JP2001219388A - 墨壺の墨室開閉構造 - Google Patents

墨壺の墨室開閉構造

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JP2001219388A
JP2001219388A JP2000030358A JP2000030358A JP2001219388A JP 2001219388 A JP2001219388 A JP 2001219388A JP 2000030358 A JP2000030358 A JP 2000030358A JP 2000030358 A JP2000030358 A JP 2000030358A JP 2001219388 A JP2001219388 A JP 2001219388A
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JP2000030358A
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Tetsushi Sato
哲史 佐藤
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Tajima Tool Corp
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PATENT ISLAND KK
Patent Island Co Ltd
Tajima Tool Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 墨室カバー4の開閉操作を容易にし、かつ墨
壺の寿命が墨室カバー4の拘束手段の寿命に影響されな
い構造とする。 【解決手段】 本体ケース1における墨室1Sの上部開
口1Hを開閉する墨室カバー4が、墨打ち糸6の導出方
向及びリール3の軸心の双方と直交する方向に延びる連
結軸42を中心として揺動自在に設けられ、トーション
ばね43によって前記上部開口1Hを開放する方向へ常
時付勢されている。墨室カバー4の揺動端部4bの円弧
状の揺動軌跡は、本体ケース1における糸巻きケースと
の連結部の近傍に達している。本体ケース1には、墨室
カバー4の揺動端部4bに突設された被拘束突起44を
拘束する拘束リング8が回転自在に設けられ、この拘束
リング8に形成された切欠部8aによって、前記拘束を
解除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木工あるいは建築
における墨打ち作業に使用される墨壷において、特にそ
の墨室を開閉する構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築作業者等が使用する墨壷は、糸巻き
ケース内に回転自在に設けられたリールの外周に墨打ち
糸が巻かれ、この墨打ち糸が、前記糸巻きケースに連結
された本体ケースの墨室内の墨汁浸透部材に接触して前
記本体ケースの一端に形成された糸繰り出し口から外部
へ繰り出され、その先端に、この墨打ち糸を墨打ち起点
に止着するためのかるこが繋着された構成を有する。
【0003】本体ケースの墨室は、墨室カバーによって
開閉することができる。従来、この墨室カバーは、前記
本体ケースに墨打ち糸の引き出し方向とほぼ平行な枢軸
を中心にして揺動可能に設けられ、その揺動端部に形成
されたスナップ爪等を介して、前記墨室の上部開口を密
閉した状態に拘束されるようになっている。そして、前
記墨室内の墨汁浸透部材に浸透保持された墨汁が、墨打
ち糸の引き出しによる墨打ち作業を繰り返し行うことに
よって所定量以下に減少した場合は、前記墨室カバーを
開いて適時に補充することができる(例えば特開平10
−86079号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構造において
は、上述のように、墨室カバーが本体ケースにおける墨
打ち糸の引き出し方向とほぼ平行な枢軸を中心にして開
閉動作される横開き状であり、しかもスナップ爪等によ
る係止構造であるため、墨室内に墨汁を補充する際に
は、片方の手で本体ケースを持ち、もう片方の手で墨室
カバーを開閉させなければならず、厄介である。また、
前記スナップ爪等による拘束手段が劣化したり破損した
りすると、もはや墨室を墨室カバーで密閉しておくこと
ができなくなり、墨壺を廃棄せざるを得ないといった問
題がある。
【0005】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたもので、その主な技術的課題とするところは、墨室
カバーの開閉操作を容易にし、かつ墨壺の寿命が墨室カ
バーの拘束手段の寿命に影響されない構造とすることに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
本発明に係る墨壷の墨室開閉構造は、本体ケース及びこ
れに設けられた糸巻きケースを有し、この糸巻きケース
内のリールの外周に巻かれた墨打ち糸が前記本体ケース
の墨室内を通って外部へ導出される墨壷において、前記
墨室の上部開口を開閉する墨室カバーが、前記本体ケー
スにその墨室内の墨打ち糸の導出方向と交差する方向に
延びる連結軸を中心として揺動可能に取り付けられ、前
記上部開口を密閉した状態では、この墨室カバーの揺動
端部が、前記本体ケースに変位可能に設けられた拘束部
材で拘束されるものである。
【0007】本発明において、拘束部材は、例えば本体
ケースの外周に回動可能に嵌着された環状をなし、閉塞
状態にある墨室カバーの揺動端部に対する拘束及び非拘
束が、前記拘束部材の円周方向への変位によりなされる
ものである。
【0008】本発明における一層好ましい構成において
は、拘束部材と本体ケースとの互いの摺動面のうちの一
方に、前記拘束部材の変位操作によって墨室カバーの揺
動端部に対する拘束部材の締め付け力を増減させるカム
面が形成される。また、前記墨室カバーは、ばねで開放
方向へ常時付勢される。また、前記墨室カバーの揺動端
部の揺動軌跡が本体ケースにおける糸巻きケース寄りの
位置に達し、この揺動端部を拘束する拘束部材が、前記
糸巻きケース寄りの位置に配置される。
【0009】したがって、本体ケースの墨室の上部開口
を密閉した墨室カバーの揺動端部を拘束部材により拘束
し、あるいはその拘束状態を解除する操作は、前記本体
ケースを持っている片手の指で行うことができ、特に、
ばねで開放方向へ付勢されている墨室カバーは、拘束部
材を拘束解除方向へ変位させることによって瞬時に墨室
を開放する。また、拘束部材の変位量によって墨室カバ
ーの揺動端部に対する締め付け力を増減できるので、墨
室の上部開口縁と墨室カバーとの間に介在するパッキン
の経時的なヘタリ(永久変形)による密封性の低下に対
応できる。墨室カバーの揺動端部の揺動軌跡が本体ケー
スにおける糸巻きケース寄りの位置に達し、この揺動端
部を拘束する拘束部材が、前記糸巻きケース寄りに位置
するものであれば、操作性が一層向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の好ましい第一の実
施形態を示す墨壺の平面図、図2は下面図、図3は図1
のIII- III線に沿って切断した断面図、図4は図1のIV
−IV線に沿って切断した断面図である。この実施形態に
おいて、墨壺本体は、本体ケース1と、この本体ケース
1に結合された糸巻きケース2と、この糸巻きケース2
に回転自在に収容されたリール3と、本体ケース1内の
墨室1Sを開閉する墨室カバー4と、本体ケース1にお
ける前記糸巻きケース2と反対側の端部に設けられ糸繰
り出し口51を有するトップ部材5とからなる。前記糸
繰り出し口51からは、前記リール3に巻かれた墨打ち
糸6が導出され、その端部には、かるこ7が繋着されて
いる。
【0011】本体ケース1における糸巻きケース2側の
端部には円筒状の外側継手部11が突設され、糸巻きケ
ース2の外周部における円周方向一部には前記外側継手
部11の内周に挿入可能な円筒状の内側継手部21が突
設され、この外側継手部11と内側継手部21には、互
いに抜け止めされると共に所定角度だけ相対回転させた
時に前記抜け止め状態が解除される掛合部が形成されて
いる。すなわち本体ケース1と糸巻きケース2は、前記
外側継手部11及び内側継手部21を介して、その軸心
の周りに互いに回動可能かつ着脱可能に連結されてい
る。
【0012】本体ケース1は合成樹脂で成形されたもの
であって、その内部には墨汁浸透部材12が充填される
墨室1Sが形成されており、本体ケース1における糸巻
きケース2側の端部内周には、墨室1S内へ向けて突出
した糸挿通管13が設けられている。リール3は糸巻き
ケース2の内部に位置するリール本体31を有し、この
リール本体31に巻かれた墨打ち糸6は、糸挿通管13
及び墨室1S内を通って墨汁を染み込ませた墨汁浸透部
材12に接触され、トップ部材5の糸繰り出し口51か
ら本体ケース1の外部へ導出される。なお前記墨汁浸透
部材12は、綿あるいはフェルト等を、墨汁の浸透可能
な保護シートでくるんだものである。
【0013】糸巻きケース2は本体ケース1と同じ合成
樹脂で成形されたものであって、上下に二つ割りされて
おり、すなわち上半ケース部材2Aと下半ケース部材2
Bからなる。この上半ケース部材2Aと下半ケース部材
2Bは、内側継手部21に対する円周方向180°対称
位置にそれぞれ突設された掛合突起22,23を互いに
掛合すると共に、上下に分割された前記内側継手部21
をその大径の基部24にゴム材製のOリング等からなる
結束リング25を嵌め込んで結束することによって、糸
巻きケース2としての形状に組み立てられている。ま
た、前記上半ケース部材2Aと下半ケース部材2Bとの
間は、パッキン26によって密封されている。
【0014】リール3は、そのリール本体31の内周に
略同心的かつ相対回転可能な状態に組み込まれたばね芯
32と、一端がリール本体31に固定されると共に他端
がばね芯32に固定されてリール本体31を墨打ち糸6
の巻き取り方向に付勢する渦巻きばね33とを備えてい
る。リール本体31の軸方向一側には、墨打ち糸6を手
動回転によって巻き取るための巻き取りハンドル34が
形成され、上半ケース部材2Aの内周部に形成された円
形窓2aから外部へ露出している。また、この巻き取り
ハンドル34と反対側を向いたばね芯32の端部には、
チャージハンドル35が形成され、下半ケース部材2B
の内周部に形成された円形窓2bから外部に露出してい
る。
【0015】ばね芯32及びこれと一体のチャージハン
ドル35は、ラチェット機構36によって渦巻きばね3
3の蓄勢方向にのみ回転することができ、リール本体3
1が墨打ち糸6の繰り出し方向へ回転された場合は、同
方向へのばね芯32の回転が阻止され、渦巻きばね33
がばね芯32に巻き込まれて漸次蓄勢されるようになっ
ている。また、かるこ7がトップ部材5の内周(糸繰り
出し口51)に掛止されるまで墨打ち糸6を完全に巻き
取った状態において、チャージハンドル35を糸巻き取
り方向と同方向に回転させた場合は、リール本体31
は、かるこ7が掛止されることによって巻き取り方向の
回転を阻止されると共に、その反対方向へのチャージハ
ンドル35の回転も阻止されるので、弛緩した渦巻きば
ね33を任意に蓄勢することができる。
【0016】また、ラチェット機構36とチャージハン
ドル35との掛合状態は、クラッチレバー37の操作に
よって解除される。このため、クラッチレバー37の操
作によって、前記チャージハンドル35及びばね芯32
は、渦巻きばね33の付勢力を減少させる方向へ間欠的
に回転し、渦巻きばね33の付勢力を任意に減少させる
ことができる。
【0017】糸巻きケース2の上半ケース部材2Aにお
ける本体ケース1側の端部近傍には、ブレーキ片27
が、リール3の軸心とほぼ平行な軸の周りに回転可能に
設けられ、ビス28で抜け止めされている。このブレー
キ片27の揺動端部27aは、手指での操作によって、
前記上半ケース部材2Aから露出した巻き取りハンドル
34の外周面34aと接触可能であり、これによってリ
ール3の回転をロックすることができるようになってい
る。
【0018】本体ケース1における墨室1Sの上部開口
1Hを開閉する墨室カバー4は、本体ケース1と同じ合
成樹脂等で成形されたものであって、その外周下面に
は、閉止時に前記上部開口1Hの外周上縁に密接するこ
とによって、墨室1S内の墨汁の漏れを防止するパッキ
ン41が周設されている。
【0019】この墨室カバー4は、本体ケース1の上部
開口1Hにおけるトップ部材5側の端部近傍に一体的に
設けられたフード14に、連結端部4aが連結軸42を
介して取り付けられると共に、この連結軸42の外周に
配置されたトーションばね43によって前記上部開口1
Hを開放する方向(上方)へ常時付勢されている。前記
連結軸42は、本体ケース1内における墨打ち糸6の導
出方向及びリール3の軸心の双方に対してほぼ直交する
方向に設けられ、墨室カバー4はこの連結軸42を中心
として揺動可能であり、その揺動端部4bの円弧状の揺
動軌跡が、本体ケース1における糸巻きケース2との連
結部(外側継手部11)の近傍に達するようになってい
る。
【0020】本体ケース1における外側継手部11の近
傍の外周面には円周方向へ連続した案内溝11aが形成
されており、この案内溝11aには拘束リング8が回転
自在に嵌装されている。一方、墨室カバー4の揺動端部
4bには被拘束突起44が突設されており、この被拘束
突起44は、墨室カバー4を閉塞位置に倒した状態にお
いて、前記案内溝11a溝底に形成された凹部11b内
へ遊嵌されるようになっている。
【0021】拘束リング8は、図4に示されるように、
適当な可撓性を有する合成樹脂からなる一対の半円弧状
の部材81,82を互いに接合することによって環状を
なすもので、外側継手部11と反対側を向いた端面の円
周方向一部に、墨室カバー4の被拘束突起44が通過可
能な拘束解除部としての切欠部8aが形成されており、
この切欠部8aを有する側の半円弧状部材82の内周面
には、本体ケース1の案内溝11aの溝底と摺接する摺
動突起8b,8cが、円周方向所定間隔で形成されてい
る。また、この拘束リング8の外周面には、所要箇所
に、滑り止めのための凹凸8dが形成されている。
【0022】本体ケース1の案内溝11aの溝底の円周
方向一部は、インボリュート状あるいは偏心した円弧状
をなして一定方向へ漸次大径になるカム面11cが形成
されている。このカム面11cは、例えば拘束リング8
を図4における矢印R1方向へ回転させた時に、摺動突
起8cがカム面11cに乗り上がることによって、前記
拘束リング8が変形を伴いながら墨室カバー4の被拘束
突起44に対する締め付け力を増大させる方向へ相対変
位させるものである。このため、墨室カバー4を閉塞さ
せた状態では、その外周下面に設けられたパッキン41
を、本体ケース1の上部開口1Hの外周上縁に適当な面
圧で密接させ、墨室1S内の墨汁の漏れを確実に防止す
ることができる。
【0023】また、拘束リング8を矢印R2方向へ回転
させた時には、上述とは逆に、摺動突起8cがカム面1
1cから小径側へ摺動することによって、墨室カバー4
の被拘束突起44に対する締め付け力が減少する。そし
て、他方の摺動突起8bがカム面11cにおける最大径
側の端部に形成された段差部11dに当接することによ
って、R2方向への回転が阻止された時点で、図5に示
されるように、拘束リング8の切欠部8aが前記被拘束
突起44の真上に位置し、前記被拘束突起44の拘束状
態が解除される。このため墨室カバー4は、トーション
ばね43の付勢力によって、図6に示されるように連結
軸42を中心にして上方へ自動的に揺動し、墨室1Sの
上部開口1Hを開放する。
【0024】図5に示されるように、拘束リング8は、
当該墨壺の本体ケース1を持った手の例えば親指等で、
容易に回転させることができる。そしてこのときの指の
滑り止めのために、拘束リング8の外周面には、所要箇
所に滑り止め突起8dが形成されている。
【0025】墨室カバー4の下面には、糸押さえレバー
45が軸46を介して回転自在に取り付けられると共
に、トーションばね48によって上方へ常時付勢されて
いる。一方、前記墨室カバー4のほぼ中央に開設された
開口部にはゴム製のキャップ47が密封的に嵌着されて
おり、前記レバー45に突設された突起部45aを外側
から包囲している。
【0026】すなわち糸押さえレバー45は、墨室カバ
ー4を閉止した状態において、キャップ47を介して突
起部45aを手指で押されることによって、軸46を中
心に回転して内端部45bが墨室1S内を通る墨打ち糸
6と墨汁の浸透した墨汁浸透部材12とを強制的に押し
付け、墨打ち糸6に墨汁を十分に付着させるものであ
る。その後、手指による押し付け力を解除すれば、前記
糸押さえレバー45は、トーションばね48の付勢力に
よって復帰動作される。
【0027】トップ部材5は、POM(ポリアセター
ル)等の耐摩耗樹脂材で成形されたものであって、本体
ケース1における糸巻きケース2と反対側の端部15の
内周にパッキン16を介して挿入・固定され、内周に糸
繰り出し口51が開設されている。この糸繰り出し口5
1は、墨室1S側の内端51aが墨打ち糸6とほぼ同径
の細い円孔状をなし、外側の開口縁51bが図3に示さ
れる断面と直交する方向へ延びる扁平な長孔状に形成さ
れている。前記開口縁51bにおける上下の互いに平行
な直線部には、それぞれV字形の複数の糸掛け切欠52
が直線的に並んで形成されており、左右両端部にはそれ
ぞれ糸掛け溝(図示省略)が形成されている。
【0028】かるこ7は、合成樹脂製の柄71と、この
柄71に基部が埋設固定された刺通針72と、この刺通
針72の外周を包囲する合成樹脂製保護材73とからな
る。前記柄71は扁平な形状に形成されており、その刺
通針72側の端部は、墨打ち糸6を完全にリール3に巻
き取った状態において、トップ部材5の糸繰り出し口5
1に収容された状態に係合されるようになっている。
【0029】上述の構成において、墨打ち作業を行う場
合は、かるこ7の刺通針72を墨打ちの一方の起点に突
き刺してから、墨壺本体を所定位置まで移動させること
によって、墨打ち糸6を前記墨壷本体の移動距離分だけ
繰り出し、墨打ちの他方の起点にトップ部材5の開口縁
51bで押止することによって、前記繰り出しの過程で
墨汁浸透部材12との接触により墨汁が付着した前記墨
打ち糸6を前記両起点間に張設し、これを墨打ち対象面
に向けて指ではじいて打ち付けることによって墨線を転
写する。墨打ち作業終了後は、墨打ち糸6を強引に引っ
張るなどして、かるこ7を墨打ち対象面(図示省略)か
ら引き抜くと、墨打ち糸6の繰り出し過程で蓄勢された
渦巻きばね33の付勢力によって、リール本体31が糸
巻き取り方向に回転し、これによって墨打ち糸6は、か
るこ7が墨壺1のトップ部材5の糸繰り出し口51に半
収容状態に係止されるまで、前記リール本体31に自動
的に巻き取られる。
【0030】墨打ち作業の繰り返しによって、墨室1S
内の墨汁浸透部材12に浸透保持された墨汁の量は経時
的に減少するので、適時に墨室カバー4を開いて墨汁を
補充する。そしてこの場合は、先に説明したように、墨
室カバー4の被拘束突起44を拘束している拘束リング
8を図4におけるR2方向へ回転させて、その切欠部8
aを前記被拘束突起44の真上に位置させるだけで、被
拘束突起44の拘束状態が解除され、墨室カバー4はト
ーションばね43の付勢力によって開放動作される。
【0031】また、墨汁浸透部材12に墨汁を補充した
後は、墨室カバー4を手指で倒し、拘束リング8を図4
におけるR1方向へ回転させれば、図1及び図3に示さ
れるように、前記墨室カバー4が本体ケース1の上部開
口1Hを閉止した状態に保持される。
【0032】そして、墨室カバー4は、墨打ち糸6の導
出方向及びリール3の軸心の双方に対してほぼ直交する
方向に設けられた連結軸42を中心にして、揺動端部4
bが本体ケース1における糸巻きケース2側との連結部
近傍へ向かう軌跡を描くように動作され、拘束リング8
による閉止が前記連結部近傍で行われるため、上記開閉
操作は、本体ケース1を図5に示されるように片手で握
った時の親指の自由度の範囲内で行うことができる。こ
のため、本体ケース1を他方の手に持ち替えたりするこ
となく、片手だけで容易に墨室カバー4の開閉及び拘束
リング8による閉止・解除操作が可能であり、作業途中
での墨汁補充等を迅速に行うことができる。
【0033】また、墨室カバー4のパッキン41は、ゴ
ム材からなるため、経時的なヘタリ(永久圧縮変形)を
生じるが、この場合は、拘束リング8を図4における矢
印R1方向へ回転させることによって、墨室カバー4を
介してパッキン41を増圧できるので、前記ヘタリによ
る密封性の低下を補償することができる。
【0034】次に、図7は本発明の好ましい第二の実施
形態を示す墨壺の要部平面図、図8は図7のVIII−VIII
線に沿って切断した断面図である。この実施形態におい
て、上述した第一の実施形態と異なるところは、拘束リ
ング8’による墨室カバー4の拘束構造にあり、本体ケ
ース1、糸巻きケース2、リール3、墨室カバー4と、
トップ部材5等、他の部分の構成は、基本的には先に説
明した図1乃至図3のものと同様である。
【0035】すなわちこの実施形態において、拘束リン
グ8’は、適当な可撓性を有する合成樹脂からなる一対
の半円弧状の部材83,84を互いに接合することによ
って環状をなすものである点、及び外周面の円周方向所
要箇所に、滑り止めのための凹凸8dが形成されている
点は、先の実施形態における拘束リング8と同様である
が、円周方向一部に墨室カバー4の被拘束突起44との
係合部83aが形成され、その円周方向両側に、一対の
係合解除用の切欠部83b,83cが形成されている点
で相違している。この切欠部83b,83cは、前記被
拘束突起44が通過可能な大きさに形成されている。ま
た、上側の半円弧状部材83の内周面83dには、前記
各切欠部83b,83cの円周方向中間に位置して、そ
れぞれストッパ83e,83fが突設されている。
【0036】拘束リング8’における下側の半円弧状部
材84の内周面84aには、係合部83aと円周方向1
80°対称位置に、内周側へなだらかに突出する一対の
互いに対称なカム面84b,84cと、両カム面84
b,84cの間に位置する嵌合凹面84dが形成されて
いる。この嵌合凹面84dは、前記内周面84aよりも
高い位置(内径側)にある。
【0037】一方、本体ケース1の外側継手部11にお
ける上記拘束リング8’が装着された案内溝11aの溝
底には、そのトップ位置及びボトム位置に、それぞれ前
記拘束リング8’の内周面83d,84aと摺接可能な
突起11e,11fが形成されている。このうち、ボト
ム位置の突起11fは、図7及び図8に示されるよう
に、拘束リング8’の係合部83aが墨室カバー4の被
拘束突起44の外周側に位置する状態では、カム面84
b又は84cを乗り上がって嵌合凹面84dと嵌合した
状態にあり、これによって拘束リング8’が前記被拘束
突起44に対する適当な締め付け力を付与するようにな
っている。このため、墨室カバー4を閉塞させた状態で
は、その外周下面に設けられたパッキン41を、本体ケ
ース1の上部開口1Hの外周上縁に適当な面圧で密接さ
せ、墨室1S内の墨汁の漏れを確実に防止することがで
きる。
【0038】また、図8に示される閉止状態において
は、拘束リング8’の嵌合凹面84dが、この拘束リン
グ8’の弾性によって本体ケース1側の突起11Fに嵌
合しているので、拘束リング8’が不用意に回転して墨
室カバー4が開いてしまうようなことがない。
【0039】次に、図8に示される閉止状態から、拘束
リング8’を手指により矢印R1又はR2方向へ回転さ
せると、嵌合凹部84dと嵌合状態にあった突起11f
がカム面84b又は84cを相対的に滑り下りることに
よって、係合部83aが、墨室カバー4の被拘束突起4
4に対する締め付け力を減少させながら前記矢印R1又
はR2方向へ変位する。
【0040】R1又はR2方向への拘束リング8’の回
転は、図9に示されるように、ストッパ83e,83f
のうちの一方が、トップ位置の突起11eに当接した時
点で阻止される。そしてこの状態では、拘束リング8’
の切欠部83b,83cのうちの一方が前記被拘束突起
44の真上に位置し、これによって、被拘束突起44に
対するロック状態が解除される。図9は、拘束リング
8’を図8におけるR1方向へ回転させることによっ
て、切欠部83cにおいて前記被拘束突起44に対する
拘束を解除した状態を示すものである。このため、先に
説明した図6に示されるように、墨室カバー4は、トー
ションばね43の付勢力によって、連結軸42を中心に
して上方へ自動的に揺動し、墨室1Sの上部開口1Hを
開放する。
【0041】したがって、上記拘束リング8’も、当該
墨壺の本体ケース1を持った手の例えば親指等で回転さ
せることができる。特に、墨室カバー4のロック状態か
らロック解除状態への操作又はロック解除状態からロッ
ク状態への操作を、拘束リング8’をR1又はR2方向
のいずれの方向へ回転させても行うことができ、しかも
第一の実施形態によるものに比較して小さな角度で回転
させるだけで行うことができるので、一層使い勝手の良
いものとなる。
【0042】墨壺の携行時や保管時には、図9に示され
るロック解除状態から、拘束リング8’を回転させて図
8の状態に復帰させることによって、本体ケース1側の
突起11fがカム面84b又は84cへ相対的に乗り上
がって、嵌合凹面84dと嵌合するので、墨室カバー4
を適当な締め付け力で閉止することができる。また、墨
打ち作業途中で、墨室内の墨汁浸透部材に墨汁を補充し
た後に墨室カバー4を閉止する場合等においては、必ず
しも図8のような完全なロック状態にする必要はなく、
例えば拘束リング8’を、突起11fがカム面84b又
は84cの端部に位置する状態としても、墨室カバー4
を軽い締め付け力で閉止することができるので、便利で
ある。
【0043】なお、上記第一及び第二の実施形態におい
ては、墨室カバー4を閉止状態に保持する拘束部材とし
て、拘束リング8(8’)を用いたが、必ずしも環状に
連続したものである必要はなく、例えば墨室カバー4に
対する拘束位置又は被拘束位置へ選択的に移動されるよ
うに移動方向が案内された可動片(例えばブレーキ片2
7のような形態、あるいは直線的に移動可能な摺動片)
等、種々のものが適用可能である。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る墨壺の墨室開閉構造による
と、本体ケースの墨室の上部開口を密閉している墨室カ
バーの開閉操作を容易に行うことができ、特に、墨室カ
バーの揺動端部が本体ケースにおける糸巻きケース寄り
の位置に達する軌跡を描くように動作され、かつ前記糸
巻きケース寄りの位置で拘束されるように構成すること
によって、片手で容易迅速に操作することができる。
【0045】また、拘束部材を環状にして、これを手指
で回転操作することによって、墨室カバーの閉止状態で
の拘束及びその解除を行い、かつ閉止状態では適当な締
め付け力を付与する構成とすることによって、使い勝手
が良く、しかも墨室からの墨汁の漏れを確実に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す墨壺の平面図で
ある。
【図2】上記実施形態を示す墨壺の底面図である。
【図3】図1のIII −III 線に沿って切断した断面図で
ある。
【図4】図1のIV−IV線に沿って切断した断面図であ
る。
【図5】上記実施形態の使用状態を示す説明図である。
【図6】上記実施形態において墨室カバーを開いた状態
を示す部分的な断面図である。
【図7】本発明の第二の実施形態を示す墨壺の部分的な
平面図である。
【図8】拘束リングによって、墨室カバーを閉塞位置に
拘束した状態を、図7のVIII−VIII線に沿って切断した
断面図である。
【図9】拘束リングによって、墨室カバーの拘束を解除
した状態を、図7のVIII−VIII線に沿って切断した断面
図である。
【符号の説明】
1 本体ケース 1S 墨室 1H 上部開口 11c,84b,84c カム面 2 糸巻きケース 3 リール 4 墨室カバー 4b 揺動端部 42 連結軸 44 被拘束突起 51 糸繰り出し口 6 墨打ち糸 7 かるこ 8,8’ 拘束リング(拘束部材) 8a,83b,83c 切欠部 83a 係合部 84d 嵌合凹面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体ケース及びこれに設けられた糸巻き
    ケースを有し、この糸巻きケース内のリールの外周に巻
    かれた墨打ち糸が前記本体ケースの墨室内を通って外部
    へ導出される墨壷において、 前記墨室の上部開口を開閉する墨室カバーが、前記本体
    ケースにその墨室内の墨打ち糸の導出方向と交差する方
    向に延びる連結軸を中心として揺動可能に取り付けら
    れ、前記上部開口を密閉した状態では、この墨室カバー
    の揺動端部が、前記本体ケースに変位可能に設けられた
    拘束部材で拘束されることを特徴とする墨壷の墨室開閉
    構造。
  2. 【請求項2】 拘束部材が本体ケースの外周に回動可能
    に嵌着された環状をなすものであって、閉塞状態にある
    墨室カバーの揺動端部に対する拘束及び非拘束が、前記
    拘束部材の円周方向への変位によりなされることを特徴
    とする請求項1に記載の墨壺の墨室開閉構造。
  3. 【請求項3】 拘束部材と本体ケースとの互いの摺動面
    のうちの一方に、前記拘束部材の変位操作によって、墨
    室カバーの揺動端部に対する拘束部材の締め付け力を増
    減させるカム面が形成されたことを特徴とする請求項1
    又は2に記載の墨壺の墨室開閉構造。
  4. 【請求項4】 墨室カバーがばねで開放方向へ常時付勢
    されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の墨壺の墨室開閉構造。
  5. 【請求項5】 墨室カバーの揺動端部の揺動軌跡が本体
    ケースにおける糸巻きケース寄りの位置に達し、この揺
    動端部を拘束する拘束部材が、前記糸巻きケース寄りの
    位置に配置されたことを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれかに記載の墨壺の墨室開閉構造。
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