JP2000198237A - 印刷装置、印刷方法、および記録媒体 - Google Patents

印刷装置、印刷方法、および記録媒体

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JP2000198237A
JP2000198237A JP131399A JP131399A JP2000198237A JP 2000198237 A JP2000198237 A JP 2000198237A JP 131399 A JP131399 A JP 131399A JP 131399 A JP131399 A JP 131399A JP 2000198237 A JP2000198237 A JP 2000198237A
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孝一 吉澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 文字や図形等の画像を印刷した場合に、輪郭
が滑らかに印刷されず、また輪郭が太くなる等の問題が
生じる場合があった。 【解決手段】 大きさの異なる2種類以上のドットを形
成可能な印刷装置において、文字や図形等の輪郭を構成
する画素を抽出し、該輪郭画素には小さなドットが形成
されるようにする。輪郭部に小さなドットを形成すれ
ば、大きなドットを形成する場合に比べて輪郭を滑らか
にすることができ、輪郭が太くなることも回避すること
ができる。また、次のようにすれば更に画質を向上させ
ることができる。先ず、形成可能なドットの中で所定の
大きさのドットはドット形成位置が所定方向にずれるよ
うに設定しておく。輪郭画素を抽出すると、印刷解像度
より高解像度の情報を利用して、抽出した画素に形成す
べきドットを決定する。高解像度の情報は、画像データ
として与えられる場合の他に、補間等の画像処理によっ
て生成することも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、記録媒体上にド
ットを形成して各種の画像を印刷する技術に関し、詳し
くは画像に含まれる形状の輪郭部分でドットの形成を制
御することによって、画質を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】自然画像や文字・図形等、コンピュータ
から出力される各種画像の出力装置として、記録媒体上
にインクのドットを形成して画像を印刷する印刷装置が
広く使用されている。このような印刷装置は、画像を細
かな画素に分割し、各画素の階調値に応じて記録媒体上
にドットを形成することによって、各種の画像を印刷し
ている。すなわち、印刷画像の暗い部分(画素の階調値
が高い部分)ではドットが形成され易いように、また印
刷画像の明るい部分(階調値の低い部分)ではドットが
形成されにくいように、各階調値に応じて画素毎にドッ
トの形成有無を判断し、それぞれの画素位置にドットを
形成する。こうして印刷されたドットを画像全体として
みれば、形成されているドットの粗密に応じて画像の明
暗が変化し、幅広い階調値を有する画像が印刷されるこ
とになる。
【0003】印刷画像の暗い部分では、高密度でドット
が形成されるよう制御される結果、記録媒体上のほとん
どの画素位置にドットが形成される。このときに、形成
されるドットの大きさが小さいと、画素の境目の部分で
筋状に隙間が生じて画質が悪化する、いわゆるバンディ
ングの問題が生じるため、記録媒体上に形成されるドッ
トの大きさは、通常、記録媒体上での画素間隔よりも大
きくなるように設定されている。
【0004】また、最近では記録媒体上に形成するドッ
トの大きさを、積極的に制御する印刷装置も開発されて
いる。ドットの大きさを制御しない場合は、個々の画素
ではドットが形成されているか否かの2つの状態しか表
現し得ないが、ドットの大きさを制御すれば1つの画素
でより多くの状態を表現することが可能となり、その結
果、豊かな階調表現を実現することができる。すなわ
ち、階調値の高い画素には大きなドットを形成し、階調
値の低い画素には小さなドットを形成するようにすれ
ば、単にドットの粗密により階調を表現する場合に比べ
て、階調表現の自由度を広げることができ、幅広い階調
値を有する自然画像をより高画質で印刷することが可能
となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの印刷
装置を用いて図形や文字などの画像を印刷した場合に、
図形や文字等の輪郭が、実際よりも太く印刷される場合
があるという問題があった。すなわち、図形や文字等は
通常は黒色で表現されるので階調値が高く、従って大き
なドットで形成されており、大きなドットは画素よりも
大きく設定されているため、印刷された輪郭が実際より
太くなってしまうのである。かといって、ドットの大き
さを小さめに設定すれば、バンディングが発生し易くな
るという新たな問題が生じる。
【0006】更に、これらの印刷装置を用いて図形や文
字などの画像を印刷した場合に、滑らかな輪郭の図形や
文字が得られず、画質が低下する場合があるという問題
もあった。すなわち、前述のように、画像を細分して得
られた個々の画素位置にドットを形成しているため、輪
郭が画素の並ぶ方向と一致しない限り、折れ線で近似し
て表現しなければならず、このため、滑らかな輪郭が得
られない場合があるのである。もちろん、画像をより細
かく分割して画素を小さくすれば、輪郭を滑らかにする
ことは可能であるが、画像を構成する画素数が増えるに
つれて、画像の印刷に要する時間が増大するという問題
が生じる。
【0007】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、図形や文字など
を含んだ画像の印刷画質を向上させる技術を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第
1の印刷装置は、次の構成を採用した。すなわち、本発
明の第1の印刷装置は、大きさの異なる2種類以上のド
ットを形成可能なヘッドを備え、主走査と副走査とを行
いながら該ヘッドを駆動して画像を印刷する印刷装置で
あって、前記画像を構成する画素の階調値に基づいて、
前記ドットの形成有無を判断するドット形成判断手段
と、該判断結果を記憶する判断結果記憶手段と、前記画
像に含まれる形状について、その輪郭を構成する画素を
抽出する輪郭画素抽出手段と、該輪郭画素には所定の小
さなドットが形成されるように、前記記憶されたドット
形成判断結果を書き換える判断結果書換手段と、該書き
換えられた判断結果に基づいて、前記各大きさのドット
を形成するドット形成手段とを備えることを要旨とす
る。
【0009】また、上記印刷装置に対応する本発明の第
1の印刷方法は、大きさの異なる2種類以上のドットを
形成可能なヘッドを備え、主走査と副走査とを行いなが
ら該ヘッドを駆動して画像を印刷する印刷方法であっ
て、前記画像を構成する画素の階調値に基づいて、前記
ドットの形成有無を判断するとともに該判断結果を記憶
しておき、前記画像に含まれる形状について、その輪郭
を構成する画素を抽出し、該抽出した輪郭画素には所定
の小さなドットが形成されるように、前記記憶しておい
たドット形成有無の判断結果を書き換え、該書き換えら
れた判断結果に基づいて、前記各大きさのドットを形成
することを要旨とする。
【0010】かかる第1の印刷装置および印刷方法にお
いては、画像を構成している画素の階調値に基づいて、
各画素に形成すべきドットを判断すると共に、画像中に
表現された形状について、その輪郭を構成している画素
を抽出し、抽出した画素には所定の小さなドットを形成
するように判断結果を変更する。こうして決定したドッ
ト形成の判断結果に基づいて、記録媒体上にドットを形
成すれば、形状の輪郭部分は小さなドットで印刷される
ので、輪郭が実際より太く印刷されることがなくなり印
刷画質を向上させることができる。
【0011】このように、輪郭部分は小さなドットに置
き換えて印刷するが、形状の内部は通常の大きさのドッ
トを用いて印刷する。従って、例えば黒色の文字や図形
等を印刷する場合にも、文字等の内部は大きなドットを
用いて印刷されるので、線はくっきりと濃い黒色で印刷
されることになり、また、いわゆる図形等のベタ領域に
おいてもバンディングが発生し易くなるといった問題が
生じない。
【0012】かかる第1の印刷装置においては、主走査
方向に隣接する複数の画素を組として、該組を構成する
各画素の階調値と所定の閾値とを比較し、該比較結果か
ら所定の関係に基づいて輪郭画素を抽出するようにして
もよい。このような方法を用いて輪郭画素を抽出するこ
とにより、印刷画像の品質を向上させることが可能とな
る。
【0013】前述の課題の少なくとも一部を解決するた
めに、本発明の第2の印刷装置は、次の構成を採用し
た。すなわち、本発明の第2の印刷装置は、大きさの異
なる2種類以上のドットを形成可能なヘッドを備え、主
走査と副走査とを行いながら該ヘッドを駆動して画像を
印刷する印刷装置であって、前記画像を構成している画
素のうち、隣接する複数の画素を所定の関係に基づいて
大画素にまとめ、該大画素によって前記画像を表現する
低解像度化手段と、該大画素の階調値に基づいて、該大
画素に形成すべきドットの有無を判断するドット形成判
断手段と、該判断結果を記憶する判断結果記憶手段と、
前記画像に含まれる形状について、その輪郭を構成する
大画素を抽出する輪郭画素抽出手段と、該輪郭画素にま
とめられた前記複数の画素の階調値に基づいて、該輪郭
画素に形成すべきドットの大きさを決定する輪郭ドット
決定手段と、該輪郭画素には該決定された大きさのドッ
トが形成されるように、前記記憶されたドット形成の判
断結果を書き換える判断結果書換手段と、該書き換えら
れた判断結果に基づいて、前記各大きさのドットを形成
するドット形成手段とを備えることを要旨とする。
【0014】また、上記印刷装置に対応する本発明の第
2の印刷方法は、大きさの異なる2種類以上のドットを
形成可能なヘッドを備え、主走査と副走査とを行いなが
ら該ヘッドを駆動して画像を印刷する印刷方法であっ
て、前記画像を構成している画素のうち、隣接する複数
の画素を所定の関係に基づいて大画素にまとめ、該大画
素によって前記画像を表現し、該大画素の階調値に基づ
いて、該大画素に形成すべきドットの有無を判断すると
ともに該判断結果を記憶しておき、前記画像に含まれる
形状について、その輪郭を構成する大画素を抽出し、該
輪郭画素にまとめられた前記複数の画素の階調値に基づ
いて、該輪郭画素に形成すべきドットの大きさを決定
し、該輪郭画素には該決定された大きさのドットが形成
されるように、前記記憶しておいたドット形成有無の判
断結果を書き換え、該書き換えられた判断結果に基づい
て、前記各大きさのドットを形成することを要旨とす
る。
【0015】かかる第2の印刷装置および印刷方法にお
いては、画像を構成している画素のうち、隣接する複数
の画素を所定の関係に基づいて1つの大画素にまとめ、
前記画像を大画素によって表現する。次いで、各大画素
の階調値に基づいて、それぞれの大画素に形成すべきド
ットを判断すると共に、画像中で形状の輪郭を構成して
いる大画素を抽出する。抽出された大画素については、
該大画素を構成している複数の画素の階調値に基づいて
形成すべきドットの大きさを決定し、該決定した大きさ
のドットが形成されるように、ドットの判断結果を変更
する。こうして決定したドット形成の判断結果に基づい
て、記録媒体上にドットを形成すれば、輪郭部分は大画
素にまとめられた複数画素の情報が反映されたドットに
よって印刷されるので、輪郭が滑らかとなり印刷画質を
向上させることができる。
【0016】また、かかる第2の印刷装置および印刷方
法においては、輪郭を構成する大画素のドットの大きさ
を適切な大きさに変更しているだけであり、画像の印刷
に要するドットの数を増加させることはない。従って、
高画質で印刷することが可能であるにもかかわらず、印
刷に要する時間が増加することがない。
【0017】第2の印刷装置および印刷方法において
は、次のようにすることも好適である。該印刷装置が形
成可能な各種大きさのドットの中、所定の大きさのドッ
トについては、ドットの形成位置を所定方向にずらして
設定しておく。輪郭画素に形成すべきドットの大きさを
決定するに際しては、該輪郭画素を構成する複数の画素
の階調値分布を解析し、階調値の偏っている方向が前記
所定の方向と略一致している場合には、前記所定の大き
さのドットを形成するように決定する。このようにすれ
ば、印刷画像の輪郭を構成するドットを、より好ましい
位置に形成することができるので、輪郭が滑らかとなり
印刷画質を向上させることができる。また、かかる印刷
装置および印刷方法においても、輪郭を構成するドット
を、より適したドットに変更しているだけであり、印刷
に要するドットの数を増加させることはないので、高画
質で印刷することが可能であるにもかかわらず、印刷に
要する時間が増加することはない。
【0018】また、第2の印刷装置および印刷方法にお
いては、形成可能な各種大きさのドットの中、所定の大
きさのドットについては、ドットの形成位置を主走査方
向にずらして設定しておいてもよい。輪郭画素を構成す
る複数の画素の階調値分布が主走査方向に偏っている場
合は、該輪郭画素には所定の大きさのドットを形成する
ように決定する。こうすることにより、印刷画像の輪郭
を構成するドットを、より好ましい位置に形成すること
ができるので、滑らかな輪郭の印刷画像を得ることがで
きる。
【0019】前述の課題の少なくとも一部を解決するた
めに、本発明の第3の印刷装置は、次の構成を採用し
た。すなわち、本発明の第3の印刷装置は、大きさの異
なる2種類以上のドットを形成可能なヘッドを備え、主
走査と副走査とを行いながら該ヘッドを駆動して画像を
印刷する印刷装置であって、前記画像を構成する画素の
階調値に基づいて、前記ドットの形成有無を判断するド
ット形成判断手段と、該判断結果を記憶する判断結果記
憶手段と、前記画像に含まれる形状について、その輪郭
を構成する画素を抽出する輪郭画素抽出手段と、前記画
素を隣接する複数の小画素に分割し、該小画素の各階調
値を所定の関係に基づいて定める高解像度化手段と、前
記輪郭画素を分割して得られた各小画素の階調値に基づ
いて、該輪郭画素に形成するドットの大きさを決定する
輪郭ドット決定手段と、該輪郭画素には該決定した大き
さのドットが形成されるように、前記記憶されたドット
形成判断結果を書き換える判断結果書換手段と、該書き
換えられた判断結果に基づいて、前記各大きさのドット
を形成するドット形成手段とを備えることを要旨とす
る。
【0020】また、上記印刷装置に対応する本発明の第
3の印刷方法は、大きさの異なる2種類以上のドットを
形成可能なヘッドを備え、主走査と副走査とを行いなが
ら該ヘッドを駆動して画像を印刷する印刷方法であっ
て、前記画像を構成する画素の階調値に基づいて、前記
ドットの形成有無を判断するとともに該判断結果を記憶
しておき、前記画像に含まれる形状について、その輪郭
を構成する画素を抽出し、前記画素を隣接する複数の小
画素に分割し、該小画素の各階調値を所定の関係に基づ
いて定め、前記輪郭画素を分割して得られた各小画素の
階調値に基づいて、該輪郭画素に形成するドットの大き
さを決定し、該輪郭画素には該決定した大きさのドット
が形成されるように、前記記憶しておいたドット形成有
無の判断結果を書き換え、該書き換えられた判断結果に
基づいて、前記各大きさのドットを形成することを要旨
とする。
【0021】かかる第3の印刷装置および印刷方法にお
いては、画像を構成する画素の階調値に基づいて、各画
素に形成すべきドットを判断すると共に、画像中に表現
された形状について、その輪郭を構成している画素を抽
出する。次いで、抽出した画素を隣接する複数の小画素
に分割し、各小画素の階調値を所定の関係に基づいて定
める。こうして求めた各小画素の階調値に基づいて、該
輪郭画素に形成すべきドットの大きさを決定し、該決定
した大きさのドットが形成されるように、ドットの判断
結果を変更する。こうして決定したドット形成の判断結
果に基づいて、記録媒体上にドットを形成すれば、輪郭
部分は各小画素の情報が反映されたドットによって印刷
されるので、輪郭が滑らかとなり印刷画質を向上させる
ことができる。
【0022】また、かかる第3の印刷装置および印刷方
法においては、輪郭を構成する画素のドットの大きさを
変更しているだけであり、画像の印刷に要するドットの
数を増加させることはない。従って、高画質で印刷する
ことが可能であるにもかかわらず、印刷に要する時間が
増加することがない。
【0023】第3の印刷装置および印刷方法において
は、形成可能な各種大きさのドットの中、所定の大きさ
のドットについては、ドットの形成位置を所定方向にず
らしておくようにしてもよい。輪郭画素のドットの大き
さを決定するに際しては、該輪郭画素を分割した複数の
小画素の階調値分布を解析し、階調値の偏っている方向
が前記所定の方向と略一致している場合には、前記所定
の大きさのドットを形成するように決定する。こうすれ
ば、輪郭部分のドットを、より適した位置に形成するこ
とができるので、輪郭が滑らかとなり印刷画質を向上さ
せることができる。また、かかる印刷装置および印刷方
法においても、画像の印刷に要するドットの数を増加さ
せることはないので、高画質で印刷することが可能であ
るにもかかわらず、印刷に要する時間が増加することは
ない。
【0024】また、第3の印刷装置および印刷方法にお
いては、所定の大きさのドットについては、ドットの形
成位置を主走査方向にずらしておいてもよい。輪郭画素
を分割した複数の小画素の階調値分布が主走査方向に偏
っている場合は、位置をずらした大きさのドットを形成
するように決定する。こうすれば、印刷画像の輪郭を構
成するドットを、より好ましい位置に形成することがで
きるので、滑らかな輪郭の印刷画像を得ることができ
る。
【0025】以上の、第1ないし第3の印刷方法および
印刷方法は、大きさの異なる2種類以上のドットを形成
可能なヘッドとコンピュータとを備えた印刷装置におい
て、該コンピュータに各種制御を行わせることによって
も実現されうる。従って、本発明には、上述の各種機能
を実現するプログラムを、コンピュータで読み取り可能
に記憶した記録媒体としての態様も含まれている。すな
わち、本発明の第1の印刷装置および印刷方法に対応す
る第1の記録媒体は、大きさの異なる2種類以上のドッ
トを形成して画像を印刷する印刷装置で用いられ、該各
ドットの形成有無を判断するために前記画像のデータに
所定の処理を施すプログラムを、コンピュータで読み取
り可能に記録した記録媒体であって、前記画像を構成す
る画素の階調値に基づいて、前記ドットの形成有無を判
断するとともに該判断結果を記憶しておく機能と、前記
画像に含まれる形状について、その輪郭を構成する画素
を抽出する機能と、該抽出した輪郭画素には所定の小さ
なドットが形成されるように、前記記憶しておいたドッ
ト形成有無の判断結果を書き換える機能とを実現するプ
ログラムを記録したことを要旨とする。
【0026】また、本発明の第2の印刷装置および印刷
方法に対応する第2の記録媒体は、大きさの異なる2種
類以上のドットを形成して画像を印刷する印刷装置で用
いられ、該各ドットの形成有無を判断するために前記画
像のデータに所定の処理を施すプログラムを、コンピュ
ータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、前記
画像を構成している画素のうち、隣接する複数の画素を
所定の関係に基づいて大画素にまとめ、該大画素によっ
て前記画像を表現する機能と、該大画素の階調値に基づ
いて、該大画素に形成すべきドットの有無を判断すると
ともに該判断結果を記憶しておく機能と、前記画像に含
まれる形状について、その輪郭を構成する大画素を抽出
する機能と、該輪郭画素にまとめられた前記複数の画素
の階調値に基づいて、該輪郭画素に形成すべきドットの
大きさを決定する機能と、該輪郭画素には該決定された
大きさのドットが形成されるように、前記記憶しておい
たドット形成有無の判断結果を書き換える機能とを実現
するプログラムを記録したことを要旨とする。
【0027】また、本発明の第3の印刷装置および印刷
方法に対応する第3の記録媒体は、大きさの異なる2種
類以上のドットを形成して画像を印刷する印刷装置で用
いられ、該各ドットの形成有無を判断するために前記画
像のデータに所定の処理を施すプログラムを、コンピュ
ータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、前記
画像を構成する画素の階調値に基づいて、前記ドットの
形成有無を判断するとともに該判断結果を記憶しておく
機能と、前記画像に含まれる形状について、その輪郭を
構成する画素を抽出する機能と、前記画素を互いに隣接
する複数の小画素に分割し、該小画素の各階調値を所定
の関係に基づいて定める機能と、前記輪郭画素を分割し
て得られた各小画素の階調値に基づいて、該輪郭画素に
形成するドットの大きさを決定する機能と、該輪郭画素
には該決定した大きさのドットが形成されるように、前
記記憶しておいたドット形成有無の判断結果を書き換え
る機能とを実現するプログラムを記録したことを要旨と
する。
【0028】かかる第1ないし第3の記録媒体に記録さ
れたプログラムがコンピュータに読み込まれ、該コンピ
ュータが印刷装置を制御することによって、印刷画像の
輪郭部の画質を改善することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】A.装置の構成 本発明の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。図
1は、本発明の実施例において使用される印刷装置の構
成を示す説明図である。図示するように、この印刷装置
は、コンピュータ80にカラースキャナ21とカラープ
リンタ20とが接続されており、コンピュータ80に所
定のプログラムがロードされ実行されることによって、
全体として印刷装置として機能する。印刷しようとする
カラー原稿は、コンピュータ80が認識可能なカラー画
像データORGにカラースキャナ21で変換された後、
コンピュータ80に入力される。コンピュータ80は、
所定の画像処理を行って、カラー画像データORGをプ
リンタで印刷可能な画像データに変換し、カラープリン
タ20に出力する。コンピュータ80が扱う画像データ
には、カラースキャナ21で取り込んだ画像の他に、コ
ンピュータ80上で各種のアプリケーションプログラム
91により作成した画像や、カラースキャナ21から取
り込んだ画像に加工を加えた画像等も用いられる。これ
ら画像データの変換結果は、プリンタで印刷可能な画像
データFNLとして、カラープリンタ20に出力され、
この画像データFNLに従って、カラープリンタ20は
印刷用紙上に各色のインクドットを形成する。この結
果、コンピュータ80から出力されたカラー画像データ
に対応したカラー画像が、印刷用紙上に得られることに
なる。
【0030】コンピュータ80は、各種の演算処理を実
行するCPU81・ROM82・RAM83・入力イン
ターフェース84・出力インターフェース85・CRT
コントローラ(CRTC)86・ディスクコントローラ
(DDC)87・シリアル入出力インターフェース(S
IO)88等から構成されており、これらはバス89で
接続されて相互にデータのやり取りが可能となってい
る。CRTC86はカラー表示可能なCRT23への信
号出力を制御し、DDC87はフレキシブルディスクド
ライブ25やハードディスク26あるいは図示しないC
D−ROMドライブ等とのデータのやり取りを制御す
る。ROM82やハードディスク26には、RAM83
にロードされCPU81で実行される各種のプログラム
や、デバイスドライバの形式で提供される各種のプログ
ラムが記憶されている。また、SIO88をモデム24
を経由して公衆電話回線PNTに接続すれば、外部のネ
ットワーク上にあるサーバSVから必要なデータやプロ
グラムをハードディスク26にダウンロードすることが
可能となる。
【0031】コンピュータ80に電源を投入すると、R
OM82およびハードディスク26に記憶されていたオ
ペレーティングシステムが起動し、オペレーティングシ
ステムの管理の下で、各種アプリケーションプログラム
91が動くようになっている。
【0032】カラープリンタ20は、カラー画像の印刷
が可能なプリンタであり、本実施例では、印刷用紙上に
シアン・マゼンタ・イエロ・ブラックの合計4色のイン
クを吐出することによってカラー画像を印刷するインク
ジェットプリンタを使用している。もちろん、これら4
色インクの他に、ライトシアン・ライトマゼンタのイン
クを加えた合計6色のインクを使用するカラープリンタ
であっても構わない。但し、本発明はインクを吐出して
ドットを形成するカラープリンタに限定されるものでは
なく、例えば昇華型あるい溶融型の熱転写方式でドット
を形成するカラープリンタであっても構わない。また、
本実施例で使用したインクジェットプリンタのインク吐
出方式は、後述するようにピエゾ素子PEを用いる方式
を採用しているが、他の方式によりインクを吐出するヘ
ッドを備えたプリンタを用いるものとしてもよい。例え
ば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路
内に発生する泡(バブル)によってインクを吐出する方
式のプリンタに適用するものとしてもよい。
【0033】また、本実施例のカラープリンタ20はバ
リアブルドットプリンタ、すなわち大きさの異なる大・
中・小の3種類のドットを、各色毎に形成することが可
能なプリンタである。バリアブルドットプリンタを使用
して、形成するドットの大きさを変えれば、ドット毎に
多値の階調を表現することが可能となるので、豊かな階
調表現の画像を印刷することができる。尚、本実施例の
カラープリンタ20は、インクの吐出方法を工夫するこ
とによって、単一のインク吐出ノズルを用いて3種類の
大きさのドットを形成している。かかるインクの吐出方
法については後述する。また、インク吐出方法の説明か
ら明らかな通り、ドットの大きさは3種類に限られるも
のではなく、必要に応じて更に多種類のドットを形成す
るものであっても構わない。
【0034】図2は、本印刷装置のソフトウェアの構成
を概念的に示すブロック図である。コンピュータ80に
おいては、すべてのアプリケーションプログラム91は
オペレーティングシステムの下で動作する。オペレーテ
ィングシステムには、ビデオドライバ90やプリンタド
ライバ92が組み込まれていて、各アプリケーションプ
ログラム91から出力される画像データは、これらのド
ライバを介して、カラープリンタ20に出力される。画
像の加工を行うレタッチ等のアプリケーションプログラ
ム91は、カラースキャナ21から取り込んだ画像をビ
デオドライバ90を介してCRT23に表示させ、画像
を確認しながら所定の加工を行うことができる。
【0035】アプリケーションプログラム91が印刷命
令を発すると、コンピュータ80のプリンタドライバ9
2は、アプリケーションプログラム91から画像データ
を受け取って所定の画像処理を行い、プリンタが印刷可
能な画像データに変換する。図2に概念的に示すように
プリンタドライバ92が行う画像処理は、解像度変換モ
ジュール93と、色変換モジュール94と、多値化モジ
ュール95と,インターレースモジュール96の大きく
4つのモジュールから構成されている。各モジュールで
行う画像処理の内容は後述するが、プリンタドライバ9
2が受け取った画像データはこれらモジュールで変換さ
れた後、最終的な画像データFNLとしてカラープリン
タ20に出力される。尚、本実施例のカラープリンタ2
0は、画像データFNLに従ってドットを形成する役割
を果たすのみであり画像処理は行っていないが、もちろ
ん、カラープリンタ20で画像変換の一部を行うもので
あってもよい。
【0036】図3に、本実施例のカラープリンタ20の
概略構成を示す。このカラープリンタ20は、図示する
ように、キャリッジ40に搭載された印字ヘッド41を
駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、
このキャリッジ40をキャリッジモータ30によってプ
ラテン36の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモー
タ35によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路
60とから構成されている。キャリッジ40をプラテン
36の軸方向に往復動させる機構は、プラテン36の軸
と並行に架設されたキャリッジ40を摺動可能に保持す
る摺動軸33と、キャリッジモータ30との間に無端の
駆動ベルト31を張設するプーリ32と、キャリッジ4
0の原点位置を検出する位置検出センサ34等から構成
されている。印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン3
6と、プラテン36を回転させる紙送りモータ35と、
図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ35の回転
をプラテン36および給紙補助ローラに伝えるギヤトレ
イン(図示省略)とから構成されている。制御回路60
は、プリンタの操作パネル59と信号をやり取りしつ
つ、紙送りモータ35やキャリッジモータ30、印字ヘ
ッド41の動きを適切に制御している。カラープリンタ
20に供給された印刷用紙Pは、プラテン36と給紙補
助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、プラテ
ン36の回転角度に応じて所定量だけ送られる。
【0037】キャリッジ40には黒(K)インクを収納
するインクカートリッジ42と、シアン(C)・マゼン
タ(M)イエロ(Y)のインクを収納するインクカート
リッジ43とが装着されている。もちろん、Kインクと
Yインクとを同じインクカートリッジに収納させる等し
てもよい。複数のインクを1つのカートリッジに収納可
能とすれば、インクカートリッジをコンパクトに構成す
ることができる。キャリッジ40の下部にある印字ヘッ
ド41には、K・C・M・Yの各インクに対して、イン
ク吐出用ヘッド44・45・46・47がそれぞれ形成
されている。キャリッジ40の底部には図示しない導入
管が各インク毎に立設されており、キャリッジ40にイ
ンクカートリッジを装着すると、カートリッジ内の各イ
ンクは導入管を通じて、それぞれのインク吐出用ヘッド
44ないし47に供給される。各ヘッドに供給されたイ
ンクは、以下に説明する方法によって印字ヘッド41か
ら吐出され、印刷用紙上にドットを形成する。
【0038】図4(a)は各色ヘッドの内部構造を示し
た説明図である。各色のインク吐出用ヘッド44ないし
47には、各色毎に48個のノズルNzが設けられてい
て、各ノズルには、インク通路50とその通路上にピエ
ゾ素子PEが設けられている。ピエゾ素子PEは周知の
ように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速
に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施
例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所
定時間幅の電圧を印可することにより、図4(b)に示
すようにピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、
インク通路50の一側壁を変形させる。この結果、イン
ク通路50の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて伸縮
し、この収縮分に相当するインクが粒子Ipとなってノ
ズルNzから高速で吐出される。このインクIpがプラ
テン36に装着された印刷用紙Pに染み込むことによ
り、印刷用紙Pの上にドットが形成される。
【0039】図5は、インク吐出用ヘッド44ないし4
7におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明
図である。図示するように、インク吐出用ヘッドの底面
には、各色毎のインクを吐出する6組のノズルアレイが
形成されており、1組のノズルアレイ当たり48個のノ
ズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に配列されて
いる。尚、各ノズルアレイに含まれる48個のノズルN
zは千鳥状に配列されている必要はなく、一直線上に配
列されていてもよい。ただし、図5(a)に示すように
千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチkを小さく
設定し易いという利点がある。
【0040】図5に示すように、各色のインク吐出用ヘ
ッド44ないし47は、キャリッジ40の搬送方向にヘ
ッドの位置がずれている。また、各色ヘッド毎のノズル
に関しても、ノズルが千鳥状に配置されている関係上、
キャリッジ40の搬送方向に位置がずれている。カラー
プリンタ20の制御回路60は、キャリッジ40を搬送
しながらノズルを駆動する際に、ノズルの位置の違いに
よるヘッド駆動タイミングの違いを考慮しながら、適し
たタイミングでそれぞれのヘッドを駆動している。
【0041】本実施例のカラープリンタ20は、図5に
示したように一定径のノズルNzを備えているが、かか
るノズルNzを用いて互いに大きさの異なる3種類のド
ットを形成することができる。以下にこの原理について
説明する。図6は、インクが吐出される際のノズルNz
の駆動波形と吐出されるインクIpとの関係を示した説
明図である。図6において破線で示した駆動波形が通常
のドットを吐出する際の波形である。区間d2において
一旦、基準電圧よりも低い電圧をピエゾ素子PEに印加
すると、先に図4で説明したのとは逆にインク通路50
の断面積を増大する方向にピエゾ素子PEが変形する。
ノズルへのインクの供給速度には限界があるため、イン
ク通路50の拡大に対してインクの供給量が不足し、図
6の状態Aに示した通り、インク界面MeはノズルNz
の内側にへこんだ状態となる。また、図6の実線で示す
駆動波形を用いて区間d1に示すように電圧を急激に低
くすると、インクの供給量が更に不足して、状態aで示
すように状態Aに比べて大きく内側にへこんだ状態とな
る。
【0042】次に、ピエゾ素子PEに高い電圧を印加す
ると(区間d3)、インク通路50の断面積の減少によ
り通路内のインクが圧縮され、インク滴がインクノズル
から吐出される。このとき、インク供給量が不足してい
ると吐出されるインク滴も小さくなる。従って、インク
界面があまり内側にへこんでいない状態(状態A)から
は、状態Bおよび状態Cに示すごとく大きなインク滴が
吐出され、インク界面が大きくへこんだ状態(状態a)
からは状態bおよび状態cに示すごとく小さなインク滴
が吐出される。このように、駆動電圧を低くする際(区
間d1,d2)の変化率を変えれば、形成されるドット
の大きさを変化させることができる。
【0043】カラープリンタ20は、2種類の駆動波形
を連続的に出力する。この様子を図7に示した。電圧を
低くする際の変化率を比べれば、駆動波形W1とW2
は、それぞれ小さなインク滴Ipsと大きなインク滴I
pmとに対応していることが分かる。キャリッジ40が
主走査方向に移動しながら、駆動波形W1を出力し、次
いで駆動波形W2を出力する場合を考える。駆動波形W
1により吐出される小さなインク滴Ipsは飛翔速度が
比較的小さく、駆動波形W2により吐出される大きなイ
ンク滴Ipmは飛翔速度が大きいので、吐出されてから
印刷用紙に到着するまでの所要時間は、小さなインク滴
Ipsの方が長くなる。当然、インクの吐出位置から印
刷用紙に到着した位置の主走査方向へ移動距離も、小さ
なインク滴Ipsの方が大きなインク滴Ipmより長く
なる。従って、駆動波形W1と駆動波形W2のタイミン
グを調節すれば、図7に示すように、小さなインク滴I
psと大きなインク滴Ipmとを同一画素に吐出するこ
とが可能となる。尚、本実施例のカラープリンタ20で
は、図7に示すように、同一画素に形成した場合に小ド
ットと中ドットの形成位置が主走査方向に僅かにずれる
ように、2つの駆動波形(W1,W2)間のタイミング
が設定されている。
【0044】本実施例のカラープリンタ20では、駆動
波形W1のみをピエゾ素子PEに供給することによって
小さなドットを、駆動波形W2のみをピエゾ素子PEに
供給することによって中ドットを、駆動波形W1とW2
をともに供給し、2つのインク滴を同一画素に吐出する
ことによって大ドットを形成している。もちろん、駆動
波形の種類を増やすことによって、更に多種類の大きさ
のドットを形成することも可能である。
【0045】図8は、カラープリンタ20の制御回路6
0の内部構成を示す説明図である。図示するように、制
御回路60の内部には、CPU61・PROM62・R
AM63・コンピュータ80とのデータのやり取りを行
うPCインターフェース64・紙送りモータ35やキャ
リッジモータ30等とデータのやり取りを行う周辺機器
入出力部(PIO)65・タイマ66・駆動バッファ6
7等が設けられている。駆動バッファ67は、インク吐
出用ヘッド44ないし47にドットのオン・オフ信号を
供給するバッファとして使用される。これらは互いにバ
ス68で接続され、相互にデータにやり取りが可能とな
っている。また、制御回路60には、所定周波数で駆動
波形を出力する発振器70、および発振器70からの出
力をインク吐出用ヘッド44ないし47に所定のタイミ
ングで分配する分配出力器69も設けられている。
【0046】図8に示す構成を有する制御回路60は、
コンピュータ80から画像データFNLを受け取ると、
ドットのオン・オフ信号を一時RAM63に蓄える。C
PU61は、紙送りモータ35やキャリッジモータ30
の動きと同期を採りながら、所定のタイミングでドット
データを駆動バッファ67に出力する。
【0047】次に、CPU61が駆動バッファ67にド
ットのオン・オフ信号を出力することによって、ドット
が吐出されるメカニズムについて説明する。図9は、イ
ンク吐出用ヘッド44ないし47の1つのノズル列を例
にとって、その接続を示す説明図である。インク吐出用
ヘッド44ないし47のノズル列は、駆動バッファ67
をソース側とし、分配出力器69をシンク側とする回路
に介装されており、ノズル列を構成する各ピエゾ素子P
Eは、その電極の一方が駆動バッファ67の各出力端子
に、他方が一括して分配出力器69の出力端子に、それ
ぞれ接続されている。分配出力器69からは、図9に示
す通り、発振器70の駆動波形が出力されている。CP
U41が駆動バッファ67に、各ノズル毎のドットのオ
ン・オフ信号を出力すると、オン信号を受け取ったピエ
ゾ素子PEだけが駆動波形によって駆動される。この結
果、駆動バッファ67からオン信号を受け取っていたピ
エゾ素子PEのノズルから一斉にインク粒子Ipが吐出
される。
【0048】以上のようなハードウェア構成を有するカ
ラープリンタ20は、キャリッジモータ30を駆動する
ことによって、各色のインク吐出用ヘッド44ないし4
7を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙
送りモータ35を駆動することによって、印刷用紙Pを
副走査方向に移動させる。制御回路60の制御の下、キ
ャリッジ40の主走査および副走査を繰り返しながら、
適切なタイミングで印字ヘッド41を駆動することによ
って、カラープリンタ20は印刷用紙上にカラー画像を
印刷している。
【0049】B.画像処理の概要 上述のように、カラープリンタ20は、画像データFN
Lの供給を受けてカラー画像を印刷する機能を有する
が、画像データFNLは、コンピュータ80がカラー画
像に所定の画像処理を行って生成する。図10はコンピ
ュータ80のプリンタドライバ92内で、CPU81が
行う画像処理の概要を示すフローチャートである。以
下、同図に従って、画像処理の概要を説明する。
【0050】画像処理を開始するとCPU81は、画像
データを入力する(ステップS100)。この画像デー
タは図2で説明したようにアプリケーションプログラム
91から供給されるデータであり、画像を構成する各画
素毎にR・G・Bそれぞれの色について、0〜255の
値の256階調を有するデータである。この画像データ
の解像度は、原画像のデータORGの解像度等に応じて
変化する。
【0051】CPU81は、入力された画像データの解
像度をカラープリンタ20が印刷するための解像度に変
換する(ステップS102)。画像データの解像度が印
刷解像度よりも低い場合には、線形補間により隣接する
原画像データの間に新たなデータを生成することで解像
度変換を行う。逆に画像データの解像度が印刷解像度よ
りも高い場合には、一定の割合でデータを間引くことに
より解像度変換を行う。
【0052】次に、CPU81は色変換処理を行う(ス
テップS104)。色変換処理とはR・G・Bの階調値
からなる画像データをカラープリンタ20で使用するC
・M・Y等の各色の階調値のデータに変換する処理であ
る。この処理は、色変換テーブルLUTを用いて行われ
ており(図2参照)、LUTにはR・G・Bのそれぞれ
の組合せからなる色をカラープリンタ20で表現するた
めのC・M・Y・Kの組合せが記憶されている。色変換
テーブルを用いて色変換を行う処理自体については、公
知の種々の技術が適用可能であり、例えば補間演算によ
る処理が適用できる。
【0053】色変換処理を終了すると多値化処理を開始
する(ステップS106)。本実施例においては、色変
換後の画像データはC・M・Y・Kの4色の256階調
画像となっている。一方、本実施例のカラープリンタ2
0では、「ドットを形成しない」、「小ドットを形成す
る」、「中ドットを形成する」、「大ドットを形成す
る」の合計4つの状態しか採り得ない。従って、256
階調を有する画像を、カラープリンタ20が表現できる
4階調で表現された画像に変換する必要がある。このよ
うな変換を行う処理が多値化処理である。すなわち、記
録媒体上で大・中・小の各ドットの形成され易さを、原
画像の階調値に応じて変化させることによって、原画像
の256階調をカラープリンタ20が表現可能な4階調
値で表現するのである。図11は、原画像の階調値に応
じて、大・中・小の各ドットのドット記録率が変化して
いく様子を示す説明図である。ドット記録率とは、ある
階調値のベタ領域を印刷する際に該領域内の画素に対し
てドットが形成される割合をいう。実際には、コンピュ
ータ80のRAM83には、図11のように、階調値に
対するドット記録率を各大きさのドット毎に記録したテ
ーブル(ドット記録率テーブル)が記憶されていて、原
画像の階調値に対して、ドット記録率テーブルに記憶さ
れている割合でドットが形成されるように、多値化処理
を行っている。また後述するように、本実施例のカラー
プリンタ20は、多値化処理の中で画像に含まれる形状
の輪郭を抽出し、印刷画像の画質を向上させるための特
殊な処理も併せて行っている。
【0054】CPU81は多値化処理を終了すると、イ
ンターレース処理を開始する(ステップS108)。こ
の処理は、多値化処理によってドットの形成有無を表す
形式に変換された画像データを、カラープリンタ20に
転送すべき順序に並べ替える処理である。すなわち、前
述のようにカラープリンタ20は、キャリッジ40の主
走査と副走査を繰り返しながら、印字ヘッド41を駆動
して印刷用紙Pの上にドット列(ラスタ)を形成してい
く。図4を用いて説明したように、各色毎のインク吐出
用ヘッド44ないし47には、複数のノズルNzが設け
られているので、1回の主走査で複数本のラスタを形成
することができる。それらラスタは互いにノズルピッチ
kだけ離れている。ノズルピッチkはできるだけ小さな
値とすることが望ましいが、ヘッド製造の都合上、ノズ
ルピッチkを画素の間隔(ノズルピッチkが1の場合に
相当)まで小さくすることは困難である。その結果、画
素間隔で並ぶラスタを形成するには、まず、ノズルピッ
チkだけ離れた複数のラスタを形成し、次にヘッド位置
を少しずらして、ラスタの間に新たなラスタを形成して
いくといった制御が必要となる。
【0055】また、印刷画質を向上させるために、1本
のラスタを複数回の主走査に分けて形成したり、更には
印刷時間を短縮するために、主走査の往動時と復動時の
それぞれでドットを形成するといった制御も行われる。
これらの制御を行うと、カラープリンタ20が実際にド
ットを形成する順序は、画像データ上で画素の順序と異
なった順序となるので、インターレース処理において画
像データの並べ替えを行うのである。
【0056】インターレース処理が終了すると、画像デ
ータはプリンタが印刷可能な画像データFNLとして、
カラープリンタ20に出力される(ステップS11
0)。
【0057】C.本実施例における多値化処理 多値化処理の概要については既に説明したが、本実施例
のカラープリンタ20では印刷画像の画質を向上させる
ために、以下に説明する処理を多値化処理の中で併せて
行う。以下に説明する処理の内容は、画像に含まれてい
る輪郭を抽出し輪郭部分の画素には小さなドットを形成
することであると概括することができるが、画像を印刷
しようとする状況に応じて種々の方法を使い分けること
ができる。もっとも単純な方法としては、輪郭画素の形
成されるドットを単に小さなドットに置き換える方法が
ある。これだけでも印刷画質を向上させることができる
が、更なる画質の向上を図って印刷時の画像解像度より
高い解像度の情報を利用する方法もある。この方法の中
にも、詳しく見れば、高解像度の情報を画像データとし
て外部から取り込む方法もあれば、多値化処理を行いな
がら内部で生成させる方法もある。以下に、これら3つ
の方法について順に説明する。
【0058】(1)第1の多値化処理 第1の多値化処理は、もっとも単純な方法として先に触
れた方法に相当する処理である。第1の多値化処理の流
れを示すフローチャートを図12に示す。図示するよう
に第1の多値化処理は大きく3つのステップから構成さ
れている。初めに行う輪郭画素抽出処理(ステップS2
00)は、色変換処理(図10参照)後の階調画像デー
タを受け取って、画像中に含まれる輪郭の抽出を行う。
輪郭の抽出方法には各種方法を適用することができる
が、これについては後でまとめて説明する。
【0059】輪郭画素を抽出するとハーフトーニング処
理を行う(ステップS202)。ハーフトーニング処理
とは、図10の中でいわゆる多値化処理として説明した
処理の中核をなす処理である。すなわち、ハーフトーニ
ング処理において、色変換処理された256階調を有す
る画像データを、カラープリンタ20が表現できるドッ
トの有無で表現された画像データに変換する。本実施例
のカラープリンタ20は大・中・小の3種類のドットを
形成することができるので、ハーフトーニング処理を行
うと、全ての画素について「ドットを形成しない」・
「小ドットを形成する」・「中ドットを形成する」・
「大ドットを形成する」のいずれかの状態が判断され
る。ハーフトーニング処理にはいわゆる誤差拡散法や組
織的ディザ法等のように、広く知られた種々の方法を使
用することができる。本実施例で使用した組織的ディザ
法によるハーフトーニング処理については後述する。
【0060】ハーフトーニング処理を終了すると、ドッ
トサイズ置換処理を行う(ステップS204)。この処
理は、輪郭画素抽出処理(ステップS200)で抽出さ
れた画素に所定の大きさのドットが形成されるよう、ハ
ーフトーニング処理の判断結果を書き換える処理であ
る。図13にドットサイズ置換処理のフローチャートを
示す。既に輪郭画素抽出処理(ステップS200)中で
輪郭画素が抽出され、抽出結果が記憶されているので、
今から処理しようとしている画素(注目画素)が輪郭画
素であるか否かを初めに判断する(ステップS25
0)。注目画素が輪郭画素である場合は多値化結果を記
憶している値Cdrを「小ドットの形成を示す値である
「1」に書き換える(ステップS252)。注目画素が
輪郭画素でない場合はこのような書き換えは行わない。
こうした処理を全ての画素について行うと(ステップS
254)、ドットサイズ置換処理を終了し、第1の多値
化処理を抜けて図10に示した画像処理ルーチンに戻
る。尚、図13に示したフローチャートでは輪郭画素で
ある場合に、小ドットすなわちカラープリンタ20が形
成可能なもっとも小さなドットを形成しているが、輪郭
画素の形成するドットは小さめのドットであればよく必
ずしも最小ドットである必要はない。本実施例のカラー
プリンタ20では、大・中・小の3種類のドットが形成
可能であるので、小ドットの形成に変えて中ドットを形
成するようにしても構わない。
【0061】図14は一例として矢印の図形を印刷した
場合に、第1の多値化処理を行うことで印刷画質が改善
される様子を示す説明図である。図14(a)は印刷し
ようとする矢印の形状を示し、図14(b)はハーフト
ーニング処理(図12のステップS202)によって画
素毎にドットの形成有無が判断された様子を示す。ここ
では、一般的な場合として、真っ黒な矢印を印刷する場
合を想定しているので、矢印を構成する各画素の階調値
は255となり、対応する各画素には大ドットを形成す
ることを示す値「3」が設定されている。尚、ドットを
形成しないことを示す値「0」は、煩雑化を避けるため
に図示を省略した。図14(c)は本実施例の第1の多
値化処理を用いて記録媒体上に形成されたドットの様子
を示し、また比較のために、従来の多値化処理(輪郭画
素のドットを変更しない多値化処理)を用いて形成され
たドットの様子を図14(d)に示す。
【0062】図14(c)と図14(d)とを比較する
と、従来の多値化処理を用いて印刷された矢印は角部
(CR2)が丸く印刷されてしまうのに対して、本実施
例の第1の多値化処理を用いて印刷した場合は、矢印の
笠の角部(CR1)が比較的明確な角に印刷されてい
る。また、矢印の軸の部分についても、従来の多値化処
理を用いて印刷した場合は軸(ST2)が太くなってし
まうのに対して、本実施例の第1の多値化処理を用いて
印刷した場合は矢印の軸(ST1)が太くなるようなこ
とがない。
【0063】本実施例の第1の多値化処理を行うことに
よって、図14に示したように画質が改善されるのは次
の理由による。図形や文字などは通常、中間階調で表現
されることは少なく、従って基本的に大ドットを用いて
印刷される。ところが前述したように、カラープリンタ
ではバンディングと呼ばれる現象、すなわち画素の境目
で白い筋が発生して画質を悪化させる問題の発生を避け
るため、大ドットは画素の大きさよりも大きくなるよう
に設定されている。そのため、大ドットを用いて印刷さ
れる図形や文字は、ドットが画素より大きい分だけ、線
は太く、角は丸く印刷されてしまう。これに対して、本
実施例の第1の多値化処理では、図形や文字の輪郭とな
る画素を抽出し、輪郭部分は小さなドットを用いて印刷
している。このため、図14に示したように線が太くな
ったり角部が丸くなるといった問題の発生を避けること
ができるのである。
【0064】(2)第2の多値化処理 第2の多値化処理は、図形や文字などの印刷画質を更に
向上させるため、印刷時の解像度よりも高い解像度の情
報が利用できる場合に使用される方法である。印刷時の
解像度よりも高い解像度の情報が利用できる場合とは、
例えば次のような場合である。表やグラフや文字などで
構成される画像は、自然画像ほどには豊かな階調表現が
必要とされることは少なく、代わりに迅速に印刷するこ
とが求められることが多い。このため、図形や文字など
の画像を印刷する場合は、画像の解像度を低くすること
によって、画質の低下と引き替えに迅速な印刷を行う場
合がある。例えば、画像データが主走査方向・副走査方
向ともに720dpiの解像度で表現されている場合、
主走査方向の解像度を360dpiに低下させて印刷す
る場合等である。主走査方向の解像度を半分にすれば画
像を構成する画素数が半分になるので、図10の画像処
理に要する時間が減少する。加えて記録媒体上に形成す
べきドットの数も減少するので、印刷時間を大幅に減少
させることができる。このような場合は、主走査方向・
副走査方向ともに720dpiの解像度の情報が存在し
ているので、これを利用して本実施例の第2の多値化処
理を行えば、印刷画質を犠牲にすることなく迅速な印刷
を行うことができる。以下では、画像データは主走査方
向・副走査方向ともに720dpiの解像度で表現され
ているが、主走査方向だけ360dpiに低下させて印
刷する場合を例にとって、本実施例の第2の多値化処理
について説明する。
【0065】図15は、本実施例の第2の多値化処理の
流れを示すフローチャートである。図示するように第2
の多値化処理は大きく4つのステップから構成されてい
る。初めに行う低解像度化処理(ステップS300)
は、主走査方向の解像度を720dpiから360dp
iに低下させる処理である。図10の解像度変換処理
(ステップS102)で一旦720dpiの解像度に変
換されたデータを、主走査方向にだけ360dpiの解
像度に変換するのである。ステップS102の解像度変
換処理において初めから360dpiに変換しないの
は、色変換処理(図10のステップS104)された7
20dpi解像度のデータを、本実施例の第2の多値化
処理中で参照する必要があるからである。また、自然画
像については主走査方向も720dpiの解像度で印刷
しているので、図形や文字などの画像も一旦720dp
iに変換した方が、画像処理上好都合だからである。
【0066】図16は、本実施例の低解像度化処理につ
いての説明図である。例として図16(a)の画像を低
解像度化する場合を考える。この画像を、主走査方向・
副走査方向の解像度が720dpiで、256階調を有
する画像データとして表現したのが図16(b)であ
る。尚、図を見やすくするために、図16(b)以下の
図では階調値の高い画素には斜線を施し、階調値の低い
画素は白抜きで表示している。低解像度化処理では、主
走査方向に隣接する2つの画素を1つの大きな画素(以
下、大画素)にまとめ、主走査方向720dpiの解像
度を360dpi解像度に低下させる。例として、1つ
の大画素にまとめられる2つの画素を、図16(b)で
は太い破線で囲って示してある。新たな大画素の階調値
は2つの画素の階調値から、次の式を用いて算出する。 (大画素の階調値)=max(左の画素の階調値,右の
画素の階調値) ここでmax(A,B)は、AとBの中で値の大きな方
を採ることを表す最大値演算子である。2つの画素の最
小値や平均値を採ったのでは、図16(c)のA1また
A2のような階調値分布となっている部分で線が消えて
しまうので、2つの画素の最大値を採るのである。その
結果、図16(b)は図16(d)に示すように低解像
度化処理される。図16(d)を見れば明らかなよう
に、低解像度化処理する結果、図中のA3またはA4で
示す部分で段差が大きくなり画質が悪化している。本実
施例の第2の多値化処理は、このような画質の悪化を避
けるために行う処理である。
【0067】図15の低解像度化処理(ステップS30
0)を終了すると、輪郭画素抽出処理を行う(ステップ
S302)。この輪郭画素抽出処理は、低解像度化処理
された階調画像データを受け取って、画像中に含まれる
輪郭を抽出する処理である。輪郭の抽出法には各種の方
法が存在するので、まとめて後述する。
【0068】輪郭画素抽出処理(ステップS302)を
終了すると、ハーフトーニング処理を開始する(ステッ
プS304)。このハーフトーニング処理は、第1の多
値化処理中のハーフトーニング処理と同じ処理である。
すなわち、低解像度化された256階調を有する画像デ
ータを、カラープリンタ20が表現できるドットの有無
で表現された画像データに変換する処理である。ハーフ
トーニング処理では全ての画素についてドットの形成有
無を判断する必要があり、図10に示す画像処理中でも
特に処理時間を要する部分であるが、低解像度化してか
らハーフトーニング処理を行うようにすれば処理時間が
大きく短縮化される。ハーフトーニング処理を行うと、
「ドットを形成しない」・「小ドットを形成する」・
「中ドットを形成する」・「大ドットを形成する」のい
ずれかの状態が全ての画素について判断される。
【0069】ハーフトーニング処理(ステップS30
4)終了後の画像は、先に図16(d)を用いて示した
ように画質が悪化しているので、本実施例の第2の多値
化処理では輪郭部のドットを置き換えることによって画
質の悪化を回避する。そのために、輪郭となっているそ
れぞれの大画素について置き換えるべきドットサイズを
決定し、決定したドットが形成されるようにハーフトー
ニング処理結果を置き換える処理を行う。このような処
理を行うのが図15に示した輪郭ドット決定処理(ステ
ップS306)である。
【0070】図17は、輪郭ドット決定処理の流れを示
すフローチャートである。輪郭ドット決定処理を開始す
ると、図15のステップS302で予め抽出されている
輪郭画素を1つ選び出し、その輪郭画素を構成していた
2つの元画素の階調値を取得する。すなわち、輪郭画素
は、元々720dpi解像度で表現されていた画像デー
タの隣接する2つの画素を、低解像度化処理(図16参
照)で1つにまとめられた画素であるので、元となった
左の画素の階調値(VL)と右の画素の階調値(VR)
とを取得する。この処理が図17のステップS350の
処理である。
【0071】左右の元画素の階調値VL,VLを取得す
ると、それらと所定の閾値thとを比較する(ステップ
S352)。閾値thの値は最終的には印刷画質を見な
がら選定されるが、ハーフトーニング処理中で大ドット
の形成判断に使用される閾値付近の値を目安として使用
することができる。ハーフトーニング処理の詳細につい
ては後述する。輪郭画素を構成する画素の階調値が2つ
とも閾値thより大きい場合は、輪郭画素には大ドット
を形成するべきと判断して、多値化結果を記憶しておく
値Cdrに大ドットの形成を意味する値「3」を代入す
る(ステップS354)。左画素の階調値VLは閾値t
hより小さいが右画素の階調値VRは閾値thより大き
い場合は、輪郭画素には中ドットを形成すべきと判断し
て、Cdrに中ドットの形成を意味する値「2」を代入
する(ステップS356)。逆に、左画素の階調値VL
は閾値thより大きいが右画素の階調値VRは小さい場
合は、小ドットを形成すべきと判断してCdrに小ドッ
トの形成を意味する値「1」を代入する(ステップS3
58)。
【0072】ここで、左右の画素の階調値に応じて形成
するドットの大きさを変えている理由を説明する。図7
を用いて前述したように、本実施例のカラープリンタ2
0は小ドットを形成するインク滴(IPs)と中ドット
を形成するインク滴(IPm)の吐出タイミングを調整
することによって、小ドットと中ドットを同一画素内に
形成し、これによって大ドットを形成している。しか
し、小中ドットの形成位置は厳密に一致しているわけで
はなく、インク滴IPs・IPmの吐出タイミングを調
整することによって、図18に示すように僅かにドット
位置がずれるように設定されている。このドット形成位
置の違いと、画素の階調値分布とを対応させるのであ
る。図16(b)の例で説明すると、左右の画素の階調
値が閾値thより共に大きい場合は図中のA5に示すよ
うな状態と考えられるので大ドットを形成する。左画素
の階調値VLが閾値thより小さく右画素の階調値VR
が大きい場合は、図中のA6に示すような状態と考えら
れるので中ドットを形成し、逆に左画素の階調値VLが
大きく右画素の階調値VRが小さければ、図中のA7の
状態と考えられるので小ドットを形成する。尚、2種類
のインク滴IPsとIPmの吐出タイミングを調整すれ
ば、小中ドットの位置関係を図18に示した関係とは逆
にすることも可能である。従って、両ドットの位置関係
は、図18に示すものに限定されるものではなく、逆転
させることはもとより、後述するように小中ドットを同
位置に形成するものであっても構わない。こうした処理
を全ての輪郭画素について行うと(ステップS36
0)、輪郭ドット決定処理を終了し、第2の多値化処理
を抜けて図10に示した画像処理ルーチンに戻る。
【0073】図19は図14と同じ矢印の図形を印刷し
た場合に、第2の多値化処理を行うことで印刷画質が改
善される様子を示す説明図である。図19(a)は低解
像度化処理を行わずに印刷した矢印を示し、図19
(b)は主走査方向に隣接する2つの画素を1つの大画
素にまとめるような低解像度化処理を行った場合の印刷
結果を示したものである。図19(b)を見れば明らか
なように、低解像度化処理を行うことによって、画質が
悪化していることが分かる。
【0074】図19(b)に対して第2の多値化処理を
行った場合の印刷画像が図19(c)に示す画像であ
る。輪郭ドット決定処理(図15のステップS306)
によって、例えば図19(b)中のB1やB2で示す画
素は中ドットで、B3の画素は小ドットで、またB4の
画素は大ドットで形成されている。このように、それぞ
れの輪郭画素を構成する画素の階調値分布に基づいて、
形成ドットが書き換えられるため、720dpiの解像
度で印刷した場合と同等以上に画質が向上していること
が分かる。このように大きく画質が向上するにもかかわ
らず、カラープリンタ20の印刷解像度は依然360d
piのままであり、ただ画像の輪郭部分で大・中・小の
各種ドットを打ち分けているに過ぎない。従って、高解
像度で印刷する場合のように、画像処理に要する時間や
ドット形成に要する時間が増加し、印刷に長時間を要す
るといった弊害が生じることはない。
【0075】図19(d)は、小中ドットの形成位置を
ずらさない場合において、第2の多値化処理を行った効
果を示す説明図である。小中ドットの形成位置をずらし
ていない場合、画質改善効果は図19(c)に示したほ
どではないが、図19(b)に示した画像に比べれば大
きく画質が改善されている。尚、中小のドットを同位置
に形成している図19(d)の例では、輪郭画素を構成
する左右の画素の階調値(VL,VR)が、共に閾値t
hより大きくない限り中ドットを形成するものとした
が、小ドットで形成するようにしても構わない。
【0076】以上の説明では、中小ドットの形成位置を
主走査方向にずらして設定しておくとともに、主走査方
向に隣接する画素をまとめて大画素としているが、ドッ
トをずらす方向や画素をまとめる方向は、必ずしも主走
査方向に限定されるものではない。例えば、中小ドット
を別々のノズルを用いて形成し、ドット位置を副走査方
向にずらして設定すると共に、副走査方向に隣接する画
素をまとめて大画素としても、同様の効果が得ることは
もちろんである。
【0077】(3)第3の多値化処理 第3の多値化処理も第2の多値化処理と同様に、図形や
文字などの印刷画質を更に向上させるために、印刷時の
解像度よりも高解像度の情報を利用する方法である。但
し、前述の第2の多値化処理においては、高解像度の情
報は画像データとして予め与えられていたが、第3の多
値化処理は多値化処理中で補間処理を行い、高解像度の
情報を作り出している。画像データを補間して高解像度
の情報を作り出す手法には種々の方法が知られており、
そのような方法を用いて高解像度情報を発生させれば、
高解像度の画像データが与えられていなくても高画質の
印刷を行うことができる。補間処理の詳細については後
述する。以下の例では主走査方向に補間を行うものとし
て説明するが、副走査方向に補間する場合にも同様に適
用することができる。また主走査方向に補間した後、更
に副走査方向に補間するような場合に適用することがで
きる。
【0078】図20は、本実施例の第3の多値化処理の
流れを示すフローチャートである。図示するように第3
の多値化処理は大きく4つのステップから構成されてい
る。初めに行う輪郭画素抽出処理(ステップS400)
は、前述の第1または第2の多値化処理中で行う輪郭画
素抽出処理と同じ処理であり、画像中に含まれる輪郭を
抽出する。輪郭の抽出法には各種の方法が存在するの
で、まとめて後述する。
【0079】輪郭画素抽出処理(ステップS400)を
終了すると、ハーフトーニング処理を開始する(ステッ
プS402)。このハーフトーニング処理は、第1また
は第2の多値化処理中で行うハーフトーニング処理と同
様の処理である。ハーフトーニング処理を行うことによ
り、256階調を有す画像データの全画素について、
「ドットを形成しない」・「小ドットを形成する」・
「中ドットを形成する」・「大ドットを形成する」のい
ずれかの状態が判断される。
【0080】ハーフトーニング処理が終了すると補間処
理を開始する(ステップS404)。ハーフトーニング
処理により画像データはドットの有無による表現形式に
変換されているが、補間処理では主走査方向に画素数を
増加させ、増加した画素のそれぞれについてドットの有
無を決定する。画像データの補間処理は256階調値を
有するデータを補間することも考えられるが、本実施例
の第3の多値化処理ではハーフトーニング処理により低
階調(本実施例では4値)に変換された画像データを補
間している。そのため256階調データを補間する場合
に比べれば処理が容易になり、また処理に要する時間も
短縮することができる。
【0081】図21は、本実施例の第3の多値化処理に
おける補間処理の内容を示す説明図である。例として、
図21(a)に示すような画像を補間するものとする。
画像を主走査方向に補間する場合、元画像を、一旦、副
走査方向に伸びる複数の画素列に分割し、各画素列の間
に新たな画素列を挿入する。図21(b)は各画素列の
間に新たな画素列を挿入した様子を示している。図中で
荒く斜線を施した領域Intが、挿入された画素列であ
る。次に、こうして挿入された画素列の各画素につい
て、それぞれの階調値を決定する。図21(c)は、各
画素についての階調値の決定方法を説明する説明図であ
る。挿入した画素列Intの中のある画素Xにおける階
調値を求める場合、画素Xの周辺画素の階調値すなわち
画素Y1ないしY6の階調値に基づき、次式を用いて決
定する。 (画素Xの階調値)=f(Y1〜Y6の各画素の階調
値) ここで、Y1ないしY6の各画素は、大中小の各ドット
を形成するか、ドットを形成しないかの4つの階調値を
採りうる。関数fの値は実験的に求めることができ、本
実施例では、6つの画素が採りうる4階調値の全ての組
合せについて、画素Xの階調値を予め決定しROMに記
憶してある。ある画素の階調値を求める場合は、先ず周
辺の6つの画素の階調値を取得し、ROMを参照するこ
とによって該当する階調値を決定している。このように
して、図21(b)の各画素を補間すると、最終的に図
21(d)に示すような画像が得られる。
【0082】もっとも、画素の階調値を求める際に参照
する周辺の画素は6つに限られるものではない。例え
ば、前述したように6つの周辺画素に加えて、図21
(c)中に「y」と付合した10個の画素の階調値を参
照すれば、より自然な補間画像を得ることができる。
【0083】図20に示すように、本実施例の第3の多
値化処理は、補間処理を終了すると輪郭ドット決定処理
を開始する(ステップS406)。これは、ステップS
400で抽出した輪郭画素に形成すべきドットを、補間
処理で発生させた高解像度の画像データを基に見直し、
印刷画質の向上を図る処理である。詳細な処理は、図1
7に示した第2の多値化処理における輪郭ドット決定処
理と同様であり、以下では、図17のフローチャートを
流用して処理の概要を説明する。初めに輪郭画素を構成
する元画素の階調値を取得する(ステップS350相
当)。ここで元画素とは補間処理(図20のステップS
404)によって輪郭画素の位置に発生させた2つの画
素をいう。2つの元画素の階調値と所定の閾値thとの
大きさを比較して(ステップS352相当)、2つとも
大きければ大ドットを形成すると判断し、多値化結果を
表す値Cdrに「3」を代入する(ステップS354相
当)。左画素の階調値が小さく、右画素の階調値が大き
い場合はCdrに「2」を代入し(ステップS356相
当)、逆に左画素の階調値が大きく右画素の階調値が小
さい場合はCdrに「1」を代入する(ステップS35
8相当)。このような処理を全ての輪郭画素について終
了すると(ステップS360相当)、輪郭ドット決定処
理を終了し、多値化処理を抜けて、図10の画像処理ル
ーチンに戻る。
【0084】図22は、本実施例の第3の多値化処理を
行うことで印刷画質が改善される様子を示す説明図であ
る。図22(a)は元画像データであり、通常の多値化
処理を行って印刷すると図22(b)に示すような画像
が得られる。図22(c)は、図21を用いて説明した
補間処理の結果を示したものであり、本実施例の第3の
多値化処理を行って得られた印刷画像が図22(d)に
示す画像である。図22(d)を見れば明らかな通り、
補間して得られた高解像度の情報に基づいて、大中小の
各ドットを打ち分けた結果、画像の輪郭が滑らかな輪郭
に改善されている。
【0085】尚、上述の説明では、中・小ドットのドッ
ト形成位置がずらして設定されているものとして説明し
たが、中・小ドットを同位置に重ねて形成したとして
も、画質改善の効果が得られることは、先に説明した第
2の多値化処理の場合と同様である。
【0086】D.輪郭画素の抽出処理 以上説明してきた実施例では、互いに隣接する画素の階
調値に基づいて輪郭差を抽出している。図23は、本実
施例で用いた輪郭画素抽出処理の内容を示す説明図であ
る。図23(a)に示すように、輪郭画素であるか否か
を判断しようとする注目画素Pcと、その前後にある前
方参照画素Prbおよび後方参照画素Praとを1組と
し、3つの画素の組をまとめて主走査方向に動かしなが
ら、各画素の階調値に基づいて注目画素が輪郭画素であ
るか否かを判断するのである。以下、図23(b)ない
し図23(d)を用いて具体的に説明する。
【0087】図23(b)ないし図23(d)は、図1
4の矢印の画像を多値化処理する前の、256階調を有
する画像データであり(図10参照)、煩雑化を避ける
ために、階調値の高い画素は斜線で、階調値の低い画素
は白抜きで示してある。例えば注目画素Pcが図23
(b)のD1で示した画素にある場合、前方参照画素の
階調値は高階調値となっているが、注目画素の階調値は
低階調値であるから、画素D1の位置は輪郭位置ではな
いと判断できる。注目画素が主走査方向に1画素だけ移
動して画素D2にきた場合は(図23(c)の状態)、
前方参照画素Prbと注目画素Pcの階調値が共に高階
調値となるので、画素D2は輪郭位置にあるものと判断
することができる。更に1画素だけ動いて画素D3に来
ると(図23(d)の状態)、注目画素Pcおよび前後
の参照画素の階調値が共に高階調値となるので、画素D
3は輪郭ではなく図形の内部にあるものと判断できる。
【0088】注目画素・前方参照画素・後方参照画素の
それぞれの階調値の組合せと、注目画素が輪郭画素であ
るか否かの判断結果をまとめて図24(a)に示す。図
中に「H」とあるのは画素の階調値が高階調値であるこ
とを、「L」とあるのは低階調値であることを表してい
る。画素の階調値が高階調値であるか否かは、後述のフ
ローチャートに示すように、所定の閾値と比較すること
によって判断する。判断結果の値「0」は注目画素が輪
郭画素でないことを示す。判断結果の値「1」あるいは
「2」は、注目画素が輪郭画素であることを示してい
る。輪郭画素である場合に判断結果が「1」または
「2」の2つの値を採りうるのは、注目画素の位置から
図形が始まる状態、すなわち注目画素と前方参照画素が
図形に含まれ後方参照画素が図形に含まれない状態と、
注目画素で図形が終わる状態、すなわち注目画素と後方
参照画素が図形に含まれ前方参照画素が図形に含まれな
い状態とを区別しているからである。また、図24
(a)中に「−」とあるのは、注目画素が画像の端の部
分にある場合などのように、対応する階調値が存在しな
いことを示している。この表に従って、例えば図23
(b)に示した画像の輪郭画素を抽出すると、図24
(b)に示すような結果が得られる。尚、図24(b)
では煩雑化を避けるために、判断結果の値は輪郭画素に
ついてのみ表示している。
【0089】図25は、第1ないし第3の多値化処理中
における輪郭画素抽出処理の流れを示すフローチャート
である。輪郭画素抽出処理を開始すると、初めに注目画
素が画像の端部に位置しているか否かを判断する(ステ
ップS500)。注目画素が画像の端部にある場合は、
輪郭画素の抽出を行わないことにして判断結果の値Cc
nに「0」を代入する(ステップS502)。注目画素
が画像の端部にない場合は、実際に輪郭画素の抽出処理
を行うために、注目画素・前方参照画素・後方参照画素
のそれぞれの階調値Vc・Vrb・Vraを取得する
(ステップS504)。先ず注目画素の階調値Vcと所
定の閾値thcnとの大小関係を比較し(ステップS5
06)、階調値Vcが閾値thcnより小さい場合は注
目画素は輪郭画素ではないと判断して、判断結果を示す
値Ccnに「0」を代入する(ステップS508)。閾
値thcnの値は最終的には印刷画質を見ながら選定さ
れるが、ハーフトーニング処理中で大ドットの形成判断
に使用される閾値付近の値を目安として使用することが
できる。ハーフトーニング処理の詳細については後述す
る。
【0090】階調値Vcが閾値thcnより大きい場
合、注目画素は図形の輪郭上にあるか図形の内部にある
かのいずれかであると考えられる。図24(a)を参考
にすれば、このような場合、少なくとも後方参照画素の
階調値が「L」であれば注目画素は「1」であることが
分かる。そこで、後方参照画素の階調値Vraと閾値t
hcnとの大小を比較し(ステップS510)、Vra
が閾値thcnより小さければ判断結果の値Ccnに
「1」を代入する(ステップS512)。Vraが閾値
thcnより大きい場合は、前方参照画素の階調値Vr
bと閾値thcnの大小を比較し(ステップS51
4)、Vrbが大きければ判断結果Ccnに値「0」を
代入する(ステップS516)。つまり、注目画素・後
方参照画素・前方参照画素の階調値がいずれも閾値th
cnより大きいことから、注目画素が図形の内部にある
と判断するのである。また、前方参照画素の階調値Vr
bが閾値thcnより小さければ、判断結果Ccnに値
「2」を代入する(ステップS518)。注目画素・後
方参照画素は図形に含まれているが、前方参照画素は図
形に含まれていないと判断できるからである。以上のよ
うな判断を全ての画素について行うと(ステップS52
0)、輪郭画素抽出処理を終了して、それぞれの多値化
処理(図12,図15,図20)に戻る。
【0091】以上説明してきた輪郭画素の抽出処理で
は、注目画素を挟んで左右の画素の階調値を参照した
が、注目画素から4近傍に隣接する画素を参照するよう
にしてもよい。図26はこのような輪郭画素抽出処理の
概要を説明するための概念図である。4近傍の画素とは
ある画素に辺で接する4つの画素のことをいう。図26
(a)は注目画素に隣接する4近傍の画素を示した説明
図である。
【0092】4近傍の画素を参照して輪郭画素を抽出す
る方法も、前述した方法と同様の原理により行うことが
できる。すなわち、注目画素が画像の端部にある場合、
注目画素の階調値が低階調値である場合、および4近傍
の画素の階調値が全て高階調値となる場合は、いずれも
注目画素は輪郭画素ではないと判断する。注目画素が高
階調値をとり、かつ4近傍の画素の中の1つないし3つ
が高階調値となるときは、注目画素は輪郭画素であると
判断できる。図形が始まる輪郭画素なのか、図形が終わ
る輪郭画素なのかを区別する場合は、注目画素の上下に
隣接する画素を前方参照画素に準じて扱えばよい。
【0093】図23(b)に示す画像から、4近傍の画
素を参照して輪郭画素を抽出すると、図26(b)に示
すような結果が得られる。図24(b)の抽出結果と比
較してみれば、4近傍を参照して輪郭画素を抽出した場
合は、例えば矢じりの三角形の底辺部分の輪郭も正確に
抽出され、その結果、印刷画像の品質が更に向上するこ
とが分かる。尚、「近傍」という概念には、4近傍の他
に8近傍と呼ばれる概念があることも広く知られてい
る。例えば8近傍の画素とは、ある画素に辺で接する
か、あるいは対角線で接する合計8つの画素をいう。上
述の例において、4近傍の画素に代えて8近傍の画素を
参照するようにしても構わないのはもちろんである。
【0094】E.組織的ディザ法によるハーフトーニン
グ処理 最後に、本実施例で使用したハーフトーニング処理につ
いて簡単に説明しておく。前述の輪郭画素抽出処理中で
使用される閾値thcnの値は、以下のハーフトーニン
グ処理で、大ドットの形成有無を判断するために使用さ
れる閾値の値を参考にして選択されている。尚、ハーフ
トーニング処理については種々の方法が知られており、
本実施例においても、以下に説明する方法に限られず、
それら各種の方法を適用することができる。
【0095】図27は、プリンタドライバ92が、組織
的ディザ法と呼ばれる方法を用いてハーフトーニング処
理を行うフローチャートである。本実施例では、C・M
・Y・Kの各色毎にハーフトーニング処理を並行して行
っているが、説明の煩雑化を避けるために、以下の説明
では、色を特定せずに説明する。
【0096】ハーフトーニング処理を開始すると、CP
U81は画像データCdを読み込む(ステップS60
0)。この画像データCdは、色変換後の256階調を
有する各色毎の画像データである。次に、前述した図1
1のドット記録率テーブルを参照して、画像データCd
に対する大・中・小の各ドットのドット記録率Rdl・
Rdm・Rdsを一度に取得する(ステップS60
2)。尚、ドット記録率Rdは、全ての画素にドットが
形成されている状態をドット記録率Rd=255と定義
されている。これは、コンピュータ80がデータを8b
itで表現することに起因するデータ処理上の都合によ
るものである。
【0097】次に、大ドットのドット記録率Rdlと第
1の閾値thlとの大小を比較し(ステップS60
4)、大ドットのドット記録率Rdlの方が大きけれ
ば、多値化結果Cdrに大ドットを形成することを意味
する値「3」を代入する(ステップS606)。第1の
閾値thlは、ディザマトリックスによって各画素毎に
異なる値が設定されている。
【0098】ここで、図28を用いることにより、組織
的ディザ法によるハーフトーニング処理の考え方を説明
しておく。説明を簡略化するために、図28では、画像
データの一部(4×4の画素)のみを取り出して表して
いる。組織的ディザ法を用いて、例えば縦・横1000
×1000の画素からなる画像データCdを多値化する
場合に、同じ大きさ(縦・横1000×1000)のデ
ィザマトリックスを用意し、ディザマトリックスの各画
素に0〜255の閾値をランダムに設定しておく。そし
て画像データの階調値とディザマトリックスの閾値と
を、位置の対応する画素毎に比較し、画像データの階調
値がディザマトリックスの閾値より大きければその画素
にドットを形成する、逆に小さければドットを形成しな
いと判断するものである。図28には、対応する画素毎
に、画像データの階調値とディザマトリックスの閾値と
を比較し、画像データの階調値が大きい画素にだけドッ
トが形成されている(図中ではハッチを施して表示)様
子が示されている。画像データと同じ画素数を有し、各
画素に0〜255の閾値が全く偏りなく設定された理想
的なディザマトリックスを、ホワイトノイズマトリック
スという。ホワイトノイズマトリックスは画素数が多
く、コンピュータ80のメモリを多数使用する問題があ
るので、実際には縦・横16×16の大きさのマトリッ
クスに0〜255の閾値を偏りなく設定したブルーノイ
ズマトリックスを用意し、ブルーノイズマトリックスの
位置をずらしながらディザマトリックスとして使用して
いる。
【0099】本実施例のプリンタドライバ92は、以上
説明した組織的ディザ法に基づいて、ドット記録率テー
ブル(図11)を参照して画像データCdを各ドットに
ついてのドット記録率Rdに変換し、得られたドット記
録率Rdの値に対してハーフトーニング処理を行ってい
るのである。
【0100】大ドットのドット記録率Rdlが第1の閾
値thlより小さい場合には、中ドットについてのドッ
ト形成有無を判断する。すなわち、中ドットのドット記
録率Rdmと第2の閾値thmとの大小を比較し(ステ
ップS608)、中ドットのドット記録率Rdmの方が
第2の閾値thmより大きければ、多値化結果Cdrの
中ドットを形成することを表す値「2」を代入する(ス
テップS610)。このように、大ドットを形成しなか
った画素について中ドットの形成有無を判断しているの
で、大ドットと中ドットが同じ画素の形成されることが
ない。また、中ドットの形成有無を判断する第2の閾値
thmの値は、中ドット用に設定されたディザマトリッ
クスに設定されている。中ドット用のディザマトリック
スを大ドット用のものと共用する場合、例えば閾値に2
55付近の大きな値が設定されている画素には、大ドッ
トも中ドットも形成され難くなり、ひいては画質の低下
をきたすおそれがある。かかることの無いよう、本実施
例のプリンタドライバ92は大・中・小の各ドット毎
に、それぞれのディザマトリックスを用意している。も
ちろん、コンピュータ80の記憶容量を節約する必要性
が高い場合には、各ドットのディザマトリックスを共用
するものとしてもよい。
【0101】中ドットのドット記録率Rdmが第2の閾
値thmより小さい場合には、小ドットのドット形成有
無を判断する。すなわち小ドットのドット記録率Rds
と第3の閾値thsとの大小を比較し(ステップS61
2)、小ドットのドット記録率Rdsの方が第3の閾値
thsより大きければ、多値化結果Cdrの小ドットを
形成することを意味する値「1」を代入し(ステップS
614)、小ドットのドット記録率Rdsの方が小さけ
れば、ドットを形成しないことを意味する値「0」を多
値化結果Cdrに代入する(ステップS616)。こう
して、全ての画素について、ドットの判断を終了すると
(ステップS618)、ハーフトーニング処理を終了す
る。
【0102】以上、各種の実施例について説明してきた
が、本発明は上記すべての実施例に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実
施することができる。例えば、上述の機能を実現するソ
フトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)
を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメ
モリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の印刷装置の概略構成図である。
【図2】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図3】本実施例のプリンタの概略構成図である。
【図4】本実施例のプリンタにおけるドット形成原理を
示す説明図である。
【図5】本実施例のプリンタにおけるノズル配列を示す
説明図である。
【図6】本実施例のプリンタにより大きさの異なるドッ
トを形成する原理を説明する説明図である。
【図7】本実施例のプリンタにおけるノズルの駆動波形
および該駆動波形により形成されるドットの様子を示す
説明図である。
【図8】本実施例のプリンタの制御装置の内部構成を示
す説明図である。
【図9】本実施例のプリンタヘッドが駆動バッファから
データを受けてドットを形成する様子を示す説明図であ
る。
【図10】本実施例における画像処理ルーチンの流れを
示すフローチャートである。
【図11】本実施例で用いられるドット記録率テーブル
の一例を示す説明図である。
【図12】本実施例の第1の多値化処理の流れを示すフ
ローチャートである。
【図13】本実施例の第1の多値化処理におけるドット
サイズ置換処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】本実施例の第1の多値化処理による画質改善
効果を示す説明図である。
【図15】本実施例の第2の多値化処理の流れを示すフ
ローチャートである。
【図16】本実施例の第2の多値化処理における低解像
度化処理を示す説明図である。
【図17】輪郭ドット決定処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図18】記録媒体上に形成される小ドット、中ドッ
ト、および大ドットの位置関係の一例を示す説明図であ
る。
【図19】本実施例の第2の多値化処理による画質改善
効果を示す説明図である。
【図20】本実施例の第3の多値化処理の流れを示すフ
ローチャートである。
【図21】本実施例の第3の多値化処理における補間処
理の概要を示す説明図である。
【図22】本実施例の第3の多値化処理による画質改善
効果を示す説明図である。
【図23】輪郭画素抽出処理の概要を示す説明図であ
る。
【図24】輪郭画素抽出のために参照される各画素の階
調値と、輪郭画素か否かの判断結果をまとめた説明図で
ある。
【図25】輪郭画素抽出処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図26】4近傍の画素を参照して輪郭画素を抽出する
方法を説明する説明図である。
【図27】本実施例において用いられるハーフトーニン
グ処理の流れを示すフローチャートである。
【図28】組織的ディザ法によるハーフトーニング処理
の概要を説明する説明図である。
【符号の説明】
20…カラープリンタ 21…カラースキャナ 23…CRT 24…モデム 25…フレキシブルディスクドライブ 26…ハードディスク 30…キャリッジモータ 31…駆動ベルト 32…プーリ 33…摺動軸 34…位置検出センサ 35…紙送りモータ 36…プラテン 40…キャリッジ 41…CPU 41…印字ヘッド 42,43…インクカートリッジ 44〜47…インク吐出用ヘッド 50…インク通路 59…操作パネル 60…制御回路 61…CPU 62…PROM 63…RAM 64…PCインターフェース 66…タイマ 67…駆動バッファ 68…バス 69…分配出力器 70…発振器 80…コンピュータ 81…CPU 82…ROM 83…RAM 84…入力インターフェース 85…出力インターフェース 86…CRTC 87…DDC 88…SIO 89…バス 90…ビデオドライバ 91…アプリケーションプログラム 92…プリンタドライバ 93…解像度変換モジュール 94…色変換モジュール 95…多値化モジュール 96…インターレースモジュール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) 9A001 Fターム(参考) 2C055 KK00 KK05 KK06 KK07 KK12 2C057 AF21 AF29 AF39 AG13 AG14 AL32 AL38 AM03 AM28 AN01 CA02 2C087 AA11 AA16 AC07 BA02 BA12 BC05 BD05 2C262 AA02 AA18 AB00 AB07 AB09 BB01 BB06 BB10 DA03 DA11 EA08 GA09 GA29 GA45 5C076 AA21 AA27 AA32 BA02 BB05 BB42 CA10 9A001 HH34 JJ35 KK42

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大きさの異なる2種類以上のドットを形
    成可能なヘッドを備え、主走査と副走査とを行いながら
    該ヘッドを駆動して画像を印刷する印刷装置であって、 前記画像を構成する画素の階調値に基づいて、前記ドッ
    トの形成有無を判断するドット形成判断手段と、 該判断結果を記憶する判断結果記憶手段と、 前記画像に含まれる形状について、その輪郭を構成する
    画素を抽出する輪郭画素抽出手段と、 該輪郭画素には所定の小さなドットが形成されるよう
    に、前記記憶されたドット形成判断結果を書き換える判
    断結果書換手段と、 該書き換えられた判断結果に基づいて、前記各大きさの
    ドットを形成するドット形成手段とを備えた印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記輪郭画素抽出手段は、主走査方向に隣接する複数の
    画素を組として、該組を構成する各画素の階調値と所定
    の閾値とを比較し、該比較結果と所定の関係とに基づい
    て前記輪郭画素を抽出する手段である印刷装置。
  3. 【請求項3】 大きさの異なる2種類以上のドットを形
    成可能なヘッドを備え、主走査と副走査とを行いながら
    該ヘッドを駆動して画像を印刷する印刷装置であって、 前記画像を構成している画素のうち、隣接する複数の画
    素を所定の関係に基づいて大画素にまとめ、該大画素に
    よって前記画像を表現する低解像度化手段と、 該大画素の階調値に基づいて、該大画素に形成すべきド
    ットの有無を判断するドット形成判断手段と、 該判断結果を記憶する判断結果記憶手段と、 前記画像に含まれる形状について、その輪郭を構成する
    大画素を抽出する輪郭画素抽出手段と、 該輪郭画素にまとめられた前記複数の画素の階調値に基
    づいて、該輪郭画素に形成すべきドットの大きさを決定
    する輪郭ドット決定手段と、 該輪郭画素には該決定された大きさのドットが形成され
    るように、前記記憶されたドット形成の判断結果を書き
    換える判断結果書換手段と、 該書き換えられた判断結果に基づいて、前記各大きさの
    ドットを形成するドット形成手段とを備えた印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の印刷装置であって、 前記形成可能なドットの中の所定の大きさのドットは、
    他のドットに対してドット形成位置を所定方向にずらし
    て設定されているドットであり、 前記輪郭ドット決定手段は、前記輪郭画素にまとめられ
    た複数の画素の階調値分布を解析し、階調値の偏ってい
    る方向が前記所定方向と略等しいときには、前記所定の
    大きさのドットが形成されるよう決定する手段である印
    刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の印刷装置であって、 前記低解像度化手段は、前記画素を主走査方向にまとめ
    る手段であり、 前記形成可能なドットの中の所定の大きさのドットは、
    他のドットに対してドット形成位置を主走査方向にずら
    して設定されているドットであり、 前記輪郭ドット決定手段は、前記輪郭画素を分割して得
    られた各小画素の階調値分布を解析し、階調値の偏って
    いる方向が主走査方向と略等しいときには、前記所定の
    大きさのドットが形成されるよう決定する手段である印
    刷装置。
  6. 【請求項6】 大きさの異なる2種類以上のドットを形
    成可能なヘッドを備え、主走査と副走査とを行いながら
    該ヘッドを駆動して画像を印刷する印刷装置であって、 前記画像を構成する画素の階調値に基づいて、前記ドッ
    トの形成有無を判断するドット形成判断手段と、 該判断結果を記憶する判断結果記憶手段と、 前記画像に含まれる形状について、その輪郭を構成する
    画素を抽出する輪郭画素抽出手段と、 前記画素を隣接する複数の小画素に分割し、該小画素の
    各階調値を所定の関係に基づいて定める高解像度化手段
    と、 前記輪郭画素を分割して得られた各小画素の階調値に基
    づいて、該輪郭画素に形成するドットの大きさを決定す
    る輪郭ドット決定手段と、 該輪郭画素には該決定した大きさのドットが形成される
    ように、前記記憶されたドット形成判断結果を書き換え
    る判断結果書換手段と、 該書き換えられた判断結果に基づいて、前記各大きさの
    ドットを形成するドット形成手段とを備えた印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の印刷装置であって、 前記形成可能なドットの中の所定の大きさのドットは、
    他のドットに対してドット形成位置を所定方向にずらし
    て設定されているドットであり、 前記輪郭ドット決定手段は、前記輪郭画素を分割して得
    られた各小画素の階調値分布を解析し、階調値の偏って
    いる方向が前記所定方向と略等しいときには、前記所定
    の大きさのドットが形成されるよう決定する手段である
    印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の印刷装置であって、 前記高解像度化手段は、前記画素を主走査方向に分割す
    る手段であり、 前記形成可能なドットの中の所定の大きさのドットは、
    他のドットに対してドット形成位置を主走査方向にずら
    して設定されているドットであり、 前記輪郭ドット決定手段は、前記輪郭画素を分割して得
    られた各小画素の階調値分布を解析し、階調値の偏って
    いる方向が主走査方向と略等しいときには、前記所定の
    大きさのドットが形成されるよう決定する手段である印
    刷装置。
  9. 【請求項9】 大きさの異なる2種類以上のドットを形
    成可能なヘッドを備え、主走査と副走査とを行いながら
    該ヘッドを駆動して画像を印刷する印刷方法であって、 前記画像を構成する画素の階調値に基づいて、前記ドッ
    トの形成有無を判断するとともに該判断結果を記憶して
    おき、 前記画像に含まれる形状について、その輪郭を構成する
    画素を抽出し、 該抽出した輪郭画素には所定の小さなドットが形成され
    るように、前記記憶しておいたドット形成有無の判断結
    果を書き換え、 該書き換えられた判断結果に基づいて、前記各大きさの
    ドットを形成する印刷方法。
  10. 【請求項10】 大きさの異なる2種類以上のドットを
    形成可能なヘッドを備え、主走査と副走査とを行いなが
    ら該ヘッドを駆動して画像を印刷する印刷方法であっ
    て、 前記画像を構成している画素のうち、隣接する複数の画
    素を所定の関係に基づいて大画素にまとめ、該大画素に
    よって前記画像を表現し、 該大画素の階調値に基づいて、該大画素に形成すべきド
    ットの有無を判断するとともに該判断結果を記憶してお
    き、 前記画像に含まれる形状について、その輪郭を構成する
    大画素を抽出し、 該輪郭画素にまとめられた前記複数の画素の階調値に基
    づいて、該輪郭画素に形成すべきドットの大きさを決定
    し、 該輪郭画素には該決定された大きさのドットが形成され
    るように、前記記憶しておいたドット形成有無の判断結
    果を書き換え、 該書き換えられた判断結果に基づいて、前記各大きさの
    ドットを形成する印刷方法。
  11. 【請求項11】 大きさの異なる2種類以上のドットを
    形成可能なヘッドを備え、主走査と副走査とを行いなが
    ら該ヘッドを駆動して画像を印刷する印刷方法であっ
    て、 前記画像を構成する画素の階調値に基づいて、前記ドッ
    トの形成有無を判断するとともに該判断結果を記憶して
    おき、 前記画像に含まれる形状について、その輪郭を構成する
    画素を抽出し、 前記画素を隣接する複数の小画素に分割し、該小画素の
    各階調値を所定の関係に基づいて定め、 前記輪郭画素を分割して得られた各小画素の階調値に基
    づいて、該輪郭画素に形成するドットの大きさを決定
    し、 該輪郭画素には該決定した大きさのドットが形成される
    ように、前記記憶しておいたドット形成有無の判断結果
    を書き換え、 該書き換えられた判断結果に基づいて、前記各大きさの
    ドットを形成する印刷方法。
  12. 【請求項12】 大きさの異なる2種類以上のドットを
    形成して画像を印刷する印刷装置で用いられ、該各ドッ
    トの形成有無を判断するために前記画像のデータに所定
    の処理を施すプログラムを、コンピュータで読み取り可
    能に記録した記録媒体であって、 前記画像を構成する画素の階調値に基づいて、前記ドッ
    トの形成有無を判断するとともに該判断結果を記憶して
    おく機能と、 前記画像に含まれる形状について、その輪郭を構成する
    画素を抽出する機能と、 該抽出した輪郭画素には所定の小さなドットが形成され
    るように、前記記憶しておいたドット形成有無の判断結
    果を書き換える機能とを実現するプログラムを記録した
    記録媒体。
  13. 【請求項13】 大きさの異なる2種類以上のドットを
    形成して画像を印刷する印刷装置で用いられ、該各ドッ
    トの形成有無を判断するために前記画像のデータに所定
    の処理を施すプログラムを、コンピュータで読み取り可
    能に記録した記録媒体であって、 前記画像を構成している画素のうち、隣接する複数の画
    素を所定の関係に基づいて大画素にまとめ、該大画素に
    よって前記画像を表現する機能と、 該大画素の階調値に基づいて、該大画素に形成すべきド
    ットの有無を判断するとともに該判断結果を記憶してお
    く機能と、 前記画像に含まれる形状について、その輪郭を構成する
    大画素を抽出する機能と、 該輪郭画素にまとめられた前記複数の画素の階調値に基
    づいて、該輪郭画素に形成すべきドットの大きさを決定
    する機能と、 該輪郭画素には該決定された大きさのドットが形成され
    るように、前記記憶しておいたドット形成有無の判断結
    果を書き換える機能とを実現するプログラムを記録した
    記録媒体。
  14. 【請求項14】 大きさの異なる2種類以上のドットを
    形成して画像を印刷する印刷装置で用いられ、該各ドッ
    トの形成有無を判断するために前記画像のデータに所定
    の処理を施すプログラムを、コンピュータで読み取り可
    能に記録した記録媒体であって、 前記画像を構成する画素の階調値に基づいて、前記ドッ
    トの形成有無を判断するとともに該判断結果を記憶して
    おく機能と、 前記画像に含まれる形状について、その輪郭を構成する
    画素を抽出する機能と、 前記画素を互いに隣接する複数の小画素に分割し、該小
    画素の各階調値を所定の関係に基づいて定める機能と、 前記輪郭画素を分割して得られた各小画素の階調値に基
    づいて、該輪郭画素に形成するドットの大きさを決定す
    る機能と、 該輪郭画素には該決定した大きさのドットが形成される
    ように、前記記憶しておいたドット形成有無の判断結果
    を書き換える機能とを実現するプログラムを記録した記
    録媒体。
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