JP4580471B2 - プリントシステム及びインクジェットプリンタ装置の制御方法 - Google Patents
プリントシステム及びインクジェットプリンタ装置の制御方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドット径変調方式やドット内濃度変調方式(キャリアジェットプリンタ装置)などの中間調印画が可能なインクジェットプリンタ装置に関し、更に詳しくは、ドット径変調方式やドット内濃度変調方式に誤差拡散法や組織的ディザ法等のディザ法を併用(多階調ディザ法)するプリントシステム及びインクジェットプリンタ装置の制御方法において、ドット径やドット内濃度等のドット変調の階調段数および多階調ディザ法の変換レベルを任意に設定(変更を含む)可能とすることにより、如何なるプリンタヘッドにも対応できるようにしたプリントシステム及びインクジェットプリンタ装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者は、先に希釈液またはインクの一方をプリント情報に従って定量し、他方を規定量で混合した混合液を用いて中間調のプリントを行うキャリアジェット方式と称する新規なプリンタ装置を出願番号:特願平7−254250号に提案した。更に、電歪振動子に印加する電圧を変化させて吐出インク液滴の大きさを変化させるとともに、誤差拡散法や組織的ディザ法等の階調再現法を組み合わせて多階調表現を可能にしたインクジェットプリンタ装置を特願平07−195178号に提案した。
【0003】
先願例におけるインクジェットプリンタ装置は、印画ヘッドに形成した複数のインク吐出口にインクを供給するとともに、インク吐出口を入力画像データに基づいて駆動することにより、インク液滴をノズルより噴射し、これを記録媒体上に付着させるものであり、インクの液滴をノズルより噴射する方法には、電歪素子の変位によりインクを加圧する方法と、発熱素子によりノズル中のインクを加熱気化し、発生する泡(バブル)の圧力を利用する方法に大別される。
【0004】
従来、キャリアジェットプリンタ装置等のプリンタヘッドにおいて、希釈液とインクを混合してドット内で濃度変調を行う場合、インクの混合比が少量であればあるほど、希釈液とインクの混合液の正確な生成ができず、良好な階調表現が得られないという問題がある。すなわち、インク濃度が高い方では1個のドットのインク量が増えても濃度差が判り難いのに対し、インク濃度の低いハイライト部分(白を基調とする絵柄)では1個のドットのインク量が少し変化するだけで濃度差が際立つことになるため、良好な濃度再現が得られないという問題が生じていた。
【0005】
ところで、従来のインクジェットプリンタ装置におけるドット径変調は、
(1).ドットの重ね打ちによりドットサイズを変化させる方法(1〜3ドットを重ねる方法で一部実用化されている)。
(2).1個の吐出ドットの噴出する液滴サイズを制御し、印字のドット径を可変してドットサイズを変調させる方法等により行われている。
【0006】
しかしながら、第1の方法ではそれぞれのインク液滴体積は一定であるため、自由にドットサイズを変化させることは出来ず、数段階のドット内階調再現に限られていた。また第2の方法では、同一ハードウエアでドット径の変調段数は増加するが、プリンタヘッドの特性によってその段数を増減させたり、それに対応するディザの変換レベルを変化させることは行われていなかった。従って、プリンタヘッドの技術的進捗およびプリントサンプルの要求画質の変更などに応じることは出来なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、ドット径変調方式やドット内濃度変調方式などの中間調印画が可能なインクジェットプリンタ装置において、ドット径変調やドット内濃度変調等のドット内変調の階調段数や多階調ディザ法の変換レベを可変できるようにして、如何なる階調数を有するプリンタヘッドにも対応できるようにしたプリントシステム及びインクジェットプリンタ装置の制御方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した本発明の課題を解決するために以下の手段を講じた。すなわち、本発明の基本的な構成として、各画素を形成するインク液滴の直径または濃度をドット内変調するインク制御手段と、1画素のデータ値にディザを加えて一定の閾値で多値化して階調を再現するディザ法を用い、各画素を多階調で表示するディザ制御手段と、前記インク制御手段及び前記ディザ制御手段により制御されたインク液滴を吐出させ、記録媒体に記録を行うプリンタヘッドとを備える。そして、前記プリンタヘッドとして、階調段数の異なるプリンタヘッドが選択的に取り付けられ、インク制御手段のドット内変調の階調段数(D/A変換部のビット数等)に、現在使用するプリンタヘッドを上回る能力を持たせる。そして、前記インク制御手段のドット内変調階調段数内で前記現在使用するプリンタヘッドのドット内変調の階調段数以上の階調段数が設定可能で、選択されるプリンタヘッドの階調段数に合わせて設定(変更を含む)するドット内階調設定手段と、ドット内階調設定手段によって設定された階調段数に対応してディザ制御手段の閾値を設定する多階調ディザ設定手段とを備えた。そして、前記ドット内階調設定手段の設定可能な階調段数以下の階調段数において、選択されるプリンタヘッドの階調段数に合ったドット内変調(ドット径変調やドット内濃度変調など)の階調段数および多階調ディザ法の変換レベルによる印画を行う。
【0009】
本発明では、ドット内変調の階調段数や多階調ディザ法の変換レベルを、使用者がコンピュータ装置の表示画面等を見ながら所定手段によって任意に可変できるようにしたため、例えば、最初は32段階のドット内階調が可能なプリンタヘッドに適応していたプリンタ装置を、64段階のドット内階調が可能なプリンタヘッドにバージョンアップした場合にも対応できるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態につき添付図面を参照して説明する。
【0011】
先ず、本発明のインクジェットプリンタ装置を実現するための構成につき、図1を参照して説明する。図1は本発明のインクジェットプリンタ装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【0012】
本発明は、前述のキャリアジェットプリンタ装置に代表される濃度変調型プリンタおよびドット径変調型インクジェットプリンタ装置等の中間調印画が可能なインクジェットプリンタ装置に適用して有効なものである。また、プリンタ装置およびプリンタヘッドの概要については、先願例と略同様でありここでの説明は省略する。
【0013】
本発明のインクジェットプリンタ装置を実現する構成は、コンピュータ装置1およびインクジェットプリンタ装置2から構成される。コンピュータ装置1にはR、G、Bの画像ファイル3、多階調ディザ設定手段4および表示画面5を備えている。インクジェットプリンタ装置2にはドット内階調設定手段6、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)等のプリンタヘッド7を備えて構成される。なお、多階調ディザ設定手段4および表示画面5はインクジェットプリンタ装置2側に配置しても良い。
【0014】
そして、インクジェットプリンタ装置2のドット内変調の階調段数(後述するD/A変換部のビット数、6ビット〜7ビット〜8ビット等)を、どのようなレベル/ランクのプリンタヘッド(ドット内変調の階調段数、16段階〜32段階〜64段階〜128段階等)にも対応できるように余裕を持った能力を持って構成しておき、実際に所定レベル/ランクにあるプリンタヘッドを使用する際、そのプリンタヘッドで使用できる最大段数を多階調ディザ設定手段4に設定することにより、使用プリンタヘッドに合致したドット内変調の階調段数で印字するようにする。
【0015】
つまり、(使用するプリンタヘッドのドット内変調の階調段数)≦(プリンタ装置本体が有するドット内変調の階調段数能力)の関係が成り立つように構成する。なお、プリンタヘッドのドット内変調の階調段数は次のような点を考慮して行われる。
【0016】
(1).バラツキの多いプリンタヘッドでは階調段数を減らす。
(2).プリンタヘッドを選別し、その能力別に低価格ヘッドと高価格ヘッドの少なくとも2種類のランクに分類する。そして、低価格ヘッドでは少ない階調段数とし、高価格ヘッドでは多い階調段数とする。
(3).第1次量産時にはプリンタヘッドのバラツキを抑えのが難しいため少ない階調段数とし、プリンタヘッドの開発を継続した後の第2次量産時には多い階調段数とする等を考えて決定する。
【0017】
本発明のインクジェットプリンタ装置では、上述のようにプリンタ装置の能力に余裕があることから、以下に示すような新たな機能を付加することが可能である。これを図2を参照して説明する。図2は本発明のインクジェットプリンタ装置の多階調誤差拡散法の設定例を示す説明図である。
【0018】
(1).入力画像データと誤差拡散法の変換レベルとの対応を固定せず、任意に変更可能とする。
(2).ドット内変調の階調段数の間隔を均一とせず、ある部分では大きく、ある部分では小さく制御する。例えば、最初のプリンタヘッドで32段階のドット内階調が可能であり、次の量産プリンタヘッドでは64段階のドット内階調が可能となった場合、またはそれらの分割段数のそれぞれのレベルが等間隔でない場合、図2(※1)ドット内階調の段数を任意に変更可能とし、合わせて(※2)多階調ディザ法の変換レベルを任意に変更可能とする。このようにしてプリンタ装置のハードウエアを変更することなく使用プリンタヘッドへの対応を図り、かつハイライト部分での濃度の再現性が良くなるように制御する。
【0019】
また、上記(1)、(2)の設定方法としては、
(1).コンピュータ装置1上の表示画面5で設定できるようにする。(但し、この機能は使用者に公開しないようにしても良い)。
(2).コンピュータ装置1上またはインクジェットプリンタ装置2の設定パネル(図示省略)から、使用ヘッドの特性を示す数値/記号(例えばAランクヘッド、Bランクヘッドなど)を入力する。
(3).使用ヘッドに、その特性を示す物理的/電気的指示手段(メカニカルな突起物や光学的反射手段など)が付加されており、プリンタ本体にヘッドを挿着したときその内容を読み取り、プリンタ本体で設定する。
(4).コンピュータ装置1上にプリンタドライバをヘッド毎に分割して設け、使用ヘッドに合致したプリンタドライバを使用する等である。
【0020】
次に、本発明に関連するコンピュータ装置の信号処理の流れを図3を参照して説明する。図3は本発明に関連するコンピュータ装置の一般的な信号処理の流れを示すブロック回路図である。なお、本発明のインクジェットプリンタ装置で記載する事項と共通する部分には、以降も同一参照符合を付すものとする。
【0021】
コンピュータ装置1のディジタル信号処理は、例えば画像ファイル3から出力されたR、G、B各8ビットの画像データは、色分解処理器8によってシアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の8ビット補色信号に変換する。下色除去処理器(Under Color Removal:以下、単に「UCR」と記す)9では、ブラックヘッドBkの有無に応じて適正なUCR処理を行う。すなわち、Y、M、Cの3色信号からブラック(Bk)信号を生成して4色でのカラー印画を行う。
【0022】
色・階調修正器10では、カラーコレクタやγ補正等により、フィルタ、色染料および色トナーの分光特性から、原稿に忠実な色再現を行うための色・階調修正処理を行う。シャープネス修正器11では、高域強調やノイズ除去などにより鮮鋭化の補正処理を行う。当該補正された画像データは、その後、多値化ディザ処理器12によって、例えば多階調誤差拡散法により実際に印画すべき印画データに置換される。置換された印画データは、CPUシステムバスラインを介してインクジェットプリンタ装置2に転送される。インクジェットプリンタ装置2では詳細は後述するが、吐出制御器13によって印画データを制御し、混合吐出動作を行ってプリンタヘッド7から液体インクの液滴を吐出する。
【0023】
ここで、本発明のインクジェットプリンタ装置における多階調ディザ法を図4および図5を参照して説明する。図4は本発明における多階調ディザ法の説明図であり、図5はコンピュータ装置上での設定画面を示す図であり、(a)は設定画面の第1例を示す図、(b)は設定画面の第2例を示す図である。
【0024】
図4におけるある注目ラインの画素Gについて、本来印画したい入力レベルXと実際に印画する際の取り得るレベルX′との関係は、以下の式(1)に示すとおりである。
ε=X−X′ (1)
【0025】
すなわち、上記入力レベルXは入力画像データそのものであり256階調以上あるのに対して、実際に印画する際の取り得るレベルX′は数種類(通常は、4、6、8、16段階等)しかない。従って、入力レベルXと実際のレベルX′との間には誤差εが存在する。なお、画素Gの誤差εを、画素Gの周囲の画素に分配して加算する場合があり、このとき分配される周囲の画素およびその比率は様々な状態を取りうるものである。図は分配率の一例を示していて、注目画素Gの周囲の位置に応じて7/16、3/16、5/16、1/16などと分配した例である。
【0026】
本発明のインクジェットプリンタ装置ではこのX′の決定を可変とし、インクジェットプリンタ装置のD/A変換部を、例えば入力画像データ8ビットの最大階調数に設定する。また、コンピュータ装置上のプログラム(プリンタドライバの設定画面上)においてこのX′の階調数と実行値を設定する。一例として、図5(a)に示すようにドット内階調数32と設定し、レベル0〜レベル32の実際のデフォルト値(実行値)を数値入力する。(※3)の数字はデフォルト値であり、□内が設定箇所である。更に、このデフォルト値の設定にあたり、説明を簡単にするため、同図(b)にドット内階調段数を8として説明するならば、例えば人物の顔の部分の一般的な光学濃度(Optical Density:OD値)0.5〜0.8としてその再現性を高める処理を行う。なお、上記多階調誤差拡散(ディザ)法での処理における階調数は、通常4、6、8、16段階程度である。
【0027】
上述した本発明のインクジェットプリンタ装置の回路構成につき、図6を参照して説明する。図6は本発明のインクジェットプリンタ装置の概略構成を示すブロック回路図である。なお、キャリアジェットプリンタ装置では実際には変調部と吐出部のプリンタヘッドを備えており、それらのヘッド回路部はノズル数だけ存在する。また、モータ制御部やヘッド送り等の機構系の説明は省略する。
【0028】
このインクジェットプリンタ装置は、1画素のデータ値にディザを加えて複数の閾値で多値化して階調を再現する多階調ディザ法を用い、各画素を多階調で表示するディザ制御部21と、各画素を形成する液体インクの液滴の直径を複数段階に可変制御するインク制御部22と、上記ディザ制御部21およびインク制御部22により制御された直径を有する液体インクの液滴を吐出するプリンタヘッド7、外部から入力されるプリント位置センサ信号を受理してD/A変換トリガ信号等を出力するタイミング制御部17を備えてなる。
【0029】
次に、インクジェットプリンタ装置の動作について具体的に説明する。
【0030】
図6に示す本発明のインクジェットプリンタ装置の駆動制御部20には、印画する画像のデータが入力画像データとして外部から入力される。
【0031】
ここで、このインクジェットプリンタ装置で用いられる画像を多階調で表現する方法は、読み出し専用メモリであるROM14に格納されたプログラムが、CPU15に自動的に送られたり、或いは使用者がCPU15に接続される図示しない操作キー等を手動的に操作した内容等がCPU15に送られたりすることにより、CPU15によって選択される。
【0032】
一例としてドット径変調方式と誤差拡散法や組織的ディザ法等のディザ法とを組み合わせる多階調ディザ法の組み合わせ方法について説明する。
【0033】
この画像を多階調で表現する方法としては、第1の方法として、記録媒体上のインク液滴の直径、すなわち、インクドット径を中間調に適した大きさに合わせる方法、第2の方法として、インクドット径を中間調に適した大きさよりも1〜2段階小さくし、その不足分の液滴を周囲の画素として小さなインクドット径で配置することにより総合的に中間調を表現する方法、および第3の方法として、小さなインクドット径でインク液滴を数多く周囲に配置して総合的に中間調を表現する方法等が考えられる。
【0034】
上記第1の方法では、画像の実質的な解像度は高いが、大きなインク径を用いるため画像の粒状性は良くないのに対して、第3の方法では、画像の実質的な解像度は低下するが、画像の粒状性は良くなる。また、解像度および粒状性の両方が求められる画像に対しては、第2の方法を用いる。なお、1枚の画像の中で部分的に実質的な解像度と粒状性とを変化させることが要求されるとき、部分的に実質的な解像度および粒状性を計測することが可能な場合には、CPU15の制御により上記第1、第2、第3の方法を自動的に切り換えても良い。
【0035】
駆動制御部20では、入力画像データは多階調のディザ化画像データに置換され、このディザ化画像データのインク液滴の直径、すなわちインクドット径が制御された後、ヘッドドライブ部16を制御するヘッド駆動信号として出力される。駆動制御部20に入力された画像データはデータ入力インターフェイス部23(以下、単に「データ入力I/F部」と略記する)を介して、RAM24に格納される。データ入力I/F部23では、RAM24内の入力画像データがオーバーフローしないように制御を行い、RAM24内の画像データ量がRAM24の格納可能量の上限に達した時点で、入力画像データ制御信号を外部に出力して、画像データの入力を停止させる。RAM24に画像全体の画像データが格納されたとき、または数ライン分の画像データが格納されたときには、データ入力I/F部23の制御により、入力画像データはディザ制御部21に送られる。
【0036】
このディザ制御部21では、送られた画像データをRAM25に格納した後、ディザ法を用いて、上記格納された入力画像データを印画すべき画像データ、すなわちディザ化画像データに置換する。この置換されたディザ化画像データは、再びRAM25に格納される。このとき、RAM25がディザ化画像データ全体を格納することができる記憶容量である場合には、入力画像データを全て格納した後にディザ法による画像データの置換を行い、RAM25がディザ化画像データ全体を格納することができない場合には、画像の数ライン分のディザ化画像データをRAM25に格納する。このRAM25に格納されたディザ化画像データは、インク制御部22に送られる。
【0037】
インク制御部22では、送られるディザ化画像データをRAM26に格納した後、このディザ化画像データの各画素のインクドット径を制御した出力画像データを生成する。この出力画像データはRAM26に格納される。RAM26にプリンタヘッド7を駆動する画素数だけ出力画像データが格納されたならば、この出力画像データはD/A変換部27に送られる。D/A変換部27は、前述の如くプリンタヘッド7の階調数を上回る能力を有しており、如何なるドット内変調段数のプリンタヘッド7にも対応可能となされている。D/A変換部27では、上記D/A変換トリガ信号に基づいてRAM26からの出力画像データをアナログ信号、すなわち使用者が任意に設定した電圧レベルに変換する。
【0038】
このインクドット径と電圧レベルの関係は、電歪振動子の変位の不安定要因であるヒステリシス特性および静電容量をもつことによる印加波形の変化等、プリンタヘッド7全体のインク吐出の不安定要因であるプリンタヘッド7の組み立てのバラツキによるインク吐出特性の誤差、インクの粘性等の物性や振動板の特性によるインク吐出特性のバラツキ、印加電圧の変化に対する記録紙上のインク液滴の直径の変化等を考慮して使用者によって設定される。
【0039】
上記D/A変換部27からのアナログ信号は、ヘッド駆動信号としてヘッドドライブ部16に送られる。このヘッドドライブ部16では、ヘッド駆動信号を電歪振動を変位させるのに必要な電力まで増幅して、ヘッド印加信号としてプリンタヘッド7に出力する。上記必要な電力は、具体的には7V以上である。これにより、プリンタヘッド7による記録紙への画像データの記録が行われる。
【0040】
引き続き、本発明のインクジェットプリンタ装置の動作フローにつき、図7および図8を参照して順次説明する。図7は本発明のインクジェットプリンタ装置のプリント手順の一例を示すフローチャート図であり、図8はコンピュータ装置上での設定画面を示す図であり、(a)は設定画面の第1例を示す図、(b)設定画面の第2例を示す図、(c)は設定画面の第3例を示す図である。図におけるSPは処理ステップを示す。
【0041】
先ず、ステップSP1においてドット内階調数の設定動作がスタートされると、ステップSP2にてコンピュータ装置が使用プリンタヘッドの指標(例えばAランクヘッド、Bランクヘッドなど)を入力するか、或いは個別の対応値を設定するかを促す画面▲1▼(図8参照)を表示する。ステップSP3にて使用プリンタヘッドの最適ドット内階調数を示す指標が判っているか否かの判断がなされ、YESの場合はそのままステップSP4に進み、NOの場合はステップSP5の詳細設定モードに進む。
【0042】
ステップSP5の詳細設定モードにおいては、図8の画面▲2▼および▲3▼のようにコンピュータ装置が、予め設定されているドット内階調数(例えば32階調)と、各レベルの対応値を表示し、使用者が階調数と各変換レベルに対応する値を所望値に変更する。(※4)数字はデフォルト値であり、□内が設定箇所である。その後、表示画面上のOKを選択して詳細設定モードを終了する。
【0043】
ステップSP4では、使用者が使用ヘッドの最適ドット内階調数を示す指標を入力する。ステップSP6に進み、使用者によって個別の対応値を変更するか否かの判断がなされ、NOでは表示画面上のOKを選択して設定を完了する。個別の対応値を変更する(YES)では、ステップSP7において、同じく画面▲2▼および▲3▼のようにコンピュータ装置が入力された指標に基づき、予め設定されている(予め決められたプリンタヘッドに最適な各ランクの値)ドット内階調数と各変換レベルの対応値を表示し、使用者が階調数と各変換レベルに対応する値を所望値に変更する。但し、画面▲3▼の(※5)はドット内階調数を「32」→「8」に変更した時の画面である。その後、表示画面上のOKを選択して詳細設定モードを終了する。これにより、使用者が選択した階調数と各変換レベルに応じて良好な画像データのプリントを行うことができる。
【0044】
本発明は前述の実施の形態例に限定されず、種々の実施形態を採ることができる。プリンタ装置の記録方式として、キャリアジェットプリンタ装置の他、ドット径変調方式インクジェットプリンタおよび濃度変調方式インクジェットプリンタ等の各種インクジェットプリンタ装置に適用可能である。本発明は以上示した一実施形態にとらわれず、様々な形態に発展できることは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、プリンタ装置のドット内変調の階調段数(D/A変換部のビット数等)に使用するプリンタヘッドを上回る能力を持たせ、現在使用するプリンタヘッドの階調段数に合わせて設定できるようにしたため、プリンタ装置のハードウエア構成を変更することなく、選択されるプリンタヘッドの階調段数に合ったドット内濃度階調段数や多階調ディザ法の変換レベルによる印画が可能となる。
【0046】
本発明では、ドット内変調の階調段数や多階調ディザ法の変換レベルを、使用者が任意に可変できるようにしたため、プリンタヘッドの吐出特性、要求画質に応じて最適な中間調印画が可能となる。また、将来のプリンタヘッドのバージョンアップやプリンタヘッドの改良にも、プリンタ装置のハードウエア構成を変更することなく柔軟に対応することが可能となり有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットプリンタ装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図2】本発明のインクジェットプリンタ装置の多階調誤差拡散法の設定例を示す説明図である。
【図3】本発明に関連するコンピュータ装置の一般的な信号処理の流れを示すブロック回路図である。
【図4】本発明における多階調ディザ法の説明図である。
【図5】コンピュータ装置上での設定画面を示す図であり、(a)は設定画面の第1例を示す図、(b)は設定画面の第2例を示す図である。
【図6】本発明のインクジェットプリンタ装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図7】本発明のインクジェットプリンタ装置のプリント手順の一例を示すフローチャート図である。
【図8】コンピュータ装置上での設定画面を示す図であり、(a)は設定画面の第1例を示す図、(b)設定画面の第2例を示す図、(c)は設定画面の第3例を示す図である。
【符号の説明】
1…コンピュータ装置、2…インクジェットプリンタ装置、3…画像ファイル、4…多階調ディザ設定手段、5…表示画面、6…ドット内階調設定手段、7…プリンタヘッド、8…色分解処理器、9…下色除去処理器、10…色・階調修正器、11…シャープネス修正器、12…多値化ディザ処理器、13…吐出制御器、14…ROM、15…CPU、16…ヘッドドライブ部、17…タイミング制御部、20…駆動制御部、21…ディザ制御部、22…インク制御部、23…データ入力I/F部、24,25,26…RAM、27…D/A変換部
Claims (6)
- 各画素を形成するインク液滴の直径または濃度をドット内変調するインク制御手段と、
1画素のデータ値にディザを加えて一定の閾値で多値化して階調を再現するディザ法を用い、各画素を多階調で表示するディザ制御手段と、
前記インク制御手段及び前記ディザ制御手段により制御されたインク液滴を吐出させ、記録媒体に記録を行うプリンタヘッドとを備えたインクジェットプリンタ装置を含むプリントシステムであって、
前記プリンタヘッドとして、階調段数の異なるプリンタヘッドが選択的に取り付けられ、
前記インク制御手段は、ドット内変調階調段数が、現在使用するプリンタヘッドの階調段数以上であり、
前記インク制御手段のドット内変調階調段数内で前記現在使用するプリンタヘッドのドット内変調の階調段数以上の階調段数が設定可能で、前記インク制御手段のドット内変調の階調段数を、選択されるプリンタヘッドの階調段数に合わせて設定するドット内階調設定手段と、
前記ドット内階調設定手段によって設定された階調段数に対応して前記ディザ制御手段の閾値を設定する多階調ディザ設定手段とを具備し、
前記ドット内階調設定手段の設定可能な階調段数以下の階調段数において、選択されるプリンタヘッドの階調段数に合致したドット内変調の階調段数および多階調ディザ法の閾値による印画を行うことを特徴とするインクジェットプリンタ装置を含むプリントシステム。 - ドット内変調の階調段数および多階調ディザ法の変換レベルの設定は、コンピュータ装置またはインクジェットプリンタ装置の所定手段を用いて所定値を入力することによって行うことを特徴とする請求項1に記載のプリントシステム。
- 前記所定値は、使用するプリンタヘッドの特性を示す数値であることを特徴とする請求項2に記載のプリントシステム。
- ドット内変調の階調段数および多階調ディザ法の閾値の設定は、プリンタヘッドに備えられたプリンタヘッドの特性を示す物理的または電気的指示手段を、プリンタ装置が読み取り、自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載のプリントシステム。
- ドット内変調の階調段数および多階調ディザ法の閾値の設定は、コンピュータ装置に備えられたプリンタヘッドに適応したプリンタドライバによって行うことを特徴とする請求項1に記載のプリントシステム。
- ドット内変調階調段数が、現在使用するプリンタヘッドの階調段数以上で、各画素を形成するインク液滴の直径または濃度をドット内変調するインク制御手段と、1画素のデータ値にディザを加えて一定の閾値で多値化して階調を再現するディザ法を用い、各画素を多階調で表示するディザ制御手段と、前記インク制御手段及び前記ディザ制御手段により制御されたインク液滴を吐出させ、記録媒体に記録を行うプリンタヘッドとを備えたインクジェットプリンタ装置の制御方法であって、
前記プリンタヘッドとして、階調段数の異なるプリンタヘッドが選択的に取り付けられ、
前記インク制御手段のドット内変調階調段数内で前記現在使用するプリンタヘッドのドット内変調の階調段数以上の階調段数が設定可能なドット内階調設定手段を用いて、選択されるプリンタヘッドの階調段数に合わせてドット内変調の階調段数を設定するドット内階調設定工程と、
前記ドット内階調設定工程によって設定された階調段数に対応して閾値を設定する多階調ディザ設定工程と、
前記ドット内階調設定手段の設定可能な階調段数以下の階調段数において、選択されるプリンタヘッドの階調段数に合致したドット内変調の階調段数および多階調ディザ法の閾値による印画を行う印画工程と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタ装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP07717896A JP4580471B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | プリントシステム及びインクジェットプリンタ装置の制御方法 |
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