JP5027440B2 - 墨壷 - Google Patents

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Description

本発明は、木工あるいは建築において、墨汁を付着させた糸を張設して墨打ちを行う墨壷に関する。
木工や建築における墨打ち作業で使用される墨壷の一種として、従来から、例えば下記の特許文献1に記載された構造のものが知られている。
実公平7−48381号公報
特許文献1に記載の墨壷は、ケースの内部に回転可能に設けられた糸巻(インク吸蔵機構)が、糸を巻装する回転ドラムと、この回転ドラム内に配置された吸湿材からなる。吸湿材は、墨汁が含浸されるスポンジ状のインクドラムと、その外周を包囲し、墨汁を外周側へ漏出可能なゴム製のインクガイドと、さらにその外周を包囲するメッシュ状の保護カバーで構成されている。
この墨壷による墨打ち作業においては、まず、糸の先端に繋着された止めピン(かるこ)を相手材の墨打ち起点に止着してから、ケースを移動させることによって糸巻から糸を引き出し、前記相手材の墨打ち対象面に沿って張設する。この糸には、回転ドラムに巻装された状態において、この回転ドラム内の吸湿材のインクドラムに含浸された墨汁が、ゴム製インクガイド及びメッシュ状保護カバーを介して滲み出して付着・浸透しているので、張設した糸を、墨打ち対象面に向けて手指ではじくことによって、直線状の墨線を転写することができる。また、何度か墨打ち作業を繰り返すことによって、インクドラムにおける墨汁の含浸量が少なくなったら、ケースの側板に開設された小孔から回転ドラムの側板に開設された小孔を介して、前記インクドラムへ墨汁を補給することができる。
ところが、上記従来の墨壷は、インクドラムにおける墨汁の補給量が多過ぎたりすると、回転ドラムの回転に伴ってその余剰分がケース内に飛散し、ケース外部への漏れの原因になっていた。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、墨汁の漏れを有効に防止できると共に、良好な線引きを行うことのできる墨壷を提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る墨壷は、ケースと、このケース内に回転可能に設けられた糸巻と、この糸巻に前記ケースの外部へ引き出し可能な状態で巻装された糸と、この糸への墨汁供給手段とを備え、前記糸巻に、前記墨汁供給手段から前記糸に供給された墨汁のうち余剰墨汁を吸い取る墨汁吸収体が収納され、この墨汁吸収体は、前記糸巻の側壁に開設された第一窓部を介して前記糸巻から露出されると共に、前記糸巻に巻装された前記糸の一部に、前記糸巻の周壁に開設された第二窓部を介して接触されたものである。
なお、本書でいう「墨汁」とは、本来の墨汁に限らず、インクや塗料など、着色された液体をさすものである。
上記構成において、糸巻に収納された墨汁吸収体は、糸に供給された墨汁のうちの余剰な分を吸収するものであり、例えば糸巻に巻装された糸から、回転によってケース内に飛散した墨汁は、第一窓部を介して墨汁吸収体に吸い取られ、あるいは糸巻の内周側へ流れた余剰墨汁は、糸巻の周壁に開設された第二窓部を介して墨汁吸収体に吸い取られる。また、墨汁吸収体は、いったん吸い取った墨汁を、糸の引き出しまたは巻き取りの際の回転による遠心力や、毛細管現象によって、糸巻に巻装された糸へ還流して均一に浸透させる機能を奏する。
また、請求項2の発明に係る墨壷は、請求項1に記載の構成において、円周方向へ延びる第二窓部が、糸巻の周壁に円周方向等間隔で複数開設されたものである。
上記構成によれば、糸巻の周壁に巻かれた糸は、第二窓部が開設された部分では、その円周方向両端部間で、前記周壁の内周側へ張られた状態になるので、墨汁吸収体に良好に接触させることができる。
請求項1及び請求項2の発明に係る墨壷によれば、糸に供給された墨汁のうち、余剰な墨汁が、糸巻に収納された墨汁吸収体に第一窓部又は第二窓部を介して吸い取られるので、ケース外部への墨汁の漏洩が有効に防止されると共に、糸への墨汁の浸透が、墨汁吸収体によって均一化されるので、良好な線引きを行うことができる。
以下、本発明に係る墨壷の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る墨壷の第一の形態を示す一部破断した一側面図、図2は、同じく他側面図、図3は、内部構造を他側面から見た説明図、図4は、図1におけるIV−IV’線で切断した部分断面図、図5は、図4の要部を示す断面図、図6は、糸巻への糸の巻装状態を示す説明図である。
図1、図2及び図3に示されるように、第一の形態における墨壷は、ケース1と、このケース1内に回転可能に設けられた糸巻2と、この糸巻2にケース1の外部へ引き出し可能な状態で巻装された糸3と、前記糸巻2に設けられたばねチャージ部4と、糸3への墨汁供給手段5と、前記糸巻2に収納された墨汁吸収体6と、前記ケース1内における後述の引き出し・巻き戻し経路1Cに設けられた第二の墨汁吸収体7とを備える。
ケース1は、図1及び図2に示されるように、細長い握り部1Aと扁平な円形の糸巻収納部1Bを備える。握り部1Aは、図1に示される一側面側の第一カバー11と、図2に示される他側面側の第二カバー12によって開閉可能となっており、糸巻収納部1Bは、図1に示される一側面側に着脱可能に係止された皿状のリテーナ13によって開閉可能となっている。
糸巻2は、図4及び図5に示されるように、外周に糸3を巻回するボビン21と、このボビン21の軸方向一側に一体的かつ同心的に設けられたシャーレ状のばねケース22と、このばねケース22内に配置されて糸巻2を糸3の巻き取り方向に付勢する渦巻きばね23と、リテーナ13の外側に配置された巻き取りハンドル24とからなり、巻き取りハンドル24の外側面には、手指で回転操作するための複数の指掛け凹部24aが形成されている。巻き取りハンドル24の軸心部は、リテーナ13の内周に開設された軸孔13bに挿通されたばねケース22の中心軸22aに、ビス25を介して結合されている。そしてこれらの部材からなる糸巻2は、リテーナ13を取り外すことによって、このリテーナ13と共に糸巻収納部1Bから取り出すことができる。
ばねチャージ部4は、図4に示されるように、糸巻2のばねケース22の内周に同心的かつ相対回転可能な状態に組み込まれたばね芯41と、ケース1におけるリテーナ13と反対側の側壁14の外部にばね芯41と同心的に配置された円盤状のチャージハンドル42と、前記側壁14に開設された軸孔に挿通されたチャージハンドル42の中心軸に、ビス44で固定されたクラッチ部材43と、チャージハンドル42に設けられたレバー45とを備える。そして図5に示されるように、糸巻2におけるばねケース22に収納された渦巻きばね23は、外周側の一端が糸巻2におけるボビン21の筒状張り出し部21aに固定されると共に、内周側の他端が、ばね芯41に固定されている。したがって、渦巻きばね23は、糸巻2とばね芯41の相対回転によって蓄勢又は弛緩するものである。
ばね芯41の一端には、図5に示されるように、円盤状のクラッチ盤41aが形成されており、クラッチ部材43は、ケース1の側壁14との間に圧縮状態に配置されたコイルスプリング43aによってクラッチ盤41aに押し付けられ、このクラッチ盤41aに対して、渦巻きばね23の蓄勢方向にのみ掛合するワンウェイクラッチを構成している。
ばねチャージ部4におけるレバー45は、チャージハンドル42とケース1の側壁14との間に配置され、長手方向中間部分が、チャージハンドル42に、その軸心と直交する方向へ延びる支持軸を中心としてシーソー運動可能な状態に支持されている。レバー45の一端には、チャージハンドル42の円周方向一箇所に開設された指掛け孔42a内に露出した操作端部45aが形成されており、他端に、ケース1の側壁14側へ向けて突出した被係止部45bが形成されており、この被係止部45bとチャージハンドル42との間には、コイルスプリング46が適宜圧縮状態で配置されている。
一方、ケース1の側壁14には、チャージハンドル42をその軸心の周りに回転させた時に、これと一体的に回転するレバー45の被係止部45bの軌跡と対応する円弧状に延び、糸巻2の巻き取り方向と反対の方向、言い換えれば渦巻きばね23を弛緩させる方向の端部へ向かって漸次深くなり、その最深部が前記被係止部45bと掛合可能な段差状を呈するスパイラル溝15が形成されている。
図5に示されるように、糸巻2におけるボビン21の内周面と、ばね芯41におけるクラッチ盤41aの外周部との間は、ゴム状弾性材料からなるパッキン26で密封されており、ケース1における糸巻収納部1Bの開口部と、これに着脱自在に設けられたリテーナ13の外周部との間は、ゴム状弾性材料からなるOリング16で密封されており、リテーナ13の内周の軸孔13bと、これに挿通されたばねケース22の中心軸22aとの間は、ゴム状弾性材料からなるOリング27で密封されており、ケース1の側壁14に開設された軸孔14aと、これに挿通されたチャージハンドル42の中心軸との間は、ゴム状弾性材料からなるOリング47で密封されている。
糸巻2のボビン21は、図5に示されるように、軸方向両側の側壁21b,21cと、この側壁21b,21cの内周部間に同心的に形成された内周筒部21d及びその外周側の周壁21eと、この内周筒部21dと周壁21eの間に円周方向4等配状に形成されたリブ21hを有し、糸3は、周壁21eの外周に巻き付けられている。
糸巻2に設けられた墨汁吸収体6は、図6に示されるように、綿、フェルトあるいはスポンジ等からなり、ボビン21の内周筒部21dと周壁21eの間に形成された空間に充填されている。この空間は、図3及び図6に示されるようにリブ21hによって円周方向4等配状に分割され、それぞれ、ボビン21の側壁21bに開設された第一窓部21fと、ボビン21の周壁21eにリブ21h間に位置して開設された第二窓部21gを有する。このため、墨汁吸収体6は、第一窓部21fを介してケース1の室内に露出されると共に、周壁21eに巻装された糸3の一部に、第二窓部21gを介して接触されている。
また、糸巻2(ボビン21)に巻かれた糸3は、図6に示されるように、各第二窓部21gの両端間での張力によって、墨汁吸収体6に良好に接触する。そして、糸3による墨汁吸収体6に対する締め付けが、周壁21e及びリブ21hによって規制されるので、墨汁吸収体6に糸3を直接巻き付けた場合のように墨汁吸収体6が圧縮されることがなく、このため余剰墨汁を良好に吸収する。
ケース1の握り部1Aの一側面側における第一カバー11の内側は、図4に示されるように、引き出し・巻き戻し経路1Cとなっていて、この引き出し・巻き戻し経路1Cには、スポンジ、綿、あるいはフェルト等からなる第二の墨汁吸収体7が充填されており、糸巻2(ボビン21)から導出された糸3は、この第二の墨汁吸収体7に接触されるようになっている。なお、引き出し・巻き戻し経路1Cの側部開口を開閉可能に塞いでいる第一カバー11はゴム状弾性材料からなるものであって、その外縁が、前記側部開口の縁部にスライド式に嵌め込まれることによって、引き出し・巻き戻し経路1Cを密封している。
糸3への墨汁供給手段5は、ケース1の握り部1Aの他側面側における第二カバー12の内側空間1Dに設けられている。なお、第二カバー12は、糸巻収納部1Bと反対側の端部に形成されたヒンジ部12aを中心として開閉されるものである。
詳しくは、墨汁供給手段5は、図3及び図4に示されるように、第二カバー12の内側空間1Dと引き出し・巻き戻し経路1Cの間の仕切壁1Eに形成されたカセット装填部17に着脱可能に装填される合成樹脂製のカセットボトル51と、前記カセット装填部17の支持突起17aに取り付けられ、吐出口52aが糸巻2におけるボビン21の外周側を向いたゴム状弾性材料製の吐出ノズル52とからなる。カセットボトル51は、手指で加圧することによって容易に凹み、かつ所要の弾性復元力を有するものであって、カセット装填部17に装填された状態では、円筒状の抽出口51aが、吐出ノズル52に密嵌されるようになっている。
第二カバー12の内側面には、吐出ノズル52の吐出口52aを押圧可能な押圧突起12bが形成されている。図4には、吐出口52aが開いた状態で示されているが、図4のように第二カバー12を閉じた状態では、実際には、吐出口52aが前記押圧突起12bでつぶされることにより、カセットボトル51内の墨汁の不用意な流出を阻止するようになっている。
ケース1の握り部1Aの先端には、糸押え18が形成されていて、その内周は糸繰り出し口1Fとなっている。糸繰り出し口1Fは、引き出し・巻き戻し経路1Cを経由する糸3が通されていて、糸押え18は、この糸繰り出し口1Fから引き出した糸3を相手材に押し付けるためのものである。
なお、糸繰り出し口1Fから引き出される糸3の先端には、これを相手材に止着するための針を有する不図示のかるこが繋着されていて、このかるこは、糸繰り出し口1Fの外側に形成された保持凹部1Gに保持されるようになっている。
第一の形態による墨壷は、以上の構成を備えるものであって、この墨壷を用いて墨打ち(線引き)を行う場合は、まず必要に応じて、糸巻2のボビン21に巻装された糸3に、適量の墨汁を供給し、付着させておく。この墨汁供給は、ケース1の握り部1Aにおける第二カバー12を開いて、墨汁供給手段5におけるカセットボトル51を手指で押すことにより行うことができる。この場合、ケース1を、その糸巻収納部1Bが下側を向くようにすれば、カセットボトル51から吐出ノズル52を介して吐出される墨汁を、ボビン21に巻装された糸3に確実に滴下することができる。
供給された墨汁は、毛細管現象によって、ボビン21に巻かれた糸3の全体に行きわたる。また、糸3からケース1における糸巻収納部1B内へ飛散したり流れ落ちた墨汁は、ボビン21の側壁21bに開設された第一窓部21fから露出した墨汁吸収体6に吸い取られ、内周側へ流れた余剰墨汁は、ボビン21の第二窓部21gを介して墨汁吸収体6に吸い取られる。糸巻収納部1Bは、Oリング16、27、47などで密封されているので、糸巻収納部1Bからケース1の外部へ墨汁が容易に漏れるようなことはないが、それに加えて、墨汁吸収体6により余剰墨汁が吸収されるので、ケース1の外部へ墨汁が漏洩するのを有効に防止することができる。
そして、墨打ち作業においては、まず、糸3の先端に繋着された不図示のかるこを、相手材の表面における墨打ちの一方の起点に止着してから、ケース1を墨打ちの他方の起点へ向けて移動させると、糸巻2の回転を伴いながら、そのボビン21に巻かれた糸3が、ケース1の移動距離分だけ繰り出されて行く。
このとき、糸巻2に設けられた墨汁吸収体6は、いったん吸い取った墨汁を、糸3を引き出す際の回転による遠心力や、毛細管現象によって、ボビン21に巻装された糸3へ還流して均一に浸透させる機能を奏する。更に、この糸3が、引き出し・巻き戻し経路1Cを通って糸繰り出し口1Fから引き出される過程で第二の墨汁吸収体7と摺接するので、糸3に付着した墨汁のムラが均され、均一に墨汁が付着した状態となる。
ケース1を墨打ちの他方の起点まで移動させたら、このケース1の糸押え18の先端で糸3を相手材に押止することによって、糸3をかることの間に張設し、この糸3を、相手材の表面に向けて指ではじいて打ち付けることによって、直線状の墨線を転写することができる。このとき、糸3には墨汁が過不足なく均一に付着しているので、必要以上に太く、あるいは、薄く斑らな線になったりせず、明瞭な墨打ち線を得ることができる。
墨打ち作業終了後は、かるこを相手材から引き抜けば、糸3の繰り出し過程で蓄勢された渦巻きばね23の弛緩動作によって、糸巻2が巻き取り方向に回転するため、糸3は、かるこがケース1の保持凹部1Gに半収納状態に係止されるまで、ボビン21に自動的に巻き取られる。
次に、図7は、本発明に係る墨壷の第二の形態を示す一側面図、図8は、同じく他側面図、図9は、図8におけるIX−O−IX’線で切断した断面図、図10は、図9におけるX−X’線で切断した断面図、図11は、図9の要部を示す断面図、図12は、第二の形態による墨壷を用いた墨打ち作業を示す説明図である。
第二の形態による墨壷も、ケース1と、このケース1内に回転可能に設けられた糸巻2と、この糸巻2にケース1の外部へ引き出し可能な状態で巻装され先端にかるこ8が繋着された糸3と、前記糸巻2に設けられたばねチャージ部4と、糸3への墨汁供給手段5と、糸巻2に収納された墨汁吸収体6と、前記ケース1内における引き出し・巻き戻し経路1Cに設けられた第二の墨汁吸収体7とを備える。
ケース1は、図7、図8及び図9に示されるように、糸巻収納部1Bと、頭部1Hと、糸案内部1Iと、ホルダ1Jを有し、このホルダ1Jに人差し指を挿入した状態で、あたかも拳銃を握るように、片手でしっかり握ることができる形状となっている。
糸巻収納部1Bと、糸巻2及びばねチャージ部4は、基本的には先に説明した第一の形態と同様に構成されている。
したがって第二の形態においても、糸巻2には墨汁吸収体6が内蔵されており、この墨汁吸収体6は、綿、フェルトあるいはスポンジ等からなり、図11に示されるように、ボビン21の内周筒部21dと周壁21eの間にリブ21hによって形成された複数の空間に充填されている。ボビン21の側壁21bには、図10に示されるように、第一窓部21fが円周方向4等配状に開設されており、ボビン21の周壁21eには、リブ21h間に位置して第二窓部21gが円周方向4等配状に開設されている。このため、墨汁吸収体6は、第一窓部21fを介してケース1の室内に露出されると共に、巻装された糸3の一部に、第二窓部21gを介して接触されている。
また、糸巻2(ボビン21)の周壁21eに巻かれた糸3は、先に説明した図6に示されるように、第二窓部21gが開設された部分では、張力によって墨汁吸収体6に良好に接触する。そして、糸3による墨汁吸収体6に対する締め付けが、周壁21e及びリブ21hによって規制されるので、墨汁吸収体6に糸3を直接巻き付けた場合のように墨汁吸収体6が圧縮されることがなく、このため余剰墨汁を良好に吸収する。
糸案内部1Iの内側は引き出し・巻き戻し経路1Cとなっており、この引き出し・巻き戻し経路1Cには、スポンジ、綿、あるいはフェルト等からなる第二の墨汁吸収体7が充填され、糸巻2(ボビン21)から導出された糸3は、この第二の墨汁吸収体7に接触されるようになっている。なお、引き出し・巻き戻し経路1Cの側部開口を開閉可能に塞いでいるカバー11’はゴム状弾性材料からなるものであって、その外縁が、前記側部開口の縁部に嵌め込まれることによって、引き出し・巻き戻し経路1Cを密封している。
この形態において、図9及び図10に示されるように、糸3への墨汁供給手段5は、頭部1H内に画成された墨汁タンク53と、この墨汁タンク53に設けられたポンプ装置54からなり、このポンプ装置54は、ダイアフラム541と、ポンプハウジング542と、これに取り付けられた吸入弁543及び吐出弁544と吸入ノズル545及び吐出ノズル546からなる。
詳しくは、ダイアフラム541はゴム状弾性材料からなるものであって、半球のドーム状に形成され、手指で押圧することによって容易に凹み、かつ所要の弾性復元力を有するものである。墨汁タンク53には、ダイアフラム541と一体形成された密栓部材548で開閉される墨汁注入口から、所定量の墨汁を封入することができる。吸入ノズル545は墨汁タンク53内に開口しており、吐出ノズル546は、墨汁タンク53を貫通して、糸巻収納部1B内に、糸巻2におけるボビン21の外周位置に臨んで開口している。吸入弁543は、ダイアフラム541の内側のポンプ室54aが負圧になった時に開弁して、吸入ノズル545からポンプ室54aへ向かう墨汁の流れを許容し、それ以外は閉弁するものである。また、吐出弁544は、ポンプ室54aが加圧された時に開弁して、ポンプ室54aから吐出ノズル546へ向かう墨汁の流れを許容し、それ以外は閉弁するものである。
上述の構成を備える第二の形態による墨壷を用いて墨打ち(線引き)を行う場合は、糸巻2のボビン21に巻装された糸3に、適量の墨汁を供給し、付着させておく。この墨汁供給は、ポンプ装置54におけるドーム状ダイアフラム541を手指で所要回数押すことにより行うことができる。
すなわち、手指で押されることによっていったん凹んだドーム状ダイアフラム541が、その弾性により復元される過程では、ポンプ室54aの容積が拡大して負圧になるので、吐出弁544が閉弁すると共に吸入弁543が開弁し、墨汁タンク53内の墨汁が、吸入ノズル545からポンプ室54aへ吸い上げられる。次に、ダイアフラム541が押される過程では、ポンプ室54aの容積が減少して加圧されることによって、吸入弁543が閉弁すると共に吐出弁544が開弁するので、ポンプ室54a内の墨汁が、吐出ノズル546から糸巻収納部1B内の、ボビン21に巻装された糸3へ向けて供給される。糸3への墨汁の供給量は、ダイアフラム541を押す回数によって、任意に調整できる。そして、供給された墨汁は、毛細管現象によって、ボビン21に巻かれた糸3の全体に行きわたる。
なお、ボビン21に巻装された糸3へ、ポンプ装置54によって確実に墨汁を供給するには、吐出ノズル546の開口端部がボビン21の真上に位置するように、ケース1を、その糸押え18が下を向いた状態とすることが望ましい。このようにすれば、吐出ノズル546から吐出された墨汁は、吐出ノズル546の真下を通るように幾重にも巻かれた糸3へ滴下する。
また、ボビン21に巻装された糸3からケース1における糸巻収納部1B内へ飛散したり流れ落ちた墨汁は、図11に示されるボビン21の側壁に開設された第一窓部21fから露出した墨汁吸収体6に吸い取られ、前記糸3の内周側へ流れた余剰墨汁は、ボビン21の周壁21eに開設された第二窓部21gを介して墨汁吸収体6に吸い取られる。糸巻収納部1Bは、Oリング16、27、47などで密封されているので、糸巻収納部1Bからケース1の外部へ墨汁が容易に漏れるようなことはないが、加えて、墨汁吸収体6により余剰墨汁が吸収されるので、ケース1の外部へ墨汁が漏洩するのを有効に防止することができる。
そして、墨打ち作業においては、図12に示されるように、糸3の先端に繋着されたかるこ8の針8aを、相手材Wの表面における墨打ちの一方の起点に止着してから、ケース1を墨打ちの他方の起点へ向けて移動させると、糸巻2の回転を伴いながら、そのボビン21に巻かれた糸3が、ケース1の移動距離分だけ繰り出されて行く。
このとき、糸巻2に設けられた墨汁吸収体6は、いったん吸い取った墨汁を、糸3の引き出しの際の回転による遠心力や、毛細管現象によって、ボビン21に巻装された糸3へ還流して均一に浸透させる機能を奏する。更に、この糸3は、引き出し・巻き戻し経路1Cを通って繰り出される過程で第二の墨汁吸収体7に摺接するので、糸3に付着した墨汁のムラが均され、均一に墨汁が付着した状態となる。
ケース1を墨打ちの他方の起点まで移動させたら、図12に示されるように、このケース1における糸案内部1Iの先端に設けられた糸押え18で糸3を押止することによって、糸3をかるこ8との間に張設し、この糸3を、相手材Wの表面に向けて指ではじいて打ち付けることによって、直線状の墨線を転写することができる。このとき、糸3には墨汁が過不足なく均一に付着しているので、必要以上に太く、あるいは、薄く斑らな線になったりせず、明瞭な墨打ち線を得ることができる。
墨打ち作業終了後は、かるこ8を相手材Wから引き抜けば、糸3の繰り出し過程で蓄勢された渦巻きばね23の弛緩動作によって、糸巻2が巻き取り方向に回転するため、糸3は、かるこ8がケース1の糸繰り出し口1Fに半収納状態に係止されるまで、ボビン21に自動的に巻き取られる。
なお、本発明は、図示の実施の形態に限らず、例えばケース内の糸巻に巻かれた糸が、墨汁を浸透させた墨汁浸透部材が充填された墨室内を通ってケース外部へ引き出されるものなど、他の構造の墨壷にも適用することができる。
本発明に係る墨壷の第一の形態を示す一部破断した一側面図である。 本発明に係る墨壷の第一の形態を示す他側面図である。 本発明に係る墨壷の第一の形態を、その内部構造を他側面から見た説明図である。 図1におけるIV−IV’線で切断した部分断面図である。 図4の要部を示す断面図である。 本発明に係る墨壷において糸巻への糸の巻装状態を示す説明図である。 本発明に係る墨壷の第二の形態を示す一側面図である。 本発明に係る墨壷の第二の形態を示す他側面図である。 図8におけるIX−O−IX’線で切断した断面図である。 図9におけるX−O−X’線で切断した断面図である。 図9の要部を示す断面図である。 第二の形態による墨壷を用いた墨打ち作業を示す説明図である。
符号の説明
1 ケース
1B 糸巻収納部
1C 引き出し・巻き戻し経路
2 糸巻
21 ボビン
21b,21c 側壁
21e 周壁
21f 第一窓部
21g 第二窓部
21h リブ
3 糸
4 ばねチャージ部
5 墨汁供給手段
51 カセットボトル
52 吐出ノズル
53 墨汁タンク
54 ポンプ装置
6 墨汁吸収体
7 第二の墨汁吸収体
8 かるこ

Claims (2)

  1. ケースと、このケース内に回転可能に設けられた糸巻と、この糸巻に前記ケースの外部へ引き出し可能な状態で巻装された糸と、この糸への墨汁供給手段とを備え、前記糸巻に、前記墨汁供給手段から前記糸に供給された墨汁のうち余剰墨汁を吸い取る墨汁吸収体が収納され、この墨汁吸収体は、前記糸巻の側壁に開設された第一窓部を介して前記糸巻から露出されると共に、前記糸巻に巻装された前記糸の一部に、前記糸巻の周壁に開設された第二窓部を介して接触されたことを特徴とする墨壷。
  2. 円周方向へ延びる第二窓部が、糸巻の周壁に円周方向等間隔で複数開設されたことを特徴とする請求項1に記載の墨壷。
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