JP4582008B2 - エンジンの補機駆動ベルトカバー - Google Patents
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Description
このため、従来よりクランクプーリや補機プーリに小石等の異物が侵入するのを防ぐ目的でプーリとベルトとの間にリブを設けた技術が知られている(例えば下記の特許文献1参照)。
また、該異物落下防止リブと該クランクシャフトプーリの回転中心とが略同じ高さに位置するように設定されるとともに、該異物落下防止リブの該下流側端部が該クランクシャフトプーリの外縁部に近接するように設定されているのが好ましい(請求項3)。
また、該補機プーリの該補機駆動ベルト巻き付け開始位置近傍に、異物噛み込み防止のためのピンが突設されているのが好ましい(請求項5)。
また、異物落下防止リブとクランクシャフトプーリの回転中心との高さを略同じに設定するとともに、異物落下防止リブの下流側端部をクランクシャフトプーリの外縁部に近接させることにより、異物落下防止リブとクランクシャフトプーリとの間から小石等が落下するのを極力防止でき、仮に小石等が異物落下防止リブから落下しても、確実に異物噛み込み防止リブによりクランクシャフトプーリでの噛み込みを防止することができる(請求項3)。
さらには、補機プーリの補機駆動ベルト巻き付け開始位置近傍に、異物噛み込み防止のためのピンを突設することで、補機プーリと補機駆動ベルトとの間での異物噛み込みを防止することができる(請求項5)。
図1及び図2において、符号1は車両に搭載されるエンジンであって、図示するようにエンジン1は後方に向けて傾斜して車両の後方に搭載されている。また、図2に示すように、エンジン1にはさまざまな補機が搭載されている。例えば本実施形態では、エアコンコンプレッサ2、オルタネータ3、ウォータポンプ4が設けられており、これらの補機はエンジン1の駆動力により駆動されるようになっている。
さて、図1に示すように、エンジン1にはクランクプーリ8を覆う樹脂製の補機駆動ベルトカバー(以下、単にベルトカバーという)10が設けられている。ここで、ベルトカバー10はボルト11によりエンジン側面のタイミングチェーンケース(以下、単にチェーンケースという)1aと図示しないオイルパンとにまたがってに取り付けられるようになっており、このようなベルトカバー10によりクランクプーリ8や補機駆動ベルト9が保護されるようになっている。
また、上記第1リブ16よりもベルト9の走行上流側には、第2リブ(異物落下防止リブ)17が形成されている。図2〜図4及び図7に示すように、この第2リブ17は第1リブ16の上方に設けられ、チェーンケース1a側に突出した庇状に形成されている。また、この第2リブ17の両端部は上方に向けて湾曲しており、これにより、カバー本体15の上方から侵入してくる小石等を第2リブ17で受け止めて、ベルト9上への小石が落下するのを防止するようになっている。
これにより、第2リブ17の下流端側から小石等が落下しても、小石等は確実に第1リブ16の手前に落下することとなり、この第1リブ16により小石等の噛み込みを確実に防止することができる。
そこで、本実施形態では、図2,図3及び図12に示すように、クランクプーリ8の配設位置よりも上方に、クランクプーリ8が掻き揚げた泥水等を堰き止めるための第3リブ(防水プレート)18が形成されている。この第3リブ18はカバー本体15と一体に形成されるとともに、図3及び図5に示すように、第3リブ18の一端(図3中、右端)が上記縦壁部15aに接続されている。
そして、このような第3リブ18を設けることにより、車両が水溜りを走行した際にクランクプーリにより水が掻き揚げられても、この水の流れを第3リブ18で遮断することができ、水の上方への跳ね上げを防止することができる。特に、第3リブ18の一端をカバー本体15の縦壁部15aに接続することにより、リブ18の強度が増し、水の流れに確実に対抗することができる。
また、第4リブ19は上方に向けて傾斜するように形成されている。具体的には、第4リブ19の他端は上記一端よりも上方に位置しており、これにより上方から落下してきた小石等は、第4リブ19と縦壁部15aとの間に溜まって下方への落下が防止されるようになっている。
車両走行により路面から跳ね上げられた小石等が下方からベルトカバー10内に侵入した場合には、第1リブ16によりベルト9とクランクプーリ8との間での異物の噛み込みが防止される。即ち、ベルト9上に跳ね上げられた小石等は、ベルト9によりクランクプーリ8に向けて運ばれるが、このとき小石等は第1リブ16の壁面16aに衝突してベルト9とチェーンケース1aとの間、或いはベルトカバー10とチェーンケース1aとの間から下方に落下する。また、第1リブ16よりも高く跳ねた小石等は第2リブ17の下面や壁面17aにより跳ね返されて、やはり、ベルトカバー10とチェーンケース1aとの間から下方に落下する。
また、第2リブ17の下流側端部と、第1リブ16の上流側端部との間に水平方向に隙間を形成することにより、第2リブ17の下流端側から小石等が落下した場合であっても、小石等は確実に第1リブ16の手前に落下し、第1リブ16により小石等の噛み込みを確実に防止することができる。
ところで、例えば車両が水溜りを走行すると、図13に示すように、クランクプーリ8により泥水等が掻き揚げられて、クランクプーリ8とベルトカバー10の縁部との間を通って泥水等が上昇するが、この泥水等は第3リブにより堰き止められて、下方に向きが変更される。また、第3リブ18は、掻き揚げられた泥水等の流れに対して略直交するような向きであって、且つ下向きになるように形成されているので、図13に示すように、泥水等の流れを第3リブ18で遮断することができベルトカバー10から確実に排出することができる。
2 エアコンコンプレッサ(補機)
3 オルタネータ(補機)
4 ウォータポンプ(補機)
5 エアコンコンプレッサプーリ(補機プーリ)
6 オルタネータプーリ(補機プーリ)
7 ウォータポンププーリ(補機プーリ)
8 クランクシャフトプーリ(又はクランクプーリ)
9 補機駆動ベルト
10 補機駆動ベルトカバー(ベルトカバー)
11 ボルト
12 オートテンショナ
13 テンショナプーリ
14 アイドラプーリ
15 カバー本体
16 第1リブ(異物噛み込み防止リブ)
17 第2リブ(異物落下防止リブ)
18 第3リブ(防水プレート)
19 第4リブ(第1の異物侵入防止リブ)
20 第5リブ(第2の異物侵入防止リブ)
21 ピン
Claims (5)
- クランクシャフトプーリと補機プーリとを接続する補機駆動ベルトを保護する補機駆動ベルトカバーであって、
該クランクシャフトプーリを覆うカバー本体と、
該カバー本体と一体に形成され、該クランクシャフトプーリの該補機駆動ベルト巻き付き開始位置近傍に設けられた異物噛み込み防止リブと、
該カバー本体と一体に形成され、該異物噛み込み防止リブよりも該補機駆動ベルトの走行上流側であって、且つ該異物噛み込み防止リブよりも上方に設けられた庇状の異物落下防止リブとを有する
ことを特徴とする、エンジンの補機駆動ベルトカバー。 - 該異物落下防止リブの該補機駆動ベルトの駆動方向における下流側端部と該異物噛み込み防止リブの該補機駆動ベルトの駆動方向における上流側端部との間には水平方向に隙間が形成されている。
ことを特徴とする、請求項1記載のエンジンの補機駆動ベルトカバー。 - 該異物落下防止リブと該クランクシャフトプーリの回転中心とが略同じ高さに位置するように設定されるとともに、該異物落下防止リブの該下流側端部が該クランクシャフトプーリの外縁部に近接するように設定されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のエンジンの補機駆動ベルトカバー。 - 該異物噛み込み防止リブは上流側に壁面を有し、該壁面は、該カバー本体に対して該補機駆動ベルト巻き付き開始位置側に向けて傾斜している
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載のエンジンの補機駆動ベルトカバー。 - 該補機プーリの該補機駆動ベルト巻き付け開始位置近傍に、異物噛み込み防止のためのピンが突設されている
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載のエンジンの補機駆動ベルトカバー。
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