JP4881285B2 - ペット用のリード収納装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、リードの繰り出しおよび巻き取りをロックすることができかつ小型化可能でデザインへの制約が少ないリード収納装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係るペット用のリード収納装置は、付勢力を蓄える部材を備えリードが繰り出されるときに正回転して前記付勢力を蓄え前記付勢力により逆回転してリードを巻き取るリールと、前記リールと一体化されて前記リールの回転中心を中心とする円の周上に等間隔に複数配され前記円の径方向の外方に凸であって前記リールとともに回転し停止する爪と、前記爪よりも前記径方向の外方において前記リールの回転軸に平行なピン軸を中心に回動可能であり、前記ピン軸に直交する方向に伸びて隣り合う前記爪の間に位置するときに前記リールの正回転および逆回転を阻止する係合部を有するロックピンと、その付勢力により隣り合う前記爪の間に前記係合部が位置するように前記ロックピンを回動させる付勢部材と、前記円の法線方向に往復移動可能でありその一方の移動端側に移動するとき前記ロックピンを押圧して隣り合う前記爪の間から前記係合部が抜け出るように回動させるロック解除部材と、板バネと、前記リール、前記爪、前記ロックピン、前記付勢部材、前記ロック解除部材および前記板バネを内部に収納する本体と、を有し、前記ロック解除部材は、前記ピン軸に平行な面である当接面を有し、前記板バネは、湾曲する第1の部分と、前記第1の部分の一方の端に連続し前記第1の部分よりも小さな曲率半径で湾曲してかつその曲率中心が前記第1の部分の曲率中心の反対側にある第2の部分と、を有し、および前記第1の部分および前記第2の部分の母線が前記リールの回転軸に平行となるように配されてその両端が移動不能に前記本体内に保持され、前記第2の部分が前記当接面を押圧して前記ロック解除部材の移動を妨げるように構成される。
また、前記当接面は、前記ロック解除部材が前記他方の移動端から前記一方の移動端に移動するにしたがって前記第2の部分をその曲率中心側に移動させて前記板バネの第1の部分の曲率半径を小さくするように前記往復移動方向に対して傾斜している。
本体2は、第1本体カバー3、第2本体カバー8、リール9、ゼンマイバネ10、リール停止装置11およびキャップ12からなる。
第1本体カバー3は、第2本体カバー8とともに本体2の略円柱状の外観を形成する。また、第1本体カバー3は、第2本体カバー8と組み合わされて、内部にリール9、ゼンマイバネ10、リール停止装置11および巻き取られたリード6を収納する。
第1壁部13には、内面の内方に、第1壁部13と同心円であって第1壁部13よりも高さが低い略円筒状のリール隔離部15が設けられている。リール隔離部15は、その円筒状の一部が欠落しており、両欠落端の間における第1壁部13には、リール隔離部15の法線方向に延びたスイッチ案内孔16が貫通している。スイッチ案内孔16の周囲は、リール隔離部15の欠落部分に略等しい幅でスイッチ案内溝17が設けられている。スイッチ案内溝17の長手方向両端は、後に説明するスライドスイッチ4におけるロック部18の長手方向端面の湾曲に合わせた、外方に凸となる曲面となっている。
第1側壁部14は、スイッチ案内孔16の長手方向延長線上に、異なる曲率半径を有し断面形状が半円形であって隣あうそれぞれが段を有して連なる凹状の第1キャップ収容溝21を有する。第1側壁部14には、第1キャップ収容溝21の反対側に、ストラップを取り付けるための第1ストラップ用溝22が設けられている。
バネ押さえ部27は、長手方向の一方の端から他方の端に向けて全体の略4分の3の範囲を占め、バネ押さえ部27の一方の側面29(図4における上側の側面。以下「当接面29」という。)は、内側に向かうにつれて他方の側面との距離が短くなるように内方に傾斜している。バネ押さえ部27には、連結部26の断面形状に略等しい断面形状の連結孔30が、その長手方向をロック部18の長手方向に一致させて設けられている。
スライドスイッチ4のスイッチ案内孔16への取り付けは、次のようにして行われる。最初に、操作部23の連結部26が、第1壁部13の外面側からスイッチ案内孔16にはめ込まれる。続いて、第1壁部13の内面側において、スイッチ案内孔16を突き抜けた連結部26が、ロック部18の連結孔30にはめ込まれる。このとき、ロック部18は、段を有しない面側から連結部26がはめ込まれる。連結部26は、スイッチ案内溝17の厚さとバネ押さえ部27の厚さとを加えた長さを有する。連結部26は、連結孔30において接着剤により固定される。
スイッチ案内孔16に取り付けられたスライドスイッチ4は、連結部26がスイッチ案内孔16に案内され、ロック部18の段を有しない面側がスイッチ案内溝17に案内されて、円滑にリール隔離部15の法線方向に移動する。
また、板バネ5は、スライドスイッチ4がスイッチ案内孔16に案内されて第1キャップ収容溝21側に移動するにしたがって、第2端35と当接面29との距離が短くなるように配されている。
ピン支持部40は、第2側壁部37の内周面の直近に垂直に伸びる、その断面が円の4分の1を切り取ったような形状のピン支持溝41を形成している。ピン支持部40における第2キャップ収容溝38側は、第2側壁部37と同じ高さのピン支持部40における他の部分よりも高くなっている。この、ピン支持部40における第2側壁部37よりも高い部分を誘導部42というものとする(図8および図9(a)参照)。
第2壁部36は、その内側の中心に、垂直に伸び外周断面が略円形のリール軸43を有する。リール軸43には、その軸心を含む係止溝44により2分されている。また、第2壁部36は、第1壁部13におけるリール隔離部15に対応する位置(接合面に対して面対称となる位置)に、リール隔離部15よりも高さの低い、リール軸43と同心円の環状のリール隔離部が設けられている。
胴部45は、リード6を巻き取るためのものである。
下底部46は、略円形の板状であって、中心にはリール軸43が貫通可能な孔48が設けられている。
基板49は、下底部46と略同じ径を有する円形板状であり、中心にはリール軸43が貫通可能な孔51が設けられている。
爪部50は、基板49の外側の面71上に肉厚部分として形成され、基板49と同心円である環状の支持面52、および同一形状の8つの爪53を有する。
爪53は、支持面52よりも肉厚となっており、支持面52の外側端縁の外方に、周方向に等間隔に配されている。爪53は、正面視(図7および図8)において、鈍角と1つの頂角とを支持面52の外側端縁の近傍に配した鈍角三角形を基礎とする形状を有する。爪53は、鈍角三角形おける鈍角を形成しない辺に相当する面が外方に凸状の曲線で形成され、かつこの面の外方端において他の1辺に相当する面との間に形成される頂角を湾曲線(湾曲面)に置き換えたような形状である。以下、爪53における、鈍角から外方に伸び正面視がこの湾曲線の面に至る面を係合面54といい、この係合面54と外方において連続する「鈍角三角形おける鈍角を形成しない辺」に相当する面を湾曲側面55という。係合面54は平面であるが、外方に向けて凸状の曲面または内方に向けて凹状の曲面とすることができる。
ゼンマイバネ10は、幅に比べて極めて長い弾性を有する金属板が渦巻き状に巻かれて形成されたバネである。ゼンマイバネ10の内側端部は、内側に鋭角に折り曲げられている。
ロックピン56は、円柱状の径大部58、径大部58の一端に段を有して連続し径大部58よりも径小で長さの短い径小部59、および径大部58の径小部59側端から直角に伸びる係合部60からなる。径大部58は、第2本体カバー8におけるピン支持溝41の内面の曲率半径よりも僅かに小さい半径を有し、ピン支持溝41内で回動可能である。径小部59は、ピン支持孔20の径よりも僅かに小さい径を有し、ピン支持孔20内で回動可能である。
キャップ12は、第1本体カバー3と第2本体カバー8とが接合されたときに第1キャップ収容溝21と第2キャップ収容溝38とが形成する貫通孔に保持される。したがって、キャップ12は、貫通孔の内面形状と略等しい外形を有する。キャップ12には、軸心を貫通する孔68が設けられている。
リード6は、ナイロン繊維で編まれた丸紐である。
ナスカン7は、リード6を、例えば犬の首輪に取り付けられたDカンに連結するためのものである。ナスカン7は、熱可塑性エラストマー(合成ゴム)で製作された接続具69によりリード6に連結されている。ナスカン7は、ダイキャスト製品であり、一般に広く使用されるものである。
ゼンマイバネ10を胴部45内に収納させてリール9が組み立てられる。ゼンマイバネ10の外側の端は、胴部45の内面に直接にまたは間接に固定される。また、ゼンマイバネ10は、爪53との関係において爪53が傾く方向とは逆側に巻き径が小さくなるように、つまり、爪53が傾く方向とは逆の方向(図7における矢印R方向)にゼンマイバネ10の付勢力が働くように、胴部45内に収納される。
ナスカン7がキャップ12に接触する程度にまでリード6が巻かれたリール9の下底部46側の孔48に、第2本体カバー8のリール軸43を挿通させる。続いて、上底部47の孔51からゼンマイバネ10の内側の鋭角に曲げられた端が操作されて、この鋭角に曲げられた端がリール軸43に設けられた係止溝44にはめ込まれる。この後、上底部47の孔51にリール軸43が通されて、リール9は第2本体カバー8に回動可能に取り付けられる。第2本体カバー8のピン支持部40における誘導部42は、その先端面70が、リール9が第1本体カバー3に取り付けられた後の基板49の外側の面71が属する面内に存在するように、その高さが決定されている。
本体2内では、リール9の支持面52はリール隔離部15に当接し、リール9がリール軸43を軸方向に不規則に移動するのを防止する。リール9の下底部46も、第2本体カバー8の第2壁部36に設けられたリール隔離部に当接し、リール9の不規則な移動を防止する効果を高めている。
スライドスイッチ4がキャップ12側の移動端(図1におけるロック解除位置)に位置するとき、スライドスイッチ4のピン押さえ部28は、ロックピン56の係止部62におけるリール軸43側の側面75を押圧し、ねじりコイルバネ57の付勢力に逆らって、ロックピン56をキャップ12側の回動端に保持する(図8における2点鎖線のロックピン56参照)。
図8を参照して、スライドスイッチ4がロック位置にあるとき、ロックピン56は、ねじりコイルバネ57による付勢力により爪53側に回動する。そして、係合部60は、爪53と爪53との間にはまり込む。係合部60は、この状態で、爪53における湾曲側面55の曲がりよりも小さい係合部湾曲面66が、ロックピン56の回動中心Oに近い部分Pで湾曲側面55に当接するように形成されている。
また、リール停止装置11の設計において、係合部60が湾曲側面55に当接する点Pの設定の精度を高めたい場合等には、図10に示されるロックピン56Bのように、係合部60Bにおける爪側53の側面66Bに、2〜5mm突出するピン状の突起物77Bを設けるのが好ましい。そして、このようなロックピン56Bが使用されるリール停止装置では、リード6の巻き取りを阻止する際にピン状の突起物77Bに押圧される爪の側面(爪53における湾曲側面55に対応する側面)を湾曲面でなく平面とすることができる。
リール停止装置11Cは、その形状に対応した爪53Cが設けられたリール9Cとともに使用される。
以下の説明および図12において、リール停止装置11が使用されたリード収納装置1と略同一の構成を有するものについては、リード収納装置1におけるものと同一の符合を付し、その説明を省略することがある。
ロックピン56Cは、径大部58、径小部59、および径大部58の径小部59側端から直角に伸びる係合部60Cからなる。ロックピン56Cにおける径大部58および径小部59は、それぞれロックピン56における径大部58および径小部59と同じ構成である。
掛止面79Cは、先端面73の先端からの距離が、隣り合う爪53C,53Cの一方の係合面54と他方の被掛止面78Cとの距離より若干小さくなる位置に形成される。
ねじりコイルバネ57は、リール停止装置11におけるものと同一である。
上述の実施形態において、本体2、スライドスイッチ4、リール9,9Cおよびその他のリード収納装置1を構成する各部の形状を、種々のものとすることができる。
例えば、ロックピン56,56Cにおける係合部60,60Cの先端面73は、湾曲する曲面でなく平面であってもよい。リール9,9Cに設けられた爪53,53Cの基本形状は鈍角三角形に限られない。爪の形状は、ロックピンの係合部の先端面が爪の係合面に当接するときに、爪の係合面への当接を解除する方向にロックピンを回動させる回転モーメントよりもねじりコイルバネ57の付勢力による爪の係合面への当接を維持する回転モーメントが大きくなるようにロックピン56,56Cと当接するものであれば、2等辺三角形、矩形または台形等の任意の基本形状を選択することができる。
その他、リード収納装置1、およびリード収納装置1の各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
3 本体(第1本体カバー)
5 板バネ
6 リード
8 本体(第2本体カバー)
9,9C リール
10 付勢力を蓄える部材(ゼンマイバネ)
18 ロック解除部材(ロック部)
29 当接面
32 第1の部分(第1部分)
33 第2の部分(第2部分)
53,53C 爪
56,56C ロックピン
57 付勢部材(ねじりコイルバネ)
58 ピン軸(径大部)
59 ピン軸(径小部)
60,60C 係合部
64 一方の腕(腕部分)
67 他方の腕(腕部分)
76 ロック解除部材における他方の移動端側の端面(ロック部のリール軸側の端面)
Claims (4)
- 付勢力を蓄える部材を備えリードが繰り出されるときに正回転して前記付勢力を蓄え前記付勢力により逆回転してリードを巻き取るリールと、
前記リールと一体化されて前記リールの回転中心を中心とする円の周上に等間隔に複数配され前記円の径方向の外方に凸であって前記リールとともに回転し停止する爪と、
前記爪よりも前記径方向の外方において前記リールの回転軸に平行なピン軸を中心に回動可能であり、前記ピン軸に直交する方向に伸びて隣り合う前記爪の間に位置するときに前記リールの正回転および逆回転を阻止する係合部を有するロックピンと、
その付勢力により隣り合う前記爪の間に前記係合部が位置するように前記ロックピンを回動させる付勢部材と、
前記円の法線方向に往復移動可能でありその一方の移動端側に移動するとき前記ロックピンを押圧して隣り合う前記爪の間から前記係合部が抜け出るように回動させるロック解除部材と、
板バネと、
前記リール、前記爪、前記ロックピン、前記付勢部材、前記ロック解除部材および前記板バネを内部に収納する本体と、を有し、
前記ロック解除部材は、
前記ピン軸に平行な面である当接面を有し、
前記板バネは、
湾曲する第1の部分と、
前記第1の部分の一方の端に連続し前記第1の部分よりも小さな曲率半径で湾曲してかつその曲率中心が前記第1の部分の曲率中心の反対側にある第2の部分と、を有し、
および前記第1の部分および前記第2の部分の母線が前記リールの回転軸に平行となるように配されてその両端が移動不能に前記本体内に保持され、
前記第2の部分が前記当接面を押圧して前記ロック解除部材の移動を妨げるように構成された
ことを特徴とするペット用のリード収納装置。 - 前記板バネは、
前記ロック解除部材が前記一方の移動端に位置するときに、前記第2の部分が前記当接面から外れて前記ロック解除部材における他方の移動端側の端面に当接するように配置された
請求項1に記載のペット用のリード収納装置。 - 前記当接面は、
前記ロック解除部材が前記他方の移動端から前記一方の移動端に移動するにしたがって前記第2の部分をその曲率中心側に移動させて前記板バネの第1の部分の曲率半径を小さくするように前記往復移動方向に対して傾斜する
請求項2に記載のペット用のリード収納装置。 - 前記付勢部材は、
一方の腕が前記係合部の先端側に保持され他方の腕が前記本体に保持されそのコイル部分が前記ピン軸の外周にはめ込まれたコイルバネである
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のペット用のリード収納装置。
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