JP4575722B2 - 糸巻装置 - Google Patents

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Description

本発明は、糸の張力によって線引きを行う墨壷等の線引き具や、糸張り具等における糸巻装置に関する。
糸巻装置の一種として、従来から、例えば下記の特許文献1に開示された墨壷が知られている。
特開2002−321176
墨壷は、木工や建築における墨打ち作業で使用されるもので、ケース内に糸巻及び墨室が設けられ、糸巻に巻かれた糸が、墨汁を沁み込ませた墨汁浸透部材が充填された墨室内を通って、ケースの一端に形成された糸繰り出し口から外部へ繰り出され、糸の先端に、この糸を墨打ち起点に止着するためのかるこが繋着された構造を備える。糸巻には、これを糸の巻き取り方向へ回転させるための巻き取りばねが内蔵され、かつ前記巻き取りばねの付勢力を任意に調整するためのばねチャージ部が設けられている。したがって、墨打ち作業においては、まず、前記かるこを墨打ち起点に止着してから、ケースを移動させることによって糸を引き出すと、この糸には、墨室内を通る過程で、墨汁浸透部材との接触によって墨汁が付着するので、この糸に適当なテンションを与えた状態で、墨打ち対象面に向けて手指ではじくことによって、直線状の墨線を転写することができるのである。
墨壷等における従来の糸巻装置では、ばねチャージ部は、チャージハンドルと、このチャージハンドルに軸方向移動可能に挿通されると共にばねでケース側のスパイラル状の係止面に向けて付勢された係止ピンからなり、係止ピンが、前記係止面との係止位置へ変位した状態では、邪魔にならないように、チャージハンドルから突出しない構造となっている。しかし、チャージハンドルを巻き取りばねの蓄勢又は弛緩方向へ回転させるために係止ピンを摘むには、まずチャージハンドルを、係止ピンがスパイラル状の係止面を乗り上がる方向へ回転させることによって、係止ピンをチャージハンドルから突出させるといった作業が必要であった。しかも、係止ピンの内端がスパイラル状の係止面の最深部に掛合される構造上、手指で容易に摘むための十分な突出量や係止ピンのサイズを確保することが困難であった。そしてその結果、係止ピンを摘んでチャージハンドルを回転させることによる巻き取りばねの付勢力の調整作業が煩雑であった。
また、巻き取りばねは、糸巻本体の内周に一体的に取り付けられたばねケース内に収納され、一端が前記糸巻本体側に固定されると共に、他端が、前記ばねケースの内周に相対回転可能に配置されてチャージハンドルにより回転されるばね芯に固定されているが、糸巻本体とばねケースは、互いに嵌合により組み立てられており、ばねケースとばね芯の間は、その相対回転を許容するために僅かに隙間が存在している。このため、ばねケース内に、ダストや墨汁などが侵入しやすく、侵入したダストや墨汁などが固まると、巻き取りばねの弛緩動作が阻害され、ひいては糸巻本体の円滑な巻き取り動作が阻害されるおそれがあった。
また、ケースが必ずしも手で握りやすい形状とはいえず、使いやすさ等の観点から、ケースの形状を更に工夫する余地があった。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、糸巻本体を巻き取り方向へ回転させる巻き取りばねの蓄勢又は弛緩を容易に行うことの可能な糸巻装置を提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る糸巻装置は、ケース内に回転可能に収納され巻き取りばねによって糸の巻き取り回転方向へ付勢された糸巻本体と、前記巻き取りばねの付勢力を調整するばねチャージ部とを備え、このばねチャージ部が、前記ケースの外部に前記糸巻本体と同心的にかつ回転可能に配置されて前記巻き取りばねを蓄勢させるチャージハンドルと、このチャージハンドルにシーソー運動可能に設けられて一端に外部へ露出した操作端部を有し他端に被係止部を有するレバーと、前記被係止部を前記ケース側へ向けて付勢する弾性体と、前記ケースに形成され前記被係止部をその回転方向に対して掛合可能な係止部とを備えるものである。
すなわち、請求項1の発明に係る糸巻装置は、チャージハンドルに設けられたレバーを、その操作端部を手指で弾性体の付勢力に抗して変位させることにより揺動(シーソー運動)させれば、その被係止部がケースに形成された係止部から離れて掛合が解除されるので、チャージハンドルを巻き取りばねの蓄勢又は弛緩方向へ任意に回転することができる。また、レバーの操作端部から手指を離せば、このレバーは弾性体の付勢方向へ揺動して、その被係止部が、ばね弛緩方向へのチャージハンドルの回転に伴ってケースに形成された係止部と掛合されるので、その時点で、弛緩方向へのチャージハンドルの回転が阻止される。
請求項2の発明に係る糸巻装置は、請求項1に記載の構成において、巻き取りばねが、糸巻本体内部に形成されたばね収納部内にあって、一端が前記糸巻本体側に固定されると共に、他端が、前記ばね収納部内に相対回転可能に配置されてチャージハンドルにより回転されるばね芯に固定され、前記ばね収納部と前記ばね芯との間に、パッキンを密接摺動可能に介在させたものである。
すなわち、パッキンによって、ばね収納部とばね芯との相対回転を確保した状態で、ばね収納部内へのダスト等の侵入が防止されるので、巻き取りばねの弛緩動作が阻害されることがなく、したがって糸巻本体の円滑な巻き取り動作が確保される。
請求項3の発明に係る糸巻装置は、請求項1又は2に記載の構成において、ケースにおける糸巻収納部の糸引き出し側に手指を挿入可能な環状のホルダが形成されたものである。
すなわち、このような構成とすることによって、環状のホルダに手指(人差し指)を挿入した状態でケースを握ることによって、ケースを持ちやすくなる。このため、作業中に過って落とすおそれも少なくなり、糸の先端に糸止着具を取り付けた場合に、糸の巻き取りによって糸止着具が手元へ飛来するようなことがあっても、指がホルダによって保護されるので、安全性が向上する。
請求項1の発明に係る糸巻装置によれば、チャージハンドルに設けられたレバーの操作端部を手指で弾性体の付勢力に抗して変位させるだけで、チャージハンドルを巻き取りばねの蓄勢又は弛緩方向へ任意に回転することができるので、巻き取りばねの付勢力調整作業の煩雑さを解消して、使い勝手を著しく向上することができる。
請求項2の発明に係る糸巻装置によれば、請求項1による効果に加え、巻き取りばねの円滑な弛緩動作及びこれによる糸巻本体の円滑な巻き取り動作が確保される。
請求項3の発明に係る糸巻装置によれば、請求項1又は2による効果に加え、ケースを持ちやすくなるので、使いやすさ及び安全性が一層向上する。
以下、本発明に係る糸巻装置を墨壷に適用した好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の好ましい実施の形態を示す墨壷の一側面図、図2は他側面図、図3は図1におけるIII−O−III’線に沿って切断した断面図、図4は、要部の構造を示す断面図、図5は図3におけるV−V’線に沿って切断した断面図である。
これらの図に示されるように、本発明に係る糸巻装置としての墨壷は、ケース1と、このケース1内に回転可能に収納され巻き取りばね23によって巻き取り回転方向へ付勢された糸巻本体2と、この糸巻本体2に巻回された糸3と、巻き取りばね23の付勢力を調整するばねチャージ部4と、ケース1における後述の墨汁タンク11Cに設けられたポンプ装置5とを備える。
ケース1は、図1、図2及び図5に示されるように、合成樹脂で成形されたケース本体11と、トップ部材12と、リテーナ13からなり、ケース本体11には、糸巻収納部11Aと、その前方(図1における右側)の糸案内部11Bと、後方(図1における左側)の墨汁タンク11Cと、手指を挿入可能な環状のホルダ11Dが形成されている。
ケース本体11は、糸案内部11Bと墨汁タンク11Cが、糸巻収納部11Aの両側で互いに鈍角をなすように延びており、その外観は、ホルダ11Dに人差し指を挿入した状態で、墨汁タンク11Cから糸巻収納部11Aにかけての部分を片手で握ることのできる形状となっている。
トップ部材12は耐摩耗性に優れた合成樹脂材で成形されたものであって、糸案内部11Bの先端に取り付けられ、その内周は糸繰り出し口12aとなっている。このトップ部材12には、糸繰り出し口12aから引き出した糸3を相手材に押し付けるための糸押え12bが形成されている。なお、ホルダ11Dには、糸押え12bの先端から引いた接線との接点に位置して、ゴム状弾性材料からなる滑り止め11aが取り付けられている。
図3及び図4に示されるように、リテーナ13は、糸巻収納部11Aの開口部に、所定角度だけ回転させることによって互いに拘束又は釈放される掛合部11b,13aを介して着脱自在に設けられ、この糸巻収納部11A内に糸巻本体2を保持するものである。
糸巻本体2は、外周に糸3を巻回するボビン21と、その一側に同心的に配置されると共に全周がボビン21に一体的に溶着Wd又は接着剤で全周が接着されたばねケース22と、このばねケース22の内室であるばね収納部22a内に収納されて糸巻本体2を糸3の巻き取り回転方向に付勢する巻き取りばね23と、リテーナ13の外側に配置された巻き取りハンドル24とからなる。巻き取りハンドル24は円盤状を呈するものであって、手指で回転操作するための複数の指掛け凹部24aが形成されており、また、巻き取りハンドル24の軸心部は、リテーナ13の内周に開設された軸孔13bに挿通されたばねケース22の中心軸22bに、ビス25を介して結合されている。そしてこれらの部材からなる糸巻本体2は、リテーナ13を取り外すことによって、このリテーナ13と共に糸巻収納部11Aから取り出すことができる。
ばねチャージ部4は、図3及び図4に示されるように、糸巻本体2のばねケース22の内周に同心的かつ相対回転可能な状態に組み込まれたばね芯41と、ケース本体11におけるリテーナ13と反対側の側壁111の外部にばね芯41と同心的に配置された円盤状のチャージハンドル42と、前記側壁111に開設された軸孔111aに挿通されたチャージハンドル42の中心軸42aに、ビス44で固定されたクラッチ部材43と、チャージハンドル42に設けられたレバー45とを備える。糸巻本体2におけるばね収納部22aに収納された巻き取りばね23は、外周側の一端が糸巻本体2におけるボビン21の筒状張り出し部21aに固定されると共に、内周側の他端が、ばね芯41に固定されている。したがって、巻き取りばね23は、糸巻本体2とばね芯41の相対回転によって蓄勢又は弛緩するものである。
ばね芯41の一端には、巻き取りばね23が収納されたばね収納部22aをボビン21の内周で塞ぐように存在する円盤状のクラッチ盤41aが形成されており、クラッチ部材43は、ケース本体11の側壁111との間に圧縮状態に配置されたコイルスプリング46によってクラッチ盤41aに押し付けられ、このクラッチ盤41aに対して、巻き取りばね23の蓄勢方向にのみ掛合するワンウェイクラッチを構成している。
ばねチャージ部4におけるレバー45は、チャージハンドル42とケース本体11の側壁111との間に配置され、長手方向中間部分が、チャージハンドル42に、その軸心と直交する方向へ延びる支持軸45cを中心としてシーソー運動可能な状態に支持されている。レバー45の一端には、チャージハンドル42の円周方向一箇所に開設された指掛け孔42b内に露出した操作端部45aが形成されており、他端に、ケース本体11の側壁111側へ向けて突出した被係止部45bが形成されており、この被係止部45bとチャージハンドル42との間には、コイルスプリング47が適宜圧縮状態で配置されている。なお、コイルスプリング47は、請求項1に記載された弾性体に相当するものである。
一方、ケース本体11の側壁111には、チャージハンドル42をその中心軸42aの周りに回転させた時に、これと一体的に回転するレバー45の被係止部45bの軌跡と対応する円弧状に延び、糸巻本体2の巻き取り方向と反対の方向、言い換えれば巻き取りばね23を弛緩させる方向の端部へ向かって漸次深くなり、その最深部が前記被係止部45bと掛合可能な段差状を呈するスパイラル溝112が形成されている。なお、このスパイラル溝112は、請求項1に記載された係止部に相当するものである。
糸巻本体2におけるボビン21の内周面には、ゴム状弾性材料からなるパッキン26が装着されている。このパッキン26は、ばね芯41におけるクラッチ盤41aの外周部からボビン21の内周へ延びる円筒部41bの外周面に摺動可能に密接されるシールリップ26aを有する。
なお、ケース本体11における糸巻収納部11Aの開口部と、これに着脱自在に設けられたリテーナ13の外周部との間は、ゴム状弾性材料からなるOリング14で密封されており、リテーナ13の内周の軸孔13bと、これに挿通された糸巻本体2におけるばねケース22の中心軸22bとの間は、ゴム状弾性材料からなるOリング27で密封されており、ケース本体11の側壁111に開設された軸孔111aと、これに挿通されたチャージハンドル42の中心軸42aとの間は、ゴム状弾性材料からなるOリング48で密封されている。
図3及び図5に一点鎖線で示されるように、糸案内部11Bの内室には、スポンジ、綿、あるいはフェルト等からなる墨汁吸収体6が充填されている。糸案内部11Bの上部開口115は、ゴム状弾性材料からなる蓋15で開閉可能となっている。この蓋15は、前記開口115に密嵌されるシール部15aを有し、一端15bがケース本体11に固定されている。
図3及び図5に示されるように、糸巻収納部11Aの内室と、糸案内部11Bの内室との間を仕切る仕切壁113には糸挿通部114が設けられており、糸巻本体2におけるボビン21に巻回された糸3は、糸案内部11Bを通って、この糸案内部11B内の墨汁吸収体6と接触しながら、トップ部材12の糸繰り出し口12aからケース1の外部へ導出される。なお、図3及び図5における参照符号16は、ステンレス鋼等の金属材料からなるガイドピンで、糸案内部11B内を通る糸3は、このガイドピン16に接触する位置を経由するようになっている。
ケース1における墨汁タンク11Cに設けられたポンプ装置5は、半球ドーム状のダイアフラム51と、ポンプハウジング52と、これに取り付けられた吸入弁53及び吐出弁54と吸入ノズル55及び吐出ノズル56からなる。そしてこのポンプ装置5は、ゴム状弾性材料からなるダイアフラム51を手指で反復変形させることによって、ダイアフラム51の内側のポンプ室5aが拡縮され、これに伴って、墨汁タンク11C内の墨汁が、吸入弁53、ポンプ室5a、及び吐出弁54を介して、糸巻収納部11A内の糸巻2のボビン21に巻装された糸3に供給される。
墨汁タンク11Cには、ポンプ装置5のダイアフラム51と隣接する位置に開設され密栓部材51aで開閉される墨汁注入孔117から、所定量の墨汁を封入することができる。密栓部材51aはゴム状弾性材料からなり、細い連結部51bを介してダイアフラム51と連続して成形されたものである。
図5に示されるように、トップ部材12の糸繰り出し口12aには、かるこ7を挿入状態に係止することができる。そしてこのかるこ7には、糸巻本体2のボビン21から引き出された糸3の先端が繋着されている。
図6は、かるこ7の構造を示す断面図である。すなわちこの図6に示されるように、かるこ7は、合成樹脂製の中空の柄71と、この柄71に着脱可能に固定された合成樹脂製の頭部72と、インサート成形によって基部73aが頭部72に埋設一体化され先端73b側が柄71の先端内周71aから所定長さ突出した金属製の刺着針73と、ピストン部74aが柄71の内周に摺動自在に支持されて刺着針73の外周を包囲する合成樹脂製の円筒状の保護筒74と、この保護筒74を柄71の内周から外部へ押し出すように付勢する金属製のコイルスプリング75とからなる。
かるこ7における保護筒74は、刺着針73の先端73bが完全に隠れる位置よりも外側へは移動できないように、ピストン部74aと柄71の先端内周71aの干渉によって抜け止めされている。そして、糸3は、保護筒74の先端からその内周を通って、先端に形成した結び玉3aが、この保護筒74の周壁の一部に開設した糸結合孔74bに繋着されている。また、保護筒74の先端には、複数のガイド溝74cが形成されている。
上述の構成を有する墨壷による墨打ち(線引き)を行う場合は、まず糸巻本体2のボビン21に巻装された糸3に、適量の墨汁を供給し、付着させておく。この墨汁供給は、ポンプ装置5のダイアフラム51を手指で所要回数押すことにより行う。
ケース本体11における糸巻収納部11Aの開口部とリテーナ13の外周部との間はOリング14で密封され、リテーナ13の内周の軸孔13bとこれに挿通されたばねケース22の中心軸22bとの間はOリング27で密封され、ケース本体11の側壁111に開設された軸孔111aとこれに挿通されたチャージハンドル42の中心軸42aとの間は、Oリング48で密封されているので、ボビン21に巻装された糸3から墨汁が滴り落ちたような場合、この墨汁が糸巻収納部11Aからケース1の外部へ漏れるようなことはない。
また、糸巻本体2におけるボビン21とばねケース22は全周が一体的に溶着Wd又は接着され、ボビン21と、ばね芯41における円筒部41bとの間は、パッキン26で密封されているので、巻き取りばね23が収納されたばね収納部22aは完全に密閉されているため、糸巻収納部11Aから墨汁やダストなどがばね収納部22aへ侵入するようなことがなく、したがって、これら墨汁やダストなどがばね収納部22a内で固まって、巻き取りばね23の動作不良の原因となるようなことがなく、糸巻本体2の円滑な作動性が確保される。
図7は、墨壷による墨打ち作業を示す説明図である。すなわち、この墨打ち作業においては、まず、かるこ7の刺着針73を、相手材(木材)Wの表面における墨打ちの一方の起点に刺着する。このとき、刺着針73が相手材Wに刺し込まれるのに伴って、保護筒74は図6に示されるコイルスプリング75を圧縮しながら柄71へ没入することになる。そして、このコイルスプリング75の圧縮反力によって、保護筒74がその先端のガイド溝74cを通っている糸3を、相手材Wに押し付ける。
次に、ケース1を墨打ちの他方の起点へ向けて移動させると、糸巻本体2の回転を伴いながら、そのボビン21に巻かれた糸3が、ケース1の移動距離分だけ繰り出されて行く。この糸3は、糸案内部11Bを通って繰り出される過程で、この糸案内部11B内の墨汁吸収体6に摺接するので、糸3に付着した墨汁のムラが均され、すなわち均一に墨汁が付着した状態となる。
また、上述した糸3の繰り出しに伴って、ボビン21が糸3の繰り出し方向へ回転されるのに対し、同方向へのばね芯41の回転は、ワンウェイクラッチをなすクラッチ部材43とクラッチ盤41aの掛合によって阻止されるので、巻き取りばね23がボビン21の回転に伴ってばね芯41に巻き込まれ、蓄勢される。
ケース1は、ホルダ11Dに人差し指を挿入して、あたかも拳銃を握るように墨汁タンク11Cから糸巻収納部11Aにかけての部分を片手でしっかり握ることができるため、移動の過程でケース1を過って落とすようなことを、有効に防止することができる。
ケース1を墨打ちの他方の起点まで移動させたら、このケース1のトップ部材12の糸押え12bの先端で糸3を押止することによって、糸3をかるこ7との間に張設する。このとき、図7に示されるように、ホルダ11Dに取り付けられたゴム状弾性材料からなる滑り止め11aを、相手材Wに押し付けるようにすることで、ケース1を容易に位置決めして糸3に適当なテンションを与えることができる。そして、このようにして張設した糸3を、相手材Wの表面に向けて指ではじいて打ち付けることによって、直線状の墨線を転写することができる。
墨打ち作業終了後は、かるこ7を相手材Wから引き抜けば、糸3の繰り出し過程で蓄勢された巻き取りばね23の弛緩動作によって、糸巻本体2が巻き取り方向に回転するため、糸3は、かるこ7がトップ部材12の糸繰り出し口12aに半収納状態に係止されるまで、ボビン21に自動的に巻き取られる。
このとき、相手材Wから引き抜かれたかるこ7が勢い良く飛来しても、その刺着針73は、図6に示されるコイルスプリング75で押し出された保護筒74に包囲されており、しかも、ケース1を握っている手は、最も前にある人差し指が、ホルダ11Dに挿入されることにより、このホルダ11Dで保護されているので、安全である。
図5に示されるように、かるこ7がトップ部材12の糸繰り出し口12aに半収納状態に係止されるまで、糸3をボビン21に完全に巻き取った状態、あるいは図7に示されるように糸3を張設した状態においては、ばねチャージ部4によって、巻き取りばね23の付勢力を任意に調整することができる。この調整においては、チャージハンドル42に設けられたレバー45の操作端部45aを、チャージハンドル42の指掛け孔42b内に挿入した指先で押圧すれば、このレバー45は、図4に示される支持軸45cを中心として、コイルスプリング47を圧縮する方向へシーソー運動し、その被係止部45bが、ケース本体11の側壁111に形成されたスパイラル溝112の最深部から浮上して、この最深部との掛合が解除されるので、そのまま、指掛け孔42b内に挿入した指先でチャージハンドル42を巻き取りばね23の蓄勢又は弛緩方向へ任意に回転させることができる。
したがって、従来のように、チャージハンドルから係止ピンを突出させて、これを手指で摘んでチャージハンドルを回転させるものに比較して、操作が著しく容易になる。
また、チャージハンドル42の指掛け孔42bから手指を離せば、チャージハンドル42は巻き取りばね23の弛緩方向へ回転する。しかし、このとき同時に、手指によるレバー45の操作端部45aの押圧が解除されるので、このレバー45はコイルスプリング47の付勢力により、被係止部45bがケース本体11の側壁111に形成されたスパイラル溝112へ押し付けられる方向へシーソー運動する。このため、チャージハンドル42の回転過程で、スパイラル溝112の最深部と掛合され、弛緩方向へのチャージハンドル42の回転が阻止される。したがって、指掛け孔42bから手指を離してから、チャージハンドル42は最大でも1回転しか回転せず、巻き取りばね23の弛緩を最小限に抑えることができる。
なお、上述した実施の形態は、本発明の糸巻装置を、墨壷について適用したものであるが、例えば墨汁の代わりに着色粉体を糸に付着させて線引きを行う線引き具や、線引きを行わない糸の張設具(白糸巻)等についても、本発明を同様に適用することができる。
本発明に係る糸巻装置を墨壷に適用した好ましい実施の形態を示す墨壷の一側面図である。 本発明に係る糸巻装置を墨壷に適用した好ましい実施の形態を示す墨壷の他側面図である。 図1におけるIII−O−III’線に沿って切断した断面図である。 実施の形態による墨壷の要部の構造を示す断面図である。 図3におけるV−V’線に沿って切断した断面図である。 かるこの構造を示す断面図である。 実施の形態による墨壷を用いた墨打ち作業を示す説明図である。
符号の説明
1 ケース
11 ケース本体
11A 糸巻収納部
11D ホルダ
112 スパイラル溝(係止部)
12 トップ部材
2 糸巻本体
21 ボビン
22 ばねケース
22a ばね収納部
23 巻き取りばね
24 巻き取りハンドル
26 パッキン
26a シールリップ
3 糸
4 ばねチャージ部
41 ばね芯
41a クラッチ盤
42 チャージハンドル
42b 指掛け孔
43 クラッチ部材
45 レバー
45a 操作端部
45b 被係止部
45c 支持軸
47 コイルスプリング(弾性体)

Claims (3)

  1. ケース内に回転可能に収納され巻き取りばねによって糸の巻き取り回転方向へ付勢された糸巻本体と、前記巻き取りばねの付勢力を調整するばねチャージ部とを備え、このばねチャージ部が、前記ケースの外部に前記糸巻本体と同心的にかつ回転可能に配置されて前記巻き取りばねを蓄勢させるチャージハンドルと、このチャージハンドルにシーソー運動可能に設けられて一端に外部へ露出した操作端部を有し他端に被係止部を有するレバーと、前記被係止部を前記ケース側へ向けて付勢する弾性体と、前記ケースに形成され前記被係止部をその回転方向に対して掛合可能な係止部とを備えることを特徴とする糸巻装置。
  2. 巻き取りばねが、糸巻本体内部に形成されたばね収納部内にあって、一端が前記糸巻本体側に固定されると共に、他端が、前記ばね収納部内に相対回転可能に配置されてチャージハンドルにより回転されるばね芯に固定され、前記ばね収納部と前記ばね芯との間に、パッキンを密接摺動可能に介在させたことを特徴とする請求項1に記載の糸巻装置。
  3. ケースにおける糸巻収納部の糸引き出し側に手指を挿入可能な環状のホルダが形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の糸巻装置。
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