JP5849688B2 - ベルト式無段変速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばスクータ型の自動二輪車等に用いられるベルト式無段変速装置に関する。
従来、スクータ型の自動二輪車等においては、ベルト式無段変速装置や遠心クラッチや減速機等の伝達機構を介して、エンジンの回転が駆動輪に伝達されるようになっている。
上記したベルト式無段変速装置として、特許文献1には、エンジンのクランクシャフトと一体に回転するドライブプーリ(「プライマリシーブ61」参照)と、このドライブプーリの後方に設けられ、ドライブプーリにVベルトを介して接続されるドリブンプーリ(「セカンダリシーブ62」参照)と、ドライブプーリとVベルトとドリブンプーリとを収納するベルト室と、を備えたものが開示されている。
このようなベルト式無段変速装置において、ベルト室に水が溜まると、この水が各プーリとVベルトの接触部分に入り込んでベルトスリップが発生したり、上記した水が各プーリに付着して各プーリの錆びの原因になったりする虞が有る。そこで、ベルト室から水を抜くための排水構造を備えたベルト式無段変速装置が知られている。
このような排水構造を備えたベルト式無段変速装置の従来例を、本願図6に示す。ベルト式無段変速装置60は、ベルトケース61を備えており、このベルトケース61とクランクケース(図示せず)の間には、ドライブプーリ、Vベルト及びドリブンプーリ(いずれも図示せず)を収納するベルト室62が形成されている。このベルト室62は、隔壁63によって前側室64と後側室65に仕切られている。ベルトケース61の底壁66には、前側室64と対応する位置に排水口67が設けられ、この排水口67にはパイプ(ユニオン)68が接続され、パイプ68の先端にはダックビル69が取り付けられている。そして、前側室64に溜まった水Wを、上記したパイプ68及びダックビル69を介して、外部に排出できるようになっている。
特開2011−57058号公報
しかしながら、上記の排水構造では、ベルトケース61の底壁66に設けられた排水口67にパイプ68を接続しているため、パイプ68が必然的にベルトケース61の下方に突出することになる。そのため、例えば自動二輪車が不整地を走行している際に段差等にパイプ68が接触してダックビル69がパイプ68から脱落してしまう虞が有る。このようにダックビル69が脱落すると、露出したパイプ68の先端からベルト室62に水や塵が入り、防水性能及び耐塵性能の低下を招く。
また、ダックビル69は通常ゴム製であり、製品ごとの寸法のバラツキが存在するため、ダックビル69がパイプ68から自然に脱落してしまう事態も生じうる。この場合、上記した従来型の排水構造では、ダックビル69の脱落に伴って露出したパイプ68の先端からベルトケース61内に水や塵が入りやすく、この点においても防水性能及び耐塵性能の低下を招くことになる。
また、パイプ68及びダックビル69が外部に露出することになるため、例えば洗車時に誤ってホースを直接ダックビル69に押し当ててしまい、ホースからの水がパイプ68を逆流してベルト室62が浸水する虞が有る。
そこで、本発明は上記の事情を考慮し、排水口に接続される部材が外部に露出するのを防止することで、ベルト室に水や塵が入り込むのを効果的に抑制することを目的とする。
本発明のベルト式無段変速装置は、エンジンのクランクシャフトと一体に回転するドライブプーリと、該ドライブプーリの後方に設けられ、該ドライブプーリにVベルトを介して接続されるドリブンプーリと、前記ドライブプーリと前記Vベルトと前記ドリブンプーリとを収納するベルト室と、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に設けられて前記ベルト室を前側室と後側室に仕切る隔壁と、を備え、該隔壁の下部には、前記前側室に溜まった水を外部に排出するための排水口が設けられていることを特徴とする。
このように隔壁の下部に排水口を設けることで、この排水口に接続される部材を、外部に露出させないように配置することが可能となる。これに伴って、例えば排水口にパイプを介して蓋部材が接続されるような場合に、不整地の段差等にパイプが接触して蓋部材が脱落するのを防止することができ、パイプを介してベルト室に水や塵が入り込むのを効果的に抑制することが可能となる。また、パイプや蓋部材を外部に露出させない構成を採用できるので、洗車時に誤ってホースを蓋部材に直接押し当ててしまうような事態を回避することが可能となり、ベルト室の浸水を防止することが可能となる。
本発明のベルト式無段変速装置は、前記隔壁の後面側には、上端が前記後側室に連通し、下端が外部に連通する排気ダクトが設けられていても良い。
このような構成を採用することにより、外部の水や塵が排水口を介して前側室に吸い込まれるのを、排気ダクト内を流動する冷却風によって防止することが可能となる。そのため、ベルト室に水や塵が入り込みにくくなり、防水性能及び耐塵性能が向上する。
本発明のベルト式無段変速装置は、前記前側室の下面は、後方に向かって下方に傾斜し、該前側室の下面の後端には、下方に向かって凹部が設けられ、前記排水口は、前記凹部の後側を覆う部分の前記隔壁に形成されていても良い。
このような構成を採用することにより、前側室に浸入した水を凹部に誘導して溜めておき、この溜まった水を排水口から排出することが可能となる。また、前側室の下面に設けられた凹部に水を溜めることで、前側室の下面に凹部を設けずに水を溜める場合と比較して、前側室における溜水位置を低くすることが可能となり、前側室に溜まった水がVベルトに付着するのを防止することが可能となる。
本発明のベルト式無段変速装置は、前記排水口に接続されて前記隔壁の下部から後方に向かって突出するパイプと、該パイプに装着される蓋部材と、を備えていても良い。
このようにパイプに蓋部材を装着することで、パイプを介して前側室に水や塵が吸い込まれるのを一層効果的に防止することができる。
本発明のベルト式無段変速装置によれば、排水口に接続される部材が外部に露出するのを防止することで、ベルト室に水や塵が入り込むのを効果的に抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る自動二輪車を示す左側面図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車において、ベルト式無段変速装置及び遠心クラッチを示す平断面図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車において、ベルトケースを示す右側面図である。 図2のA―A部分におけるベルトケースの断面図である。 排水構造の変形例を示す断面図である。 従来例に係るベルト式無段変速装置の排水構造を示す断面図である。
以下、図面に基づき、本発明の好適な実施形態について説明する。本実施形態では、本発明を小型のスクータ型自動二輪車1(以下、「自動二輪車1」と略称する。)に適用した場合について説明する。以下、上下、左右、前後の方向は、自動二輪車1に乗車する運転者から見た方向を示す。なお、各図に適宜示される矢印Fr、Rr、L、Rは、それぞれ車両の前方、後方、左方、右方を示している。
まず、自動二輪車1の全体の構成について説明する。
図1に示されるように、自動二輪車1には、車体カバー2によって覆われる車体フレーム3が設けられている。車体フレーム3は、その前部上端に配置されるヘッドパイプ4と、ヘッドパイプ4から後下方に向かって延設されるダウンチューブ5と、ダウンチューブ5の後端から後上方に向かって延設されるシートレール6と、を備えている。
ヘッドパイプ4には、フロントフォーク7がハンドルバー8と共に回転可能に支持されている。フロントフォーク7の下端には前輪10が軸支され、前輪10の上方を覆うようにしてフロントフェンダ11が設けられている。
ダウンチューブ5の後下部には、パワーユニット12が上下方向揺動可能に支持されており、パワーユニット12の後端部には後輪13が軸支され、後輪13の上方を覆うようにしてリヤフェンダ14が設けられている。リヤフェンダ14の前上方には運転者シート15が設けられている。
次に、パワーユニット12について説明する。
パワーユニット12の前部には、エンジン(詳細は図示略)が設けられている。エンジンは、例えばSOHC式の空冷単気筒型である。図2に示されるように、エンジンはクランクケース16を備えており、このクランクケース16内には、クランクシャフト17が車幅方向(左右方向)に沿って軸支されている。
エンジンの左方には、ベルト式無段変速装置18が設けられている。ベルト式無段変速装置18は、例えば乾式の変速装置であり、ドライブプーリ20と、ドライブプーリ20の後方に設けられ、ドライブプーリ20と無端状のVベルト21を介して接続されるドリブンプーリ22と、ドライブプーリ20とVベルト21とドリブンプーリ22の左側を覆うように設けられるベルトケース23と、を備えている。なお、図3はベルトケース23の右側面図であるが、二点鎖線Xから二点鎖線Yまでの範囲についてのみ、図2のB−B部分の断面を示している。
ドライブプーリ20は、クランクシャフト17の左端部に配置されている。ドライブプーリ20の径L1は、ドリブンプーリ22の径L2よりも小さい。図3に示されるように、ドライブプーリ20におけるVベルト21の巻き掛け半径R1は、ドリブンプーリ22におけるVベルト21の巻き掛け半径R2よりも小さい。
図2に示されるように、ドライブプーリ20は、クランクシャフト17に固定される固定フェイス24と、固定フェイス24の右側に配置され、クランクシャフト17の軸方向(左右方向)に沿ってスライド可能な可動フェイス25と、を備えている。ドライブプーリ20の固定フェイス24の左側には、この固定フェイス24と同軸上且つ一体にベルト冷却ファン26が設けられている。ドライブプーリ20の可動フェイス25には、ウェイトローラ27が取り付けられている。
ドリブンプーリ22は、クランクシャフト17の後方に車幅方向に沿って軸支される従動軸28の左側部に配置されている。ドリブンプーリ22は、従動軸28の外周に回転可能に取り付けられるスリーブ30に固定される固定フェイス31と、固定フェイス31の左側に配置され、従動軸28の軸方向(左右方向)に沿ってスライド可能な可動フェイス32と、を備えている。ドリブンプーリ22の可動フェイス32は、コイルスプリング33によって固定フェイス31側(右側)に付勢されている。
ドリブンプーリ22は、遠心クラッチ34を介して従動軸28と接続され、従動軸28は減速機(図示略)を介して後輪13と接続されている。遠心クラッチ34は、例えば乾式のクラッチであり、スリーブ30に固定されるベースプレート35と、ベースプレート35に固定されるクラッチシュー36と、クラッチシュー36の外周を覆うように設けられ、従動軸28の左端部に固定されるクラッチハウジング37と、を備えている。
ベルトケース23は、クランクケース16の左側に取り付けられており、ベルトケース23とクランクケース16の間には、前記したドライブプーリ20、Vベルト21及びドリブンプーリ22を遠心クラッチ34とともに収納するベルト室38が形成されている。ベルト室38は、前側が後側よりも高くなるように傾斜しているが、便宜上、図3等においてはベルト室38を略水平に記載している。
図3に最も良く示されるように、ベルトケース23には上下方向に延びる隔壁40が設けられ、この隔壁40によってベルト室38が前側室41と後側室42に仕切られており、前側室41にはドライブプーリ20が収納され、後側室42にはドリブンプーリ22が収納されている。隔壁40は、ドライブプーリ20とドリブンプーリ22の間で、且つ、ドライブプーリ20よりもドリブンプーリ22に近い位置に設けられており、ドライブプーリ20からは離間している。
隔壁40の後面側には、ドリブンプーリ22との間に排気ダクト43が上下方向に形成されている。排気ダクト43は、前側を隔壁40によって覆われている。排気ダクト43の上端は、ベルト室38の後側室42に連通し、排気ダクト43の下端は外部空間(ベルトケース23の下方の空間)と連通している。
隔壁40の下部には、排水口44が前後方向に貫通形成されている。排水口44には、隔壁40の下部から後方に向かって突出するパイプ45が接続されている。パイプ45は、隔壁40と一体に形成されており、パイプ45の突出端部は、排気ダクト43内に配置されている。つまり、パイプ45は、排気ダクト43の下端よりも上方に位置している。
隔壁40の下端部は、ベルトケース23の底壁46よりも下方に延びている。隔壁40の下端部には、後方に向かって保護壁47が突設され、保護壁47によってパイプ45の下側が覆われている。保護壁47は、ベルトケース23の底壁46と段差状を成している。
パイプ45には、蓋部材としてのダックビル48が装着されている。ダックビル48は、パイプ45と共に排気ダクト43内に配置されている。ダックビル48は、例えばゴム製であり、パイプ45側からの加圧によってのみ開弁するチェック弁としての機能を有している。
ベルト室38の前側室41の下面は、後方に向かって下方に傾斜している。前側室41の下面の後端には下方に向かって凹部50が形成され、この凹部50の後側を覆う部分の隔壁40に、前記した排水口44が設けられている。ベルトケース23の底壁46には、凹部50の設置に伴って、前上方に傾斜する傾斜壁51が隔壁40の前方に形成されている。
図2及び図4に示されるように、ベルトケース23の前下端部には吸気口52が設けられており、この吸気口52を介して、外部空間(ベルトケース23の左方の空間)と前側室41が連通している。
上記の如く構成されたものにおいて、ベルト式無段変速装置18の作用について説明する。エンジンが駆動すると、エンジンのクランクシャフト17が回転し、ドライブプーリ20がクランクシャフト17と一体に回転する。このドライブプーリ20の回転は、Vベルト21を介してドリブンプーリ22に伝達され、ドリブンプーリ22が回転する。
エンジンのクランクシャフト17の回転数が上昇すると、ウェイトローラ27にかかる遠心力が増大する。これに伴って、ウェイトローラ27がドライブプーリ20の可動フェイス25を固定フェイス24側に押圧して移動させ、ドライブプーリ20におけるVベルト21の巻き掛け半径が大きくなる。一方、ドリブンプーリ22の可動フェイス32がコイルスプリング33の付勢力に抗してドリブンプーリ22の固定フェイス31から離間する方向に移動し、ドリブンプーリ22におけるVベルト21の巻き掛け半径が小さくなる。このようにして、ドライブプーリ20及びドリブンプーリ22におけるVベルト21の巻き掛け半径が無段階に調節され、エンジンの回転が無段階に変速されてドリブンプーリ22に伝達される。
次に、遠心クラッチ34の作用について説明する。上記のようにして、エンジンの回転がドリブンプーリ22に伝達されると、ドリブンプーリ22、スリーブ30、ベースプレート35及びクラッチシュー36が一体に回転する。そして、エンジンの回転数が上昇すると、クラッチシュー36の回転数も上昇し、クラッチシュー36にかかる遠心力が高まる。これに伴って、クラッチシュー36がクラッチハウジング37に接触し、ドリブンプーリ22の回転が遠心クラッチ34を介して従動軸28に伝達されて、従動軸28が回転する。この従動軸28の回転は、変速機(図示せず)を介して後輪13に伝達され、後輪13が回転する。これにより、自動二輪車1が走行する。
次に、ベルト式無段変速装置18の冷却作用について説明する。上記のようにクランクシャフト17が回転すると、ドライブプーリ20の固定フェイス24に設けられたベルト冷却ファン26が、クランクシャフト17と一体に回転する。これに伴って、図2及び図4に矢印aで示されるように、吸気口52を介して冷却用の空気が外部からベルト室38の前側室41内に導入される。この導入された空気は、図2に矢印bで示されるように、冷却風となってベルト室38を前側室41から後側室42に向かって流動し、ベルト室38を冷却する。この冷却風は、図2及び図3に矢印cで示されるように、後側室42から排気ダクト43の上端に流入し、図3に矢印dで示されるように、排気ダクト43の下端から外部に排出される。
次に、ベルト式無段変速装置18の排水作用について説明する。ベルト室38の前側室41に水が浸入すると、この水は、前側室41の下面の傾斜に沿って前から後ろに向かって流動し、凹部50に溜まる(図3の引き出し線W参照)。この凹部50に溜まった水は、排水口44を介してパイプ45に流入し、図3に点線矢印で示されるように、ダックビル48から排気ダクト43の下端を介して外部に排出される。
本実施形態では、隔壁40の下部に排水口44を設けているため、この排水口44に接続されるパイプ45及びダックビル48を、外部に露出させないように配置することが可能となる。これに伴って、不整地の段差等にパイプ45が接触してダックビル48が脱落するのを防止することができ、ベルト室38に水や塵が入り込むのを効果的に抑制することが可能となる。また、パイプ45やダックビル48を外部に露出させないので、洗車時に誤ってホースをダックビル48に直接押し当ててしまうような事態を回避することが可能となり、ベルト室38の浸水を防止することが可能となる。
また、隔壁40の後面側に排気ダクト43が設けられているため、外部の水や塵が排水口44を介してベルト室38の前側室41に吸い込まれるのを、排気ダクト43内を上から下に流動する冷却風によって防止することが可能となる。そのため、例えばパイプ45に装着されたダックビル48が寸法誤差等によって脱落した場合又はパイプ45にダックビル48等の蓋部材を元々装着していない場合に、露出したパイプ45を介してベルト室38に水や塵が入り込みにくくなり、防水性能及び耐塵性能が向上する。また、ベルト室38の後側室42から排気ダクト43に流入する冷却風は、吸気口52等に設けられるフィルター(図示せず)を通過することで塵が除去されているため、この冷却風に含まれる塵が前側室41に吸い込まれる虞も無い。
また、隔壁40から後方に向かってパイプ45を突出させる構成であるため、パイプ45を屈曲させなくても、パイプ45の突出端部が自然と後方を向くことになる。そのため、従来構造(図6参照)と比較してパイプ45を短くすることができる。
また、後方に向かって下方に傾斜する前側室41の下面の後端に凹部50を設け、この凹部50の後側を覆う部分の隔壁40に排水口44を形成している。そのため、前側室41に浸入した水を凹部50に誘導して溜めておき、この溜まった水を排水口44から排出することが可能となる。また、前側室41の下面に設けられた凹部50に水を溜めることで、前側室41の下面に凹部50を設けずに水を溜める場合と比較して、前側室41における溜水位置を低くすることが可能となり、前側室41に溜まった水がVベルト21に付着するのを防止することが可能となる。
特に、本実施形態では、図3に示されるように、ドライブプーリ20におけるVベルト21の巻き掛け半径R1がドリブンプーリ22におけるVベルト21の巻き掛け半径R2よりも小さくなっており、これに伴って、Vベルト21の下部がベルトケース23の前側室41の下面よりも大きな傾斜で、後方に向かって下方に傾斜している。そのため、Vベルト21の下部と前側室41の下面との距離は、前側室41の後ろ側に行く程短くなっており、これに伴って、隔壁40の近傍では前側室41の下面に溜まった水がVベルト21に付着しやすくなる。
この点、本実施形態では、隔壁40の近傍に凹部50を設けることで、水が溜まる部分とVベルト21との距離を大きくしているため、隔壁40の近傍でも前側室41の下面に溜まった水がVベルト21に付着しにくくなり、ベルトスリップを効果的に抑制することが可能となっている。
また、ドライブプーリ20よりもドリブンプーリ22に近い位置に隔壁40が設けられており、隔壁40がドライブプーリ20とは離間している。そのため、隔壁40によって後側を覆われる凹部50を、ドライブプーリ20から離間した位置に配置することが可能となり、ドライブプーリ20によって凹部50内の水がはね上げられてベルトスリップが発生するような不都合を回避することが可能となる。
また、ベルトケース23の底壁46には、凹部50の形成に伴って傾斜壁51が隔壁40の前方に形成されており、ベルトケース23に対して前方から衝撃が加わった場合に、この衝撃が隔壁40に伝達されるのを傾斜壁51によって抑制することが可能となる。そのため、隔壁40と一体に形成されたパイプ45が上記した衝撃により破損するのを防止することが可能となる。
また、ドライブプーリ20をドリブンプーリ22よりも小径としているため、ドライブプーリ20の径をドリブンプーリ22の径よりも大きくする場合やドリブンプーリ22の径と同一にする場合と比較して、ドライブプーリ20と凹部50との距離を長くすることが可能となる。そのため、上記したベルトスリップの発生を一層効果的に抑制することが可能となる。
なお、ドリブンプーリ22の近傍は、レイアウト上大きなスペースを確保できないため、排水口44を設けたとしてもドリブンプーリ22の近傍に水が溜まり易く、Vベルト21に水が付着する不具合が生じやすい。
また、パイプ45にダックビル48が装着されているため、パイプ45を介して前側室41に水や塵が吸い込まれるのを一層効果的に防止することができる。また、パイプ45の下側を保護壁47で覆っているため、パイプ45の破損を回避することが可能となる。
本実施形態では、パイプ45を隔壁40と一体に形成したが、他の異なる実施形態では、図5(a)に示されるように、パイプ(ユニオン)45を隔壁40と別体に形成しても良い。この場合には、例えば、排水口44に差し込まれる差込み部53と、排水口44の周囲において隔壁40の後面に当接する鍔部54と、鍔部54から後方に突出する突出部55と、によってパイプ45を構成することができる。
本実施形態では、図3に示されるように、保護壁47とベルトケース23の底壁46が段差状を成しているが、他の異なる実施形態では、図5(b)に示されるように、保護壁47とベルトケース23の底壁46が面一に配置されても良い。また、図5(c)に示されるように、保護壁47を設けなくても良い。
本実施形態では、チェック弁としての機能を有するダックビル48を蓋部材として用いる場合について説明したが、他の異なる実施形態では、弁機能を有しない着脱可能なキャップを蓋部材として用いても良い。この場合には、パイプ45からキャップを適宜取り外すことで、排水を行うことが可能となる。また、他の異なる実施形態では、パイプ45に蓋部材を装着しなくても良い。
本実施形態では、スクータ型の自動二輪車1に本発明に係る無段変速装置を用いる場合について説明したが、他の異なる実施形態では、例えばATV(不整地走行車両)等に本発明に係る無段変速装置を用いても良い。
17 クランクシャフト
20 ドライブプーリ
21 Vベルト
22 ドリブンプーリ
38 ベルト室
40 隔壁
41 前側室
42 後側室
43 排気ダクト
44 排水口
45 パイプ
47 保護壁
48 ダックビル(蓋部材)
50 凹部

Claims (4)

  1. エンジンのクランクシャフトと一体に回転するドライブプーリと、
    該ドライブプーリの後方に設けられ、該ドライブプーリにVベルトを介して接続されるドリブンプーリと、
    前記ドライブプーリと前記Vベルトと前記ドリブンプーリとを収納するベルト室と、
    前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に設けられて前記ベルト室を前側室と後側室に仕切る隔壁と、を備え、
    該隔壁の下部には、前記前側室に溜まった水を外部に排出するための排水口が設けられていることを特徴とするベルト式無段変速装置。
  2. 前記隔壁の後面側には、上端が前記後側室に連通し、下端が外部に連通する排気ダクトが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速装置。
  3. 前記前側室の下面は、後方に向かって下方に傾斜し、
    該前側室の下面の後端には、下方に向かって凹部が設けられ、
    前記排水口は、前記凹部の後側を覆う部分の前記隔壁に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のベルト式無段変速装置。
  4. 前記排水口に接続されて前記隔壁の下部から後方に向かって突出するパイプと、
    該パイプに装着される蓋部材と、を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のベルト式無段変速装置。
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