JP4583238B2 - 枠体 - Google Patents

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本発明は、建物開口部に設けられる枠体に関し、特に中空部を有した縦枠の下端部にキャップを備えて建物躯体内に対する雨水の浸入を防止することのできる枠体に関する。
建物開口部に設けられる枠体は、上下枠及び左右の縦枠を方形状に枠組みしてなり、各枠は中空状に形成される。また、上下枠の両端面はそれぞれ左右の縦枠の上下端部における内側側面に突き合わされて連結固定される。
この場合において縦枠の下端部には、キャップが取付けられて、縦枠の中空部に対する雨水の浸入を防いでいる。同様に縦枠の上端部にも、キャップが取付けられている。しかし雨水は、縦枠や上枠との継ぎ目や、縦枠と上端部キャップとの隙間、または縦枠に取付けられる錠装置や丁番の取付部の隙間などから、中空部に対して僅かながら浸入する可能性もある。このため、縦枠の下端部に設けられるキャップには、排水孔が設けられていることが多い。このようなキャップを有した枠体としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
特開2005−83178号公報
縦枠の中空部に浸入した水は、縦枠下端部のキャップにおいて上述の排水孔だけでなく、キャップと縦枠との隙間からも漏れることがある。この際、キャップの室内側部分から水漏れが生じると、建物の外壁よりも室内側の建物躯体に対して水が浸入することがある。建物躯体に水が浸入すると、腐食やカビなどが生じるため、それを防ぐ必要があった。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、縦枠に設けられる下端キャップの室内側部からの水漏れを防止できる枠体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る枠体は、建物開口部に上下枠及び断面中空状に形成された左右の縦枠を方形状に枠組みしてなり、上記上下枠の両端面はそれぞれ左右の縦枠の内側側面に突き合わされて連結され、上記縦枠の下端部には下端キャップを設けてなる枠体において、
上記下端キャップは上記縦枠の中空部に端面から挿入される箱状の本体部を備え、該本体部の上面は、上記縦枠の中空部内に浸入した水を室外側に導くように室内側から室外側に向かう下方傾斜状に形成され、上記縦枠は内側側面の上記下端キャップが挿入された状態における上記本体部の上面位置であって、上記縦枠の室内外方向中心線より室外側位置に水抜き孔が形成されてなることを特徴として構成されている。
また、本発明に係る枠体は、上記下端キャップの本体部は上面及び室内側面に水密材が面状に設けられてなることを特徴として構成されている。
さらに、本発明に係る枠体は、上記下端キャップの本体部は上面に凸部が形成されてなることを特徴として構成されている。
さらにまた、本発明に係る枠体は、上記下端キャップの本体部は室外側面及び両側面の上部に鍔部が形成されてなることを特徴として構成されている。
そして、本発明に係る枠体は、上記下端キャップの本体部は上記鍔部の下部に溝部が形成されてなることを特徴として構成されている。
また、本発明に係る枠体は、上記下端キャップは上記縦枠と下枠を固定するビスにより上記縦枠に固定されてなることを特徴として構成されている。
本発明に係る枠体によれば、下端キャップの本体部の上面は室内側から室外側に向かう下方傾斜状に形成され、縦枠は内側側面の下端キャップが挿入された状態における本体部の上面位置に水抜き孔が形成されてなることにより、縦枠の中空部内に水が浸入しても、水は下端キャップの室外側に導かれ、水抜き孔から排水させることができるので、下端キャップの室内側から水漏れを生じることがなく、建物躯体内に水を浸入させないようにすることができる。
また、本発明に係る枠体によれば、下端キャップの本体部は上面及び室内側面に水密材が面状に設けられてなることにより、下端キャップの上面の周縁部、特に室内側について水密性を充分に確保することができるので、下端キャップの室内側からの水漏れをより確実に防止することができる。
さらに、本発明に係る枠体によれば、下端キャップの本体部は上面に凸部が形成されてなることにより、水密材の位置決めを容易になすことができる。
さらにまた、本発明に係る枠体によれば、下端キャップの本体部は室外側面及び両側面の上部に鍔部が形成されてなることにより、下端キャップを縦枠の中空部に挿入する際に上面周縁部がたわんで挿入を容易にすることができると共に、鍔部が水密材を縦枠壁面に対して押圧するので、水密性をさらに高めることができる。
そして、本発明に係る枠体によれば、下端キャップの本体部は鍔部の下部に溝部が形成されてなることにより、下端キャップを縦枠の中空部に挿入する際に水密材の周縁端部を溝部に逃がすことができるので、挿入を容易にすることができる。
また、本発明に係る枠体によれば、下端キャップは縦枠と下枠を固定するビスにより縦枠に固定されてなることにより、組立工数を少なくすることができ、また下端キャップを強固に縦枠に対して固定することができる。
本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。本実施形態の枠体1は、建物開口部に設けられるものであって、内部にドア2を納めてなるものである。図1には本実施形態における枠体を有したドアサッシの縦断面図を、図2にはその横断面図を、それぞれ示している。これら各図に示すように本実施形態のドアサッシは、建物躯体の開口部に方形状の枠体1を設け、枠体1内にドア2を開閉自在に納めてなるものである。
枠体1は、左右の縦枠10、10と、上枠20及び下枠30から構成されている。縦枠10は、図2に示すように中空状の中空部10aを有しており、外側面の外方には外壁3が配置されると共に、外側面の中間位置には建物躯体に対して固定するためのフィン部11が形成されている。
また、上枠20にも中空状の中空部20aが形成されており、外側面の外方には外壁3が配置されると共に、外側面の中間位置にはフィン部21が形成されている。さらに、下枠30にも中空状の中空部30aが形成されており、外側面の外方には外壁3が配置されると共に、外側面の中間位置にはフィン部31が形成されている。フィン部11、21、31はこのように枠体1の略四周に渡って設けられ、枠体1を建物躯体に固定する。
上枠20と下枠30は、両端部をそれぞれ縦枠10内側面の上端部及び下端部に当接させ、ネジ止めによって連結される。図3には、縦枠10と下枠30の連結部分の拡大斜視図を示している。この図に示すように、縦枠10内側面の下端部と下枠30の端面は、縦枠10の外側面に形成されたネジ通し部12を介して挿入されるネジによって固定される。下枠30には、このネジ固定のためのネジ固定部32が形成されている。
縦枠10の下端部には、下端キャップ40が取付けられる。下端キャップ40は、箱状の本体部41が縦枠10の下端面から中空部10aに対して挿入されることで取付けられる。本体部41の側面には、下端キャップ40を縦枠10の中空部10aに挿入した際における縦枠10のネジ通し部12に対応した位置にネジ通し孔46が形成されており、縦枠10と下枠30を連結するネジを通すことで、下端キャップ40は縦枠10に対して強固に固定される。
また、下端キャップ40の上面及び室内側面には、シール材47が面状に設けられており、下端キャップ40を縦枠10の中空部10aに挿入して取付けた際に、中空部10a内の水が下端キャップ40から漏れることを防止している。特に、下端キャップ40の室内側面にシール材47を設けていることで、下端キャップ40の室内側から水漏れを生じることを防いでいる。
さらに、縦枠10の内側面には、下端キャップ40を中空部10aに挿入した場合における下端キャップ40の上面位置に水抜き孔13が形成されており、縦枠10の中空部10a内に浸入した水はこの水抜き孔13から外部に排出される。
図4には、下端キャップ40の側面図を示している。図4においては、左側が室外側で右側が室内側である。この図に示すように、本体部41の上面42には突起状の凸部42a、42aが形成されており、シール材47にもそれらに対応した孔を設けておくことで、シール材47を下端キャップ40に対して容易に位置決めして取付けることができる。シール材47の下面には粘着材が設けられており、これによって下端キャップ40の上面42に密着固定することができる。
また、本体部41の上部には、四周に渡って鍔部43が形成されており、その下部には溝部44が形成されている。本体部41上部に鍔部43を形成したことにより、下端キャップ40を縦枠10の中空部10aに挿入した際に、鍔部43をたわませることができ、これによって下端キャップ40の挿入を容易にすることができる。さらに、その際においてシール材47の周縁端部は溝部44に逃げることができるので、下端キャップ40の挿入をより容易にすることができる。
そして、本体部41の上面42は、室内側から室外側に向かう下方傾斜状の斜面として形成されている。これによって、縦枠10の中空部10a内に浸入した水は、下端キャップ40の上面で室外側に導かれ、少なくとも下端キャップ40の室内側からは水漏れが生じないようにしている。したがって、建物躯体内部に水を浸入させることを防止することができる。
下端キャップ40の上面42に溜まった水は、上述のように縦枠10の内側面に設けられた水抜き孔13によって排水されるが、傾斜状に形成された本体部41の上面42において室外側部から本体部41の側面を伝って水漏れを生じる可能性がある。本体部41の室外下端部には、鉛直下方に突出する水切り部45が形成されており、もしも水漏れが生じた際にこの水切り部45から下方に排水することができる。
図5には、下端キャップ40を縦枠10に取付けた状態の側面図を示している。図5は、縦枠10を外側面側から見た図となっている。この図に示すように、下端キャップ40の上面42は、縦枠10の中空部10aに取付けられた状態で縦枠10に対して室外側に向かう下方傾斜状に配置される。また、縦枠10の水抜き孔13は、下端キャップ40の上面42位置であって、縦枠10の中心線より室外側寄りに配置されている。
シール材47は、室外側端部付近が本体部41の鍔部43によって圧潰状とされると共に、先端部は折り返されて溝部44に納められた状態となっている。同様に側面端部付近についても、鍔部43によって圧潰状とされると共に、先端部は溝部44に納められた状態となる。これによって、水密性をよくすることができると共に、下端キャップ40の挿入も容易にすることができる。
下端キャップ40がこのように縦枠10の中空部10aに取付けられることにより、縦枠10の中空部10aに浸入した水は、下端キャップ40の上面42において室外側に導かれると共に、縦枠10の水抜き孔13から外部に排出される。また、下端キャップ40の上面42の周縁部及び室内側面においてシール材47により水密性が確保される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
本実施形態における枠体を有したドアサッシの縦断面図である。 本実施形態における枠体を有したドアサッシの横断面図である。 縦枠と下枠の連結部分の拡大斜視図である。 下端キャップの側面図である。 下端キャップを縦枠に取付けた状態の側面図である。
符号の説明
1 枠体
2 ドア
3 外壁
10 縦枠
10a 中空部
13 排水孔
20 上枠
30 下枠
40 下端キャップ
41 本体部
42 上面
42a 凸部
43 鍔部
44 溝部
45 水切り部
46 ネジ通し孔
47 シール材

Claims (6)

  1. 建物開口部に上下枠及び断面中空状に形成された左右の縦枠を方形状に枠組みしてなり、上記上下枠の両端面はそれぞれ左右の縦枠の内側側面に突き合わされて連結され、上記縦枠の下端部には下端キャップを設けてなる枠体において、
    上記下端キャップは上記縦枠の中空部に端面から挿入される箱状の本体部を備え、該本体部の上面は、上記縦枠の中空部内に浸入した水を室外側に導くように室内側から室外側に向かう下方傾斜状に形成され、上記縦枠は内側側面の上記下端キャップが挿入された状態における上記本体部の上面位置であって、上記縦枠の室内外方向中心線より室外側位置に水抜き孔が形成されてなることを特徴とする枠体。
  2. 上記下端キャップの本体部は上面及び室内側面に水密材が面状に設けられてなることを特徴とする請求項1記載の枠体。
  3. 上記下端キャップの本体部は上面に凸部が形成されてなることを特徴とする請求項2記載の枠体。
  4. 上記下端キャップの本体部は室外側面及び両側面の上部に鍔部が形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の枠体。
  5. 上記下端キャップの本体部は上記鍔部の下部に溝部が形成されてなることを特徴とする請求項4記載の枠体。
  6. 上記下端キャップは上記縦枠と下枠を固定するビスにより上記縦枠に固定されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の枠体。
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