JP4509964B2 - ラケット - Google Patents

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Description

本発明は、テニスラケット等のラケットに関し、特に、ラケットの重量増加を抑制しながら、ガットの可動範囲を広くして反発性の向上を図るものである。
近年、特に女性やシニア層のために、少ない力で飛び性能の高いラケットへの要望が強まっている。そのため、ラケットフレームの材料は、金属や木材ではなく、軽量で比強度が高く、設計自由度も高い繊維強化樹脂が主流となっている。
しかしながら、ラケットフレームとボールとの二物体が衝突する観点からみると、エネルギー保存則により、ラケットフレームが軽くなるとボールの反発係数は低下する。よって、ラケットフレームの軽量化は反発性能の低下を招くこととなる。
前記問題に対しては、フレームの厚みを増加させて打球面剛性を高めることや、重心を先寄りにすることによりスイング方向の慣性モーメントを高めることが考えられる。しかしながら、軽量性を維持しながらフレームの厚みを増加させると、肉厚が薄くなり、強度や剛性を低下させることになる。また、スイング方向の慣性モーメントを大きくすれば、プレーヤーにはラケットが重く感じられ、操作性を悪化させる。そのほか、フレームに反発促進構造を搭載することも考えられるが、反発促進構造の搭載は重量増加を招き、操作性が悪化する。
そこで、ラケットの良好な操作性と反発性の両立を図ることが課題となっている。
この課題に関し、特開2002−191723号(特許文献1)では、図9に示すように、ラケットフレーム1の打球面を囲むガット張架部の少なくとも一部に、フレーム幅方向に貫通する窓穴2を設け、該窓孔2内にガット支持体3を、打球時にガット5の撓みに追随して打球方向に振動するように弾性体4を介して支持固定することが提案されている。これにより、打球面を拡大させることなくスイートエリアを拡大できるため、ラケットフレームの重量増加やスイング時の風圧増加を伴わず、良好な操作性を得ながら反発性も向上できるとされている。
しかしながら、前記ガット支持体3は強度確保の必要から中実構造であり、また、ガット支持体3を包持する弾性体4も振動励起のために重くなるため、ラケット重量が増加して操作性が低下する問題がある。
特許2002−191723号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、良好な操作性を有すると共に、重量を増加させることなくガットの可動範囲を広くて反発性を高めることができるラケットを提供することを課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、繊維強化樹脂製のラケットフレームを備え、該ラケットフレームの打球面を囲むヘッド部とヨーク部とからガット張架部が形成されているラケットにおいて、
前記ヘッド部の少なくとも一部に、打球面と平行方向のフレーム幅方向に貫通する中空部を設けていると共に、該中空部を挟むフレーム周方向両端の外周面に連続して中空部の外側へ膨出させた膨出ガット張架部を設け、該膨出ガット張架部に複数のガット穴を設け、
ガットが前記中空部を通って前記膨出ガット張架部のガット穴に通され、該膨出ガット張架部の外周面に架け渡される構成としていることを特徴とするラケットを提供している。
前記のように、本発明に係わるラケットは、ヘッド部とヨーク部からなる打球面を囲む連続した円弧形状のガット張架部(以下、ガット張架部本体と称す)のうちヨーク部を除く、ヘッド部の一部に、外側に膨出させた膨出ガット張架部を設けた構成としている。該構成とすると、膨出ガット張架部に張架されたガットは、その撓みの起点ガット張架部本体形成した場合と比較して、打球面中心に対して外側に移行させることができるため、ガットの可動範囲が広がり、反発性を高めることができる。
また、前記特許文献1と異なり、膨出ガット張架部は、中空部を設けたヘッド部に連続させて形成して繊維強化樹脂製としているため、軽量であると共に比強度も高く、中空構造としても必要な強度を確保することができる。よって、該膨出ガット張架部を設けることによる重量増加を抑制でき、繊維強化樹脂製ラケット特有の軽量性および操作性を維持したままで反発性を高めることができる。
記膨出ガット張架部で連続させる領域は、トップ部とグリップ中心を結んだラケット中心軸を挟んで左右対称に配置されており、前記ラケットフレームの前記打球面を時計面とみてトップ部を12時とした場合において、3時半位置から5時位置までの範囲と7時位置から8時半位置までの範囲、2時から3時位置と9時から10時位置あるいは11時57分から12時3分位置に設けることが好ましい。
に、4時〜5時位置および7時〜8時位置に張設されるガットはその有効長さが本来短いが、この範囲を含むように膨出ガット張架部を設けることにより、縦ストリングおよび横ストリングの中心より外周側ストリング可動領域を大きくすることができ、スイートエリアを効果的に拡大できる。
なお、前記時計面の中心は、打球面の縦方向最大長を二分する位置とし、この位置を中心として、トップ部から0°の位置を12時位置とし、時計回りに30°間隔で1時位置、2時位置、3時位置・・・とする。
前記膨出ガット張架部はヘッド部からの突出高さ(中空部を形成していないと仮定したヘッド部の仮想外周面と膨出ガット張架部の外周面との距離)は5mm以上30mm以下が好ましい。
これは、5mm未満では、ガットの可動領域の拡大量が少なく、反発性能を劇的に向上させることができず、30mm超では、地面と接触して破損しやすくなることに因る。好ましくは、下限は、7mm以上、特に10mm以上がよく、上限は、25mm以下、特に20mm以下がよい。
前記中空部のフレーム周方向の長さは、25mm以上150mm以下の範囲内としていることが好ましい。これは、25mm未満ではガット可動領域の拡大部位が少なく、反発性を劇的に向上させることができず、150mm超では、フレーム強度が低下するためである。好ましくは、50mm以上、さらに70mm以上120mm以下が良い。
なお、フレーム周方向の長さとは、フレーム周の湾曲に沿って測定した長さをいう。
前記中空部の厚み(フレーム厚み方向の幅)は、3mm以上15mm以下の範囲内としていることが好ましい。これは、3mm未満では、ガットがフレームに接触しやすく、可動領域拡大効果を十分に発揮できず、15mm超では、中空部のフレーム周方向両端部のフレームに応力が集中しやすくなり、強度が低下することに因る。好ましくは、5mm以上、さらには、7mm以上10mm以下が良い。
本発明のラケットでは、打球面の面積は645.2cm(100sqin)以上806.5cm(125sqin)以下が好ましい。これは、645.2cm(100sqin)未満ではスイートエリアが小さくなるため飛び性能が低下してしまい、806.5cm(125sqin)を超えるとフレーム周長が長くなってしまい、重量増加を招くことに因る。さらに好ましくは、下限は696.8cm(105sqin)以上、特に677.4cm(108sqin)以上がよく、上限は744.2cm(120sqin)以下、特に761.3cm(118sqin)以下がよい。
前記ガット張架部本体の周長は、800mm以上1100mm以下が好ましい。これは、800mm未満では打球面の面積が小さく、スイートエリアも小さくなりすぎて飛び性能が低下してしまい、1100mm超では、重量増加を招き、操作性が低下することに因る。さらに好ましくは、下限は850mm以上、特に900mm以上がよく、上限は1050mm以下、特に1000mm以下がよい。
前記ガット張架部本体および膨出ガット張架部を含めたガット張架部、およびスロート部、シャフト部、グリップ部からなるラケットフレームの形成材となる繊維強化樹脂に用いられる樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられるが、強度と剛性の点より、熱硬化性樹脂が好ましく、特にエポキシ系樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ケイ素樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
前記繊維強化樹脂に用いられる強化繊維としては、比重が小さく弾性率と強度が高いという点からカーボン繊維が好ましいが、その他、一般に高性能強化繊維として使用される繊維が用いられる。例えば、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
上述したように、本発明によれば、ガット張架部本体のヨーク部を除くヘッド部の一部に幅方向に貫通する中空部を設け、この中空部を設けた部分では、外側へ突出させた膨出ガット張架部を設けてヘッド部に連続させ形状としているため、中空部を通して該膨出ガット張架部のガット穴に通すガットは、打球時における撓みの起点を外側に移行させることができる。その結果、ガットの可動領域を拡大でき、これにより、反発性が向上すると共に、スイートエリアが拡大して操作性も高めることができる。
また、前記膨出ガット張架部はヘッド部と連続して形成し、繊維強化樹脂製としているため、軽量であるうえ、中空構造としても必要な強度を確保することができる。よって、膨出ガット張架部を設けることによるラケットの重量増加を抑制でき、良好な操作性も得ることができる。
また、ガット張架部本体の中空部の厚み方向寸法を前記3mm以上15mm以下に設定するとガットが通る際に、ガット張架部本体に接触しないため、ガットの可動範囲を規制せず、かつ、ガット張架部本体側に振動を発生させない。
以下、発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態はいずれも本発明を硬式テニス用ラケットに適用したものである。
図1乃至図4は、本発明の第一実施形態に係るテニス用のラケット10を示す。
ラケット10は、繊維強化樹脂シートのプリプレグを積層した中空の管状体よりなるラケットフレーム11から構成し、該ラケットフレーム11は、ヘッド部12、スロート部13、シャフト部14、グリップ部15を連続して形成し、ヘッド部12とシャフト部14とを連結するスロート部13を二股状とし、スロート部13の両側枠の間にはヨーク部16を設けている。
前記ヘッド部12とヨーク部16とで打球面Fを囲むガット張架部本体17を設け、該ガット張架部本体17のヘッド部12の一部に膨出ガット張架部18を設けている。
前記打球面Fの面積は645cm〜806cmとし、本実施形態では710cmとしている。また、ガット張架部本体17のフレーム周長は800mm〜1100mmとし、本実施形態では960mmとしている。
前記ガット張架部本体17には、フレーム幅方向Xに貫通し、フレーム周方向に延在する2つの中空部31を、フレーム11のトップ部とグリップ中心を結んだラケット中心軸L1を挟んで左右対称に設けている。
詳しくは、中空部31は、図1(A)に示すように、打球面Fを時計面とみてトップ部を12時とした場合における4時位置を始端、5時位置を終端とする範囲Aと、7時位置を始端、8時位置を終端とする範囲Bにそれぞれ設けている。
図2(A)に示すように、中空部31のフレーム周方向の長さL2は25〜150mmとし、本実施形態では100mmとしている。また、図3に示すように、フレーム幅方向と直交する厚み方向(打球方向)Yにおける前記中空部31の厚み寸法D1は3〜15mmとし、本実施形態では9mmとしている。
前記中空部31の外側(打球面Fの中心に対して外側方向)には、図2(A)に示すように、膨出ガット張架部18を設けている。
該膨出ガット張架部18も、繊維強化樹脂シートのプリプレグを積層した中空の管状体から形成している。
この膨出ガット張架部18を構成するプリプレグは、ガット張架部本体17を構成するプリプレグと、金型内で接合配置し、図2(A)に示すように、その長さ方向両端部18a、18bは、前記中空部31のフレーム周方向両端部のガット張架部本体17の外周面17aに一体接合し、中空部31の全長を跨いでガット張架部本体17よりも外周側に突出させて架設されている。
膨出ガット張架部18は、その長さ方向において、中空部31を形成した箇所のガット張架部本体17よりも小さい曲率で湾曲させた円弧形状とし、また、図1(B)および図2(A)(B)に示すように、ガット張架部本体17よりも、厚み方向Yに薄く、幅方向Xに細い形状としている。
また、本実施形態では、中空部31を形成していないと仮定した場合におけるガット張架部本体17の仮想外周面R1からの膨出ガット張架部18の最大突出量H1を15mmとしている。
図2(A)に示すように、中空部31を形成した箇所以外のガット張架部本体17の外側には、ガット溝19を周方向に連続して形成すると共に、該ガット溝19の底面からフレーム11の内周面にかけて縦・横のガット穴20を貫通して設けている。
また、膨出ガット張架部18には、外周面と内周面とを貫通する4つのガット穴21を設けている。
前記ラケット10には、打球面Fに張架する縦糸・横糸からなるガットS(以下、ストリングSと称す)と前記ラケットフレーム11のガット溝19との間に、図4に示すバンパー43とグロメット42とを備えたストリング保護材41を装着している。
ストリング保護材41は、ストリングSを挿通する挿通孔42aを貫通させた複数のグロメット42と、これら複数のグロメット42の基部を内周側に突設するように連結するバンパー43とからなる。該ストリング保護材41は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の材質から形成することができ、強度と柔軟性を両立しえるという理由で、ナイロン樹脂やウレタン樹脂で形成するのがよく、特にナイロン樹脂がよい。
図2(A)に示すように、前記ストリング保護材41のグロメット42のうち、ガット張架部本体17のガット穴20に装着されるグロメット42の長さは、該グロメット42の先端42bがガット穴20の内側孔20aを超えて突き抜ける長さに設定している。一方、膨出ガット張架部18のガット穴21に装着されるグロメット42の長さは、図2(B)にも示すように、その先端42bがガット穴21の内側孔21aを突き抜けるが、ガット張架部本体17の外周面には達さず、ガット張架部本体17と膨出ガット張架部18との間の空隙22内に位置する長さに設定している。
膨出ガット張架部18のガット穴21に挿通されるストリングSおよびグロメット42は、図2(B)に示すように、ガット張架部本体17の中空部31を貫通し、該中空部31を囲むフレームに接触しない状態で張設される。
前記構成よりなるラケット10は、ストリングSの有効長さが短いヘッド部12の4時〜5時の範囲Aおよび7時〜8時の範囲Bの外側に膨出ガット張架部18を設け、該範囲に張架されるストリングSは、中空部31を貫通し、中空部31を囲むガット張架部本体17に触れないため、ストリングSの撓みの起点を、ガット張架部本体17よも外側に突出した膨出ガット張架部18のガット穴21の内側孔21aまで移行させることができる。従って、ストリングSの可動領域を拡大することができ、反発性が向上すると共に、スイートエリアを効果的に拡大することができる。
また、4時〜5時位置および7時〜8時位置であれば、スイング中に膨出ガット張架部18が地面等に接触しにくく、ラケット破損を防止できる。
さらに、膨出ガット張架部18は繊維強化樹脂製の中空管状体であるため、優れた強度と軽量性を併有し、軽量性を長所とする繊維強化樹脂製のラケットの重量増加を極力抑制でき、軽量性と良好な操作性を維持することができる。
前記中空部31のフレーム周方向長さL2は25mm以上150mm以下の範囲内であるため、反発性向上効果を十分発揮できると共に、フレーム強度の低下も防止できる。
前記中空部31の厚みD1は3mm以上12mm以下の範囲内であるため、ストリングSやグロメット42が中空部31を囲むガット張架部本体17に接触することを防止できると共に、中空部31の両端部のフレーム11に応力が集中し、強度が低下することも防止できる。
さらに、前記膨出ガット張架部18の最大突出高さH1は5mm以上30mm以下の範囲内であるため、地面等との接触を防止できると共に、反発性向上効果を十分に発揮することができる。
図5は本発明の第二実施形態の要部を示す。
本実施形態では、前記中空部31を、打球面Fを時計面とみた場合のヘッド部12の2時位置を始端とし3時位置を終端とする範囲Cと、9時位置を始端とし10時位置を終端とする範囲Dの2箇所に形成している。
また、前記範囲C、Dの外側に前記膨出ガット張架部18をそれぞれ形成している。
本実施形態においても、中空部31のフレーム周方向長さL2は100mmとし、厚みD1は9mmとしている。また、前記膨出ガット張架部18には4つのガット穴21を形成し、該ガット穴21を挿通するストリングSは、前記中空部31を貫通し、中空部31を囲むガット張架部本体17のフレームには接触しない構成としている点も、前記第一実施形態と同一である。
本実施形態においては、横ストリング中心付近のストリングの可動領域が拡大することによって、ラケットの反発性を高めることができる。
図6は本発明の第三実施形態の要部を示す。
本実施形態では、前記中空部31を、打球面Fを時計面とみた場合のヘッド部12の12時位置(トップ)を中心として、周方向長さ100mmの範囲Eの1箇所に形成している。該範囲Eは、より具体的に時計の長針位置で説明すると、57分位置を始端とし、3分位置を終端とする範囲としている。
該範囲Eの外側には、膨出ガット張架部18を形成している。
本実施形態においても、中空部31のフレーム周方向長さL2は100mmであり、厚みD1は9mmとしている。また、膨出ガット張架部18には4つのガット穴21を形成し、該ガット穴21を挿通するストリングSは、中空部31を貫通し、該中空部を囲むガット張架部本体17のフレームには接触しない構成としている点も、前記第一実施形態と同一である。
本実施形態においては、縦ストリング中心付近のストリングの可動領域が大きくなることによって、ラケットの反発性を高めることができる。
(実施例)
以下の表1に示すとおり、中空部の有無、中空部の形成位置、および膨出ガット張架部の材質を異ならせた実施例1〜3と比較例1、2を作製し、テニスラケットの反発係数と高反発領域を測定し、飛び性能、スイートエリア、操作性に関する実打テストも行った。
なお、本発明は上記実施形態、実施例に限定するものではない。
Figure 0004509964
実施例1〜3および比較例1、2のいずれのラケットフレーム11も、繊維強化熱硬化性樹脂で成形した中空形状で、打球面Fの面積が710cmであり、ガット張架部本体17の周長が960mmである同一形状とし、フレーム重量およびフレームバランスは表1に示すとおり設定した。
詳細には、ラケットフレームはカーボン繊維を強化繊維とし、マトリクスをエポキシ樹脂とした繊維強化樹脂のプリプレグシートを、66ナイロンからなる内圧チューブを被覆したマンドレル上に積層し、鉛直状の積層体を成形した。プリプレグ角度は、0°、22°、30°、45°、90°とし、積層した。マンドレルを抜き取って上記積層体を金型にセットした。金型を型締して、金型を150℃に昇温し、30分間の加熱を行うと同時に内圧チューブ内に9kgf/cmの空気圧を付加し、加温保持し、加熱加温成型により作製した。
中空部31は、前記内圧チューブを2本とすることにより成型した。
実施例1〜3における膨出ガット張架部18も、カーボン繊維と強化繊維とし、マトリクス樹脂をエポキシ樹脂とする繊維強化樹脂のプリプレグシートを積層して、ヨーク部と同様の成型方法で中空の管状に作製した。即ち、芯材にポリスチレンとポリウレタンの発泡材を充填させ、加熱成型で発泡させて作製した。
実施例1〜3と比較例2の中空部31はいずれも、フレーム周方向長さを100mmとし、厚みを9mmとした。また、実施例1〜3の膨出ガット張架部18の最大突出高さH1は、いずれも15mmとした。
(実施例1)
前記第一実施形態と同一構成とした。即ち、中空部31を、4時位置から5時位置までの範囲Aと、7時位置から8時位置までの範囲Bの2箇所に設け、該中空部31の外周側に、4つのガット穴21を設けた繊維強化樹脂製の膨出ガット張架部18をそれぞれ配置した。
(実施例2)
前記第二実施形態と同一構成とした。即ち、中空部31を、2時位置から3時位置までの範囲Cと、9時位置から10時位置までの範囲Dの2箇所に設け、該中空部31の外周側に、4つのガット穴21を設けた繊維強化樹脂製の膨出ガット張架部18をそれぞれ配置した。
(実施例3)
前記第三実施形態と同一構成とした。即ち、中空部31を、12時位置を中心としてフレーム周方向長さ100mmの範囲E、詳しくは、始端を長針の57分位置とし、終端を長針の3分位置とする範囲Eの1箇所に設け、該中空部31の外周側に、4つのガット穴21を設けた繊維強化樹脂製の膨出ガット張架部18を配置した。
(比較例1)
フレームに、フレーム幅方向に貫通する中空部を形成せず、また、膨出ガット張架部も設けなかった。
(比較例2)
実施例1と同様に、第一ガット張架部17の2時位置から3時位置までの範囲Cと、9時位置から10時位置までの範囲Dの2箇所に中空部32を設けたが、図7に示すように、該中空部32に膨出ガット張架部51を、ガット張架部本体17の外周面から突出しないように装着した。即ち、膨出ガット張架部51の最大突出高さを0とした。
また、該膨出ガット張架部51は、カーボン短繊維を強化繊維として30%含有するナイロン樹脂で成型し、中実構造とした。
(反発係数、高反発領域の測定)
反発係数は、図8に示すように、実施例および比較例のテニスラケットフレーム11に、ストリングを縦60ポンド、横55ポンドの張力で張架し、各テニスラケットを垂直状態でフリーとなるようにグリップ部15を柔らかく固定し、その打球面にボール打出機から一定速度V1(30m/sec)でテニスボールを打球面に衝突させ、跳ね返ったボールの速度V2を測定した。反発係数は発射速度V1、反発速度V2の比(V2/V1)であり、反発係数が大きいほどボールの飛びが良いことを示している。
前記反発係数の測定を打球面の21点で行い、反発係数が0.380以上の高反発領域の面積を測定した。
(飛び性能、スイートエリア、操作性評価)
テニス上級者50名が、実施例および比較例の各ラケットを試打し、フィーリングを5点法(点が多いほど良い評価)で評価した。表1には、採点結果の平均値を示した。
表1から確認できるように、中空部も膨出ガット張架部も設けなかった比較例1と比較すると、実施例1〜実施例3は、反発係数が高く、高反発領域は広く、実打評価においても、特に、飛び、スイートエリアで高評価となった。これは、中空部と膨出ガット張架部によって、ガットの撓みの起点が外側に移行したためと考えられる。
また、操作性については、比較例1と実施例1〜3とは大差なかったが、これは、比較例1については、ラケット重量がやや軽かったことが操作性に好材料となったと考えられ、実施例1〜3については、比較例1よりもラケット重量が重くなったとはいえ僅差であったことと、高反発領域が拡大したことで、総合的に操作性が高評価になったと考えられる。
比較例2は、比較例1よりも、反発性が高く、高反発領域も拡大したが、実施例1には劣り、また操作性については全実施例、比較例のなかで最低評価となった。これは、比較例2は、膨出ガット張架部51を中空部32内に装着したため、ストリングSの撓みの起点を第一ガット張架部17よりも外周側に移行させることができず、ストリングSの可動領域の拡大量が少なかったことと、膨出ガット張架部51が繊維強化樹脂製でなく、中実構造であったため、ラケット重量が大幅に増大したためと考えられる。
本発明の第一実施形態に係るラケットを示し、(A)は正面図、(B)はラケットフレームの側面図である。 図1に示すラケットの要部説明図であり、(A)は拡大平面図、(B)は(A)の(B)−(B)線断面図である。 図1に示すラケットの中空部形成箇所をフレーム内周側からみた側面図である。 図1に示すラケットフレームとストリング保護材の斜視図である。 本発明の第二実施形態に係るラケットフレームの要部を示す正面図である。 本発明の第三実施形態に係るラケットフレームの要部を示す正面図である。 比較例2の要部を示す断面図である。 ラケットの反発係数の測定方法を示す概略図である。 従来例の図である。
符号の説明
10 テニスラケット
11 ラケットフレーム
12 ヘッド部
16 ヨーク部
17 ガット張架部本体
18 膨出ガット張架部
20、21 ガット穴
31 中空部
F 打球面

Claims (4)

  1. 繊維強化樹脂製のラケットフレームを備え、該ラケットフレームの打球面を囲むヘッド部とヨーク部とからガット張架部が形成されているラケットにおいて、
    前記ヘッド部の少なくとも一部に、打球面と平行方向のフレーム幅方向に貫通する中空部を設けていると共に、該中空部を挟むフレーム周方向両端の外周面に連続して中空部の外側へ膨出させた膨出ガット張架部を設け、該膨出ガット張架部に複数のガット穴を設け、
    ガットが前記中空部を通って前記膨出ガット張架部のガット穴に通され、該膨出ガット張架部の外周面に架け渡される構成としていることを特徴とするラケット。
  2. 前記膨出ガット張架部は、打球面を時計面とみて、トップ部を12時位置として、ヘッド部の3時半から5時位置と7時から8時半位置、2時から3時位置と9時から10時位置あるいは11時57分から12時3分位置に設けている請求項1に記載のラケット。
  3. 前記中空部のフレーム周方向の長さは、25mm以上150mm以下の範囲内としている請求項1または請求項2に記載のラケット。
  4. 前記中空部の厚み方向(打球方向)の寸法は、3mm以上15mm以下の範囲内としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のラケット。
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