JP4670092B2 - 墨壷 - Google Patents

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Description

本発明は、木工あるいは建築において、墨汁を付着させた糸を張設して墨打ちを行う墨壷に関する。
木工や建築における墨打ち作業で使用される墨壷の一種として、従来から、例えば下記の特許文献1に開示された構造のものが知られている。
実開平7−11284号公報
この墨壷は、ケース内に糸巻及び墨室が設けられ、糸巻に巻かれた糸が、墨汁を沁み込ませた墨汁浸透部材が充填された墨室内を通って、ケースの一端に形成された糸繰り出し口から外部へ繰り出され、糸の先端に、この糸を墨打ち起点に止着するためのかるこが繋着された構造を備える。糸巻には、これを糸の巻き取り方向へ回転させるための巻き取りばねが内蔵され、また、ケースには、墨汁タンクと、この墨汁タンクから墨汁浸透部材へ墨汁を補給するための手動ポンプが設けられている。
この墨壷による墨打ち作業においては、まず、かるこを相手材の墨打ち起点に止着してから、ケースを移動させることによって糸を引き出すと、この糸には、墨室内を通る過程で、墨汁浸透部材との接触によって墨汁が付着するので、この糸に適当なテンションを与えた状態で、墨打ち対象面に向けて手指ではじくことによって、直線状の墨線を転写することができる。また、墨汁浸透部材に沁み込ませた墨汁の量が少なくなったら、手動ポンプの操作によって、墨汁タンク内の墨汁を墨汁浸透部材へ補給する。
上記従来構造の墨壷によれば、糸の引き出し過程で墨汁を十分かつ均一に付着させるには、墨汁浸透部材に、含有可能量いっぱいに墨汁を補給する。ところがこの場合、墨汁の補給当初は、糸への墨汁の付着量が多すぎて、必要以上に太い墨打ち線が転写されてしまうばかりか、墨汁の消費量が無駄に多くなってしまう問題がある。また、何度か墨打ち作業を繰り返すことによって、墨汁浸透部材の墨汁含有量が少なくなって来ると、糸への墨汁付着量が減少かつ不均一となるので、墨打ち線が薄くなるばかりでなく、線が斑になってしまいやすい。
更に、上記従来構造の墨壷によれば、新品における最初の使用時には、糸に十分な量の墨汁を付着させるために、糸の引き出し及び巻き戻しを何度か繰り返す必要があり、その作業が面倒であった。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、糸に任意の量の墨汁を均一に付着させて、所望の濃さの墨打ちを行うことができる墨壷を提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る墨壷は、ケースと、このケースに回転可能に収納された糸巻と、前記ケース内に画成され墨汁が封入される墨汁タンクと、前記糸巻に巻装されケース外部へ引き出され先端に糸止着具が繋着された糸と、前記墨汁タンク内の墨汁を前記糸巻に巻装された糸に供給するポンプ部と、前記糸巻からの糸の引き出し・巻き戻し経路に充填された墨汁吸収体とを備え、前記ポンプ部が、ケース外部へ露出しポンプ室を画成する可撓性を有するダイアフラムと、前記墨汁タンクと前記ポンプ室とを連通する流路に介在して前記墨汁タンクから前記ポンプ室への墨汁の流れのみを許容する吸入弁と、前記ケースの糸巻収納部と前記ポンプ室とを連通する流路に介在して前記ポンプ室から前記糸巻収納部への墨汁の流れのみを許容する吐出弁からなることを特徴とするものである。
すなわち、請求項1の発明に係る墨壷によれば、墨汁タンク内の墨汁を、ポンプ部によって、ケース内の糸巻に巻装された糸に直接供給し、糸巻からの糸の引き出し過程で、この糸が墨汁吸収体に摺接することによって、墨汁の付着量が均される。また、ポンプ部の操作によって、糸への墨汁の供給量を任意に調整することができる。
また、ポンプ部は、ダイアフラムを手指で反復変形させることによって、ポンプ室が拡縮され、これに伴って、墨汁タンク内の墨汁が吸入弁、ポンプ室、及び吐出弁を介して、ケースの糸巻収納部内の糸巻に巻装された糸に供給される。
請求項1の発明に係る墨壷によれば、糸巻に巻装された糸に墨汁を直接供給して、糸巻からの糸の引き出し過程で墨汁吸収体により墨汁の付着量を均すので、濃淡が均一で鮮明な墨打ち線を転写することができ、しかもポンプ部の操作によって、墨打ち線の濃度や墨汁の消費量を任意に調整することができる。
以下、本発明に係る墨壷の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る墨壷の一側面図、図2は他側面図、図3は図1におけるIII−O−III’線に沿って切断した断面図、図4は、糸巻及びばねチャージ部の構造を示す断面図、図5は図3におけるV−V’線に沿って切断した断面図である。
これらの図に示されるように、本発明に係る墨壷は、ケース1と、このケース1内に回転可能に収納された糸巻2と、ケース1内に画成され墨汁が封入される墨汁タンク11Cと、糸巻2に巻回されケース1の外部へ引き出されて先端にかるこ7が繋着された糸3と、ばねチャージ部4と、墨汁タンク11C内の墨汁を糸巻2に巻装された糸3に供給するポンプ装置5と、ケース1の糸案内部11Bに充填された墨汁吸収体6とを備える。ポンプ装置5は、請求項1に記載されたポンプ部に相当し、かるこ7は、請求項1に記載された糸止着具に相当する。
詳しくは、ケース1は、図1、図2及び図5に示されるように、合成樹脂で成形されたケース本体11と、トップ部材12と、リテーナ13からなり、ケース本体11には、糸巻収納部11Aと、その前方(図1における右側)の糸案内部11Bと、後方(図1における左側)の墨汁タンク11Cと、手指を挿入可能な環状のホルダ11Dが形成されている。
ケース本体11は、糸案内部11Bと墨汁タンク11Cが、糸巻収納部11Aの両側で互いに鈍角をなすように延びており、その外観は、ホルダ11Dに人差し指を挿入した状態で、墨汁タンク11Cから糸巻収納部11Aにかけての部分を、あたかも拳銃を握るように、片手でしっかり握ることができる形状となっている。
トップ部材12は耐摩耗性に優れた合成樹脂材で成形されたものであって、糸案内部11Bの先端に取り付けられ、その内周は糸繰り出し口12aとなっている。このトップ部材12には、糸繰り出し口12aから引き出した糸3を相手材に押し付けるための糸押え12bが形成されている。
図3及び図4に示されるように、リテーナ13は、糸巻収納部11Aの開口部に、所定角度だけ回転させることによって互いに拘束又は釈放される掛合部11b,13aを介して着脱自在に設けられ、この糸巻収納部11A内に糸巻2を保持するものである。
糸巻2は、外周に糸3を巻回するボビン21と、その一側に同心的に配置されると共に全周がボビン21に一体的に溶着Wdされたばねケース22と、このばねケース22内に収納されて糸巻2を糸3の巻き取り回転方向に付勢する巻き取りばね23と、リテーナ13の外側に配置された巻き取りハンドル24とからなる。巻き取りハンドル24は円盤状を呈するものであって、手指で回転操作するための複数の指掛け凹部24aが形成されており、また、巻き取りハンドル24の軸心部は、リテーナ13の内周に開設された軸孔13bに挿通されたばねケース22の中心軸に、ビス25を介して結合されている。そしてこれらの部材からなる糸巻2は、リテーナ13を取り外すことによって、このリテーナ13と共に糸巻収納部11Aから取り出すことができる。
ばねチャージ部4は、図3及び図4に示されるように、糸巻2のばねケース22の内周に同心的かつ相対回転可能な状態に組み込まれたばね芯41と、ケース本体11におけるリテーナ13と反対側の側壁111の外部にばね芯41と同心的に配置された円盤状のチャージハンドル42と、前記側壁111に開設された軸孔111aに挿通されたチャージハンドル42の中心軸42aに、ビス44で固定されたクラッチ部材43と、チャージハンドル42に設けられたレバー45とを備える。糸巻2におけるばね収納部22aに収納された巻き取りばね23は、外周側の一端が糸巻2におけるボビン21の筒状張り出し部21aに固定されると共に、内周側の他端が、ばね芯41に固定されている。したがって、巻き取りばね23は、糸巻2とばね芯41の相対回転によって蓄勢又は弛緩するものである。
ばね芯41の一端には円盤状のクラッチ盤41aが形成されており、クラッチ部材43は、ケース本体11の側壁111との間に圧縮状態に配置されたコイルスプリング46によってクラッチ盤41aに押し付けられ、このクラッチ盤41aに対して、巻き取りばね23の蓄勢方向にのみ掛合するワンウェイクラッチを構成している。
ばねチャージ部4におけるレバー45は、チャージハンドル42とケース本体11の側壁111との間に配置され、長手方向中間部分が、チャージハンドル42に、その軸心と直交する方向へ延びる支持軸45cを中心としてシーソー運動可能な状態に支持されている。レバー45の一端には、チャージハンドル42の円周方向一箇所に開設された指掛け孔42b内に露出した操作端部45aが形成されており、他端に、ケース本体11の側壁111側へ向けて突出した被係止部45bが形成されており、この被係止部45bとチャージハンドル42との間には、コイルスプリング47が適宜圧縮状態で配置されている。
一方、ケース本体11の側壁111には、チャージハンドル42をその中心軸42aの周りに回転させた時に、これと一体的に回転するレバー45の被係止部45bの軌跡と対応する円弧状に延び、糸巻2の巻き取り方向と反対の方向、言い換えれば巻き取りばね23を弛緩させる方向の端部へ向かって漸次深くなり、その最深部が前記被係止部45bと掛合可能な段差状を呈するスパイラル溝112が形成されている。
糸巻2におけるボビン21の内周面と、ばね芯41におけるクラッチ盤41aの外周部からボビン21の内周へ延びる円筒部41bとの間は、ゴム状弾性材料からなるパッキン26で密封されており、ケース本体11における糸巻収納部11Aの開口部と、これに着脱自在に設けられたリテーナ13の外周部との間は、ゴム状弾性材料からなるOリング14で密封されており、リテーナ13の内周の軸孔13bと、これに挿通されたばねケース22の中心軸との間は、ゴム状弾性材料からなるOリング27で密封されており、ケース本体11の側壁111に開設された軸孔111aと、これに挿通されたチャージハンドル42の中心軸42aとの間は、ゴム状弾性材料からなるOリング48で密封されている。
図3及び図5に一点鎖線で示されるように、糸案内部11Bの内室には、スポンジ、綿、あるいはフェルト等からなる墨汁吸収体6が充填されている。糸案内部11Bは、請求項1に記載された糸3の引き出し・巻き戻し経路に相当するものであり、その上部開口115は、ゴム状弾性材料からなる蓋15で開閉可能となっている。この蓋15は、前記開口115に密嵌されるシール部15aを有し、一端15bが軸15cを介してケース本体11に固定されている。
図3及び図5に示されるように、糸巻収納部11Aの内室と、糸案内部11Bの内室との間を仕切る仕切壁113には糸挿通部114が設けられており、糸巻2におけるボビン21に巻回された糸3は、糸案内部11Bを通って、この糸案内部11B内の墨汁吸収体6と接触しながら、トップ部材12の糸繰り出し口12aからケース1の外部へ導出される。なお、図3及び図5における参照符号16は、ステンレス鋼等の金属材料からなるガイドピンで、糸案内部11B内を通る糸3は、このガイドピン16に接触する位置を経由するようになっている。
ケース1における墨汁タンク11Cに設けられたポンプ装置5は、ダイアフラム51と、ポンプハウジング52と、これに取り付けられた吸入弁53及び吐出弁54と吸入ノズル55及び吐出ノズル56からなる。
詳しくは、図3及び図5に示されるように、墨汁タンク11Cにおける糸巻収納部11Aと反対側の端壁に開設されたポンプ装着孔116には、ポンプハウジング52及びその外側を包囲するダイアフラム51が密封的に固定されている。ダイアフラム51はゴム状弾性材料からなるものであって、半球のドーム状に形成され、手指で押圧することによって容易に凹み、かつ所要の弾性復元力を有するものである。また、このダイアフラム51は、ドーム状の本体部分の裾部51aが前記ポンプ装着孔116とポンプハウジング52の間に密嵌されると共に、そこからケース本体11の左右両側へ向けて延びる一対の舌片部51bが、ビス57によってケース本体11に固定されている。
ポンプハウジング52は、吸入ノズル55から吸入弁53を介してドーム状ダイアフラム51で密閉されたポンプ室5aに連通する吸入流路52aと、前記ポンプ室5aから吐出弁54を介して吐出ノズル56へ連通する吐出流路52bを有する。吸入ノズル55は墨汁タンク11C内に開口しており、吐出ノズル56は、墨汁タンク11Cと糸巻収納部11Aとの間を仕切る仕切壁118を貫通して、糸巻収納部11A内に、糸巻2におけるボビン21の外周位置に臨んで開口している。仕切壁118における吐出ノズル56の貫通部は、Oリング119で密封されている。
吸入弁53及び吐出弁54は、ばねによって一方向へ付勢された弁体からなるチェック弁であって、このうち吸入弁53は、ポンプ室5aが負圧になった時に開弁して、吸入ノズル55からポンプ室5aへ向かう墨汁の流れを許容し、それ以外は閉弁するものである。また、吐出弁54は、ポンプ室5aが加圧された時に開弁して、ポンプ室5aから吐出ノズル56へ向かう墨汁の流れを許容し、それ以外は閉弁するものである。
墨汁タンク11Cには、ポンプ装置5のダイアフラム51と隣接する位置に開設され密栓部材58で開閉される墨汁注入孔117から、所定量の墨汁を封入することができる。密栓部材58はゴム状弾性材料からなるものであって、細い連結部58aを介してドーム状ダイアフラム51の裾部51aに連続しており、すなわちダイアフラム51と一体に成形されたものであり、これによって密栓部材58の紛失が防止されている。
図5に示されるように、トップ部材12の糸繰り出し口12aには、かるこ7を挿入状態に係止することができる。そしてこのかるこ7には、糸巻2のボビン21から引き出された糸3の先端が繋着されている。
図6は、かるこ7の構造を示す断面図である。すなわちこの図6に示されるように、かるこ7は、合成樹脂製の中空の柄71と、この柄71に着脱可能に固定された合成樹脂製の頭部72と、インサート成形によって基部73aが頭部72に埋設一体化され先端73b側が柄71の先端内周71aから所定長さ突出した金属製の刺着針73と、ピストン部74aが柄71の内周に摺動自在に支持されて刺着針73の外周を包囲する合成樹脂製の円筒状の保護筒74と、この保護筒74を柄71の内周から外部へ押し出すように付勢する金属製のコイルスプリング75とからなる。
かるこ7における保護筒74は、刺着針73の先端73bが完全に隠れる位置よりも外側へは移動できないように、ピストン部74aと柄71の先端内周71aの干渉によって抜け止めされている。そして、糸3は、保護筒74の先端からその内周を通って、先端に形成した結び玉3aが、この保護筒74の周壁の一部に開設した糸結合孔74bに繋着されている。また、保護筒74の先端には、複数のガイド溝74cが形成されている。
上述の構成を有する墨壷による墨打ち(線引き)を行う場合は、まず糸巻2のボビン21に巻装された糸3に、適量の墨汁を供給し、付着させておく。この墨汁供給は、ポンプ装置5におけるドーム状ダイアフラム51を手指で所要回数押すことにより行うことができる。
すなわち、手指で押されることによっていったん凹んだドーム状ダイアフラム51が、その弾性により復元される過程では、ポンプ室5aの容積が拡大して負圧になるので、吐出弁54が閉弁すると共に吸入弁53が開弁し、墨汁タンク11C内の墨汁が、吸入ノズル55からポンプ室5aへ吸い上げられる。次に、ダイアフラム51が押される過程では、ポンプ室5aの容積が減少して加圧されることによって、吸入弁53が閉弁すると共に吐出弁54が開弁するので、ポンプ室5a内の墨汁が、吐出ノズル56から糸巻収納部11A内の、ボビン21に巻装された糸3へ向けて供給されるのである。糸3への墨汁の供給量は、ダイアフラム51を押す回数によって、任意に調整できる。そして、供給された墨汁は、毛細管現象によって、ボビン21に巻かれた糸3の全体に行きわたる。
なお、ボビン21に巻装された糸3へ、ポンプ装置5によって確実に墨汁を供給するには、吐出ノズル56の開口端部がボビン21の真上に位置するように、ケース1を、そのトップ部材12が下を向いた状態とすることが望ましい。このようにすれば、吐出ノズル56から吐出された墨汁は、吐出ノズル56の真下を通るように幾重にも巻かれた糸3へ滴下する。
ケース本体11における糸巻収納部11AはOリング14、27、48で密封されているので、糸巻収納部11Aからケース1の外部へ墨汁が漏れるようなことはなく、糸巻収納部11Aから糸挿通部114を介して墨汁が糸案内部11Bへ流出しても、この墨汁は墨汁吸収体6に吸収される。また、ボビン21とばね芯41の間がパッキン26で密封されているので、巻き取りばね23の収納部へ墨汁やダストなどが侵入するようなこともない。
図7は、墨壷による墨打ち作業を示す説明図である。すなわち、この墨打ち作業においては、まず、かるこ7の刺着針73を、相手材(木材)Wの表面における墨打ちの一方の起点に刺着する。このとき、刺着針73が相手材Wに刺し込まれるのに伴って、保護筒74は図6に示されるコイルスプリング75を圧縮しながら柄71へ没入することになる。そして、このコイルスプリング75の圧縮反力によって、保護筒74がその先端のガイド溝74cを通っている糸3を、相手材Wに押し付ける。
次に、ケース1を墨打ちの他方の起点へ向けて移動させると、糸巻2の回転を伴いながら、そのボビン21に巻かれた糸3が、ケース1の移動距離分だけ繰り出されて行く。この糸3は、糸案内部11Bを通って繰り出される過程で、この糸案内部11B内の墨汁吸収体6に摺接するので、糸3に付着した墨汁のムラが均され、均一に墨汁が付着した状態となる。また、ボビン21に巻かれた糸3に墨汁を直接供給し、その付着状態を、糸巻2からの糸3の引き出し過程で、この墨汁吸収体6に摺接することによって均すものであるため、新品における最初の使用時であっても、糸3の引き出し及び巻き戻しを何度か繰り返すことによって墨汁を付着させる作業は不要である。
また、上述した糸3の繰り出しに伴って、ボビン21が糸3の繰り出し方向へ回転されるのに対し、同方向へのばね芯41の回転は、ワンウェイクラッチをなすクラッチ部材43とクラッチ盤41aの掛合によって阻止されるので、巻き取りばね23がボビン21の回転に伴ってばね芯41に巻き込まれ、蓄勢される。
ケース1を墨打ちの他方の起点まで移動させたら、このケース1のトップ部材12の糸押え12bの先端で糸3を押止することによって、糸3をかるこ7との間に張設し、この糸3を、相手材Wの表面に向けて指ではじいて打ち付けることによって、直線状の墨線を転写することができる。このとき、糸3には墨汁が過不足なく均一に付着しているので、必要以上に太く、あるいは、薄く斑らな線になったりせず、明瞭な墨打ち線を得ることができる。
墨打ち作業終了後は、かるこ7を相手材Wから引き抜けば、糸3の繰り出し過程で蓄勢された巻き取りばね23の弛緩動作によって、糸巻2が巻き取り方向に回転するため、糸3は、かるこ7がトップ部材12の糸繰り出し口12aに半収納状態に係止されるまで、ボビン21に自動的に巻き取られる。
図5に示されるように、かるこ7がトップ部材12の糸繰り出し口12aに半収納状態に係止されるまで、糸3をボビン21に完全に巻き取った状態、あるいは図7に示されるように糸3を張設した状態においては、ばねチャージ部4によって、巻き取りばね23の付勢力を任意に調整することができる。この調整においては、チャージハンドル42に設けられたレバー45の操作端部45aを、チャージハンドル42の指掛け孔42b内に挿入した指先で押圧して、このレバー45をコイルスプリング47の付勢力に抗してシーソー運動させることにより、その被係止部45bとスパイラル溝112の最深部との掛合を解除して、指掛け孔42b内に挿入した指先でチャージハンドル42を巻き取りばね23の蓄勢又は弛緩方向へ任意に回転させれば良い。
また、チャージハンドル42の指掛け孔42bから手指を離せば、チャージハンドル42が巻き取りばね23の弛緩方向へ回転する過程で、レバー45の被係止部45bがコイルスプリング47の付勢力によって再びスパイラル溝112の最深部と掛合されるので、弛緩方向へのチャージハンドル42の回転は、最大でも1回転で阻止される。
本発明に係る墨壷の好ましい実施の形態を示す一側面図である。 本発明に係る墨壷の好ましい実施の形態を示す他側面図である。 図1におけるIII−O−III’線に沿って切断した断面図である。 墨壷の糸巻及びばねチャージ部の構造を示す断面図である。 図3におけるV−V’線に沿って切断した断面図である。 かるこの構造を示す断面図である。 実施の形態による墨壷を用いた墨打ち作業を示す説明図である。
符号の説明
1 ケース
11 ケース本体
11A 糸巻収納部
11B 糸案内部(糸の引き出し・巻き戻し経路)
11C 墨汁タンク
2 糸巻
21 ボビン
22 ばねケース
23 巻き取りばね
24 巻き取りハンドル
3 糸
4 ばねチャージ部
5 ポンプ装置(ポンプ部)
51 ダイアフラム
52 ポンプハウジング
53 吸入弁
54 吐出弁
55 吸入ノズル
56 吐出ノズル
58 密栓部材
6 墨汁吸収体
7 かるこ(糸止着部)

Claims (1)

  1. ケースと、このケースに回転可能に収納された糸巻と、前記ケース内に画成され墨汁が封入される墨汁タンクと、前記糸巻に巻装されケース外部へ引き出され先端に糸止着具が繋着された糸と、前記墨汁タンク内の墨汁を前記糸巻に巻装された糸に供給するポンプ部と、前記糸巻からの糸の引き出し・巻き戻し経路に充填された墨汁吸収体とを備え、前記ポンプ部が、ケース外部へ露出しポンプ室を画成する可撓性を有するダイアフラムと、前記墨汁タンクと前記ポンプ室とを連通する流路に介在して前記墨汁タンクから前記ポンプ室への墨汁の流れのみを許容する吸入弁と、前記ケースの糸巻収納部と前記ポンプ室とを連通する流路に介在して前記ポンプ室から前記糸巻収納部への墨汁の流れのみを許容する吐出弁からなることを特徴とする墨壷。
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