JP3474792B2 - ラケットフレーム - Google Patents
ラケットフレームInfo
- Publication number
- JP3474792B2 JP3474792B2 JP37088198A JP37088198A JP3474792B2 JP 3474792 B2 JP3474792 B2 JP 3474792B2 JP 37088198 A JP37088198 A JP 37088198A JP 37088198 A JP37088198 A JP 37088198A JP 3474792 B2 JP3474792 B2 JP 3474792B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- racket frame
- fiber
- frame
- racket
- reinforcing layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テニス、バドミン
トン等に使用されるラケットフレーム(以下、単にラケ
ットフレームと称する)に関するものであり、特に、繊
維強化樹脂から成形されるラケットフレームに関するも
のである。
トン等に使用されるラケットフレーム(以下、単にラケ
ットフレームと称する)に関するものであり、特に、繊
維強化樹脂から成形されるラケットフレームに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、ラケットフレームは、木や金属等
の材料を用いて形成されていたが、現在では、ラケット
フレームに要求される強靭性、剛性及び、反発力等の諸
特性を満足させ、しかも、必要な形状を得やすいといっ
た設計上の自由度が大きいことから、繊維強化樹脂製の
ラケットフレームが主流を占めるようになった。通常、
この種のラケットフレーム24は、図17に示すよう
に、中実或いは、中空の芯材20と、その周囲に配置さ
れる繊維強化樹脂製の外殻層22とからなる構成を有し
ており、前記外殻層22は、一般に、炭素繊維(引張り
弾性率が230〜460GPa)或いは、ガラス繊維
(引張り弾性率が60〜90GPa)を主体とする補強
繊維層23a〜23fを適宜積層して構成されるものが
主流となっている。
の材料を用いて形成されていたが、現在では、ラケット
フレームに要求される強靭性、剛性及び、反発力等の諸
特性を満足させ、しかも、必要な形状を得やすいといっ
た設計上の自由度が大きいことから、繊維強化樹脂製の
ラケットフレームが主流を占めるようになった。通常、
この種のラケットフレーム24は、図17に示すよう
に、中実或いは、中空の芯材20と、その周囲に配置さ
れる繊維強化樹脂製の外殻層22とからなる構成を有し
ており、前記外殻層22は、一般に、炭素繊維(引張り
弾性率が230〜460GPa)或いは、ガラス繊維
(引張り弾性率が60〜90GPa)を主体とする補強
繊維層23a〜23fを適宜積層して構成されるものが
主流となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
ラケットフレーム24、特にガラス繊維を主体として形
成されるラケットフレームでは、炭素繊維を用いたラケ
ットフレームと比べて比強度に劣るといった欠点があ
り、ラケットフレームとして実用上充分な強度を確保す
るためには、多量のガラス繊維を用いなければならない
が、ガラス繊維自体の比重が大きいことからラケットフ
レームの重量及び、バランスが著しく増加して打球時の
フィーリングに悪影響を与えてしまう問題があった。
又、このものは、ガラス繊維の持つ低い弾性率が作用す
るため、ラケットフレームとして必要な剛性を発現させ
ることが難しく、打球時の反発性や面安定性を満足させ
ることが出来ないといった問題があった。
ラケットフレーム24、特にガラス繊維を主体として形
成されるラケットフレームでは、炭素繊維を用いたラケ
ットフレームと比べて比強度に劣るといった欠点があ
り、ラケットフレームとして実用上充分な強度を確保す
るためには、多量のガラス繊維を用いなければならない
が、ガラス繊維自体の比重が大きいことからラケットフ
レームの重量及び、バランスが著しく増加して打球時の
フィーリングに悪影響を与えてしまう問題があった。
又、このものは、ガラス繊維の持つ低い弾性率が作用す
るため、ラケットフレームとして必要な剛性を発現させ
ることが難しく、打球時の反発性や面安定性を満足させ
ることが出来ないといった問題があった。
【0004】このような欠点は、上記のガラス繊維より
も比強度及び、引張り弾性率の高い炭素繊維を用いるこ
とで、軽量で、且つ強度及び、剛性に優れるラケットフ
レームを形成することが出来るが、近年では、ラケット
フレームの軽量化の流れが一段と加速されてきているこ
ともあり、より一層のラケットフレームの軽量化が望ま
れるが、ラケットフレームの軽量化を更に図りつつ、実
用上充分な強度と剛性を維持させることは、現在では難
しい問題となっている。
も比強度及び、引張り弾性率の高い炭素繊維を用いるこ
とで、軽量で、且つ強度及び、剛性に優れるラケットフ
レームを形成することが出来るが、近年では、ラケット
フレームの軽量化の流れが一段と加速されてきているこ
ともあり、より一層のラケットフレームの軽量化が望ま
れるが、ラケットフレームの軽量化を更に図りつつ、実
用上充分な強度と剛性を維持させることは、現在では難
しい問題となっている。
【0005】即ち、従来の炭素繊維(引張り弾性率が2
30〜460GPa)を用いたラケットフレームにおい
て、軽量化を図るには、外殻層の肉厚を薄く構成する
か、フレーム自体の外径を細径化しなければならないた
め、結果として、ラケットフレームの強度と剛性を低下
させてしまいラケットフレームとして必要な要求特性を
満足させることが出来ないといった問題があった。又、
逆に、ラケットフレームの強度と剛性を高めるために
は、前記炭素繊維の使用量を増やして、外殻層の肉厚を
厚く構成するか、フレーム自体の外径を大径化しなけれ
ばならないため、ラケットフレームの重量増加は免れな
いものとなっていた。このように、ラケットフレームの
軽量化を図ることと、必要な強度と剛性を得ることは、
互いに相反する設計構成となり、双方を満足させるよう
なラケットフレームを構成することは難しいものであっ
た。このような問題は、硬式テニスのみならず、特に、
ソフトテニス(軟式テニスとも称する)や、バドミント
ン等において使用されるラケットフレームのように、外
径や肉厚が小さく制限されるようなラケットフレームに
おいて難しい問題となっている。
30〜460GPa)を用いたラケットフレームにおい
て、軽量化を図るには、外殻層の肉厚を薄く構成する
か、フレーム自体の外径を細径化しなければならないた
め、結果として、ラケットフレームの強度と剛性を低下
させてしまいラケットフレームとして必要な要求特性を
満足させることが出来ないといった問題があった。又、
逆に、ラケットフレームの強度と剛性を高めるために
は、前記炭素繊維の使用量を増やして、外殻層の肉厚を
厚く構成するか、フレーム自体の外径を大径化しなけれ
ばならないため、ラケットフレームの重量増加は免れな
いものとなっていた。このように、ラケットフレームの
軽量化を図ることと、必要な強度と剛性を得ることは、
互いに相反する設計構成となり、双方を満足させるよう
なラケットフレームを構成することは難しいものであっ
た。このような問題は、硬式テニスのみならず、特に、
ソフトテニス(軟式テニスとも称する)や、バドミント
ン等において使用されるラケットフレームのように、外
径や肉厚が小さく制限されるようなラケットフレームに
おいて難しい問題となっている。
【0006】そこで本発明は、これら上記従来の問題点
に鑑み、ラケットフレームの軽量化を図りつつ、実用上
充分な強度と剛性が確保できて、バランスや慣性モーメ
ントなどの設計の自由度の大きいラケットフレームを提
供することを目的とするものである。
に鑑み、ラケットフレームの軽量化を図りつつ、実用上
充分な強度と剛性が確保できて、バランスや慣性モーメ
ントなどの設計の自由度の大きいラケットフレームを提
供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、以下のような構成とした。即ち、本発明
の請求項1に係るラケットフレームは、引張り弾性率が
60〜460GPaの炭素繊維或いは、ガラス繊維で強
化された繊維強化樹脂製の外殻層の層間に、引張り弾性
率が650〜1000GPaの炭素繊維を用いた補強層
が配置されて成るラケットフレームであって、前記補強
層を構成する炭素繊維は、前記外殻層を構成する全繊維
量の1〜30%の割合で、しかも、前記ラケットフレー
ムの周長方向に対して0°〜±20°の配向角度で配置
されていることを特徴とするものである。
に、本発明は、以下のような構成とした。即ち、本発明
の請求項1に係るラケットフレームは、引張り弾性率が
60〜460GPaの炭素繊維或いは、ガラス繊維で強
化された繊維強化樹脂製の外殻層の層間に、引張り弾性
率が650〜1000GPaの炭素繊維を用いた補強層
が配置されて成るラケットフレームであって、前記補強
層を構成する炭素繊維は、前記外殻層を構成する全繊維
量の1〜30%の割合で、しかも、前記ラケットフレー
ムの周長方向に対して0°〜±20°の配向角度で配置
されていることを特徴とするものである。
【0008】又、請求項2に係るラケットフレームは、
引張り弾性率が60〜460GPaの炭素繊維或いは、
ガラス繊維で強化された繊維強化樹脂製の外殻層の層間
に補強層が配置されて成るラケットフレームにおいて、
前記補強層は、引張り弾性率が650〜1000GPa
の炭素繊維で強化されたシート状のプリプレグを、その
繊維方向と直交する方向にロール状に巻き込んで形成さ
れる棒状体から成ることを特徴とするものである。
引張り弾性率が60〜460GPaの炭素繊維或いは、
ガラス繊維で強化された繊維強化樹脂製の外殻層の層間
に補強層が配置されて成るラケットフレームにおいて、
前記補強層は、引張り弾性率が650〜1000GPa
の炭素繊維で強化されたシート状のプリプレグを、その
繊維方向と直交する方向にロール状に巻き込んで形成さ
れる棒状体から成ることを特徴とするものである。
【0009】請求項3は、前記請求項1又は、2に係る
ラケットフレームであって、前記補強層は、フレームの
打球面側に相当する両側面に配置されていることを特徴
とするものである。
ラケットフレームであって、前記補強層は、フレームの
打球面側に相当する両側面に配置されていることを特徴
とするものである。
【0010】請求項4は、前記請求項1、2又は、3に
係るラケットフレームであって、前記補強層は、打球面
側と直交する方向のフレームの内周面及び/又は、外周
面に配置されていることを特徴とするものである。
係るラケットフレームであって、前記補強層は、打球面
側と直交する方向のフレームの内周面及び/又は、外周
面に配置されていることを特徴とするものである。
【0011】請求項5は、前記請求項1、2、3又は、
4に係るラケットフレームであって、前記補強層は、前
記ラケットフレームの打球部を構成する領域に配置され
ていることを特徴とするものである。
4に係るラケットフレームであって、前記補強層は、前
記ラケットフレームの打球部を構成する領域に配置され
ていることを特徴とするものである。
【0012】請求項6は、前記請求項1又は、2に係る
ラケットフレームであって、前記補強層は、前記ラケッ
トフレームのシャフト部を構成する領域に配置されてい
ることを特徴とするものである。
ラケットフレームであって、前記補強層は、前記ラケッ
トフレームのシャフト部を構成する領域に配置されてい
ることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、図面と共に詳記する好適
な実施例により本発明を説明する。図1は、本実施例の
ラケットフレームの正面図であり、図2は、図1のA−
A線部での拡大端面図、図3は、本実施例のラケットフ
レームの製造方法を表す説明図、図4乃至図7は、その
他の実施例のラケットフレームの構成を表す構成説明図
である。図1に示すように、ラケットフレーム1は、ガ
ットが張設されて網面が形成される打球部2と、該打球
部2とグリップ部3とを連結する左右2本のシャフト部
4とから成る構成を有している。通常、前記ラケットフ
レーム1は、引張り弾性率が60〜460GPaの炭素
繊維或いは、ガラス繊維からなる繊維強化樹脂製の外殻
層から構成されており、本発明のラケットフレームで
は、この通常の構成を有するラケットフレームの外殻層
に、引張り弾性率が650〜1000GPaの炭素繊維
からなる繊維強化樹脂製の補強層を配置させてなるもの
である。
な実施例により本発明を説明する。図1は、本実施例の
ラケットフレームの正面図であり、図2は、図1のA−
A線部での拡大端面図、図3は、本実施例のラケットフ
レームの製造方法を表す説明図、図4乃至図7は、その
他の実施例のラケットフレームの構成を表す構成説明図
である。図1に示すように、ラケットフレーム1は、ガ
ットが張設されて網面が形成される打球部2と、該打球
部2とグリップ部3とを連結する左右2本のシャフト部
4とから成る構成を有している。通常、前記ラケットフ
レーム1は、引張り弾性率が60〜460GPaの炭素
繊維或いは、ガラス繊維からなる繊維強化樹脂製の外殻
層から構成されており、本発明のラケットフレームで
は、この通常の構成を有するラケットフレームの外殻層
に、引張り弾性率が650〜1000GPaの炭素繊維
からなる繊維強化樹脂製の補強層を配置させてなるもの
である。
【0014】
即ち、前記本実施例のラケットフレーム1
は、図2乃至図3に示すように、芯材5の周囲に配置さ
れる繊維強化樹脂製の外殻層6が、引張り弾性率が60
〜460GPaの炭素繊維或いは、ガラス繊維で強化さ
れた繊維強化樹脂製の外殻層6と、引張り弾性率が65
0〜1000GPaの炭素繊維で強化された繊維強化樹
脂製の補強層7とから構成されており、前記補強層7
は、ラケットフレーム1の打球面側の両側面8a、8b
に相当する前記外殻層6の層間に1層介在された構成と
なっている。
は、図2乃至図3に示すように、芯材5の周囲に配置さ
れる繊維強化樹脂製の外殻層6が、引張り弾性率が60
〜460GPaの炭素繊維或いは、ガラス繊維で強化さ
れた繊維強化樹脂製の外殻層6と、引張り弾性率が65
0〜1000GPaの炭素繊維で強化された繊維強化樹
脂製の補強層7とから構成されており、前記補強層7
は、ラケットフレーム1の打球面側の両側面8a、8b
に相当する前記外殻層6の層間に1層介在された構成と
なっている。
【0015】
上記構成のラケットフレーム1を成形する
には、先ず、予めラケットフレームを成形するのに必要
な長さに形成されたナイロン製のチューブからなる芯材
5の周囲に、引張り弾性率が60〜460GPaの炭素
繊維或いは、ガラス繊維を強化繊維とするシート状のプ
リプレグ9a、9b、9c、9d、9e、9fをそれぞ
れ積層巻回させると共に、ラケットフレーム1の打球面
側の両側面8a、8bに相当する前記プリプレグ9d、
9eの層間に、引張り弾性率が650〜1000GPa
の炭素繊維を強化繊維とするシート状のプリプレグ10
を配置させてラケットフレーム成形体11を形成し、そ
の後、前記ラケットフレーム成形体11を図示はしない
が金型内に配置させ、型締め後、前記芯材5の内部に圧
縮空気を注入して芯材5を膨らませながら加熱硬化させ
ることによって形成されるものである。
には、先ず、予めラケットフレームを成形するのに必要
な長さに形成されたナイロン製のチューブからなる芯材
5の周囲に、引張り弾性率が60〜460GPaの炭素
繊維或いは、ガラス繊維を強化繊維とするシート状のプ
リプレグ9a、9b、9c、9d、9e、9fをそれぞ
れ積層巻回させると共に、ラケットフレーム1の打球面
側の両側面8a、8bに相当する前記プリプレグ9d、
9eの層間に、引張り弾性率が650〜1000GPa
の炭素繊維を強化繊維とするシート状のプリプレグ10
を配置させてラケットフレーム成形体11を形成し、そ
の後、前記ラケットフレーム成形体11を図示はしない
が金型内に配置させ、型締め後、前記芯材5の内部に圧
縮空気を注入して芯材5を膨らませながら加熱硬化させ
ることによって形成されるものである。
【0016】
以上のように、本実施例のラケットフレー
ム1では、引張り弾性率が650〜1000GPaの炭
素繊維で強化された補強層7を、引張り弾性率が60〜
460GPaの炭素繊維或いは、ガラス繊維で強化され
た繊維強化樹脂製の外殻層6の層間に配置した構成を有
するため、ラケットフレームの重量を増大させることな
く、ラケットフレーム1として必要な強度や剛性を充分
に確保することが出来る。特に、本実施例のラケットフ
レーム1では、前記補強層7をラケットフレームの打球
面側に相当する両側面8a、8bに配置した構成を有す
るため、ラケットフレームの打球方向への曲げ剛性を一
段と向上させることができ、優れた反発性能が得られる
ものである。
ム1では、引張り弾性率が650〜1000GPaの炭
素繊維で強化された補強層7を、引張り弾性率が60〜
460GPaの炭素繊維或いは、ガラス繊維で強化され
た繊維強化樹脂製の外殻層6の層間に配置した構成を有
するため、ラケットフレームの重量を増大させることな
く、ラケットフレーム1として必要な強度や剛性を充分
に確保することが出来る。特に、本実施例のラケットフ
レーム1では、前記補強層7をラケットフレームの打球
面側に相当する両側面8a、8bに配置した構成を有す
るため、ラケットフレームの打球方向への曲げ剛性を一
段と向上させることができ、優れた反発性能が得られる
ものである。
【0017】
尚、前記補強層7の配置部位としては、上
記実施例で説明するように、ラケットフレームの打球面
側に相当する両側面8a、8bに配置するものに限定さ
れることなく、例えば、図4に示すように、前記補強層
7を全周囲に亘って配置させても良く、又、図5乃至図
7に示すように、ラケットフレームの打球面側と直交す
る方向のフレームの内周面12や、外周面13、更に
は、内周面12と外周面13の双方に配置することによ
って、ラケットフレーム1の打球面方向への剛性を高め
て、反発性能を向上せしめる構成とすることも可能であ
る。
記実施例で説明するように、ラケットフレームの打球面
側に相当する両側面8a、8bに配置するものに限定さ
れることなく、例えば、図4に示すように、前記補強層
7を全周囲に亘って配置させても良く、又、図5乃至図
7に示すように、ラケットフレームの打球面側と直交す
る方向のフレームの内周面12や、外周面13、更に
は、内周面12と外周面13の双方に配置することによ
って、ラケットフレーム1の打球面方向への剛性を高め
て、反発性能を向上せしめる構成とすることも可能であ
る。
【0018】
前記補強層7は、前記ラケットフレーム1
の全長領域、即ち、打球部2とシャフト部4及び、グリ
ップ部3のすべての領域に亘って配置させる構成とする
ことができる他、打球部2を構成する領域或いは、シャ
フト部4を構成する領域に部分的に配置させる構成とす
ることも出来る。
の全長領域、即ち、打球部2とシャフト部4及び、グリ
ップ部3のすべての領域に亘って配置させる構成とする
ことができる他、打球部2を構成する領域或いは、シャ
フト部4を構成する領域に部分的に配置させる構成とす
ることも出来る。
【0019】
前記補強層7をラケットフレーム1の全周
領域に配置させた場合には、ラケットフレーム全体の剛
性が相対的に高まり、軽量であると共に、反発特性及
び、面安定性能が極めて良好なラケットフレームとする
ことができる。又、前記補強層7をラケットフレームの
打球部2を構成する領域のみに配置させた場合では、シ
ャフト部4に適度なしなり特性を残存させつつ、打球部
2における面安定性能と反発特性を高めたラケットフレ
ームとすることができる。又、前記補強層7をラケット
フレームのシャフト部4を構成する領域のみに配置させ
た場合では、スイング時及び、打球時におけるシャフト
部4のしなりを適度に抑制できるため、より強力な打球
を可能とすることが出来ると共に、打球部2においてソ
フトな打球感が得られるラケットフレームとすることが
できる。
領域に配置させた場合には、ラケットフレーム全体の剛
性が相対的に高まり、軽量であると共に、反発特性及
び、面安定性能が極めて良好なラケットフレームとする
ことができる。又、前記補強層7をラケットフレームの
打球部2を構成する領域のみに配置させた場合では、シ
ャフト部4に適度なしなり特性を残存させつつ、打球部
2における面安定性能と反発特性を高めたラケットフレ
ームとすることができる。又、前記補強層7をラケット
フレームのシャフト部4を構成する領域のみに配置させ
た場合では、スイング時及び、打球時におけるシャフト
部4のしなりを適度に抑制できるため、より強力な打球
を可能とすることが出来ると共に、打球部2においてソ
フトな打球感が得られるラケットフレームとすることが
できる。
【0020】
尚、上記実施例において、引張り弾性率が
60〜460GPaの炭素繊維或いは、ガラス繊維を強
化繊維とするプリプレグ9a〜9fは、ラケットフレー
ムとして要求される特性に応じて、その繊維の配向角度
は適宜設計して配向され得るが、引張り弾性率が650
〜1000GPaの炭素繊維を強化繊維とするプリプレ
グ10は、前記炭素繊維の持つ高い弾性特性を生かして
ラケットフレーム1の剛性を向上させるためにも、その
繊維の配向角度は、ラケットフレーム1の周長方向に対
して、0°〜±20°、好ましくは、0°〜±10°で
配向されることが望ましい。前記した配向角度が±20
よりも大きくなると、逆に、前記炭素繊維の特性を充分
に生かすことが出来ないため、ラケットフレームの剛性
の向上が望めず、又、前記炭素繊維自体が極めて剛直で
柔軟性に欠ける特性を持つことから、芯材の周囲に巻回
させる際に、前記炭素繊維が曲げ折れてしまい必要な強
度が発現出来なくなるといった問題を生じるため好まし
くない。
60〜460GPaの炭素繊維或いは、ガラス繊維を強
化繊維とするプリプレグ9a〜9fは、ラケットフレー
ムとして要求される特性に応じて、その繊維の配向角度
は適宜設計して配向され得るが、引張り弾性率が650
〜1000GPaの炭素繊維を強化繊維とするプリプレ
グ10は、前記炭素繊維の持つ高い弾性特性を生かして
ラケットフレーム1の剛性を向上させるためにも、その
繊維の配向角度は、ラケットフレーム1の周長方向に対
して、0°〜±20°、好ましくは、0°〜±10°で
配向されることが望ましい。前記した配向角度が±20
よりも大きくなると、逆に、前記炭素繊維の特性を充分
に生かすことが出来ないため、ラケットフレームの剛性
の向上が望めず、又、前記炭素繊維自体が極めて剛直で
柔軟性に欠ける特性を持つことから、芯材の周囲に巻回
させる際に、前記炭素繊維が曲げ折れてしまい必要な強
度が発現出来なくなるといった問題を生じるため好まし
くない。
【0021】
又、前記炭素繊維は、ラケットフレーム1
の外殻層6を構成する全繊維量の1〜30%、好ましく
は、3〜15%の割合で配置されることが好ましい。こ
れは、前記炭素繊維の持つ特性から、30%より多く配
置させると、ラケットフレームの剛性が高くなりすぎる
反面、強度が低下し、必要な強度を確保することが出来
なくなるといった問題があり、又、1%よりも少ない割
合で配置した場合には、満足のできるラケットフレーム
の剛性が得られないといった問題があるため好ましくな
い。
の外殻層6を構成する全繊維量の1〜30%、好ましく
は、3〜15%の割合で配置されることが好ましい。こ
れは、前記炭素繊維の持つ特性から、30%より多く配
置させると、ラケットフレームの剛性が高くなりすぎる
反面、強度が低下し、必要な強度を確保することが出来
なくなるといった問題があり、又、1%よりも少ない割
合で配置した場合には、満足のできるラケットフレーム
の剛性が得られないといった問題があるため好ましくな
い。
【0022】
以下に、本発明のその他の実施例を図8乃
至図10に基づいて説明する。即ち、図8乃至図10に
示す本実施例のラケットフレーム21は、上記実施例と
同様に、引張り弾性率が60〜460GPaの炭素繊維
或いは、ガラス繊維で強化された繊維強化樹脂製の外殻
層6の層間に、引張り弾性率が650〜1000GPa
の炭素繊維で強化された繊維強化樹脂製の補強層7が配
置された構成を有するものであるが、本実施例のラケッ
トフレームでは、前記補強層7が前記炭素繊維をロール
状に巻き込んで形成される棒状体14となっている。前
記の棒状体14は、図10に示すように、引張り弾性率
が650〜1000GPaの炭素繊維で強化されたシー
ト状のプリプレグ10を、その繊維方向と直交する方向
にロール状に巻き込んで棒状に形成されるものであり、
これを、上記実施例と同様に、ラケットフレームの打球
面側の両側面8a、8bに相当する外殻層6内に各々配
置して硬化成形されるものである。
至図10に基づいて説明する。即ち、図8乃至図10に
示す本実施例のラケットフレーム21は、上記実施例と
同様に、引張り弾性率が60〜460GPaの炭素繊維
或いは、ガラス繊維で強化された繊維強化樹脂製の外殻
層6の層間に、引張り弾性率が650〜1000GPa
の炭素繊維で強化された繊維強化樹脂製の補強層7が配
置された構成を有するものであるが、本実施例のラケッ
トフレームでは、前記補強層7が前記炭素繊維をロール
状に巻き込んで形成される棒状体14となっている。前
記の棒状体14は、図10に示すように、引張り弾性率
が650〜1000GPaの炭素繊維で強化されたシー
ト状のプリプレグ10を、その繊維方向と直交する方向
にロール状に巻き込んで棒状に形成されるものであり、
これを、上記実施例と同様に、ラケットフレームの打球
面側の両側面8a、8bに相当する外殻層6内に各々配
置して硬化成形されるものである。
【0023】
このような本実施例のラケットフレーム2
1においては、局部的に前記炭素繊維を高密度で配置さ
せることができるため、より一層のラケットフレームの
高剛性化が実現できると共に、剛性設計の自由度が高く
なるといった利点を有するものである。
1においては、局部的に前記炭素繊維を高密度で配置さ
せることができるため、より一層のラケットフレームの
高剛性化が実現できると共に、剛性設計の自由度が高く
なるといった利点を有するものである。
【0024】
【実施例】(実施例1)
芯材5として、幅が27mmで、長さが1800mmの
ナイロン製のチューブ15を用意した。又、プリプレグ
としては、図11に示すような複数のプリプレグを用意
した。即ち、プリプレグP1は、引張り弾性率が240
GPaの炭素繊維を一方向に引き揃えたシート状のプリ
プレグを幅90mm、長さ1640mmの長方形に裁断
したものを用意した。このプリプレグP1の繊維角度
は、前記チューブの軸方向に対して±30°とした。
又、プリプレグP2は、引張り弾性率が70GPaのガ
ラス繊維を一方向に引き揃えたシート状のプリプレグを
幅60mm、長さ115mmの長方形に裁断したものを
用意した。このプリプレグP2の繊維角度は、±45°
とした。
ナイロン製のチューブ15を用意した。又、プリプレグ
としては、図11に示すような複数のプリプレグを用意
した。即ち、プリプレグP1は、引張り弾性率が240
GPaの炭素繊維を一方向に引き揃えたシート状のプリ
プレグを幅90mm、長さ1640mmの長方形に裁断
したものを用意した。このプリプレグP1の繊維角度
は、前記チューブの軸方向に対して±30°とした。
又、プリプレグP2は、引張り弾性率が70GPaのガ
ラス繊維を一方向に引き揃えたシート状のプリプレグを
幅60mm、長さ115mmの長方形に裁断したものを
用意した。このプリプレグP2の繊維角度は、±45°
とした。
【0025】
又、同様にして、プリプレグP3は、前記
プリプレグP1と同種のプリプレグを幅15mm、長さ
860mmの長方形に裁断したもので、繊維角度を90
°としたもの、プリプレグP4は、プリプレグP2と同
種のプリプレグを幅20mm、長さ950mmの長方形
で繊維角度を±30°としたもの、プリプレグP5は、
プリプレグP1と同種のプリプレグを幅20mm、長さ
800mmの長方形で繊維角度を0°としたもの、プリ
プレグP6は、プリプレグP2と同種のプリプレグを幅
30mm、長さ850mmの長方形で繊維角度を±30
°としたもの、プリプレグP7は、プリプレグP1と同
種のプリプレグで幅70mm、長さ1640mmの長方
形で繊維角度を±30°としたもの、プリプレグP8
は、プリプレグ2と同種のプリプレグで幅20mm、長
さ120mmの長方形で繊維角度が±30としたものを
用意した。
プリプレグP1と同種のプリプレグを幅15mm、長さ
860mmの長方形に裁断したもので、繊維角度を90
°としたもの、プリプレグP4は、プリプレグP2と同
種のプリプレグを幅20mm、長さ950mmの長方形
で繊維角度を±30°としたもの、プリプレグP5は、
プリプレグP1と同種のプリプレグを幅20mm、長さ
800mmの長方形で繊維角度を0°としたもの、プリ
プレグP6は、プリプレグP2と同種のプリプレグを幅
30mm、長さ850mmの長方形で繊維角度を±30
°としたもの、プリプレグP7は、プリプレグP1と同
種のプリプレグで幅70mm、長さ1640mmの長方
形で繊維角度を±30°としたもの、プリプレグP8
は、プリプレグ2と同種のプリプレグで幅20mm、長
さ120mmの長方形で繊維角度が±30としたものを
用意した。
【0026】
又、補強層を形成するプリプレグPhとし
て、引張り弾性率が950GPaの炭素繊維を一方向に
引き揃えたシート状のプリプレグを幅42mm、長さ1
600mmの長方形で、繊維角度が0°としたものを用
意し、これを図10に示すように、繊維方向に直交する
方向にロール状に巻き込み直径が約3mmの棒状の成形
体を2本用意した。
て、引張り弾性率が950GPaの炭素繊維を一方向に
引き揃えたシート状のプリプレグを幅42mm、長さ1
600mmの長方形で、繊維角度が0°としたものを用
意し、これを図10に示すように、繊維方向に直交する
方向にロール状に巻き込み直径が約3mmの棒状の成形
体を2本用意した。
【0027】
そして、これらのプリプレグP1〜P8及
び、Phを、図12に示すような形態で、前記チューブ
15の周囲に巻回積層させる。即ち、先ず、プリプレグ
P1、P2を順に前記チューブ15の全周に巻き付け、
次に、プリプレグP3、P4を、ラケットフレーム1の
外周面側に相当する前記チューブの外側面13に順に貼
り付ける。そして、プリプレグP5、P6を、前記外側
面13と反対側の内側面12に順に貼り付けて後、ラケ
ットフレームの打球面側に相当する一対の側面8a、8
bに、プリプレグPh、Phをそれぞれ配置させる。そ
の後、更にその外周部にプリプレグP7を巻き付けた
後、外周面13側にプリプレグP8を貼り付けてラケッ
トフレーム成形体11を得た。
び、Phを、図12に示すような形態で、前記チューブ
15の周囲に巻回積層させる。即ち、先ず、プリプレグ
P1、P2を順に前記チューブ15の全周に巻き付け、
次に、プリプレグP3、P4を、ラケットフレーム1の
外周面側に相当する前記チューブの外側面13に順に貼
り付ける。そして、プリプレグP5、P6を、前記外側
面13と反対側の内側面12に順に貼り付けて後、ラケ
ットフレームの打球面側に相当する一対の側面8a、8
bに、プリプレグPh、Phをそれぞれ配置させる。そ
の後、更にその外周部にプリプレグP7を巻き付けた
後、外周面13側にプリプレグP8を貼り付けてラケッ
トフレーム成形体11を得た。
【0028】
その後、前記ラケットフレーム成形体11
を、ラケットフレーム形状に曲げ沿わせながら、図示は
しない金型内に配置させ、型締め後、前記チューブ15
内に圧縮空気を挿入し加熱硬化させることにより本実施
例のラケットフレーム31を得た。
を、ラケットフレーム形状に曲げ沿わせながら、図示は
しない金型内に配置させ、型締め後、前記チューブ15
内に圧縮空気を挿入し加熱硬化させることにより本実施
例のラケットフレーム31を得た。
【0029】
(実施例2)
プリプレグP1〜P8は、上記実施例1と同一のものを
使用し、プリプレグPhとして、上記実施例1のプリプ
レグPhと同種で幅21mm、長さ800mm、繊維角
度が0°とした長方形のシート状のプリプレグを2枚貼
り合わせたものを用意した。
使用し、プリプレグPhとして、上記実施例1のプリプ
レグPhと同種で幅21mm、長さ800mm、繊維角
度が0°とした長方形のシート状のプリプレグを2枚貼
り合わせたものを用意した。
【0030】
これを、図13に示すように、上記実施例
1と同様に、プリプレグP1〜P8を巻き付けていき、
プリプレグPhを、プリプレグP3と、プリプレグP4
の間に介在させてラケットフレーム成形体11を得た。
その後、前記ラケットフレーム成形体11を金型内に配
置し、実施例1と同様な方法で加熱硬化成形させてラケ
ットフレーム41を得た。
1と同様に、プリプレグP1〜P8を巻き付けていき、
プリプレグPhを、プリプレグP3と、プリプレグP4
の間に介在させてラケットフレーム成形体11を得た。
その後、前記ラケットフレーム成形体11を金型内に配
置し、実施例1と同様な方法で加熱硬化成形させてラケ
ットフレーム41を得た。
【0031】
(比較例1)
実施例1の構成から、プリプレグPhを取り去り、前記
取り去ったプリプレグPhの重量相当分だけプリプレグ
P1の幅形状を大きく裁断することによって形成した構
成のラケットフレーム51を用意した。
取り去ったプリプレグPhの重量相当分だけプリプレグ
P1の幅形状を大きく裁断することによって形成した構
成のラケットフレーム51を用意した。
【0032】
(比較例2)
プリプレグPhとして、引張り弾性率が240GPaの
炭素繊維で強化されたプリプレグを用いる構成とした以
外は、上記実施例1と同様な構成で成形したラケットフ
レーム61を用意した。
炭素繊維で強化されたプリプレグを用いる構成とした以
外は、上記実施例1と同様な構成で成形したラケットフ
レーム61を用意した。
【0033】
(比較例3)
プリプレグPhとして、引張り弾性率が400GPaの
炭素繊維で強化されたプリプレグを用いる構成とした以
外は、上記実施例1と同様な構成で成形したラケットフ
レーム71を用意した。
炭素繊維で強化されたプリプレグを用いる構成とした以
外は、上記実施例1と同様な構成で成形したラケットフ
レーム71を用意した。
【0034】
(比較例4)
プリプレグPhとして、引張り弾性率が240GPaの
炭素繊維で強化されたプリプレグを用いる構成とした以
外は、上記実施例2と同様な構成で形成したラケットフ
レーム81を用意した。
炭素繊維で強化されたプリプレグを用いる構成とした以
外は、上記実施例2と同様な構成で形成したラケットフ
レーム81を用意した。
【0035】
これらの実施例1、2及び、比較例1〜3
のラケットフレームについて、それぞれラケットフレー
ムの曲げ剛性と、打球部における打球面方向への圧縮剛
性を測定し、この結果を以下の表1、表2に記した。
のラケットフレームについて、それぞれラケットフレー
ムの曲げ剛性と、打球部における打球面方向への圧縮剛
性を測定し、この結果を以下の表1、表2に記した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】上記ラケットフレームの曲げ剛性について
は、図14に示すように、ラケットフレームを支持台1
6の上に置き、所定の負荷速度で加圧くさび17によっ
てラケットフレームに荷重をかけ、その際の変形荷重を
読み取ったものである。尚、前記加圧くさび17の負荷
速度は、10mm/minとし、支持台16、16間の
支点間距離は、300mmとした。この測定では、ラケ
ットフレームの先端部からグリップ側に向かって160
mm隔てられた位置をA点と、そこから50mmづつグ
リップ側にずらした位置B点〜H点をそれぞれ測定し
た。尚、この測定で得られた剛性は、ラケットフレーム
の打球方向への剛性を比較する指標となる。
は、図14に示すように、ラケットフレームを支持台1
6の上に置き、所定の負荷速度で加圧くさび17によっ
てラケットフレームに荷重をかけ、その際の変形荷重を
読み取ったものである。尚、前記加圧くさび17の負荷
速度は、10mm/minとし、支持台16、16間の
支点間距離は、300mmとした。この測定では、ラケ
ットフレームの先端部からグリップ側に向かって160
mm隔てられた位置をA点と、そこから50mmづつグ
リップ側にずらした位置B点〜H点をそれぞれ測定し
た。尚、この測定で得られた剛性は、ラケットフレーム
の打球方向への剛性を比較する指標となる。
【0039】
又、ラケットフレームの打球部における打
球面方向への圧縮剛性については、打球部の長軸方向に
おける縦圧縮剛性と、短軸方向における横圧縮剛性をそ
れぞれ測定した。前記縦圧縮剛性の測定は、図15に示
すように、ラケットフレームを支持具18上に垂直に固
定し、加圧くさび17で荷重を加えた時のたわみ量から
剛性を求めた。又、前記横圧縮剛性の測定は、図16に
示すように、フレームを横向きとしてサイド部を支持台
16に置いて垂直に保持し、この状態で上側のサイド部
に加圧くさび17で荷重を加えて剛性を求めた。尚、こ
の測定で得られた剛性は、ラケットフレームの打球部に
おける打球面方向への剛性を比較する指標となる。
球面方向への圧縮剛性については、打球部の長軸方向に
おける縦圧縮剛性と、短軸方向における横圧縮剛性をそ
れぞれ測定した。前記縦圧縮剛性の測定は、図15に示
すように、ラケットフレームを支持具18上に垂直に固
定し、加圧くさび17で荷重を加えた時のたわみ量から
剛性を求めた。又、前記横圧縮剛性の測定は、図16に
示すように、フレームを横向きとしてサイド部を支持台
16に置いて垂直に保持し、この状態で上側のサイド部
に加圧くさび17で荷重を加えて剛性を求めた。尚、こ
の測定で得られた剛性は、ラケットフレームの打球部に
おける打球面方向への剛性を比較する指標となる。
【0040】
表1より、実施例1及び2と、比較例1〜
4のラケットフレームは、いずれも略同じ重量を有する
ように形成されている中で、引張り弾性率が240GP
aと、400GPaの炭素繊維で強化されたプリプレグ
Phをフレームの両側面に配置した比較例2と、比較例
3は、プリプレグPhを配置していない比較例1と比べ
てフレームの曲げ剛性をある程度は向上させてはいる
が、実施例1のラケットフレームは、これら比較例1〜
3よりも格段に高い曲げ剛性が得られた。
4のラケットフレームは、いずれも略同じ重量を有する
ように形成されている中で、引張り弾性率が240GP
aと、400GPaの炭素繊維で強化されたプリプレグ
Phをフレームの両側面に配置した比較例2と、比較例
3は、プリプレグPhを配置していない比較例1と比べ
てフレームの曲げ剛性をある程度は向上させてはいる
が、実施例1のラケットフレームは、これら比較例1〜
3よりも格段に高い曲げ剛性が得られた。
【0041】
又、同様に表2より、フレームの外周面に
引張り弾性率が240GPaの炭素繊維で強化されたプ
リプレグPhを配置させた比較例4は、プリプレグPh
を配置していない比較例1と比べて打球部における打球
面方向の剛性をある程度は向上させているものの、実施
例2のラケットフレームは、これら比較例1及び、4よ
りも格段に高い縦横圧縮剛性が得られた。
引張り弾性率が240GPaの炭素繊維で強化されたプ
リプレグPhを配置させた比較例4は、プリプレグPh
を配置していない比較例1と比べて打球部における打球
面方向の剛性をある程度は向上させているものの、実施
例2のラケットフレームは、これら比較例1及び、4よ
りも格段に高い縦横圧縮剛性が得られた。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明は、ラケットフレ
ームを構成する繊維強化樹脂製の外殻層の少なくとも一
部に、引張り弾性率が650〜1000GPaの炭素繊
維を用いた補強層を配置するものであるため、更に軽量
化を図りながら、ラケットフレームとして必要な強度を
確保し、剛性を一段と高めることができる。従って、従
来のラケットフレームのように、剛性を高くするために
外殻層の肉厚や、フレーム自体の形状を大きく設計しな
くても済むため、ラケットフレームの重量の増大が回避
できると共に、フレームの剛性やバランス設計の自由度
が大きくなる。又、本発明では、前記補強層により、ラ
ケットフレームとして必要な強度や剛性が充分に確保で
きるため、フレームの肉厚を従来のラケットフレームよ
りも薄く設計することが可能となり、この結果、ラケッ
トフレームの更なる軽量化が実現できるものである。
ームを構成する繊維強化樹脂製の外殻層の少なくとも一
部に、引張り弾性率が650〜1000GPaの炭素繊
維を用いた補強層を配置するものであるため、更に軽量
化を図りながら、ラケットフレームとして必要な強度を
確保し、剛性を一段と高めることができる。従って、従
来のラケットフレームのように、剛性を高くするために
外殻層の肉厚や、フレーム自体の形状を大きく設計しな
くても済むため、ラケットフレームの重量の増大が回避
できると共に、フレームの剛性やバランス設計の自由度
が大きくなる。又、本発明では、前記補強層により、ラ
ケットフレームとして必要な強度や剛性が充分に確保で
きるため、フレームの肉厚を従来のラケットフレームよ
りも薄く設計することが可能となり、この結果、ラケッ
トフレームの更なる軽量化が実現できるものである。
【図1】本実施例のラケットフレームの正面図。
【図2】図1のA―A線部での拡大端面図。
【図3】本実施例のラケットフレームの構成及び、製造
方法を表す説明図。
方法を表す説明図。
【図4】本発明のその他の実施例を表す説明図。
【図5】本発明のその他の実施例を表す説明図。
【図6】本発明のその他の実施例を表す説明図。
【図7】本発明のその他の実施例を表す説明図。
【図8】本発明のその他の実施例の構成を表す拡大端面
図。
図。
【図9】本発明のその他の実施例のラケットフレームの
構成説明図。
構成説明図。
【図10】本発明のその実施例のラケットフレームの製
造方法を表す説明図。
造方法を表す説明図。
【図11】実施例1において使用されるプリプレグの構
成説明図。
成説明図。
【図12】実施例1のラケットフレームの構成説明図。
【図13】実施例2のラケットフレームの構成説明図。
【図14】ラケットフレームの曲げ剛性を測定する説明
図。
図。
【図15】ラケットフレームの打球面方向の剛性を測定
する説明図。
する説明図。
【図16】ラケットフレームの打球面方向の剛性を測定
する説明図。
する説明図。
【図17】従来のラケットフレームの構成説明図。
1 ラケットフレーム
2 打球部
3 グリップ部
4 シャフト部
5 芯材
6 外殻層
7 補強層
8a 側面
8b 側面
9a プリプレグ
9b プリプレグ
9c プリプレグ
9d プリプレグ
9e プリプレグ
9f プリプレグ
10 プリプレグ
11 ラケットフレーム成形体
12 内周面
13 外周面
14 棒状体
15 チューブ
16 支持台
17 加圧くさび
18 支持具
19 先端部
20 芯材
21 ラケットフレーム
22 外殻層
23a補強繊維層
23b補強繊維層
23c補強繊維層
23d補強繊維層
23e補強繊維層
23f補強繊維層
24 ラケットフレーム
31 ラケットフレーム
41 ラケットフレーム
51 ラケットフレーム
61 ラケットフレーム
71 ラケットフレーム
81 ラケットフレーム
Claims (6)
- 【請求項1】 引張り弾性率が60〜460GPaの炭
素繊維或いは、ガラス繊維で強化された繊維強化樹脂製
の外殻層の層間に、引張り弾性率が650〜1000G
Paの炭素繊維を用いた補強層が配置されて成るラケッ
トフレームであって、前記補強層を構成する炭素繊維
は、前記外殻層を構成する全繊維量の1〜30%の割合
で、しかも、前記ラケットフレームの周長方向に対して
0°〜±20°の配向角度で配置されていることを特徴
とするラケットフレーム。 - 【請求項2】引張り弾性率が60〜460GPaの炭素
繊維或いは、ガラス繊維で強化された繊維強化樹脂製の
外殻層の層間に補強層が配置されて成るラケットフレー
ムにおいて、前記補強層は、引張り弾性率が650〜1
000GPaの炭素繊維で強化されたシート状のプリプ
レグを、その繊維方向と直交する方向にロール状に巻き
込んで形成される棒状体から成ることを特徴とするラケ
ットフレーム。 - 【請求項3】 前記補強層は、フレームの打球面側に相
当する両側面に配置されていることを特徴とする請求項
1又は、2記載のラケットフレーム。 - 【請求項4】 前記補強層は、打球面側と直交する方向
のフレームの内周面及び/又は、外周面に配置されてい
ることを特徴とする請求項1、2又は、3記載のラケッ
トフレーム。 - 【請求項5】 前記補強層は、前記ラケットフレームの
打球部を構成する領域に配置されていることを特徴とす
る請求項1、2、3又は、4記載のラケットフレーム。 - 【請求項6】 前記補強層は、前記ラケットフレームの
シャフト部を構成する領域に配置されていることを特徴
とする請求項1又は、2記載のラケットフレーム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37088198A JP3474792B2 (ja) | 1998-12-18 | 1998-12-25 | ラケットフレーム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36068198 | 1998-12-18 | ||
JP10-360681 | 1998-12-18 | ||
JP37088198A JP3474792B2 (ja) | 1998-12-18 | 1998-12-25 | ラケットフレーム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000233032A JP2000233032A (ja) | 2000-08-29 |
JP3474792B2 true JP3474792B2 (ja) | 2003-12-08 |
Family
ID=26581142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37088198A Expired - Fee Related JP3474792B2 (ja) | 1998-12-18 | 1998-12-25 | ラケットフレーム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3474792B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103961849A (zh) * | 2013-01-31 | 2014-08-06 | 邓禄普体育用品株式会社 | 球拍框架 |
CN110694241A (zh) * | 2019-09-18 | 2020-01-17 | 陈兆俊 | 穿线球拍之拍框的制作方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004003526B3 (de) * | 2004-01-23 | 2005-09-22 | Head Technology Gmbh | Schläger für Ballspiele und Herstellungsverfahren |
JP2011024619A (ja) * | 2009-07-21 | 2011-02-10 | Bridgestone Sports Co Ltd | ラケットフレーム |
CN109464788A (zh) * | 2018-11-23 | 2019-03-15 | 邬惠林 | 拍框互相碰撞不坏的羽毛球拍 |
-
1998
- 1998-12-25 JP JP37088198A patent/JP3474792B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103961849A (zh) * | 2013-01-31 | 2014-08-06 | 邓禄普体育用品株式会社 | 球拍框架 |
CN103961849B (zh) * | 2013-01-31 | 2016-08-17 | 邓禄普体育用品株式会社 | 球拍框架 |
EP2762205B1 (en) * | 2013-01-31 | 2016-09-07 | Dunlop Sports Co., Ltd. | Racket frame |
CN110694241A (zh) * | 2019-09-18 | 2020-01-17 | 陈兆俊 | 穿线球拍之拍框的制作方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000233032A (ja) | 2000-08-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1755748B1 (en) | Composite racquet with double tube head frame | |
JP3474792B2 (ja) | ラケットフレーム | |
CN100488586C (zh) | 球类运动用球拍及其制造方法 | |
JP3540195B2 (ja) | 繊維強化樹脂製ゴルフクラブ用シャフト | |
JP2648852B2 (ja) | テニスラケットフレーム | |
JP2004081230A (ja) | ゴルフクラブシャフト | |
CN112088035B (zh) | 羽毛球球拍 | |
JP2005334160A (ja) | テニスラケット | |
JP2005034550A (ja) | ゴルフクラブ用シャフト | |
JP3734008B2 (ja) | ラケットフレーム | |
JP2002306639A (ja) | ラケット | |
JP4576591B2 (ja) | ラケットフレーム | |
JP4495747B2 (ja) | ゴルフクラブセット | |
JP4284710B2 (ja) | ラケットフレーム | |
JP2005176960A (ja) | ゴルフクラブシャフト | |
JP5542612B2 (ja) | ゴルフクラブ用シャフトセット及びアイアンセット | |
JP2877016B2 (ja) | ラケットフレーム | |
JPH11262545A (ja) | バドミントンシャフト | |
JP2010221568A (ja) | 管状体 | |
JP3609294B2 (ja) | ラケットフレーム | |
JP2003334268A (ja) | ゴルフクラブシャフト | |
JP2002035170A (ja) | ラケットフレーム | |
JP4574571B2 (ja) | ラケット | |
JP2827949B2 (ja) | ラケットフレーム | |
JP2005328925A (ja) | ラケットフレーム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150919 Year of fee payment: 12 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |