JP2011057058A - エンジンユニット及びそれを備えた自動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】経路長を長くすることができるとともに、ミッション室と連通するブリーザ通路をベルト室内に有するエンジンユニット及びそれを備えた自動二輪車を提供する。
【解決手段】ミッション室からパイプ102を介してブリーザチューブ104に流れ出たオイルを含むガスはパイプ103を通ってベルト室内に形成されたブリーザ通路に流れる。ベルト室内は外気より空気を吸入しているので、ブリーザ通路に流れるガスを効率的に冷却することができる。さらに、ベルト室内にブリーザ通路を有することで、ブリーザ通路の他端が大気開放されていないので、冷間時に発生する負圧によりミッション室内に土埃等が侵入するのを防止することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、ベルト式無段変速機を備えたエンジンユニット及びそれを備えた自動二輪車に関する。
従来、ベルト式無段変速機を備えたエンジンユニットは、ベルト式無段変速機を収容するベルト室と後輪との間に、減速機構を収容するミッション室を備えている。エンジンユニットのミッション室は、ベルト式無段変速機から伝導される回転駆動力を減速する減速機構を収容する。減速機構は複数の歯車で構成されており、歯車の摩擦を低減するためにミッション室内にはオイルが貯留されている。エンジンの回転に伴いミッション室内の歯車が回転すると、歯車の摩擦熱によりミッション室内の温度が上昇する。この温度の上昇により、ミッション室内の圧力も高くなる。そこで、ミッション室には高くなった圧力を抜くブリーザチューブが接続されている。
ミッション室からブリーザチューブへ流れるガス(空気)の中には、ミッション室の温度上昇により気化したオイルやミスト状のオイルが含まれる。ブリーザチューブはこれらの気化したオイルやミスト状のオイルを気液分離する機能も持つ。オイルを含むガスがブリーザチューブを流れる過程で冷却され、液状のオイルがブリーザチューブの壁面に付着する。
また、回転していたエンジンを停止すると、ミッション室内の歯車の回転も停止し、それに伴いミッション室の温度が低下する。温度が低下すると、ミッション室内の圧力が低下して負圧が生じ、空気がブリーザチューブからミッション室内へ吸入される。これより、ブリーザチューブの一端が後輪内の比較的低い位置で大気開放されている場合、後輪が跳ね上げた泥水や土埃などがミッション室内に吸引されてしまうおそれがある。そこで、特許文献1では、十分な冷却効果を得られるとともに、ミッション室内へ泥水や土埃が侵入するのを防止することができる構造が提案されている。
(1)特許文献1の技術
特許文献1に記載のブリーザ構造は、エンジンユニットのミッション室の上部に通じるブリーザチューブをエンジンユニットのベルト室の上部に沿って前方に延出している。さらに、ブリーザチューブの先端がエンジンユニットの上方に配置されるエアクリーナに保持され、上方に向けて開口している。
特開2007−132413号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術の場合、ブリーザチューブはベルト室の上部に沿って、ミッション室からエアクリーナまで延びているので、長くなってしまう。
このようなエンジンユニットでは、ミッション室に泥水や土埃が侵入するのを防止するために、ミッション室をエンジンユニットの上方の比較的高い位置で開放している。この場合、ミッション室から長いブリーザチューブを介して開放することになるので、ブリーザチューブがライダーや草木等にひっかかってしまうおそれがある。また、ひっかかることを防止するためにブリーザチューブをエンジンユニットに固定する場合は、そのための構造が必要になり、構造が複雑になってしまう問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、エンジンユニットのケース外に形成されたブリーザチューブを短くしながら、十分な冷却性が得られるとともに、ミッション室内に泥水や土埃が侵入することを抑制したエンジンユニット及びそれを備えた自動二輪車を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明に係るエンジンユニットは、クランク軸を有するエンジンと、前記クランク軸の軸方向に前記エンジンと隣接して配置され、前記クランク軸の回転を伝達するベルト式無段変速機を収容するベルト室と、前記エンジンの後方に配置され、前記ベルト室の後部と隣接し、前記ベルト式無段変速機から後輪へ動力を伝達する減速機構を収容し、内部にオイルを貯留するミッション室とを備え、前記ベルト式無段変速機は、前記クランク軸とともに回転するプライマリシーブと、前記プライマリシーブとの間に巻き掛けられるVベルトにより動力が伝達されるセカンダリシーブとを備え、前記ベルト室は、前記ベルト室内へ空気を導入する導入口と、前記ベルト室外へ空気を排出する排出口と、前記ベルト室の内部に前記クランク軸の軸方向視で前記ミッション室の前端より後方に位置し、前記ミッション室と連通したブリーザ通路と、前記ブリーザ通路と前記ベルト式無段変速機との間に配置される仕切り部材とを備えているエンジンユニットである。
本発明によれば、エンジンユニットは、クランク軸の軸方向にエンジンと隣接して配置され、クランク軸の回転を伝達するベルト式無段変速機を収容するベルト室と、エンジンの後方に配置され、ベルト室の後部と隣接し、ベルト式無段変速機から後輪へ動力を伝達する減速機構を収容し、内部にオイルを貯留するミッション室とを備えている。ベルト室は、内部にベルト式無段変速機が収容されている。
さらに、クランク軸の軸方向視でミッション室の前端より後方に位置し、ミッション室と連通したブリーザ通路がベルト室内に備えられている。また、ベルト室内は、仕切り部材によりブリーザ通路とベルト式無段変速機とが仕切られている。
ベルト室は、ベルト室内に空気を導入する導入口と、空気を排出する排出口が備えられてあり、Vベルトの回転によりベルト室内の空気が循環される。これにより、ベルト式無段変速機は循環される空気により冷却され、耐久性が確保される。ベルト室はその内部が高温になることを抑制する構造となっている。
この発明に係るエンジンユニットによれば、ベルト室を冷却する構造によって、ベルト室内に備えられたブリーザ通路を冷却することができ、効率的にブリーザ通路を冷却することができる。また、ベルト室に備えられたブリーザ通路は、その容積の自由度が大きい。ブリーザ通路の空間を大きくした場合には、冷却性をより向上させることができる。また、ベルト室内にブリーザ通路が備えられているので、ブリーザ通路と連通するミッション室に泥水や土埃等が侵入することを抑制できる。
さらに、ブリーザ通路はクランク軸の軸方向視でミッション室の前端より後方に位置しているので、ベルト室内のブリーザ通路とミッション室とを近い位置に配置することができる。これにより、ベルト室内のブリーザ通路とミッション室とを短い距離で連通することができる。仮に、ブリーザ通路とミッション室との連結に、エンジンユニットの外部に配設したブリーザチューブを用いる場合であっても、エンジンユニットの外部に配設するブリーザチューブを短くすることができる。
また、ベルト室内は、仕切り部材によりブリーザ通路とベルト式無段変速機とが仕切られている。ブリーザ通路で冷却され液化したオイルは仕切り部材によりベルト式無段変速機に降りかかることが抑制される。これにより、ベルト室内にブリーザ通路を設けても、ベルト式無段変速機の機能を損なうおそれはない。
以上より、エンジンユニットのケース外に配設されたブリーザチューブを短くしながらも十分な冷却性が得られるとともに、ミッション室内に泥水や土埃が侵入することを抑制することができる。
実施例1に係る自動二輪車の概略構成を示す側面図である。 実施例1に係るエンジンユニットの概略左側面図である。 図2のA−A線に沿ったエンジンユニットの概略横断面図である。 実施例1に係る外側ケースの左側面図である。 実施例1に係るミッション室の正面図である。 実施例1に係る内側ケースのミッション室周辺の側面図である。 実施例1に係るエンジンユニットの後部の斜視図である。 実施例1に係る内側ケースと外側ケースとの接合面に挟まれたガスケットの左側面図である。 図3のベルト室の後端部周辺の拡大図である。 実施例1に係るクランクケースと外側ケースとの接合面から側面視した外側ケースの側面図である。 実施例2に係るベルト室の後端部周辺の拡大図である。 実施例2に係る内側ケースのミッション室周辺の側面図である。 実施例2に係る内側ケースと外側ケースとの後端部の断面図である。 変形例に係る外側ケースの左側面図である。 変形例に係るエンジンユニットの概略横断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
ここでは、実施例1に係るエンジンユニットを備える自動二輪車として、スクータ型自動二輪車を例に挙げて説明する。なお、以下の説明で、前後および左右とは自動二輪車の走行方向を基準としている。
1.自動二輪車の概略構成
図1は、実施例1に係る自動二輪車1の概略構成を示す側面図である。自動二輪車1はいわゆるアンダーボーン型の車体フレーム2を備える。車体フレーム2の前端上部にはヘッドパイプ3が設けられている。ヘッドパイプ3にはフロントフォーク4が左右方向に揺動可能に支持されている。フロントフォーク4の上端部にはハンドル5が連結されており、ハンドル5の操作によってフロントフォーク4が揺動する。フロントフォーク4の下端部には前輪6が回転可能に取り付けられている。
車体フレーム2の中央に設けたブラッケット2bに揺動可能にエンジンユニット7のエンジンユニット支持部15(図2参照)が取り付けられている。すなわち、エンジンユニット7はユニットスイングエンジンである。エンジンユニット7の後部には後輪8が回転可能に軸支されている。車体フレーム2の後部とエンジンユニット7との間には、エンジンユニット7の揺動を緩衝するリヤクッション9が設けられている。エンジンユニット7の上方にはシート10が設けられている。エンジンユニット7の前方側部には、外気を取り入れるダクト11が設けられている。車体フレーム2は車体カバー12に覆われている。
ダクト11は、エンジンユニット7の上方、かつ、車体カバー12の内側で開口している。ダクト11の開口部の位置は、車体カバー12の内側であればどこでもよい。前輪6または後輪8によって巻き上げられた泥水や土煙がダクト11内に入ることが抑制できる位置であればよい。例えば、シート10の後部下方の車体カバー12の内側で開口してもよいし、前輪6と後輪8との間のフートボード13の下方で開口してもよい。また、前輪6の後方の車体カバー12の内側や前輪6の上方の車体カバー12の内側で開口してもよい。
エンジンユニット7の後部は、後輪8の側方に配置される。つまり、エンジンユニット7の後部は、側面視で後輪と重なる位置に配置される。側面視でエンジンユニット7とシート10との間に位置する車体カバー12は、側面視でエンジンユニット7の後方かつ上方に延びている。後輪8は車体カバー12の下方に配置される。エンジンユニット7の後部は外部に露出している。エンジンユニット7の上方かつ後輪8の前方には、エアクリーナ14が配置される。
2.エンジンユニットの構成
図2および図3を参照して自動二輪車1に備えられたエンジンユニット7の構成を説明する。図2は外側カバーとベルト式無段変速機とを取り除いたエンジンユニットの概略左側面図、図3は図2のA−A線に沿ったエンジンユニットの外側カバーとベルト式無段変速機を含む概略横断面図である。
エンジンユニット7は、エンジン21と、エンジン21の左後方に配設されたベルト室22と、ベルト室22の右後方に配設されたミッション室23とを有する。
エンジンユニット7は左右に開口するクランクケース24と、クランクケース24の左方に接続し、クランクケース24の外周面と突き合せ接続される外側ケース25とを有する。クランクケース24はクランク軸26の一部を収容する左クランクケース27と外側ケース25の外周突き合せ面と接続される内側ケース28とが一体形成されたものである。
エンジンユニット7は、さらに、内側ケース28と外側ケース25との間に配置され、内側ケース28と接続されるミッションケース29を有する。内側ケース28とミッションケース29との接続部は、側面視で、内側ケース28と外側ケース25との接続部の内側に位置する。内側ケース28とミッションケース29との接続部は、上面視で、内側ケース28と外側ケース25との接続部よりシリンダ軸線側に位置する。
エンジン21はクランク部30とシリンダ部31とを有している。クランク部30は、クランクケース24の前部の左クランクケース27と右クランクケース38とを備えている。クランク部30は、クランク軸26の中心部を収容する。
シリンダ部31はクランク部30の前方に接続される。シリンダ部31は、左クランクケース27と右クランクケース38のそれぞれの前方に結合されたシリンダブロック32と、シリンダブロック32の前方に結合されたシリンダヘッド33と、シリンダヘッド33の前方に結合されたシリンダヘッドカバー34とを有している。
シリンダブロック32の内部にはシリンダ35が形成されている。シリンダ35の中をピストン36がシリンダ軸方向に往復運動する。ピストン36はコンロッド37を介してクランク軸26に接続されている。シリンダヘッド33とシリンダ35とピストン36により燃焼室41が形成されている。
クランク軸26の右方はオルタネータ39に連結される。冷却ファン40はオルタネータ39の右方でクランク軸26に連結される。
クランク軸26の左方はエンジン21からベルト室22へ延伸している。ベルト室22は、内側ケース28と、内側ケース28の後部と結合されたミッションケース29と、内側ケース28と結合された外側ケース25とで形成される。ベルト室22は、外側ケース25よりも右方であって、クランクケース24とミッションケース29よりも左方に形成された空間を指す。ベルト室22は、エンジン21より延伸されたクランク軸26の回転を伝達するベルト式無段変速機(Continuously Variable Transmission;以下、CVTと称す)53を収容する。
CVT53は、プライマリシーブ61と、セカンダリシーブ62と、プライマリシーブ61とセカンダリシーブ62とに巻き掛けられたVベルト66とを有する。
ベルト室22の前部には、ベルト室22内でクランク軸26の一端部に支持されるプライマリシーブ61が配置される。プライマリシーブ61はクランク軸26の回転と共に回転する。ベルト室22の後部には、従動軸63に支持されるセカンダリシーブ62が配置される。従動軸63は、クランク軸26と平行に配置されている。従動軸63は、セカンダリシーブ62より左方で、軸受60を介して外側ケース25に支持されている。従動軸63は、セカンダリシーブ62よりも右方で、軸受64を介してミッションケース29に支持されている。従動軸63の右側端部は軸受65を介して内側ケース28に支持されている。クランク軸26の回転は、プライマリシーブ61とVベルト66とセカンダリシーブ62とを介して従動軸63に伝達される。
プライマリシーブ61は、車両左右方向の左方、つまりシリンダ軸線を中心として車幅方向の外側に位置する固定シーブ体67と、車両左右方向の右方、つまり車幅方向の内側に位置し固定シーブ体67に対向する可動シーブ体68とを備えている。固定シーブ体67は、クランク軸26に固定されており、クランク軸26と共に回転する。可動シーブ体68は、固定シーブ体67より右側に配置されており、クランク軸26に沿ってスライド可能に取り付けられている。可動シーブ体68の右側部分にはローラウエイト58が配設されている。これより、可動シーブ体68は、クランク軸26と共に回転しつつ、クランク軸26の回転によりクランク軸26の軸方向にスライド可能である。
セカンダリシーブ62は、車両左右方向の右方に位置する固定シーブ体69と、車両左右方向の左方に位置し固定シーブ体69に対向する可動シーブ体70とを備えている。可動シーブ体70は、従動軸63と共に回転しつつ、従動軸63の軸方向にスライド可能である。
次に、図4も参照する。図4は外側ケース25の左側面図である。図4に記載されている矢印はベルト室22内に導入される空気の流れを示している。
プライマリシーブ61の固定シーブ体67の左側部分には、送風用の複数の羽根71が形成されている。また、外側ケース25のプライマリシーブ61の側方部分には、吸気口72が形成されている。導入カバー76が外側ケース25の左方に位置し、吸気口72の側方を覆うように配置されている。導入カバー76にはダクト11が接続されている。導入カバー76により、ダクト11から導入された外気が吸気口72に導風される。
このような構成により、固定シーブ体67がクランク軸26と共に回転すると、羽根71により、ダクト11および吸気口72を通じてベルト室22内に空気が導かれる。導かれた空気は、羽根71およびVベルト66の回転により、セカンダリシーブ62の方へ流れる。セカンダリシーブ62へ流れた空気は、外側ケース25から車両左右方向の右方に延びた隔壁73に衝突し、ベルト室22内を従動軸63の回転に伴って回転する。回転した空気の一部は、外側ケース25の下部に形成された排気口74よりベルト室22の外部へ排出される。
次に図5を参照してミッション室23の構成を説明する。図5はミッション室23の正面図である。ミッション室23は、内側ケース28の後部とミッションケース29とで形成される。ミッション室23はミッションケース29を隔ててベルト室22と隣接しており、その内部にオイルを貯留している。ミッション室23には、歯車減速機構75が収容されている。
ミッション室23には、従動軸63と平行に中間軸81と後輪軸82とが設けられている。中間軸81の左端は軸受85を介してミッションケース29に支持されている。中間軸81の右端は軸受86を介して内側ケース28に支持されている。後輪軸82の左側部分は軸受89を介してミッションケース29に支持されている。後輪軸82の右側部分は軸受90を介して内側ケース28に支持されている。従動軸63に設けられる第1歯車83と中間軸81に設けられた第2歯車84とが噛み合う。中間軸81に設けられる第3歯車87と後輪軸82に設けられる第4歯車88とが噛み合う。歯車減速機構75は、従動軸63、第1歯車83、第2歯車84、中間軸81、第3歯車87、第4歯車88、後輪軸82とで構成される。
歯車減速機構75を収容するミッション室23内の下部には、歯車減速機構75を構成する第1〜第4歯車83、84、87、88の一部が浸されるオイルが貯留されている。このオイルは第1〜第4歯車83、84、87、88の潤滑剤として機能する。
図6をさらに参照する。図6は内側ケースのミッション室周辺の側面図である。
ミッション室23内のガスを外部に排出する通路101がミッション室23の上部に設けられている。さらに、パイプ102が内側ケース28の上部から圧入されて通路101と連通している。パイプ102は、一端がミッション室23に位置し、他端がエンジンユニット7の外部に位置している。パイプ102の他端には、ブリーザチューブ104が接続される。
第1〜第4歯車83、84、87、88の回転に伴って各歯車に摩擦熱が発生する。これらの摩擦熱によりオイルの温度が上昇するとともに、ミッション室23内の温度も上昇する。これらの温度上昇に伴いミッション室23内の圧力が増大するので、ミッション室23内のガスGaは通路101とパイプ102を通ってミッション室23の外部へ流れる。
3.ブリーザ通路の構成
図7〜図10を参照してベルト室22内に設けられたブリーザ通路の構成を説明する。図7はエンジンユニットの後部の斜視図であり、図8は内側と外側ケースとの接合面に挟まれたガスケットの左側面図であり、図9は図3のベルト室の後端部周辺の拡大図であり、図10はクランクケースと外側ケースとの接合面から側面視した外側ケースの側面図である。
ミッション室23の上部に設けられたパイプ102は外側ケース25の上部に圧入されたパイプ103とブリーザチューブ104を介して連結されている。パイプ103は外側ケース25の外部から内部へと貫通している。パイプ103の一端は、ブリーザチューブ104と接続されている。パイプ103の他端は、外側ケース25とガスケット105とで形成されたブリーザ通路106と接続されている。このように、ミッション室23とブリーザ通路106とは、パイプ102、ブリーザチューブ104およびパイプ103を介して連通している。また、ミッション室23へのオイルの補充は、オイル注入口107から行うことができる。
ブリーザ通路106は、外側ケース25の後部の内周面に沿って形成されている。ブリーザ通路106は、ベルト室22の後方に形成されている。ブリーザ通路106は、セカンダリシーブ62の後方に位置している。言い換えると、ブリーザ通路106は、後方視で、セカンダリシーブ62と重なる。ブリーザ通路106は本発明におけるブリーザ通路に相当する。
ガスケット105は内側ケース28と外側ケース25との接合面に挟まれている。ガスケット105は、その後部に内側ケース28と外側ケース25との接合面よりも内側に大きく張り出した張り出し面113を有している。ガスケット105の張り出し面113はミッションケース29と外側ケース25との間に設けられている。ガスケット105は平板の形状をしており、その材質は厚手の紙またはゴムである。
外側ケース25の後部には、外側ケース25と一体に形成された隔壁73と隔壁108とを備える。隔壁73と隔壁108は外側ケース25の内側の面である内側ケース28側の面から内側ケース28と外側ケース25との接続面の方向に延びている。隔壁73と隔壁108は、車両左右方向で、外側ケース25と内側ケース28の接続面と同じ位置まで延びている。ブリーザ通路106は、外側ケース25の後部の内周面114と、隔壁108と、ガスケット105により形成される。外側ケース25の内部には、外側ケース25の剛性を強化するリブ109が備えられている。ブリーザ通路106とセカンダリシーブ62との間には隔室110が設けられている。隔室110は隔壁73と、隔壁108と、外側ケース25とガスケット105とで形成されている。
ブリーザ通路106の下端部は、ベルト室22と連通しているとともに、ドレインパイプ111と連結されている。ドレインパイプ111の端部は閉じられているのでブリーザ通路106内で液化されたオイルは、透明のドレインパイプ111に溜まる。ドレインパイプ111は本発明における排水管に相当する。
4.オイルを含むガスの流れ
次に、ミッション室23で発生したオイルを含むガスGaの流れを説明する。
図6および図7を参照する。ミッション室23で発生したミストオイル及び気化したオイルを含むガスGaは、ミッション室23内の圧力上昇と共に、通路101からパイプ102を介してブリーザチューブ104へ流れる。この過程で、液滴の大きいオイルは通路101、パイプ102およびブリーザチューブ104の壁面と衝突することで液化してミッション室23内へ還流される。
また、ガスGaがパイプ102およびブリーザチューブ104へ流れることで、つまりエンジンユニット7の外部へと流れることで、ガスGaは外気に冷却される。ガスGaが外気に冷却されることで冷却効果が高められ、気化したオイルを効率よく液化することができる。液化したオイルはミッション室23内へ還流される。ブリーザチューブ104はパイプ103からパイプ102へ低くなるように勾配が形成されていることが好ましい。この場合、ブリーザチューブ104内で液化されたオイルがミッション室23へ還流されやすい。
図9および図10を参照する。ブリーザチューブ104へ流れたガスGaはさらにパイプ103を介してベルト室22内に形成されたブリーザ通路106へ流れる。ブリーザ通路106はミッション室23と隔絶されて形成されているので、高温なミッション室23の熱がブリーザ通路106へ伝導することがない。さらに、ブリーザ通路106はベルト室22内を流れる空気の流れに沿って形成されているので、ガスケット105はベルト室22内を流れる空気により冷却されている。また、ブリーザ通路106は、外側ケース25の後端の内周面114に沿って形成されているのでブリーザ通路106が外気により冷却される。このように、ブリーザ通路106は、ベルト室22内を流れる空気と、外側ケース25の後端の内周面114を介して流れる外気との両方により冷却されている。
ブリーザ通路106に流入したオイルを含むガスGaは、冷却されながらブリーザ通路106の壁面およびリブ109に衝突することでオイルが液化され付着する。ブリーザ通路106の壁面およびリブ109に付着したオイルはブリーザ通路106に沿って下方に流れ、通路孔115を通ってドレインパイプ111に溜まる。このように、ミッション室23から流れてきたガスGaに含まれるオイルを大気中に放出することなく、液体としてドレインパイプ111から回収することができる。
ブリーザ通路106とセカンダリシーブ62とが配置されたベルト室22とはガスケット105により区画されているので、ブリーザ通路106で液化されたオイルがセカンダリシーブ62に降りかかるのを防止することができる。また、ブリーザ通路106とセカンダリシーブ62との間に隔室110を形成することで、ブリーザ通路106で液化されたオイルがセカンダリシーブ62に降りかかるのをより防止することができる。
また、クランク軸26の回転の停止に伴い、歯車減速機構78の第1〜第4歯車83、84、87、88の回転が停止すると、ミッション室23の温度が低下する。この冷間時には、ミッション室23に負圧が発生するので、ミッション室23内へ空気が流入する。この場合、ベルト室22内の空気がブリーザ通路106を通過して、パイプ103、ブリーザチューブ104、パイプ102、通路101を介してミッション室23へ流れる。
ベルト室22内の空気は、ダクト11から吸入している。ダクト11は車体カバー12内で開口しているので、後輪8が巻き上げる土埃を吸入しにくい。また、ダクト11内に土埃等が吸入されても、ダクト11の壁面や導入カバー76の壁面に吸着されるので、ベルト室22内へ土埃の侵入が抑制される。また、排気口74からは空気がベルト室22の内部から外部へ流れるので、この流れに反して土埃等は浸入しにくい。このようにベルト室22は泥水や土埃が内部へ侵入するのを抑制した構造を有している。また、ベルト室22内に侵入した土埃等は、ベルト室22内の空気の流れにより排気口74からベルト室22の外部へ排出される。ベルト室22は、その内部に土埃等が堆積しにくい構造を有している。
これにより、ベルト室22内の空気がブリーザ通路106を経由してミッション室23へ流入しても、ミッション室23内へ土埃等が侵入するのを防止することができる。また、もしベルト室22内へ吸引された空気に少量の土埃等が含まれる場合、ブリーザ通路106等の壁面やリブ109に付着するので、ミッション室23内へ土埃等が侵入するのを防止することができる。
また、ブリーザチューブ104内に土埃等を吸着するフィルタ112を設けてもよい。ベルト室22内から流入する空気から土埃等が除去されるので、ミッション室22へ土埃等が侵入するのをより防止することができる。
実施例1によれば、エンジンユニット7は、クランク軸26の軸方向にエンジン21と隣接して配置され、クランク軸26の回転を伝達するベルト式無段変速機53を収容するベルト室22と、エンジン21の後方に配置され、ベルト室22の後部と隣接し、ベルト式無段変速機53から後輪8へ動力を伝達する減速機構を収容し、内部にオイルを貯留するミッション室23とを備えている。ベルト室22は、内部にベルト式無段変速機53が収容されている。歯車減速機構75は減速機構に相当する。
さらに、クランク軸26の軸方向視でミッション室23の前端より後方に位置し、ミッション室23と連通したブリーザ通路106がベルト室22内に備えられている。また、ベルト室22内は、仕切り部材によりブリーザ通路106とベルト式無段変速機53とが仕切られている。
ベルト室22は、ベルト室22内に空気を導入する導入口と、空気を排出する排出口が備えられてあり、Vベルト66の回転によりベルト室22内の空気が循環される。吸気口72は導入口に相当し、排気口74は排出口に相当する。これにより、ベルト式無段変速機53は循環される空気により冷却され、耐久性が確保される。ベルト室22はその内部が高温になることを抑制する構造となっている。
ベルト室22を冷却する構造によって、ベルト室22内に備えられたブリーザ通路106を冷却することができ、効率的にブリーザ通路106を冷却することができる。また、ベルト室22に備えられたブリーザ通路106は、その容積の自由度が大きい。ブリーザ通路106の空間を大きくした場合には、冷却性をより向上させることができる。また、ベルト室22内にブリーザ通路106が備えられているので、ブリーザ通路106と連通するミッション室23に泥水や土埃等が侵入することを抑制できる。
さらに、ブリーザ通路106はクランク軸26の軸方向視でミッション室23の前端より後方に位置しているので、ベルト室22内のブリーザ通路106とミッション室23とを近い位置に配置することができる。これにより、ベルト室22内のブリーザ通路106とミッション室23とを短い距離で連通することができる。ブリーザ通路106とミッション室23との連結に、エンジンユニット7の外部に配設したブリーザチューブ104を用いても、エンジンユニット7の外部に配設するブリーザチューブ104を短くすることができる。
また、ベルト室22内は、仕切り部材によりブリーザ通路106とベルト式無段変速機53とが仕切られている。ブリーザ通路106で冷却され液化したオイルは仕切り部材によりベルト式無段変速機53に降りかかることが抑制される。これにより、ベルト室22内にブリーザ通路106を設けても、ベルト式無段変速機53の機能を損なうおそれはない。
以上より、エンジンユニット7のケース外に配設されたブリーザチューブ104を短くしながらも十分な冷却性が得られるとともに、ミッション室23内に泥水や土埃が侵入することを抑制することができる。
また、実施例1は、互いに接合して内部に空間を形成する外側ケース25及び内側ケース28と、内側ケース28と接合し、空間をベルト室22及びミッション室23に分割し、内側ケース28と共にミッション室23を形成するミッションケース29と、内側ケース28と外側ケース25との間に設けられるシール部材とを備え、仕切り部材は外側ケース25と一体に形成された隔壁108とシール部材を有し、ブリーザ通路106は外側ケース25と隔壁108とシール部材とにより形成されている。ガスケット105はシール部材に相当する。
ブリーザ通路106を外側ケース25と内側ケース28との間に配置されるシール部材と、外側ケース25と一体に形成された隔壁108と、外側ケース25とで形成した。これより、簡単な構造で十分な冷却性が得られるとともに、ミッション室23内に泥水や土埃が侵入することを抑制できる。
また、ベルト室22には導入口から導入された空気がプライマリシーブ61、セカンダリシーブ62およびVベルト66に沿って流れる空気の流れが形成されており、ブリーザ通路106はベルト室22内を流れる空気の流れに沿って形成される。ブリーザ通路106がベルト室22内を流れる空気の流れに沿って形成されることで、ブリーザ通路106内を流れるガスをより効率的に冷却することができる。
また、ブリーザ通路106はベルト室22の後部の内周面114に沿って形成されている。ブリーザ通路106がベルト室22の後部の内周面114に沿って形成されることで、ブリーザ通路106内を流れるガスをベルト室22の後部の壁面を介して外気により効率的に冷却することができる。
また、ブリーザ通路106は、クランク軸26の方向視でセカンダリシーブ62の後方に位置する。これより、セカンダリシーブ62の回転に伴って、ブリーザ通路106が効率よく冷却される。
また、ミッション室23とブリーザ通路106とを連通する連通部材を外側ケース25および内側ケース28の外部に備えている。パイプ102、ブリーザチューブ104およびパイプ103は連通部材に相当する。ミッション室23およびベルト室22の両室外にブリーザチューブ104を配置することで、ブリーザチューブ104内を流れるガスを外気により冷却することができる。これより、ブリーザチューブ104内を流れるガスに含まれる気化したオイルを効率よく液化することができる。この場合でも、外部に配置される連通部材は短いので、ライダーや草木等がひっかかることを抑制できる。
また、ブリーザ通路106の下端と連通される排水管を備え、排水管の他端が閉じられている。ドレインパイプ111は排水管に相当する。ブリーザ通路106の下端と連通する排水管を備え、その排水管の他端が閉じられているので、ブリーザ通路106で液化したオイルが外部に開放されることなく排水管内に溜まり、これを回収することができる。これより、泥水や土埃が排水管から侵入することが防止しながら、ブリーザ通路106で液化したオイルをベルト室22から出すことができる。また、ベルト式無段変速機53の機能を維持したまま、十分な冷却性が得られるとともに、ミッション室23内に泥水や土埃が侵入することを抑制できる。
また、連通部材内にフィルタ112を備えてもよい。冷間時にブリーザ通路106からミッション室23内に土埃等が侵入するのをより防止できる。
また、エンジンユニット7は、自動二輪車1に搭載され、ミッション室23は後輪8の側方に配置される。ミッション室23が後輪8の側方に配置されているので、比較的低い位置に位置している。これより、ミッション室23を外部に開放すると、後輪8が巻き上げた泥水や土埃がミッション室23に侵入するおそれがある。しかし、実施例1のエンジンユニット7を搭載することで、ミッション室23からブリーザ通路106へ流れるガスを効率的に冷却しつつ、冷間時に発生する負圧によりミッション室23内に土埃等が侵入するのを防止することができる。
ユニットスイングエンジンであるエンジンユニット7は、エンジンユニット7に形成されたエンジンユニット支持部15を中心に車体フレーム2に揺動可能に支持される。ミッション室23は、後輪8の側方に位置しており、エンジンユニット支持部15からの距離が遠い。これにより、ミッション室23は揺動範囲が大きい。ミッション室23の外部にブリーザチューブ104を配置する場合、ミッション室23と接続した一端とは別の他端を比較的高い位置に、ライダーや草木にひっかからないように配置することは困難である。これに対し、実施例1のエンジンユニット7では、エンジンユニット7の外部に配置されるブリーザチューブ104を短くすることができる。これより、本発明のエンジンユニット7を、車体フレーム2に対して揺動可能なユニットスイングエンジンを備えた自動二輪車1に採用することが好ましい。
図11〜図13を参照して実施例2に係るブリーザ通路について説明する。
図11は実施例2に係るベルト室の後端部周辺の拡大図であり、図12は実施例2に係る内側ケースのミッション室周辺の側面図であり、図13は実施例2に係る内側ケースと外側ケースとの後端部の断面図である。図11〜図13において、実施例1に示した符号と同一の符号で示した部分は、実施例1と同様の構成であるのでここでの説明は省略する。第2実施例は、第1実施例からミッション室とブリーザ通路との接続を変更したものである。よって、ここで記載した以外のエンジンユニットおよび自動二輪車の構造は実施例1と同様である。
実施例2の特徴は、ミッション室23の通路101からベルト室22のブリーザ通路106への連通が、内側ケース28および外側ケース25の内部で連通する点にある。ミッション室23の通路101は、内側ケース28の上部からミッション室23の上部へ貫通して形成された貫通孔121と連通している。貫通孔121の上端は栓122により圧入されている。内側ケース28から車両左右方向の左方へ延出される隔壁28bと外側ケース25から車両左右方向の右方へ延出される隔壁25bとが、ガスケット105を介して突き合せて接続されている。
貫通孔121は、隔壁28bと内側ケース28とで形成されたブリーザ通路125と連通している。また、外側ケース25と隔壁25bとガスケット105とで形成されたブリーザ通路126とブリーザ通路125とはガスケット105に開けられた孔127を介して連通している。ブリーザ通路126は実施例1のブリーザ通路106と同様に、外側ケース25の後部の内周面114に沿うように形成されている。
実施例2によれば、ブリーザ通路125とブリーザ通路126とが、内側ケース28および外側ケース25の内部で連通しているので、エンジンユニット7の後部の外部にミッション室23から流れるガスGaを冷却するブリーザチューブを形成しなくてもよい。エンジンユニット7の外周面から突き出た構成部品を減らすことができるので、自動二輪車1の外観の美観を向上させることができる。
このように、実施例2では、ミッション室23とベルト室22内のブリーザ通路126とが外側ケース25および内側ケース28の内部で連通している。外側ケース25および内側ケース28の内部で直接連通することでエンジンユニット7の外周面から突出する構成部品を減らすことができるので、より好ましい。また、ミッション室23から出たガスをベルト室22内に形成されたブリーザ通路126に直接排出することができる。ベルト室22内に形成されたブリーザ通路126は大きさの自由度が高いので、容易に冷却性を向上させることができる。
本発明は、上記実施例1及び2のものに限らず、次のように変形実施することができる。
(1)吸気口72とベルト室22との間に、図14および図15に示すように土埃等を吸着するフィルタ131を設けてもよい。図14は外側ケースからダクトおよび導入カバーを取りはずした左側面図であり、図15はエンジンユニットの概略横断面図である。ベルト室22内に流入する空気から土埃等が除去することができる。
このように、導入口にフィルタ131を備えることで、ベルト室22内に吸入される空気から土埃等を除去することができる。これより、ベルト室22内には、土埃が除去された空気が充満しており、冷間時にミッション室23内に土埃等が侵入するのをより防止できる。
(2)自動二輪車1は図1に示した構造に限らない。CVT53を備えたユニットスイングタイプのエンジンを有する自動二輪車であればよく、例えば、フートボード13がフラットでなくてもよい。また、例えば、エアクリーナ14の位置がベルト室22の上方であってもよいし、シリンダ部31の上方であってもよいし、シリンダ部31の前方でフートボード13の下方にあってもよい。
(3)ミッション室23とブリーザ通路106とが接続されていればよく、接続の位置や方法は、第1実施例や第2実施例に限定されない。例えば、第1実施例ではパイプ102は内側ケース28と一体に形成されてもよいし、内側ケース28と外側ケース25とに形成された凹部にブリーザチューブ104が挿入されていてもよい。
(4)ブリーザ通路106の位置は実施例の位置に限定されない。ブリーザ通路106は、側面視でミッション室23の前端より一部が後方に位置し、外側ケース25と内側ケース28で形成される空間内に形成されていればよい。例えば、セカンダリシーブ62より車両左右方向の左方に配置されていてもよい。また、例えば、側面視でセカンダリシーブ62と重なる位置に形成されていてもよい。
(5)ベルト式無段変速機53とブリーザ通路106との間を仕切る仕切り部材は実施例のガスケット105に限定されない。例えば、外側ケース25と内側ケース28との間にシール部材として配置されるガスケットとは別体の部材を外側ケースの隔壁108に取り付けてもよい。
(6)実施例ではベルト式無段変速機53とブリーザ通路106との間に隔室110を設けているが、隔室110を設けないで、ブリーザ通路106と一体に形成してもよい。すなわち、隔壁108を形成しないで、ブリーザ通路を外側カバー25と隔壁73とガスケット105とで形成してもよい。ブリーザ通路の容積が大きくなるので冷却効果を高めることができる。
1 … 自動二輪車
2 … 車体フレーム
7 … エンジンユニット
8 … 後輪
11 … ダクト
21 … エンジン
22 … ベルト室
23 … ミッション室
24 … クランクケース
25 … 外側ケース
26 … クランク軸
28 … 内側ケース
29 … ミッションケース
53 … ベルト式無段変速機(CVT)
61 … プライマリシーブ
62 … セカンダリシーブ
66 … Vベルト
72 … 吸気口
74 … 排気口
75 … 歯車減速機構
102、103 … パイプ
104 … ブリーザチューブ
105 … ガスケット
106、125 … ブリーザ通路
108 … 隔壁
111 … ドレインパイプ
112 … フィルタ
114 … 内周面
131 … フィルタ


Claims (11)

  1. クランク軸を有するエンジンと、
    前記クランク軸の軸方向に前記エンジンと隣接して配置され、前記クランク軸の回転を伝達するベルト式無段変速機を収容するベルト室と、
    前記エンジンの後方に配置され、前記ベルト室の後部と隣接し、前記ベルト式無段変速機から後輪へ動力を伝達する減速機構を収容し、内部にオイルを貯留するミッション室とを備え、
    前記ベルト式無段変速機は、
    前記クランク軸とともに回転するプライマリシーブと、
    前記プライマリシーブとの間に巻き掛けられるVベルトにより動力が伝達されるセカンダリシーブとを備え、
    前記ベルト室は、
    前記ベルト室内へ空気を導入する導入口と、
    前記ベルト室外へ空気を排出する排出口と、
    前記ベルト室の内部に前記クランク軸の軸方向視で前記ミッション室の前端より後方に位置し、前記ミッション室と連通したブリーザ通路と、
    前記ブリーザ通路と前記ベルト式無段変速機との間に配置される仕切り部材とを備えている
    エンジンユニット。
  2. 請求項1に記載のエンジンユニットであって、
    互いに接合して内部に空間を形成する外側ケース及び内側ケースと、
    前記内側ケースと接合し、前記空間を前記ベルト室及び前記ミッション室に分割し、前記内側ケースと共に前記ミッション室を形成するミッションケースと、
    前記内側ケースと前記外側ケースとの間に設けられるシール部材とを備え、
    前記仕切り部材は前記外側ケースと一体に形成された隔壁と前記シール部材とを有し、
    前記ブリーザ通路は前記外側ケースと前記隔壁と前記シール部材とにより形成されるエンジンユニット。
  3. 請求項1に記載のエンジンユニットであって、
    前記ベルト室には前記導入口から導入された空気が前記プライマリシーブ、前記セカンダリシーブおよび前記Vベルトに沿って流れる空気の流れが形成されており、
    前記ブリーザ通路は前記ベルト室内を流れる前記空気の流れに沿って形成されるエンジンユニット。
  4. 請求項1に記載のエンジンユニットであって、
    前記ブリーザ通路は前記ベルト室の後部の内周面に沿って形成されるエンジンユニット。
  5. 請求項1に記載のエンジンユニットであって、
    前記ブリーザ通路は、前記クランク軸の方向視で前記セカンダリシーブの後方に位置するエンジンユニット。
  6. 請求項1に記載のエンジンユニットであって、
    前記ミッション室と前記ブリーザ通路とを連通する連通部材を前記外側ケースおよび前記内側ケースの外部に備えるエンジンユニット。
  7. 請求項1に記載のエンジンユニットであって、
    前記ミッション室と前記ブリーザ通路とが前記外側ケースおよび前記内側ケースの内部で連通するエンジンユニット。
  8. 請求項1に記載のエンジンユニットであって、
    前記ブリーザ通路の下端と連通される排水管を備え、
    前記排水管の他端が閉じられている
    エンジンユニット。
  9. 請求項1に記載のエンジンユニットであって、
    前記導入口にフィルタを備える
    エンジンユニット。
  10. 請求項6に記載のエンジンユニットであって、
    前記連通部材内にフィルタを備える
    エンジンユニット。
  11. 請求項1から10のいずれか1つに記載のエンジンユニットを備えた自動二輪車。
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