JP2008017951A - ラケットフレームおよびラケット - Google Patents
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Abstract
【課題】ラケットの反発性およびスイートエリアを飛躍的に拡大させる。
【解決手段】ヘッド部とシャフト部とを連続する左右スロート部の間にヨーク部が設けられ、該ヨーク部と前記ヘッド部とで打球面を囲むストリング張架部が形成され、該ストリング張架部にストリング孔が設けられているラケットフレームにおいて、前記ストリング孔のうち、該ストリング孔の軸線方向がラケットフレームの前記打球面の頂点とグリップ部の中心とを結ぶフレーム長手方向と平行である縦ストリング孔と、ストリング孔の軸線方向が前記打球面の最大幅方向であるフレーム幅方向と平行である横ストリング孔との合計数をNs1とし、全ストリング孔の総数をN1とすると、Ns1のN1に対する比率Ns1/N1が、0.70以上1.0以下としている。
【選択図】図2
【解決手段】ヘッド部とシャフト部とを連続する左右スロート部の間にヨーク部が設けられ、該ヨーク部と前記ヘッド部とで打球面を囲むストリング張架部が形成され、該ストリング張架部にストリング孔が設けられているラケットフレームにおいて、前記ストリング孔のうち、該ストリング孔の軸線方向がラケットフレームの前記打球面の頂点とグリップ部の中心とを結ぶフレーム長手方向と平行である縦ストリング孔と、ストリング孔の軸線方向が前記打球面の最大幅方向であるフレーム幅方向と平行である横ストリング孔との合計数をNs1とし、全ストリング孔の総数をN1とすると、Ns1のN1に対する比率Ns1/N1が、0.70以上1.0以下としている。
【選択図】図2
Description
本発明は、テニス用などのラケットフレームおよびストリングを張架したラケットに関し、スイートエリアの拡大を図るものである。
従来のラケットフレームは、打球面を囲むヘッド部とヨーク部をガット張架部とし、図12に示すように、打球面を囲む円弧状のフレーム1の接線に対して垂直方向にストリング孔2を貫通して設けている。これは、フレーム1の内周側1aから外周側1bに向けてドリルで開けてストリング孔2を設ける作業が簡便になる点と、ストリングSがストリング孔を通る長さを最短とできることが好都合であったことに因る。
ラケットに張架するストリングは、打球面の頂点のトップ部とグリップの中心とを結ぶラケットフレームの長手方向の軸線と平行あるいは略平行に張架するストリングが縦ストリングとされ、該縦ストリングと直交方向に張架するストリングが横ストリングとされている。
これら縦・横ストリングを貫通させるストリング孔2は、フレーム1のトップ部を通る縦ストリングと、最大横幅部のサイド部を通る横ストリングを除き、ストリング張設方向とストリング孔2の貫通方向とが一致していない。従って、ストリングSは、フレーム1の内周側に設けられた内側孔2aに接触して屈折するため、ストリングSの有効長さは、打球面を囲むフレーム1の内周面間の幅となる。
これら縦・横ストリングを貫通させるストリング孔2は、フレーム1のトップ部を通る縦ストリングと、最大横幅部のサイド部を通る横ストリングを除き、ストリング張設方向とストリング孔2の貫通方向とが一致していない。従って、ストリングSは、フレーム1の内周側に設けられた内側孔2aに接触して屈折するため、ストリングSの有効長さは、打球面を囲むフレーム1の内周面間の幅となる。
ストリングの有効長さを増大させると、ラケットフレームのスイートエリアの拡大を図ることができるため、従来よりストリングの有効長さを増大させる様々な提案がなされている。例えば、特開2001−252376号(特許文献1)では、図13に示すように、フレーム3のフェース部4の内周面側で、厚み方向の中央部に、フェース部4の周方向に伸びる溝5を設けることにより、変形可能なストリング有効長さが、フェース部4の内周面間の間口幅よりも長くなり、スイートエリアが拡大できるとされている。
また、本出願人は、特開2000−61004号(特許文献2)で、図14に示すように、中空状のフレーム6に穿設された複数のストリング孔7の少なくとも一部について、フレーム内周部に設けた内側孔7aの内径r2をフレーム外周部に設けた外側孔7bの内径r1よりも大径とするラケットフレームを提案している。即ち、このストリング孔7に挿通されたストリングと内側孔7aの内周面との間に空隙ができ、外側孔7bが変形支点となるため、ストリングの有効長さを増大できる。
しかしながら、前記フレーム3は、ストリング有効長さの増大量が、打球面と平行方向のフレーム幅分の一部にすぎず、僅かであるため、ストリングの有効長さは顕著には増大せず、スイートエリアを効果的に拡大させるとまでは言えない。
また、有効長さが増大したストリングの本数の、全ストリング本数に対する割合が少なすぎても、スイートエリア拡大効果を顕著に発現することは難しいが、前記フレーム3、4はいずれも、ストリング有効長さを増大するストリング孔の形成数や、有効長さが増大されたストリングの本数について規定されていない。
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、ストリング有効長さの増大に因るスイートエリア拡大効果を、確実且つ顕著に発揮できるラケットフレームおよびラケットの提供を課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、第一に、ヘッド部とシャフト部とを連続する左右スロート部の間にヨーク部が設けられ、該ヨーク部と前記ヘッド部とで打球面を囲むストリング張架部が形成され、該ストリング張架部にストリング孔が設けられているラケットフレームにおいて、
前記ストリング孔のうち、該ストリング孔の軸線方向がラケットフレームの前記打球面の頂点とグリップ部の中心とを結ぶフレーム長手方向と平行である縦ストリング孔と、ストリング孔の軸線方向が前記打球面の最大幅方向であるフレーム幅方向と平行である横ストリング孔との合計数をNs1とし、
全ストリング孔の総数をN1とすると、
Ns1のN1に対する比率Ns1/N1が、0.70以上1.0以下であることを特徴とするラケットフレームを提供している。
前記ストリング孔のうち、該ストリング孔の軸線方向がラケットフレームの前記打球面の頂点とグリップ部の中心とを結ぶフレーム長手方向と平行である縦ストリング孔と、ストリング孔の軸線方向が前記打球面の最大幅方向であるフレーム幅方向と平行である横ストリング孔との合計数をNs1とし、
全ストリング孔の総数をN1とすると、
Ns1のN1に対する比率Ns1/N1が、0.70以上1.0以下であることを特徴とするラケットフレームを提供している。
本発明のラケットフレームは、プリプレグの積層体からなる周壁で中空部を囲む連続したパイプから形成し、前記ストリング孔は中空部を挟む内側壁から外側壁にかけて穿設している。即ち、ストリング孔は、打球面側の内側開口と、外周側の外側開口と、内側開口と外側開口間の中空部とから構成されることとなる。また、ストリング孔はストリングをスムーズに通すことができるように、ストリングの断面積よりもストリング孔の内側開口断面積および外側開口断面積が大とされている。
前記したように、ラケットに張架するストリングは、打球面の頂点のトップ部とグリップの中心とを結ぶラケットフレームの長手方向の軸線と打球面内において平行あるいは略平行になるように張架するストリングが縦ストリングとされ、該縦ストリングと打球面内において直交方向になるように張架するストリングが横ストリングとされる。
よって、縦ストリングを通すストリング孔を、その軸線方向がラケットフレームの前記打球面の頂点とグリップ部の中心とを結ぶフレーム長手方向と平行である縦ストリング孔とすると、縦ストリングの張架方向に縦ストリング孔の軸線方向が一致するため、縦ストリング孔の内側開口周縁で縦ストリングが接触するのを防止でき、外側開口の周縁でストリングはストリング孔と接触することとなる。
同様に、横スリトングを通すスリトング孔を前記縦スリトング孔と直交方向とすると、縦横スリトングの張架方向に横ストリング孔の軸線方向が一致するため、横ストリング孔の内側開口周縁で横ストリングが接触するのを防止でき、外側開口の周縁でストリングはストリング孔と接触することとなる。
よって、縦ストリングを通すストリング孔を、その軸線方向がラケットフレームの前記打球面の頂点とグリップ部の中心とを結ぶフレーム長手方向と平行である縦ストリング孔とすると、縦ストリングの張架方向に縦ストリング孔の軸線方向が一致するため、縦ストリング孔の内側開口周縁で縦ストリングが接触するのを防止でき、外側開口の周縁でストリングはストリング孔と接触することとなる。
同様に、横スリトングを通すスリトング孔を前記縦スリトング孔と直交方向とすると、縦横スリトングの張架方向に横ストリング孔の軸線方向が一致するため、横ストリング孔の内側開口周縁で横ストリングが接触するのを防止でき、外側開口の周縁でストリングはストリング孔と接触することとなる。
このように、縦・横ストリング孔を貫通するストリングは、該ストリング孔の外側開口の周縁のみと接触して、フレーム外周に巻きつけられるため、ストリングの変形支点を外側開口端縁に規定することができ、ストリングの有効長さ(可変長さ)を増大することができる。
なお、縦・横ストリング孔に通すストリングを、該縦・横ストリング孔に外側開口から挿入するグロメットの内部に挿通する場合は、該グロメットの外周面とストリング孔の内側開口の端縁との間にも空隙を設けることが好ましい。
なお、縦・横ストリング孔に通すストリングを、該縦・横ストリング孔に外側開口から挿入するグロメットの内部に挿通する場合は、該グロメットの外周面とストリング孔の内側開口の端縁との間にも空隙を設けることが好ましい。
本発明では、前記のようにストリング有効長さを増大できる縦・横ストリング孔の合計数Ns1の、ストリング孔総数N1に対する割合を0.70以上1.0以下としている。
従来の一般的なラケットフレームではNs1/N1が0.70未満となっているため、従来のラケットフレームに比して、本発明のラケットフレームは打球面中心から左右両側および上下両側エリアの反発性を高めることが可能となり、スイートエリアを多方向にバランスよく、かつ、飛躍的に拡大することができる。
前記Ns1/N1の下限は、より好ましくは0.75以上、さらに0.8以上、特に0.88以上が好ましい。
従来の一般的なラケットフレームではNs1/N1が0.70未満となっているため、従来のラケットフレームに比して、本発明のラケットフレームは打球面中心から左右両側および上下両側エリアの反発性を高めることが可能となり、スイートエリアを多方向にバランスよく、かつ、飛躍的に拡大することができる。
前記Ns1/N1の下限は、より好ましくは0.75以上、さらに0.8以上、特に0.88以上が好ましい。
前記のように、縦ストリング孔の軸線はフレーム長手方向と平行とし、横ストリング孔はフレーム幅方向と平行としている。ここで規定する「平行」とは、具体的には、縦ストリング孔の軸線とフレーム長手方向とのなす角度、および横ストリング孔の軸線とフレーム幅方向との交差角度が、±10°以下の場合を指す。
さらに、全縦・横ストリング孔のうちの80%以上が±5°以下、特に±2°以下としていることが好ましい。さらには、いずれも±5°以下、さらに全縦・横ストリング孔のうち80%以上を、さらには90%以上を±2°以下とすることが好ましい。
さらに、全縦・横ストリング孔のうちの80%以上が±5°以下、特に±2°以下としていることが好ましい。さらには、いずれも±5°以下、さらに全縦・横ストリング孔のうち80%以上を、さらには90%以上を±2°以下とすることが好ましい。
前記左右スロート部と前記ヨーク部との左右連結部に設けるストリング孔は、打球面側から前記スロート部の外面へとフレーム長手方向に延在する前記縦ストリング孔としている。
従来の一般的なラケットフレームでは、前記左右スロート部と前記ヨーク部との左右連結部に設けるストリング孔は、打球面における縦ストリングの張架方向に対して傾斜して設けられている。これに対して、本発明では、縦ストリング孔をスロート部へと延在させて縦ストリングの打球面での張架方向と同一方向の縦ストリング孔としている。
このように、スロート部へと延在させ、スロート部の外面に外側開口を設けると、該縦ストリングを長くすることができる。該縦ストリング孔に通す縦ストリングはスロート部外面の外側開口端縁に接触して折り返し張架されるため、ストリングの有効長さを飛躍的に増大させることができる。
特に、前記スロート部へと延在させた縦トリング孔に通す縦ストリングは、打球面中央のスイートエリアの左右両縁に位置することにより、スイートエリアを左右横方向に大きく拡大することができる。
このように、スロート部へと延在させ、スロート部の外面に外側開口を設けると、該縦ストリングを長くすることができる。該縦ストリング孔に通す縦ストリングはスロート部外面の外側開口端縁に接触して折り返し張架されるため、ストリングの有効長さを飛躍的に増大させることができる。
特に、前記スロート部へと延在させた縦トリング孔に通す縦ストリングは、打球面中央のスイートエリアの左右両縁に位置することにより、スイートエリアを左右横方向に大きく拡大することができる。
さらに、本発明は、第二に、打球面にストリングを張架したラケットを提供している。
即ち、第二の発明のラケットは、ヘッド部とシャフト部とを連続する左右スロート部の間にヨーク部が設けられ、該ヨーク部と前記ヘッド部とで打球面を囲むストリング張架部が形成され、該ストリング張架部に設けられるストリング孔を通して前記打球面に縦ストリングおよび横ストリングが張架されているラケットにおいて、
前記ストリング孔のうち、該ストリング孔の軸線方向が、該ストリング孔を通る縦ストリングの打球面内における張架方向と同一直線上にある縦ストリング孔と、該ストリング孔を通る横ストリングの打球面内における張架方向と同一直線上にある横ストリング孔と、の合計数をNs2とし、
全ストリング孔の総数をN2とする場合において、
Ns2のN2に対する比率Ns2/N2を0.70以上1.0以下としていることを特徴としている。
即ち、第二の発明のラケットは、ヘッド部とシャフト部とを連続する左右スロート部の間にヨーク部が設けられ、該ヨーク部と前記ヘッド部とで打球面を囲むストリング張架部が形成され、該ストリング張架部に設けられるストリング孔を通して前記打球面に縦ストリングおよび横ストリングが張架されているラケットにおいて、
前記ストリング孔のうち、該ストリング孔の軸線方向が、該ストリング孔を通る縦ストリングの打球面内における張架方向と同一直線上にある縦ストリング孔と、該ストリング孔を通る横ストリングの打球面内における張架方向と同一直線上にある横ストリング孔と、の合計数をNs2とし、
全ストリング孔の総数をN2とする場合において、
Ns2のN2に対する比率Ns2/N2を0.70以上1.0以下としていることを特徴としている。
前記第二の発明のストリングを張架しているラケットフレーム自体は、第一の発明のラケットフレームと実質的に同一であり、打球面におけるストリングの張架方向とストリング孔の軸線方向が同一線上となるように設定している。
即ち、ラケットフレームに設けるストリング孔を、打球面における縦・横ストリングの張架方向と同一方向とした縦ストリング孔、横ストリング孔としても、ストリングが傾斜して張架された場合には、縦・横ストリング孔の内側開口の周縁に縦・横ストリングが接触することとなり、本発明が意図するストリングの有効長さ拡大に寄与しなくなる。
したがって、第二の発明では、打球面におけるストリングの張架方向に対してストリング孔の軸線方向を規定し、縦・横ストリングがストリング孔の外側開口とのみ接触するストリング孔を縦ストリング孔、横ストリング孔としている。
即ち、ラケットフレームに設けるストリング孔を、打球面における縦・横ストリングの張架方向と同一方向とした縦ストリング孔、横ストリング孔としても、ストリングが傾斜して張架された場合には、縦・横ストリング孔の内側開口の周縁に縦・横ストリングが接触することとなり、本発明が意図するストリングの有効長さ拡大に寄与しなくなる。
したがって、第二の発明では、打球面におけるストリングの張架方向に対してストリング孔の軸線方向を規定し、縦・横ストリングがストリング孔の外側開口とのみ接触するストリング孔を縦ストリング孔、横ストリング孔としている。
よって、ラケットに設けるストリング孔は、少なくとも打球面側の内側開口の面積を、挿通するストリングの断面積より大とし、内側開口の内面にストリングが非接触で挿通させる大きさとしている。
前記のように、縦・横ストリング孔の延在方向を打球面における縦・横ストリングの張架方向と同一直線上に位置する設定としていることで、これら縦・横ストリング孔に通されるストリングは、これらストリング孔の外側開口の周縁のみと接触してフレーム外周に巻きつけられるため、ストリングの変形支点を外側開口端縁に規定することができ、ストリングの有効長さ(可変長さ)が増大する。
前記のように、縦・横ストリング孔の延在方向を打球面における縦・横ストリングの張架方向と同一直線上に位置する設定としていることで、これら縦・横ストリング孔に通されるストリングは、これらストリング孔の外側開口の周縁のみと接触してフレーム外周に巻きつけられるため、ストリングの変形支点を外側開口端縁に規定することができ、ストリングの有効長さ(可変長さ)が増大する。
第二の発明における、ストリング孔を通る縦ストリングの打球面内における張架方向と同一直線上にある縦ストリング孔と、該ストリング孔を通る横ストリングの打球面内における張架方向と同一直線上にある横ストリング孔と、の合計数をNs2は、縦横ストリングが縦横ストリング孔の軸線に対して傾斜して挿通されない限り、第一の発明のNs1と同じ数(Ns1=Ns2)となる。
第一の発明と同様に、ストリング有効長さを増大できる縦ストリング孔と横ストリング孔の合計数Ns2の、ストリング孔総数N2に対する割合を、0.70以上1.0以下としている。これにより、Ns2/N2が0.70未満のラケットに比して、打球面中心の左右両側および上下両側エリアの反発性を高めることが可能となり、スイートエリアを多方向にバランスよく、かつ、飛躍的に拡大することができる。
第一の発明と同様に、ストリング有効長さを増大できる縦ストリング孔と横ストリング孔の合計数Ns2の、ストリング孔総数N2に対する割合を、0.70以上1.0以下としている。これにより、Ns2/N2が0.70未満のラケットに比して、打球面中心の左右両側および上下両側エリアの反発性を高めることが可能となり、スイートエリアを多方向にバランスよく、かつ、飛躍的に拡大することができる。
第二の発明では、前記縦・横ストリング孔の軸線方向と打球面における縦・横ストリングの張架方向とが「同一直線上」にあると規定している。この「同一直線上」とは、第一の発明の「平行」の規定と同様に、縦ストリング孔の軸線と縦ストリングの打球面での張架方向の軸線との交差角度(横ストリング孔の軸線と横ストリングの打球面での張架方向の軸線との交差角度)が±10°以下の場合を指す。
、さらに前記交差角度は、縦・横ストリング孔の合計数の80%以上が±5°以下、特に±2°以下とするのが良い。さらには、いずれも±5°以下、さらに縦・横ストリング孔の合計数の80%以上、さらには90%以上を±2°以下とすることが好ましい。
、さらに前記交差角度は、縦・横ストリング孔の合計数の80%以上が±5°以下、特に±2°以下とするのが良い。さらには、いずれも±5°以下、さらに縦・横ストリング孔の合計数の80%以上、さらには90%以上を±2°以下とすることが好ましい。
なお、第二の発明において、縦ストリングの打球面内における張設方向がフレーム長手方向と平行でない場合あるいは/および横ストリングの打球面内における張設方向がフレーム幅方向と平行でない場合でも、縦・横ストリング孔を縦・横ストリングの張設方向と略同一直線上に延在させることで、確実にストリングの有効長さを増大できる。
上述したように、本発明によれば、ストリングの変形支点をラケットフレームの外側開口端縁に規定して、ストリング有効長さを増大できるストリング孔の形成数の、全ストリング孔数に対する割合を、0.70以上1.0以下としているため、打球面中心から左右両側および上下両側のエリアで反発性を高めることが可能となり、スイートエリアを多方向にバランスよく飛躍的に拡大することができる。
また、左右スロート部とヨーク部との連結部に設けられる縦ストリング孔を、スロート部の外側面まで延長させることにより、該縦ストリング孔に挿通するストリングの変形支点を、スロート部の外側開口端縁に規定するができ、該縦ストリング孔に挿通するストリングの可変長さを飛躍的に増大することができる。
以下、発明の実施形態を図面を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態はいずれも本発明を硬式テニス用ラケットに適用したものである。また、いずれの実施形態も、縦ストリングはフレーム長手方向と平行方向に、横ストリングはフレーム幅方向と平行方向に張架され、左右対称の形状・構成よりなる。
なお、以下に説明する実施形態はいずれも本発明を硬式テニス用ラケットに適用したものである。また、いずれの実施形態も、縦ストリングはフレーム長手方向と平行方向に、横ストリングはフレーム幅方向と平行方向に張架され、左右対称の形状・構成よりなる。
図1乃至図5に、本発明の第一実施形態に係るラケット10を示す。
ラケット10は、図1に示す本発明のラケットフレーム11に、図2に示すようにストリングを張架している。本実施形態では、64個のストリング孔20にストリングを張架し、打球面Fにおいて、縦ストリング41を14本とし、横ストリング42を18本として、打球面Fにおける縦横ストリングの合計は32本である。
ラケット10は、図1に示す本発明のラケットフレーム11に、図2に示すようにストリングを張架している。本実施形態では、64個のストリング孔20にストリングを張架し、打球面Fにおいて、縦ストリング41を14本とし、横ストリング42を18本として、打球面Fにおける縦横ストリングの合計は32本である。
前記ラケットフレーム11は、繊維強化樹脂シートを積層した中空の管状体よりなり、ヘッド部12、スロート部13、シャフト部14、グリップ部15を連続して形成し、ヘッド部12とシャフト部14とを連結するスロート部13を二股状とし、左右スロート部13の両側枠の間にはヨーク部16を設け、該ヨーク部16とヘッド部12とで打球面Fを囲むストリング張架部を構成としている。
図1に示すように、ヘッド部12の外周面側にはガット溝18を周方向に連続して形成すると共に、該ガット溝18の底面(ラケットフレーム外周側)から打球面Fと接する内周側にかけて、縦ストリング孔21と横ストリング孔22を貫通して設けている。同様に、前記ヨーク部16にも縦ストリング孔21を貫通して設けている。
また、左右スロート部13からヘッド部12への移行部とヨーク部16の左右両端との三角形状の結合部17には、図2および図3に示すように、結合部17からスロート部13まで延長する縦ストリング孔21を左右3個ずつ設けている。このスロート部13まで延長して設ける縦ストリング孔21を、ヘッド部12に設ける縦ストリング孔21と区別して、以下、延長縦ストリング孔21−1と称す。
前記縦ストリング孔21はいずれも、図3に示すように、その軸線L3が、ラケットフレーム11の長手方向の軸線L1と平行となるようにフレーム11に貫通して形成し、ヘッド部12およびヨーク部16の内周面側に内側開口21aを設け、外周面側には外側開口21bを設けている。
ただし、前記延長縦ストリング孔21−1は、その軸線L3−1が、ラケットフレーム11の長手方向の軸線L1と略平行となるように貫通している。
具体的には、結合部17からスロート部13の外周面にかけて、フレーム長手方向の軸線L1に対して±1°傾斜して貫通して形成し、結合部17の内周面側に内側開口21aが、スロート部13の外周面側には楕円形状の外側開口21bを開口している。
ただし、前記延長縦ストリング孔21−1は、その軸線L3−1が、ラケットフレーム11の長手方向の軸線L1と略平行となるように貫通している。
具体的には、結合部17からスロート部13の外周面にかけて、フレーム長手方向の軸線L1に対して±1°傾斜して貫通して形成し、結合部17の内周面側に内側開口21aが、スロート部13の外周面側には楕円形状の外側開口21bを開口している。
前記横ストリング孔22はいずれも、図4に示すように、その軸線L4が、ラケットフレーム11の幅方向L2と平行となるように貫通して形成され、ヘッド部12の内周面側に内側開口22aが穿設され、外周面側に外側開口22bが穿設されている。
前記縦ストリング孔21(延長縦ストリング孔21−1を含む)および横ストリング孔22の内側開口21a、22aは、該開口21a、22aを通る縦・横ストリング41、42と開口21a、22aの周縁との間に、ストリング41、42が変位可能な空隙ができ大きさとしている。
ラケットフレーム11に縦ストリング41と横ストリング42とを張架する時、前記ガット溝18に図5に示すバンパー33とグロメット32とを備えたストリング保護材31を装着して、ストリング41、42とフレーム11との間に介在させている。
前記ストリング保護材31は、ストリング41、42を挿通する挿通孔32aを貫通させた複数のグロメット32と、これら複数のグロメット32の基部を内周側に突設するように連結するバンパー33とからなる。該ストリング保護剤31は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の材質から形成することができ、強度と柔軟性を両立しえるという理由で、ナイロン樹脂やウレタン樹脂で形成するのがよく、特にナイロン樹脂がよい。
前記ストリング保護材31は、ストリング41、42を挿通する挿通孔32aを貫通させた複数のグロメット32と、これら複数のグロメット32の基部を内周側に突設するように連結するバンパー33とからなる。該ストリング保護剤31は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の材質から形成することができ、強度と柔軟性を両立しえるという理由で、ナイロン樹脂やウレタン樹脂で形成するのがよく、特にナイロン樹脂がよい。
前記構成のラケットフレーム11は、ストリング孔20の総数(N1)が64であり、その全てがフレーム長手方向の軸線L1またはフレーム幅方向L2に対して平行または交差角度±1°の略平行に貫通して形成した縦・横ストリング孔21、22(Ns1)である。
さらに、本実施形態に係るラケット10は、縦ストリング41をフレーム長手方向の軸線L1と平行方向に、横ストリング42をフレーム幅方向L2と平行方向に張架しているため、計64個のストリング孔21、22はいずれも、その軸線L3、L4が、該孔を挿通するストリング41、42の打球面F内における張設方向と同一線上または交差角度±1°の略同一線上にある縦ストリング孔、横ストリング孔(Ns2)となる。よって、Ns1=Ns2となり、Ns1/N1の値も、Ns2/N2の値も1.0となる。
さらに、本実施形態に係るラケット10は、縦ストリング41をフレーム長手方向の軸線L1と平行方向に、横ストリング42をフレーム幅方向L2と平行方向に張架しているため、計64個のストリング孔21、22はいずれも、その軸線L3、L4が、該孔を挿通するストリング41、42の打球面F内における張設方向と同一線上または交差角度±1°の略同一線上にある縦ストリング孔、横ストリング孔(Ns2)となる。よって、Ns1=Ns2となり、Ns1/N1の値も、Ns2/N2の値も1.0となる。
従って、打球面Fに張架される計32本の縦・横ストリング41、42の全てが、その両端部で縦・横ストリング孔21、22の外側開口21b、22bの端縁を変形支点とするストリング(以下「両端部外側支点ストリングA」とする)となる。
このように、打球面Fに張架される全てのストリングの有効長さを大としているため、打球面中心の上下左右を問わず広いエリアで反発性能が向上し、スイートエリアをバランスよく多方向に拡大することができる。
このように、打球面Fに張架される全てのストリングの有効長さを大としているため、打球面中心の上下左右を問わず広いエリアで反発性能が向上し、スイートエリアをバランスよく多方向に拡大することができる。
また、前記結合部17に設けられた延長縦ストリング孔21−1は、フレーム長手方向の軸線L1と略平行にスロート部13まで延長し、その外側開口21bにのみ縦ストリング41が接する構成としているため、ストリング有効長さは、延長縦ストリング孔21−1の長さ分だけ増大できる。この延長縦ストリング孔21−1の形成により、スイートエリアの左右両側の反発性を飛躍的に高めることがでる。
図6および図7に、第二実施形態のラケットフレームにストリングを張架したラケットを示す。
第二実施形態では、第一実施形態よりも縦ストリング41を左右両端に1本ずつ、計2本増やして16本とし、18本の横ストリング42と合わせて、計34本の縦・横ストリングを計68個(N1、N2=68)のストリング孔20(21、22、23、24)に張架している。
第二実施形態では、第一実施形態よりも縦ストリング41を左右両端に1本ずつ、計2本増やして16本とし、18本の横ストリング42と合わせて、計34本の縦・横ストリングを計68個(N1、N2=68)のストリング孔20(21、22、23、24)に張架している。
図6および図7に示すように、縦ストリング41のうち左右両端に張設される計2本のストリングを挿通するトップ側およびグリップ側の計4個のストリング孔は、その軸線L5が、フレーム11の内周接線L6に対して垂直方向となるように貫通して形成した傾斜ストリング孔23としている。
さらに、横ストリング42のうち上下両端に張設される計2本のストリングを挿通するトップ側およびグリップ側の計4個のストリング孔は、その軸線L7が、フレーム11の内周接線L8に対して垂直方向となるように貫通して形成した傾斜ストリング孔24としている。
さらに、横ストリング42のうち上下両端に張設される計2本のストリングを挿通するトップ側およびグリップ側の計4個のストリング孔は、その軸線L7が、フレーム11の内周接線L8に対して垂直方向となるように貫通して形成した傾斜ストリング孔24としている。
前記以外の縦ストリング41および横ストリング42を挿通するストリング孔は、いずれも、前記第一実施形態と同じ縦・横ストリング孔21、22としている。
連結部17には、左右3個ずつ、計6個の延長縦ストリング孔21−1を、フレーム長手方向の軸線L1に対して交差角度±1°の略平行に貫通して形成し、前記第一実施形態と同様としている。
連結部17には、左右3個ずつ、計6個の延長縦ストリング孔21−1を、フレーム長手方向の軸線L1に対して交差角度±1°の略平行に貫通して形成し、前記第一実施形態と同様としている。
本実施形態では、計68個(=N1)のストリング孔20のうち、縦・横ストリング孔21、22の合計数(Ns1)は60個である。従って、Ns1/N1の値は0.88となる。
従って、本実施形態においても、総数34本のストリング20のうち、大半の30本が両端部外側支点ストリングAであるため、反発性およびスイートエリアを飛躍的に拡大することができる。
従って、本実施形態においても、総数34本のストリング20のうち、大半の30本が両端部外側支点ストリングAであるため、反発性およびスイートエリアを飛躍的に拡大することができる。
また、本実施形態においても、縦ストリング41をフレーム長手方向の軸線L1と平行方向に、横ストリング42をフレーム幅方向L2と平行方向に張架しているため、前記第一実施形態と同様に、計60個の前記縦・横ストリング孔21、22はいずれも、その軸線L3、L4が、該孔を挿通するストリング41、42の打球面F内における張設方向と同一線上または交差角度±1°の略同一線上にある縦ストリング孔または横ストリング孔となる。即ち、Ns2/N2の比率も、前記Ns1/N1の比率と同じ0.88となる。
図8に第三実施形態のラケットを示す。
第三実施形態では、第二実施形態と同様に、16本の縦ストリング41と18本の横ストリング42と合わせて、計34本の縦・横ストリングを計68個(N1、N2=68)のストリング孔20(21、22、23、24)に張架している。
第三実施形態では、第二実施形態と同様に、16本の縦ストリング41と18本の横ストリング42と合わせて、計34本の縦・横ストリングを計68個(N1、N2=68)のストリング孔20(21、22、23、24)に張架している。
縦ストリング41のうち左右両端から4本ずつの縦ストリングを挿通するトップ側計8個のストリング孔と、左右両端の縦ストリングを挿通するグリップ側計2個のストリング孔を、傾斜ストリング孔23としている。
さらに、横ストリング42のうち、トップ側2本、グリップ側3本、計5本の横ストリングを挿通する左右両端の計10個のストリング孔を、傾斜ストリング孔24としている。
さらに、横ストリング42のうち、トップ側2本、グリップ側3本、計5本の横ストリングを挿通する左右両端の計10個のストリング孔を、傾斜ストリング孔24としている。
前記以外のストリング孔は、いずれも、前記実施形態と同じ縦・横ストリング孔21、22としている。
連結部17には、左右3個ずつ、計6個の延長縦ストリング孔21−1を、フレーム長手方向の軸線L1に対して交差角度±1°の略平行に貫通して形成し、前記実施形態と同様としている。
連結部17には、左右3個ずつ、計6個の延長縦ストリング孔21−1を、フレーム長手方向の軸線L1に対して交差角度±1°の略平行に貫通して形成し、前記実施形態と同様としている。
本実施形態では、計68個(=N1)のストリング孔のうち、縦・横ストリング孔21、22の合計数(Ns1)は48個である。従って、Ns1/N1の値は0.71となる。
従って、本実施形態においても、総数34本の縦・横ストリングのうち、7割以上に当たる24本が、両端部外側支点ストリングA、または、ストリングの一端側のみで変形支点が外周側となる一端部外側支点ストリングBとなり、これらストリングA、Bの可変長さが増大するため、反発性およびスイートエリアを確実に拡大することができる。
従って、本実施形態においても、総数34本の縦・横ストリングのうち、7割以上に当たる24本が、両端部外側支点ストリングA、または、ストリングの一端側のみで変形支点が外周側となる一端部外側支点ストリングBとなり、これらストリングA、Bの可変長さが増大するため、反発性およびスイートエリアを確実に拡大することができる。
また、縦ストリング41をフレーム長手方向の軸線L1と平行方向に、横ストリング42をフレーム幅方向L2と平行方向に張架しているため、計48個の前記縦・横ストリング孔21、22はいずれも、その軸線L3、L4が、該孔を挿通するストリング41a、42aの打球面F内における張設方向と同一線上または交差角度±1°の略同一線上にある縦ストリング孔または横ストリング孔となる。即ち、Ns2/N2の比率も、前記Ns1/N1の比率と同じ0.71となる。
(実施例)
以下の表1に示すとおり、縦ストリング孔と横ストリング孔の合計数(Ns)、ストリング孔の総数(N)、Ns/Nの値、連結部17に形成する縦ストリング孔の形状を異ならせた実施例1〜4と比較例1を作製し、テニスラケットの打球面内の異なる打点での反発係数を測定した。
表に示す縦・横ストリング孔の合計数NsはNs1に該当し、これら縦・横ストリング孔の軸線方向に対して縦・横ストリングを傾斜させずに挿通しているため、全て、Ns1=Ns2となり、NsはNs1、Ns2の個数を示している。
以下の表1に示すとおり、縦ストリング孔と横ストリング孔の合計数(Ns)、ストリング孔の総数(N)、Ns/Nの値、連結部17に形成する縦ストリング孔の形状を異ならせた実施例1〜4と比較例1を作製し、テニスラケットの打球面内の異なる打点での反発係数を測定した。
表に示す縦・横ストリング孔の合計数NsはNs1に該当し、これら縦・横ストリング孔の軸線方向に対して縦・横ストリングを傾斜させずに挿通しているため、全て、Ns1=Ns2となり、NsはNs1、Ns2の個数を示している。
実施例1〜4および比較例1のいずれのラケットフレームも、繊維強化熱可塑性樹脂で成形した中空形状で、打球面Fの面積が110sqin、フレーム全長が27インチ(699mm)である同一形状とし、フレーム重量およびフレームバランスは表1に示すとおり設定した。
詳細には、ラケットフレームは炭素繊維を強化繊維とし、マトリクスをエポキシ樹脂とした繊維強化樹脂のプリプレグシートを、66ナイロンからなる内圧チューブを被覆したマンドレル上に積層し、鉛直状の積層体を成形した。プリプレグ角度は、0°、22°、30°、45°、90°とし、積層した。マンドレルを抜き取って前記積層体を金型にセットした。金型を型締して、金型を150℃に昇温し、30分間の加熱を行うと同時に内圧チューブ内に9kgf/cm2の空気圧を付加し、加温保持し、加熱加温成型により作製した。
詳細には、ラケットフレームは炭素繊維を強化繊維とし、マトリクスをエポキシ樹脂とした繊維強化樹脂のプリプレグシートを、66ナイロンからなる内圧チューブを被覆したマンドレル上に積層し、鉛直状の積層体を成形した。プリプレグ角度は、0°、22°、30°、45°、90°とし、積層した。マンドレルを抜き取って前記積層体を金型にセットした。金型を型締して、金型を150℃に昇温し、30分間の加熱を行うと同時に内圧チューブ内に9kgf/cm2の空気圧を付加し、加温保持し、加熱加温成型により作製した。
いずれの実施例および比較例においても、縦ストリング41はフレーム長手方向の軸線L1と平行方向に、横ストリング42はフレーム幅方向L2と平行方向に張架した。
(実施例1)
前記第一実施形態と同一構成とした。即ち、28個の縦ストリング孔と36個の横ストリング孔からなる計64個のストリング孔の全てを縦・横ストリング孔21、22とし、Ns/Nの値を1.0とした。
また、前記縦ストリング孔21のうち、左右スロート部とヨーク部の連結部17に形成される左右3個ずつの縦ストリング孔は、スロート部の外周面まで延長する延長縦ストリング孔21−1とした。
前記第一実施形態と同一構成とした。即ち、28個の縦ストリング孔と36個の横ストリング孔からなる計64個のストリング孔の全てを縦・横ストリング孔21、22とし、Ns/Nの値を1.0とした。
また、前記縦ストリング孔21のうち、左右スロート部とヨーク部の連結部17に形成される左右3個ずつの縦ストリング孔は、スロート部の外周面まで延長する延長縦ストリング孔21−1とした。
(実施例2)
前記第二実施形態と同一構成とした。即ち、計68個のストリング孔のうち、左右両端の計4個のストリング孔と、上下両端の計4個のストリング孔を傾斜ストリング孔23、24とし、その他の60個のストリング孔を縦・横ストリング孔21、22とした。Ns/Nの値は0.88とした。 その他の構成は実施例1と同一とした。
前記第二実施形態と同一構成とした。即ち、計68個のストリング孔のうち、左右両端の計4個のストリング孔と、上下両端の計4個のストリング孔を傾斜ストリング孔23、24とし、その他の60個のストリング孔を縦・横ストリング孔21、22とした。Ns/Nの値は0.88とした。 その他の構成は実施例1と同一とした。
(実施例3)
前記第三実施形態と同一構成とした。即ち、計68個のストリング孔のうち、左右両端から4本ずつの縦ストリングを挿通するトップ側計8個のストリング孔と、左右両端の縦ストリングを挿通するグリップ側計2個のストリング孔と、トップ側2本の横ストリングを挿通する計4個のストリング孔と、グリップ側3本の横ストリングを挿通する計6個のストリング孔とを傾斜ストリング孔23、24とした。その他の48個のストリング孔は縦・横ストリング孔21、22とし、Ns/Nの値は0.71とした。
その他の構成は実施例1、2と同一とした。
前記第三実施形態と同一構成とした。即ち、計68個のストリング孔のうち、左右両端から4本ずつの縦ストリングを挿通するトップ側計8個のストリング孔と、左右両端の縦ストリングを挿通するグリップ側計2個のストリング孔と、トップ側2本の横ストリングを挿通する計4個のストリング孔と、グリップ側3本の横ストリングを挿通する計6個のストリング孔とを傾斜ストリング孔23、24とした。その他の48個のストリング孔は縦・横ストリング孔21、22とし、Ns/Nの値は0.71とした。
その他の構成は実施例1、2と同一とした。
(実施例4)
図9に示すように、計68個のストリング孔のうち、左右両端の縦ストリングのトップ側2個のストリング孔と、左右両端から5本ずつの縦ストリングを挿通するグリップ側計10個のストリング孔と、トップ側1本の横ストリングを挿通する2個のストリング孔とを傾斜ストリング孔23、24とし、その他の計54個のストリング孔を縦・横ストリング孔21、22とした。Ns/Nの値は0.26とした。
連結部17に形成される縦ストリング孔は、前記傾斜ストリング23であり、打球面Fを時計面と見た場合における5時、7時方向に形成した。
図9に示すように、計68個のストリング孔のうち、左右両端の縦ストリングのトップ側2個のストリング孔と、左右両端から5本ずつの縦ストリングを挿通するグリップ側計10個のストリング孔と、トップ側1本の横ストリングを挿通する2個のストリング孔とを傾斜ストリング孔23、24とし、その他の計54個のストリング孔を縦・横ストリング孔21、22とした。Ns/Nの値は0.26とした。
連結部17に形成される縦ストリング孔は、前記傾斜ストリング23であり、打球面Fを時計面と見た場合における5時、7時方向に形成した。
(比較例1)
図10に示すように、計68個のストリング孔のうち、トップ側から5本目〜13本目までの計9本の横ストリングを挿通する計18個のストリング孔を横ストリング孔22とし、その他の計50個のストリング孔は全て傾斜ストリング孔23、24とし、Ns/Nの値は0.26とした。
連結部17に形成されるストリング孔は、前記傾斜ストリング孔23であり、打球面Fを時計面と見た場合における5時、7時方向に形成した。
図10に示すように、計68個のストリング孔のうち、トップ側から5本目〜13本目までの計9本の横ストリングを挿通する計18個のストリング孔を横ストリング孔22とし、その他の計50個のストリング孔は全て傾斜ストリング孔23、24とし、Ns/Nの値は0.26とした。
連結部17に形成されるストリング孔は、前記傾斜ストリング孔23であり、打球面Fを時計面と見た場合における5時、7時方向に形成した。
(反発係数の測定)
反発係数は、図11に示すように、実施例および比較例のテニスラケットフレーム11に、ストリングを縦60ポンド、横55ポンドの張力で張架し、各テニスラケットを垂直状態でフリーとなるようにグリップ部15を柔らかく固定し、その打球面の異なる3箇所、A点、B点、C点にボール打出機から一定速度V1(30m/sec)でテニスボールを打球面に衝突させ、跳ね返ったボールの速度V2を測定した。反発係数は発射速度V1、反発速度V2の比(V2/V1)であり、反発係数が大きいほどボールの飛びが良いことを示している。
反発係数は、図11に示すように、実施例および比較例のテニスラケットフレーム11に、ストリングを縦60ポンド、横55ポンドの張力で張架し、各テニスラケットを垂直状態でフリーとなるようにグリップ部15を柔らかく固定し、その打球面の異なる3箇所、A点、B点、C点にボール打出機から一定速度V1(30m/sec)でテニスボールを打球面に衝突させ、跳ね返ったボールの速度V2を測定した。反発係数は発射速度V1、反発速度V2の比(V2/V1)であり、反発係数が大きいほどボールの飛びが良いことを示している。
前記A点とは、打球面中心部、即ちフレーム長手軸L1からの距離が0センチで、トップ部からの距離が18センチの位置とし、前記B点とは、該A点からフレーム幅方向に3センチ離れた位置、および、前記C点とは、A点からフレーム幅方向に6センチ離れた位置とした。
表1に示すように、Ns/Nの値を0.70以上に設定した実施例1〜4は、前記A点、B点、C点のすべての打点において、比較例1よりも反発係数が高くなった。これは、実施例1〜4が、比較例1よりも、ストリング有効長さの長いストリングが多く、高反発エリアが打球面中心部に限定されず広範囲に拡大したためと考えられる。特に、打球面の両サイド側に張架される縦ストリングは、延長縦ストリング孔により有効長さが飛躍的に増大するため、打球面中心部の左右両側での反発性向上が顕著になったと認められる。
実施例3と実施例4とを比較すると、ストリング有効長さの長いストリングは実施例4の方が多かったが、反発性は、A〜C点の全てにおいて、僅かではあるが実施例3の方が高くなった。これは、実施例3のラケットフレームは、連結部に設けられる縦ストリング孔をフレーム長手方向と平行の延長縦ストリング孔としたため、打球面中心部からサイド側に離れたB点、C点での反発性を、延長縦ストリング孔を設けなかった実施例4よりも効果的に高めることができたと認められる。
10 ラケット
11 ラケットフレーム
12 ヘッド部
13 スロート部
16 ヨーク部
17 連結部
20(21〜24) ストリング孔
21 縦ストリング孔
21−1 延長縦ストリング孔
22 横ストリング孔
23、24 傾斜ストリング孔
31 ストリング保護材
41 縦ストリング
42 横ストリング
L1 フレーム長手方向の軸線
L2 フレーム幅方向
11 ラケットフレーム
12 ヘッド部
13 スロート部
16 ヨーク部
17 連結部
20(21〜24) ストリング孔
21 縦ストリング孔
21−1 延長縦ストリング孔
22 横ストリング孔
23、24 傾斜ストリング孔
31 ストリング保護材
41 縦ストリング
42 横ストリング
L1 フレーム長手方向の軸線
L2 フレーム幅方向
Claims (5)
- ヘッド部とシャフト部とを連続する左右スロート部の間にヨーク部が設けられ、該ヨーク部と前記ヘッド部とで打球面を囲むストリング張架部が形成され、該ストリング張架部にストリング孔が設けられているラケットフレームにおいて、
前記ストリング孔のうち、該ストリング孔の軸線方向がラケットフレームの前記打球面の頂点とグリップ部の中心とを結ぶフレーム長手方向と平行である縦ストリング孔と、ストリング孔の軸線方向が前記打球面の最大幅方向であるフレーム幅方向と平行である横ストリング孔との合計数をNs1とし、
全ストリング孔の総数をN1とすると、
Ns1のN1に対する比率Ns1/N1が、0.70以上1.0以下であることを特徴とするラケットフレーム。 - 前記左右スロート部と前記ヨーク部との左右連結部に設けるストリング孔は、打球面側から前記スロート部の外面へとフレーム長手方向に延在する前記縦ストリング孔である請求項1に記載のラケットフレーム。
- ヘッド部とシャフト部とを連続する左右スロート部の間にヨーク部が設けられ、該ヨーク部と前記ヘッド部とで打球面を囲むストリング張架部が形成され、該ストリング張架部に設けられるストリング孔を通して前記打球面に縦ストリングおよび横ストリングが張架されているラケットにおいて、
前記ストリング孔のうち、該ストリング孔の軸線方向が、該ストリング孔を通る縦ストリングの打球面内における張架方向と同一直線上にある縦ストリング孔と、該ストリング孔を通る横ストリングの打球面内における張架方向と同一直線上にある横ストリング孔と、の合計数をNs2とし、
全ストリング孔の総数をN2とする場合において、
Ns2のN2に対する比率Ns2/N2を0.70以上1.0以下としていることを特徴とするラケット。 - 前記左右スロート部と前記ヨーク部との左右連結部に設けるストリング孔は、打球面に張架される縦ストリングと同一方向に延在する前記縦ストリング孔とし、打球面側から前記スロート部の外面へ延在している請求項3に記載のラケット。
- 前記ストリング孔は、少なくとも打球面側の内側開口の面積を、挿通するストリングの断面積より大とし、内側開口の内面にストリングが非接触で挿通させる大きさとしている
請求項3または請求項4に記載のラケット。
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