JP4580586B2 - ワーク切断管理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺の丸棒材等を鋸盤等の切断機によって適宜寸法に切断することを繰り返した結果として生じた残材としての端材や直径に比較して軸方向の長さの短い短尺材等のごときワークを切断管理する装置に係り、さらに詳細には、軸心を水平状に保持すると不安定な短尺材等のワークを安定した状態に保管でき、かつ切断機に対する供給をも自動的に容易に行うことのできるワーク切断管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、長尺材の切断を繰り返すことによって比較的短くなった残材としての短尺材は、保管場所に一時保管され、切断される製品個数が少ない場合に切断機へ再び搬送して短い製品の切断が行われている。
【0003】
長尺材の切断の結果として生じた残材としての短尺材において、当該短尺材の直径に比較して軸方向の長さが同等程度の場合には比較的長い部類に属し、フォークリフトやクレーン等の搬送装置による取り扱いも比較的容易であり、また鋸盤等の切断機によって切断すべく、切断機に備えたバイス装置によって挾持固定する場合、通常の長尺材同様に軸方向を水平に保持しての挾持固定は比較的容易である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、直径に比較して軸方向の長さが短く全体として円板状を呈するようなワークの場合には、軸方向を水平状に保持して単独で保管することが難しいので、ほぼ同一の直径の短尺材(ワーク)を軸方向を水平にしかつ水平方向に重ねるように並列に保管し、かつワークの直径が相違する毎に仕切板等を介在して保管している。また、保管状態にあるワークが転動移動しないように載置面に溝を形成するなどの工夫が必要であるが、この場合、径の大きなワークの間に径の小さなワークが位置するときには小さなワークの取出しが極めて厄介になるものであるから、ワークの配置をその都度考慮しなければならず、また自動化が困難であるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、直径に比較して軸方向の長さが同程度以下の短尺の円板状のワークの軸心を垂直状に保持してワークの搬入を行うためのワーク搬入装置と、上記ワーク搬入装置によって搬入されたワークの軸心を垂直状に保持しかつ複数のワークの一側部を基準線に一致して並列に収納保持するワーク収納棚と、前記ワークの軸心を垂直状に保持して上記ワークの下部側を水平に切断するための切断機と、前記ワーク搬入装置によって搬入されたワークを前記ワーク収納棚又は前記切断機へ或は前記ワーク収納棚から前記切断機へワークを搬送するためのワーク搬送装置とを備えた構成である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のワーク切断管理装置において、ワーク収納棚は、ワーク搬送装置におけるワーククランプが進入自在の切欠部を所定間隔に備えた構成である。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のワーク切断管理装置において、ワーク搬入装置によって搬入されたワークの直径を測定するための直径測定装置を備えた構成である。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1,2又は3に記載のワーク切断管理装置において、ワーク搬送装置は、切断機によって切断された製品を次工程へ搬出する搬出装置を兼ねており、かつ上記製品の搬出経路の途中に、当該製品の上面にマーキングを行うためのマーキング装置を備えた構成である。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のワーク切断管理装置において、製品の搬出経路途中に、製品を一時的に支持するための支持テーブルを設けた構成である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明の実施の形態について説明するに、図1は本発明の実施の形態に係るワーク切断管理装置の全体的構成を概念的,概略的に示した正面図であり、図2はその平面図である。
【0011】
さて、図1,図2を参照するに、本発明の実施の形態に係るワーク切断管理装置1は枠体構成の枠体フレーム3を備えており、この枠体フレーム3における左右方向の一側部(本例では左側部)には、例えば直径に比較して軸方向の長さが同程度以下の短尺の円板状のワークWの軸心を垂直状態に保持して、すなわち上記ワークWの下面である切断面を支持して搬入を行うためのワーク搬入装置5が配置してある。
【0012】
上記ワーク搬入装置5は、図3に詳細に示すように、複数のスラット11を等間隔に備えたスラットコンベアなどのごときエンドレスのコンベア7を備えたコンベア装置9よりなるものであって、このコンベア装置9における上記コンベア7には、所定間隔ごとにワーク載置位置が設定してある。このワーク載置位置に対応する位置のスラット11Aは通常のスラット11より短く構成してあって、エンドレスのコンベア7の両側に所定間隔に切欠部7Nを備えた構成としてある。
【0013】
上記コンベア装置9の適宜位置には、前記ワーク載置位置すなわち前記切欠部7Nに対応した位置にワークWが載置されているか否かを検出するための光電スイッチなどのごときワーク検出センサ13が設けられており、またコンベア装置9の搬出端付近にはワークWの直径を測定するための直径測定装置15が備えられている。
【0014】
前記コンベア装置9におけるコンベア7は、前記切欠部7Nが前記直径測定装置15に対応した位置に停止するように間欠的に移動されるもので、前記ワーク検出センサ13は、上記コンベア7が停止したときに、前記切欠部7Nの中間に位置するように設定してある。
【0015】
したがって、コンベア7の停止時にワーク検出センサ13がワークWを検出したときには、コンベア7のワーク載置位置からワークWが大きく位置ずれしていること、又は規定以上に大きなワークが載置されていることとして検知できる。
よって、コンベア7の停止時に前記ワーク検出センサ13がワークWを検出したときには、コンベア7に対するワークWの載置位置を修正するか、又はワークを排除する処置を行うことにより、ワークの搬送など次の各工程を円滑に進めることができるものである。
【0016】
前記直径測定装置15は、前記コンベア装置9の一側部に設けられたストッパ部材17と、このストッパ部材17に対してワークWを押進当接するように対向して設けられたワーク押進部材19を備えてなるものである。上記ストッパ部材17は、前記コンベア7によるワークWの搬送面(コンベア7の上面)に対して出没自在に設けられている。
【0017】
すなわち、ストッパ部材17は、ワークWの直径を測定するときにはワーク位置決め位置へ移動するように適宜アクチュエータの作動によってコンベア7の上面に対して突出され、ワークWの直径を測定した後には待避位置へ移動するように、前記アクチュエータの作動によってコンベア7の上面に対して没入されるものである。
【0018】
前記ワーク押進部材19は、前記ストッパ部材17に対向してコンベア装置9の他側部に設けられた流体圧シリンダ等のごとき往復作動装置21における往復動自在のピストンロッドなどのごとき往復作動部材(図示省略)に取付けてあるものであって、ワークWを押進する押進面はV字形状に形成してある。そして、ワークWを前記ストッパ部材17へ押進当接したときにワークWの直径を測定するために、基準位置に対するワーク押進部材19の移動距離を検出するためのリニアスケール等のごときスケール装置23が上記ワーク押進部材19に連動連結してある。したがって、ワークWをストッパ部材17に当接したときにコンベア7上のワークWの直径を計測することができるものである。
【0019】
前記コンベア装置9によって搬入され、かつ前記直径測定装置15によって直径を測定した後のワークWを格納するために、前記枠体フレーム3における後部フレームの内側部には、ワークWを収納保持するワーク収納棚25が左右方向に長く、かつ上下に複数段に設けてある。上記ワーク収納棚25はワークWの軸心を垂直に保持して支持するもので、このワーク収納棚25には、後述するワーククランプが進入自在の切欠部25Nが左右方向に所定間隔で多数設けてある。
【0020】
また、前記枠体フレーム3内には、前記ワークWを切断するための切断機27が配置してあると共に、枠体フレーム3には、前記コンベア装置9によって搬入されたワークWを前記ワーク収納棚25又は切断機27へ或はワーク収納棚25から前記切断機27へワークWを搬送するためのワーク搬送装置29が支持されている。
【0021】
上記ワーク搬送装置29は、例えばガントリークレーンに類似の構成であって、前記枠体フレーム3における前後部フレームの上部に設けた左右方向のガイドレール31に案内されて左右方向へ移動自在のキャリッジベース33を水平に備えており、このキャリッジベース33にはキャリッジ35が前後方向へ移動自在に支持されている。そして、このキャリッジ35には、昇降支柱37が上下動自在に支持されている。
【0022】
図4に示すように、前記昇降支柱37の下部には、前記ワークWを軸方向からクランプ自在のワーククランプ39が装着してある。より詳細には、上記ワーククランプ39は、前記昇降支柱37の下端部に枢軸41を介して水平状態及び垂直状態に回動自在に支持されたバイスベース43を備えており、このバイスベース43の先端部にはワークWを挾持するための固定ジョー45Fが固定してあると共に、固定ジョー45Fに対して接近離反する方向へ移動自在の可動ジョー45Mが装着してある。
【0023】
なお、上記可動ジョー45Mの往復動は、バイスベース43に装着した流体圧シリンダ47の作用によって行われるものであり、前記枢軸41回りの回動は、前記バイスベース43と昇降支柱37との間に設けた流体圧シリンダ等のごとき回動用アクチュエータ49の作動によって行われるものである。
【0024】
既に理解されるように、バイスベース43を垂直状態に位置せしめたときには、固定ジョー45Fと可動ジョー45Mは上下に対向することとなり、ワークWの側部を上下方向から挾持することができる。また前記バイスベース43を水平状態に位置せしめたときには、固定ジョー45Fと可動ジョー45Mはバイスベース43の下側に位置することとなり、ワークWの上部を水平方向から挾持することができることになる。
【0025】
したがって、前記コンベア装置9に備えた直径測定装置15においてワークWの直径を測定し、上記直径測定装置15におけるストッパ部材17を退避した後、コンベア7の切欠部7Nに前記ワーククランプ39の固定ジョー45Fを位置せしめ、その後に流体圧シリンダ47を作動することにより、固定ジョー45Fと可動ジョー45MとによってワークWを上下方向(ワークWの軸方向)から挾持(把持)固定することができる。よって、ワーク搬送装置29によってコンベア装置9から前記ワーク収納棚25又は切断機27へワークWを搬送することができる。なお、切断機27から残材をワーク収納棚25を再び収納することもできるものである。
【0026】
前記ワーク収納棚25に対してワーク搬送装置29によってワークWを搬出入するとき、前記固定ジョー45F及び可動ジョー45Mはワーク収納棚25に設けた前記切欠部25Nと対応することとなり、干渉するようなことはないものである。なお、上記ワーク収納棚25に対してワークWの搬出入を行うとき、前記切欠部25Nの奥行き深さに相当する分を考慮して、ワーク収納棚25と固定ジョー45F,可動ジョー45Mとの干渉を回避するようにワーク搬送装置29のワーククランプ39の位置決めを行うことにより、前記切欠部25Nを省略することもできる。
【0027】
なお、前記ワーク収納棚25に対してワークWを格納するときには、前記直径測定装置15によって計測されたワークWの直径及びワークWの既知の材質とワーク収納棚25に対するワークWの収納位置(収納番地)は関連付けて、前記ワーク搬送装置29を制御するための制御装置(図示省略)の記憶装置に記憶されるものである。この際、ワークWの軸方向の長さ寸法すなわち高さ寸法をも上記記憶装置に同時に記憶されるものである。
【0028】
上記高さ寸法を記憶装置に入力する構成としては、予め計測してキーボード等のごとき入力手段から入力しても良く、また前記直径測定装置15によってワークWの直径を計測するときに、例えば前記ワーク押進部材19の上面或はコンベア装置9の適宜位置にワークWの上面に接触する接触子を上下動自在に設け、この接触子の上下動位置を検知してワークWの高さ寸法を検出し入力する構成としても良いものである。そして、前記切断機27による切断後の残材としての短尺のワークをワーク収納棚25に再び収納する場合、ワークの寸法は、切断機27によって切断した製品長さを、ワークWの元の寸法から減算して前記記憶装置に記憶すれば良いものである。
【0029】
前記切断機27の全体的構成を概念的,概略的に示す図5を参照するに、切断機27は適宜箱形状のベースフレーム51を備えており、この ベースフレーム51の適宜位置には当該ベースフレーム51を跨ぐ態様の門型の支持フレーム53が一体的に取付けてあり、この支持フレーム53の前側にはカッティングヘッド55が装着してある。
【0030】
上記カッティングヘッド55は、例えば大型の横型帯鋸盤における鋸刃ハウジングに相当するもので、このカッティングヘッド55に備えたホイール支持フレームの左右両側には支持プレート57A,57Bが垂直に設けてあり、この両支持プレート57A,57Bには、通常の大型の帯鋸盤と同様に、駆動モータ(図示省略)によって回転駆動される駆動ホイール59と従動ホイール61とが回転自在に装着してある。上記両ホール59,61の軸心は水平であり、この両ホイール59,61には切断工具の1例としてエンドレス状の帯鋸刃63が歯先を前側に向けて掛回してある。そして、前記両支持プレート57A,57Bの下部には、前記帯鋸刃65の左右方向に走行して短尺材(ワーク)の切断を行う部分に近接して背部側を水平に案内支持する鋸刃ガイド65A,65Bを先端部に備えた左右のガイドアーム67A,67Bが水平に取付けてある。
【0031】
前記ベースフレーム51の左右両側部には前後方向に長いガイドレール69A,69Bが設けてあり、この両ガイドレール69A,69Bにはスライダ71に左右両側部を支持されたT字形状の可動フレーム73が前後動自在に支持されている。この可動フレーム73の前後動は、サーボモータ(図示省略)によって回転されるボールネジ機構あるいはラックピニオン機構などの適宜の前後作動機構によって行われるものである。
【0032】
上記可動フレーム73の左右方向の中央部には前側へ突出した態様の昇降フレーム75が上下動自在に支持されており、この昇降フレーム75の前側上部には、切断すべきワーク(短尺材,端材等)Wの下面を水平に支持する支持台77が装着してある。上記昇降フレーム75は、前記可動フレーム73に装着したサーボモータ79(図6参照)によって回転駆動されるボールネジ機構(図示省略)等の上下作動機構によって上下動されるものである。したがって、前記支持台77の上下位置は、前記サーボモータ79を適宜に制御することにより正確に位置決めすることができるものである。
【0033】
前記可動フレーム73の前記昇降フレーム75の上方位置には、前記ワークWを当該ワークWの軸心に対して交差する方向すなわちワークWの垂直方向の軸心に対して直交する水平方向からクランプ固定自在のクランプバイス装置81が装着してある。上記クランプバイス装置81は、本例においては上下に離隔した上部クランプバイス83と下部クランプバイス85とを備えている。
【0034】
上記上部クランプバイス83は、互いに接近離反する方向へ移動自在かつワークWを挾持自在の左右のバイスジョー83L,83Rを備えており、下部クランプバイス85も同様の左右のバイスジョー85L,85Rを備えている。上記上下のクランプバイス83,85における左側のバイスジョー83L,85Lの間及び右側のバイスジョー83R,85Rの間には、前記帯鋸刃63が水平に通過自在の間隙87が前後方向に水平に形成してある。そして、前記左右の鋸刃ガイド65A,65Bは、上下のバイスジョー83L,85L及び83R,85Rの間で前記間隙87に近接した位置に位置してある。
【0035】
上下のクランプバイス83,85における左右のバイスジョー83L,83R及び85L,85Rを互いに接近離反する方向へ移動する構成としては、例えば左右方向に長い回転自在の螺子杆(図示省略)の左右方向の中央部から右側に右螺子を、左側に左螺子を形成し、この左右の螺子部に左右のバイスジョー83L,83R及び85L,85Rを螺合し、上記螺子杆をモータ等のごとき適宜アクチュエータによって回転することにより、左右のバイスジョーが互いに接近離反する構成とすることができる。
【0036】
また、上下のクランプバイス83,85におけるそれぞれの左右のバイスジョー83L,83R及び85L,85Rにそれぞれ油圧シリンダ等の流体圧シリンダからなる適宜アクチュエータを連結し、上記各アクチュエータを作動することにより左右のバイスジョー83L,83R及び85L,85Rが互いに接近離反する機構とすることもできる。
【0037】
すなわち、上下のクランプバイス83,85における左右のバイスジョー83L,83R及び85L,85Rを互いに接近離反する方向へ移動する構成としては種々の構成を採用することができるものである。なお、前記左右のバイスジョー83L,83R及び85L,85Rは、適宜一方を固定バイスジョーとして定位置に固定し、この固定バイスジョーに対して他方の可動バイスジョーが接近離反する方向へ移動する構成とすることもできる。
【0038】
さらに、前記上下のクランプバイス83,85における左右のバイスジョー83L,83R及び85L,85Rは、上下のクランプバイス83,85毎に個別に動作する構成としてある。しかし、上下のクランプバイス83,85における左右のバイスジョー83L,83R及び85L,85Rを一体的に移動する構成とすることもできる。この場合、上下のクランプバイス83,85における左側のバイスジョー83L,85Lを一体化し、かつ右側のバイスジョー83R,85Rを一体化した構成として、上下のクランプバイス83,85の間の間隙87に相当するスリットを左右のバイスジョーに前後方向に水平に形成すれば良いものである。
【0039】
上記構成において、可動フレーム73が前後方向の基準位置(図6に示す状態の位置)に位置し、かつ上下のクランプバイス83,85における左右のバイスジョー83L,83R及び85L,85Rを互いに離反して開いた状態に保持すると共にサーボモータ79を回転制御して昇降フレーム75を上下方向の原点位置に位置決めした状態にあるときに、前記ワーク搬送装置29のワーククランプ39によって短尺材のワークWを前記支持台77上に搬入載置する(図6参照)。
【0040】
このワークWは、前加工において長尺材から製品の切断加工を行った結果としての残材であるから、その切断面は許容範囲の平面をなすものである。したがって、ワークWの切断面が前記支持台77に支持されるように載置すると、ワークWの切断面は水平になる。また、残材や端材の端面にはワークWの寸法,材質等を表示するマーキングが施されているのが普通であるから、前述のごとく支持台77上にワークWを載置すると、前記端面が上面となりマーキングの確認を容易に行い得るものである。
【0041】
前述のごとく支持台77が上下方向の基準位置(原点位置と同義)に位置するとき、切断工具としての帯鋸刃63の位置は所定の高さ位置であって一定であるから、基準位置の前記支持台77の上面から前記帯鋸刃63の高さ位置までの高さ寸法Hは常に一定である。したがって、前記ワークWから寸法Lの製品を切断しようとする場合には、サーボモータ79を回転制御して昇降フレーム75を基準位置から(H−L)寸法だけ相対的に上昇し位置決めする(図7参照)。この際の昇降フレーム75の上昇位置は、前記サーボモータ79に備えたロータリエンコーダまたは可動フレーム73に取付けた上下方向のリニアセンサ等の適宜の昇降位置検出センサ(図示省略)によって常に検出されるものである。
【0042】
上述のごとく昇降フレーム75,支持台77を上昇位置決めした後、上下のクランプバイス83,85におけるバイスジョー83L,83R及び85L,85RによってワークWを、ワークWの軸心に対して交差する方向,すなわちワークWの軸心に直交する水平方向からクランプ固定する。そして、次に、図7において可動フレーム73を、帯鋸刃63に対して相対的に左方向(後方向)へ移動することにより、図8に示すように、ワークWに対して水平に切断が行われる。
【0043】
上述のごとくワークWに対して水平に切断を行うとき、支持台77でもってワークWの下面を支持した状態にあっても良く、またはワークWの下面から支持台77の上面を僅かに離反した状態に保持しても良いものである。
【0044】
前述のごとくワークWの切断を開始して、ワークWから製品Sを切断分離すると、可動フレーム73は切断開始前の元の基準位置に復帰される(図9参照)。
【0045】
なお、上述のごとく可動フレーム73を前後方向の元の基準位置へ復帰する際には、上部クランプバイス83は上方向へ僅かに移動し、下部クランプバイス85は僅かに下方向へ移動する構成とすることが望ましい。このように構成することにより、可動フレーム73の復帰時に切断後のワークWの下面及び製品Sの上面と帯鋸刃63とが擦れ合うことがないものである。
【0046】
前述のごとく、可動フレーム73が前後方向の基準位置に復帰した後に、上下のクランプバイス83,85がワークW及び製品Sの挾持を開放すると、支持台77に支持されていた製品Sの上にワークWが直接載置される。したがって、次に前記帯鋸刃63の切断代を考慮して次に切断すべき製品の寸法に対応した寸法だけ昇降フレーム75,支持台77を下降し位置決めした後、上下のクランプバイス83,85によってワークWを再び挾持固定すると、ワークWから次の製品を切断可能な状態となる(図10参照)。
【0047】
したがって、前記昇降フレーム75を上下方向の基準位置に下降し、かつ支持台77上の製品Sをワーク搬送装置29のワーククランプ39によって上下方向から挾持し、かつ次工程へ搬出した後、ワークWの再切断を直ちに行うことができる。この場合、支持台77は、再び上昇して切断中のワークWの下面を支持するものである。
【0048】
ワークWの再切断を行うことなく残材としてのワークWを回収する場合には、前述したごとく製品Sを搬出した後、支持台77を再び上昇してワークWの下面を支持した後に当該ワークWの挾持を開放し、支持台77を上下方向の元の基準位置に位置決めすることにより、残材としてのワークWをワーク搬送装置29によって前記ワーク収納棚25へ再び格納すべく搬出することができるものである(図11)。
【0049】
既に理解されるように、切断工具としての帯鋸刃63に対して相対的に上下動する水平な支持台77上にワークWの切断面が下面となるように載置し、このワークWをクランプバイス装置により固定した状態において前記帯鋸刃63によって水平に切断するものであるから、ワークWから切断分離される製品Sの上下面は平行になるものである。
【0050】
すなわち、ワークWの直径に対して軸方向の寸法が極めて小さな短尺材の場合であっても、切断機における切断工具による切断平面に対してワークの切断面を平行に位置決めすることが容易であり、かつ製品の切断寸法の位置決めを容易に行い得るものである。
【0051】
前記切断機27によって切断された製品Sは、前述したようにワーク搬送装置29におけるワーククランプ39によって次工程へ搬出され、例えば適宜位置に配置した製品パレット89(図2参照)上に載置される。
【0052】
図2より明らかように、上記製品パレット89は前記枠内フレーム3の内部に配置してあり、かつ前記切断機27に近接した位置には製品Sを把持し直すために製品を一時的に支持する支持テーブル91が配置してある。さらに、前記切断機27から前記支持テーブル91へ製品Sを前記ワーク搬送装置29によって搬送する搬送経路の途中には、図12に示すように、前記ワーククランプ39に保持された状態の製品Sの上面にマーキングを行うためのマーキング装置93が設けられている。なお、このマーキング装置93は周知のものであるから、マーキング装置93についての詳細な説明は省略する。
【0053】
前記切断機27において切断された製品Sをワーク搬送装置29によって前記支持テーブル91上に搬出するとき、上記製品Sの上面には前記マーキング装置93によって適宜のマーキングが施され、その後に支持テーブル91上に載置される。製品Sを支持テーブル91上に載置すると、ワーク搬送装置29におけるワーククランプ39による上下方向の把持が開放される。
【0054】
ワーククランプ39が製品Sの把持を開放すると、ワーククランプ39は、回動用アクチュエータ49の作用によって垂直状態から水平状態に回動される。したがって、ワーククランプ39は、当該ワーククランプ39に備えた前記固定ジョー45Fと可動ジョー45Mでもって製品Sの上部を水平方向すなわち製品Sの直径方向から挾持することができる。
【0055】
よって、製品Sを前記製品パレット89上に載置するときには、製品Sの上部を水平方向から把持した状態で載置することができ、上記製品パレット89上に予め製品Sが載置されている場合には当該製品S上に次の製品を重ねるように載置することができる。
【0056】
上記説明より理解されるように、短い端材や短尺材のワークWは、直径等を計測してワーク収納棚25に収納保管するとき、上記ワークWの軸方向が垂直方向となるようにワーク収納棚25に収納載置するものであるから、ワークWの形状寸法,材質とワーク収納棚25の収納位置の番地とを関連付けての管理が容易であると共にワークWを転動したり倒れることなく安定した状態に保管することができる。
【0057】
そして、ワーク収納棚25に所定ピッチで切欠部25Nを形成した構成とすることにより、ワーク収納棚25の番地付けが容易であると共に、ワーク収納棚25に対してワーク搬送装置29によって搬出入するとき、ワーク搬送装置29のワーククランプ39とワーク収納棚25とが干渉するようなことがなく、容易に搬出入することができるものである。
【0058】
また、切断機27によって切断された後の製品Sを製品パレット89に載置する際には、支持テーブル91に製品Sを一時載置し、前記ワーククランプ39によって製品Sの上部を水平方向から把持するように把持し直した後に製品Sを製品パレット89に載置できるので、製品パレット89上に製品Sを重ねて載置できることとなり、効率の良い製品載置を行うことができるものである。
【0059】
【発明の効果】
以上のごとき説明より理解されるように、本発明によれば、軸方向の寸法が短い円板状のワークであっても、転動や倒れ等を生じることなく安定した状態でもってワーク収納棚に収納して管理することができると共に上記ワーク収納棚に対してワークの搬出入を容易に行うことができ、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る切断管理装置の全体的構成を概略的,概念的に示した正面説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る切断管理装置の全体的構成を概略的,概念的に示した平面説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る切断管理装置の全体的構成を示した主要部分の拡大説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る切断管理装置の全体的構成を示した主要部分の拡大左側面説明図である。
【図5】切断機を概念的,概略的に示した斜視説明図である。
【図6】切断機によるワークの切断工程を示す作用説明図である。
【図7】切断機によるワークの切断工程を示す作用説明図である。
【図8】切断機によるワークの切断工程を示す作用説明図である。
【図9】切断機によるワークの切断工程を示す作用説明図である。
【図10】切断機によるワークの切断工程を示す作用説明図である。
【図11】切断機によるワークの切断工程を示す作用説明図である。
【図12】マーキング装置の説明図である。
【符号の説明】
1 切断管理装置
5 ワーク搬入装置
7 コンベア
9 コンベア装置
15 直径測定装置
17 ストッパ部材
19 ワーク押進部材
25 ワーク収納棚
25N 切欠部
27 切断機
29 ワーク搬送装置
39 ワーククランプ
43 バイスベース
45F 固定ジョー
45M 可動ジョー
51 ベースフレーム
55 カッティングベッド
59 駆動ホイール
61 従動ホイール
63 帯鋸刃
73 可動フレーム
75 昇降フレーム
77 支持台
83 上部クランプバイス
85 下部クランプバイス
89 製品パレット
91 支持テーブル
Claims (5)
- 直径に比較して軸方向の長さが同程度以下の短尺の円板状のワークの軸心を垂直状に保持してワークの搬入を行うためのワーク搬入装置と、上記ワーク搬入装置によって搬入されたワークの軸心を垂直状に保持しかつ複数のワークの一側部を基準線に一致して並列に収納保持するワーク収納棚と、前記ワークの軸心を垂直状に保持して上記ワークの下部側を切断するための切断機と、前記ワーク搬入装置によって搬入されたワークを前記ワーク収納棚又は前記切断機へ或は前記ワーク収納棚から前記切断機へワークを搬送するためのワーク搬送装置とを備えたことを特徴とするワーク切断管理装置。
- 請求項1に記載のワーク切断管理装置において、ワーク収納棚は、ワーク搬送装置におけるワーククランプが進入自在の切欠部を所定間隔に備えた構成であることを特徴とするワーク切断管理装置。
- 請求項1又は2に記載のワーク切断管理装置において、ワーク搬入装置によって搬入されたワークの直径を測定するための直径測定装置を備えたことを特徴とするワーク切断管理装置。
- 請求項1,2又は3に記載のワーク切断管理装置において、ワーク搬送装置は、切断機によって切断された製品を次工程へ搬出する搬出装置を兼ねており、かつ上記製品の搬出経路の途中に、当該製品の上面にマーキングを行うためのマーキング装置を備えたことを特徴とするワーク切断管理装置。
- 請求項4に記載のワーク切断管理装置において、製品の搬出経路途中に、製品を一時的に支持するための支持テーブルを設けたことを特徴とするワーク切断管理装置。
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