JP3012679U - 毛筆の液体供給装置 - Google Patents
毛筆の液体供給装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 筆軸部内に貯留した墨汁、インキ等の液体を
穂部の内側から供給拡散させることにより、穂部を常に
液切れや液だれのない最適な液体含浸状態に維持できる
とともに、携帯を容易にした。 【構成】 毛筆の使用時にキャップ8を取り外すことに
より、圧縮スプリング4で付勢されている穂支持スリー
ブ5を隔壁31から離間する方向に移動させて液貯留部
32の液吐出口311を解放し、この状態で筆軸部1を
挟圧することにより、中空部11から流出量制限部材1
2を通して流出する液体を貯液管3の液貯留部32、液
吐出口311、ニードル状液止め栓52及び十字状取付
ブロック53の空間531を通して穂支持スリーブ5内
に流入させ、さらに、この液体の流量を液導管71でコ
ントロールしながら穂部7の内側に送り込み、その内側
から穂部7に液体を滲み込ませることにより全域に拡散
させる。
穂部の内側から供給拡散させることにより、穂部を常に
液切れや液だれのない最適な液体含浸状態に維持できる
とともに、携帯を容易にした。 【構成】 毛筆の使用時にキャップ8を取り外すことに
より、圧縮スプリング4で付勢されている穂支持スリー
ブ5を隔壁31から離間する方向に移動させて液貯留部
32の液吐出口311を解放し、この状態で筆軸部1を
挟圧することにより、中空部11から流出量制限部材1
2を通して流出する液体を貯液管3の液貯留部32、液
吐出口311、ニードル状液止め栓52及び十字状取付
ブロック53の空間531を通して穂支持スリーブ5内
に流入させ、さらに、この液体の流量を液導管71でコ
ントロールしながら穂部7の内側に送り込み、その内側
から穂部7に液体を滲み込ませることにより全域に拡散
させる。
Description
【0001】
本考案は、毛筆の液体供給装置に係り、さらに詳しくは、筆軸部内に貯留した 墨汁その他の液体を筆軸部先端に設けた獣毛からなる穂部にその内側から供給で きる毛筆の液体供給装置に関する。
【0002】
墨や漆などで文字または絵を書く用具として毛筆が知られている。この毛筆は 、図5に示すように、筆軸部100と、この筆軸部100の先端に設けた獣毛か らなる穂部101から構成されている。 このような毛筆を用いて文字または絵を書く場合は、穂部に墨汁や着色インキ を含浸させ、その穂先を紙等の表面に接触させながら移動することにより、所定 の文字または絵を書くことができる。
【0003】
しかしながら、上述のような従来の毛筆には、以下に述べるような諸問題があ る。 まず、第1に、獣毛からなる穂部に含ませ得る液体含浸量は限られているため 、使用時には、含浸液体が切れる前に墨汁や着色インキを穂部に時々しみ込ませ てやらなければならず、その操作が面倒である。 また、第2に、穂部にその含浸能力以上の墨汁や着色インキが付けられると、 余分な墨汁や着色インキが穂部から不用意に滴下することがあるため、これが文 字や絵を書く紙用を汚したり、或は衣服やテーブル等を汚す恐れがあり、穂部に 適量の墨汁や着色インキを含浸させることは困難である。 さらに、第3に、墨汁や着色インキを収納する容器を毛筆と別に用意しなけれ ばならないため、毛筆をボールペンなどのように手軽に使用できないほか、携帯 にも不便であった。
【0004】 本考案は、上記の事情に鑑みなされたもので、筆軸部内に貯留した墨汁、イン キ等の液体を穂部の内側から供給拡散させることにより、穂部を常に液切れや液 だれのない最適な液体含浸状態に維持できるとともに、携帯を容易にした毛筆の 液体供給装置を提供することを目的とする。
【0005】
前記目的を達成するために請求項1の考案は、墨汁、着色インキ等の液体を収 容する中空部を有する可撓性の筆軸部と、前記筆軸部の下端開口に挿着され、前 記筆軸部を圧縮することにより中空部内の液体を吐出させる液体流出量制限部材 と、前記筆軸部の下端開口に連結管を介して水密に結合され、その結合側に前記 液体流出量制限部材から吐出する液体を貯留する液貯留部を有するとともに該液 貯留部の下端に円筒部を有する貯液管と、前記貯液管の円筒部の下端開口に水密 に嵌着された案内スリーブと、前記案内スリーブにその軸線方向にスライド可能 に嵌合され、前記案内スリーブの上端縁に当接して下方への移動を規制するフラ ンジを有する穂支持スリーブと、前記円筒部内に位置する前記穂支持スリーブの 上端に装着され、前記液貯留部の底部に形成した液吐出口に係脱する液止め栓と 、前記液止め栓が前記液吐出口を解放するように前記穂支持スリーブをそのフラ ンジが前記案内スリーブの上端縁に当接する方向に付勢する圧縮スプリングと、 スリーブにより巻き締めた柱状基部を有し、該柱状基部を前記穂支持スリーブの 下端部内に通気用の隙間を介して嵌着した穂部と、前記穂部の柱状基部にその軸 線方向に沿って埋設され前記貯留部から供給される液体を穂部の内側へ導入する 液導管と、前記案内スリーブに螺合することにより前記穂部を覆うとともに前記 穂支持スリーブを前記液貯留部側へ移動させて前記液吐出口を前記液止め栓で閉 塞するキャップとを備えてなるものである。
【0006】 請求項2の考案は、前記穂支持スリーブのフランジ近傍の側壁に該フランジ上 に溜る液体を穂支持スリーブ内に戻す液体戻し穴を形成してなるものである。
【0007】 請求項3の考案は、前記穂部の有効長さを調節するコーン状の調節スリーブと 、この調節スリーブの先端から突出する穂先部分をカバーするキャップを備え、 前記調節スリーブを前記案内スリーブに螺合することにより前記穂支持スリーブ を前記液貯留部側へ移動させて前記液吐出口を前記液止め栓で閉塞するとともに 穂部の先端部側を把持するするようにしたものである。
【0008】
上記構成の本考案においては、毛筆の使用時にキャップを取り外すことにより 、圧縮スプリングで付勢されている穂支持スリーブを液貯留部から離間する方向 に移動させて液貯留部の液吐出口を解放し、この状態で筆軸部を挟圧することに より、筆軸部から流出量制限部材を通して流出する墨汁等の液体を貯液管の液貯 留部、液吐出口、液止め栓を通して穂支持スリーブ内に流入させ、さらに、この 液体を液導管を通して穂部の内側に送り込み、その内側から穂部に液体を滲み込 ませることにより全域に拡散させる。これにより、穂部に液だれや液切れを生じ させることなく最適な液体含浸状態に維持できるとともに、筆軸部を押圧するだ けで、文字等の書き写しに必要な液体を穂部に直ちに供給することができる。
【0009】 よって、筆使用時の取り扱いが簡便になり、墨汁や着色インキ等の液体が穂部 から不用意に滴下して文字や絵を書く紙用を汚したり、或は衣服やテーブル等を 汚したりする問題を解決できるはか、墨汁や着色インキ等を収納する容器が不要 になるため、携帯が可能になり、毛筆をボールペンなどのように手軽に使用でき る。
【0010】 また、本考案によれば、毛筆の不使用時にキャップが穂部に被せて案内スリー ブに螺合されると、穂支持スリーブが液貯留部側へ移動し、液止め栓が液貯留部 の液吐出口を閉塞するため、筆軸部を不用意に押圧しても液体が穂部に供給され ることがなく、毛筆をそのまま携帯でき、その取り扱いが簡便になる。
【0011】 また、本考案によれば、穂支持スリーブのフランジの近傍に液体戻し穴を設け ることにより、フランジ上に溜っている液体を、筆軸部の押圧操作時に液体戻し 穴を通して穂支持スリーブ内に流れ込む空気によって穂支持スリーブ内に戻すこ とができ、液体を無駄なく利用できる。
【0012】 さらに、本考案によれば、穂部の柱状基部とこれが挿着される穂支持スリーブ の内壁面間に隙間を形成することにより、この隙間を利用して毛筆内部と外部と の通気が可能になり、これによって、穂部に液体を供給するために筆軸部が圧縮 変形されても、この変形を自動的に復元できる。
【0013】 また、本考案によれば、調節スリーブを前記案内スリーブに螺合することによ り前記穂支持スリーブを前記液貯留部側へ移動させて前記液吐出口を前記液止め 栓で閉塞するとともに穂部の先端部側を把持することにより、1つの穂部を太字 用及び細字用に利用できる。
【0014】
図1及び図2により本考案にかかる毛筆の液体供給装置の第1の実施例につい て説明する。 この図1及び図2において、毛筆の液体供給装置は、筆軸部1、連結管2、貯 液管3、圧縮スプリング4、穂支持スリーブ5、液止め栓52、案内スリーブ6 、穂部7、キャップ8を備える。
【0015】 筆軸部1は、上端が閉塞され、下端が開口する中空の軟質合成樹脂材から成形 され、その中空部11内には、図示省略の墨汁、着色インキ等の液体が充填され るとともに、その下端開口には液体の流出量を制限する流出量制限部材12が嵌 着されている。この流出量制限部材12は筆軸部1の下端開口の補強を兼ねてい る。
【0016】 連結管2は、筆軸部1と貯液管3とを連結するもので、その一端を筆軸部1の 下端部に形成したねじ部13に螺合することにより、筆軸部1と連結管2とを結 合し、連結管2の他端を貯液管3の上端に設けたねじ部30に螺合することによ り、連結管2と貯液管3とを結合する。また、ねじ部30の開口には液漏れ防止 用のキャップ21嵌着され、このキャップ21の中心に形成した孔211には流 出量制限部材12の液体吐出細管121が挿通され、この液体吐出細管121を 通して筆軸部1の液体が貯液管3内へ流出される。
【0017】 貯液管3は、内部を隔壁31により上下に区画することで形成された液貯留部 32と円筒部33を有し、この貯液部32は流出量制限部材12を通して筆軸部 1に連通されている。また、隔壁31の中心部には液吐出孔311が形成されて いる。
【0018】 穂支持スリーブ5は、その外周中間部にフランジ55を有し、このフランジ5 5の近接する穂支持スリーブ5の側壁には液体戻し穴56が形成されており、さ らに穂支持スリーブ5の上端開口には、隔壁31の液吐出孔311に係脱するニ ードル状液止め栓52の十字状取付ブロック53が嵌着されている。
【0019】 このようにした穂支持スリーブ5は、液止め栓52を上にして貯液管3の円筒 部33内にその下端開口側から挿入され、この穂支持スリーブ5の下端部側は、 円筒部33の下端開口に水密に嵌着した案内スリーブ6に貯液管3の軸線方向に 移動可能に嵌合されている。また、穂支持スリーブ5のフランジ55とこれに対 向する隔壁31間には圧縮スプリング4が介在されており、この圧縮スプリング 4により、穂支持スリーブ5をそのフランジ55が案内スリーブ6の上端縁に当 接する方向に付勢することで、筆使用時にはニードル状液止め栓52による隔壁 31の液吐出孔311を常に開放する構成になっている。また、穂支持スリーブ 5の穂部7が取り付けられる下部の内壁面には、穂支持スリーブ5の軸線方向に 伸びる複数の突条54が内周に沿って形成されている。 なお、フランジ55は穂支持スリーブ5の下方への移動を規制し、かつ穂支持 スリーブ5が案内スリーブ6から抜け出るのを防止する機能を備えている。
【0020】 穂部7は、獣毛を束ねることにより形成されるもので、その柱状基部73の中 心軸線上には、これを貫通して穂先側へ伸びる細い液導管71が埋設されており 、さらに柱状基部73の外周囲には、これを外周から巻き締めるスリーブ72が 装着されている。 このようにした穂部7は、その柱状基部73をスリーブ72ごと穂支持スリー ブ5の下端部内に押し込むことにより穂支持スリーブ5に挿着される。この時、 穂支持スリーブ5内壁とスリーブ72間には、突条54によって毛筆内部を外気 に連通する隙間が形成される。
【0021】 キャップ8は穂部7をカバーするもので、その開口部の内壁には、案内スリー ブ6の外周に形成した雄ねじ61に螺合する雌ねじ80が形成され、さらに、キ ャップ8の開口部の内壁には、雌ねじ80の奥部に位置して穂支持スリーブ5の 下端縁に係合する段部81が形成されている。
【0022】 次に、上記のように構成された本実施例の毛筆の使用例について説明する。 キャップ8を取り外した状態では、穂支持スリーブ5は、図2に示すように、 圧縮スプリング4により、フランジ55が案内スリーブ6に当接する位置まで押 し下げられているため、この穂支持スリーブ5と一体の液止め栓52は隔壁31 から離間し、その液吐出孔311を開放している。
【0023】 かかる状態で、筆軸部1を指先などにより挟圧すると、その中空部11内にあ る墨汁または着色インキ等の液体は流出量制限部材12の液体吐出口211から 貯液管3の液貯留部32内に流出され貯留される。また、液貯留部32内に貯留 された液体は隔壁31の液吐出孔311から流れ出し、さらに、この液体はニー ドル状液止め栓52を伝わって流下し、十字状取付ブロック53で形成される空 間531を通して穂支持スリーブ5内に流入する。さらに、穂支持スリーブ5内 に流入した液体は液導管71を通して穂部7の内側に送り込まれ、その内側から 穂部7の内部に滲み込んで全域に拡散される。これにより、穂部7は液だれや液 切れを生じさせることのない最適な液体量を含浸した状態に維持できる。
【0024】 一方、筆軸部1を挟圧した時、貯液管3内等にある空気は、突条54によって 穂支持スリーブ5の内壁とスリーブ72間に形成された隙間を通して筆外部へ排 出される。この時、少量の液体が上述の隙間を通して流れ出すが、この液体は穂 部7の外表面から吸収される。また、筆軸部1を挟圧した時、液体戻し穴56を 通して筆支持管5内に流れ込む空気により、フランジ55上に溜っている液体が 筆支持管5内に戻される。
【0025】 毛筆の不使用時は、キャップ8を案内スリーブ6に螺合する。この場合、キャ ップ8の雌ねじ80が案内スリーブ6の雄ねじ61に螺合する方向に回されると 、このキャップ8の段部81により、穂部7を含む穂支持スリーブ5が圧縮スプ リング4に抗して隔壁31側へ移動される。そして、キャップ8が案内スリーブ 6に完全に螺合されると、ニードル状の液止め栓52が隔壁31の液吐出孔31 1に係合し、この液吐出孔311を閉鎖することで液貯留部32からの液体の流 出をストップさせる。
【0026】 このように本考案の第1の実施例によれば、毛筆の使用時にキャップ8を取り 外すことにより、圧縮スプリング4で付勢されている穂支持スリーブ5を隔壁3 1から離間する方向に移動させて液貯留部32の液吐出口311を解放し、この 状態で筆軸部1を指先等で挟圧することにより、中空部11から流出量制限部材 12を通して流出する墨汁等の液体を貯液管3の液貯留部32、液吐出口311 、ニードル状液止め栓52及び十字状取付ブロック53の空間531を通して穂 支持スリーブ5内に流入させ、さらに、この液体の流量を液導管71でコントロ ールしながら穂部7の内側に送り込み、その内側から穂部7に液体を滲み込ませ ることにより全域に拡散させるから、穂部7に液だれや液切れを生じさせること なく最適な液体含浸状態に維持できるとともに、筆軸部1を押圧するだけで、文 字等の書き写しに必要な液体を穂部7に直ちに供給することができる。
【0027】 従って、従来のように穂部7を液体中に差し込んだり、穂部7の表面に付着し ている余分な液体を除去したりする面倒な操作が不要になり、筆使用時の取り扱 いが簡便になるほか、墨汁や着色インキ等の液体が穂部から不用意に滴下して文 字や絵を書く紙用を汚したり、或は衣服やテーブル等を汚したりする問題を解決 できる。また、墨汁や着色インキ等を収納する容器が不要になるため、携帯が可 能になるとともに、毛筆をボールペンなどのように手軽に使用できる。
【0028】 また、本実施例によれば、毛筆の不使用時にキャップ8が穂部7に被せて案内 スリーブ6に螺合されると、穂支持スリーブ5が隔壁31側へ移動し、液止め栓 52が液貯留部32の液吐出口311を閉塞するため、筆軸部1を不用意に押圧 しても液体が穂部に供給されることがなく、従って、毛筆をそのまま携帯でき、 その取り扱いが簡便になる。
【0029】 また、本実施例によれば、穂支持スリーブ5のフランジ55の近傍に液体戻し 穴56を設けることにより、フランジ55上に溜っている液体を、筆軸部1の押 圧操作時に液体戻し穴56を通して筆支持管5内に流れ込む空気によって筆支持 管5内に戻すことができ、液体を無駄なく利用できる。
【0030】 さらに、本実施例によれば、穂部7の柱状基部73が取り付けられる穂支持ス リーブ5の内壁面に、穂支持スリーブ5の軸線方向に伸びる複数の突条54を内 周に沿って形成することにより、穂支持スリーブ5内壁とスリーブ72間に隙間 を形成し、この隙間を利用して毛筆内部と外部との通気が可能になり、これによ って、穂部7に液体を供給するために筆軸部1が圧縮変形されても、この変形を 自動的に復元できる。
【0031】 次に、図3及び図4により本考案の第2の実施例について説明する。 図3及び図4において、図1及び図2と同一の部分には同一符号を付してその 構成説明を省略し、図1及び図2と異なる部分を重点に述べる。 図3及び図4から明らかなように、図1及び図2と異なる点は、書かれる字体 の大きさ及び線の細さに応じて穂部7を太字用及び細字用に利用できるようにし たところにある。
【0032】 このために本実施例においては、穂部7の有効長さを調節するコーン状の調節 スリーブ9と、この調節スリーブ9の先端から突出する穂部7をカバーするキャ ップ10を備える。調節スリーブ9は、貯液管3の下端部外周及び案内スリーブ 6の外周に嵌合する円筒部91と、この円筒部91の下端に延設され、穂部7の 先端部側を把持する逆円錐筒部92からなり、円筒部91の内周壁面には、案内 スリーブ6の雄ねじ61に螺合する雌ねじ911が形成されており、さらに、円 筒部91と逆円錐筒部92との接合部には、穂支持スリーブ5の下端縁に係合す る段部912が形成されている。
【0033】 このように構成された第2の実施例において、調節スリーブ9の円筒部91が 貯液管3の下端部外周に嵌合され、その雌ねじ911が案内間6の雄ねじ61に 螺合されると、穂部7を含む穂支持スリーブ5が圧縮スプリング4に抗して隔壁 31側へ移動され、液止め栓52が隔壁31の液吐出孔311に係合して、その 液吐出孔311を閉鎖する。同時に逆円錐筒部92は穂部7の先端部側を把持し 、その穂先部分を露出した状態にする。この穂先部分により小さく、かつ細い線 の文字等を書くことができる。この時、液貯留部32の液吐出孔311は液止め 栓52により閉塞されているので、穂先部分で文字等を書く時の液体は液導管7 1に滞留する液体及び穂部7に含浸している液体が使用される。
【0034】 このような第2の実施例においては、上記第1の実施例と同様な作用効果が得 られるほか、1つの穂部7を太字用及び細字用に利用できるという効果がある。
【0035】 なお、本考案の毛筆の液体供給装置は、獣毛からなる穂部に限らず、カラーペ ン、サインペン等のような硬質のフェルト製穂部にも適用できる。また、本考案 は、上記実施例に示す構成のものに限定されず、請求項に記載した範囲を逸脱し ない限り、種々の変更、変形が可能である。
【0036】
【考案の効果】 以上説明したように本考案によれば、毛筆の使用時にキャップを取り外すこと により、圧縮スプリングで付勢されている穂支持スリーブを液貯留部から離間す る方向に移動させて液貯留部の液吐出口を解放し、この状態で筆軸部を挟圧する ことにより、筆軸部から流出量制限部材を通して流出する墨汁等の液体を貯液管 の液貯留部、液吐出口、液止め栓を通して穂支持スリーブ内に流入させ、さらに 、この液体を液導管を通して穂部の内側に送り込み、その内側から穂部に液体を 滲み込ませることにより全域に拡散させる。これにより、穂部に液だれや液切れ を生じさせることなく最適な液体含浸状態に維持できるとともに、筆軸部を押圧 するだけで、文字等の書き写しに必要な液体を穂部に直ちに供給することができ る。
【0037】 よって、従来のように穂部を液体中に差し込んだり、穂部の表面に付着してい る余分な液体を除去したりする面倒な操作が不要になり、筆使用時の取り扱いが 簡便になるほか、墨汁や着色インキ等の液体が穂部から不用意に滴下して文字や 絵を書く紙用を汚したり、或は衣服やテーブル等を汚したりする問題を解決でき る。また、墨汁や着色インキ等を収納する容器が不要になるため、携帯が可能に なるとともに、毛筆をボールペンなどのように手軽に使用できる。
【0038】 また、本考案によれば、毛筆の不使用時にキャップが穂部に被せて案内スリー ブに螺合されると、穂支持スリーブが液貯留部側へ移動し、液止め栓が液貯留部 の液吐出口を閉塞するため、筆軸部を不用意に押圧しても液体が穂部に供給され ることがなく、毛筆をそのまま携帯でき、その取り扱いが簡便になる。
【0039】 また、本考案によれば、穂支持スリーブのフランジの近傍に液体戻し穴を設け ることにより、フランジ上に溜っている液体を、筆軸部の押圧操作時に液体戻し 穴を通して穂支持スリーブ内に流れ込む空気によって穂支持スリーブ内に戻すこ とができ、液体を無駄なく利用できる。
【0040】 さらに、本考案によれば、穂部の柱状基部とこれが挿着される穂支持スリーブ の内壁面間に隙間を形成することにより、この隙間を利用して毛筆内部と外部と の通気が可能になり、これによって、穂部に液体を供給するために筆軸部が圧縮 変形されても、この変形を自動的に復元できる。
【0041】 また、本考案によれば、穂部の有効長さを調節するコーン状の調節スリーブと 、この調節スリーブの先端から突出する穂先部分をカバーするキャップを備え、 前記調節スリーブを前記案内スリーブに螺合することにより前記穂支持スリーブ を前記液貯留部側へ移動させて前記液吐出口を前記液止め栓で閉塞するとともに 穂部の先端部側を把持するから、1つの穂部を太字用及び細字用に利用できると いう効果がある。
【図1】本考案にかかる毛筆液体供給装置の第1の実施
例を示す断面図である。
例を示す断面図である。
【図2】本考案の第1の実施例における毛筆液体供給装
置の分解斜視図である。
置の分解斜視図である。
【図3】本考案にかかる毛筆液体供給装置の第2の実施
例を示す断面図である。
例を示す断面図である。
【図4】本考案の第2の実施例における毛筆液体供給装
置の分解斜視図である。
置の分解斜視図である。
【図5】従来の毛筆の斜視図である。
1 筆軸部 11 中空部 12 液体流出量制限部材 2 連結管 3 貯液管 31 隔壁 32 液貯留部 33 円筒部 311 液吐出口 4 圧縮スプリング 5 穂支持スリーブ 52 液止め栓 55 フランジ 56 液戻し穴 6 案内スリーブ 7 穂部 71 液導管 72 スリーブ 73 柱状基部 8 キャップ 9 調節スリーブ 10 キャップ
Claims (3)
- 【請求項1】 墨汁、着色インキ等の液体を収容する中
空部を有する可撓性の筆軸部と、前記筆軸部の下端開口
に挿着され、前記筆軸部を圧縮することにより中空部内
の液体を吐出させる液体流出量制限部材と、前記筆軸部
の下端開口に連結管を介して水密に結合され、その結合
側に前記液体流出量制限部材から吐出する液体を貯留す
る液貯留部を有するとともに該液貯留部の下端に円筒部
を有する貯液管と、前記貯液管の円筒部の下端開口に水
密に嵌着された案内スリーブと、前記案内スリーブにそ
の軸線方向にスライド可能に嵌合され、前記案内スリー
ブの上端縁に当接して下方への移動を規制するフランジ
を有する穂支持スリーブと、前記円筒部内に位置する前
記穂支持スリーブの上端に装着され、前記液貯留部の底
部に形成した液吐出口に係脱する液止め栓と、前記液止
め栓が前記液吐出口を解放するように前記穂支持スリー
ブをそのフランジが前記案内スリーブの上端縁に当接す
る方向に付勢する圧縮スプリングと、スリーブにより巻
き締めた柱状基部を有し、該柱状基部を前記穂支持スリ
ーブの下端部内に通気用の隙間を介して嵌着した穂部
と、前記穂部の柱状基部にその軸線方向に沿って埋設さ
れ前記貯留部から供給される液体を穂部の内側へ導入す
る液導管と、前記案内スリーブに螺合することにより前
記穂部を覆うとともに前記穂支持スリーブを前記液貯留
部側へ移動させて前記液吐出口を前記液止め栓で閉塞す
るキャップとを備えてなる毛筆の液体供給装置。 - 【請求項2】 前記穂支持スリーブのフランジ近傍の側
壁に該フランジ上に溜る液体を穂支持スリーブ内に戻す
液体戻し穴を形成してなる請求項1記載の毛筆の液体供
給装置。 - 【請求項3】 前記穂部の有効長さを調節するコーン状
の調節スリーブと、この調節スリーブの先端から突出す
る穂先部分をカバーするキャップを備え、前記調節スリ
ーブを前記案内スリーブに螺合することにより前記穂支
持スリーブを前記液貯留部側へ移動させて前記液吐出口
を前記液止め栓で閉塞するとともに穂部の先端部側を把
持することを特徴とする請求項1記載の毛筆の液体供給
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1994015687U JP3012679U (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 毛筆の液体供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1994015687U JP3012679U (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 毛筆の液体供給装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3012679U true JP3012679U (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=43148368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1994015687U Expired - Lifetime JP3012679U (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 毛筆の液体供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3012679U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107928096A (zh) * | 2018-01-11 | 2018-04-20 | 兰州交通大学 | 一种新型壁画色彩修复装置 |
CN108583063A (zh) * | 2018-06-11 | 2018-09-28 | 湖州南浔煊羽斋湖笔有限公司 | 一种套管式毛笔 |
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1994
- 1994-12-20 JP JP1994015687U patent/JP3012679U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107928096A (zh) * | 2018-01-11 | 2018-04-20 | 兰州交通大学 | 一种新型壁画色彩修复装置 |
CN108583063A (zh) * | 2018-06-11 | 2018-09-28 | 湖州南浔煊羽斋湖笔有限公司 | 一种套管式毛笔 |
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