いることによって、絡み付いたりシワが寄ったりすることなく短時間できれいに且つ容易に患部に貼着することができる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明の内容をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0043】
実施例1
以下の手順に従って、図1に示す貼付剤を作製した。
【0044】
支持体として伸縮性を有するポリエステル不繊布(目付:100g/m2、糸の太さ:1デニール)を使用した。また、増粘剤としてポリアクリル酸ナトリウム5質量%、ポリビニルアルコール2質量%、カオリン2質量%、グリセリン10質量%、水酸化アルミニウム0.5質量%、薬物としてケトプロフェン0.5質量%、水80質量%をそれぞれ配合し、混合したものを膏体として使用した。そして、この支持体上に膏体を展延して粘着剤層を作製した。
【0045】
次に、剥離シートとして無延伸ポリプロピレン(厚さ:30μm、剛軟度:20mm、引張り強度:5N/cm、伸び率:280%)を使用した。この剥離シートを上記の粘着剤層の全面に貼着し、剥離シートの略中央部に連結部の長さ(a)と切れ目部の長さ(a)との比がa:b=1:8となるように直線状の切れ目部を設けて目的の貼付剤(長辺:14cm、短辺:10cm)を得た。得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力は0.15N/40mmであった。
【0046】
実施例2
実施例1で使用した剥離シートの代わりに無延伸ポリプロピレンからなる剥離シート(厚さ:50μm、剛軟度:50mm、引張り強度:22N/cm、伸び率:730%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製した。得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力は0.05N/40mmであった。
【0047】
実施例3
実施例1で使用した剥離シートの代わりにポリエチレン(PE)からなる剥離シート(厚さ:40μm、剛軟度:60mm、引張り強度:14.7N/cm、伸び率:410%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製した。得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力は0.3N/40mmであった。
【0048】
実施例4
実施例1で使用した剥離シートの代わりにポリエチレンからなる剥離シート(厚さ:50μm、剛軟度:80mm、引張り強度:26N/cm、伸び率:600%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製した。得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力は0.4N/40mmであった。
【0049】
実施例5
実施例1で使用した剥離シートの代わりに無延伸ポリプロピレンからなる剥離シート(厚さ:100μm、剛軟度:100mm、引張り強度:30N/cm、伸び率:310%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製した。得られた得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力は0.3N/40mmであった。
【0050】
実施例6
剥離シートの連結部の長さ(a)と切れ目部の長さ(b)との比がa:b=1:5となるように切れ目部を設けたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製した。
【0051】
実施例7
剥離シートの連結部の長さ(a)と切れ目部の長さ(b)との比がa:b=1:15となるように切れ目部を設けたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製した。
【0052】
比較例1
実施例1で使用した剥離シートの代わりに無延伸ポリプロピレンからなる剥離シート(厚さ:20μm、剛軟度:15mm、引張り強度:4N/cm、伸び率:240%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製した。得られた得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力は0.1N/40mmであった。
【0053】
比較例2
実施例1で使用した剥離シートの代わりにポリエチレンからなる剥離シート(厚さ:80μm、剛軟度:120mm、引張り強度:43N/cm、伸び率:310%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製した。得られた得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力は0.3N/40mmであった。
【0054】
比較例3
実施例1で使用した剥離シートの代わりに延伸ポリプロピレンからなる剥離シート(厚さ:50μm、剛軟度:80mm、引張り強度:35N/cm、伸び率:150%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製した。得られた得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力は0.05N/40mmであった。
【0055】
比較例4
実施例1で使用した剥離シートの代わりに延伸ポリプロピレンからなる剥離シート(厚さ:30μm、剛軟度:50mm、引張り強度:15N/cm、伸び率:130%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製した。得られた得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力は0.5N/40mmであった。
【0056】
比較例5
実施例1で使用した剥離シートの代わりにシリコン処理した延伸プロピレンからなる剥離シート(厚さ:40μm、剛軟度:45mm、引張り強度:26N/cm、伸び率:420%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤を作製した。得られた得られた貼付剤の剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力は0.01N/40mmであった。
【0057】
このようにして得られた貼付剤を用いて以下に示す官能評価試験を実施した。
【0058】
試験例1
実施例1〜5及び比較例1〜5の各貼付剤について、健康な成人男女20名が被検者となり、各被検者が各貼付剤を左右に引っ張り剥離シートを分断、剥離し、貼付部位(膝)に貼着する際の使用感を以下の基準:
5:非常に剥がしやすい
4:剥がしやすい
3:比較的剥がしやすい
2:剥がしにくい
1:非常に剥がしにくい
に基づいて評価した。各貼付剤について得られた評点の平均値を表1に示す。
【0059】
剥離シートの剛軟度、引張り強度、伸び率、及び剥離シートと粘着剤層との間の180度剥離力が全て上記の本発明の条件を満足する実施例1〜5の貼付剤はいずれも切れ目部以外の箇所において剥離シートがめくれることなく剥離シートを容易に分断、剥離することができ、貼着時における使用感が良好であることが確認された。
【0060】
一方、比較例1〜5の貼付剤を用いた場合は良好な使用感を得ることができなかった。具体的には、比較例1の貼付剤の場合は剥離シートが軟らかいために貼付剤を支持することが困難であり、貼着時における貼付剤の絡み付きやシワが発生しやすかった。比較例2の貼付剤の場合は剥離シートが分断されにくく、また剥離シートが硬いために貼付部分に沿ってスムーズに貼着することが困難であった。比較例3の貼付剤の場合は剥離シートの分断に非常に強い力を要した。比較例4の貼付剤の場合は剥離シートが剥がれにくく、貼着の際に貼付剤の絡み付きやシワが発生しやすかった。比較例5の貼付剤の場合は剥離シートの分断は容易であったが、剥離シートの剥離性が過剰に高く、貼着時に貼付剤を支持することが困難であった。また、比較例5の貼付剤においては角部から剥離シートがめくれる現象が見られた。
【0061】
試験例2
実施例1、6、7の各貼付剤について、健康な成人男女20名が被検者となり、各被検者が各貼付剤を左右に引張り剥離シートを分断した場合の分断容易性(分断のしやすさ)を以下の基準:
5:非常に分断しやすい
4:分断しやすい
3:比較的分断しやすい
2:分断しにくい
1:非常に分断しにくい
に基づいて評価した。得られた評点の平均値を表1に示す。
【0062】
表1に示すように、実施例1、6、7の貼付剤はいずれも高い分断容易性を有することが確認されたが、中でも実施例1及び7は特に高い分断容易性を示した。
【0063】
試験例3
実施例1〜5及び比較例1〜5の貼付剤をそれぞれ剥離シートが貼着された状態でアルミ箔包装袋に入れてヒートシールにて密封した。このアルミ箔包装袋を40℃、75%RHの条件下で1ヶ月間保管した後、包装袋から貼付剤を取り出して粘着剤層と剥離シートとの間の剥離の有無を以下の基準:
○:粘着剤層と剥離シートとの間に剥離が全く認められなかった
×:粘着剤層と剥離シートとの間に一部剥離が認められた
に基づいて目視にて評価した。その結果を表1に示す。
【0064】
表1に示すように、実施例1〜5の貼付剤はいずれも非使用時において剥離シートの剥離が認められなかった。
【0065】
このように、実施例1〜7の貼付剤においては、使用時の高い剥離性と非使用時の高い剥離防止性とが十分にバランスよく達成されていることが確認された。これに対して、比較例1〜5の貼付剤の場合は、使用時の剥離性又は非使用時の剥離防止性の少なくとも一方が不十分であり、良好な使用感が得られなかった。
【0066】
【表1】
Figure 0004584411
【0067】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、剥離シートの剥離作業と貼付剤の患部への貼付作業とを同時に行う場合に、剥離シートの剥離が容易であり短時間できれいに且つ確実に患部に貼着することができ、一方、非使用時には剥離シートがめくれることなく確実に粘着剤層が保護されている貼付剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貼付剤の好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す貼付剤の要部断面図である。
【図3】図1に示す貼付剤の剥離シートを分断する作業の一例を示す説明図である。
【図4】図1に示す貼付剤を患部に貼着する作業の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…貼付剤、2…支持体、3…粘着剤層、4…剥離シート、5…切れ目部、6…連結部。

Claims (2)

  1. 支持体と、該支持体上に積層された粘着剤層と、該粘着剤層の全面に貼着された剥離シートと、を備えた貼付剤であって、前記剥離シートの剛軟度が20〜100mm、引張り強度が5〜30N/cm、伸び率が250〜750%であり、前記剥離シートと前記粘着剤層と間の180度剥離力が0.03〜0.4N/40mmであり、且つ前記剥離シートに所定の間隔をもって形成された切れ目部を有することを特徴とする貼付剤。
  2. 前記剥離シートにおいて、互いに隣接する切れ目部の間に形成された連結部の長さ(a)と切れ目部の長さ(b)との比がa:b=1:8〜1:25であることを特徴とする、請求項1に記載の貼付剤。
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