JP4574571B2 - ラケット - Google Patents

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Description

本発明は、ラケットに関し、特に、テニスラケットにおいてラケットフレームの重量増加を抑制しながら反発性の向上を図るものである。
近年、特に女性やシニア層のために、少ない力で飛び性能の高いラケットへの要望が強まっている。そのため、ラケットフレームの材料は、金属や木材ではなく、軽量で比強度が高く、設計自由度も高い繊維強化樹脂が主流となっている。
しかしながら、ラケットフレームとボールとの二物体が衝突する観点からみると、エネルギー保存則により、ラケットフレームが軽くなるとボールの反発係数は低下する。よって、ラケットフレームの軽量化は反発性能の低下を招くこととなる。
この点を解決するには、フレームの厚みを増加させて打球面剛性を高めることや、重心を先寄りにすることによりスイング方向の慣性モーメントを高めることが考えられる。しかしながら、軽量性を維持しながらフレームの厚みを増加させると、肉厚が薄くなり、強度や剛性を低下させることになる。また、スイング方向の慣性モーメントを大きくすれば、プレーヤーにはラケットが重く感じられ、操作性を悪化させる。そのほか、フレームに反発促進構造を搭載することも考えられるが、反発促進構造の搭載は重量増加を招き、操作性が悪化する。
そこで、ラケットの良好な操作性と反発性の両立を図ることが課題となっている。
この課題に関し、特開2002−191723号(特許文献1)では、図8に示すように、ラケットフレーム1の打球面を囲むガット張架部の少なくとも一部に、フレーム幅方向に貫通する窓穴2を設け、該窓孔2内にガット支持体3を、打球時にガット5の撓みに追随して打球方向に振動するように弾性体4を介して支持固定することが提供されている。これにより、打球面を拡大させることなくスイートエリアを拡大できるため、ラケットフレームの重量増加やスイング時の風圧増加を伴わず、良好な操作性を得ながら反発性も向上できるとされている。
しかしながら、前記ガット支持体3は強度確保の必要から中実構造であり、また、ガット支持体3を包持する弾性体4も振動励起のために重くなるため、ラケット重量が増加して操作性が低下する問題がある。
特開2002−191723号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、重量増加が抑制されて良好な操作性を有すると共に優れた反発性を備えるラケットの提供を課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、1本の管状体からなるラケットフレームの打球面を囲むガット張架部の少なくとも一部に、打球面に対して垂直方向のフレーム厚み方向に貫通する中空部が設けられ、該中空部を挟むフレーム幅方向の両側に外側フレームと内側フレームが設けられ、かつ、
前記外側フレームと内側フレームにはストリング孔が連通して設けられ、内側フレームに設けられている内側ストリング孔は、挿通されたストリングと接触しないように空隙を設けて形成され、
前記内側ストリング孔から前記中空部を通して前記外側ストリング孔に挿通するストリングは、前記外側ストリング孔の内側開口位置を撓み起点とし、前記内側ストリング孔および前記中空部の挿通領域をストリングの可動領域としていることを特徴とするラケットを提供している。
前記構成のラケットは、前記中空部を設けた箇所では、打球面と直交する打球方向に2本のフレーム、即ち、外側フレームと内側フレームを有するため、打球面剛性を高めることができる。従って、ボール打球時のフレーム変形が小さくなり、エネルギーロスを低減できるため、反発性が向上する。
また、フレーム幅方向に貫通する窓孔(中空部)を設けた従来例と異なり、前記中空部はフレーム厚み方向に貫通しているため、該中空部にガット張設材などの部材を取り付ける必要がなく、該中空部を中空状態のままとしてストリングを張設することができ、重量増加を殆ど伴わず、良好な操作性を維持することができる。従って、繊維強化樹脂製などの軽量ラケットにおいても、その軽量性を維持したまま反発性を高めることができる。
前記のように、外側フレームと内側フレームにはストリング孔が連通して設けられ、内側フレームに設けられている内側ストリング孔は、挿通されたストリングと接触しないように空隙を設けて形成されている
これにより、ストリングの撓みの起点を外側に移行させることができ、ストリングの可動範囲が広がるため、この点からも反発性を高めることができる。
ストリングと内側ストリング孔との接触を確実に防ぐために、ストリング表面と内側ストリング孔の内周面との間には、0.5mm以上、さらに1.0mm以上、特に1.5mm以上の隙間αを全周囲にわたって形成することが好ましい。一方、内側ストリング孔の径を大きくしすぎるとフレーム強度が不足しやすくなるため、前記隙間αは、5mm以下、さらに4mm以下、特に3mm以下とすることが好ましい。
ストリング保護材をフレームに装着する場合は、ストリング孔に挿通されるストリング保護材のグロメット筒部の長さは、該筒部の先端が、内側ストリング孔に達することなく、前記中空部内に配置される長さとすることが好ましい。これにより、内側ストリング孔がストリングの撓みの起点となることを防ぎ、ストリングの可動範囲を拡大するとともに、外側フレームのストリング孔(以下「外側ストリング孔」と略す)とストリングとの接触からストリングを保護することができる。
外側ストリング孔の内径は、組立作業性の観点から、ストリング径よりも、あるいはグロメットを装着する場合におけるグロメット筒部の外径よりも、0.1mm以上、さらに0.2mm以上、特に0.3mm以上大きく設定することが好ましい。一方、外側ストリング孔の径を大きくしすぎるとフレーム強度が不足しやすくなるため、外側ストリング孔の内径とストリング径あるいはグロメット筒部外径との差は、2mm以下、さらに1.5mm以下、特に1mm以下が好ましい。
前記中空部は、そのフレーム周方向の長さの中心位置が、前記ラケットフレームの前記打球面を時計面とみてトップ部を12時とした場合において、12時、1時半、3時、4時半、7時半、9時、10時半のいずれかに当たる位置に配置されると共に、トップ部とグリップ中心を結んだラケット中心軸を挟んで左右対称に配置されるように形成されていることが好ましい。
これは、前記12時位置に中空部を設けると、縦ストリング中心付近のストリング可動領域を大きくすることができ、ラケットの最大反発係数向上に効果的であり、1時半位置および10時半位置に中空部を設けると、縦ストリングおよび横ストリングの中心より外周側のストリングの可動領域を大きくすることができ、スイートエリアの拡大に効果的であり、3時位置および9時位置に中空部を設けると、横ストリング中心付近のストリング可動領域を大きくすることができ、ラケットの最大反発係数向上に効果的であり、4時半位置および7時半位置に中空部を設けると、縦ストリングおよび横ストリングの中心より外周側のストリングの可動領域を大きくすることができ、スイートエリアの拡大に効果的であることに因る。
なお、前記時計面の中心は、打球面の縦方向最大長を二分する位置とし、この位置を中心として、トップ部から0°の位置を12時位置とし、時計回りに30°間隔で1時位置、2時位置、3時位置・・・とする。
また、フレーム周方向の長さとは、フレーム周の湾曲に沿って測定した長さをいう。
前記中空部のフレーム周方向の長さは、50mm以上200mm以下の範囲内としている。
これは、50mm未満では、打球面剛性の向上効果とストリング可動範囲の拡大効果を十分に発揮できず、200mm超では、フレーム強度が低下するためである。好ましくは、100mm以上150mm以下、さらには、110mm以上140mm以下が良い。
前記中空部の幅(フレーム幅方向の長さ)は、0.5mm以上15mm以下の範囲内としている。
これは、0.5mm未満では、ストリング可動範囲の拡大効果を十分に発揮できず、15mm超では、中空部を挟む外側フレームと内側フレームの長さ方向両端部に応力が集中しやすくなり、強度が低下することに因る。
好ましくは、2mm以上10mm以下、さらには、3mm以上8mm以下が良い。
前記打球面の面積は、645cm以上806cm以下が好ましい。これは645cm未満ではスイートエリアが小さくなるため飛び性能が低下してしまい、806cm超ではフレーム周長が長くなってしまい、重量増加を招くことに因る。さらに好ましくは、下限は677m以上、特に697cm以上がよく、上限は774cm以下、761cm以下がよい。
前記ガット張架部の周長(M)は、800mm以上1100mm以下が好ましい。これは、800mm未満では打球面の面積が小さく、スイートエリアも小さくなりすぎて飛び性能が低下してしまい、1100mm超では、重量増加を招き、操作性が低下することに因る。さらに好ましくは、下限は850mm以上、特に900mm以上がよく、上限は1050mm以下、特に1000mm以下がよい。
前記中空部を複数個所に設ける場合、全中空部のフレーム周方向の長さの合計(LS)は100mm以上800mm以下が好ましい。これは、100mm未満では剛性値が向上せず、反発性能向上の効果も十分に発揮できず、800mm超では中空部間の離間距離が小さくなりすぎて、フレームが強度不足となることに因る。さらに好ましくは、下限は200mm以上、特に250mm以上がよく、上限は750mm以下がよい。
LS/Mの値は、0.15以上0.85以下が好ましい。これは、0.15未満では剛性値が向上せず、反発性能向上の効果も十分に発揮できず、0.85超では中空部間の離間距離が小さくなりすぎて、フレームが強度不足となることに因る。さらに好ましくは、下限は0.20以上、特に0.25以上がよく、上限は0.80以下、特に0.75以下がよい。
前記中空部を複数個所に設ける場合、中空部間の離間距離は10mm以上150mm以下が好ましい。これは、10mm未満ではフレームが強度不足となり、150mm超では剛性値が向上せず、反発性向上の効果も十分に発揮できないことに因る。さらに好ましくは、下限は15mm以上、特に20mm以上、上限は130mm以下、特に110mm以下がよい。
前記中空部を設けた箇所のフレーム幅(外側フレームの外側面から内側フレームの内側面までの距離(中空部を含む))は、中空部を設けていない箇所のフレーム幅と同一としてもよいが、より好ましくは、中空部を設けた箇所のフレーム幅を、中空部を設けていない箇所のフレーム幅よりも大きくし、フレーム内側面(内側フレームの内側面)を、中空部を設けていない箇所のフレーム内側面よりも内側に突出させることが好ましい。これは、フレーム内側面よりも内側に突出させることで、外側フレーム、内側フレームそれぞれの幅を大きくすることができ、それにより剛性が向上し反発性も向上するからである。
いずれの場合も、中空部を設けた箇所のフレームは、フレーム外側面(外側フレームの外側面)が中空部を設けていない箇所のフレーム外側面から突出しない形状とすることが好ましい。これは、フレーム外側面を突出させると、スイング時に地面等に接触させやすくなり、破損の原因となりやすいためである。
上述したように、本発明によれば、前記中空部を設け箇所には、打球面に対して垂直方向の打球方向に、外側フレームと内側フレームの2本のフレームを平行に設けることになるため、打球面剛性を高めることができ、反発性を向上させることができる。
また、前記中空部をフレーム厚み方向に貫通させて設けているため、ガット張架材などを取り付ける必要がなく、重量増加を抑制でき、軽量ラケット等の良好な操作性を維持することができる。
以下、発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態はいずれも本発明を硬式テニス用ラケットに適用したものである。
図1乃至図3は、本発明の実施形態に係るラケット10を示す。
ラケット10は、ラケットフレーム11に縦・横のストリングSを張架してなる。
ラケットフレーム11は、繊維強化樹脂シートのプリプレグを積層した中空の管状体よりなり、ヘッド部12、スロート部13、シャフト部14、グリップ部15を連続して形成し、ヘッド部12とシャフト部14とを連結するスロート部13を二股状とし、スロート部13の両側枠の間にはヨーク部16を設け、該ヨーク部16とヘッド部12とで打球面Fを囲むガット張架部Gを形成している。
前記打球面Fの面積は710cmとし、ガット張架部Gのフレーム周長は960mmとしている。
前記ガット張架部Gには、フレーム厚み方向に貫通する中空部20(21、22、23)を3箇所に設けている。該3つの中空部21、22、23は、各中空部21〜23のフレーム周方向の長さLの中心位置21a〜23aが、打球面Fを時計面とみてトップ部を12時とした場合における12時位置と、3時位置と、9時位置にそれぞれ配置される位置に形成され、ラケット中心軸L1に対して左右対称な形状とされている。
12時位置に形成されている中空部21は、フレーム周方向の長さLを90mmとし、3時位置に形成されている中空部22と、9時位置に形成されている中空部23は、いずれもフレーム周方向の長さLを1100mmとし、これら中空部21〜23はいずれも幅Wを5mmとしている。
前記中空部20(21〜23)を設けた箇所(以下、「中空部形成箇所A」とする)のフレーム11は、図2(A)(B)にも示すように、中空部20を挟んで、該中空部20よりも外側に位置する外側フレーム11−1と、中空部20よりも内側に位置する内側フレーム11−2とに分割されている。
この中空部形成箇所Aのフレーム幅W1は、中空部を設けていない箇所(以下、「中空部非形成箇所B」とする)のフレーム幅W2よりも広くしているが、外側フレーム11−1の外側面11−1aは、中空部非形成箇所Bのフレーム11の外側面11aより突出させず、内側フレーム11−2の内側面11−2bを、中空部非形成箇所Bのフレーム11の内側面11bよりも内側に突出させている。
図2(A)(B)および図3に示すように、ガット張架部Gの外側にはガット溝18を周方向に連続して形成すると共に、該ガット溝18の底面からフレーム11の内側面11bにかけて縦・横のストリング孔19を貫通して設けている。
前記ストリング孔19は、前記中空部形成箇所Aにおいては、図2(A)(B)に示すように、外側フレーム11−1に貫通して設けられる外側ストリング孔19−1と、内側フレーム11−2に貫通して設けられる内側ストリング孔19−2とを連通させて設けている。
前記ラケットフレーム11に縦・横ストリングSを張架するときは、前記ガット溝18に、図3にも示すバンパー33とグロメット32とを備えたストリング保護材31を装着して、ストリングSとフレーム11との間に介在させる。該ストリング保護材31は、ストリングSを挿通する挿通孔32aを貫通させた複数のグロメット32と、これら複数のグロメット32の基部を内周側に突設するように連結するバンパー33とからなる。該ストリング保護材31は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の材質から形成することができ、強度と柔軟性を両立しえるという理由で、ナイロン樹脂やウレタン樹脂で形成するのがよく、特にナイロン樹脂がよい。
図2(B)に示すように、前記外側フレーム11−1の外側ストリング孔19−1の径D1は、該外側ストリング孔19−1内に装着される前記ストリング保護材31のグロメット32の外径D3よりも0.5mm大きい4mmに設定している。
前記内側フレーム11−2の内側ストリング孔19−2は、図2(B)に示すように、その径D2を、ストリングSの径D4よりも4mm大きい6mmに設定すると共に、ストリングSの表面と内側ストリング孔19−2の内周面との間の隙間αが、全周囲にわたって2mmとなるように形成している。
前記ストリング保護材31のグロメット32の突出長さL2は、中空部形成箇所Aにおいては、図2(B)に示すように、グロメット32の先端32bが内側フレーム11−2に達することなく、中空部20内に位置するように設定している。
前記構成よりなるラケット10は、計3箇所の中空部形成箇所Aで、外側フレーム11−1と内側フレーム11−2の2本のフレームを有するため、打球面剛性が向上する。従って、打球時のフレーム変形量が少なくなり、エネルギーロスが減るため、反発性能を高めることができる。
また、前記中空部20(21〜23)はフレーム厚み方向に貫通して設けているため、ストリングSの張架は、外側ストリング孔19−1から中空部20を通って内側ストリング孔19−2へと挿通させることで可能となる。従って、別部材のストリング張架材を取り付ける必要がないため、重量増加を抑制でき、繊維強化樹脂製プリプレグの軽量性の利点を維持しながら、操作性と反発性とを両立させることができる。
さらに、内側ストリング孔19−2は、図2(B)に示すように、ストリングSと接触しないように径D2を大きく設定しているため、中空部形成箇所AにおいてはストリングSの撓みの起点を外側ストリング孔19−1の内側開口19−1aの位置まで移行させることができる。従って、ストリングの可動領域が広がり、スイートエリアが拡大すると共に、反発性も高めることができる。
特に、本実施形態では、12時位置に形成された中空部21により、縦ストリングの中心付近の可動領域を大きくすることができ、3時位置に形成された中空部22と9時位置に形成された中空部23とにより、横ストリングの中心付近の可動領域を大きくすることができ、最大反発係数を高めることができる。
また、前記中空部21〜23の長さLは、いずれも50mm以上200mm以下の範囲内であり、打球面剛性および反発性の向上効果を発揮できると共に、フレーム強度の低下も抑制できる。
前記中空部21〜23の幅は、いずれも0.5mm以上15mm以下の範囲内であるため、ストリング可動範囲の拡大効果を発揮できると共に、外側フレーム11−1と内側フレーム11−2の両端部への応力集中を防ぎ、強度低下も抑制できる。
本実施形態では、中空部21〜23の長さの合計(LS)の、ガット張架部Gの周長(M)に対する比率(LS/M)が0.32であり、0.15以上0.85以下の範囲内である。また、中空部21、22、23の離間距離(R)は140mmであり、10mm以上150mm以下の範囲内としている。従って、打球面剛性の向上効果を発揮して反発性を高めることができると共に、フレーム強度の低下も抑制できる。
図4および図5は、本発明の第二実施形態を示す。
本実施形態では、ガット張架部Gに、7箇所の中空部21〜27をラケット中心軸L1に対して左右対称形状となるように設けている。
詳しくは、図4(A)(B)に示すように、中空部21は、そのフレーム周方向の長さLの中心位置21aが、打球面Fを時計面とみてトップ部を12時とした場合における12時位置に配置される位置に形成され、中空部22、23は、そのフレーム周方向の長さLの中心位置22a、23aが3時位置と9時位置に配置される位置にそれぞれ形成され、中空部24、25は、そのフレーム周方向の長さLの中心位置24a、25aが1時半位置と10時半位置に配置される位置にそれぞれ形成され、中空部26、27は、そのフレーム周方向の長さLの中心位置26a、27aが4時半位置と7時半位置に配置される位置にそれぞれ形成されている。
前記いずれの中空部21〜27も、フレーム周方向の長さLを100mmとし、離間距離Rを20mmとし、幅Wを5mmとしている。
本実施形態における7箇所の中空部形成箇所Aは、図5に示すように、そのフレーム幅W3を、中空部非形成箇所Bのフレーム幅W2と同一とし、外側フレーム11−1の外側面11−1aおよび内側フレーム11−2の内側面11−2bを、中空部非形成箇所Bのフレーム11の外側面11aおよび内側面11bから突出しない形状に形成している。
その他の構成は、前記第一実施形態と同一としている。
本実施形態においては、7つの中空部21〜27を形成しているが、全中空部21〜27の長さの合計(LS)の、ガット張架部Gの周長(M)に対する比率(LS/M)が0.73であり、0.85以下の範囲内であるため、必要なフレーム強度を満たすことができる。
また、12時位置、3時位置、9時位置の中空部21〜23に加え、1時半位置と10時半位置と、4時半位置と7時半位置にも中空部24〜27を形成しているため、縦横ストリングの中心よりも外側の可動領域が広がり、スイートエリアが拡大するため、操作性および反発性を高めることができる。
(実施例)
以下の表1に示すとおり、中空部の有無、中空部の形成位置、ストリング孔径を異ならせた実施例1〜3と比較例1、2を作製し、テニスラケットの打球面剛性、反発係数、高反発領域を測定し、飛び性能とスイートエリアに関する実打テストも行った。
なお、表1に示す中空部の形成位置は、各中空部のフレーム周方向の長さの中心位置を示した。
Figure 0004574571
実施例1〜3および比較例1、2のいずれのラケットフレーム11も、繊維強化熱硬化性樹脂で成形した中空形状で、打球面Fの面積が710cmであり、ガット張架部Gの周長が960mmである同一形状とし、フレーム重量およびフレームバランスは表1に示すとおり設定した。
詳細には、ラケットフレームはカーボン繊維を強化繊維とし、マトリクスをエポキシ樹脂とした繊維強化熱硬化性樹脂のプリプレグシートを、66ナイロンからなる内圧チューブを被覆したマンドレル上に積層し、鉛直状の積層体を成形した。プリプレグ角度は、0°、22°、30°、45°、90°とし、積層した。マンドレルを抜き取って上記積層体を金型にセットした。金型を型締して、金型を150℃に昇温し、30分間の加熱を行うと同時に内圧チューブ内に9kgf/cmの空気圧を付加し、加温保持し、加熱加温成形により作製した。
中空部形成箇所Aは、内圧チューブを2本とすることにより成形している。また、中空部形成箇所Aのフレーム形状は、前記第一実施形態と同様に、フレーム幅W1を中空部非形成箇所Bのフレーム幅W2よりも広くし、内側フレーム11−2の内側面11−2bが内側に突出する形状とした。
(実施例1)
中空部を12時位置、3時位置、9時位置の3箇所に形成した点、および、外側ストリング孔の径を4mmとし、内側ストリング孔の径を6mmとした点では前記第一実施形態と同一であるが、いずれの中空部も、フレーム周方向の長さを100mmとし、幅を5mmとし、中空部間の離間距離Rを140mmとし、LS/Mの値を0.31とした。
(実施例2)
長さ100mm、幅5mmの中空部を、1時半位置と10時半位置、4時半位置と7時半位置の4箇所に形成し、LS/Mの値を0.42とした。その他の構成は実施例1と同一とした。
(実施例3)
長さ100mm、幅5mmの中空部を、12時位置、3時位置と9時位置、1時半位置と10時半位置、4時半位置と7時半位置の7箇所に形成し、中空部間の離間距離Rを20mmとし、LS/Mの値を0.73とした。その他の構成は実施例1と同一とした。
(比較例1)
中空部を全く設けず、ストリング孔の径は、フレーム外面側も内面側も4mmとした。
中空部を全く設けなかったが、ストリング孔の径は、フレーム外面側で4mmとし、内面側では6mmとした。
(打球面剛性の測定)
図6(A)(B)に示すように、実施例および比較例のラケットフレーム11にストリングを張架したテニスラケットを水平に配置し、そのヘッド部12のトップ位置を受け治具41(R15)で支持すると共に、トップ位置から340mm離れた位置で、スロート部13の両側からヨーク部16にかけた位置を受け治具42(R15)で支持した。この状態で、受け治具41より受け治具42の方向へ170mm離れた位置に対して、加圧具43(R10)により上方より784Nの荷重を加えて、荷重時の変位から、バネ定数を算出し、打球面の面外方向の剛性値を測定した。
(反発係数、高反発領域の測定)
反発係数は、図7に示すように、実施例および比較例のテニスラケットフレーム11に、ストリングを縦60ポンド、横55ポンドの張力で張架し、各テニスラケットを垂直状態でフリーとなるようにグリップ部15を柔らかく固定し、その打球面にボール打出機から一定速度V1(30m/sec)でテニスボールを打球面に衝突させ、跳ね返ったボールの速度V2を測定した。反発係数は発射速度V1、反発速度V2の比(V2/V1)であり、反発係数が大きいほどボールの飛びが良いことを示している。
前記反発係数の測定を打球面の21点で行い、反発係数が0.380以上の高反発領域の面積を測定した。
(飛び性能、スイートエリア評価)
テニス上級者50名が、実施例および比較例の各ラケットを試打し、フィーリングを5点法(点が多いほど良い評価)で評価した。表1には、採点結果の平均値を示した。
表1から確認できるように、中空部を設けなかった比較例1、2と比較すると、実施例1〜実施例3は、中空部を形成したことによって打球面剛性および反発係数が高くなり、高反発領域も広くなり、実打評価においても飛び性能およびスイートエリアで高評価となった。
また、内側ストリング孔の径を6mmとした比較例2と比較しても、実施例1〜3は反発係数が高く、高反発領域も広かった。この結果から、単にストリングの撓みの起点を外側に移行させるのみでなく、中空部を設けて打球面剛性を高めることで、反発性向上と高反発領域拡大の効果が一層高めることができた。
本発明の第一実施形態に係るラケットの正面図である。 (A)は図1に示すラケットの要部拡大図であり、(B)は(A)の要部拡大断面図である。 図1に示すラケットフレームとストリング保護材の斜視図である。 本発明の第二実施形態に係るラケットの要部を示し、(A)は正面図であり、(B)は概略説明図である。 図5に示すラケットの要部拡大図である。 (A)(B)はラケットフレームの打球面剛性の測定方法を示す概略図である。 ラケットの反発係数の測定方法を示す概略図である。 従来例の図である。
符号の説明
10 テニスラケット
11 ラケットフレーム
11−1 外側フレーム
11−2 内側フレーム
12 ヘッド部
16 ヨーク部
19 ストリング孔
19−1 外側ストリング孔
19−2 内側ストリング孔
20(21〜27) 中空部
F 打球面
G ガット張架部

Claims (5)

  1. 1本の管状体からなるラケットフレームの打球面を囲むガット張架部の少なくとも一部に、打球面に対して垂直方向のフレーム厚み方向に貫通する中空部が設けられ、該中空部を挟むフレーム幅方向の両側に外側フレームと内側フレームが設けられ、かつ、
    前記外側フレームと内側フレームにはストリング孔が連通して設けられ、内側フレームに設けられている内側ストリング孔は、挿通されたストリングと接触しないように空隙を設けて形成され、
    前記内側ストリング孔から前記中空部を通して前記外側ストリング孔に挿通するストリングは、前記外側ストリング孔の内側開口位置を撓み起点とし、前記内側ストリング孔および前記中空部の挿通領域をストリングの可動領域としていることを特徴とするラケット。
  2. 前記内側ストリング孔の内周面とストリングの外周面の間に、0.5mm以上5mm以下の空隙を全周囲にわたって形成している請求項1に記載のラケット。
  3. 前記中空部は、そのフレーム周方向の長さの中心位置が、前記ラケットフレームの前記打球面を時計面とみてトップ部を12時とした状態で、12時、1時半、3時、4時半、7時半、9時、10時半のいずれかに当たる位置に配置されると共に、トップ部とグリップ中心を結んだラケット中心軸を挟んで左右対称に配置される請求項1または請求項2に記載のラケット。
  4. 前記中空部のフレーム周方向の長さは、50mm以上200mm以下の範囲内とされている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のラケット。
  5. 前記中空部の幅(フレーム幅方向の長さ)は、0.5mm以上15mm以下の範囲内としている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のラケット。
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