JP4206034B2 - 糸張り具 - Google Patents

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Description

本発明は、建築作業等において、任意の二点間に糸を張設して、相手材を汚損せずに直線を得るのに用いられる糸張り具に関するものである。
この種の糸張り具は、通称「白糸巻」とも呼ばれており、その典型的な従来技術としては、例えば下記の特許文献1に開示されたものが知られている。
実開昭63−50683号公報
図9は、特許文献1に記載されたものと同様の従来の糸張り具の使用状態を示す説明図、図10は、据付針に糸を巻き付ける過程を示す説明図である。すなわち、従来の糸張り具は、図9に示されるように、ボディ101内に、糸102が巻回された糸巻103が回転可能に収容され、この糸巻103から糸引き出し口101aを通ってボディ101の外部へ導出された前記糸102の端部にかるこ105が取り付けられ、前記糸引き出し口101aの近傍に突出長さが同じ二本の据付針104,104が、互いに略平行に取り付けられた概略構造を備える。そしてこの種の糸張り具は、建築作業等において、糸102を所要の長さに引き出し、かるこ105をそのかるこ針106によって相手材Wにおける一方の測定点P1に止着し、ボディ101を据付針104によって他方の測定点P2に据え付け、両者間に適当な張力を持たせて張られた糸102によって、墨汁などで相手材Wを汚損することなく施工に有用な直線を得るものである。
ここで、根太や垂木のように、比較的長い距離で糸102を張る場合は、この糸102が自重で弛んで直線性が損なわれることのないように、強く張る必要から、ボディ101を二本の据付針104,104の刺し込みによってしっかり据え付けるが、鴨居や窓枠部など、比較的短い距離で糸102を張る場合は、糸102にそれほどの張りを与える必要はないので、相手材Wをなるべく傷付けないように、ボディ101を一本の据付針104のみで据え付けている。ところが、従来の糸張り具によれば、二本の据付針104,104の突出長さが同じであるため、この場合は、ボディ101を斜めにしないと、一本の据付針104のみを相手材Wに刺すことができず、したがって作業が煩雑になるばかりでなく、据付針104の折れ曲がりの原因にもなっていた。
また、ボディ101の糸引き出し口101aは、二本の据付針104,104の間に開口しているため、通常は、ボディ101側の糸張りの起点を、相手材Wにおける測定点P2と一致させる目的で、二本の据付針104,104のうちの一方に、引き出した糸102を数回巻き付けてから、糸102を巻き付けた方の据付針104を前記測定点P2に刺すようにして、ボディ101を据え付けている。ところが、従来の糸張り具によれば、二本の据付針104,104の突出長さが同じであるため、一方の据付針104に糸102を巻き付ける作業がやりにくく、巻き付けの過程で、図10に示されるように他方の据付針104の先端104aに糸102が干渉して傷つき、糸102を強く張った時に切れる原因になっていた。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、一本の据付針のみによる止着作業を容易にすると共に、据付針への糸の巻き付けの際に糸が他方の据付針と干渉しにくい糸張り具を提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る糸張り具は、ボディ内に、糸が巻回された糸巻が回転可能に収容され、この糸巻からボディ端部の糸引き出し口を通って外部へ導出された前記糸の端部に糸止着部材が取り付けられ、前記糸引き出し口の近傍に、前記ボディを相手材に止着する複数の据付針が互いに略平行に取り付けられ、各据付針は、前記ボディ側の針支持部からの突出長さが互いに異なるものである。
請求項1の発明に係る糸張り具によれば、ボディを一本の据付針のみによって据え付ける際には、長いほうの据付針を相手材に刺し込むことができるため、従来のように斜めに刺す必要はなく、したがって作業が容易になると共に、据付針の折れ曲がりも発生しにくくなり、比較的長い距離で糸を張る場合は、糸が自重で弛んで直線性が損なわれることのないように、短いほうの据付針も相手材に刺し込むことによって、ボディをしっかり据え付けることができる。また、ボディ側の糸張りの起点を、相手材の一方の測定点と一致させる目的で、引き出した糸を長いほうの据付針に巻き付ける際に、複数の据付針の長さが同じである場合よりも巻き付けが容易になり、巻き付けの過程で糸が短いほうの据付針の尖端と干渉しにくくなるので、糸が傷ついて切れてしまう可能性を減少することができる。
以下、本発明に係る糸張り具の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明を自動巻き取りの糸張り具に適用した第一の形態を示す一側面図、図2は他側面図、図3は図1におけるIII−III線に沿って切断した断面図、図4は図2における環状蓋及びカバーを取り外し一部切断した他側面図である。
これらの図に示されるように、この形態による糸張り具は、片手で握ることができる程度の大きさのボディ1と、このボディ1を木材等の相手材に止着するための二本の据付針2,2と、ボディ1内に回転自在に保持された糸巻3と、この糸巻3に内蔵された巻き取りばね4と、この巻き取りばね4を任意に蓄勢させるためのばねチャージャ5と、糸巻3の外周に巻回され糸引き出し口21aから外部へ導出される糸6と、この糸6の端部に繋着されたかるこ7とを備える。かるこ7は、請求項1に記載された糸止着部材に相当するものである。
ボディ1は、合成樹脂からなるものであって、糸巻3の回転軸心と平行な方向の投影形状が前方後円状を呈し、円形の糸巻収納部1a及びその円周方向一部から張り出した糸案内部1bを有する。このボディ1は、皿状の本体ケース11と、図2及び図3に示されるようにこの本体ケース11に着脱自在に設けられた環状蓋12及びカバー13とを備える。
環状蓋12は糸巻収納部1aを開閉するものであって、この環状蓋12と、本体ケース11における糸巻収納部1aの周縁には、環状蓋12を円周方向へ適当な角度だけ回転させることによって、互いに掛止状態又は掛止解除状態となる掛合部11a,12aが複数箇所に形成されており、これによって環状蓋12が本体ケース11に対して着脱自在となっている。また、カバー13は糸案内部1bを開閉するもので、複数のビス14によって本体ケース11に取り付けられている。
ボディ1における糸案内部1bの先端には、二本の据付針2,2を一体に保持した針ホルダ21が設けられ、本体ケース11とカバー13との間に嵌合固定されている。針ホルダ21は請求項1における針支持部に相当するものであって、合成樹脂からなり、その中央には、ボディ1における糸案内部1bの内室へ連通した糸引き出し口21aが開設されている。この糸引き出し口21aは、外端が長円状の開口形状、内端が外端の短径を直径とする円形の開口形状となるように、扁平な漏斗状に形成されている。また、ボディ1における本体ケース11とカバー13との間には、糸引き出し口21aの内端に位置して、糸6を通す金属スリーブ15が嵌着されている。
据付針2,2は金属からなるものであって、針ホルダ21における糸引き出し口21aの長径方向の両側に、それぞれ針ホルダ21の端面に対して垂直に、すなわち互いに平行に植設されている。二本の据付針2,2は全体の長さが同じものであるが、針ホルダ21への埋設深さ、言い換えれば針ホルダ21からの突出長さが互いに異なっている。一例としては、突出長さの長いほうの据付針(長針)2Lの突出長さは12mm程度、突出長さの短いほうの据付針(短針)2Sの突出長さは8mm程度とし、すなわちその突出長さの差が4mm程度である。また、据付針2(長針2L及び短針2S)の植設部を含む針ホルダ21の先端部には、金属板からなる口金22が冠着されている。
針ホルダ21への据付針2,2の植設は、針ホルダ21を成形する金型(不図示)に据付針2,2をセットして、この金型のキャビティ内に溶融樹脂材を充填し、硬化させて、針ホルダ21を据付針2と一体に成形することにより行われたものである。そして、据付針2,2は同一長さのものを用いるため、突出長さを変更することによるコストの上昇や金型へのセットの際の煩雑さを生じない。
図3に示されるように、糸巻3は、合成樹脂で成形されたものであって、糸6を巻き取る糸巻ドラム31と、その内周に一体的に取り付けられたばねケース32とからなる。糸巻ドラム31は、内周部の側壁31aが環状蓋12の内周から外部へ露出しており、その外周に形成された一方の鍔部31bが、環状蓋12の内側面と摺動可能に近接対向している。このため、糸6の交換作業や、糸巻ドラム31への糸6の絡みつきを直す際には、環状蓋12を適当な角度だけ回転させて掛合部11a,12aによる掛止状態を解除し、本体ケース11から取り外すことによって、糸巻3を本体ケース11の糸巻収納部1a内から取り出すことができる。
巻き取りばね4は、帯状の長い鋼板を幾重にも巻回したぜんまいばねであって、糸巻3のばねケース32内に収容され、一端がこのばねケース32に固定されると共に、他端が後述するばね芯51に固定されている。
ばねチャージャ5は、糸巻3におけるばねケース32の内周に同心的かつ相対回転可能な状態に組み込まれたばね芯51と、本体ケース11の外側面に凹設された円形凹部11bにばね芯51と同心的にかつ回転可能な状態で嵌合されたチャージハンドル52と、本体ケース11の内側にばね芯51と同心的に配置されたクラッチ部材53とを備えるもので、これらの部材は、合成樹脂で成形されている。クラッチ部材53は、本体ケース11の軸孔に挿通されたチャージハンドル52の中心軸にビス54で固定されている。
クラッチ部材53は、ばね芯51におけるチャージハンドル52側の端部に形成された円盤状の頭部51aと、スパイラル状の段差面53a,51b同士が、ばね芯51に巻き取りばね4の付勢力により与えられるトルクによって、ワンウェイクラッチ状に掛合されている。すなわちクラッチ部材53は、巻き取りばね4を蓄勢させるようにばね芯51を回転させる方向にのみ、言い換えれば、巻き取りばね4を弛緩させる方向へのばね芯51の回転を阻止する方向にのみ、ばね芯51の頭部51aと掛合するものである。
チャージハンドル52には指掛け穴52aが開設されており、ここに手指を掛けることによってチャージハンドル52を巻き取り方向(図1における時計方向)へ手動回転させることができる。チャージハンドル52の外周近傍部に開設された小孔52bには、係止ピン55が挿通され、コイルスプリング56によって、常時チャージハンドル52の内側へ没入する方向に付勢されている。一方、チャージハンドル52が保持された本体ケース11の円形凹部11bの底部には、チャージハンドル52をその中心軸の周りに回転させた時の係止ピン55の軌跡と対応する円弧状に延びるスパイラル面(不図示)が形成されており、このスパイラル面は、糸巻3の巻き取り方向と反対の方向、言い換えれば巻き取りばね4を弛緩させる方向の端部へ向かって漸次深くなるように形成されている。そしてチャージハンドル52は、係止ピン55の内端が、前記スパイラル面の最深部と係合することによって、図1における反時計方向すなわち巻き取りばね4の弛緩方向への回転が阻止されるようになっている。
糸巻3の糸巻ドラム31におけるチャージハンドル52側の鍔部31cには、図4に破線で示されるように、多数の突起31dが円周方向等間隔で形成されている。一方、カバー13を取り付けるビス14をねじ込むために本体ケース11に形成された雌螺子筒11cのうちの一つには、ロック部材16が取り付けられている。このロック部材16は、前記雌螺子筒11cに回転自在に外挿された軸受筒16aに、ボディ1の外側へ突出した操作レバー16bと、その反対側へ延びる係合片16cとを一体に有するもので、操作レバー16bを手指で操作することによって、図中二点鎖線で示されるように軸受筒16aを中心として角変位し、糸巻ドラム31における円周方向いずれかの突起31dと干渉して、図4における時計方向すなわち糸巻3の糸引き出し方向への回転を阻止するラチェット機構を構成するものである。
糸6は、糸巻3を図4における反時計方向(図1における時計方向)に回転させることによって巻き取られるように、糸巻ドラム31の鍔部31b,31c間に、図4における時計方向に巻回されており、ボディ1における糸案内部1b内の金属スリーブ15を通って、針ホルダ21の糸引き出し口21aから外部へ導出されている。
かるこ7は、合成樹脂製の柄71と、この柄71に基部が埋設固定された金属製のかるこ針72と、このかるこ針72の外側に配置された合成樹脂製の保護材73とからなる。柄71は扁平な形状であって、針ホルダ21の糸引き出し口21aへの挿入が不可能な大きさに形成されている。保護材73は、前記糸引き出し口21aに挿入可能であって、かるこ針72を挿通した状態で柄71に着脱可能に係止された基部73aと、この基部73aの中央部からかるこ針72の外周を螺旋状に延びる第一スプリング部73bと、その先端に設けられた押環73cと、基部73aの両端と押環73cの間を湾曲して延びる一対の第二スプリング部73dからなり、かるこ針72はその尖端部72aのみが前記押環73cから突出している。そして、糸6の端部6aは、保護材73における押環73c及び第一スプリング部73bの内周を通って、かるこ針72の根元に巻き付けられると共に柄71にスリット状に形成された繋着孔71aに繋着されている。
また、かるこ7の柄71には、幅方向両側に、かるこ針72と平行な方向に延びる一対の据付針収納溝71bが形成されている。そして、糸6を巻き取ることによって、かるこ7をかるこ針72及び保護材73が糸引き出し口21aに挿入された状態に係止した時に、ボディ1側の据付針2(長針2L及び短針2S)を、前記据付針収納溝71bに差し込んで収納することができるようになっている。
上述の構成を有する糸張り具は、かるこ7が糸引き出し口21aに係止されるまで糸6を完全に巻き取った状態、又はかるこ7を糸張り対象部材に止着して糸6を張設した状態で、チャージハンドル52を巻き取り方向(図1における時計方向)へ回転させた場合は、糸巻ドラム31は、同方向への回転を阻止されているため、クラッチ部材53を介してチャージハンドル52と共に回転するばね芯51に巻き取りばね4を巻き込んで任意に蓄勢することができ、係止ピン55を手指で摘めば、チャージハンドル52を巻き取りばね4の蓄勢方向及び弛緩方向のうち任意の方向へ回転させることができる。また、チャージハンドル52を巻き取りばね4の蓄勢方向へ回転させている途中で過って手指を離しても、チャージハンドル52が巻き取りばね4の弛緩方向(図1における反時計方向)へ回転する過程で、図3に示されるコイルスプリング56の付勢力によって係止ピン55がボディ1のスパイラル面の最深端部と係合するので、巻き取りばね4の不用意な弛緩を最小限に抑えることができる。
図5は、この形態による糸張り具を用いて糸を張った状態を示す説明図、図6は、据付針2に糸6を巻き付ける過程を示す説明図である。糸張り作業においては、図5に示されるように、まずかるこ7を、そのかるこ針72を相手材Wに突き刺すことによって糸張りの一方の測定点P1に止着する。このとき、かるこ7における保護材73が図5のように撓み変形することによって、かるこ針72の刺し込みが許容される。
かるこ7を止着したら、ボディ1を糸張りの他方の測定点P2へ向けて移動させることによって、糸巻3の糸巻ドラム31に巻かれた糸6を、ボディ1の移動距離分だけ繰り出す。このとき、糸巻3が糸6の引き出し方向へ回転されるのに対し、このとき、糸巻3が糸6の引き出し方向へ回転されるのに対し、同方向へのばね芯51の回転は、ばねチャージャ5のワンウェイクラッチ機構によって阻止される。このため、糸巻3の糸引き出し方向への回転に伴って、巻き取りばね4がばね芯51に巻き込まれ、蓄勢されて行く。
ボディ1を糸張りの他方の測定点P2の近傍まで移動させたら、ロック部材16を、その操作レバー16bを手指で操作することによって、図4に二点鎖線で示されるように変位させてから、更に糸6を引く方向へボディ1を移動させると、糸巻3の糸引き出し方向(図4における時計方向)への回転が、糸巻3の円周方向一つの突起31dとロック部材16の係合片16cとの干渉によって阻止されるため、糸6に十分な張力を持たせることができる。
次に、上述のように糸巻3をロックして糸6に張りを与えた状態で、図5に示されるように、据付針2を相手材Wに突き刺すことによって、ボディ1を据え付ける。ここで、鴨居や窓枠部など、比較的短い距離で糸6を張る場合は、糸6にそれほどの張りを与える必要はないので、相手材Wになるべく傷を付けないように、ボディ1を一本の据付針2(長針2L)のみの刺し込み(長針2Lの刺し込み深さが4mm未満)によって据え付けることができる。そしてこの場合、二本の据付針2の長さが互いに異なるため、従来のように斜めに刺す必要はなく、したがって作業が容易になると共に、据付針2の折れ曲がりも発生しにくくなる。
また、根太や垂木のように、比較的長い距離で糸6を張る場合は、この糸6が自重で弛んで直線性が損なわれることのないように、長針2Lのほか、短針2Sも相手材Wに刺し込まれるように、長針2Lを深く刺し込む。この場合、長針2L及び短針2Sの双方が相手材Wに刺し込まれるばかりでなく、長針2Lの刺し込み深さも深くなることによって、ボディ11がしっかり据え付けられるので、糸6に十分な張りを与えることができる。
また、通常は、ボディ1側の糸張りの起点を、相手材Wにおける一方の測定点P2と一致させる目的で、二本の据付針2,2のうちの一方に、引き出した糸6を数回巻き付けてから、糸6を巻き付けた長針2Lが前記測定点P2に位置するようにして、ボディ1を据え付ける。このとき、糸6は長針2Lに巻き付けるため、二本の据付針2,2の突出長さが同じであった従来のものと比較して巻き付けが容易になり、しかも図6に示されるように、巻き付けの過程で糸6が他方の据付針(短針2S)の尖端と干渉しにくくなるので、糸6が傷ついて切れてしまうおそれを減少することができる。
糸張り作業終了後は、ボディ1を相手材Wから据付針2の引き抜きにより取り外してかるこ7側へ移動させ、かるこ7を相手材Wから取り外せば、糸6の引き出し過程で蓄勢された巻き取りばね4によって、糸巻3が巻き取り方向へ回転するため、糸6は、かるこ7が針ホルダ21の糸引き出し口21aに係止されるまで、糸巻3の糸巻ドラム31に自動的に巻き取られる。
なお、二本の据付針2,2のいずれか、又は双方が万一折損したような場合は、ビス14を弛緩してボディ1におけるカバー13を本体ケース11から取り外すことによって、針ホルダ21ごと交換する。
次に図7は、本発明に係る糸張り具の第二の形態を示す一側面図、図8は図7におけるVIII−VIII線に沿って切断した断面図である。上述した第一の形態は、ばねによる自動巻き取り式の糸張り具に本発明を適用したものであるのに対し、図7及び図8に示される第二の形態のものは、手動巻き取り式の糸張り具に本発明を適用したもので、糸巻3には巻き取りばねが内蔵されておらず、ばねチャージャも存在しない代わりに、糸巻3が、トルク伝達部材35及び回転盤33を介して手動ハンドル34により手動回転されるものである。その他の部分は、基本的に第一の形態と同様の構成を備える。
すなわち、図7及び図8において、参照符号1はボディ、2(2L,2S)はこのボディ1を木材等の相手材に止着するための二本の据付針、3はボディ1に回転自在に保持された糸巻、6は糸巻3の外周に巻回され糸引き出し口21aから外部へ導出される糸、7はこの糸6の端部に繋着されたかるこである。
糸巻3は、図8に示されるように、ボディ1における糸巻収納部1aに回転可能に収容された糸巻ドラム31と、本体ケース11の外側面に凹設された円形凹部11bに糸巻ドラム31と同心的に配置されると共に内周の中空円筒部33aが円形凹部11bの内周の軸孔部11dに回転可能に挿入された回転盤33と、この回転盤33に設けられた手動ハンドル34と、糸巻ドラム31の内周及び回転盤33における中空円筒部33aの双方に円周方向に対して係合され、ビス36によって前記中空円筒部33aと結合されたトルク伝達部材35とからなる。トルク伝達部材35は、手動ハンドル34によって回転盤33に与えられた回転トルクを糸巻ドラム31へ伝達するものである。また、このトルク伝達部材35は糸巻ドラム31の内周に挿入されているのみであるため、糸6の交換作業や、糸巻ドラム31への糸6の絡みつきを直す際には、ボディ1の本体ケース11から環状蓋12を取り外すだけで、糸巻ドラム31をボディ1の糸巻収納部1a内から取り出すことができる。
回転盤33の外側面には、図7に示されるように、互いに平行な二本の突条33b,33bが形成されており、手動ハンドル34は、この突条33b,33bの一端に、回転盤33の軸心を中心とする円周に対する接線方向に架設された軸34aを介して取り付けられている。また、この手動ハンドル34は、アーム34bと、その先端に前記軸34aに対して垂直な方向に突設された軸部34cの周りに回転自在かつ抜け止めされた状態に取り付けられた筒状のつまみ34dとからなり、アーム34bが回転盤33の突条33b,33b間に収容されると共に、つまみ34dが回転盤33の中空円筒部33aの内周へ収容された状態から、図8に二点鎖線で示されるように回転盤33の外周側へ開いた位置まで、前記軸34aを中心として角変位可能となっている。
また、回転盤33における突条33b,33b間であって軸34aの下側の部分には、板ばね部33cが形成されており、アーム34bの基部34eは、この手動ハンドル34を図8に実線で示される状態と二点鎖線で示される状態の間を角変位する過程で、前記板ばね部33cを押圧して僅かに弾性変形させるようなカム形状に形成されている。このため、前記実線で示される状態又は二点鎖線で示される状態から不用意に揺動変位することがないようになっている。
また、ボディ1における糸案内部1bの内室には、糸巻ドラム31と金属スリーブ15との間での糸6の経路に位置して、圧縮綿あるいは発泡樹脂等からなる摩擦部材(不図示)が保持されており、糸6がこの摩擦部材に接触されている。この摩擦部材は、手動ハンドル34によって糸6を巻き取る際に、糸巻ドラム31との間で糸6に摩擦抵抗による適当なテンションを与え、糸巻ドラム31に密に巻き取られるようにする作用を有するものである。
据付針2,2は、第一の形態と同様に構成されており、すなわちボディ1における糸案内部1bの先端にあって本体ケース11とカバー13との間に嵌合された針ホルダ21に、この針ホルダ21に開設された糸引き出し口21aの長径方向の両側に位置して、一体に保持されており、針ホルダ21への埋設深さの相違によって、針ホルダ21からの突出長さが互いに異なっている。また、据付針2(長針2L及び短針2S)の植設部を含む針ホルダ21の先端部には、金属板からなる口金22が冠着されている。
したがって、この形態においても、第一の形態と同様、糸張り作業に際して、ボディ1を一本の据付針2(長針2L)のみによって据え付ける場合、斜めに刺す必要はなく、糸6を大きな張力で張る場合は、長針2L及び短針2Sの双方を相手材に刺し込むようにすることによって、ボディ11をしっかり据え付けることができる。また、引き出した糸6を長針2Lに巻き付ける過程で、糸6が短針2Sの尖端には干渉しにくいので、糸6が傷ついて切れてしまうおそれを減少することができる。
本発明に係る糸張り具の第一の形態を示す一側面図である。 図1の糸張り具の他側面図である。 図1におけるIII−III線に沿って切断した断面図である。 図2における環状蓋及びカバーを取り外し一部切断した他側面図である。 第一の形態による糸張り具を用いて糸を張った状態を示す説明図である。 第一の形態による糸張り具において据付針に糸を巻き付ける過程を示す説明図である。 本発明に係る糸張り具の第二の形態を示す一側面図である。 図7におけるVIII−VIII線に沿って切断した断面図である。 従来の糸張り具の使用状態を示す概略構成説明図である。 従来の糸張り具において据付針に糸を巻き付ける過程を示す説明図である。
符号の説明
1 ボディ
2 据付針
2L 長針
2S 短針
21 針ホルダ(針支持部)
21a 糸引き出し口
22 口金
3 糸巻
4 巻き取りばね
5 ばねチャージャ
6 糸
7 かるこ(糸止着部材)

Claims (1)

  1. ボディ内に、糸が巻回された糸巻が回転可能に収容され、この糸巻からボディ端部の糸引き出し口を通って外部へ導出された前記糸の端部に糸止着部材が取り付けられ、前記糸引き出し口の近傍に、前記ボディを相手材に止着する複数の据付針が互いに略平行に取り付けられ、各据付針は、前記ボディ側の針支持部からの突出長さが互いに異なることを特徴とする糸張り具。
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