JP3160912B2 - ユニットスイング型エンジンのスイングケース構造 - Google Patents

ユニットスイング型エンジンのスイングケース構造

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JP3160912B2
JP3160912B2 JP40567790A JP40567790A JP3160912B2 JP 3160912 B2 JP3160912 B2 JP 3160912B2 JP 40567790 A JP40567790 A JP 40567790A JP 40567790 A JP40567790 A JP 40567790A JP 3160912 B2 JP3160912 B2 JP 3160912B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の目的〕
【0002】
【産業上の利用分野】この発明は、Vベルト無段変速機
構空冷用の通風孔および排風孔を備えたユニットスイン
グ型エンジンのスイングケース構造に関する。
【0003】
【従来の技術】スクータタイプの自動2輪車の多くは、
ユニットスイング型エンジンが採用されている。
【0004】ユニットスイング型エンジンは、周知の通
りエンジン部のクランクケースに連接されて後方に延び
るスイングケースの後端部に後輪を軸支することによ
り、エンジン部、スイングケース、後輪は1つのユニッ
トとしてまとめられている。
【0005】ユニットスイング型エンジンは一般的に、
エンジン部下方のピボット部が自動2輪車の車体フレー
ム中央下部に枢支され、ユニットスイング型エンジン全
体がピボット部の水平支軸廻りに上下自在に揺動し、後
輪のサスペンションアームの役割を果す。
【0006】大半のユニットスイング型エンジンは、エ
ンジン部の動力を後輪へ伝えるための手段として、構造
が単純で安価なVベルト無段変速機構をスイングケース
内に装備している。Vベルト無段変速機構は、Vベルト
が懸架されるドライブVプーリとドリブンVプーリの有
効径を回転数によって変化させ、変速比を変えるもので
ある。
【0007】この方式では、Vベルトと各Vプーリ間と
の滑りによるパワーロスの発生を防止するためVベルト
の張力を大きくして各Vプーリへ強力に押圧させてい
る。そのため作動中の摩擦熱が高く、放っておくと熱に
よりVベルトが劣化してしまうので、多くのユニットス
イング型エンジンでは、スイングケースの外側に装着さ
れるケースカバに通風口および排風口を開口し、ドライ
ブVプーリ側面等に設けたファンによって強制的に外気
をスイングケース内に導入してVベルト無段変速機構を
空冷している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たスイングケースのケースカバは、スイングケースのケ
ース本体にネジ止めされ、一体となってスイングケース
を形造っており、剛性を確保している。このようなスイ
ングケースにおいて前述の通風口や排風口は剛性を低下
させる原因となっていた。
【0009】特に排風口は、ケースカバの最後部に設け
る必要があるが、この位置は後輪の揺動ショックを吸収
するリヤ・ショックアブソーバの固定部に近く、絶えず
強い荷重が伝わる部分である。このため排風口の存在に
よるスイングケース後部の剛性ダウンは、ケース本体の
リヤ・ショックアブソーバ取付部付近に大きな補強リブ
を設けることによって補われてきた。
【0010】ところで、ケース本体の鋳造製作時におい
て上記補強リブは、湯口より遠方に位置するため、湯廻
りが悪く、不良発生の大きな原因となっていた。また、
補強リブによるスイングケースの重量アップ、外観の低
下などの弊害があった。
【0011】さらに、従来よりケースカバに設けられて
きた排風口は、単純な構造であり、効率の良い排風を促
す形状ではなかった。
【0012】本発明はこのような問題を考慮してなされ
たもので、ケースカバの排風口をスイングケースの補強
メンバとして活用することにより、ケース本体の補強リ
ブを小型化し、スイングケースの鋳造性および外観の向
上に貢献すると共に効率の良い排風ができるユニットス
イング型エンジンのスイングケース構造を提供すること
を目的とする。
【0013】〔発明の構成〕
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の本発明に係るユニットスイング型エンジ
ンのスイングケース構造は、エンジン部のクランクケー
スから後方に延びるケース本体内に配設されるミッショ
ン室を構成するミッションカバを該ケース本体の開放側
から覆うケースカバにて複数の締結ボスにより動力伝達
機構のVベルトよりも車両幅方向外側の合わせ面位置に
て該ケース本体に固定することでスイングケースを構成
し、該スイングケース内部に前記動力伝達機構を収容し
て後端部に後輪を軸支し、前記ケース本体の後部にリヤ
・ショックアブソーバを取り付けるリヤ・ショックアブ
ソーバ取付ブラケットを配設し、前記ケースカバに前記
動力伝達機構を外気により空冷するための空冷用の導風
口および該ケースカバの後方内部を上方から下方に延び
るスリーブ形状とする外気の排風口を配設し、前記スイ
ングケースがリヤ・ショックアブソーバを介して車体に
連結されるユニットスイング型エンジンのスイングケー
ス構造において、前記スイングケースの前記ケース本体
と前記ケースカバとを前記排風口の近傍に埋設されたノ
ックピンにて互いに正確に位置付ける一方、前記排風口
上端部と前記ケースカバの後部外周壁面とを補強壁で締
結ボスおよび該ノックピンの近傍にて連結するととも
に、前記締結ボスをリヤ・ショックアブソーバ取付ブラ
ケット近傍にも配設し、前記後輪の揺動によるリヤ・シ
ョックアブソーバ取付ブラケットを介して前記スイング
ケースに伝達されるリヤ・ショックアブソーバからの反
力を、前記補強壁を経由させて前記スリーブ形状の排風
口に伝達した後にケースカバの側面および底面に分散さ
せて前記ケース本体に掛かる力を軽減したものである。
【0015】また、請求項2の本発明に係るユニットス
イング型エンジンのスイングケース構造は、ケース本体
とケースカバとの間に挟まれるガスケットの内周形状
を、発進クラッチの後方に配設された排風口の上部側方
近傍を含むスイングケース後端部においてスイングケー
ス内部側に張り出させたものである。
【0016】
【作用】したがって、請求項1の発明によれば、スリー
ブ形の排風口と補強壁がスイングケースの強度を補強す
ると共に、リヤ・ショックアブソーバからスイングケー
スに伝達される当該リヤ・ショックアブソーバの反力を
スイングケースの本体とケースカバとに分散させるの
で、スイングケースの強度と剛性を向上させることがで
きる。
【0017】すなわち、リヤ・ショックアブソーバの反
力が、リヤ・ショックアブソーバ取付ブラケット、ケー
ス本体およびそのリヤ・ショックアブソーバ取付ブラケ
ットの近傍の各締結ボスおよびノックピンに負荷され
る。各締結ボスはケース本体とケースカバとを締結して
おり、各ノックピンはケース本体とケースカバに挟まれ
るようにして挿嵌されて両者を締結しているので、上記
リヤ・ショックアブソーバの反力はケース本体と、ケー
スカバとに分散され、さらに、ケースカバの補強壁を経
由してケースカバ内の排風口のスリーブと、にそれぞれ
分散される。そして、これらケース本体とケースカバに
分散された力は、それらの側面と底面とにそれぞれ分散
される。
【0018】つまり、リヤ・ショックアブソーバの反力
は、ケース本体だけでなくケースカバにも分散される。
このため、ケース本体とケースカバの撓みを最小限に抑
制することができるので、ケース本体とケースカバの補
強リブを小形化することができ、ケース本体とケースカ
バの鋳造性が向上するとともに、スイングケースの外観
が良くなる。また、ノックピンによりケース本体とケー
スカバとの位置合せの精度を向上させることができるの
で、ケースカバに設けたスリーブ形状の排風口とこの排
風口の上端部に接続されるリブ状の補強壁をケース本体
に対して正確に位置付けすることができる。
【0019】そして、ケース本体とケースカバとの合せ
面位置を、動力伝達機構のVベルト張設位置よりも車幅
方向外側に位置させたので、仮に、このケース本体とケ
ースカバの合せ面から、その内部へ雨水等が侵入した場
合でもVベルト上に直接滴下するのを防止することがで
きる。このために、Vベルト上に雨水等が滴下してこの
VベルトがドライブVプーリやドリブンVプーリを滑動
して動力伝達効率が低下するのを防止することができ
る。
【0020】また、ケース本体のケースカバとの合せ面
側端部をVベルト張設位置の外側まで延在させることに
より、ケース本体のミッション室周辺部が後輪との干渉
から逃げるために車幅方向外側へ湾曲する湾曲形状とな
るので、湾曲した分だけケース本体の幅が狭くなって、
剛性が低下するが、スリーブ状の排風口とケースカバの
後部外周面とをリブ状の補強壁により締結ボスとノック
ピンの近傍にて連結するので、ケース本体の重量を重く
することなくケース本体の剛性ひいてはスイングケース
の剛性を高めることができる。また、ケース本体の重量
を殆ど重くしないので、このケース本体に取り付けられ
るリヤ・ショックアブソーバのバネ下重量の増加による
乗り心地の悪化を防止できる。
【0021】また、請求項2の発明によれば、スイング
ケースのガスケットが排風口への気流を整流するので、
スイングケース内の冷却効率が向上する。しかも、一般
に強度が弱いガスケットの内周部の一部を、Vベルトが
高速回転する動力伝達機構から離れたスイングケース後
端部において、その内方へ部分的に張り出すだけである
ので、上記冷却風の整流効果を保持したままでガスケッ
トの耐久性を向上させることができる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を示す図に基づい
て説明する。
【0023】図2はユニットスイング型エンジンを搭載
したスクータタイプの自動2輪車である。
【0024】この自動2輪車1において、車体フレーム
2の中央下部にあるピボット部3には懸架ブラケット4
を介してユニットスイング型エンジン5がその水平支軸
6廻りに上下揺動自在に枢支されている。ユニットスイ
ング型エンジン5の後部には後輪7が回転自在に軸支さ
れており、ユニットスイング型エンジン5自身が後輪7
のサスペンションアームの役割を果す。ここで、ユニッ
トスイング型エンジン5後部上端のリヤ・ショックアブ
ソーバ取付ブラケット8と車体フレーム2はリヤ・ショ
ックアブソーバ9によって連結されており、後輪7の揺
動ショックはリヤ・ショックアブソーバ9の伸縮によっ
て緩衝される。
【0025】図3は上記ユニットスイング型エンジン5
の部品構成を示す横断面図、図4は左側面図である。
【0026】図3に示すように、このユニットスイング
型エンジン5においてエンジン部10のクランクケース
11には、スイングケース12が連接されて後方に延び
ている。
【0027】スイングケース12は、上記クランクケー
ス11と一体であるケース本体13と、ケースカバ14
との各外周縁部の適宜箇所にて外方へほぼ円弧状に突出
する複数の締結ボス15を同一箇所にて対向するように
それぞれ一体に突設し、これら複数組の締結ボス15,
15どうしを締結ねじにより締結して固定されてなるケ
ースであり、少なくとも1組の締結ボス15が図4に示
すようにリヤ・ショックアブソーバ取付ブラケット8の
近傍に配設されている。ケース本体13にはドライブV
プーリ16、ドリブンVプーリ17、Vベルト18より
なるVベルト無段変速機構19と、発進クラッチ20
と、減速ミッション機構21が軸架される。減速ミッシ
ョン機構21は、ケース本体13最後部の後輪7側に形
成されたミッションケース22およびミッションケース
22に液密に被装されるミッションカバ23によってな
るミッション室24内に軸架されており、常にオイル中
に浸されている。一方、ケース本体13に被装されるケ
ースカバ14は、ケース本体13に軸架された機構類を
外気より隔離する。
【0028】このユニットスイング型エンジン5で、エ
ンジン部10のシリンダ25内を往復するピストン26
の運動は、コンロッド27を介してクランクシャフト2
8に伝えられ、回転運動に変換される。スイングケース
12内部に片端が突出するクランクシャフト28の回転
は、Vベルト無段変速機構19と発進クラッチ20を経
てドリブンシャフト29に伝達され、減速ミッション機
構21により減速されてリヤアクスルシャフト30を回
転させ、リヤアクスルシャフト30の自由端に挿嵌され
た後輪7が駆動される。
【0029】前記ケースカバ14には、導風口31およ
び排風口32が開口している。導風口31はドライブV
プーリ16と一体回転するファン33の真横に位置し、
この導風口31には図4に示すように吸入管34および
車体フレーム2に固定されるエアクリーナ35が順次挿
嵌され、固定バンド36で固定されている。エアクリー
ナ35内部にはクリーナエレメント37が入っている。
また排風口32はリヤ・ショックアブソーバ9の中心軸
のほぼ延長線上に当たる、ケースカバ14の後部下方に
位置しており、スイングケース12内部から下方に延び
て外部へ抜ける、例えば、角筒形のスリーブ形である。
図4および図1に示すように、この排風口32の上端部
とケースカバ14の外周壁面とはリブ状の補強壁38で
結ばれている。この補強壁38がケースカバ14に接続
される部分は、ケース本体13とケースカバ14を正確
に位置付けするためのノックピン39が埋設されてい
る。このノックピン39は、ケース本体13とケースカ
バ14にほぼ半分ずつ挿嵌されているものであり、通常
スイングケースの前後に1カ所ずつ配置される。
【0030】ところで、スイングケース12は、内部に
収容される機構類を保護するため、水や塵の侵入を防ぐ
密閉構造を持つ必要がある。このため、ケース本体13
とケースカバ13との間には薄いガスケット40が挟ま
れる。このガスケット40は、図4に二点鎖線で示して
ある通り、ケース本体13とケースカバ14との接触面
と同一の形状でカットされているが、ケースカバ14最
後部の排風口32上方部においてのみ、上から徐々に排
風口32上端部に向ってスイングケース12内部に突出
し、この部分が整流板41となっている。
【0031】自動2輪車1の走行時、ファン33はドラ
イブVプーリ16と一体回転して導風口31より外気を
吸引する。エアクリーナ35によって除塵された外気は
吸入管34を通ってスイングケース12内に入り、図4
の矢印で示すように後方へ向って、作動中の摩擦で熱を
持ったドライブVプーリ16、ドリブンVプーリ17お
よびVベルト18を空冷した後、排風口32より外部へ
排出されるが、このとき、前述した補強板38およびガ
スケット40が突出してなる整流板41によりスムーズ
に排風口32へ導かれる。このため、スイングケース1
2内の冷却効率が向上し、Vベルト無段変速機構19の
耐久性が上がる。
【0032】このような構造を持つスイングケース12
は、自動2輪車1の走行中、後輪7が揺動して図1に示
すようにリヤ・ショックアブソーバ9の反力Fがリヤ・
ショックアブソーバ取付ブラケット8を通ってケース本
体13へ伝わると、この力Fは、ケース本体13外周壁
面を廻ってノックピン39と各締結ボス15へ掛かる。
ノックピン39はケース本体13とケースカバ14に挟
まれるようにして挿嵌されており、各締結ボス15はケ
ース本体13とケースカバ14とを締結しているので、
上記反力Fはケース本体13とケースカバ14両方に分
散しFおよびFとなる。ケースカバ14側に掛かる
力Fは補強壁38を通って排風口32に伝わるが、排
風口32はケースカバ14を上下に貫くスリーブ形とな
っており、かつリヤ・ショックアブソーバ9のほぼ延長
線上に配置されているので、受けた力Fをケースカバ
14の側面および底面へ満遍なく分散させ、ケース本体
13に掛かる力Fを軽減する。
【0033】すなわち、リヤ・ショックアブソーバ9の
反力は、リヤ・ショックアブソーバ取付ブラケット8、
ケース本体13のリヤ・ショックアブソーバ取付ブラケ
ット8近傍の締結ボス15を順次経てから、ケース本体
13と、補給壁38を経由してケースカバ14内の排風
口32のスリーブと、にそれぞれ分散される。さらに、
これらケース本体13とケースカバ14に分散された力
は、それらの側面と底面とにそれぞれ分散される。つま
り、リヤ・ショックアブソーバの反力は、ケース本体だ
けではなく、ケースカバにも分散される。このために、
ケース本体13とケースカバ14の撓みを最小限に抑制
することができる。
【0034】したがって、従来ではリヤ・ショックアブ
ソーバ9の反力Fがもろに掛かっていたケース本体13
を、大型の補強リブA,Bで補強していたが、本発明の
実施により補強リブは小型化され、図1中の42のよう
な形状で済むようになった。これにより、ケース本体の
鋳造性が大幅に向上し、コストダウンされる上、スイン
グケース12が小型に見えて外観上有利である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、スリーブ形の排風口と補強壁がスイングケースの
強度を補強すると共に、リヤ・ショックアブソーバから
スイングケースに伝達される当該リヤ・ショックアブソ
ーバの反力をスイングケースの本体とカバとに分散させ
るので、スイングケースの強度と剛性を向上させること
ができる。
【0036】すなわち、リヤ・ショックアブソーバの反
力が、リヤ・ショックアブソーバ取付ブラケット、ケー
ス本体およびそのリヤ・ショックアブソーバ取付ブラケ
ットの近傍の各締結ボスおよびノックピンに負荷され
る。各締結ボスはケース本体とケースカバとを締結して
おり、各ノックピンはケース本体とケースカバに挟まれ
るようにして挿嵌されて両者を締結しているので、上記
リヤ・ショックアブソーバの反力はケース本体と、ケー
スカバとに分散され、さらに、ケースカバの補強壁を経
由してケースカバ内の排風口のスリーブと、にそれぞれ
分散される。そして、これらケース本体とケースカバに
分散された力は、それらの側面と底面とにそれぞれ分散
される。
【0037】つまり、リヤ・ショックアブソーバの反力
は、ケース本体だけでなくケースカバにも分散される。
このため、ケース本体とケースカバの撓みを最小限に抑
制することができるので、ケース本体とケースカバの補
強リブを小形化することができ、ケース本体とケースカ
バの鋳造性が向上するとともに、スイングケースの外観
が良くなる。また、ノックピンによりケース本体とケー
スカバとの位置合せの精度を向上させることができるの
で、ケースカバに設けたスリーブ形状の排風口とこの排
風口の上端部に接続されるリブ状の補強壁をケース本体
に対して正確に位置付けすることができる。
【0038】そして、ケース本体とケースカバとの合せ
面位置を、動力伝達機構のVベルト張設位置よりも車幅
方向外側に位置させたので、仮に、このケース本体とケ
ースカバの合せ面から、その内部へ雨水等が侵入した場
合でもVベルト上に直接滴下するのを防止することがで
きる。このために、Vベルト上に雨水等が滴下してこの
VベルトがドライブVプーリやドリブンVプーリを滑動
して動力伝達効率が低下するのを防止することができ
る。
【0039】また、ケース本体のケースカバとの合せ面
側端部をVベルト張設位置の外側まで延在させることに
より、ケース本体のミッション室周辺部が後輪との干渉
から逃げるために車幅方向外側へ湾曲する湾曲形状とな
るので、湾曲した分だけケース本体の幅が狭くなって、
剛性が低下するが、スリーブ状の排風口とケースカバの
後部外周面とをリブ状の補強壁により締結ボスとノック
ピンの近傍にて連結するので、ケース本体の重量を重く
することなくケース本体の剛性ひいてはスイングケース
の剛性を高めることができる。また、ケース本体の重量
を殆ど重くしないので、このケース本体に取り付けられ
るリヤ・ショックアブソーバのバネ下重量の増加による
乗り心地の悪化を防止できる。
【0040】また、請求項2の発明によれば、スイング
ケースのガスケットが排風口への気流を整流するので、
スイングケース内の冷却効率が向上する。しかも、一般
に強度が弱いガスケットの内周部の一部を、Vベルトが
高速回転する動力伝達機構から離れたスイングケース後
端部において、その内方へ部分的に張り出すだけである
ので、上記冷却風の整流効果を保持したままでガスケッ
トの耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るユニットスイング型エンジンのス
イングケース構造の一実施例を示す斜視断面図。
【図2】ユニットスイング型エンジンを備えたスクータ
タイプの自動2輪車の側面図。
【図3】本発明を採用したユニットスイング型エンジン
の平断面図。
【図4】図3に示したユニットスイング型エンジンの左
側面図。
【符号の説明】
5 ユニットスイング型エンジン 7 後輪 9 リヤ・ショックアブソーバ 10 エンジン部 11 クランクケース 12 スイングケース 13 ケース本体 14 ケースカバ 19 Vベルト無段変速機構 31 導風口 32 排風口 38 補強壁 40 ガスケット 41 整流板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62M 9/08 B62K 11/10 B62J 39/00 F16H 57/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン部のクランクケースから後方に
    延びるケース本体内に配設されるミッション室を構成す
    るミッションカバを該ケース本体の開放側から覆うケー
    スカバにて複数の締結ボスにより動力伝達機構のVベル
    トよりも車両幅方向外側の合わせ面位置にて該ケース本
    体に固定することでスイングケースを構成し、該スイン
    グケース内部に前記動力伝達機構を収容して後端部に後
    輪を軸支し、前記ケース本体の後部にリヤ・ショックア
    ブソーバを取り付けるリヤ・ショックアブソーバ取付ブ
    ラケットを配設し、前記ケースカバに前記動力伝達機構
    を外気により空冷するための空冷用の導風口および該ケ
    ースカバの後方内部を上方から下方に延びるスリーブ形
    状とする外気の排風口を配設し、前記スイングケースが
    リヤ・ショックアブソーバを介して車体に連結されるユ
    ニットスイング型エンジンのスイングケース構造におい
    て、 前記スイングケースの前記ケース本体と前記ケースカバ
    とを前記排風口の近傍に埋設されたノックピンにて互い
    に正確に位置付ける一方、前記排風口上端部と前記ケー
    スカバの後部外周壁面とを補強壁で締結ボスおよび該ノ
    ックピンの近傍にて連結するとともに、前記締結ボスを
    リヤ・ショックアブソーバ取付ブラケット近傍にも配設
    し、前記後輪の揺動によるリヤ・ショックアブソーバ取
    付ブラケットを介して前記スイングケースに伝達される
    リヤ・ショックアブソーバからの反力を、前記補強壁を
    経由させて前記スリーブ形状の排風口に伝達した後にケ
    ースカバの側面および底面に分散させて前記ケース本体
    に掛かる力を軽減したことを特徴とするユニットスイン
    グ型エンジンのスイングケース構造。
  2. 【請求項2】 ケース本体とケースカバとの間に挟まれ
    るガスケットの内周形状を、発進クラッチの後方に配設
    された排風口の上部側方近傍を含むスイングケース後端
    部においてスイングケース内部側に張り出させた請求項
    1記載のユニットスイング型エンジンのスイングケース
    構造。
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