JP4574346B2 - 荷籠兼用子供同乗席 - Google Patents

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Description

本発明は、自転車等の二輪車に装着使用される荷籠兼用子供同乗席に関するものである。
従来、この種荷籠兼用子供同乗席として、荷籠を、主籠部材と該主籠部材に対してヒンジ部を介して前下方に傾倒可能に枢着された副籠部材とで構成し、副籠部材を前下方に傾倒状態にしたとき、主籠部材の前方が開放されて副籠部材の前側壁を子供の足載せ部(ステップ部)として使用するようにした装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−49058号公報
しかしながら、従来の装置は、主籠部材及び副籠部材の寸法が一定であり、子供が大きくなってくると窮屈となっていた。
この点を改善するには、主籠部材と副籠部材の一方又は双方のサイズを調整可能とすることが考えられるが、子供の成長は、横方向よりも縦方向の伸びが大きく、また、子供の着座姿勢は、背中と臀部を主籠部材の後部内面と底面に当接し、両足を前に出す状態となり、これらの点を考慮すると、主籠部材や副籠部材のサイズを調整することよりも、両者の間隔を調整可能とすることの方が有効であることが分かる。
そこで、本発明は、子供同乗席の状態において、子供の成長や体格に応じて主籠部材に対する副籠部材の配置間隔を調整可能とした荷籠兼用子供同乗席を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために本発明は、主籠部材に形成された前部下方空間を副籠部材で閉鎖した荷籠姿勢と、主籠部材に対して副籠部材を前下方に傾倒して副籠部材の前壁を子供の足載せ部とする基本座席姿勢とに姿勢変更可能な荷籠兼用子供同乗席であって、前記主籠部材と副籠部材との間には、前記基本座席姿勢から主籠部材に対して副籠部材を更に前下方にスライドした伸張座席姿勢とするスライド機構が設けられており、
前記スライド機構は、主籠部材にヒンジ部を介して設けられたスライドベースと、該スライドベースに対して副籠部材を前後方向にスライド移動可能に支持するスライドガイドと、前記スライドベースに対する副籠部材のスライド移動を規制するロック機構とを備えており、
前記ロック機構は、前記スライドベースに回動可能に設置された鍵軸と、前記副籠部材に形成された第一鍵穴と、該第一鍵穴内で回動して副籠部材のスライド移動を許容若しくは阻止するべく前記鍵軸に設けられた制御翼片とを備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、子供が小さい間は、副籠部材を基本座席姿勢の状態で使用し、子供が大きくなってくると、スライド機構によって、副籠部材を基本座席姿勢から更に前下方にスライドした伸張座席姿勢に伸張させて使用することができ、これによって、子供の足を前に長く伸ばしてゆったりと着座させることができ、窮屈感をなくすことができる。
前記スライド機構は、主籠部材にヒンジ部を介して設けられたスライドベースと、該スライドベースに対して副籠部材を前後方向にスライド移動可能に支持するスライドガイドと、前記スライドベースに対する副籠部材のスライド移動を規制するロック機構とを備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、ロック機構によって、スライドベースに対する副籠部材の前後方向へのスライド移動をロックして、基本座席姿勢と伸張座席姿勢との何れかの姿勢に保持させることができる。
前記ロック機構は、前記スライドベースに回動可能に設置された鍵軸と、前記副籠部材に形成された第一鍵穴と、該第一鍵穴内で回動して副籠部材のスライド移動を許容若しくは阻止するべく前記鍵軸に設けられた制御翼片とを備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、鍵軸を回動させることによって、制御翼片を第一鍵穴内で回動させて副籠部材のスライド移動を許容したり、阻止させることができる。
前記鍵軸には、主籠部材の前部下方空間に架設された略L字形ステーの第二鍵穴に係止して副籠部材を閉鎖状態に保持する鍵部材が併設されており、該鍵部材と第二鍵穴は、該第二鍵穴内で鍵軸を所定角度回動させることによって係止と離脱を可能とされていることを特徴としている。
上記構成によれば、スライド機構のロック機構の制御翼片と主籠部材に対して副籠部材を閉鎖状態に保持する鍵部材とを共通の鍵軸に設けることができ、鍵軸を操作するだけで、副籠部材を主籠部材に対する閉鎖状態保持と閉鎖解除状態に切り替える操作及び基本座席姿勢と伸張座席姿勢とに切り替える操作を行わせることができ、操作部の構成の簡素化と操作性の向上が図れる。
前記鍵軸とスライドベースとの間には、鍵軸の所定角度ごとの回動位置で鍵軸を回動方向に位置決めする回動方向位置決め部材が設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、鍵軸の回動位置を所定角度ごとに位置決め保持させることができ、これによって、主籠部材に対する副籠部材の位置及び副籠部材のスライド位置を確定保持させることができる。
前記鍵軸は、回動操作により主籠部材に対する副籠部材を、荷籠姿勢、基本座席姿勢、伸張座席姿勢のロックとアンロックを可能とされていることを特徴としている。
上記構成によれば、ロックとアンロック操作が1カ所でワンタッチで簡単に行うことができ、構成も簡単となる。
本発明によれば、子供同乗席の状態において、子供の成長や体格に応じて主籠部材に対する副籠部材の配置間隔を調整可能とし荷籠状態においてコンパクト化可能な荷籠兼用子供同乗席を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明すると次の通りである。
本発明の荷籠兼用子供同乗席1は、図1に示すように、主籠部材2に形成された前部下方空間3を副籠部材4で閉鎖した荷籠姿勢P1と、主籠部材2に対して副籠部材4を前下方に傾倒して副籠部材4の前壁4aを子供の足載せ部とする基本座席姿勢P2とに姿勢変更可能とされており、前記主籠部材2と副籠部材4との間には、前記基本座席姿勢P2から主籠部材2に対して副籠部材4を更に前下方にスライドした伸張座席姿勢P3とするスライド機構5が設けられている。
主籠部材2は、図3に示すように、前壁2aと後壁2bと左右側壁2c、2cで周囲を
囲まれ、底部に底壁2dを有し、上部が開放した略方形容器形状をなしている。そして、前壁2aの下部、左右側壁2c、2cの前部下方及び底壁2dの略前半部を切欠部として前部下方空間3が形成されている。
左右側壁2c、2cには、図1、図3に示すように、自転車のハンドルバーの立ち上がり部(図示省略)に嵌合装着する縦方向の嵌合溝2e、2eが前後方向の略中央部に形成され、その前後に網目部2f、2fが形成されている。
また、図1に示すように、左右側壁2c、2cの前部付近上端には、着座した子供が握る子供用ハンドル(図示省略)の取付部2g、2gが形成されており、後壁2bには、ヘッドレスト6を高さ調整可能に装着するガイド部7が縦方向に形成されている。
主籠部材2の前部下方空間3には、図1〜図3に示すように、前壁2aの下端部から底壁2dの前端部にかけて側面視で略L字形ステー8が主籠部材2の左右方向中央部に架設されている。
底壁2dには、図1、図3に示すように、主籠部材2を自転車のハンドルステム(図示省略)に載置して取付金具で固定するための取付孔2hが適宜形成されている。
また、底壁2dの前端には、図2、図3、図6(B)に示すように、ヒンジ取付部9が形成され、このヒンジ取付部9の直後の位置に副籠部材4の開放角度αを規制するストッパー面10が一体に形成されている。
副籠部材4は、図1、図4(A)に示すように、主籠部材2の前部下方空間3を閉鎖しうる大きさと形状の前壁4a、底壁4b、左右側壁4c、4cを有しており、前壁4aから底壁4bにかけて補強リブ4dが左右方向に適宜間隔を置いて形成され、また、前壁4aと底壁4bの境界部には、図4(B)に示すように、水抜き孔4eが補強リブ4dの形成位置に対応して形成されている。この水抜き孔4eは、補強リブ4dによって上部から直接見えないように隠されている。
スライド機構5は、図2に示すように、主籠部材2のヒンジ取付部9にヒンジ部11をヒンジピン12で枢着されたスライドベース13と、該スライドベース13に対して副籠部材4を前後方向にスライド移動可能に支持するスライドガイド14、14(図8参照)と、前記スライドベース13に対する副籠部材4のスライド移動を規制するロック機構15とを備えている。
スライドベース13は、図2、図5(A)、図6(A)に示すように、主籠部材2の底壁2dの前半部の底壁切欠部を略補填する略矩形板形状とされ、この板形状の前部の左右両端部は、円弧状とされている。また、スライドベース13の後端部中央には、ヒンジ部11が後方に向けて突設されており、このヒンジ部11には、ヒンジピン12の挿通孔11aが左右方向に貫通して形成されている。
スライドガイド14,14は、図5(A)(B)、図8に示すように、スライドベース13の左右両側に形成されたガイド溝14a、14aと、これに嵌合するガイドピン16、16とからなり、ガイド溝14a、14aは前後方向に延びる長孔としてスライドベース13に形成されている。ガイドピン16、16は、副籠部材4の底壁4bに垂設されている。ガイド溝14a、14aの前後方向の長さは、スライドベース13に対する副籠部材4の前後方向のスライド移動距離Lに相当する長さとされている。
ロック機構15は、図2に示すように、前記スライドベース13に回動可能に設置された鍵軸17と、前記副籠部材4に形成された第一鍵穴18と、該第一鍵穴18内で回動して副籠部材4のスライド移動を許容若しくは阻止するべく前記鍵軸17に設けられた制御翼片19とを備えている。
スライドベース13の左右方向中央部上面には、図2、図5(A)、図6(A)に示すように、前後方向に延びる凹部13aが形成され、この凹部13aの後方寄りの位置には
、鍵軸17を回動可能に挿通保持する円形の貫通孔13bが形成されている。
なお、スライドベース13の後端部下面には、ストッパー部13cが形成されている。このストッパー部13cは、図2に鎖線で示すように、スライドベース13をヒンジピン12を中心として前下方に傾倒させたときに、主籠部材2の底壁2dの前端に形成してあるストッパー面10に当接して副籠部材4を基本座席姿勢P2に保持させるためのものである。このストッパー部13cは、図示例では、スライドベース13の左右方向に適宜間隔で補強リブ状に形成しているが、この形状に制約されず、ブロック形状であってもよい。
スライドベース13の凹部13aは、第一鍵穴18と対応している。第一鍵穴18は、図4(A)、図5(B)、図7(B)に示すように、副籠部材4の底壁4dの下面に突設した2つの円形周壁18a、18bと、これら2つの円形周壁18a、18bの間を繋ぐ直線周壁18c、18cとで囲繞形成されている。2つの円形周壁18a、18bは、副籠部材4の前後方向にスライド移動距離だけ離隔して形成されている。2つの円形周壁18a、18bの間を繋いでいる直線周壁18c、18cの間の幅間隔は、円形周壁18a、18bの直径よりも小さく形成されている。これら2つの円形周壁18a、18bの中心部間には、直線周壁18c、18cの幅間隔よりも小さい幅の長孔18dが形成されている。
この長孔18dには、鍵軸17が挿通される。また、円形周壁18a、18bで囲繞された第一鍵穴18には、制御翼片19が回動可能に収容される。制御翼片19は、図10(A)〜(C)に示すように、長辺部19a、19aと短辺部19b、19bとからなる平面視で略小判形の板片からなり、上下方向に貫通する角穴19cが中心部に形成してある。
制御翼片19は、図7(B)に示すように、長辺部19a、19aの方向(長径方向)を円形周壁18a、18b内で、二点鎖線に示すようにスライド移動方向と直交させると、制御翼片19と円形周壁18a、18bとのスライド方向の相対移動が阻止される。また、上記長辺部19a、19aの方向を円形周壁18a、18b内で、一点鎖線に示すようにスライド移動方向と一致させると、制御翼片19と円形周壁18a、18bとのスライド方向の相対移動が許容され、制御翼片19の短辺部19b、19bが直線周壁18c、18c間を自由に通過できる。
上記構造によって、スライドベース13に対して、副籠部材4のスライド移動を阻止したり、許容させたりすることができる。
鍵軸17は、図9(A)〜(E)に示すように、上端に平面視で略長円形の鍵部材17aを有し、この鍵部材17aの下部に大径円筒部17bが形成され、その下部に小径円筒部17cが形成され、更にその下部に小径角筒部17dが形成されている。
上記大径円筒部17bは、鍵部材17aの短径部と同一径とされている。また、小径円筒部17cは、前記副籠部材4の長孔18dと同一径とされ、該長孔18dに回動自在でスライド方向に相対移動可能に嵌合されている。更に小径角筒部17dは、制御翼片19の角穴19cと同一径とされ、該角穴19cに一体回転可能に嵌合されている。制御翼片19の角穴19cの内周面と、鍵軸17の小径角筒部17dの外周面とには、凸部19dと凸部17eとが形成されており、これらによって、鍵軸17に対する制御翼片19の嵌合位相を一義的に決定するようにしている。例えば、図示例では、鍵部材17aの長径方向と制御翼片19の長径方向とが一致するようにした場合を示しているが、これらが直交するようにしてもよい。
鍵軸17の上端の鍵部材17aは、主籠部材2の前部下方空間3に架設された略L字形ステー8の第二鍵穴20に係止して副籠部材4を閉鎖状態に保持するために設けられている。上記第二鍵穴20は、鍵部材17aよりも大径の円形凹部20aとこの円形凹部20
aの中心部に上下方向に貫通して形成された貫通孔20bとを有する。この貫通孔20bは、平面視で略長円形とされ、鍵部材17aと同一形状ないし若干大きめとされている。
上記構造によって、鍵部材17aと第二鍵穴20は、図7(A)に示すように、該第二鍵穴20の円形凹部20a内で鍵軸17を略90度回動させることによって、該円形凹部20aの貫通孔20bの長径方向に対して鍵部材17aの長径方向を直交させると係止させることが可能とされ、両長径方向を一致させると離脱させることが可能とされている。
上記鍵軸17の小径角筒部17dには、略90度ごとの回動位置で該鍵軸17を回動方向に位置決めする回動方向位置決め部材21が図2に示すように嵌合されている。この回動方向位置決め部材21は、図11(A)〜(C)に示すように、中心ボス部21aと、この中心ボス部21aから径方向外方に張り出して形成された円盤部21bと、この円盤部21bの十字方向に切り目21cを入れて弾性変形を容易にされた十字腕部21dとからなり、十字腕部21dの先端部上面に位置決め凸部21eを形成している。この位置決め凸部21eに対応して、スライドベース13の貫通孔13bの下面周囲には、図5(A)、図6(A)に示すように、位置決め凹部13dが形成されている。
中心ボス部21aの外径は、スライドベース13の貫通孔13bと同径若しくは若干小径とされている。また、中心ボス部21aの中心部には、角穴21fが形成され、この角穴21fの中心部に小径円孔21gが形成されている。
鍵軸17は、図2に示すように、副籠部材4の長孔18dに上方から挿通され、次に、鍵軸17の角筒部17dに制御翼片19が嵌合され、この状態で鍵軸17がスライドベース13の貫通孔13bに挿通され、次に、回動方向位置決め部材21が鍵軸17の角筒部17dに下方から嵌合され、このとき、回動方向位置決め部材21の中心ボス部21aの外周部をスライドベース13の貫通孔13bに嵌合させ、最後に、締付ボルト22を鍵軸17の中心孔17fに挿通し、該締付ボルト22の下端に締付ナット23をゴム座金24を介して装着して全体を締付固定する。
本発明に係る荷籠兼用子供同乗席の実施形態は、以上の構成からなり、次に、全体の動作を説明する。
荷籠として使用する場合には、図1及び図2の実線で示すように、副籠部材4を引き上げて主籠部材2の前部下方空間3を閉鎖状態とし、鍵軸17を回動させて、上端の鍵部材17aの長径方向を、図7(A)に示すように、略L字形ステー8の第二鍵穴20の円形凹部20a内で、貫通孔20bの長径方向と直交させると、鍵部材17aが円形凹部20a内で係止され、副籠部材4の閉鎖状態を保持する。この時の鍵軸17の回転方向位置は、回転方向位置決め部材21の十字腕部21dの先端の位置決め凸部21eがスライドベース13の位置決め凹部13dに嵌合することによって固定状態に保持される。その結果、荷籠として使用中に、自転車の走行振動等が伝わっても、鍵軸17が回動せず、副籠部材4の閉鎖状態が維持される。
次に、子供同乗席として使用する場合には、鍵軸17を90度回動させて、鍵部材17aの長径方向を略L字形ステー8の第二鍵穴20の貫通孔20bの長径方向と一致させる。これにより、鍵部材17aは第二鍵穴20の貫通孔20bから離脱可能となり、副籠部材4がスライドベース13と一体的にヒンジピン12を中心として下方に自重で回動し、ストッパー部13cがストッパー面10に当接して図1及び図2の鎖線状態、即ち、基本座席姿勢P2に保持される。
この際、鍵軸17の鍵部材17aの長径方向と制御翼片19の長径方向とを直交関係に設定しておくと、制御翼片19は、スライドベース13に対する副籠部材4のスライド移動を阻止する状態とすることができる。なお、第二鍵穴20の貫通孔20bの長径方向を副籠部材4のスライド方向と直交方向に設定した場合では、鍵軸17の鍵部材17aの長径方向と制御翼片19の長径方向とを一致させておくことにより、上記と同様の関係が形
成できる。
子供が小さい間は、基本座席姿勢P2のままで使用する。しかし、子供が大きくなってくると、伸張座席姿勢P3にするため、鍵軸17を90度回動させて、制御翼片19の長径方向をスライド方向に一致(平行)させる。これによって、制御翼片19と第一鍵穴18とによる副籠部材4のスライド移動の阻止が解除され、副籠部材4をスライドベース13から前方に引き出して伸張座席姿勢P3とすることができる。この状態で、鍵軸17を90度回動させることにより、制御翼片19は、前方の円形周壁18b内で長径方向がスライド方向と直交し、副籠部材4のスライド移動を阻止する状態となる。鍵軸17は、回動方向位置決め部材21によって位置決め保持され、自転車の走行振動等によって鍵軸17が回動することはなく、副籠部材4を伸張座席姿勢P3に安定保持させることができる。
荷籠として使用する場合には、鍵軸17を90度回動させて副籠部材4を後方に押し入れて基本座席姿勢P2に戻し、鍵軸17を90度回動させて副籠部材4のスライド移動を阻止し、この状態で副籠部材4を上方に回動させて鍵部材17aを略L字形ステー8の第二鍵穴20の貫通孔20bを通過させ、この状態で鍵軸17を90度回動させればよい。これにより、副籠部材4は、主籠部材2の前部下方空間3を閉鎖した状態となり、荷籠姿勢P1となる。
以上のように、鍵軸17は、第一鍵穴18と第二鍵穴20の両方を貫通しており、鍵軸17の回動操作により、荷籠姿勢を保持するロック状態と、副籠部材を傾倒して基本座席姿勢を保持したロック状態と、副籠部材を前方にスライドした伸張座席姿勢を保持したロック状態の何れもとることができる。なお、鍵軸17の鍵部材17aは、第二鍵穴20と係合する役割の他、操作ハンドルとしての役割をも果たすことができる。
本発明の実施形態は、以上の構成及び動作からなるものであるが、本発明は、この実施形態のみに制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で自由に変更して実施してもよい。例えば、ロック機構15の第一鍵穴18は、図12に示すように、円形周壁を3つ設けて副籠部材4の前方への伸張を2段階調節可能としてもよい。また、多段階調節可能としてもよい。更に、主籠部材は、前部が全部開放する構造に適用してもよい。また、主籠部材2、副籠部材4、スライドベース13、鍵軸17、制御翼片19、回動方向位置決め部材21は樹脂製としているが、他の材料で構成しても良い。
本発明に係る荷籠兼用子供同乗席の側面図である。 主籠部材と副籠部材との取付部の詳細を示す要部拡大縦断側面図である。 主籠部材の平面図である。 (A)は副籠部材の縦断側面図、(B)は(A)のB−B線断面図である。 (A)はスライドベースの平面図、(B)は副籠部材の平面図である。 (A)はスライドベースの縦断側面図、(B)は主籠部材の略L字形ステー部付近の拡大縦断側面図である。 (A)は略L字形ステーの第一鍵穴と鍵軸の鍵部材との関係を示す平面図、(B)は副籠部材のロック機構の第二鍵穴と制御翼片との関係を示す底面図である。 スライドベースと副籠部材のスライドガイド部における縦断側面図である。 (A)は鍵軸の平面図、(B)(C)は鍵軸の側面図と正面図で左半分は縦断面で示している。(D)は鍵軸の底面図、(E)は(C)のE−E断面図である。 (A)は制御翼片の平面図、(B)はその縦断側面図、(C)はその正面図である。 (A)は回動方向位置決め部材の平面図、(B)はその側面図で右半分は縦断面で示している。(C)はその部分底面図である。 副籠部材のロック機構の第一鍵穴の別の実施形態を示す底面図である。
1 荷籠兼用子供同乗席
2 主籠部材
3 前部下方空間
4 副籠部材
5 スライド機構
6 ヘッドレスト
7 ガイド部
8 略L字形ステー
9 ヒンジ取付部
10 ストッパー面
11 ヒンジ部
12 ヒンジピン
13 スライドベース
14 スライドガイド
15 ロック機構
16 ガイドピン
17 鍵軸
18 第一鍵穴
19 制御翼片
20 第二鍵穴
21 回動方向位置決め部材
22 締付ボルト
23 締付ナット

Claims (4)

  1. 主籠部材に形成された前部下方空間を副籠部材で閉鎖した荷籠姿勢と、主籠部材に対して副籠部材を前下方に傾倒して副籠部材の前壁を子供の足載せ部とする基本座席姿勢とに姿勢変更可能な荷籠兼用子供同乗席であって、
    前記主籠部材と副籠部材との間には、前記基本座席姿勢から主籠部材に対して副籠部材を更に前下方にスライドした伸張座席姿勢とするスライド機構が設けられており、
    前記スライド機構は、主籠部材にヒンジ部を介して設けられたスライドベースと、該スライドベースに対して副籠部材を前後方向にスライド移動可能に支持するスライドガイドと、前記スライドベースに対する副籠部材のスライド移動を規制するロック機構とを備えており、
    前記ロック機構は、前記スライドベースに回動可能に設置された鍵軸と、前記副籠部材に形成された第一鍵穴と、該第一鍵穴内で回動して副籠部材のスライド移動を許容若しくは阻止するべく前記鍵軸に設けられた制御翼片とを備えていることを特徴とする荷籠兼用子供同乗席。
  2. 前記鍵軸には、主籠部材の前部下方空間に架設された略L字形ステーの第二鍵穴に係止して副籠部材を閉鎖状態に保持する鍵部材が併設されており、該鍵部材と第二鍵穴は、該第二鍵穴内で鍵軸を所定角度回動させることによって係止と離脱を可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の荷籠兼用子供同乗席。
  3. 前記鍵軸とスライドベースとの間には、鍵軸の所定角度ごとの回動位置で鍵軸を回動方向に位置決めする回動方向位置決め部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷籠兼用子供同乗席。
  4. 前記鍵軸は、回動操作により主籠部材に対する副籠部材を、荷籠姿勢、基本座席姿勢、伸張座席姿勢のロックとアンロックを可能とされていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の荷籠兼用子供同乗席。
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