JP5106971B2 - 墨壷 - Google Patents

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Description

本発明は、建築工事等で木材などの墨打ち対象面に墨汁が含浸した墨糸を指で弾いて打ち付けて墨線を引く墨壷に関するものである。
従来、建築工事等得において木材やコンクリート等の表面に直線を引く工具として墨壷が用いられており、この墨壷は、墨汁を含浸させた墨糸が結びつけられたカルコを木材等の対象面に突き刺し、墨壷とカルコとの間に張架された墨糸を指で弾くことによって対象面に墨糸が当接して墨線が引かれるようになっている。
このような墨壷は、長尺の墨線が引けるように墨糸が巻回された巻き軸(リール)と、前記墨糸に墨汁を安定供給する墨汁浸透部材が設けられており、墨壷から引き出される墨糸が墨汁浸透部材に接触するように構成されている。また、通常、前記リールには、10mを超える長尺の墨線を引くことができるように20m程度の長さの墨糸があらかじめ巻回されている。
ところで、前記墨壷は、墨糸を巻き取る操作が手動であり、すなわち、リールを作業者が直接手で回転させて墨糸を巻回するようになっているので、巻き取りの手間と時間がかかる上に手指が墨糸に付着している墨汁で汚れてしまうという問題があった。また、前記墨汁浸透部材は直接指で押さえると手指に墨汁がついてしまうという問題と、墨汁が乾燥しやすいという問題があった。
そこで、近年、リールの内周に渦巻きバネを設け、墨糸が引き出されるのに伴って前記渦巻きバネが付勢されるように構成し、渦巻きバネの付勢力によってリールを巻き取り方向に回転させて墨糸を巻き取るようにし、さらに、リールと墨汁浸透部材とを墨壷本体内に配設した墨壷が提案されている(例えば、特許文献1,2,3)。
特開2005−103748号公報 特開2002−321176号公報
(リールの巻き取り)
前記特許文献記載の墨壷は、リールの内周にこのリールを回転させる渦巻きバネが設けられており、墨糸を引き出すときのリールの回転に伴って前記渦巻きバネが次第に巻き締められてしまうので、適宜この渦巻きバネを弛緩させることで糸を引き出し続けられるように弛緩装置が設けてある。よって、特許文献記載の墨壷は、長尺の墨線(例えば、10m程度)を引く場合には、糸を引き出している途中で弛緩装置を作動させて使用されている。
前記弛緩装置は、渦巻きバネの内周端を把持する把持部が形成されリールの内周に同心的かつ相対回転可能に取り付けられた第1クラッチ部材と、本体のリール収容部の下面に前記第1クラッチ部材と同心的に配置された第2クラッチ部材がビス留めされた回転板(チャージハンドル)から構成されている。また、前記チャージハンドルの外側面には手指で回転操作できる操作部(凹部)が形成されている。
前記第1クラッチ部材の第2クラッチ部材に対向する面には、リールの巻き取り方向に向かって把持部側へ突出するスパイラル面が形成されており、一方の第2クラッチ部材の第1クラッチ部材に対向する面には、リールの巻き取り方向に向かってチャージハンドル側へ深くなるスパイラル面が形成されている。
前記チャージハンドルは、このハンドルの周方向に沿って次第に墨壷本体のリール収容部側に深くなる傾斜を有するスパイラル面の最深部に係合し、また、チャージハンドルをスパイラル面が上昇する側へ回転するとチャージハンドルの表面から突出するピンが設けられている。
前記チャージハンドルは、前記ピンによって回転方向が一方向に規制されており、渦巻きバネを付勢(チャージ)する方向には回転し、渦巻きバネのチャージが解除される方向には回転しないようになっている。即ち、前記ピンは、チャージ方向にハンドルを回転させると前記スロープ面に形成された係合部(最深部)との係合が解除されるので、ハンドルを回転し続けることができるのである。
長尺の墨線を付すときには、前述のように渦巻きバネのチャージを解除しなければならないので、一方の手でチャージハンドルを前記ピンが突出するまでチャージ方向に回転させ、突出した状態のピンを他方の手で摘んで引っぱった状態とし、前記ピンを他方の手で摘んだ状態でチャージハンドルをチャージ解除方向に回転させる操作が行われる。
従って、渦巻きバネのチャージを解除するには、その構造から必然的に両手で操作をしなければならないので、例えば、不安定な作業場所では一方の手で柱などを掴んで作業者自身の体のバランスをとりながら墨打ちが行われるので、両手で操作をしなくてはならない墨壷は好ましくないという問題があった。
また、前記第1クラッチ部材と第2クラッチ部材との連結面には互いに係合するスパイラル面が形成されているので、このスパイラル面を形成するための厚みが必要であり、これらのクラッチ部材をあまり小型化(薄肉化)できないという問題があった。
さらに、渦巻きバネが完全に弛緩された状態でチャージハンドルを前記渦巻きバネの弛緩方向に回転させると、第1クラッチ部材と第2クラッチ部材のスパイラル面同士が互いの突部を乗り越えて空転し、渦巻きバネが過剰に弛緩されることによって変形することを防止しているが、前記第1クラッチ部材の軸方向の動きを許容する空間をリールに設けなくてはならず、リールの厚さが厚くなる原因となっていた。
(墨室からの液漏れ防止)
また、前記墨室は、墨汁浸透部材に含浸している墨汁が外部に漏出しないように、墨室の蓋体側にシール材が設けられている。また、墨室に設けた墨糸挿通路に墨汁絞り部材が設けられている。前記シール材は、墨汁浸透部材が充填されている本体側の凹部の周囲に当接しており、また、前記墨汁絞り部材は墨糸と摺接して過剰な墨汁を絞り落とすようになっている。
しかしながら、シール材と絞り部材との隙間から墨汁が漏れだしてしまうという問題があった。また、シール材と絞り部材とを墨壷に組み込む際に、絞り部材が数mmの大きさであり取り扱い性がよくない上に、組み立て作業や部品点数が多くなるという問題があった。
(リール室からの墨漏れ防止)
リール室を構成している上部カバー体と下部カバー体との合わせ面に合成樹脂製のパッキンが嵌め込まれており、前記カバー体同士で狭持してリール室を密閉するようになっている。また、前記パッキンは環状に形成され、前記合わせ面の全周に亘ってパッキンが狭持されている。
ところが、前記パッキンは、上部カバー体と下部カバー体との合わせ面の全周に亘って環状に形成されて狭持されているので、カバー体同士が当接する外周縁部(押圧面)を設けなくてはならず、リール室の外周が肉厚となって大型化してしまうという問題があった。
また、墨糸は、使用中に切れてしまうことがないように定期的に交換されており、この交換操作の際にリール室の上部カバー体が外されてリールが取り出されるので、カバー体の取付・取り外しを繰り返している打ちにパッキン部材を紛失してしまうおそれがあった。
さらに、前記カバー体にはパッキンとは別に滑り止め部材が取り付けられており、部品点数が多くなっていた。
(墨壷の先端部)
墨打ちを行う際に、墨壷はその先端を対象物に押し当てた状態で行われている。従って、荒削りな木材やコンクリート等のように表面に僅かな凹凸面を有する対象物に墨打ちを行う場合、凸面に墨糸が引っかかり墨打ち線がずれてしまうという問題があった。
(受入体)
カルコを受け入れる受入体は、上部材と下部材とからなり、これらの部材を重ね合わせると擂り鉢形状となるように形成されており、カルコの先端を擂り鉢形状で確実に受け入れるようになっている。
しかしながら、このようなカルコは上部材と下部材との合わせ面に墨糸が挟まれ易いという問題があった。すなわち、墨糸が合わせ面に挟まって食い込んでしまい、これによって墨糸の巻き戻し、引き出しができなくなったり、墨糸の強度が低下して切断されやすくなるという問題があった。
(リールストッパ)
前記リールの上面には所定間隔で複数の突起が形成され、この突起と突起との間に係合する係合突起が形成されたリールストッパーが設けられている。このリールストッパーは墨壷の長手方向(墨糸の軸方向)に移動して前記係合突起をリールの突起同士の間に挿入してリールの回転を停止するようになっている。
しかしながら、前記リールストッパーは墨壷の長手方向(墨糸の軸方向)に移動して前記係合突起をリールの突起同士の間に挿入してリールの回転を停止するようになっているので、ストッパーが墨壷の前後に移動する距離の分だけ長尺となってしまう。
(墨綿の交換)
墨綿は、繰り返し墨汁を追加して使用しているうちに、固く引き締まってくるので墨汁の保持できる量が低下してくる。また、墨打ちを行った対象物の細かい木くずや埃などをぬぐい取るクリーニング作用を有しているので、次第に墨糸との接触部分が汚れてくる。更にまた、墨糸と接している部分がほつれて墨糸に付着してしまい墨線が滲んでしまったりするので、墨綿を定期的に交換することで最適な墨打ちが行えるようにしている。
ところで、墨綿を交換する際には、墨糸がリール側からカルコ側に張られているので、この墨糸が墨綿に跨った状態となっており、墨糸を指で摘んで墨綿を取り出せるようにしなければならず、手指に墨汁が付着してしまっていた。また、墨綿を収納部から取り出す際にも手指に墨汁が付着していた。更に、新しい墨綿を収納部に均等に充填するのには熟練が必要であり、作業者によってバラツキもあった。
また、新しい墨綿は、最初は墨汁との馴染みが良くないので、墨糸に供給される墨汁の量が安定しないという問題もあった。
前記目的を達成するための本発明に係る墨壷は、
1)リール体に巻回された墨糸を、墨汁を含浸させた墨汁浸透部材に接触させ、木材等の対象面にカルコを止着し、前記対象面に墨糸を介して墨打ち線を付す墨壷において、前記リール体の内周に墨糸巻き戻し用の渦巻きバネを設けると共に、この渦巻きバネを蓄勢させる回転板を本体表面より露出するように配置し、さらに、前記回転板に渦巻きバネの巻き戻りを規制するストッパーを設け、前記ストッパーは回転板の外周側へ付勢されると共に前記回転板を受け入れる本体側に設けたガイド体によって該回転板の中心方向へ移動可能に構成されていることを特徴としている。
2)前記リールの渦巻きバネと回転板とは、渦巻きバネの巻き戻りを規制する逆転防止機構を介して連結されており、前記逆転防止機構は、一方に前記渦巻きバネの内周端を把持する把持部を有し、他方に回転板に固定される固定部が設けられ、前記把持部と固定部との間にワンウェイクラッチを設けたことを特徴としている。
3)墨壷の前端に設けられたカルコの受入体は、墨壷の前端に向かって拡径する円錐形状に形成されると共に受入体の先端は、墨壷の前端を対象面に傾斜して当接する当接部が形成され、さらに前記対象面より離間する墨糸引き出し部が形成されていることを特徴としている。
4)前記受入体は、その後端から側面に亘って墨糸が挿通する開口部が形成されていることを特徴としている。
5)墨汁浸透部材は、墨糸の挿通方向にスリットが形成されたタンク体に充填され、このタンク体は墨壷本体の収容室に収容した状態でタンク体を回転などワンアクションすることによって取付固定・固定取り外しが可能に構成されていることを特徴としている。
6)前記リールの周縁部に複数の係止突起を所定間隔で設け、前記係止突起と係合してリールの回転を規制するリールストッパーを、墨糸の周方向に移動可能に墨壷本体側に設けたことを特徴としている。
7)前記墨壷において、リール室を構成する略ドーム形状のリール収容部と、このリール収容部の周縁部と嵌合する略ドーム形状のリールカバーとの合わせ面に、合成樹脂製の墨漏れ防止部材をインサート成型して一体的に設けたことを特徴としている。
8)前記墨壷において、前記タンク体収容室の墨漏れ防止部材は、前記収容室の周囲に設けられる第1シール部と、収容室を挿通する墨糸の挿通スリットに設けられる第2シール部とが一体的に形成されていることを特徴としている。
9)前記墨壷において、前記カルコは、墨打ち対象面に突き刺される針を有する針部材がカルコ本体内に移動可能に収容され、前記針部材は付勢手段によりカルコ本体内部側に付勢され、さらに、カルコ本体の側面に設けたボタンを押圧すると針部材が前方へ移動するガイド傾斜が形成されていることを特徴としている。
(リールの巻き取り)
チャージハンドルをチャージ解除方向に回転させるための係合ピンを、スライド式としたことによって片手でチャージ解除操作ができるようになる。即ち、使用者が体のバランスをとるために一方の手で柱や壁などを利用して体を支持し、他方の手で墨壷を使用することができるようになる。
また、リールから墨糸を8mよりも引き出す際にもスライドボタンを指で滑らせるだけなので、その操作が極めてシンプルであり、簡単である。
(墨室からの液漏れ防止)
墨室の糸道と収納部の外周からの墨漏れを防止する墨漏れ防止部材を一体として構成したことにより、開閉蓋側にパッキンを設ける必要がなくなるので、この開閉蓋にパッキンを嵌め込む溝を形成する必要もなくなり、また、パッキンの取付や交換の手間を省くことができる。そして、部品点数の削減と組み立てが簡略化される。
(リール室からの墨漏れ防止)
リール室を構成する上蓋と下蓋とに弾性体を2色成形により一体的に形成したことにより、パッキン部材のように緩んだりして墨汁が漏れ出したり、取付時に変形してしまい墨汁が漏れ出したり、パッキン部材を紛失してしまうということが防止される。また、上蓋と下蓋との合わせ面にパッキンを挟持したものよりも、上蓋に直接一体的に弾性体を形成したので液密性が向上し、墨漏れが防止される。
また、一体的に形成した墨漏れ防止部材を上蓋と下蓋の側面に沿って滑り止め部材としても形成したので、部品点数の削減と組み立てが簡略化される。
上蓋と下蓋とに弾性体を2色成形して一体的に形成したので、上蓋の側面に係合凹部を形成し、下蓋の側面に係合突起を形成し、上蓋を下蓋に嵌め込んで少し回転させると前記係合突起が係合凹部と係合して上下の蓋が固定される固定手段を用いることができ、結果、リール室をリールを収納できる最低限の大きさにまで小型化することができる。
(墨壷の先端)
接地部と墨糸導出部とを形成し、墨打ち対象物に前記接地部を押し当てた状態において、前記墨糸導出部が墨打ち対象物に接触しないように構成したことにより、即ち、接地部と導出部とを角度の相違がある2面構成、あるいは2面以上の面構成としたことによって、墨壷を宙に浮かせることなく墨打ち対象物にしっかりと押し当てて安定な状態で墨打ちが行えると共に、凹凸を有する対象物に墨打ちを行う際には墨糸と対象物とが離間するので、対象物の凸面に墨糸が接触してブレてしまうことが防止される。また、その使用方法は従来の墨壷と何ら変わらないので、使用者が新しい使用方法を習得したりする必要がなく、特に意識することなく使用することができる。
(受入体)
カルコを受け入れる受入体を墨壷とは別途形成した独立部材としかつ円錐形状とし、この受入体の先端側を円環状としたので、従来の受入体のように開閉蓋と本体との合わせ面に墨糸がかみ込まれることが防止される。そして、この墨糸のかみ込みによって使用中に墨糸を巻き取れなくなったり、引き出せなくなったりする問題が解消される。また、かみ込みによって墨糸が傷つくこともなくなり、墨糸の本来の耐久性を発揮することができる。
(リールストッパ)
従来のリールストッパーは墨壷の長手方向に動作するものであったが、このリールストッパーを墨壷の周方向に動作するように構成したことにより、リールストッパーを小型化でき、墨壷の全長の短縮を図ることができる。
(カセット)
一端から他端側に墨糸が通過するスリットを有する略円筒内に墨汁浸透部材を収納し、この墨汁浸透部材に予め墨汁を含浸させて墨汁浸透済部材としたカセットを用いたので、墨糸を取り外すことなくカセットの取り外しと取付が行えるようになる。従って、墨糸を摘んだりして手指に墨汁が付着することがなくなる。また、墨綿を取り出して新しい墨綿を充填し、これに墨汁を含浸させるという手間が省かれる。
また、交換によって墨汁含浸部材が更新されるので、墨糸のクリーニング作用が維持されるので鮮明な墨線を打つことができる。
そして、交換操作は、墨糸に作業者が触れることなく、カセットを回転させるだけであるので、極めて簡単に行える。
(カルコ)
墨打ち対象面に刺衝する刺衝針を、カルコ本体の側面に設けた押圧ボタンを押すだけでカルコ本体の先端から突出するようにしたので、従来のように刺衝針を突出させる分だけ指でスライドさせる手間が省かれる。
また、押圧ボタンを押圧して押し込む距離よりも刺衝針の突出距離が大きくなるようにしたので、押圧ボタンを軽く押し込むだけで素早く刺衝針を突出させることができる。
更に、従来はカルコに連結される墨糸を刺衝針が突出する針穴に挿通して針部材に連結していたが、墨糸専用の挿通孔を設けてカルコ本体の側面に形成した係止部に墨糸を係止させて連結したことにより、墨糸に張力が生じたときに刺衝針がカルコ本体の先端から突出することが防止され安全性が向上する。また、カルコ本体側面の係止部に墨糸を係止させるだけであるので、カルコ本体を分解して針部材を取り出して墨糸を結びつける必要がなくなり、取付操作が極めて容易となる。
以下に、本発明に係る墨壷について図示して説明する。
図1に示すように、本発明に係る墨壷1は、後部に墨糸15が巻回されるリール2を収納するリール室3が形成され、墨壷1から導出される墨糸15に墨汁を供給する収容室29(墨室)が形成されている。
(墨糸巻き取りリール)
前記リール2は、図3に示すようにリール本体の外周面に墨糸15を巻回して巻き取るようになっており、リール本体の内周に渦巻きバネ4が収容され、リールカバー5bにより閉止されている。更に、一端側に前記渦巻きバネ4の内周端を把持する把持部12aが形成され、他端側に後述する第2ラチェット13の係止爪13bと係合する係合凹部12bが形成された第1ラチェット12が、前記渦巻きバネ4の内周端を把持して回転自在に取り付けられている。
また、前記第1ラチェット12の係合凹部12bに係合する係止爪13bが形成された第2ラチェット13が、回転板6(チャージハンドル)にビス8で留められている。前記係止爪13bは、リール2の巻き取り方向Aが開放された略渦巻き形状に形成されている。
(チャージ解除)
次に、図3に示すように、チャージ解除手段は、付勢バネ7aによる変位によってチャージハンドル6の側面側に付勢されているストッパー7と、墨壷本体1のリール収納部5aに前記ストッパー7をチャージハンドル6の中心側へ案内するガイド体11が設けられている。前記ガイド体11は、チャージハンドル6を渦巻きバネ4の付勢方向Cに回転(墨糸15を巻き戻す方向)させたときに前記ストッパー7がガイド体11の傾斜に沿って移動される傾斜部が形成されており、ストッパー7がガイド体11を乗り越えられるようになっている。
ところで、前記チャージハンドル6を渦巻きバネ4の弛緩方向Dに回転させようとしたり、チャージハンドル6に渦巻きバネ4の付勢力が作用しているときは、ストッパー7がガイド体11と当接するので、チャージハンドル6は弛緩方向Dに回転しないようになっている。
前記ストッパー7は、チャージハンドル6の表面に僅かに突出する操作部が形成されており、この操作部を手指で押してストッパー7をチャージハンドル6の中心方向にスライド可能になっている。
(墨壷の先端)
図1に示すように、前記カルコの受入体25は、一端側が拡径し他端側が縮径した略円錐形状となっており、前記拡開した一端側を墨壷1の先端から突出させて配置している。更に受入体25は、墨壷1の先端側に墨打ち対象物に当接して墨壷を安定させる当接部25aと、この当接部25aを避けて墨糸15が引き出される墨糸導出部25bが形成されている。そして、前記導出部25bは、当接部25aが墨打ち対象物Aに当接している状態で、この対象物Aとの間に墨糸15を導出する間隙となる傾斜αが形成されている。
また、前記受入体25に収容されるカルコ26は図2に示すように、押しボタン27により押し出されるように傾斜29a,29bが形成され針29fが設けられた心材29が前後に移動可能となっており、図示しない付勢手段(バネ)により針29fが収納されるようになっている。図(A)のように矢印イ方向に押しボタン27を押し込むと、針29fが矢印ロ方向に突出するようになっている。
図3に示すように、渦巻きバネ4がケース2内に収納されると共に内周端にラチェット12を係合させるように組み立てられ、チャージハンドル6の底面にビス8により固定されるラチェット13を前記ラチェット12に対向配置して組み立てられている。
前記ラチェット12,13は、図4の拡大図に示すように、ラチェット13に形成された片持ち状の係合羽根13bが、ラチェット12の内周壁に形成した段部12bと係合し、一方向にのみ回転可能となっている。
また、チャージハンドル6は、図5に示すようにその底面にラチェット13をビス留めされるようになっており、チャージハンドル6が取り付けられる墨壷5a側に設けたガイド体11に案内されるスライドボタン7が付勢手段7aにより該チャージハンドルの外周側に付勢されている。
図6に示すように、墨漏れ防止部材18は、墨糸15を案内する案内部18bとパッキン体18aとが一体に形成されており、案内部18bとパッキン体18aとの間から墨漏れが生じないようになっている。
図7に示すようにカセット16は、スリットを下側に向けた状態で下方に押し込み(A)、略180°回転させ(B)、取り付けられるようになっている(C)。カセット16を取り外すときにはこれと逆の操作を行って、墨糸15を外すことなく簡単にカセット16を取り外せるようになっている。
また、図8に示すようにリール2は、ストッパー7の突起部7cとリール2の縁部に立設した突起2cとが係合することで該リール2の回転を停止できるようになっている。
そして、図9に示すように、本発明に係る墨壷1は、受入体25に形成した傾斜αにより墨糸15を対象物Aに接触しないように架設されるようになり、対象物の凹凸部Dに墨糸15が引っかからないようになっている。
なお、本発明に係る墨壷は前記実施例に限定されるものではなく、実施態様に応じて変更可能であることはいうまでもない。例えば、カセットを使用せずに、墨室に直接墨綿を充填する従来の墨壷であっても本発明に係るチャージ解除機構やカルコなどを適用することができ、それによって従来にない効果を奏するのである。
また他には、例えば、前記実施例においては第2ラチェットの係止片は2個のものについて説明したが、周方向に係合するようにしたものであればよいので個数に限定されるものではない。リール室に設けたインサート成形による滑り止め部材の形状はデザイン的な観点から模様などを変更することができる。
本発明に係る墨壷の断面図である。 本発明に係る墨壷におけるカルコの断面図である。 本発明に係る墨壷におけるリールおよびチャージハンドルの概略構成斜視図である。 本発明に係る墨壷における第1ラチェットと第2ラチェットの斜視図である。 (A)本発明に係る墨壷におけるチャージハンドルの底面図、(B)本発明に係る墨壷の平面図である。 本発明に係る墨壷における墨室に配置される墨漏れ防止部材の概略図である。 本発明に係る墨壷におけるカセット体の取付・取り外しを説明する図である。 本発明に係る墨壷におけるリールとリールストッパーとを示す図である。(A)は開放状態、(B)は係合状態である。 本発明に係る墨壷の使用状態を示す図である。 従来の墨壷の概略構成図である。
符号の説明
1 墨壷
2 リール
3 リール室
4 渦巻きバネ
6 回転板(チャージハンドル)
7 スライドボタン(ストッパー)
9 ラチェット装置
10 リールストッパー
11 ガイド体
12 第1ラチェット
13 第2ラチェット
16 カセット
17 墨汁浸透部材
19 収容室(墨室)
22 墨漏れ防止部材
25 受入体
26 カルコ
27 押しボタン

Claims (9)

  1. リール体に巻回された墨糸を、墨汁を含浸させた墨汁浸透部材に接触させ、木材等の対象面にカルコを止着し、前記対象面に墨糸を介して墨打ち線を付す墨壷において、
    前記リール体の内周に墨糸巻き戻し用の渦巻きバネを設けると共に、この渦巻きバネを蓄勢させる回転板を本体表面より露出するように配置し、さらに、前記回転板に渦巻きバネの巻き戻りを規制するストッパーを設け、
    前記ストッパーは、回転板の外周側へ付勢されると共に前記回転板を受け入れる本体側に設けたガイド体によって該回転板の中心方向へ移動可能に構成されていることを特徴とする墨壷。
  2. 前記リールの渦巻きバネと回転板とは、渦巻きバネの巻き戻りを規制する逆転防止機構を介して連結されており、
    前記逆転防止機構は、一方に前記渦巻きバネの内周端を把持する把持部を有し、他方に回転板に固定される固定部が設けられ、前記把持部と固定部との間にワンウェイクラッチを設けたことを特徴とする請求項1記載の墨壷。
  3. 墨壷の前端に設けられたカルコの受入体は、墨壷の前端に向かって拡径する円錐形状に形成されると共に受入体の先端は、墨壷の前端を対象面に傾斜して当接する当接部が形成され、さらに前記対象面より離間する墨糸引き出し部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の墨壷。
  4. 前記受入体は、その後端から側面に亘って墨糸が挿通する開口部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の墨壷。
  5. 墨汁浸透部材は、墨糸の挿通方向にスリットが形成されたタンク体に充填され、このタンク体は墨壷本体の収容室に収容した状態でタンク体を回転などワンアクションすることによって取付固定・固定取り外しが可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の墨壷。
  6. 前記リールの周縁部に複数の係止突起を所定間隔で設け、前記係止突起と係合してリールの回転を規制するリールストッパーを、墨糸の周方向に移動可能に墨壷本体側に設けたことを特徴とする請求項1記載の墨壷。
  7. 前記墨壷において、リール室を構成する略ドーム形状のリール収容部と、このリール収容部の周縁部と嵌合する略ドーム形状のリールカバーとの合わせ面に、合成樹脂製の墨漏れ防止部材をインサート成型して一体的に設けたことを特徴とする請求項1記載の墨壷。
  8. 前記墨壷において、前記タンク体収容室の墨漏れ防止部材は、前記収容室の周囲に設けられる第1シール部と、収容室を挿通する墨糸の挿通スリットに設けられる第2シール部とが一体的に形成されていることを特徴とする請求項1記載の墨壷。
  9. 前記墨壷において、前記カルコは、墨打ち対象面に突き刺される針を有する針部材がカルコ本体内に移動可能に収容され、前記針部材は付勢手段によりカルコ本体内部側に付勢され、さらに、カルコ本体の側面に設けたボタンを押圧すると針部材が前方へ移動するガイド傾斜が形成されていることを特徴とする請求項1記載の墨壷。
JP2007258181A 2007-10-01 2007-10-01 墨壷 Active JP5106971B2 (ja)

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