JP4715892B2 - 車両用エンジンのセンサ配設構造 - Google Patents

車両用エンジンのセンサ配設構造 Download PDF

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Description

本発明は、クランク軸が車幅方向を向く姿勢でエンジンルームに配設されたエンジンの側面にセンサを取り付けた車両用エンジンのセンサ配設構造に関する。
従来、下記特許文献1に示されるように、エンジンブロックに回転可能に支持されるクランク軸と、上記エンジンブロックにブラケットを介して取り付けられるコンプレッサー(補機)と、上記エンジンブロックの車両前方側の壁面に取り付けられて外部に露出するクランク角センサ(検出器)とを備えた車両用内燃機関において、上記エンジンブロックとコンプレッサーとの間に上記ブラケットを設け、上記エンジンブロックの車両前方側の壁面のうち上記ブラケットにより覆われる位置に上記クランク角センサを配置することが行われている。
この特許文献1に開示された構成によれば、エンジンブロックの車両前方側に取り付けられたクランク角センサをコンプレッサー取付用のブラケットで覆うことにより、車両の走行中に前方から飛散してくる水や小石から上記クランク角センサを保護できるという利点がある。
特開2005−30311号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、エンジンの車両前方側の壁面にクランク角センサ等のセンサを取り付けた場合には、当該センサをブラケット等の部材によって遮蔽したとしても、例えば車両の前方から比較的多量の水が飛散してきたような場合には、この飛散してきた水が細かな隙間等を通じて上記センサまで達することにより、上記センサが水に濡れてその性能に悪影響が及ぶおそれがある。
このため、車両の前方から飛散してきた水がセンサに掛かるのをより確実に防止するには、エンジンの車両前方側の壁面ではなく、車両後方側の壁面に上記センサを取り付けることが好ましいと言える。しかしながら、センサの取付位置を単に車両後方側に移動させただけでは、前輪によって跳ね上げられた小石等の異物がセンサに衝突する可能性を除去できず、センサの性能を長期間にわたって維持できないおそれがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、エンジンに取り付けられるセンサを水や小石等の異物からより確実に保護してその性能を長期間にわたって適正に維持することが可能な車両用エンジンのセンサ配設構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、クランク軸が車幅方向を向く姿勢でエンジンルームに配設されたエンジンの側面にセンサを取り付けた車両用エンジンのセンサ配設構造であって、上記エンジンの車両後方側の側面に沿って前輪駆動用のドライブシャフトが配置され、このドライブシャフトの高さ位置よりも下方に、エンジン構成部品どうしの接合部としてのフランジ部が車両後方側に張り出すように設けられ、上記ドライブシャフトの一端側に、ドライブシャフト本体よりも大径の自在継手部が設けられ、上記エンジンの車両後方側の側面のうち、上記フランジ部よりも上方に位置しかつ車両後方側から見て上記自在継手部と重複する高さ位置に上記センサが取り付けられたことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、エンジンの車両後方側の側面にセンサが設けられているため、車両の走行時に前方から飛散してくる雨水等の水がエンジンルームに入り込んできたとしても、この前方からの水がエンジンによって遮られることにより、その後方側のクランク角センサに水が掛かることが確実に防止される。また、上記センサを車両後方側から覆うようにドライブシャフトの自在継手部が設けられるとともに、上記センサの下方において車両後方側に張り出すようにフランジ部が設けられているため、例えば前輪によって跳ね上げられた小石等の異物が車両後方側の斜め下方等から上記センサに向けて飛んできたとしても、この異物の侵入を上記ドライブシャフトやフランジ部で遮ることにより、上記センサに異物が衝突して当該センサが故障すること等を効果的に防止することができ、その性能を長期間にわたって適正に維持できるという利点がある。
特に、ドライブシャフト本体よりも大径の自在継手部によって上記センサを覆っているため、相対的に大径の自在継手部を利用して、小石等の異物から上記センサをより確実に保護できるという利点がある。
上記センサの具体的な種類は特に問わないが、その好適な一例としてクランク角センサが挙げられる(請求項2)。
この構成によれば、クランク軸の周辺等の比較的低い高さ位置に取り付けられるために小石等の異物が衝突する可能性が高いクランク角センサを、上記ドライブシャフトやフランジ部を利用して適正に保護できるという利点がある。
以上説明したように、本発明の車両用エンジンのセンサ配設構造によれば、エンジンに取り付けられるセンサを水や小石等の異物からより確実に保護してその性能を長期間にわたって適正に維持できるという利点がある。
図1は、本発明にかかる車両用エンジンのセンサ配設構造が適用されたエンジン1の全体構成を示す図である。本図に示されるエンジン1は、ピストンが摺動自在に嵌合された4つのシリンダー(図示せず)を列状に備えた直列4気筒型エンジンであり、車室の前壁を構成するダッシュパネル3の前方に形成されたエンジンルーム2の内部に、クランク軸8が車幅方向(図1において紙面に垂直な方向)を向くいわゆる横置きの姿勢で配設されている。図1におけるラインSは上記シリンダーの軸線を示しており、図例では、このシリンダーの軸線Sが鉛直軸Lに対し所定角度αだけ後方に傾いた姿勢でエンジン1が配設されている。
図2は、上記エンジン1を車両後方側から見た側面図である。この図2および先の図1に示すように、エンジン1は、上述した4つのシリンダーが内部に形成されたシリンダーブロック10と、各シリンダーを上から覆うように上記シリンダーブロック10の上面に取り付けられたシリンダーヘッド13と、上記シリンダーブロック10の下面に取り付けられたオイルパン15とを有している。上記シリンダーヘッド13の車両後方側の側面には、燃焼により生じた排気ガスの通路となる排気通路7が接続されているとともに、その反対側にあたるシリンダーヘッド13の車両前方側の側面には、吸入空気の通路となる吸気通路(図示せず)が接続されている。すなわち、図例のエンジン1は、排気側の側面を車両後方側に、吸気側の側面を車両前方側に向けた姿勢でエンジンルーム2に配設されている。
上記排気通路7は、上記シリンダーヘッド13から車両後方側かつ下方へと延び、図1に示すように、車体フロア4に沿って前後方向に延びる断面コ字状のフロアトンネル5の内部に導入される。そして、このフロアトンネル5の内部等を通って上記排気通路7が車両の後方側へと延びるように配設され、その後端部に設けられた排気口から排気ガスが外部に導出されるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、上記エンジン1のうち、図1の紙面裏側(図2の左側)にあたる車両左側の面には、変速機と差動装置とを一体化した図外のトランスアクスルが取り付けられており、上記クランク軸8の一端部が上記トランスアクスルの入力軸と連動連結されている。以下では、上記トランスアクスルが設けられる側(図1では紙面裏側、図2では左側)をエンジン1の後側、上記トランスアクスルの設置部とは反対側(図1では紙面表側、図2では右側)をエンジン1の前側として説明を進める。
上記クランク軸8は、上記シリンダーブロック10の下部に回転自在に軸支されており、このクランク軸8の前端部には駆動プーリ17が取り付けられている。この駆動プーリ17には、エンジン1に取り付けられる種々の補機(図1の22,23,24等)を駆動するための補機駆動ベルト20が巻き掛けられており、エンジン1の運転中に上記駆動プーリ17がクランク軸8と一体に回転駆動されることにより、上記補機駆動ベルト20を介して上記各補機に駆動力が伝達されるようになっている。具体的に、当実施形態では、上記補機として、発電用のオルタネータ22と、空調用のコンプレッサー23と、冷却水循環用のウォータポンプ24とが、エンジン1の前部(車両右側の壁部)に取り付けられており、これら各補機21〜24が、上記クランク軸8の回転に応じて補機駆動ベルト20により駆動されるようになっている。なお、図1において符号25は、上記補機駆動ベルト20に所定の張力を付与するためのオートテンショナ、符号26はアイドラプーリである。
上記クランク軸8の前端部に設けられた上記駆動プーリ17と上記シリンダーブロック10の前壁との間には、上記クランク軸8と一体に回転する図外のスプロケットが設けられており、このスプロケットには、上記シリンダーヘッド13の内部に設けられた動弁機構を駆動するためのタイミングチェーン(図示せず)が巻き掛けられている。
すなわち、上記シリンダーヘッド13の内部には、吸気バルブおよび排気バルブを開閉するためのカム機構等からなる動弁機構(図示せず)が設けられており、この動弁機構と上記クランク軸8のスプロケットとが上記タイミングチェーンを介して連動連結されることにより、上記クランク軸8の回転が動弁機構に伝達されて上記吸気バルブおよび排気バルブが開閉駆動されるようになっている。図1および図2において符号16はチェーンカバーであり、このチェーンカバー16は、上記シリンダーブロック10およびシリンダーヘッド13の前壁を覆うことにより、上記タイミングチェーンを遮蔽するように設けられている。
上記シリンダーブロック10は、図2に示すように、アッパーブロック11と、その下面に取り付けられるロアブロック12とを有した上下2分割構造とされ、これらアッパーブロック11およびロアブロック12が、複数のボルト等の締結部材により上下方向に締結されることで上記シリンダーブロック10が構成されている。なお、上記アッパーブロック11とロアブロック12との接合部には、両者を締結するためのフランジ部27が突設されている。
また、図1および図2に示すように、上記ロアブロック12の下面には、フランジ部28を介して上記オイルパン15が取り付けられている。すなわち、上記ロアブロック12の下端部およびオイルパン15の上端部には、フランジ部28が周囲に突出するように設けられており、このフランジ部28がボルト等の締結部材により上下方向に締結されることで、上記ロアブロック12とオイルパン15とが互いに接合されている。
上記エンジンルーム2には、エンジン1の車両後方側の側面に沿って車幅方向に延びるドライブシャフト50が配設されている。このドライブシャフト50は、上述したトランスアクスルと図外の前輪車軸とを互いに連結する回転軸として設けられ、上記トランスアクスル内の差動装置から車幅方向外側に延びるドライブシャフト本体51と、このドライブシャフト本体51と上記前輪車軸との間に介在して両者を屈曲可能に連結する自在継手部52とを有している。そして、エンジン1の運転時に上記クランク軸8の回転がトランスアクスルを介してドライブシャフト本体51に伝達され、さらにその先端の自在継手部52を介して前輪車軸に伝達されることにより、この前輪車軸と一体に前輪が回転駆動されるようになっている。なお、このように動力伝達部材として設けられた上記ドライブシャフト50は、比較的剛性の高い金属製中実材またはパイプ材等により構成される(図3ではドライブシャフト50をパイプ材として図示している)。
図3は、エンジン1の前部を拡大して示す正面図、図4は、エンジン1の車両後方側の側面を斜め後方から見た斜視図である。なお、図3ではドライブシャフト50を軸方向の途中部で切断した状態で示しており、図4ではドライブシャフト50を省略している。これら図3、図4、および先の図2に示すように、上記シリンダーブロック10の車両後方側の側面のうちエンジン前端寄りの下部には、上記ドライブシャフト50を回転自在に支持するためのシャフトジョイントブラケット30が設けられている。
上記シャフトジョイントブラケット30は、シリンダーブロック10に固定されたブラケット本体31と、このブラケット本体31にボルト等の締結部材を介して着脱自在に固定されるキャップ部材32とを有した2分割構造とされている。これらブラケット本体31およびキャップ部材32の間には、ドライブシャフト50を囲む円形状の空間が形成されており、その囲繞面と上記ドライブシャフト50の外周面との隙間C(図3参照)には図外のベアリングが取り付けられるようになっている。
上記ブラケット本体31は、左右に延びる3本の脚部31aを有しており、これら脚部31aがシリンダーブロック10の車両後方側の側面にボルト等の締結部材を介して締結されることにより、シャフトジョイントブラケット30がエンジン1に対し着脱自在に固定されている。
図5は、上記シャフトジョイントブラケット30を取り外した状態の図4相当図である。この図5および先の図4に示すように、シリンダーブロック10の車両後方側の側面には、上記ブラケット本体31の脚部31aが締結固定される取付ボス部33が突設されている。具体的に、取付ボス部33は、シリンダーブロック10のアッパーブロック11に2つ、ロアブロック12に1つ設けられており、これら各取付ボス部33に上記脚部31aの先端部がそれぞれ締結されることにより、上記シャフトジョイントブラケット30がアッパーブロック11およびロアブロック12の両者に跨るような状態で取り付けられている。
図2〜図5に示すように、上記ロアブロック12の車両後方側の側面には、フィルタブラケット36を介してオイルフィルタ35が取り付けられている。このオイルフィルタ35は、エンジン1の各部を潤滑する潤滑用のオイル(エンジンオイル)を濾過する濾紙を内蔵したものであり、上記オイルフィルタ35内の濾紙を通過することで不純物等が取り除かれた上記オイルが、エンジン1の内部に設けられた図外の油路を通じてエンジン1の各部に供給されるようになっている。
上記フィルタブラケット36は、上記オイルフィルタ35よりも高剛性な金属製部材からなり、上記ロアブロック12の車両後方側の側面にボルト等の締結部材を介して着脱自在に固定されている。図2および図3に示すように、このフィルタブラケット36と上下方向に重複する高さ位置には上記ドライブシャフト50が設けられており、このドライブシャフト50によって上記フィルタブラケット36が車両後方側から部分的に覆われるようになっている。
さらに、上記フィルタブラケット36は、ロアブロック12の側面の前端寄り位置に取り付けられており、図2〜図4に示すように、同じくエンジン前端寄りに取り付けられる上記シャフトジョイントブラケット30により、上記フィルタブラケット36が車両後方側から部分的に覆われるようになっている。
また、上記フィルタブラケット36は、上記ロアブロック12の側面から後方かつ下方に延びており、その下端部が、上記ドライブシャフト50の設置高さよりも下方に位置するように設けられている。そして、このようにドライブシャフト50よりも低い高さ位置まで延びる上記フィルタブラケット36の下端部に、上記オイルフィルタ35がねじ込み等の手段によって着脱自在に固定されている。
図3に示すように、上記フィルタブラケット36と、これを車両後方側から覆う上記シャフトジョイントブラケット30との位置関係を比較すると、上記シャフトジョイントブラケット30は、その下端部の車両後方側の端部が、上記オイルフィルタ35の車両後方側の端部よりも所定距離Xだけ後方側に位置するように設けられている。
上記アッパーブロック11の車両後方側の側面のうち、上記フィルタブラケット36やシャフトジョイントブラケット30の設置部の上方に位置する部位には、図2〜図5に示すように、潤滑用のオイル(エンジンオイル)を冷却するための水冷式のオイルクーラ38が設けられている。すなわち、オイルクーラ38は、その内部に、潤滑用のオイルが流通する通路と、冷却水(冷媒)が流通する通路とをそれぞれ有しており、上記オイルの温度が必要以上に上昇しないように、上記冷却水との熱交換によって上記オイルの温度を低下させるように構成されている。
ここで、上記オイルフィルタ35やオイルクーラ38等を含むエンジン1の潤滑系について簡単に説明すると、上記オイルパン15の内部には、エンジン1の各部を潤滑する潤滑用のオイルが所定量溜められており、エンジン1内の前端下部には、上記オイルパン15に溜められたオイルを汲み上げて圧送するための手段として、クランク軸8と連動して回転するトロコイド式ポンプ等からなるオイルポンプ(図示せず)が設けられている。また、上記フィルタブラケット36の内部には、上記オイルポンプから圧送されてきたオイルの通路となる図外の油路が設けられており、このフィルタブラケット36内の油路とエンジン1の内部油路とが互いに連通するようになっている。
上記オイルポンプによりオイルパン15から汲み上げられたオイルは、まず、上記オイルポンプとフィルタブラケット36とをつなぐようにエンジン1内に設けられた油路と、上記フィルタブラケット36の内部に設けられた油路とを通じて、上記オイルフィルタ35に導入される。そして、ここで濾過されてフィルタブラケット36から導出されたオイルが、フィルタブラケット36と上記オイルクーラ38との間に設けられた油路を通じてオイルクーラ38に導入された後に、このオイルクーラ38からエンジン1内の各部へと延びる複数の油路を通じて、例えばクランク軸8やシリンダー壁、動弁機構等に供給されるようになっている。
上記オイルクーラ38からエンジン1の各部へとオイルを導く油路の途中部には、リリーフ用のソレノイドバルブ40が設けられている。このソレノイドバルブ40は、エンジン1が所定の運転状態になったときに開弁することにより、オイルの一部をリリーフ用の通路に逃がしてオイル圧が必要以上に上昇するのを防止するように構成されている。
また、上記ソレノイドバルブ40は、上記オイルクーラ38よりもエンジン1の前端側に位置してオイルクーラ38と隣接するように配置されている。これにより、図2、図4、および図5に示すように、上記ソレノイドバルブ40とエンジン1の排気通路7との間に上記オイルクーラ38が介在することとなり、エンジン1の運転時にかなりの高温になる上記排気通路7からの輻射熱が上記ソレノイドバルブ40に直接伝わらないようになっている。
図6は、ドライブシャフト50の先端部およびその近傍のエンジン部品を前方かつ下方から見た斜視図である。この図6および先の図2〜図4に示すように、上記ロアブロック12の車両後方側の側面のうち、上記フィルタブラケット36と隣接するエンジン前端寄りの位置には、上記クランク軸8の回転角度を検出するためのクランク角センサ42が設けられている。このクランク角センサ42は、例えば、クランク軸8と一体に回転する図外のパルサ(外周に多数の歯を有した円板状の部材)の歯の通過を電磁的に読み取ることにより、クランク軸8の回転角度を検出するように構成されている。
上記クランク角センサ42は、図2、図3、および図6に示すように、車両後方側から見て上記ドライブシャフト50と重複する高さ位置に取り付けられている。具体的には、上記ドライブシャフト50のうち相対的に大径の自在継手部52と対向するような位置に上記クランク角センサ42が設けられており、この自在継手部52によって上記クランク角センサ42が車両後方側から遮蔽されるようになっている。
また、上記クランク角センサ42の下方には、上記ロアブロック12およびオイルパン15からなるエンジン構成部品どうしを締結(接合)するためのフランジ部28が存在しており、図2〜図6に示すように、このフランジ部28のうち、上記ドライブシャフト50の下方に位置して車幅方向に延びる後方フランジ部28a(以下、単にフランジ部28aという)は、車両後方側に所定量張り出すことにより、上記クランク角センサ42を下から遮蔽するように設けられている。すなわち、上記クランク角センサ42は、ロアブロック12とオイルパン15との間のフランジ部28aよりも上方に位置し、かつ車両後方側から見て上記ドライブシャフト50(より具体的にはその自在継手部52)と重複するような高さ位置に取り付けられている。
以上説明したように、当実施形態の車両用エンジンのセンサ配設構造では、クランク軸8が車幅方向を向く姿勢(いわゆる横置きの姿勢)でエンジンルーム2に配設されたエンジン1の車両後方側の側面に沿って前輪駆動用のドライブシャフト50が配置されており、このドライブシャフト50の高さ位置よりも下方に、エンジン構成部品(ロアブロック12およびオイルパン15)の接合部としてのフランジ部28aが車両後方側に張り出すように設けられている。そして、上記エンジン1の車両後方側の側面のうち、上記フランジ部28aよりも上方に位置しかつ車両後方側から見て上記ドライブシャフト50と重複する高さ位置に、クランク角センサ42が取り付けられている。このような構成によれば、エンジン1に取り付けられるクランク角センサ42を水や小石等の異物からより確実に保護してその性能を長期間にわたって適正に維持できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、エンジン1の車両後方側の側面にクランク角センサ42が設けられているため、車両の走行時に前方から飛散してくる雨水等の水がエンジンルーム2に入り込んできたとしても、この前方の水がエンジン1によって遮られることにより、その後方側のクランク角センサ42に水が掛かることが確実に防止される。また、上記クランク角センサ42を車両後方側から覆うようにドライブシャフト50が設けられるとともに、上記クランク角センサ42の下方において車両後方側に張り出すようにフランジ部28aが設けられているため、例えば前輪によって跳ね上げられた小石等の異物が車両後方側の斜め下方等から上記クランク角センサ42に向けて飛んできたとしても、この異物の侵入を上記ドライブシャフト50やフランジ部28aで遮ることにより、上記クランク角センサ42に異物が衝突して当該センサ42が故障すること等を効果的に防止することができ、その性能を長期間にわたって適正に維持できるという利点がある。
しかも、上記構成では、前輪駆動用のドライブシャフト50や、エンジン構成部品を接合するためのフランジ部28aを利用して、クランク角センサ42に小石等の異物が衝突するのを防止するようにしたため、既存の部品を利用した簡単かつ合理的な構成で上記クランク角センサ42の保護を図れるという利点がある。また、車両の走行時(前進時)にドライブシャフト50が図6の矢印Aで示す方向に回転することから、小石等の異物が上記ドライブシャフト50に下方から衝突したとしても、上記のような方向に回転するドライブシャフト50により、上記異物をクランク角センサ42から遠ざける方向(車両後方側)にはじき飛ばすことができるため、上記クランク角センサ42に異物が衝突するのをより確実に防止できるという利点がある。
また、上記実施形態では、ドライブシャフト50の一端部に、ドライブシャフト本体51よりも大径の自在継手部52が設けられており、この自在継手部52と対向するように上記クランク角センサ42が取り付けられているため、相対的に大径の自在継手部52を利用して、小石等の異物から上記クランク角センサ42をより確実に保護できるという利点がある。
すなわち、上記構成によれば、クランク角センサ42後方の比較的広い範囲を大径の自在継手部52により遮蔽することで、上記クランク角センサ42に異物が衝突する可能性をより確実に低減することができる。また、上記自在継手部52の回転時の周速が、ドライブシャフト本体51のそれよりも速いことから、ドライブシャフト本体51を利用してクランク角センサ42を遮蔽した場合よりも、下方から飛んできた異物を上記クランク角センサ42から遠ざける方向により確実にはじき飛ばすことができ、上記異物がクランク角センサ42に衝突するのをより効果的に防止することができる。
また、上記実施形態では、クランク軸8の回転角度を検出するクランク角センサ42を上記ドライブシャフト50やフランジ部28aによって遮蔽するようにしたため、クランク軸8の周辺という比較的低い高さ位置に取り付けられるために小石等の異物が衝突する可能性が高いクランク角センサ42を、上記ドライブシャフト50やフランジ部28aを利用して適正に保護できるという利点がある。
なお、上記実施形態では、直列4気筒型エンジンからなるエンジン1に取り付けられたクランク角センサ42を、上記ドライブシャフト50やフランジ部28aを利用して異物から保護するようにしたが、このような構成は、例えばV型6気筒エンジン等の他の型式のエンジンに取り付けられたクランク角センサにも同様に適用可能である。
また、上記ドライブシャフト50やフランジ部28aを利用して保護することが可能なセンサは、上記クランク角センサ42に限られない。すなわち、本発明の構成は、エンジン1の比較的低い位置に取り付けられるセンサであれば、他の種類のセンサに対しても好適に適用することが可能である。
本発明にかかる車両用エンジンのセンサ配設構造が適用されたエンジンの全体構成を示す正面図である。 上記エンジンを車両後方側から見た側面図である。 上記エンジンの前部を拡大して示す正面図である。 上記エンジンの車両後方側の側面を斜め後方から見た斜視図である。 シャフトジョイントブラケットを取り外した状態の図4相当図である。 ドライブシャフトの先端部およびその近傍のエンジン部品を前方かつ下方から見た斜視図である。
1 エンジン
2 エンジンルーム
8 クランク軸
28a 後方フランジ部(フランジ部)
42 クランク角センサ
50 ドライブシャフト
51 ドライブシャフト本体
52 自在継手部

Claims (2)

  1. クランク軸が車幅方向を向く姿勢でエンジンルームに配設されたエンジンの側面にセンサを取り付けた車両用エンジンのセンサ配設構造であって、
    上記エンジンの車両後方側の側面に沿って前輪駆動用のドライブシャフトが配置され、
    このドライブシャフトの高さ位置よりも下方に、エンジン構成部品どうしの接合部としてのフランジ部が車両後方側に張り出すように設けられ、
    上記ドライブシャフトの一端側に、ドライブシャフト本体よりも大径の自在継手部が設けられ、
    上記エンジンの車両後方側の側面のうち、上記フランジ部よりも上方に位置しかつ車両後方側から見て上記自在継手部と重複する高さ位置に上記センサが取り付けられたことを特徴とする車両用エンジンのセンサ配設構造。
  2. 請求項1記載の車両用エンジンのセンサ配設構造において、
    上記センサがクランク角センサであることを特徴とする車両用エンジンのセンサ配設構造。
JP2008238134A 2008-09-17 2008-09-17 車両用エンジンのセンサ配設構造 Active JP4715892B2 (ja)

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