JP6368141B2 - 墨壷 - Google Patents

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Description

本発明は、木工あるいは建築工事において、墨汁等の着色液を付着させた糸を施工相手材に張設し、この糸により線を転写する墨壷に関する。
木工や建築工事で墨線を打つ線引き作業に使用される墨壷は、従来から、基本的にはケース内に糸巻及び墨汁浸透部材が設けられ、糸巻に巻かれた糸が、ケース内で墨汁を沁み込ませた墨汁浸透部材に接触しながら、ケースの一端に形成された糸繰り出し口から外部へ繰り出されるようになっており、糸の先端に、この糸を墨打ち起点に止着するためのカルコが繋着された構造を備える。
この種の墨壷による墨打ち作業においては、まず、カルコを相手材の墨打ち起点に止着してからケースを移動させると、これに伴い、糸巻から引き出される糸には、墨汁浸透部材との接触によって墨汁が付着するので、この糸に、カルコ側の端部とケース側の端部との間で適当なテンションを与えた状態で、相手材の墨打ち対象面に向けて手指ではじくことによって、相手材に直線状の墨線を転写することができる。
そしてこの種の墨壷は、一般的に、糸巻を回転可能に収納したケースの糸巻収納部が、糸巻の回転軸心の一端外周で環状の蓋により開閉され、墨汁浸透部材を収納したケースの墨汁浸透部材収納部が、糸巻収納部を糸巻の軸方向一側で開閉するカバーと同じ側で、墨汁浸透部材収納部内を通る糸と略平行なヒンジを介して揺動するカバーによって開閉され、さらに、糸繰り出し口から引き出された糸を相手材における墨打ちの一方の起点に押し付けるためにケースにおける糸巻収納部と反対側(糸繰り出し口側)の端部に形成された糸押さえ部が、糸繰り出し口の外周のうち、糸巻収納部を開閉するカバー及び墨汁浸透部材収納部を開閉するカバーと同じ側に設けられている(例えば下記の特許文献1参照)。
また、糸押さえ部が、糸繰り出し口の外周のうち、糸巻収納部を開閉するカバー及び墨汁浸透部材収納部を開閉するカバーと略90度異なる側に設けられたものも知られている(例えば下記の特許文献2参照)。
特許第2727285号公報 特開2009−95927号公報
上述した従来構造の墨壷は、いずれもケースの糸巻収納部が糸巻の軸方向一側で開閉されるようになっているため、糸の補修など、何らかの理由で糸巻をいったん糸巻収納部からケース外部へ取り出した後、再び糸巻を糸巻収納部内へセットする場合は、ふつう、カバーを取り外した糸巻収納部の開口を上へ向け、糸巻を、その回転軸心が上下方向を向くようにして、糸巻収納部内へその上側から挿入してセットする。このため、糸巻に巻装された糸のうち最も外周部に巻かれた糸の一部が、糸巻を糸巻収納部内へ入れる過程でばらけ、糸巻の側面と糸巻収納部の側面との間へ脱落して噛みこまれてしまいやすいといった問題がある。したがって、糸が脱落しないようにしながら糸巻を糸巻収納部へセットする作業にコツが必要で、面倒であった。
また、糸巻を糸巻収納部からケース外部へ取り出す際には、糸巻収納部を開閉するカバーをケースから完全に取り外すようになっているため、再び糸巻を糸巻収納部内へセットするまでの間に、カバーを紛失してしまうおそれがある。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、ケースの糸巻収納部内へ糸巻をセットする際に、糸巻に巻かれた糸の一部がばらけて糸巻の側面と糸巻収納部の側面との間へ脱落したりしにくく、使い勝手の良い墨壷を提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る墨壷は、ケースと、このケースに形成された円形状の糸巻収納部に収納された糸巻と、この糸巻に巻きつけられると共に前記ケースの一端に設けられた糸繰り出し口を通って外部へ引き出され先端に止着具が取り付けられた糸と、前記糸巻収納部と前記糸繰り出し口の間に位置して前記ケースに形成された墨室部に収納され前記糸に墨汁を付着させる墨汁付着手段と、を備え、前記糸巻収納部、前記糸巻をその軸方向一側で回転可能に係合する軸受部と、前記軸受部の軸を中心として略半周を開閉可能とする糸巻カバーと、を有し前記糸巻カバーを閉じることによって、前記糸巻の軸方向変位を規制し、前記軸受部への前記糸巻の係合状態維持するものである。
なお、ここでいう「墨汁」とは、本来の墨汁には限定されず、マーキングに使用可能な着色液体全般をさすものである。
請求項1の構成を備える墨壷は、糸巻に巻かれた糸を、ケース内で墨汁付着手段によって墨汁を付着させながら、糸繰り出し口からケースの外部へ繰り出して、施工相手材の表面における一方の墨打ち起点に止着した止着具と他方の墨打ち起点に押し付けた糸押さえ突起との間で張設し、この糸を、相手材の表面に向けて手指ではじくことによって直線状の墨線を転写するものである。そして糸巻収納部に設けられた糸巻カバーが、糸巻収納部の略半周を開閉するものであるため、糸巻収納部へ糸巻をセットするときは、糸巻カバーを開いた糸巻収納部内へ、糸巻をその軸心と交差する方向へ入れてその軸方向一側を軸受部に係合させるので、その際に、糸巻に巻かれた糸がばらけて糸巻の側面と糸巻収納部の側面との間へ脱落したりしにくく、糸巻カバーを閉じることで糸巻の軸方向変位が規制されて軸受部との係合状態が維持され、円滑な回転が補償される。
請求項2の発明に係る墨壷は、請求項1に記載された構成において、糸巻カバーが、糸巻の回転軸心と略平行なヒンジを介して糸巻収納部における墨室部と反対側の端部に結合されたものである。
請求項2の構成によれば、糸巻カバーがヒンジを介して糸巻収納部の略半周を開閉するものであり、糸巻収納部を開放する際に完全に取り外されるものではないため、紛失の恐れがない。
請求項3の発明に係る墨壷は、請求項2に記載された構成において、墨室部及び糸繰り出し口を開閉する墨室部側カバーが糸巻カバーの揺動端部と連接して配置され、糸巻から前記墨室部及び前記糸繰り出し口を通る糸の経路が、互いに連接した前記糸巻カバーと前記墨室部側カバーを開くことで開放されるものである。
請求項3の構成によれば、糸巻から墨室部及び糸繰り出し口を通る糸の経路が、互いに連接した糸巻カバーと墨室部側カバーを開くことで開放されるので、例えば糸が切れたような場合に、糸巻に巻かれた糸を引き出して墨室部及び糸繰り出し口を通し、その先端に止着具を繋着するといった補修作業等を、容易に行うことができる。
請求項4の発明に係る墨壷は、請求項1〜3のいずれかに記載された構成において、前記糸巻は、その軸方向一端が前記糸巻収納部に形成された円形開口部から露出し、前記円形開口部の内周縁に、前記糸巻収納部の内側へ向けて深くなるように傾斜し、糸巻カバーを開いて前記軸受部へ糸巻を係合又は係合解除する際の前記糸巻の軸方向一端の傾動を可能とする傾斜面が形成されたものである。
請求項4の構成によれば、例えば糸の補修などのために、糸巻をいったん糸巻収納部からケース外部へ取り出し、その後再び糸巻を糸巻収納部内へセットする作業を、容易に行うことができる。
本発明に係る墨壷によれば、糸巻を糸巻収納部内へセットする際に、糸巻に巻かれた糸の一部が糸巻の側面と糸巻収納部の側面との間へ脱落しにくく、作業性を向上することができる。
本発明に係る墨壷の好ましい実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係る墨壷の好ましい実施の形態を糸巻の軸心を通り糸引き出し方向と平行な平面で切断して示す断面図である。 図2におけるIII−III’断面図である。 本発明に係る墨壷の好ましい実施の形態の糸巻カバーと墨室部側カバーを開いた状態を示す側面図である。 本発明に係る墨壷の好ましい実施の形態の糸巻カバーと墨室部側カバーを開いた状態を示す一部破断した平面図である。 本発明に係る墨壷の好ましい実施の形態における使用状態を示す説明図である。 本発明に係る墨壷の好ましい実施の形態における他の使用状態を示す説明図である。 本発明に係る墨壷の好ましい実施の形態において糸巻を取り出し又はセットする過程を示す説明図である。
以下、本発明に係る墨壷の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
各図において、参照符号1は合成樹脂材で成形されたケースである。このケース1は、ケース本体11、糸巻カバー12及び墨室部側カバー13からなる。ケース本体11は、軸方向の投影形状が略半円形をなす糸巻収納部11Aと、その前方(図1及び図2等における右側)の墨室部11Bと、更にその前方の糸繰り出し口11Dを有する。そしてケース1は全体として、ケース本体11の墨室部11Bとこれを開閉する墨室部側カバー13からなる部分が、ケース本体11の糸巻収納部11Aとこれを開閉する糸巻カバー12からなる部分から偏心して延びており、しかも糸巻収納部11Aの底部と墨室部11Bの底部の間には指掛け凹部11Cが形成されているので、あたかも拳銃のグリップを握るように片手で握ることのできる形状となっている。
糸巻カバー12は、ケース本体11における糸巻収納部11Aの上部開口における後端(墨室部11B側と反対側の端部)に軸心が後述する糸巻2の回転軸心と略平行なヒンジ121を介して結合され、軸方向の投影形状が略半円形をなし、糸巻収納部11Aとの間に糸巻2を回転自在に保持するための空間を画成するものである。
墨室部側カバー13は、図4及び図5に示すように、ケース本体11における墨室部11Bの外側面に軸心が糸3の引き出し方向と略平行なヒンジ131を介して揺動可能に設けられ、墨室部11B及び糸繰り出し口11Dの上部を開閉するようになっている。また、墨室部側カバー13の後端部13aは糸巻カバー12の揺動端部(ヒンジ121と反対側の端部)12aと連接しており、かつ糸巻カバー12の揺動端部12aが、墨室部側カバー13の後端部13aとの嵌合よって糸巻収納部11Aを閉じた状態に係止されるものであり、すなわち墨室部側カバー13を開くことによって糸巻カバー12も開くことができるようになっている。
糸巻2は、図2及び図3に示すように、外周に糸3を巻回する糸巻本体21と、その内周に同心的にかつ相対回転自在に配置されたばね芯23との間に取り付けられて糸巻本体21を糸3の巻き取り回転方向へ付勢する渦巻きばね22からなるものであって、糸巻カバー12によってケース本体11の糸巻収納部11Aから抜け止めされ、回転可能な状態に保持されている。
図1に示すように、糸巻本体21の軸方向一端21aは、内周部が、ケース本体11の糸巻収納部11Aとこれを閉じた糸巻カバー12とによって形成される円形開口部1aから外部へ露出しており、この露出面にはゴム状弾性材料(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)からなる多数の摩擦部材24が円周方向等間隔で取り付けられている。一方、この糸巻本体21の軸方向他端(内端)に位置するばね芯23のフランジ部23aが、図3に示すように、糸巻収納部11Aの内面に形成された環状の軸受部111に回転可能に支持されると共に、後述のばねチャージャ5と分離可能に係合されている。
墨室部側カバー13の揺動端部(ヒンジ131と反対側の端部)には、図1に示すように被掛合爪132及び指掛け部133が形成されている。被掛合爪132は、ケース本体11における墨室部11Bの外側面に形成された掛合爪112にスナップ的に掛合されることによって、墨室部側カバー13を閉塞状態に固定するものである。
図2及び図4,図5に示すように、墨室部側カバー13の内面には、ゴム状弾性材料からなるパッキン134が設けられ、ケース本体11における墨室部11Bの上部開口縁に密接可能となっている。そして、墨室部11B内には、スポンジ、脱脂綿あるいはフェルト等からなり、好ましくは、墨汁の浸透保持作用に優れたセルロースの繊維からなる墨汁浸透部材4が着脱可能に収納されている。墨汁浸透部材4は、請求項1に記載された墨汁付着手段に相当するものであって、図5に示すように、内部に糸3を通すためのスリット4aが形成されている。
ケース本体11における糸巻収納部11Aと墨室部11Bとの間には糸挿通部11Eが形成され、墨室部11Bと糸繰り出し口11Dとの間には糸挿通部11Fが形成されている。墨室部11B内へ向けて突出した漏斗状を呈する糸繰り出し口11D及びその突端に位置する糸挿通部11Fは、ケース本体11とこれに嵌合した墨室部側カバー13との間に形成されており、糸巻2の糸巻本体21に巻回された糸3は、糸挿通部11Eから墨室部11B内の墨汁浸透部材4のスリット4a及び糸挿通部11Fを通って、糸繰り出し口11Dからケース1の外部へ導出されるようになっている。
図2に示すように、糸巻カバー12の揺動端部(ヒンジ121と反対側の端部)12aには、糸巻2の回転軸心と略平行な金属製のガイドピン122が取り付けられており、このガイドピン122は、糸巻2と墨汁浸透部材4の間で糸3の経路を規定するものである。詳しくは、糸巻カバー12を閉じた状態において、糸巻本体21に巻回された糸3が糸巻カバー12の内周側から墨汁浸透部材4へ至る過程で、ガイドピン122と摺接する位置を経由することで、墨汁浸透部材4のスリット4a内を通るように糸3を案内するものである。
そして図示の例では、図2に示す断面において糸巻2に時計回りに巻き付けられた糸3が糸巻2の上半部からガイドピン122の下側を通って墨汁浸透部材4内へ延びており、糸3の方向がガイドピン122を境にして大きな角度で曲げられていないので、糸3の引き出し又は巻き取り過程で大きな負荷が掛からないようになっている。
墨室部側カバー13には円形孔が開設されていて、この円形孔には、パッキン134と一体に連続した押しボタン135が密嵌されており、この押しボタン135の内面には押圧部材136が取り付けられており、押しボタン135を外側から手指で押すことによって押圧部材136が押し下げられて墨汁浸透部材4を圧縮変形するようになっている。
墨室部側カバー13における糸巻収納部11Aと反対側の端部、すなわち糸繰り出し口11Dの外周に位置する部分には、糸繰り出し口11Dの中心軸線と平行な方向に対して外側へ傾斜して延びる糸押さえ突起137が一体に形成され、その先端137aがケース1(墨室部側カバー13)の外側面の延長面より外側に位置している。そしてこの糸押さえ突起137は、先端137aへ向けて幅が減少するような先細り形状となっており、先端137aには複数の糸掛け溝137bが形成されている。
また、糸押さえ突起137の糸繰り出し口11Dと反対側の面、すなわち押しボタン135と隣接する面には、ケース1の糸巻2側(糸巻収納部11A及び糸巻カバー12からなる部分)を握った手の指(例えば人差し指)の先端部を当てることの可能な指当て凹部137cが形成されている。
図3に示すように、ケース本体11における糸巻収納部11Aの一側には、糸巻2のばね芯23と係合可能なばねチャージャ5が取り付けられている。このばねチャージャ5は、ワンウェイクラッチ機構及びその解除機構などからなる公知の構造を備え、糸巻2に内蔵された渦巻きばね22の付勢力を任意に調整するものである。
また、ケース本体11の糸巻収納部11Aにおける軸受部111と反対側の側壁113の内周面、すなわちケース1の円形開口部1aを構成する糸巻収納部11Aの内周面は、前記側壁113の内側へ向けて深くなるように傾斜した傾斜面113aとなっている。
図2に示すように、ケース1の外部へ導出される糸3の先端には、カルコ6が繋着されている。カルコ6は請求項1に記載された止着具に相当するものであって、合成樹脂製の中空の柄61と金属製の止着針62を備えており、図示の例では、通常は止着針62が不図示のばねによって柄61の中に収納されており、使用の際には手指で柄61をつまむと共に押片63を前記ばねの付勢力に抗して一点鎖線で示す位置へ押動することによって、柄61から突出させることができるようになっている。また、柄61の先端61aは、ケース1における漏斗状の糸繰り出し口11Dに嵌合状態に保持することが可能な形状に形成されている。
以上のように構成された実施の形態の墨壷は、使用に際して、予め墨室部11B内の墨汁浸透部材4に墨汁を十分に含浸させておく。墨汁は、墨室部側カバー13を開いて墨室部11B内に注入することによって、墨汁浸透部材4に含浸させることができる。
そして墨打ち(線引き)作業においては、例えばまずカルコ6を、その止着針62を相手材の表面における墨打ちの一方の起点に刺して止着してから、ケース1を墨打ちの他方の起点へ向けて移動させると、糸巻2の回転を伴いながら、糸3がケース1の移動距離分だけ引き出されて行く。この糸3は、墨室部11B内の墨汁浸透部材4のスリット4aを通る過程で、この墨汁浸透部材4に摺接することによって墨汁が付着し、糸巻2に内蔵された渦巻きばね22が糸巻本体21の回転に伴って蓄勢される。また図6に示すように、ケース1は、糸巻収納部11Aとこれを開閉する糸巻カバー12からなる部分を、拳銃を握るように片手で握ることができ、しかも指掛け凹部11Cの存在によって握りやすく、使い勝手が良いものとなっている。
ケース1を墨打ちの他方の起点まで移動させたら、図7に示すように、糸3を糸押さえ突起137の糸掛け溝137bに掛けて相手材Wの表面に押止することによって、この糸3を、カルコ6との間に適当な張力で張設する。そして、この糸3を相手材の表面に向けて指ではじいて打ち付ければ、糸3に付着している墨汁によって、直線状の墨線を転写することができる。
ここで、糸押さえ突起137は先端137a側ほど幅が減少する先細り形状に形成されているため、カルコ6による止着部と反対側の墨打ち起点が、例えば入り隅の奥の方などの狭い場所にあっても、糸押さえ突起137による糸3の押止が可能である。しかも糸押さえ突起137は、糸繰り出し口11Dの中心軸線と平行な方向に対して外側へ傾斜して延び、その先端137aがケース1(墨室部側カバー13)の外側面の延長面より外側に位置しているので、これによる糸3の押止位置が見えなくなりにくい。したがって、入り隅などのような狭い場所でも糸3を正確に押止して墨打ちを行うことができる。
糸押さえ突起137は、ケース1を構成する墨室部側カバー13の端部に形成されているため、従来のように金属からなる別部材の糸押さえ部材を取り付けたものに比較して小型化が可能であり、部品数やコストの低減も可能である。
また、糸押さえ突起137によって相手材に糸3を押止する際には、図7に示すように、ケース1の糸巻2側(糸巻収納部11A及び糸巻カバー12からなる部分)を握った手の指(例えば人差し指)の先端部を、この糸押さえ突起137に形成された指当て凹部137cに当てることで、押さえやすく、このため使い勝手が良い。
墨打ち作業終了後は、相手材に止着したカルコ6へ向けてケース1を移動させれば、糸3の引き出し過程で蓄勢された渦巻きばね22の弛緩動作によって糸巻2が巻き取り方向へ回転するため、糸3は糸巻本体21に自動的に巻き取られる。そして最後にカルコ6を相手材から引き抜けば、糸3が更に巻き取られてカルコ6の柄61の先端61aが糸繰り出し口11Dに嵌合状態に係止される。
そして、ケース1を図6に示すように手で握った状態では、手のひらの一部(又は指の一部)を、図1などに示す多数の摩擦部材24に接触させることができるので、そのときの摩擦によって、渦巻きばね22の付勢力による糸3の自動巻き取り速度を容易にコントロールすることができ、あるいは前記摩擦部材24の滑り止め作用によって手で持ちやすくなるといった効果も得られる。
また、繰り返し使用によって糸3が切れてしまったような場合は、渦巻きばね22の付勢力によって糸巻2の糸巻本体21に糸3がすべて巻き取られるので、再使用のためには、巻き取られた糸3を、糸挿通部11E、墨汁浸透部材4のスリット4a及び糸挿通部11Fを通して、糸繰り出し口11Dからケース1の外部へ引き出し、カルコ6に結びなおす必要がある。そしてこのような場合は、図4に示すように、墨室部側カバー13を開くと共に、これによってロックが解除された糸巻カバー12を開けば、糸巻2の外周の上半周が開放されると共に、図5に示すように、糸巻2から糸繰り出し口11Dへ到る糸通し経路の全域が開放される。またこのとき、糸巻カバー12及び墨室部側カバー13はヒンジ121,131を介してケース本体11に取り付けられているので、紛失することがない。
ここで、ケース本体11の糸巻収納部11Aにおける軸受部111と反対側の側壁113の内周面が傾斜面113aとなっているため、糸巻カバー12を開いた状態では、図8に示すように糸巻2をばねチャージャ5と反対側へ傾動させることができる。そしてこのように傾動させれば、ばねチャージャ5及び軸受部111と糸巻2のばね芯23のフランジ部23aとの係合が解除されるので、あとは糸巻収納部11Aの開放された上半周から糸巻2をその軸心と交差する方向(上方)へ取り出して糸3を引き出し、カルコ6に結びなおす作業を行うことができる。
糸3をカルコ6に結びなおした後、糸巻収納部11Aへ糸巻2をセットするには、糸巻カバー12を開いた糸巻収納部11A内へ、糸巻2をその軸心と交差する方向へ入れて、図8のように傾斜させた状態からその軸方向一側(ばね芯23のフランジ部23a)を軸受部111及びばねチャージャ5と係合させる。そしてこの作業の過程では、糸巻2の軸心Oが、一時的には傾斜させるとはいえほぼ水平であるため、糸巻2に巻かれた糸3が外周からばらけて糸巻2の側面と糸巻収納部11Aの側面(軸受部111)との間へ脱落しにくく、このため糸巻収納部11Aへ糸巻2をセットする作業が容易になる。
また上述のように、糸巻2から糸繰り出し口11Dへ到る糸通し経路の全域が開放されているので、図5に示すように、糸巻2から引き出された糸3を糸挿通部11E、墨室部11B内の墨汁浸透部材4のスリット4a、糸挿通部11Fを通して、糸繰り出し口11Dからケース1の外部へ導出するようにセットする作業も容易に行うことができる。
糸巻2及び糸3のセット作業が終わったら、糸巻カバー12及び墨室部側カバー13を閉じる。このとき、墨室部側カバー13は、その揺動端部の被掛合爪132が、ケース本体11の外側面に形成された掛合爪112にスナップ的に掛合されることによって閉塞状態に固定され、この墨室部側カバー13によって、糸巻カバー12が閉塞状態に固定される。そして糸巻カバー12の閉塞によって糸巻2の軸方向変位が規制されて軸受部111及びばねチャージャ5との係合状態が維持され、円滑な回転が補償されると共に、糸巻カバー12の揺動端部12aに取り付けられたガイドピン122によって糸3が墨汁浸透部材4のスリット4a内へ案内される。
なお、上述の実施の形態では、墨室部側カバー13が糸3の引き出し方向と略平行なヒンジ131を介して揺動可能に設けられたものとしたが、完全に取り外し可能なものや、糸の移動方向と直交する方向にスライドするものや、90度回転可能なものなど、他の形態も考えられる。
1 ケース
11 ケース本体
11A 糸巻収納部
11D 糸繰り出し口
111 軸受部
113 側壁
113a 傾斜面
12 糸巻カバー
121,131 ヒンジ
13 墨室部側カバー
2 糸巻
24 摩擦部材
3 糸
4 墨汁浸透部材(墨汁付着手段)
6 カルコ(止着具)

Claims (4)

  1. ケースと、
    このケースに形成された円形状の糸巻収納部に収納された糸巻と、
    この糸巻に巻きつけられると共に前記ケースの一端に設けられた糸繰り出し口を通って外部へ引き出され先端に止着具が取り付けられた糸と、
    前記糸巻収納部と前記糸繰り出し口の間に位置して前記ケースに形成された墨室部に収納され前記糸に墨汁を付着させる墨汁付着手段と、を備え、
    前記糸巻収納部、前記糸巻をその軸方向一側で回転可能に係合する軸受部と、前記軸受部の軸を中心として略半周を開閉可能とする糸巻カバーと、を有し前記糸巻カバーを閉じることによって、前記糸巻の軸方向変位を規制し、前記軸受部への前記糸巻の係合状態維持することを特徴とする墨壷。
  2. 糸巻カバーが、糸巻の回転軸心と略平行なヒンジを介して糸巻収納部における墨室部と反対側の端部に結合されたことを特徴とする請求項1に記載の墨壷。
  3. 墨室部及び糸繰り出し口を開閉する墨室部側カバーが糸巻カバーの揺動端部と連接して配置され、糸巻から前記墨室部及び前記糸繰り出し口を通る糸の経路が、互いに連接した前記糸巻カバーと前記墨室部側カバーを開くことで開放されることを特徴とする請求項2に記載の墨壷。
  4. 前記糸巻は、その軸方向一端が前記糸巻収納部に形成された円形開口部から露出し、
    前記円形開口部の内周縁に、前記糸巻収納部の内側へ向けて深くなるように傾斜し、糸巻カバーを開いて前記軸受部へ糸巻を係合又は係合解除する際の前記糸巻の軸方向一端の傾動を可能とする傾斜面が形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の墨壷。
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